JP2008146251A - 調光装置、調光方法、検査システム、調光装置制御プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

調光装置、調光方法、検査システム、調光装置制御プログラム、および該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の撮像ユニットの調光を短時間で行う。
【解決手段】本発明の制御装置9は、撮像対象物Wを撮像するときに、第1撮像ユニット2によって撮像対象物Wを撮像するための照明制御値である「AS_Work」と、撮像対象物Wを撮像するときに、第2撮像ユニット3によって撮像対象物Wを撮像するための照明制御値である「LS_Work」との比が、記憶装置10に格納されている第1撮像ユニット2によって撮像対象物Wを撮像したときの照明制御値である「AS_table」と、上記検査用の撮像ユニットによって撮像対象物Wを撮像したときの照明制御値である「AS_table」との比に等しいことから、「AS_Work」、「AS_table」、および「AS_table」に基づいて「LS_Work」を算出する検査処理部23を備えているので、複数の撮像ユニットの調光を短時間で行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検査物を撮像する撮像装置の照明の調光を行う調光装置に関するものであり、例えば薄膜試料の欠陥検査を行う自動検査装置に用いられる調光装置に関する。
近年、薄膜製造装置の大型化が進み、その需要が増加する傾向がある。特にコストに直接影響する歩留まりの向上は重要であり、薄膜の不良を精度よく検出する技術の開発が望まれている。
薄膜の不良を検出する技術として、薄膜をラインセンサやエリアセンサ等の撮像装置を用いて撮像し、得られた撮像画像を分析することによって薄膜の欠陥を検出する自動検査装置が知られている。
薄膜の自動検査装置では、一般的に、検査対象となる薄膜に照明装置から光を照射しながら薄膜の撮像を行う。自動検査装置を用いた欠陥検査は、人間の目視による欠陥検査と比べて検査速度が迅速で検査精度にバラツキが少ないという利点がある。
ここで、薄膜に生じる欠陥のうち、特に問題となるものの一つに、薄膜の相対的な膜厚差によって特定方向に生じる線欠陥がある。例えば、液晶表示装置は多くの薄膜を利用しているが、画像を表示する際にムラが発生しないようにするためには、薄膜の膜厚差を数十nm〜数百nm以内に抑えることが必要となる。
膜厚差を検出する方法としては、光学式の膜厚差検出方法が知られている。この方法では、一般に、被検査物である膜に光を照射し、膜を透過した光、または、膜に反射した光を検出し、これを分析することにより膜厚差を検出している。
ここで、数十nm〜数百nmといった微少な膜厚差は、薄膜に光を照射し、該薄膜からの正反射光を撮像装置で撮像するという方法では検出が困難である。そこで、照明装置と撮像装置との位置を正反射の位置関係からずらし、散乱光を分析することで膜厚差を検出する方法がある。すなわち、膜厚差のない薄膜に対して斜めに光を入射した場合、均一な散乱光が得られるのに対し、膜厚差のある薄膜での散乱光は不均一となるので、薄膜に対して斜めに光が入射するような位置に照明装置を設置し、薄膜で反射した散乱光を撮像装置で検出することにより、薄膜の数十nmオーダーの微少な膜厚差を検出することができる。
この膜厚差検出のように、薄膜の微少な膜厚差を検出する場合には、照明装置の明るさのばらつきや劣化による明るさの変化が検査精度に大きく影響する。すなわち、照明装置の明るさ調整が適切に行われていない場合、検査精度の低下や試料毎の検査精度が均一でなくなる等の問題が生じる。
自動検査装置における照明装置の明るさの変化を調整する技術として、例えば下記の特許文献1が挙げられる。特許文献1は、検査対象となるシート材に照明装置から光を照射しながら撮像装置で撮像し、得られた撮像画像に基づいてシート材の表面欠陥を検出する検査装置に関する技術を開示している。
具体的には、特許文献1では、照明装置が発する光の光度を調整する調光器を設け、撮像装置が撮像したビデオ信号の信号レベルに応じて調光器を制御している。これにより、照明装置の劣化による光度の低下等が生じた場合やシート材の種類が変更されたような場合には、調光器によって光度が調整されるので、常に同一の光度の下で表面欠陥の検出を行うことができる。
特開2003−4645号公報(2003年1月8日公開)
しかしながら、上記特許文献1の技術では、複数の撮像装置を備えた検査装置に適用することが困難であるという問題がある。
検査対象物が大型である場合や、同一の検査対象物に対して複数回の撮像を行い、得られた複数の画像データを比較することによって欠陥検出を行う場合、検査速度の向上のため、撮像装置と照明装置とを組み合わせた撮像ユニットを複数用いることが一般的である。
ここで、このような複数の撮像ユニットを備えた検査装置に上記特許文献1の技術を適用した場合、各撮像ユニットのそれぞれについてビデオ信号の取得、信号レベルの判定、および照明装置の調光という処理が必要となる。したがって、複数の撮像ユニットを備えた検査装置に特許文献1の技術を適用した場合、検査時間が非常に長くなってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の照明装置の調光を短時間で行うことができる調光装置等を実現することにある。
本発明の調光装置は、上記課題を解決するために、撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光装置であって、上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明の調光方法は、上記課題を解決するために、撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光方法であって、上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出するステップを含むことを特徴としている。
上記第3照明制御値および第4照明制御値は、いずれも上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である。なお、初期値検出用撮像対象は上記撮像対象と略同じ照明制御値が適用できるものであればよく、初期値検出用撮像対象は上記撮像対象と同じものでもよいし、異なるものでもよい。
ただし、撮像対象からの反射光を撮像して撮像対象表面の微細な形状を調べる場合のような、非常に高精度の調光が必要な場合には、初期値検出用撮像対象は上記撮像対象と同じものを用いることが好ましい。
すなわち、第3照明制御値は、初期状態の第1撮像ユニットで上記撮像対象を撮像するための照明制御値に等しく、第4照明制御値は、初期状態の第2撮像ユニットを用いて上記撮像対象を撮像するための照明制御値に等しい。なお、これら第3、第4照明制御値は記憶装置に予め格納されている。
ところで、各撮像ユニットが備える照明装置のランプは、その照明装置の点灯時間が長くなるにつれて劣化してゆく。したがって、撮像を行うときには、初期状態における照明のランプ状態と比べて劣化したランプ状態となっており、撮像対象を撮像するときの照明制御値も上記第3照明制御値および第4照明制御値とは異なる値となる。
ここで、第1撮像ユニットおよび第2撮像ユニットのランプがほとんど劣化しない場合や、ランプの累積使用時間が短い場合のような、ランプの劣化が無視できる程度である場合には、第1照明制御値と第2照明制御値との比が、第3照明制御値と第4照明制御値との比に等しくなる。
そこで、本発明では、第1照明制御値と第2照明制御値との比が、第3照明制御値と第4照明制御値との比に等しくなるという条件に基づいて、上記第1、第3、第4照明制御値から上記第2照明制御値を算出する。
すなわち、上記調光装置では、第2撮像ユニットの調光は計算によって求められた第2照明制御値を用いて行えばよく、実際に撮像対象を撮像して照明制御値を求める必要がないので、複数の撮像ユニットの調光を短時間で行うことができる。
また、本発明の調光装置は、上記課題を解決するために、撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光装置であって、上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出手段と、上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出手段と、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出手段と、上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の調光方法は、上記課題を解決するために、撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光方法であって、上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出ステップと、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出ステップと、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出ステップと、上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第1撮像ユニットおよび第2撮像ユニットのランプの劣化が無視できない程度である場合でも、撮像対象を撮像するときの第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御値を正確に求め、複数の撮像ユニットの調光を短時間で行うことができる。これについて説明する。
上記ランプ状態検出手段またはランプ状態検出ステップでは、第1および第2撮像ユニットの両方について、基準撮像対象に対する照明制御値(第5照明制御値、第6照明制御値)を定期的に求め、これを記憶装置に格納する。
したがって、記憶装置には、第1および第2撮像ユニットにおける最新のランプ状態を示す照明制御値が格納されることになる。
そして、初期制御値検出手段または初期制御値検出ステップでは、初期状態の第1および第2撮像ユニットを用いて上記初期値検出用撮像対象を撮像するときの照明制御値である上記第3および第4照明制御値を求める。
また、初期制御値検出手段または初期制御値検出ステップでは、第3照明制御値を求めたときに、記憶装置から第5照明制御値を取得し、これを第7照明制御値とし、第3照明制御値と対応付けて記憶装置に格納する。同様に、初期制御値検出手段は、第4照明制御値を求めたときに、記憶装置から第6照明制御値を取得し、これを第8照明制御値とし、4照明制御値と対応付けて記憶装置に格納する。
ここで、記憶装置に格納されている第5照明制御値および第6照明制御値は、ランプ状態検出手段またはランプ状態検出ステップにて所定のタイミング毎に更新されるので、第7照明制御値は、第3照明制御値を求めたときのランプ状態を示し、第8照明制御値は、第4照明制御値を求めたときのランプ状態を示すことになる。
そして、上記照明制御値検出手段または照明制御値検出ステップでは、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値が求められる。
ここで、第2撮像ユニットで撮像対象を撮像するときには、上記照明制御値算出手段が第1撮像ユニットの照明制御値として求めた第1照明制御値、このときに記憶装置から取得した第5照明制御値および第6照明制御値、初期制御値検出手段が求めた第3照明制御値および第4照明制御値、および初期制御値検出手段が第3照明制御値および第4照明制御値を求めたときに記憶装置から取得した第7照明制御値および第8照明制御値の7種類の照明制御値に基づいて、第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御値を算出する。
ここで、第1撮像ユニットの照明制御値に着目すると、第1照明制御値が撮像対象を撮像するときの照明制御値であり、第3照明制御値が初期状態の照明制御値である。そして、第5照明制御値が撮像対象を撮像するときのランプ状態を示す照明制御値であり、第7照明制御値が初期状態のランプ状態を示す照明制御値である。
すなわち、第1撮像ユニットのランプ状態は、初期状態から撮像対象を撮像するときまでの間に、第7照明制御値で示される状態から第5照明制御値で示される状態まで変化している。
同様に、第2撮像ユニットの照明制御値に着目すると、第2照明制御値が撮像対象を撮像するときの照明制御値であり、第4照明制御値が初期状態の照明制御値である。そして、第6照明制御値が撮像対象を撮像するときのランプ状態を示す照明制御値であり、第8照明制御値が初期状態のランプ状態を示す照明制御値である。
すなわち、第2撮像ユニットのランプ状態は、初期状態から撮像対象を撮像するときまでの間に、第8照明制御値で示される状態から第6照明制御値で示される状態まで変化している。
そこで、これらのランプの状態変化を、第2撮像ユニットの第2照明制御値を算出する処理に反映させることにより、第1および第2撮像ユニット間におけるランプ劣化度合いの相違を補正することができる。
まず、第1及び第2撮像ユニットのランプの劣化が無視できる程度である場合、第1照明制御値と第2照明制御値との比が、第3照明制御値と第4照明制御値との比に等しくなる。
ここで、第1〜第4照明制御値のそれぞれに、それぞれのランプ状態を示す照明制御値5〜8の逆数を掛ける。例えば、第1照明制御値は、撮像対象を撮像するときの第1撮像装置における照明制御値であるから、第1照明制御値には撮像対象を撮像するときの第1撮像装置におけるランプ状態を示す第5照明制御値の逆数を掛ける。
このように、それぞれのランプ状態を示す照明制御値の逆数を掛けることにより、各撮像ユニットにおけるランプ劣化度合いの相違が補正されるので、第1撮像ユニットおよび第2撮像ユニットのランプの劣化が無視できない程度である場合でも、撮像対象を撮像する際の第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御値を正確に求めることができる。
同様に、第1および第2撮像ユニットの何れか一方、または両方のランプを交換した場合のように、ランプが新しいものに変更された場合にも、撮像対象を撮像する際の第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御値を正確に求めることができる。
すなわち、上記の調光装置または調光方法によれば、各撮像ユニットのランプ状態が初期状態から変化した場合であっても、その変化に追従して、撮像対象を撮像する際の第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御値を正確に求めることができる。
また、上記所定のタイミングは、照明装置の点灯積算時間が所定の値に達したときであることが好ましい。
記憶装置には、最新のランプ状態を反映した照明制御値が格納されていることが好ましい。また、ランプの劣化はそのランプの点灯積算時間に応じて進行して行く。すなわち、照明装置の点灯積算時間から、ランプの劣化の度合いをある程度把握することができる。
したがって、ランプ状態検出手段が、照明装置の点灯積算時間が所定の値に達したときに上記第5照明制御値および第6照明制御値を求めるようにすることで、ランプの劣化度合いに合わせた頻度で無駄なく照明制御値を求めることができる。
また、上記第2撮像ユニットには、互いに同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットが含まれており、上記照明制御値算出手段は、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのそれぞれにおける第6照明制御値の比は、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのそれぞれにおける第2照明制御値の比と等しくなることから、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのうち1つの第2照明制御値に基づいて他の撮像ユニットの第2照明制御値を求めることが好ましい。
ここで、第2撮像ユニットに同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットが含まれている場合とは、例えば第2撮像ユニットとして、同一スペックのラインセンサを備えた撮像ユニットを複数備えている場合を指す。
撮像装置が同じ種類であり、スペックも同じである場合、撮像対象が変わっても撮像ユニット間の照明制御値の比は変わらない。すなわち、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットでそれぞれ上記撮像対象を撮像して得られる第2照明制御値の比と、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットでそれぞれ上記基準撮像対象を撮像して得られた第6照明制御値との比が等しくなる。
各撮像ユニットにおける第6照明制御値は、記憶装置に格納されているので、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのうち少なくとも1つの第2照明制御値を求めることで、他の撮像ユニットの第2照明制御値を求めることができる。
すなわち、上記構成によれば、撮像ユニットの1つ1つについて、第1、第3〜第8照明制御値を用いて第2照明制御値を求める場合と比べて、短時間で第2照明制御値を算出することができる。この構成は、第2撮像ユニットの数が多い場合に特に効果が大きい。
また、上記調光装置は、上記照明装置のそれぞれについて、上記記憶装置に格納されている第5照明制御値または第6照明制御値の時間に対する変化率に基づいて各照明装置のランプ交換時期の予測を行う交換時期予測手段を備えていることが好ましい。
照明装置のランプは、そのランプの点灯積算時間に応じて進行して行く。特に、ランプの寿命が近くなると急激に劣化が進む。したがって、記憶装置に格納されている第5照明制御値または第6照明制御値は、ランプの劣化に伴って時間に対する変化率が大きくなってゆく。
それゆえ、交換時期予測手段は、第5照明制御値または第6照明制御値の時間に対する変化率から、ランプの劣化の程度を推測し、ランプ交換時期を予測することができる。
また、本発明の検査システムは、上記の課題を解決するために、上記調光装置と、少なくとも1つの第1撮像ユニットと、それ以外の第2撮像ユニットとを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1および第2撮像ユニットの調光が調光装置によって短時間でなされるので、撮像対象の撮像を迅速に行うことができる。
また、上記第1撮像ユニットが備える撮像装置はエリアセンサであり、上記第2撮像ユニットが備える撮像装置はラインセンサであることが好ましい。
エリアセンサは、撮像の際に撮像対象をエリアセンサに対して相対的に移動させる走査を行う必要が無く、照明制御値を求めるために要する時間もラインセンサを用いる場合より短くなる。
一方、ラインセンサは、スペックにもよるが、一般的にエリアセンサと比べて高い解像度を有する。また、ラインセンサで撮像する場合、ラインセンサまたは撮像対象を移動させながら撮像を行うので、撮像対象のサイズが大きい場合でも撮像が可能である。
ここで、上記調光装置では、第1撮像ユニットを用いて求めた第1照明制御値に基づいて、第2撮像ユニットの照明制御値である第2照明制御が求められる。
したがって、第1撮像ユニットにエリアセンサを使用し、第2撮像ユニットにラインセンサを使用することで、短時間で第1照明制御値を求めることができる。そして、求めた第1照明制御値に基づいて算出された第2照明制御値を用い、解像度の高い第2撮像ユニットで撮像を行うことができる。また、撮像対象のサイズが大きい場合でも撮像が可能である。
なお、上記調光装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合にはコンピュータを上記調光装置の各手段として動作させることにより上記調光装置をコンピュータにて実現させる調光装置制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の調光装置は、複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段を備えている構成である。
また、本発明の調光方法は、以上のように、複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出するステップを含む構成である。
そして、本発明の他の調光装置は、複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出手段と、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出手段と、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出手段と、上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段とを備えている構成である。
また、本発明の他の調光方法は、以上のように、複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出ステップと、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出ステップと、上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出ステップと、上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出ステップとを含む構成である。
したがって、複数の撮像ユニットの調光を短時間で行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1〜図13に基づいて説明すると以下の通りである。
〔検査システムの概要〕
まず、本実施形態の検査システム1の概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の検査システム1の概略構成を示す図である。
図示のように、検査システム1は、第1照明装置4と第1撮像装置5とを備える第1撮像ユニット2、第2照明装置6と第2撮像装置7とを備える第2撮像ユニット3、ステージ8、制御装置(調光装置)9、記憶装置10、入力装置11、画像処理装置12、および出力装置13を備えている。また、ステージ8には、検査対象物(撮像対象)Wおよび基準板(基準撮像対象)Rが保持・固定されている。
なお、以下の説明で、単に「撮像装置」と表現した場合、第1撮像装置5および第2撮像装置7の両方、もしくは何れか一方を指す。「照明装置」、「撮像ユニット」についても同様である。
検査システム1では、ステージ8上に保持されている検査対象物Wをキャリブレーション用の第1撮像ユニット2で撮像する。そして、制御装置9がこの撮像結果に基づいて検査用の第2撮像ユニット3の調光を行い、第2撮像ユニット3で検査対象物Wが撮像される。
すなわち、従来の調光装置では、複数の撮像ユニットの調光を行う場合、それぞれの撮像ユニットで検査対象物を撮像し、それぞれの撮像ユニットの調光を行う必要があったが、検査システム1では、第2撮像ユニット3の調光の際に、実際に検査対象物Wの撮像を行う必要がない。したがって、検査システム1では、従来の調光装置と比べて、迅速に調光を行うことができ、これにより、検査対象物Wの検査速度を向上することができる。
そして、第2撮像ユニット3で検査対象を撮像して得られた画像データは、画像処理装置12に送られて検査対象物Wが欠陥を有しているか否かが判定される。そして、画像処理装置12が判定した判定結果は出力装置13に送られて結果出力される。
以下、検査システム1の各構成要素の詳細について説明する。図示のように、検査システム1では、第1撮像装置5と第1照明装置4とがセットになって第1撮像ユニット2を形成し、第2撮像装置7と第2照明装置6とがセットになって第2撮像ユニット3を形成している。
第1撮像ユニット2では、第1照明装置4が照射する光L1の下で第1撮像装置5が撮像を行い、第2撮像ユニット3では、第2照明装置6が照射する光L2の下で第2撮像装置7が撮像を行う。
ここで、図示のように、光L1およびL2は、検査対象物Wに対して斜めに入射しており、撮像装置は、検査対象物Wの表面で光L1またはL2が反射した散乱光を撮像するようになっている。この散乱光を分析することにより、検査対象物W表面の微少な厚みの変化を検出することができるので、例えば線欠陥等の検出も可能となっている。なお、数十nmオーダーの厚みの変化を検出する必要がない場合には、検査対象物Wの被検査面に対して略垂直となる方向から光を照射し、その反射光を撮像するようにしてもよい。
また、検査システム11では、撮像ユニットを2つ使用しているが、検査システム1における撮像ユニットの数に特に限定はなく、検査対象物Wのサイズ等に応じて適宜設定すればよい。
第1撮像装置5および第2撮像装置7は、検査対象物Wを撮像するものであり、制御装置9から送られる撮像開始、撮像停止等の指示に従って撮像を行う。第1撮像装置5および第2撮像装置7は検査対象物Wを撮像できるものであれば特に限定されないが、CCD(charge-coupled device)素子を用いたエリアセンサやラインセンサが好適である。
エリアセンサは、解像度ではラインセンサより劣るが、ラインセンサのように検査対象物Wを移動させる必要がない。したがって、エリアセンサは、簡易な検査を行いたい場合に有効である。
一方、ラインセンサは、エリアセンサと比べて解像度、取得する画像データ信号のSN比、ダイナミックレンジ等の点において優れており、高品質の撮像画像データを取得することができる。また、ラインセンサで検査対象物Wを撮像するときには、ステージ8を移動させることによって検査対象物Wの全面を走査するようになっている。
このような撮像特性の違いから、キャリブレーション用としてエリアセンサを用い、詳細な検査用としてラインセンサを用いることが好ましい。上記検査システム1では、第1撮像ユニット2をキャリブレーションに用い、第2撮像ユニット3を検査対象物Wの欠陥検査に用いることを想定しているので、第1撮像装置5をエリアセンサとし、第2撮像装置7をラインセンサとしている。以下の説明では、第1撮像装置5をエリアセンサ、第2撮像装置7をラインセンサと表現することがある。
なお、第1撮像装置5および第2撮像装置7はこの例に限定されず、例えば第1撮像装置5および第2撮像装置7を共にラインセンサとしても良いし、第1撮像装置5および第2撮像装置7を共にエリアセンサとしても良い。
照明装置は、検査対象物Wに光を照射する光源であり、第1照明装置4は第1撮像装置5用の照明装置であり、第2照明装置6は第2撮像装置7用の照明装置である。照明装置は、ランプを備え、ランプ電流が流されることによって発光するようになっている。照明装置の光量は制御装置9から送られる照明制御信号によって制御される。照明制御信号については後述する。なお、本実施形態における照明装置は全て線光源であることを想定している。
ステージ8は、検査対象物Wおよび基準板Rの被撮像面と撮像装置とが対向するように保持・固定すると共に、検査対象物Wあるいは基準板Rを撮像装置の撮像領域に移動させる。ステージ8の移動方向は、図2の白抜き矢印Xで示す方向である。また、撮像装置がラインセンサの場合、ステージ8を移動させながら撮像を行うことになる。なお、ステージ8を固定し、撮像ユニットを移動させるようにしても良い。
制御装置9は、検査システム1の全体を統括的に制御すると共に、検査システム1の各撮像ユニットの調光を行う。具体的には、制御装置9は、撮像装置の動作制御、ステージ8の駆動制御、および画像処理装置12の動作制御等を行う。撮像ユニットの調光方法の詳細、および制御装置9のさらに詳細な構成については後述する。
記憶装置10は、検査システム1で使用する各種データを記憶する。記憶手段はデータの読み出し、書き込みが可能なものであればよく、ハードディスクや種々のメモリ等公知の記憶装置を適用することができる。記憶装置10に記憶されているデータの詳細については後述する。
入力装置11は、検査システム1のユーザが制御装置9に対して指示入力をするためのものである。すなわち、制御装置9の各動作は、入力装置11を介して実行させることができる。入力装置11としては、例えばキーボードやタッチパネル等が挙げられる。
画像処理装置12は、撮像装置によって撮像された検査対象物Wの画像データに基づいて検査対象物Wの欠陥を検出する。また、画像処理装置12、は、撮像ユニットが撮像した画像データの平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値を制御装置9に送る。
検査システム1では、この平均輝度値に基づいて各撮像ユニットの調光が行われる。すなわち、検査システム1は、撮像装置が撮像した画像データの明るさ(輝度値)が適正な値となるように調光を行う。したがって、平均輝度値に限らず、画像データの明るさを示すパラメータであれば任意のもの(例えば、画像データにおける輝度の最頻値等)を適用することができる。
画像処理装置12としては、画像データに基づいて欠陥を検出できるものであれば良く、公知の画像処理装置12を適用することができる。
出力装置13は、画像処理装置12が検出する検査対象物Wの欠陥検出結果を出力する。出力装置13は、欠陥検出結果をユーザに認識できる形態で出力するものであれば良く、液晶表示パネル等によって表示出力してもよいし、スピーカー等によって音声出力してもよい。
検査対象物Wは、欠陥検査の対象となるものであり、本実施形態では、薄膜試料を用いることを想定している。なお、検査対象物Wは、薄膜試料に限らず、任意のものを適用することができる。
基準板Rは、調光の基準となる照明制御値を求めるために使用される。基準板Rは、反射率の経時変化が少なく、耐摩耗性、耐腐食性に優れた素材のものを使用することが望ましい。基準板Rを反射率が経時変化しにくいものとすることにより、照明装置の光量の変化を正確に把握できるようになる。
〔照明制御値について〕
検査システム1では、照明装置の光量を照明制御値に基づいて設定する。そこで、まず、照明制御値について説明する。照明制御値とは、照明装置に送る照明制御信号の大きさを示す数値である。例えば、照明装置から出力される光量が最大となるような照明制御信号を送るときの照明制御値を100とし、照明制御信号を送らないときの照明制御値を0とすることで0〜100までの数値で照明装置の出力する照明制御信号の大きさを設定することができる。また、照明装置の光量を電圧で制御する場合は、最大電圧値に対する照明装置に加える電圧値の比率を照明制御値とすることができる。通常、照明制御値は、照明制御信号が最大となる値よりも低い値が設定される。
なお、照明制御値は照明装置に送る照明制御信号の大きさを示す数値であるから、同じ照明制御値であっても、照明装置のランプが劣化した場合には、その照明装置から出力される光量は低下することになる。したがって、照明装置の出力光量を一定に保つためには、ランプの劣化に応じて照明制御値を大きくしてゆく必要がある。すなわち、所望の出力光量を得るための照明制御値は、ランプの劣化に伴って大きくなることになる。
また、撮像装置は、照明装置から照射される光が検査対象物Wまたは基準板Rで反射した光を撮像するので、検査対象物Wや基準板Rの反射率によって最適な照明制御値は異なる。そして、撮像の目的によっても最適な照明制御値は異なる。例えば、検査対象物Wの検査に最適な光量と、キャリブレーションに最適な光量とは異なるので、検査に最適な照明制御値とキャリブレーションに最適な照明制御値とは異なる。さらに、撮像装置が変われば最適な照明制御値は異なる。例えば第1撮像ユニット2と第2撮像ユニット3とでは、同じ対象を撮像する場合でも最適な照明制御値は異なる。
このように、照明制御値の最適値は、時間の経過、すなわちランプの劣化に伴って変化し、また、検査対象物Wや反射板、撮像装置の種類によって変化する。そこで、照明制御値検出部21では、検査対象物Wや反射板、および撮像装置毎に目標輝度値を設定し、目標輝度値を満たすような照明制御値を検出する。
〔目標輝度値について〕
なお、目標輝度値は、撮像した画像が特定の明るさとなるように設定された数値であり、撮像装置の感度と分解能および撮像装置の撮像対象物(検査対象物Wまたは基準板R)のバラツキを考慮して値が決められる。すなわち、目標輝度値は、撮像装置の種類毎、撮像対象物の種類毎、そして撮像の目的(検査、キャリブレーション等)にそれぞれ設定されている。
目標輝度値の一例を図3に示す。図3では、撮像装置としてAS(エリアセンサ)、LS1(ラインセンサ1)、LS2(ラインセンサ2)の3つが挙げられている。そして、これらの撮像装置を用いて、基準板を撮像する場合(Ref)、後述するテーブル作成処理において検査対象物Wを撮像する場合(table)、および欠陥検査時に検査対象物Wを撮像する場合(Work)の3通りの場合について、目標輝度値の設定方法の一例を示している。なお、図3では、複数のラインセンサを備えている場合の例を示している。
図示のように、基準板Rを撮像する場合の目標輝度値は、撮像装置のダイナミックレンジを有効に利用できるような輝度値とすることが好ましい。そのため、基準板Rを撮像する場合の目標輝度値(Ref)は、撮像装置の最大階調の略1/2を目標輝度値に設定することが好ましい。例えば、256階調の撮像装置であれば基準板Rを撮像する場合の目標輝度値を128に設定すれば良い。
また、検査対象物Wを撮像する場合の目標輝度値は、キャリブレーション用の第1照明装置4では、ハレーションを起こさない程度の輝度値を設定すればよく、検査用の第2照明装置6では、検査を行うときの輝度値を設定すればよい。なお、欠陥検査時に検査対象物Wを撮像する場合(Work)のラインセンサの照明制御値は、計算によって算出するので、目標輝度値は設定されていない。欠陥検査時に検査対象物Wを撮像する場合(Work)のラインセンサの照明制御値の算出方法については後述する。
なお、測定輝度値と目標輝度値を完全に一致させることは不可能な事から、ここでは、目標輝度値から所定の範囲内の有効幅を設け、有効幅に含まれる輝度値であれば目標輝度値を満たしていると判断する。なお、有効幅は、検査時間/検査精度の兼ね合いで決定すればよい。すなわち、検査時間の短縮を優先したいときには有効幅を広くすればよく、検査精度の高さが求められるときには有効幅を狭くすればよい。
〔制御装置の要部構成〕
次に、制御装置9のより詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、制御装置9の要部構成を示すブロック図である。図示のように、制御装置9は、照明制御値検出部(照明制御値検出手段)21、テーブル作成部(初期制御値検出手段)22、検査処理部23(照明制御値算出手段)、およびランプ状態検出部(ランプ状態検出手段、交換時期予測手段)24を備えている。また、記憶装置10は、テーブルおよびランプ状態ファイル26を格納している。
照明制御値検出部21は、テーブル作成部22、検査処理部23、またはランプ状態検出部24の指示にしたがって照明制御値を検出し、検出した照明制御値を指示元に返す。なお、詳細については後述するが、照明制御値検出部21が検出する照明制御値は複数種類ある。
また、照明制御値検出部21は、照明制御値に応じた照明制御信号を生成し、この照明制御信号を照明装置に送ることによって照明装置の出力光量を調整する。
なお、照明制御値検出部21は、照明制御値を検出するために図3に示すような目標輝度値を用いる。ここでは、照明制御値検出部21が、撮像装置の種類、撮像対象物の種類、そして撮像の目的ごとの目標輝度値を記憶していることを想定している。また、目標輝度値を記憶装置10等に格納しておき、照明制御値を検出する際に読み出すようにしてもよい。
ランプ状態検出部24は、検査システム1が備える各撮像ユニットの照明制御値を、基準板Rを用いて求めるランプ状態検出処理を行う。そして、ランプ状態検出部24は、得られた照明制御値をランプ状態ファイル26に格納する。以下では、ランプ状態検出処理で得られた照明制御値のうち、第1撮像ユニット2(エリアセンサ使用)の照明制御値を「AS_Ref(第5照明制御値)」、第2撮像ユニット3(ラインセンサ使用)の照明制御値を「LS_Ref(第6照明制御値)」と呼ぶ。
ランプ状態ファイル26の一例を図4に示す。図示のように、ランプ状態ファイル26では、撮像装置とその撮像装置における最新のランプ状態を示す照明制御値とが対応付けられている。なお、図4では、撮像装置としてエリアセンサ(AS)を1つと複数のラインセンサ(LS1,LS2,…)とを備えている例を示している。
また、図4では、最新のランプ状態を示す照明制御値が格納されていると共に、前回のランプ状態検出処理(時刻t1に実施)で得られた照明制御値および前々回のランプ状態検出処理(時刻t2に実施)で得られた照明制御値が格納されている。
ランプ状態ファイル26には、少なくとも最新のランプ状態を示す照明制御値が格納されていればよい。しかしながら、図4に示すように、過去のランプ状態を示す照明制御値を格納しておくことで、照明制御値の時間経過に伴う変化量を算出することができ、この変化量から、ランプ交換時期の予測等を行うことができる。ランプ交換時期の予測方法等については後述する。
また、ランプ状態検出部24は、図示しないタイマーを備えている。タイマーは、予め定めた所定の時間間隔で信号を発するようになっており、ランプ状態検出部24は、この信号をトリガとしてランプ状態検出処理を実行する。
このように、ランプ状態検出処理は、検査システム1の各撮像ユニットについて定期的に行われ、かつ撮像対象は全て基準板Rである。したがって、ランプ状態ファイル26に格納されている照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)は、各撮像ユニットの最新のランプ状態を反映している。
詳細については後述するが、検査システム1では、検査対象物Wの検査実行時のランプ状態と、ランプ状態ファイル26に格納されている最新のランプ状態とが同じであると仮定して検査実行時の照明制御値を算出する。したがって、ランプ状態検出処理を行う時間間隔は、より細かく設定することが望ましい。ここでは、24時間毎に、上記タイマーから信号が発せられることを想定しているので、1日1回ランプ状態検出処理が行われることになる。なお、ランプ状態検出処理の実行タイミングは、この例に限られない。ランプ状態検出処理実行タイミングの他の例については後述する。
テーブル作成部22は、検査システム1が備える各撮像ユニットの照明制御値を、検査対象物Wを用いて求めるテーブル作成処理を行う。そして、テーブル作成部22は、得られた照明制御値をテーブル25に格納する。以下では、テーブル作成部22が求めさせた照明制御値のうち、第1撮像ユニット2(エリアセンサ使用)の照明制御値を「AS_table(第3照明制御値)」、第2撮像ユニット3(ラインセンサ使用)の照明制御値を「LS_table(第4照明制御値)」と呼ぶ。
また、テーブル作成部22は、テーブル作成時に、ランプ状態ファイル26からランプ状態を示す照明制御値である「AS_Ref」および「LS_Ref」を取得する。上述のように、「AS_Ref」および「LS_Ref」は定期的に更新されるので、テーブル作成時における照明制御値をそれぞれ「AS_Ref_t(第7照明制御値)」および「LS_Ref_t(第8照明制御値)」と呼ぶ。また、これら、テーブル25に格納されている照明制御値(AS_table、LS_table、AS_Ref_t、LS_Ref_t)をテーブルデータと呼ぶ。
ここで、ランプ状態ファイル26に格納されている照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)とテーブル作成部22が取得する照明制御値(AS_Ref_t、LS_Ref_t)との関係について、図5に基づいて説明する。図5は、ランプ状態ファイル26に格納されている照明制御値と、テーブル作成時の照明制御値との関係を示す図である。図5において、矢印は時間の経過を示しており、同図の右側ほど時間が進んだ状態を示している。また、破線はテーブル作成処理が行われた時間を示している。
すなわち、ランプ状態ファイル26に格納されている照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)は、定期的に更新されるので、時間の経過と共に異なる値へと変化してゆく。これに対し、テーブル作成部22が取得する照明制御値(AS_Ref_t、LS_Ref_t)は、テーブル作成処理が行われた時点における照明制御値である。したがって、AS_Ref_t、LS_Ref_tは、時間が経過しても値は変わらない。
つまり、ランプ状態ファイル26に格納されている照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)は、最新のランプ状態における基準板Rに対する照明制御値であり、一方、テーブル作成部22が取得する照明制御値(AS_Ref_t、LS_Ref_t)は、テーブル作成時のランプ状態における基準板Rに対する照明制御値である。
また、テーブル25に格納されている照明制御値(AS_table、LS_table、AS_Ref_t、LS_Ref_t)は、検査対象物Wに対する各撮像ユニットの照明制御値を示すものである。したがって、検査対象物Wが他の撮像対象物に変更された場合には、他の撮像対象物用のテーブルデータ追加する必要がある。検査対象物が変更された場合のテーブル作成処理については後述する。
テーブル25の一例を図6に示す。図示のようにテーブル25では、検査対象物ごとに、撮像装置の種類と、検査対象物撮像時の照明制御値と、ランプ状態ファイル26から取得した照明制御値とが対応付けられている。なお、図6は、複数種類の検査対象物((A)、(B)、(C)、…)用に作成した例を示している。また、図6は、撮像装置がエリアセンサ(AS)、および複数のラインセンサ(LS1、LS2、LS3、…)で構成されている例を示している。なお、ここでは、複数のラインセンサはいずれも同じスペックを持ち(CCDサイズ、ケーブルの種類等が同じ)、メーカーも同じであることを想定している。
各ラインセンサのスペックが同じであることから、図示のように、検査対象物撮像時の照明制御値は全て同じ値としている。例えば、検査対象物(A)をラインセンサ(LS1)で撮像したときの照明制御値と、ラインセンサ(LS2)で撮像したときの照明制御値とは、いずれも「LS_table(A)」である。
なお、複数のラインセンサのスペックがそれぞれ同じであれば、基本的には検査対象物撮像時の照明制御値は全て同じ値となるが、メーカーが異なる場合、同じスペックを有するラインセンサであっても照明制御値が異なる値となる場合がある。したがって、複数のラインセンサは同一スペック、同一メーカーのものを使用することが望ましい。
このことを利用して、複数のラインセンサの検査用照明制御値を容易に求めることができる。検査用の撮像装置として同じスペックを有する複数のラインセンサを備えている場合の検査用照明制御値の算出方法については後述する。
検査処理部23は、検査対象物Wの検査処理の実行制御を行う。具体的には、検査処理部23は、キャリブレーション用の第1撮像ユニット2(エリアセンサ使用)の照明制御値を、検査対象物Wを用いて求める。以下では、検査処理で求めたエリアセンサの照明制御値を「AS_Work(第1照明制御値)」と呼ぶ。
また、検査処理部23は、「AS_Work」に加え、テーブル25およびランプ状態ファイル26に格納されている上記6種類の照明制御値(AS_table、LS_table、AS_Ref_t、LS_Ref_t、AS_Ref、LS_Ref)の計7種類の照明制御値に基づいて、検査用の第2撮像ユニット3(ラインセンサ使用)の照明制御値「LS_Work(第2照明制御値)」を算出する。
さらに、検査処理部23は、照明制御値検出部21に指示し、算出した照明制御値「LS_Work」で第2撮像ユニット3(ラインセンサ使用)に検査対象物Wを撮像させる。検査対象物Wを撮像した画像データは画像処理装置12に送られ、この画像データを分析することによって検査対象物Wの欠陥の有無が検査される。
なお、制御装置9が備える各構成は、入力装置11からの入力指示によって動作させることもできるようになっている。例えば、検査対象物Wを変更した場合に、入力装置11からテーブル作成処理の実行を指示し、新しい検査対象物Wに対応するテーブルを作成させることができる。また、ランプ状態検出部24に入力指示を送ることによって、ランプ状態検出処理を行わせることもできる。
以上のように、ランプ状態検出部24は、基準板Rを用いて照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)を求めてランプ状態ファイル26に格納する。また、テーブル作成部22は、検査対象物Wを用いて照明制御値(AS_table、LS_table)を求めると共に、テーブル作成時のランプ状態を示す照明制御値(AS_Ref_t、LS_Ref_t)をランプ状態ファイル26から取得する。そして、検査処理部23は、検査時に第1撮像ユニット2(エリアセンサ使用、キャリブレーション用)で検査対象物Wを撮像して照明制御値(AS_Work)を求める。
検査処理部23は、AS_table、LS_table、AS_Ref_t、LS_Ref_t、AS_Ref、LS_Ref、およびAS_Workに基づいて検査時の第2撮像ユニット3(ラインセンサ使用、検査用)で検査対象物Wの検査を行う際の照明制御値(LS_Work)を算出する。
これらの照明制御値をまとめると以下のようになる。
テーブル作成時における基準板Rの照明制御値(エリアセンサ)…(AS_Ref_t)
テーブル作成時における基準板Rの照明制御値(ラインセンサ)…(LS_Ref_t)
テーブル作成時における検査対象物Wの照明制御値(エリアセンサ)…(AS_Table)
テーブル作成時における検査対象物Wの照明制御値(ラインセンサ)…(LS_Table)
検査時における基準板Rの照明制御値(エリアセンサ)…(AS_Ref)
検査時における基準板Rの照明制御値(ラインセンサ)…(LS_Ref)
検査時における検査対象物Wの照明制御値(エリアセンサ)…(AS_Work)
検査時における検査対象物Wの照明制御値(ラインセンサ)…(LS_Work)
〔照明制御値検出処理〕
続いて、照明制御値検出処理について図7に基づいて説明する。図7は、照明制御値検出処理の一例を示すフローチャートである。照明制御値検出処理は、照明の光量を制御し、撮像装置ごとに異なる機差を吸収し、特定の明るさとなる照明制御値を求めるための処理である。具体的には、照明制御値検出処理は、撮像によって得られた画像の平均輝度値が、予め定めた目標輝度値を満たすような照明制御値を検出する処理である。
照明制御値検出処理部は、照明制御値検出部21ランプ状態検出部24、テーブル作成部22、または検査処理部23からの指示に従って撮像装置に指示を送り、ステージ8上の検査対象物Wまたは基準板Rを撮像させる(S101)。撮像装置は撮像した画像データを画像処理装置12に送り、画像処理装置12はその画像データの平均輝度値を算出し、算出した輝度値を照明制御値検出部21に送る。なお、S101の撮像における照明制御値はどのような値でも構わない。
ここで、照明制御値検出部21が照明装置に照明制御信号を送ってから、該照明装置から安定した光の照射が得られるようになるまでには、ある程度の時間が必要となる。照明装置からの照射が安定化するまでの照明安定化時間は各照明装置によって異なるので、照明安定化時間を考慮して、照明装置の点灯、撮像開始のタイミングを調整しておくことが望ましい。また、ランプの劣化を少なくするために撮像後は速やかに消灯することが望ましい。
続いて、照明制御値検出部21は、S101で撮像した画像データの平均輝度値が目標輝度値を満たしているかを判断する(S102)。図3に示すように、目標輝度値は、撮像装置、撮像対象物、および撮像の目的によって異なるので、照明制御値検出部21は、それぞれの場合に応じた目標輝度値と撮像装置から送られる輝度値とを比較する。
S102で目標輝度値を満たしている場合は、S101で撮像を行ったときの照明制御値を、目標輝度値を満たす照明制御値として決定し(S103)、この照明制御値を照明制御値の要求元、すなわち照明制御値検出部21ランプ状態検出部24、テーブル作成部22、または検査処理部23に返す。
一方、S102で目標輝度値を満たしていない場合は、照明制御値を増加または減少させて(S104)ステップ101に戻り、変更後の照明制御値にて再度撮像を行う。
S104における、照明制御値の増減量は、例えば次のようにして求めれば良い。すなわち、下記の数式1に表されるように、目標輝度値と撮像装置から送られる輝度値(測定輝度値)との差分と、動的傾きとを掛け合わせて補正制御値を算出する。そして、算出された補正制御値を照明制御値に加算することによって照明制御値を増減させればよい。
補正制御値=(目標輝度値−測定輝度値)×動的傾き …数式1
動的傾き=(前回の照明制御値−前々回の照明制御値)/(前回の測定輝度値−前々回の測定輝度値) …数式2
なお、動的傾きは、上記数式2で表される照明制御値の変化量とそれに伴う測定輝度値の変化量の割合を示す数値である。
〔ランプ状態検出処理〕
検査システム1では、照明装置のランプ状態を定期的に検出し、この検出結果を検査時の照明制御値に反映させることにより、照明装置のランプが劣化した場合でも正確に調光を行うことができる。以下では、図8に基づいてランプ状態検出処理について説明する。
図8は、基準板Rを用いて各撮像ユニットの照明制御値を求めることにより、各撮像ユニットのランプ状態を検出するランプ状態検出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ランプ状態検出部24は、タイマーが所定の時間を経過したか否かを確認する(S201)。所定の時間を経過している場合、ランプ状態検出部24は、照明制御値検出部21にランプ状態検出処理を実行するように指示する。また、ランプ状態検出部24は、基準板R用の撮像設定条件を照明制御値検出部21に送る。指示を受けた照明制御値検出部21は、基準板Rを撮像装置の撮像領域へと移動させる(S202)。
続いて、照明制御値検出部21は、ランプ状態検出部24から送られてきた基準板R用の撮像設定条件を撮像装置に送り、撮像装置の撮像設定条件を基準板R用の設定に変更する(S203)。
なお、基準板R用の撮像設定条件とは、予め基準板Rを撮像して基準板Rの撮像に最適なカメラ感度、シャッター速度等を決定したものであり、ランプ状態検出部24に格納されている。なお、基準板R用の撮像設定条件を、照明制御値検出部21や記憶装置10などに格納しておき、ランプ状態検出処理の際に読み出すようにしてもよい。
ランプ状態検出処理において、基準板R用の撮像設定条件に変更する理由について説明する。基準板Rは、検査対象物Wと反射率が異なるので、撮像設定条件を基準板R用に変更して撮像することが好ましい。これは、照明制御値のレンジを有効に使うためである。
例えば、基準板Rの反射率が検査対象物Wと比べて高い場合に、検査対象物Wと同じ撮像設定条件で基準板Rを撮像するとする。この場合、基準板Rで照明制御値を求めるときには、基準板Rの反射率が高いことから、目標輝度値を満たす照明制御値の値が小さくなる。照明制御値の値が小さくなると、照明制御値の値の変化量もそれに伴い小さくなるので、照明制御値の微少な変化を検出することが困難となる。
そこで、基準板Rの反射率が検査対象物Wと比べて高い場合には、撮像装置の撮像感度を落とすことによって、基準板R撮像時の照明制御値の低下を防ぐことができる。撮像感度を落とすためは、ラインセンサの場合にはラインレートを上げ、エリアセンサの場合にはシャッタースピードを上げればよい。
また、照明制御値のレンジを有効に使うためには、例えば照明制御値が50となるように撮像装置の撮像感度を設定してもよい。
そして、照明制御値検出部21は、図7に示す照明制御値検出処理にて照明制御値を求め(S204)、求めた照明制御値をランプ状態検出部24に返す。ランプ状態検出部24は、S204で算出された照明制御値をランプ状態ファイル26に格納する(S205)。
最後に、ランプ状態検出部24は、S203で基準板R用に変更した撮像設定条件を検査対象物撮像用の撮像設定条件に戻して(S206)ランプ状態検出処理を終了する。なお、検査対象物撮像用の撮像設定条件は、制御装置9あるいは記憶装置10のいずれかに格納しておき、ランプ状態検出処理の際に読み出せばよい。
また、ランプ状態検出処理は、検査システム1に含まれる全ての撮像ユニット、すなわち第1撮像ユニット2および第2撮像ユニット3の両方について行われる。
そして、S202とS203とは、図示の順番に限られない。S202とS203とは、順番が入れ替わっても良いし、同時に行っても良い。S205とS206とについても同様である。
〔ランプ状態検出処理の実行タイミング〕
図8のフローチャートでは、所定の時間が経過したことをトリガとしてランプ状態検出処理が行われる例を示したが、ランプ状態検出処理の実行タイミングはこの例に限られない。ここでは、ランプ状態検出処理を実行するタイミングの他の例について説明する。
まず、単位時間あたりにどれだけの数の検査対象物を検査するかによって、ランプ状態検出処理の最適な実行頻度は異なる。したがって、例えばランプの点灯積算時間が所定値を超えたことをトリガとしてランプ状態検出処理を行えばよい。また、検査対象物の検査を実施した回数が所定値を超えたことをトリガとしてランプ状態検出処理を行ってもよい。
さらに、実際に検査対象物の検査を行う際には、検査対象物Wがステージ8に載置されるまでの時間や、検査対象物Wを他の検査対象物と交換する時間等を利用してランプ状態検出処理を行うようにしてもよい。例えば、ステージ8に検査対象物Wが載置されているか否かを検知するセンサを備え、ステージ8から検査対象物Wが取り除かれたことをトリガとしてランプ状態検出処理を行うことが考えられる。
また、詳細については後述するが、ランプの点灯積算時間が短い場合には、ランプの劣化がほとんど起こらないので、ランプ状態検出処理を頻繁に行う必要はない。一方、ランプの点灯積算時間が長くなり、ランプの寿命が近づくと、ランプの劣化が急激に進むことになるので、ランプ状態検出処理を頻繁に行うことが好ましい。
そこで、ランプの点灯積算時間を例えばランプ状態検出部24に記憶しておき、積算時間が所定の値以下のときはランプ状態検出処理の頻度を下げ、所定の値を越えたときには頻度を上げるようにすればよい。これにより、ランプの点灯積算時間が短く、ランプの劣化がほとんど起こらない時期には検査対象物Wの検査処理を優先して行うことができる。一方、ランプの点灯積算時間が長く、ランプの劣化が急激に進む時期にはランプ状態検出処理を優先して行うことができる。すなわち、上記構成によればランプの劣化状態に応じて適切な頻度でランプ状態の検出を行うことができる。
〔ランプ交換時期の予測〕
また、ランプの点灯時間の積算値と照明制御値の変化量により、ランプ交換時期の予測を行うこともできる。例えば、照明制御値が所定の値を越えた場合にランプ交換が必要である旨を検査システム1のユーザに報知したり、ランプの劣化度をユーザに報知したりすることができる。
これについて、図9に基づいて説明する。図9は、ランプの点灯積算時間と基準板Rを撮像したときの照明制御値との関係を示すグラフである。図9において、横軸はランプの点灯積算時間であり、縦軸は基準板R撮像時の照明制御値である。
図示のように、ランプの点灯積算時間が3日目までの期間は、照明制御値にほとんど変化が見られないが、4日目以降、急激に照明制御値が高くなってゆく。そして、6日目には照明制御値がランプ交換の警告レベルである40を超え、7日目にはランプ交換レベルである55を超えている。
したがって、例えばランプ状態検出部24にランプ状態が警告レベルに達したことを検査システム1のユーザに報知する報知部と、ランプ交換の警告レベルを記憶し、ランプ状態検出処理で検出された照明制御値と上記警告レベルとを比較する比較部とを備えておくことが考えられる。これにより、ランプ状態検出処理によって検出された照明制御値が40を越えた場合に、ランプ交換の警告を出すことができる。そして、検査システム1のユーザは、ランプ交換の警告を受けて、照明制御値がランプ交換レベルを超える前にランプ交換を行うことができる。
また、図9に示すように、グラフの傾き、すなわち照明制御値の一日毎の変化量は、時間の経過と共に大きくなっている。そこで、図4に示すように、毎回のランプ状態検出処理で得られる照明制御値をランプ状態ファイル26に残しておき、ランプ状態検出処理で得られる照明制御値の変化量を求めることによって、ランプ交換時期の予測を行うことができる。
図9に示すような、ランプの点灯積算時間と照明制御値との関係を示すグラフは、ランプの種類やメーカーによってそれぞれ固有の形状を示す。これはランプの寿命特性と呼ばれる。そこで、予め使用するランプについて、ランプの寿命特性を知っておけば、ランプ交換時期をより早期に、かつ正確に予測することができる。
すなわち、照明制御値の変化量から、ランプ交換日までの日数をランプの寿命特性に基づいて予測することができる。例えば、照明制御値の変化量とランプ交換までの日数とを対応付けた表を予め記憶しておき、この表と、ランプ状態検出処理の結果から得られた照明制御値の変化量とに基づいて、ランプ交換日までの日数を検査システム1のユーザに報知することができる。
〔テーブル作成処理〕
検査システム1では、検査対象物Wの検査を行う前に、予め検査対象物Wの照明制御値(AS_Table、LS_Table)を求めると共に、ランプ状態ファイル26から照明制御値を取得し、検査対象物Wの照明制御値およびランプ状態ファイル26から取得した照明制御値(AS_Ref_t、LS_Ref_t)をテーブル25に格納する。このテーブル作成処理について図10に基づいて説明する。図10は、テーブル作成処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、検査対象物が検査対象物Wである例を説明しているが、検査対象物Wが他の撮像対象物に変更された場合、反射率が変わることになるので、得られる撮像画像の平均輝度値も異なる値となる。そこで、検査対象物の種類毎の差を補正するため、テーブル作成処理を行う。テーブル作成処理は、検査に先立ってテーブルデータとして検査対象物の種類毎に初期状態の照明制御値を保存するものである。
まず、テーブル作成部22は、照明制御値検出部21にテーブル作成処理を実行するように指示する。照明制御値検出部21は、ステージ8を駆動させて検査対象物Wをエリアセンサ(第1撮像装置5)の撮像領域に移動させる(S301)。続いて、照明制御値検出部21は、図7に示す照明制御値検出処理にて照明制御値を求め(S302)、求めた照明制御値をテーブル作成部22に返す。
ラインセンサ(第2撮像装置7)についても同様に、照明制御値検出部21は、ステージ8を駆動させて検査対象物Wをラインセンサの撮像領域に移動させ(S303)、図7に示す照明制御値検出処理にて照明制御値を求め(S304)、求めた照明制御値をテーブル作成部22に返す。
続いて、テーブル作成部22は、各撮像ユニットの照明制御値をそれぞれランプ状態ファイル26から読み出す(S305)。上述のように、ランプ状態検出処理は定期的に行われるので、ここで読み出した照明制御値は、テーブル作成時のランプ状態を示す照明制御値ということになる。
そして、テーブル作成部22は、各照明制御値をテーブルデータとして保存する(S306)。すなわち、テーブル作成部22は、S302、S304で取得した照明制御値(AS_Table、LS_Table)と、S305で取得した照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)とをテーブル25に格納する。
なお、テーブル作成部22が求めた照明制御値(AS_table、LS_table)は、初期状態(検査対象物Wの検査処理を行うより前の状態)における各撮像ユニットで検査対象物Wを撮像する場合の照明制御値ということになる。
したがって、テーブル作成部22は、必ずしも検査対象物Wに対して照明制御値を求める必要はない。言い換えれば、検査処理にて検査を行う検査対象物Wと、テーブル作成処理にて撮像される撮像対象物とは、同一物でなくともよい。例えば、検査対象物Wと同じ種類の検査対象物のように、検査対象物Wと同じ反射率を有するものに対して照明制御値を求めてもよい。
〔検査対象物が変更された場合のテーブル作成処理〕
テーブル作成処理は、検査対象物の検査を行う前に実施しておく。例えば、検査対象物Wの検査を行う場合、検査実行前に、検査対象物Wをステージ8に固定し、入力装置11からテーブル作成部22にテーブルを作成する旨の指示入力することで、検査対象物Wに対応するテーブルを作成することができる。
また、検査対象物Wとは異なる種類の検査対象物(A)の検査を行う場合、検査実行前に、検査対象物Wをステージ8から除去し、代わりに検査対象物(A)を固定し、入力装置11からテーブル作成部22にテーブルを作成する旨の指示入力することで、検査対象物(A)に対応するテーブルを作成する。
ここで、検査対象物の種類毎に、その種類を示す識別子を付けておき、この識別子を認識できる認識装置を備えておくことにより、新しい種類の検査対象物が追加された場合に、自動的にテーブル作成処理を行うようにすることができる。
例えば、上記認識装置をステージ8に備え、新しい種類の検査対象物がステージ8上に載置された場合に、自動的にテーブル作成処理を行うようにすることができる。
また、後述の検査処理には、検査対象物Wをエリアセンサで撮像する工程がある。そこで、エリアセンサで撮像された画像から上記識別子を検出し、検出された識別子がテーブル25に格納されていない種類の検査対象物である場合に、テーブル作成処理を実行させるようにしてもよい。これにより、検査対象物が変更された場合でも、自動的にその検査対象物のテーブルが作成され、作成されたテーブルを用いて検査処理が行われるので、検査対象物が変わるたびにテーブル作成指示を入力する必要がない。
〔検査処理〕
検査システム1における検査対象物Wの検査処理について、図11に基づいて説明する。図11は、検査処理の一例を示すフローチャートである。検査処理では、キャリブレーション用の第1撮像ユニット2の検査対象物Wに対する照明制御値(AS_Work)を求め、求めた照明制御値を用いて検査用の第2撮像ユニット3の照明制御値(LS_Work)を算出する。
すなわち、検査処理では、第2撮像ユニット3については、計算処理によって照明制御値(LS_Work)が求められるので、実際に検査対象物Wを撮像して照明制御値を求める必要がない。したがって、複数の撮像ユニットのそれぞれについて検査対象物Wを撮像して照明制御値を求める場合と比べ、検査時間を短縮することができる。
まず、検査処理部23は、照明制御値検出部21に検査処理を実行するように指示する。照明制御値検出部21は、ステージ8を駆動させて検査対象物Wをエリアセンサ(第1撮像装置5)の撮像領域に移動させ(S401)、図7に示す照明制御値検出処理にて照明制御値を求め(S402)、求めた照明制御値(AS_Work)を検査処理部23に返す。
次に、検査処理部23は、ランプ状態ファイル26から、最新のランプ状態を示す照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)を読み出す(S403)。上述のように、ランプ状態ファイル26は定期的に更新されるので、S403で取得した照明制御値(AS_Ref、LS_Ref)は、検査処理実行時のランプ状態を示している。
さらに、検査処理部23は、テーブル25から、テーブル作成時の照明制御値(AS_Table、LS_Table、AS_Ref_t、LS_Ref_t)を読み出す(S404)。
そして、検査処理部23は、以上7種の照明制御値(AS_Work、AS_Ref、LS_Ref、AS_Table、LS_Table、AS_Ref_t、LS_Ref_t)を下記の数式3に代入し、検査用の第2撮像ユニット3の照明制御値(LS_Work)を算出する(S405)。
LS_Work = AS_Work × ( LS_table / AS_table ) × ( LS_Ref / AS_Ref) × (AS_Ref_t / LS_Ref_t) …数式3
なお、数式3が成り立つ理由については後述する。
続いて、検査処理部23は、算出した照明制御値(LS_Work)を照明制御値検出部21に送り、照明制御値(LS_Work)を受け取った照明制御値検出部21は、検査対象物Wをラインセンサの撮像領域に移動し(S406)、照明制御値(LS_Work)に対応する照明制御信号を第2照明装置6に送り、第2撮像ユニット3で検査対象物Wの撮像を行う(S407)。
そして、第2撮像ユニット3で撮像された検査対象物Wの画像データは画像処理装置12に送られ、画像処理装置12はこの画像データを解析して検査対象物Wの欠陥有無を検査する(S408)。
このように、検査システム1における検査処理では、2つの撮像ユニットのうち、第1撮像ユニット2の照明制御値を求めるのみでよく、第2撮像ユニット3の照明制御値は計算によって算出することができる。したがって、複数の撮像装置のそれぞれについて検査対象物Wを撮像して調光を行う場合と比べて短時間で調光を行うことができる。
なお、検査処理のフローは、上述の例に限られず、例えばS402〜404の処理は、同時に行っても良いし順序が入れ替わっても良い。
また、以上の説明において、第1照明装置4の照明制御値を基に第2照明装置6の照明制御値を算出しているが、第2照明装置6の照明制御値を基に第1照明装置4の照明制御値を算出しても良い。
〔数式3について〕
ここで、上記数式3が成り立つ理由について説明する。まず、各照明装置のランプの劣化が無視できるほど少ない場合、テーブル作成時と検査時とで各撮像ユニットにおける照明制御値の比は変わらないので、下記の数式4が成り立つ。
LS_Work = AS_Work × ( LS_table / AS_table ) …数式4
これは、例えば、図9のランプ使用開始から3日目までのように、ランプの劣化が少ない時期に成り立つ。そこで、ランプの劣化が少ない期間、例えば使用積算時間が72時間を越えるまでは、上記数式4にて照明制御値の算出を行うようにしてもよい。この場合、照明制御値の算出にランプ状態ファイル26を用いないので、使用積算時間が72時間を越えるまでは、ランプ状態検出処理を行わなくてよい。したがって、検査システム1の動作時間を短くしてランプの消耗を抑えることができる。
しかしながら、照明装置のランプは必ず劣化するので、数式4が成り立たない場合が多い。そこで、ランプの劣化を反映させるため、上記数式4の各項に劣化係数の逆数を掛ける。劣化係数とは、
{現状(劣化状態)の照明制御値 / 理想状態における照明制御値}
で表される数値である。なお、ランプが劣化した場合でも同じ照射光量を保つためには、照明制御値をランプ劣化に応じて大きな値にする必要があるので、劣化係数は必ず1.0以上の値となる。数式4の各項に劣化係数の逆数を掛けることによって、下記の数式5が得られる。
LS_Work×(1/A)= AS_Work ×(1/B)×(LS_table×(1/C)/AS_table×(1/D))
…数式5
ただし、A,Bは検査時のランプ劣化係数であり、C,Dはテーブル作成時の劣化係数であり、下記の数式6〜9で表される。この数式6〜9を数式5に代入すると数式3が得られる。なお、数式6〜9における「理想の照明制御値」は、ランプの劣化がない場合の照明制御値である。
1/A = (LSの理想の照明制御値/ LS_Ref) …数式6
1/B = (ASの理想の照明制御値/ AS_Ref) …数式7
1/C = (LSの理想の照明制御値/ LS_Ref_t) …数式8
1/D = (ASの理想の照明制御値/ AS_Ref_t) …数式9
〔撮像ユニットが3つ以上の場合〕
撮像ユニットが3つ以上の場合も同様にして検査用の照明制御値を算出することができる。例えば、それぞれが互いに異なる種類の撮像装置を備えた3つの撮像ユニットを用いる場合には、検査処理において、まず、3つの撮像ユニットのうち、1つの撮像ユニットについて照明制御値を求める。そして、数式3を用いて他の1つの撮像ユニットにおける照明制御値を算出し、再度数式3を用いて残る1つの撮像ユニットにおける照明制御値を算出することができる。
なお、互いに異なる種類の撮像装置とは、撮像装置の機種(ラインセンサかエリアセンサか、等)や、スペック(CCD素子のサイズ、ケーブルの種類等)、撮像装置のメーカー等が異なる撮像装置のことを指す。
また、キャリブレーション用の撮像ユニットは1つで足りるので、撮像ユニットが3つ以上の場合とは、検査用の撮像ユニットが複数ある場合のことを指す。
〔撮像ユニットが3つ以上であり、撮像ユニットに同種類のものが含まれる場合〕
ここで、同種類の撮像ユニット(種類、スペック、メーカー等が同じ撮像装置を有する撮像ユニット)であれば、検査対象物が変わっても各撮像ユニット間の照明制御値の比率は変わらない。
このことを利用して、上記数式3にて同種類の撮像ユニットの1つについて照明制御値を算出し、算出された照明制御値と、各撮像ユニットにおける照明制御値の比率とに基づいて、同種類の撮像ユニットのうち上記とは別の撮像ユニットの照明制御値を算出することができる。すなわち、同種類の撮像ユニットを複数備えている場合、同種類の撮像ユニットのうち少なくとも1つの撮像ユニットの照明制御値を求めることにより、他の撮像ユニットの照明制御値を求めることができる。
ここでは、同種類の撮像ユニットを複数用いる例として、キャリブレーション用の撮像ユニット(エリアセンサ使用)を1つ、検査用の撮像ユニット(ラインセンサ使用)を複数備えている場合について図12に基づいて説明する。図12は、複数の撮像ユニットの照明制御値を算出する方法を説明する図である。
図12では、キャリブレーション用の撮像ユニットを1つ備え、検査用の撮像ユニットを4つ備えている場合の例を示している。すなわち、図12の「AS」はキャリブレーション用撮像ユニットの撮像装置であるエリアセンサを示し、「LS1」〜「LS4」は検査用撮像ユニットの撮像装置であるラインセンサを示している。
この例では、検査用の撮像ユニットが全てラインセンサであるから、4つのラインセンサのうち、1つの照明制御値を求めることにより、他の3つのラインセンサにおける照明制御値をそれぞれ算出することができる。
まず、検査処理部23は、図11の検査処理のフローに従って、エリアセンサASの照明制御値(AS_Work)から、数式3によってラインセンサLS1の照明制御値(LS1_Work)を求める。なお、ラインセンサLS1のテーブルデータは、予めテーブル25に格納されているものとする。
ここで、ラインセンサLS1〜LS4は、同種類の撮像装置であるから、ラインセンサLS1〜LS4における照明制御値の比率は、常に一定となる。したがって、基準板R撮像時のラインセンサLS1〜LS4の照明制御値の比と、検査対象物W撮像時のラインセンサLS1〜LS4の照明制御値の比とは等しくなる。
これを数式で表すと下記の数式10となる。
LS1_Work:LS2_Work:LS3_Work:LS4_Work = LS1_Ref:LS2_Ref:LS3_Ref:LS4_Ref …数式10
そして、ラインセンサ(LS1)を基準にすると、
LS1_Work:LS2_Work:LS3_Work:LS4_Work =1:(LS2_Ref/ LS1_Ref):(LS3_Ref/ LS1_Ref):(LS4_Ref/ LS1_Ref) …数式11
との数式11が得られる。
そして、数式3と数式11とから、下記の数式12〜14が導かれる。
LS2_Work =LS1_Work×(LS2_Ref/ LS1_Ref) …数式12
LS3_Work =LS1_Work×(LS3_Ref/ LS1_Ref) …数式13
LS4_Work =LS1_Work×(LS4_Ref/ LS1_Ref) …数式14
この数式12〜14を用いることで、ラインセンサLS2〜LS4の照明制御値を求めることができ、求めた照明制御値にて検査対象物Wの検査を行うことができる。
したがって、この場合、ラインセンサLS2〜LS4のそれぞれについて数式3を用いて照明制御値(LS2_Work、LS3_Work、LS4_Work)を求める必要がないので、より迅速に全ての撮像ユニットの照明制御値を求めることができる。
また、この場合、ラインセンサLS1の照明制御値(LS1_Work)を求めるときにはテーブルデータを参照する必要があるが、ラインセンサLS2〜LS4の照明制御値(LS1_Work)を求めるときにはテーブルデータを参照する必要がない。
すなわち、同種類の撮像ユニットを複数備えている場合、同種類のラインセンサのうち、いずれか1つのテーブルデータを作成しておけばよい。例えば、図12の例では、ラインセンサLS1についてのみテーブルデータを作成すればよく、ラインセンサLS2〜LS4については、テーブルデータを作成する必要がない。したがって、この場合、テーブル作成処理が簡略化される。
〔透過光を撮像して検査を行う場合〕
また、検査システム1では、検査対象物Wに反射した反射光を撮像して検査対象物Wの欠陥検査を行っているが、検査対象物Wが光透過性を有する場合は、基準板Rも一定の透過特性を持つ材料に変更し、透過光を撮像して検査を行うようにしてもよい。この場合、例えば、図13に示すような構成にすればよい。図13は、検査システム31の概略構成を示す図である。検査システム31は、ステージ8がステージ32に代わり、撮像装置と照明装置との位置関係が変わっている以外は、図2に示す検査システム1と同様の構成をもつ。なお、検査システム1と同様の構成については、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
検査システム31では、第1照明装置4から照射された照射光L1が検査対象物Wまたは基準板Rを透過した透過光L1’を第1撮像装置5で撮像し、第2照明装置6から照射された照射光L2が検査対象物Wまたは基準板Rを透過した透過光L2’を第2撮像装置7で撮像する構成である。したがって、ステージ32は、検査対象物Wおよび基準板Rの被撮像面が撮像装置に対向し、かつ上記照射光L1,L2および透過光L1’,L2’を遮らないように保持するようになっている。
検査システム31においても、検査システム1と同様に、1つの照明装置の照明制御値から、他の照明装置の照明制御値を求めることができるので、複数の照明装置の調光を短時間で行うことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、検査システム1の各ブロック、特に制御装置9は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、制御装置9は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置10(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御装置9の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御装置9に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、制御装置9を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の制御装置は、複数の撮像ユニットの調光を短時間で行うことができるので、様々な製品の検査に適用することができる。特に、上記検査システムは、精密な光量調節が必要となる薄膜の欠陥検査に好適に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、検査システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、目標輝度値の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ランプ状態ファイルの一例を示す図である。 ランプ状態ファイルに格納されている照明制御値と、テーブル作成時の照明制御値との関係を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、テーブル作成処理にて作成されるテーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、照明制御値検出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、ランプ状態検出処理の一例を示すフローチャートである。 ランプの点灯積算時間と基準板を撮像したときの照明制御値との関係を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、テーブル作成処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、検査処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり複数の撮像ユニットの照明制御値を算出する方法を説明する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、上記とは別の検査システムの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 検査システム
2 第1撮像ユニット
3 第2撮像ユニット
4 第1照明装置
5 第1撮像装置
6 第2照明装置
7 第2撮像装置
8 ステージ
9 制御装置(調光装置)
10 記憶装置
11 入力装置
12 画像処理装置
13 出力装置
21 照明制御値検出部(照明制御値検出手段)
22 テーブル作成部(初期制御値検出手段)
23 検査処理部(照明制御値算出手段)
24 ランプ状態検出部(ランプ状態検出手段、交換時期予測手段)
25 テーブル
26 ランプ状態ファイル

Claims (11)

  1. 撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光装置であって、
    上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、
    上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、
    記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段を備えていることを特徴とする調光装置。
  2. 撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光装置であって、
    上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、
    上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出手段と、
    上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出手段と、
    上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出手段と、
    上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出手段とを備えていることを特徴とする調光装置。
  3. 上記所定のタイミングは、照明装置の点灯積算時間が所定の値に達したときであることを特徴とする請求項2に記載の調光装置。
  4. 上記第2撮像ユニットには、互いに同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットが含まれており、
    上記照明制御値算出手段は、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのそれぞれにおける第6照明制御値の比は、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのそれぞれにおける第2照明制御値の比と等しくなることから、同じ種類の撮像装置を備えた撮像ユニットのうち1つの第2照明制御値に基づいて他の撮像ユニットの第2照明制御値を求めることを特徴とする請求項2または3に記載の調光装置。
  5. 上記照明装置のそれぞれについて、上記記憶装置に格納されている第5照明制御値または第6照明制御値の時間に対する変化率に基づいて各照明装置のランプ交換時期の予測を行う交換時期予測手段を備えていることを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記載の調光装置。
  6. 撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光方法であって、
    上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、
    上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値と、上記撮像対象を撮像するときに、第2撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第2照明制御値との比が、
    記憶装置に格納されている、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記記憶装置に格納されている、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値との比に等しいことから、上記第1、第3、第4照明制御値に基づいて上記第2照明制御値を算出するステップを含むことを特徴とする調光方法。
  7. 撮像対象に投光する照明装置と、該照明装置によって投光されている撮像対象を撮像する撮像装置とからなる複数の撮像ユニットのそれぞれを用いて上記撮像対象を撮像するときに、上記撮像ユニットのそれぞれについて照明装置の照射光量を決定するための照明制御値を設定する調光方法であって、
    上記複数の撮像ユニットは、少なくとも1つの第1撮像ユニットとそれ以外の第2撮像ユニットとから成り、
    上記第1撮像ユニットによって、調光の基準となる基準撮像対象を撮像するときの照明制御値である第5照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって、上記基準撮像対象を撮像したときの照明制御値である第6照明制御値とを、所定のタイミング毎に求め、求めた第5照明制御値および第6照明制御値を記憶装置に格納するランプ状態検出ステップと、
    上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象と略同じ照明制御値の設定が適用できる初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第3照明制御値と、上記第2撮像ユニットによって上記初期値検出用撮像対象を撮像したときの照明制御値である第4照明制御値とを求めると共に、第3照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第5照明制御値を第7照明制御値とし、上記3照明制御値に第7照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納すると共に、第4照明制御値を求めるときに上記記憶装置に格納されている第6照明制御値を第8照明制御値とし、上記4照明制御値に第8照明制御値を対応付けて上記記憶装置に格納する初期制御値検出ステップと、
    上記撮像対象を撮像するときに、上記第1撮像ユニットによって上記撮像対象を撮像するための照明制御値である第1照明制御値を求める照明制御値検出ステップと、
    上記第3照明制御値に上記第7照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第4照明制御値に上記第8照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比と、上記第1照明制御値に上記第5照明制御値の逆数を掛けて得られた数値と、上記第2照明制御値に上記第6照明制御値の逆数を掛けて得られた数値との比とが等しいことから、上記第2照明制御値を算出する照明制御値算出ステップとを含むことを特徴とする調光方法。
  8. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の調光装置と、
    少なくとも1つの第1撮像ユニットと、
    それ以外の第2撮像ユニットとを備えていることを特徴とする検査システム。
  9. 上記第1撮像ユニットが備える撮像装置はエリアセンサであり、上記第2撮像ユニットが備える撮像装置はラインセンサであることを特徴とする請求項8に記載の検査システム。
  10. 請求項1または2に記載の調光装置の各手段としてコンピュータを機能させるための調光装置制御プログラム。
  11. 請求項10に記載の調光装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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