JP2008146853A - Ihクッキングヒータ用給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】IHクッキングヒータに対して、商用交流電源の給電電力の制限値以上の電力を給電可能とする。
【解決手段】商用交流電源を制御整流器35により直流電源に変換して次段の直流回路40に出力し、直流回路40から高周波インバータ32に直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、その高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイル4を励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、直流回路40の2線間に電気二重層キャパシタ36を接続し、制御整流器35の出力電圧を商用交流電源の波高値以上の電圧とし、高周波インバータ32の電力の一部または全部を電気二重層キャパシタ36から給電する。
【選択図】図1
【解決手段】商用交流電源を制御整流器35により直流電源に変換して次段の直流回路40に出力し、直流回路40から高周波インバータ32に直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、その高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイル4を励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、直流回路40の2線間に電気二重層キャパシタ36を接続し、制御整流器35の出力電圧を商用交流電源の波高値以上の電圧とし、高周波インバータ32の電力の一部または全部を電気二重層キャパシタ36から給電する。
【選択図】図1
Description
本発明は、IH(誘導加熱)クッキングヒータ用給電装置に関し、さらに詳しく言えば、複数台のIHクッキングヒータを商用電源の受電電力を超えて同時に駆動できるようにしたIHクッキングヒータ用給電装置に関するものである。
まず、図10に一般家庭用の給電システムを示し、これについて説明する。一般家庭に敷設されている家庭内電気系統110には、通常、単相100V3線式の配電線100から引込給電線120を介して給電されている。
家庭内電気系統110内には、家庭内で消費される電力が契約電力を超えた場合に家庭内電気系統110を引込給電線120から切り離すNFB(ノーヒューズブレーカ)130が設置されており、このNFB130から分電回路140を介して家庭内の各負荷回路151,152,153に給電される。この例では、負荷回路を3回路としているが、家庭の契約電力などによってはこれとは異なる負荷回路となる。
分電回路140には、各負荷回路ごとにNFBが設けられており、負荷回路151にはNFB141を介して、負荷回路152にはNFB142を介して、また、負荷回路153にはNFB143を介してそれぞれ給電される。
各負荷回路には、その通電能力(通常、15A程度)と負荷の消費電力との関係を考慮して適切な数の負荷が接続される。例えば、照明器具、映像機器,ドライヤーなどの比較的消費電力が少ない負荷の場合には、負荷回路151のように複数(この例では3つ)の負荷161,162,163が接続される。
これに対して、例えば、エアコンやIHクッキングヒータなど消費電力が大きい負荷170,180の場合には1負荷回路,1負荷給電としており、負荷回路152,153はこの場合を示している。
各NFB141,142,143は、各負荷回路151,152,153の通電電流がその通電能力を超えないようにするためのブレーカで、例えば負荷回路151に接続されている負荷161,162,163が同時に駆動され、その合計通電電流が負荷回路151の通電能力を超えると、NFB141が作動して負荷回路151を引込給電線120から切り離す。
また、各負荷回路151,152,153の負荷電流が許容値内でも、合計した負荷電力が契約電力を超えると、NFB130が作動して家庭内電気系統110を引込給電線120から切り離す。
例えば、負荷回路152の負荷であるエアコン170および負荷回路153の負荷であるIHクッキングヒータ180を使用中に、負荷回路151の比較的大きな負荷である例えばヘアードライヤーを使用したときなどに、全体の消費電力が契約電力を超えてNFB130が作動する可能性がある。
このような場合、エアコンやIHクッキングヒータなどの消費電力の大きな電気製品の使用または動作が終了するまで、ヘアードライヤーの使用を控えるなど、他の電気製品の使用に不便をきたすことになる。このことから、消費電力の大きな電気製品は、その消費電力によって他の電気製品の使用に不便を生じさせないことが求められている。
次に、図11の回路構成図により、消費電力の大きな電気製品のひとつであるIHクッキングヒータについて説明する(第1従来例)。
通常、IHクッキングヒータには、単相交流100Vまたは単相交流200V(単相100V,3線式)の商用交流電源が用いられ、その100Vまたは200Vの電源コンセントに差し込まれる電源プラグ1および入力制御回路2を介してIHクッキングヒータの電源回路3内に商用交流電源が取り込まれる。
図示しないが、入力制御回路2にはNFB(ノーヒューズブレーカ),入力フィルタなどが含まれ、NFBはIHクッキングヒータの設置時に「入り」状態にセットされ、以後通常の運転可能状態では「入り」状態に維持される。
電源回路3には、上記商用交流電源を直流電源に整流する整流回路31,IH(誘導加熱)コイル4を励磁する高周波インバータ32,高周波インバータ32に含まれているインバータ入力キャパシタ323を初期充電するキャパシタ初期充電回路33,IHクッキングヒータの操作部5および制御回路34が設けられている。
この例において、整流回路31は4つのダイオード310をブリッジ接続してなるダイオード整流回路として示されている。また、高周波インバータ32は単相インバータで、半導体スイッチングスタック321および322でブリッジインバータを構成している例で示されている。
キャパシタ初期充電回路33は、整流回路31と高周波インバータ32との間に接続される2つのスイッチ331,332およびその一方スイッチ332に直列に接続される抵抗素子333により構成されている。
操作部5には、ユーザーによりIHクッキングヒータの運転,停止などの指令が入力され、その指令信号は入力制御回路2に与えられるとともに、制御回路34を介してキャパシタ初期充電回路33と高周波インバータ32とに与えられる。
次に、上記した構成のIHクッキングヒータの動作について説明する。電源プラグ1を上記電源コンセントに差し込み、その100Vまたは200Vの商用交流電源を受電した状態において、操作部5で「運転」を選択すると、キャパシタ初期充電回路33および制御回路34に運転指令が出される。
これにより、キャパシタ初期充電回路33の抵抗素子333を含むスイッチ332側がオンとなり、ダイオード整流回路31を介して高周波インバータ32のインバータ入力キャパシタ323の充電が開始される。
インバータ入力キャパシタ323の充電が完了すると、スイッチ332がオフ、これに代えてスイッチ331がオンになり、整流回路31にて整流された直流電源が高周波インバータ32に給電される。
この状態で、高周波インバータ32が制御回路34により制御され、その高周波交流電流によりIHヒータコイル4が励磁され、IHヒータコイル4から発生される高周波磁束により図示しない鉄系の調理具が誘導加熱される。
図11の第1従来例では、整流器としてダイオード整流器31を用いているが、ダイオード整流器31に代えて制御整流器を使用することもでき、その例を第2従来例として図12に示す。
なお、図12において、上記第1従来例と同一の構成要素には同一の参照符号を付しその説明は省略する。また、図12では図11における高周波インバータ32およびIHヒータコイル4は、その図示が省略されている。
この第2従来例では、電源プラグ1および入力制御回路2を介して給電される商用交流電源を直流電源に変換する整流器として、制御整流器35が用いられる。制御整流器35は、半導体スイッチ素子である例えばNPNトランジスタ351のコレクタ−エミッタ間にダイオード352が並列に接続されたスイッチ素子350をブリッジ接続することにより構成される。
この第2従来例は、制御整流器35を備え、この制御整流器35が制御回路34により制御される点を除いて、他の構成は上記第1従来例と同じであってよい。整流器が上記第1従来例のようにダイオード整流器31の場合、交流電源(電源プラグ1が接続される電源)の力率が1より小さくなり、また、電流波形が正弦波状にならないが、制御整流器35の場合には、力率をほぼ1に、また、電流波形をほぼ正弦波状にすることができる。
このことから、電源側の電力品質が問題になる場合には、制御整流器方式が選択的に採用されている。なお、制御整流器方式の場合、スイッチング時に発生する高調波が電源側に流れないようにするため、入力制御回路2に高調波阻止フィルタを設けることが好ましい。
図11の第1従来例および図12の第2従来例ではIHヒータコイル4がひとつ、すなわちIHクッキングヒータのヒータテーブルが1台としているが、一般的に、IHクッキングヒータには複数台のヒータテーブルを備えている。図13に第3従来例として、図11の第1従来例でヒータテーブルをTa,Tb,Tcの3台にした例を示す。
この場合、電源回路3のうち、ダイオード整流器31およびキャパシタ初期充電回路33を共用とし、各ヒータテーブルTa,Tb,Tcには、高周波インバータ32a,32b,32cおよびIHヒータコイル4a,4b,4cがそれぞれ設けられる。なお、この例では整流器をダイオード整流器31としているが、制御整流器35であってもよい。
商用交流電源から電力をとる場合、その給電電力に契約電力による制限がある。一例として、30A契約の場合、単相交流100Vでは3kW,単相交流200Vでは2倍の6kWである。
IHクッキングヒータの場合、調理に必要とされる電力は3kW程度であるため、通常、1ヒータテーブルあたり3kW程度に設計されている。ヒータテーブルが1台の場合、単相交流100V電源でも給電可能であるが、図13の第3従来例の場合、3台のヒータテーブルTa,Tb,Tcを同時に使用して調理するには約9kWの電力が必要となる。
そのため、複数のヒータテーブルを同時に使用する場合、その消費電力が商用交流電源の受電容量限度内に収まるようにIHクッキングヒータの電力を制限するようにしている。例えば、単相交流200Vの場合、1台は3kWの最大電力とするが、他の2台は1.5kWとして、合計6kWにしている。
上記したように、複数のヒータテーブルを同時に使用する場合、商用交流電源の受電電力の制限から、望ましい電力が得られないため、(1)調理に時間がかかる、(2)望ましい調理ができない、(3)同時に大量の調理ができないなどの問題がある。
これを解決するには、契約電力を30A以上にして商用交流電源の受電容量を大きくすればよいのであるが、他方において、電力料金が嵩む、太い給電線に変更する必要が出てくるなど、別の問題が生ずる。
したがって、本発明の課題は、IHクッキングヒータに対して、商用交流電源の給電電力の制限値以上の電力を給電し得るようにしたIHクッキングヒータ用給電装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、商用交流電源を制御整流器により直流電源に変換して次段の直流回路に出力し、上記直流回路から高周波インバータに上記直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、上記高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイルを励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、上記直流回路の2線間に接続される電気二重層キャパシタと、上記制御整流器の出力電圧を上記商用交流電源の波高値以上の電圧とし、上記高周波インバータの電力の一部または全部を上記電気二重層キャパシタから給電させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のIHクッキングヒータ用給電装置において、上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記制御整流器の最大出力電力を超えている場合、その不足分の電力を上記電気二重層キャパシタから上記高周波インバータに給電することを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載のIHクッキングヒータ用給電装置において、上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記制御整流器の最大出力未満である場合、その余剰の電力にて上記電気二重層キャパシタを充電することを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明は、商用交流電源をダイオード整流器により直流電源に変換して次段の直流回路に出力し、上記直流回路から高周波インバータに上記直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、上記高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイルを励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、上記直流回路の2線間にチョッパを介して接続される電気二重層キャパシタと、上記高周波インバータの電力の一部または全部を上記電気二重層キャパシタから上記チョッパを介して給電させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載のIHクッキングヒータ用給電装置において、上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記ダイオード整流器の最大出力電力を超えている場合、上記チョッパを制御してその不足分の電力を上記電気二重層キャパシタから上記高周波インバータに給電することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、上記請求項4または5に記載のIHクッキングヒータ用給電装置において、上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記ダイオード整流器の最大出力電力未満である場合、上記チョッパを制御してその余剰分の電力を上記電気二重層キャパシタに充電することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、上記請求項1ないし6のいずれか1項に記載のIHクッキングヒータ用給電装置において、上記商用交流電源が単相交流100V2線式もしくは単相交流100V3線式であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、制御整流器の出力側の次段の直流回路に電気二重層キャパシタを接続するとともに、制御整流器の出力電圧を商用交流電源の波高値以上の電圧とし、高周波インバータの電力の一部または全部を電気二重層キャパシタから給電するようにしたことにより、IHクッキングヒータに対して、商用交流電源の給電電力の制限値以上の電力、例えば契約30Aとして、単相交流100V給電では3kW以上の電力、単相交流200V給電では6kW以上の電力を給電することができる。これにより、調理時間を短縮できる、望ましい調理ができる、同時に大量の調理が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が制御整流器の最大出力電力を超えている場合、その不足分の電力を電気二重層キャパシタから高周波インバータに給電されるため、制御整流器の出力電圧を調整することにより、電気二重層キャパシタからの給電を適宜制御することができる。
請求項3に記載の発明によれば、誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が制御整流器の最大出力未満である場合、その余剰の電力にて電気二重層キャパシタが充電されるため、制御整流器の出力電圧を調整することにより、電気二重層キャパシタへの充電を適宜制御することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、ダイオード整流器の出力側の次段の直流回路にチョッパを介して電気二重層キャパシタを接続し、高周波インバータの電力の一部または全部を電気二重層キャパシタからチョッパを介して給電するようにしたことにより、請求項1と同様の効果が奏される。また、電気二重層キャパシタの電圧変動をチョッパで制御できるため、整流器として非制御型のダイオード整流器を用いることができる。
請求項5に記載の発明によれば、誘導加熱コイル側で消費される負荷電力がダイオード整流器の最大出力電力を超えている場合、チョッパを制御してその不足分の電力を電気二重層キャパシタから高周波インバータに給電することができる。
請求項6に記載の発明によれば、誘導加熱コイル側で消費される負荷電力がダイオード整流器の最大出力電力未満である場合、チョッパを制御してその余剰分の電力を電気二重層キャパシタに充電することができる。
請求項7に記載の発明によれば、商用交流電源として一般に使用されている単相100V2線式もしくは単相100V3線式でよく、使用する電源の変更を要しない。
次に、図1ないし図9により、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、この実施形態の説明において、先の図11ないし図13で説明した従来例と同一の構成要素には同一の参照符号を用いている。
まず、図1,図2および図3a〜図3cにより、本発明によるIHクッキングヒータ用給電装置の第1実施形態について説明する。図1に示すように、この第1実施形態では、図13の第3従来例と同じく3台のヒータテーブルTa,Tb,Tcを備えている。
先にも説明したように、通常、1ヒータテーブルあたり3kW程度に設計されているため、3台同時に使用する場合には9kW以上の電力が必要であるが、契約電力が30Aの場合、単相交流100Vでは3kWが限界、単相交流200Vにしても給電能力は6kWであるため、契約電力を大幅に上げない限り商用電源からの電力では賄いきれない。
そこで、本発明では、急速充放電が可能な電気二重層キャパシタ(EDLC:Eiectric Double Layer Capacitor)をIHクッキングヒータの電源回路内に設け、加熱電力を単相交流100Vまたは単相交流200Vの商用交流電源から電気二重層キャパシタに蓄えておき、この電力を付加給電する。
電気二重層キャパシタの蓄電エネルギーをIHクッキングヒータに給電するため、電気二重層キャパシタの充電電圧は商用交流電源の波高値(単相交流100Vの場合は142V,単相交流200Vの場合は284V)以上とする。
商用交流電源から電気二重層キャパシタにその波高値以上の電圧で充電するため、整流器に制御整流器を使用する。調理時には電気二重層キャパシタから必要とする電力を給電し、非調理時には商用交流電源から許容された電力で電気二重層キャパシタを充電する。
なお、後述する第2実施形態のように、整流器にダイオード整流器を用いる場合、直流電圧は制御できないため、これを補完するうえで、ダイオード整流器の出力側の直流回路にチョッパを介して電気二重層キャパシタを接続し、電気二重層キャパシタの電力をチョッパで制御する。
この第1実施形態においても、電源プラグ1および入力制御回路2を介してIHクッキングヒータの電源回路3内に商用交流電源(単相交流100Vまたは単相交流200V(単相100V,3線式))が取り込まれる。
図示しないが、入力制御回路2にはNFB(ノーヒューズブレーカ),入力フィルタなどが含まれ、NFBはIHクッキングヒータの設置時に「入り」状態にセットされ、以後通常の運転可能状態では「入り」状態に維持される。
この第1実施形態では、整流器として制御整流器35が用いられている。制御整流器35は、先に説明したように、半導体スイッチ素子である例えばNPNトランジスタ351のコレクタ−エミッタ間にダイオード352が並列に接続されたスイッチ素子350をブリッジ接続することにより構成されてよい。
この制御整流器35により商用交流電源が直流電源に変換されるが、この場合、制御整流器35の次段(出力側)の直流回路40の2線間に電気二重層キャパシタ36が接続される。
また、制御整流器35の入力側には電源プラグ1の商用交流電源側から制御整流器35に流れる電流を検出する電流検出器353が接続されるとともに、制御整流器35の出力側には電圧検出器354が接続される。
直流回路40に対して、各ヒータテーブルTa,Tb,Tcに設けられている高周波インバータ32a,32b,32cがそれぞれ並列に接続され、これら高周波インバータ32a,32b,32cにより各ヒータテーブルTa,Tb,TcのIHヒータコイル4a,4b,4cが励磁される。なお、高周波インバータ32a,32b,32cおよびIHヒータコイル4a,4b,4cを特に区別する必要がない場合には、総称として高周波インバータ32,IHヒータコイル4とする。
この第1実施形態においても、上記第2従来例と同じく、制御整流器35と直流回路40との間にキャパシタ初期充電回路33が接続される。
キャパシタ初期充電回路33は、2つのスイッチ331,332およびその一方スイッチ332に直列に接続される抵抗素子333により構成されるが、この場合、キャパシタ初期充電回路33は、高周波インバータ32に含まれているインバータ入力キャパシタ323と電気二重層キャパシタ36とを初期充電する。
また、制御系として、操作部5と制御回路340を備える。操作部5には、ユーザーによりIHクッキングヒータの運転,停止などの指令が入力され、その指令信号は入力制御回路2に与えられるとともに、制御回路340を介してキャパシタ初期充電回路33と各高周波インバータ32a,32b,32cとに与えられる。
次に、図2のタイミングチャートを参照して、第1実施形態の動作について説明する。時刻T1からT3までがIHクッキングヒータの立ち上げ準備期間である。時刻T1より前では、入力制御回路2の図示しないNFBは「入り」状態になっており、制御整流器35の入力側には電源プラグ1の交流電圧が印加されている。
立ち上げ以前、制御整流器35は非制御の状態で、時刻T1でキャパシタ初期充電回路33のスイッチ332がオンになると、電気二重層キャパシタ36が制御整流器35,抵抗素子333,スイッチ332を介して制御整流器35の入力交流電圧の波高値に相当する電圧値VACまで充電される。
電気二重層キャパシタ36の電圧が波高値相当のほぼ電圧値VACまで充電された時刻T10で、スイッチ332がオフ,これに代わってスイッチ331がオンになる。その後の時刻T2で、制御整流器35を制御して電気二重層キャパシタ36の電圧を波高値相当の電圧値VACより高い電圧VCMAXにまで充電する。
この例では、制御整流器35の電力P0一定として充電するようにしているが、定電流充電としてもよい。電気二重層キャパシタ36の電圧が電圧VCMAXにまで達した時刻T3で、制御整流器35の出力電圧をVCMAXに維持する。
時刻T41から時刻T46までの動作および時刻T51から時刻T56までの動作がIHクッキングヒータの動作例である。まず、時刻T41から時刻T46までの動作について説明する。時刻T41で操作部5よりIHヒータコイル4aにて調理具(図示省略、以下同じ)を電力P(IHクッキングで“強火”に相当)で加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32aは電力Pを出力する。
続いて、時刻T42で操作部5よりIHヒータコイル4bにて調理具を電力P/2(IHクッキングで“中火”に相当)で加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32bは電力P/2を出力する。さらに続いて、時刻T43で操作部5よりIHヒータコイル4cにて調理具をIHヒータコイル4bと同じく電力P/2で加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32cは電力P/2を出力する。
その後、時刻T44でIHヒータコイル4a(高周波インバータ32a)がオフ、時刻T45でIHヒータコイル4b(高周波インバータ32b)がオフ、時刻T46でIHヒータコイル4c(高周波インバータ32c)がオフにされる。
この場合、時刻T43〜時刻T44間で、制御整流器35は、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力である最大2Pの電力を出力するが、この例において、最大受電電力に相当する制御整流器35からの最大給電電力はPMAXであり、電力2Pはその最大給電電力PMAXに達していないため、電気二重層キャパシタ36から給電する必要がなく、制御整流器35の出力電圧はVCMAXに維持される。
次に、時刻T51から時刻T56までの動作について説明する。時刻T51で操作部5よりIHヒータコイル4aにて調理具を電力Pで加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32aは電力Pを出力する。
続いて、時刻T52で操作部5よりIHヒータコイル4bにて調理具を電力Pで加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32bは電力Pを出力する。さらに続いて、時刻T53で操作部5よりIHヒータコイル4cにて調理具を同じく電力Pで加熱するように指令が出されると、高周波インバータ32cは電力Pを出力する。
この場合、時刻T53で各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が3Pとなり、制御整流器35からの最大給電電力PMAXを超えるため、その超過分の電力(制御整流器35の出力でハッチングで示した部分)が電気二重層キャパシタ36から給電されることになる。電気二重層キャパシタ36からの必要な給電量は、制御整流器35の出力電圧により制御されるが、これについては後述する。
各高周波インバータの合成電力3Pが制御整流器35からの最大給電電力PMAXを超えることにより、これまでVCMAXに充電されていた電気二重層キャパシタ36から時刻T53で放電電流IC1が流れ始め、これに伴って電気二重層キャパシタ36の電圧は減少する。
時刻T54でIHヒータコイル4a(高周波インバータ32a)がオフとされることにより、各高周波インバータの合成電力が最大給電電力PMAX以下となるため、電気二重層キャパシタ36からの給電が止められる。
この時刻T54での電気二重層キャパシタ36の放電電流をIC2,そのときの電圧をVCMINとして、未だ稼働中の高周波インバータ32b,32cの合成電力2Pと、制御整流器35の最大給電電力PMAXとの差電力で電気二重層キャパシタ36が充電され、電気二重層キャパシタ36の電圧はVCMINから増加して行く。電気二重層キャパシタ36の充電は、制御整流器35の出力電圧により制御されるが、これについては後述する。
続いて、時刻T55でIHヒータコイル4b(高周波インバータ32b)がオフ、時刻T56でIHヒータコイル4c(高周波インバータ32c)がオフにされ、時刻T56以降は制御整流器35の出力で電気二重層キャパシタ36の充電が行われ、その電圧がVCMAXになる時刻T56で充電動作を終了する。時刻T56以降は、次のIHクッキングヒータの運転操作の待ち状態となる。
ここで、電気二重層キャパシタ36の蓄電容量について説明する。電気二重層キャパシタ36の蓄電容量は、契約電力,IHクッキングヒータの複数のヒータテーブルが同時に運転された場合の合計最大電力,この合計最大電力と契約電力との差電力,この差電力を給電する時間,各ヒータテーブルの高周波インバータおよび制御整流器の許容直流電圧変動範囲および電気二重層キャパシタのコストを考慮して、適切な静電容量(F),最大電圧(VCMAX),最小電圧(VCMIN)を選定することが好ましい。
次に、電気二重層キャパシタ36の放電および充電制御動作について説明する。まず、図2のタイミングチャートで示されている時刻T53〜時刻T54間の制御動作を図3a,図3bにより説明する。図3aは図1からこの制御動作に関係する構成要素を抽出した回路図で、図3bはその動作説明用のタイミングチャートである。
図3aに示すように、制御回路340内には整流器制御回路50aが含まれており、この整流器制御回路50aには、電流検出器353で検出される制御整流器35の入力電流と、電圧検出器354にて検出される直流回路40の電圧とが入力され、整流器制御回路50aは、これらの各検出信号に基づいて制御整流器35を制御する。
時刻T53で各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が制御整流器35の最大給電電力PMAXを超える3Pになると、制御整流器35に電流制限値ILを超える入力電流IMAXが流れようとする。
これを阻止するため、整流器制御回路50aは、制御整流器35への入力電流が電流制限値IL(もしくはそれ以下)になるように、制御整流器35の出力電圧を下げる。このときの制御整流器35の給電電力をPCとする。
制御整流器35の出力電圧が電気二重層キャパシタ36の電圧よりも低くなると、電気二重層キャパシタ36から高周波インバータ32への給電が自動的に開始される。
この場合、電気二重層キャパシタ36からの給電電力は、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力3Pと上記給電電力PCとの差電力(3P−PC;図3bにおける電力Pの波形でハッチングで示す部分)である。
電気二重層キャパシタ36の電圧は、放電とともにVCMAXから減少して行くので、整流器制御回路50aは、電圧検出器354にて検出される電気二重層キャパシタ36の電圧(直流回路40の電圧)を監視しながら、制御整流器35の入力電流が電流制限値IL(もしくはそれ以下)になるように、制御整流器35の出力電圧を電気二重層キャパシタ36の電圧に合わせて下げる。
そして、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が、制御整流器35の最大給電電力PMAX以下になった時点で、制御整流器35の出力電圧の下げを止める。これにより、電気二重層キャパシタ36の電圧が、その止められた電圧に到達した時点で電気二重層キャパシタ36からの給電が終了する。
なお、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が、制御整流器35の最大給電電力PMAXを超えているかどうかは、ユーザーから操作部5に入力される各IHヒータコイル4a,4b,4cへの運転信号(例えば強火,中火,弱火など)から判断することができる。
次に、図2のタイミングチャートで示されている時刻T54〜時刻T56間の制御動作を図3cの動作説明用のタイミングチャートにより説明する。上記したように、電気二重層キャパシタ36からの放電を止めるには、その時点での制御整流器35の出力電圧と電気二重層キャパシタ36の電圧を同じ電圧にする。
電圧検出器354は、常に制御整流器35および電気二重層キャパシタ36の電圧を監視し、その検出電圧を整流器制御回路50aに出力しているため、整流器制御回路50aは、電力制限から外れた時刻T54の電圧VCMINを検知することができる。
また、整流器制御回路50aは、操作部5からの運転指令から時刻T54における高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が制御整流器35の最大給電電力PMAX以下であることを判断できる。
上記の判断に基づいて、整流器制御回路50aは、制御整流器35への入力電流が電流制限値ILに向けて大きくなるように制御整流器35の出力電圧を高める。これにより、高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力を超えた余剰の電力が電気二重層キャパシタ36に流れ込み、電気二重層キャパシタ36の電圧はVCMINから上昇していく。
時刻T55および時刻T56で高周波インバータ32b,32cが順次オフとなるため、整流器制御回路50aは、電気二重層キャパシタ36の電圧がVCMAXに到達するまで、制御整流器35の出力電圧を高め、電気二重層キャパシタ36の電圧がVCMAXに到達した時刻T6で充電を終了する。
図3cにおける電力Pの波形でハッチングで示す部分が電気二重層キャパシタ36に対する充電電力で、同じ電力が図3cにおける電気二重層キャパシタ36の波形にハッチングで示されている。
次に、図4,図5,図6および図7a〜図7cにより、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、各ヒータテーブルTa,Tb,Tcの構成は図示を簡略化している。
この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、整流器に先の第1従来例で説明したダイオード整流器31を用いている。また、ダイオード整流器31の出力側の直流回路40の2線間にチョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36を接続している。
なお、この第2実施形態では、上記第1実施形態で用いられている電圧検出器354を特に必要としない。その他の構成は、上記第1実施形態と同じであってよい。
上記第1実施形態では、直流回路40に電気二重層キャパシタ36を直接接続しているため、電気二重層キャパシタ36の電圧は大きく変動するが、この第2実施形態では、電気二重層キャパシタ36の電圧変動をチョッパ38で制御できるため、その直流電圧はほぼ一定となる。また、電気二重層キャパシタ36の充放電制御はチョッパ38を介して行うため、整流器は非制御型でよいことから、ダイオード整流器31としている。
ここで、チョッパ38の構成を説明する。チョッパ38には、図5の回路図に示すように、ダイオード382が逆並列に接続された充電制御用スイッチング素子381,ダイオード384が逆並列に接続された放電制御用スイッチング素子383,電流平滑用インダクタ385,出力電圧平滑用キャパシタ386および入力電圧平滑用キャパシタ387が含まれている。なお、スイッチング素子381,383には、IGBTなどの自己消弧型スイッチング素子が用いられる。
充電制御用スイッチング素子381と電流平滑用インダクタ385は、直流回路40の一方のラインに対して直列に接続され、放電制御用スイッチング素子383は、充電制御用スイッチング素子381と電流平滑用インダクタ385の接続点と直流回路40の他方のラインとの間に接続される。
チョッパ38は電流双方型で、電気二重層キャパシタ36の放電時には、その放電電圧に電流平滑用インダクタ385に誘起された電圧が重畳されるため昇圧型チョッパとして動作し、電気二重層キャパシタ36の充電時には、直流回路40からの充電電圧から電流平滑用インダクタ385に誘起された電圧がダイオード384を経由して電気二重層キャパシタ36に印加されるため降圧型チョッパとして動作する。
次に、図6のタイミングチャートを参照して、この第2実施形態の動作について説明する。図6のタイミングチャートは、上記第1実施形態での図2のタイミングチャートに対応している。
時刻T1からT3までは、図2の場合と同じく、IHクッキングヒータの立ち上げ準備期間である。時刻T1でキャパシタ初期充電回路33のスイッチ332をオンにして、ダイオード整流器31から抵抗素子333,スイッチ332を介して電気二重層キャパシタ36を初期充電する。
その後の時刻T10で、スイッチ332をオフ,スイッチ331をオンにして初期充電を完了する。スイッチ332をオンにした時点から、ダイオード整流器31は、入力交流電圧の波高値に相当する電圧値VACを出力する。
時刻T2からT3までが、チョッパ38による電気二重層キャパシタ36の本格的な充電期間である。この例においても、ダイオード整流器31の出力電力P0一定として充電するようにしているが、定電流充電としてもよい。
電気二重層キャパシタ36の電圧が目標とする電圧VCMAXにまで達した時刻T3で充電動作を終了する。時刻T41からT46までのIHクッキングヒータの動作は、図2の場合と同じであるため、その説明は省略する。
次に、時刻T51から時刻T56までの動作について説明する。時刻T51で操作部5よりIHヒータコイル4aにて調理具を電力Pで加熱するように指令が出され、高周波インバータ32aは電力Pを出力する。
続いて、時刻T52で操作部5よりIHヒータコイル4bにて調理具を電力Pで加熱するように指令が出され、高周波インバータ32bは電力Pを出力する。さらに続いて、時刻T53で操作部5よりIHヒータコイル4cにて調理具を同じく電力Pで加熱するように指令が出され、高周波インバータ32cは電力Pを出力する。
時刻T53で高周波インバータ32cから電力Pが出力されると、高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が3Pとなり、ダイオード整流器31からの最大給電電力PMAXを超えるため、その超過分の電力(ダイオード整流器31の出力でハッチングで示した部分)を電気二重層キャパシタ36からチョッパを介して給電する。このチョッパ制御については後述する。
各高周波インバータの合成電力3Pがダイオード整流器31からの最大給電電力PMAXを超えることにより、これまでVCMAXに充電されていた電気二重層キャパシタ36から時刻T53で放電電流IC1が流れ始め、これに伴って電気二重層キャパシタ36の電圧は減少する。
時刻T54でIHヒータコイル4a(高周波インバータ32a)がオフになり、各高周波インバータの合成電力が最大給電電力PMAX以下となるため、チョッパ38の動作を停止して電気二重層キャパシタ36からの給電を止める。
時刻T53から時刻T54までの間は、チョッパ38により電気二重層キャパシタ36の放電電力を制御するが、チョッパ38の出力電圧(インバータ32側の電圧)は整流器出力電圧VACに保たれる。
時刻T54からは、未だ稼働中の高周波インバータ32b,32cの合成電力2Pとダイオード整流器31の最大給電電力PMAXとの差電力で、チョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36を充電する。
これにより、電気二重層キャパシタ36の電圧はVCMINから増加して行く。電気二重層キャパシタ36の充電は、チョッパ38の入力電圧(電気二重層キャパシタ36側の電圧)を制御して行うが、これについては後述する。この間、直流電圧はVAC一定に保たれる。
続いて、時刻T55でIHヒータコイル4b(高周波インバータ32b)がオフ、時刻T56でIHヒータコイル4c(高周波インバータ32c)がオフになり、時刻T56以降はダイオード整流器31からチョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36の充電が行われ、その電圧がVCMAXになる時刻T56で充電動作を終了する。時刻T56以降は、次のIHクッキングヒータの運転操作の待ち状態となる。
次に、この第2実施形態における電気二重層キャパシタ36の放電および充電制御動作について説明する。まず、図6のタイミングチャートで示されている時刻T53〜時刻T54間の制御動作を図7a,図7bにより説明する。図7aは図5からこの制御動作に関係する構成要素を抽出した回路図で、図7bはその動作説明用のタイミングチャートである。
図7aに示すように、制御回路340内にはチョッパ制御回路50bが含まれており、このチョッパ制御回路50bには、電流検出器353で検出されるダイオード整流器31の入力電流値が入力され、チョッパ制御回路50bは、上記入力電流値に基づいてチョッパ38を制御する。
時刻T53で各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力がダイオード整流器31の最大給電電力PMAXを超える3Pになると、ダイオード整流器31に電流制限値ILを超える入力電流IMAXが流れようとする。
これを阻止するため、チョッパ制御回路50bは、ダイオード整流器31への入力電流が電流制限値ILになるように、チョッパ38を制御してその出力電圧を高める。チョッパ38の出力電圧が高くなると、チョッパ38から電流が流れ、ダイオード整流器31への入力電流が減少する。
チョッパ38は、ダイオード整流器31への入力電流を一定に保つように、電気二重層キャパシタ36を放電させる。これにより、電気二重層キャパシタ36の電圧が減少し、時刻T54でVCMINとなる。
電気二重層キャパシタ36からの給電電力(図7bにおけるチョッパ38の波形でハッチングで示した電力)は、図3bにおける電力Pの波形でダイオード整流器31の最大給電電力PMAXを超えた部分の電力である。
そして、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が、ダイオード整流器31の最大給電電力PMAX以下になった時点で、チョッパ38の動作を停止し、電気二重層キャパシタ36からの放電を止める。
上記第1実施形態でも説明したように、各高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が、ダイオード整流器31の最大給電電力PMAXを超えているかどうかは、ユーザーから操作部5に入力される各IHヒータコイル4a,4b,4cへの運転信号(例えば強火,中火,弱火など)から判断することができる。
次に、図6のタイミングチャートで示されている時刻T54〜時刻T56間の制御動作を図7cの動作説明用のタイミングチャートにより説明する。上記したように、電気二重層キャパシタ36からの放電を止めるには、チョッパ38の制御動作を停止させればよい。
チョッパ制御回路50bは、上記したように操作部5からの運転指令から、時刻T54における高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力が制御整流器35の最大給電電力PMAX以下であることを判断できる。
上記の判断に基づいて、チョッパ制御回路50bは、ダイオード整流器31への入力電流が電流制限値ILに向けて大きくなるようにチョッパ38の出力電圧(ダイオード整流器31側の電圧)を下げる。
これにより、相対的にダイオード整流器31の出力電圧が高くなり、高周波インバータ32a,32b,32cの合成電力を超えた余剰の電力がチョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36に流れ込み、電気二重層キャパシタ36の電圧はVCMINから上昇していく。
時刻T55および時刻T56で高周波インバータ32b,32cが順次オフとなるが、チョッパ制御回路50bは、電気二重層キャパシタ36の電圧がVCMAXに到達するまで、ダイオード整流器31への入力電流が電流制限値ILになるようにチョッパ38の出力電圧を制御する。
図7cにおける電力Pの波形でハッチングで示している部分が、ダイオード整流器31への入力電流を電流制限値ILにまで大きくした状態でのダイオード整流器31からチョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36を充電できる電力であり、同じ電力が図7cにおけるチョッパ38の波形にハッチングで示されている。
上記第1実施形態および第2実施形態はともに3台のヒータテーブルを有し、電源が単相交流100V3線、すなわち電源電圧が200Vの場合についてのものであるが、これとは別に、図8に単相交流100V電源への適用を可能とする第3実施形態を示す。
上記第1実施形態および第2実施形態では電源が200Vであるため、1台あたりの消費電力が3kWとして、3台のヒータテーブルに同時に給電することができるが、第3実施形態では100V電源あるため、その電力制限からヒータテーブルを1台としている。
この第3実施形態の構成は、ヒータテーブルが1台(ヒータテーブルTaのみ)である点を除いて、図4の上記第2実施形態の構成と同一であるため、その説明は省略し、図9のタイミングチャートにより、その動作を説明する。図9のタイミングチャートは、図2,図6のタイミングチャートに対応している。
時刻T1からT3までは、図6と同じであるため説明を省略する。時刻T41でヒータテーブルTaの高周波インバータ32aが作動して電力Pを出力するが、契約電力PMAXを超えるので、チョッパ38が作動して、その不足電力を電気二重層キャパシタ36から給電する。
時刻T42で高周波インバータ32aが動作を停止すると、電気二重層キャパシタ36からの給電を停止し、ダイオード整流器31からチョッパ38を介して電気二重層キャパシタ36を充電する。電気二重層キャパシタ36が最大電圧(満充電電圧)VCMAXに到達した時刻T43で充電を終了する。
以上説明したように、本発明によれば、交流電源から整流器を介して電気二重層キャパシタに蓄電し、整流器と電気二重層キャパシタとからIHクッキングヒータに電力を給電するようにしたことにより、高A(アンペア)の契約電力が必要でなく電気料金が下げられる。
また、IHクッキングの調理時間を短縮でき、望みの調理が自由に可能、同時に大量の調理が可能となる。また、単相交流100V電源でもIHクッキングヒータが使えるようになり、IHクッキングヒータの普及,拡大が期待できる。
1 電源プラグ
2 入力制御回路
3 電源回路
4(4a〜4c) IHヒータコイル
5 操作部
31 ダイオード整流器
32(32a〜32c) 高周波インバータ
33 キャパシタ初期充電回路
35 制御整流器
36 電気二重層キャパシタ
38 チョッパ
40 直流回路
340 制御回路
353 電流検出器
354 電圧検出器
50a 整流器制御回路
50b チョッパ制御回路
2 入力制御回路
3 電源回路
4(4a〜4c) IHヒータコイル
5 操作部
31 ダイオード整流器
32(32a〜32c) 高周波インバータ
33 キャパシタ初期充電回路
35 制御整流器
36 電気二重層キャパシタ
38 チョッパ
40 直流回路
340 制御回路
353 電流検出器
354 電圧検出器
50a 整流器制御回路
50b チョッパ制御回路
Claims (7)
- 商用交流電源を制御整流器により直流電源に変換して次段の直流回路に出力し、上記直流回路から高周波インバータに上記直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、上記高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイルを励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、
上記直流回路の2線間に接続される電気二重層キャパシタと、上記制御整流器の出力電圧を上記商用交流電源の波高値以上の電圧とし、上記高周波インバータの電力の一部または全部を上記電気二重層キャパシタから給電させる制御手段とを備えていることを特徴とするIHクッキングヒータ用給電装置。 - 上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記制御整流器の最大出力電力を超えている場合、その不足分の電力を上記電気二重層キャパシタから上記高周波インバータに給電することを特徴とする請求項1に記載のIHクッキングヒータ用給電装置。
- 上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記制御整流器の最大出力電力未満である場合、その余剰の電力にて上記電気二重層キャパシタを充電することを特徴とする請求項1または2に記載のIHクッキングヒータ用給電装置。
- 商用交流電源をダイオード整流器により直流電源に変換して次段の直流回路に出力し、上記直流回路から高周波インバータに上記直流電源を給電して高周波交流電流を発生させ、上記高周波交流電流によりIHクッキングヒータの誘導加熱コイルを励磁するIHクッキングヒータ用給電装置において、
上記直流回路の2線間にチョッパを介して接続される電気二重層キャパシタと、上記高周波インバータの電力の一部または全部を上記電気二重層キャパシタから上記チョッパを介して給電させる制御手段とを備えていることを特徴とするIHクッキングヒータ用給電装置。 - 上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記ダイオード整流器の最大出力電力を超えている場合、上記チョッパを制御してその不足分の電力を上記電気二重層キャパシタから上記高周波インバータに給電することを特徴とする請求項4に記載のIHクッキングヒータ用給電装置。
- 上記制御手段は、上記誘導加熱コイル側で消費される負荷電力が上記ダイオード整流器の最大出力電力未満である場合、上記チョッパを制御してその余剰分の電力を上記電気二重層キャパシタに充電することを特徴とする請求項4または5に記載のIHクッキングヒータ用給電装置。
- 上記商用交流電源が単相交流100V2線式もしくは単相交流100V3線式であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のIHクッキングヒータ用給電装置。
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