JP2008145947A - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回動範囲を規制する動作規制部材は、複数の粒子が包囲部材に包囲されたものであり、その動作規制機能を長期に亘って維持できる電子鍵盤楽器の鍵盤装置を提供する。
【解決手段】下限ストッパ5は、鍵盤フレームの水平部3aの上面に配置され、複数の白鍵本体部1及び複数の黒鍵本体部2の配列方向に延在する長尺の動作規制部材である。下限ストッパ5は、複数の粒子11と複数の粒子移動規制部材12とが包囲部材13により包囲されて閉領域に収容されている。粒子11は、粒子移動規制部材12に対し、その貫通孔11aを自由度を持って結合することにより、他の粒子11に連結される。各粒子11は、粒子移動規制部材12により緩やかに移動規制がなされながら移動する。個々の粒子11は、衝撃荷重が加わったときでも、急激には移動しないため、衝撃荷重がなくなったときに、下限ストッパ5が原状に復帰しやすい。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子楽器の鍵盤装置に関するものであり、特に鍵や鍵に連動する質量体の回動動作を規制するストッパ部材に関するものである。
従来、電子楽器の鍵盤装置において、押鍵操作したときの鍵の回動動作範囲(初期位置から最大回動位置まで)は、上限ストッパ及び下限ストッパにより規制されている。
図11は、従来の電子楽器の鍵盤装置を模式的に示す説明図である。
図中、1は白鍵本体部、2は黒鍵本体部である。3は鍵盤フレームであって、鍵の長手方向の前後部に段差があり、これらの間が水平部3aとなり、水平部3aの後部分に鍵支持部3bがある。
白鍵本体部1の後端部に鍵支点部1bがあり、鍵支持部3bに取り付けられて白鍵本体部1を回動可能にしている。
白鍵本体部1は、その上面から下方向に両側面部が形成され、両側面部は、先端部1a寄りの中間位置において、さらに下方向に垂下して左右一対のストッパ片1cとなり、その先端部1dは、鍵の奥行き方向に略直角に曲がっている。
黒鍵本体部2についても、上述した白鍵と同様の位置に、鍵支点部2bとストッパ片2cがある。
鍵盤フレーム3の前方段差部には、縦に複数本の並行スリット3cが形成され、各スリット3cに、白鍵及び黒鍵のストッパ片の先端部1d,2dが挿入される。
水平部3aには、鍵スイッチ4が設置され、これに対向して、白鍵本体部1、黒鍵本体部2の上面裏側に突部(アクチュエータ)がある。
ストッパ片の先端部1dの上面に対向して、水平部3aの下面に、鍵の配列方向に沿って帯状に上限ストッパ6が配置されている。一方、水平部3bの上面には、下限ストッパ131が帯状に配置されている。上限ストッパ6,下限ストッパ131は、すべての白鍵及び黒鍵に共通のものである。
上限ストッパ6及び下限ストッパ131として、衝撃吸収性、消音性、及び、回動範囲の再現性の観点から、弾性復元力を備えたものが必要であり、従来、フェルト又はポリウレタン・エラストマ等の弾性型動作規制部材が使用されている。
演奏者が押鍵すると、鍵スイッチ4が弾性圧縮されてスイッチがオンとなる。演奏者がさらに鍵を押圧すると、下限ストッパ5は、押圧された白鍵本体部1,黒鍵本体部2の左右両側面から衝撃を受けて弾性変形する。その際、内部損失により運動エネルギが熱エネルギに変換されることにより鍵は制動される。
しかし、下限ストッパ101は、弾性変形から元に戻るときに弾性復元力を発生し、この弾性復元力が鍵に対する反発力(リバウンドと呼ばれる)となって、鍵本体部1,黒鍵本体部2から演奏者の指に伝わり、演奏者に不快感を与える。
一方、離鍵時において、図示しない復帰バネの作用等による鍵復帰力により、押鍵された白鍵本体部1,黒鍵本体部2は、元の初期位置に復帰する。このとき、ストッパ片の先端部1dの上面が上限ストッパ6に衝突する。
その際、上限ストッパ6の弾性復帰力が、白鍵本体部1,黒鍵本体部2に対する反発力となる。この反発力は、鍵復帰力とは相反する方向であるため、白鍵本体部1,黒鍵本体部2は、完全に静止するまで振動を繰り返し、演奏者の指が鍵に触れていると、この振動が伝わって演奏者に不快感を与える。
また、従来の電子楽器用の鍵盤装置として、押鍵操作に連動して質量体を回動させることにより、アコースティック・ピアノに似た押鍵感触が得られるものがある。
上述した質量体に対する上限ストッパ及び下限ストッパもまた、質量体の慣性モーメントの衝撃を吸収して制動するが、質量体が衝突したときに反発力を発生し、これが鍵を介して演奏者の指に伝わり、演奏者に不快感を与える。
ここで、特許文献1においては、ハンマの上限ストッパに並設する形で「質量部MB」を設けている。この「質量部MB」は、「質量体22」を「上側クッション21」と「下側クッション23」とで挟んだ構造であり、「質量体22」として、砂や金属粉を袋状部材で包んで全鍵幅又は複数の鍵幅に亘る長さに形成したものを適用してもよいと記載されている。
また、「質量体22」として、金属製の鎖状ワイヤを全鍵幅又は複数鍵幅に亘る長さに形成すれば、内部の摩擦によるエネルギの効率的な吸収が期待できる、単一のワイヤに限らず、複数本を装置の前後方向に並設してもよい、鎖状ワイヤの断面として、その外部形状(1本の線の断面)は矩形等が望ましく、また、各鎖内部を樹脂で埋めるのがより望ましい、と記載されている。
この「質量部MB」は、シャーシ後部に接着等により固定するか、シート部材によって「質量部MB」を下方からくるんで保持する。上述した「質量部MB」を使用することにより、押鍵押し切り時における回動部材の跳ね返り、指への衝撃及び衝撃音を抑制しつつ、しっかりとしたストップ感を長期に亘り維持することができると記載されている。
しかし、この特許文献1では、下側クッション23を介してハンマの衝撃を受けており、また、上側クッション21を介してシャーシに接着固定されているため、砂や金属粉を袋状部材で包んだ部材や、1本又は複数本の金属製鎖状ワイヤの機能が十分に発揮できない。
また、上述した砂や金属粉の具体的形状、及び、上述した金属製鎖状ワイヤの具体的形状及び配置までは検討されていなかった。
特開2003−195853(図4〜図6)
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、鍵や質量体などの回動部材の回動範囲を規制する動作規制部材として、複数の粒子が包囲部材により包囲されたものを用いた場合に、動作規制機能を長期に亘って維持できる電子鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明においては、並設された複数の回動部材と、該複数の回動部材を支持するフレームと、前記各回動部材を衝突させることにより当該回動部材の回動範囲を規制する動作規制部材を有する電子楽器の鍵盤装置において、前記動作規制部材の少なくとも1つは、複数の粒子と複数の粒子移動規制部材とが包囲部材により部分的に又は全体を包囲されて閉領域に収容され、前記複数の回動部材の配列方向に延在するものであり、前記粒子は、前記粒子移動規制部材に対し、自由度を持って結合することにより、他の粒子に連結されているものである。
回動部材は、動作規制部材に衝突して動作規制がなされて、回動範囲、すなわち、初期位置及び又は最大回動位置が規制される。回動部材が動作規制部材に衝突したとき、複数の粒子及び複数の粒子移動規制部材が、摺動や衝突を繰り返しながら移動することにより、大きな内部損失が得られる。その結果、動作規制部材が回動部材に反発力を与えない。
複数の粒子は、移動する自由度はあるものの、粒子移動規制部材により、相対的な移動範囲が規制されているから、粒子の移動が緩やかに規制される。その結果、動作規制部材の全体形状が衝突によって大きくは変形しない。従って、衝突荷重が印加されなくなったときに、動作規制部材が原状に復帰しやすい。また、電子楽器を傾けて使用した場合などにおいて、回動部材の配列方向に粒子が移動することが抑制される。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記粒子移動規制部材は、柔軟性を有する線状体であり、前記粒子の貫通孔に対し、間隙を有して貫通しているものである。
従って、この線状体によって粒子の移動範囲が決まる。線状体の長さを調整することにより、粒子の相対的な移動範囲を設定することができる。
請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記粒子移動規制部材は、弾性を有するものである。
従って、粒子移動規制部材の長さは、この粒子移動規制部材に加えられる応力に応じて変化するから、粒子の相対的な移動範囲が応力に応じて拡張される。その結果、粒子の移動が緩やかに規制される。
粒子移動規制部材に衝突荷重が印加されなくなったとき、粒子移動規制部材の弾性復帰力により、動作規制部材が衝突を受ける前の原状に復帰しやすくなる。
ここで、粒子移動規制部材がコム弾性に加えて粘弾性を持っていれば、移動性部材の変形時における内部損失によっても、反発力が少なくなる。
請求項4に記載の発明においては、請求項2又は3に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記粒子移動規制部材は、1又は複数の粒子移動阻止部を有し、該粒子移動阻止部は、前記粒子の貫通孔より大きく、前記粒子が当該粒子移動規制部材に沿って移動することを阻止するものである。
従って、粒子移動阻止部により、粒子移動規制部材に沿った粒子の移動範囲を制限することができる。粒子移動規制部材の端部に粒子移動阻止部が設けられていれば、粒子が粒子移動規制部材から脱落しなくなり、隣接する粒子の間に粒子移動阻止部が設けられていれば、複数の粒子が集中しないようにすることができる。
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4までのいずれか1項に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記粒子移動規制部材の一部又は前記粒子の一部を、前記フレーム側に固定する固定部材を有するものである。
従って、フレーム側に固定された粒子移動規制部材に直接的に、又は他の粒子や他の粒子移動規制部材等を介して連結されている複数の粒子は、緩やかにフレーム側に固定されることになる。
その結果、鍵盤装置を傾けた状態で長期間使用したり、鍵盤装置を縦にした状態で保管したり、持ち運んだりしたときに、上述した粒子群が鍵の配列方向に移動し、粒子が偏在してしまうことが抑制される。
請求項6に記載の発明においては、並設された複数の回動部材と、該複数の回動部材を支持するフレームと、前記各回動部材を衝突させることにより当該回動部材の回動範囲を規制する動作規制部材を有する電子楽器の鍵盤装置において、前記動作規制部材の少なくとも1つは、複数の粒子が包囲部材により部分的に又は全体を包囲されて閉領域に収容され、前記複数の回動部材の配列方向に延在するものであり、前記粒子は、第1の連結部及び第2の連結部を有し、一方の粒子の前記第1の連結部と他方の粒子の前記第2の連結部とが自由度を持って結合しているものである。
従って、粒子自体が粒子の移動規制機能を備えているために、上述した請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、粒子が連結部と一体化されているので、部品点数を減らすことができる。
請求項7に記載の発明においては、請求項6に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記粒子は、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが同一となる鎖である。
従って、リンク・チェーンなど、安価でかつ入手容易な汎用のチェーンを用いることができる。
請求項8に記載の発明においては、請求項6又は7に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記複数の粒子の一部を、前記フレーム側に固定する固定部材を有するものである。
従って、フレーム側に固定された粒子に直接的に、又は粒子移動規制部材や他の粒子等を介して連結されている複数の粒子は、緩やかにフレーム側に固定されることになる。
その結果、請求項5に記載の発明と同様に、鍵盤装置を傾けた状態で長期間使用したり、鍵盤装置を縦にした状態で保管したり、持ち運んだりしたときに、上述した粒子群が鍵の配列方向に移動し、粒子が偏在してしまうことが抑制される。
上述した請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の電子楽器の鍵盤装置において、前記複数の回動部材は、鍵及び該鍵の押鍵操作に連動して回動する質量体の少なくとも一方である。
鍵盤装置には、押鍵操作に連動して回動する質量体を備えたものと備えないものとがある。包囲部材により複数の粒子が包囲された動作規制部材は、鍵及び質量体のいずれの回動範囲の規制に用いてもよいし、両方の回動範囲の規制に用いてもよい。その際、鍵及び質量体は異なる領域に配置されているから、鍵に対する動作規制部材と質量体に対する動作規制部材とは異なる部材となる。
また、回動範囲の規制として、回動上限の位置規制と回動下限の位置規制とがある。複数の粒子が包囲部材により閉領域に収容された動作規制部材を、いずれの規制に用いてもよいし、両方に用いてもよい。上限の位置規制に対する動作規制部材と下限の位置規制に対する動作規制部材とは異なる部材となる。
本発明によれば、鍵や質量体などの回動部材が動作規制部材に衝突したときに反発力が生じないために鍵タッチ感が良好となるという効果がある。
粒子の移動が緩やかに規制されるので、衝撃荷重がなくなったときに動作規制部材が原状に復帰しやすい。従って、動作規制機能を長期に亘って維持することができるという効果がある。
さらに、前記粒子移動規制部材の一部、又は、複数の粒子の一部をフレーム側に固定した場合は、鍵盤装置を鍵の配列方向に傾斜させた状態で使用したり、鍵盤装置を縦にして放置したり、鍵盤装置を縦にして運んだりしても、粒子の偏在が抑制されるから、高音域側の鍵と低音域側の鍵とで、鍵タッチ感が変化したり、所望の制動機能が得られなくなったりすることが防止される。従って、この点でも、動作規制機能を長期に亘って維持することができるという効果がある。
図1は、本願発明の第1の実施形態を模式的に示す説明図である。
図1(a)は、電子楽器の鍵盤装置を模式的に説明する右側面図、図1(b)は、その下限ストッパ5を鍵の長手方向に切断して模式的に示す断面図であり、図1(c)は、複数の粒子と粒子移動規制部材の組み合わせの説明図、図1(d)は、粒子と粒子移動規制部材の結合関係の説明図である。
図中、図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
図1(a)において、下限ストッパ5は、並設された複数の白鍵本体部1(回動部材)及び複数の黒鍵本体部2(回動部材)に関し、その配列方向(鍵並び方向)に延在する長尺の動作規制部材である。
一方、上限ストッパ6は、従来のフェルト等を用いた動作規制部材である。
図1(b)を参照し、下限ストッパ5の構造を説明する。
下限ストッパ5は、水平部3aを基材とし、複数の粒子11及び複数の粒子移動規制部材12が、包囲部材13と水平部3aにより全体を包囲されて、閉領域14に収容された状態のものであって、鍵の配列方向に延在する。
包囲部材13は、水平部3aに、その取付部13aが接着、融着等により封着されている。
基材は、鍵盤装置を固定的に支持する他の部材であってもよい。上述した閉領域14は、筒状の包囲部材により全周を包囲される場合もある。
図1(c),図1(d)において、粒子11は、固体物であり、図示の例では、円形の貫通孔11aを有するドーナツ状であるが、この形状に限られない。外形寸法は、外形3mm以下が望ましい。一方、粒子移動規制部材12は、短い枝状の部材である。
各枝には、粒子11が遊びの間隙を有して貫通している。各粒子11は、粒子移動規制部材12に対し、その貫通孔11aを結合位置及び結合角度の自由度を持って結合することにより、他の粒子11に連結されている。
従って、粒子移動規制部材12の軸線に対する粒子11の結合角度や粒子の結合位置等の状態に応じて、粒子11は、引っ掛かりながら、粒子移動規制部材12に沿って移動したり回転移動したりする。その結果、各粒子11は、粒子移動規制部材12により緩やかに動作規制されながら移動する。
図1(a)に示した白鍵本体部1の左右側面部の下端が包囲部材13に衝突したとき、その運動エネルギは、包囲部材13を介して、複数の粒子11及び複数の粒子移動規制部材12に伝達され、これらの間で、連鎖的に衝突したり摺動したりする際に、熱エネルギに変換される。そのため、大きな内部損失が得られるから、弾性エネルギが蓄積されず、白鍵本体部1に対する反発力が発生しない。その結果、不快なタッチ感が排除される。
一方、包囲部材13が伸びると、包囲部材13は適度な収縮力によって、複数の粒子11及び粒子移動規制部材12の挙動を包括的に制限する。
ユーザが離鍵操作をすることにより、白鍵本体部の左側面部,右側面部の下端が、下限ストッパ5から離れたとき、包囲部材13が縮んで、下限ストッパ5は初期状態に戻る。
複数の粒子11が包囲部材13により包囲されて閉領域に収容された動作規制部材は、制動特性が優れるが、形状の再現性(回動部材の初期位置及び最大回動範囲の再現性)の点で、従来のフェルト等を用いた弾性型動作規制部材より劣る面もある。
この実施の形態では、複数の粒子11は、粒子移動規制部材12により、粒子11の移動範囲が制限されているために、緩やかに移動規制されながら移動する。
従って、個々の粒子11は、衝撃荷重が加わったときでも、急激には移動しないため、下限ストッパ5の形状が大きく変形しない。その結果、衝撃荷重がなくなったときに、下限ストッパ5が原状に復帰しやすい。
粒子移動規制部材12は、少なくとも2個の粒子11を連結するものであればよく、粒子移動規制部材12が有する分岐部は、複数あってもよいし、全くなくてもよい。閉領域に収容される粒子11及び粒子移動規制部材12は、同一形状、同一寸法の物で統一してもよい。
図示の例では、粒子移動規制部材12の端部は、貫通孔11aよりも小さいため、時間経過に従って、粒子11が粒子移動規制部材12から外れてしまう可能性がある。
そのため、粒子移動規制部材12の端部は、貫通孔11aよりも大きくしておけばよい。例えば、粒子移動規制部材12に粒子11を嵌め込んだ後に、加熱溶融等により、端部を大きくしたり、抜け止め部材を溶着したりして、粒子を移動阻止すればよい。
上述した粒子11の材質は、貫通孔11aを開けたり、成形したりすることが可能な、セラミック、金属、プラスチックなどである。
粒子移動規制部材12の材質は、例えば、金属、合成樹脂、軟質エラストマ、ゴム、合成繊維や天然繊維を使用した糸,紐(例えば、ゴム紐)などである。
特に、粒子移動規制部材12として、弾性体を用いれば、複数の粒子11の相対位置が、弾性変形に従って柔軟に変化することが可能となる。
粒子移動規制部材12に衝突荷重が印加されなくなれば、粒子移動規制部材12自体の弾性復帰力が、複数の粒子11に対して原状に戻る方向に印加されるから、加減ストッパ5の外形状が、衝突を受ける前の初期状態に原状復帰しやすくなる。
また、粒子移動規制部材12が、ゴムや軟質エラストマ等の、粘弾性を有するものであれば、これに加えられる応力に従って変形する間に、内部損失により運動エネルギを消耗させる。
包囲部材13は、薄くて柔軟性のある素材(薄皮状の素材ということもできる)で形成されている。
衝突を受けたときの運動エネルギが、複数の粒子11及び粒子移動規制部材12に伝わることを阻害せず、これらの間の摺動や衝突を妨げることなく、これらを閉領域に収容できるものがよい。
より具体的には、包囲部材13は、弾性を有する素材であり、内部、外部から受ける力に応じて包囲部材の表面積が伸縮するものがよい。しかし、包囲部材13は、伸縮しなくても布のように、自由に曲がったり弛んだりするものでもよい。
上述した包囲部材13、及び/又は、包囲部材13が封着される基材(鍵盤フレームの水平部3a)は通気性を有することが望ましい。通気性を有していれば、白鍵本体部1,黒鍵本体部2が下限ストッパ5に衝突したとき、閉領域14の内部の空気圧による反発力が発生しない。
上述した包囲部材13として、網目(メッシュ)状の包囲部材、例えば、織布(クロス)、編み物(ニット)、不織布を用いることができる。また、プラスチック、天然ゴム、合成ゴムなどの薄膜(フィルム)を用いてもよい。これらが発泡体である場合もある。薄膜には、複数の通気孔があるとよい。
本明細書において、包囲部材13により複数の粒子11及び複数の粒子移動規制部材12が包囲(部分包囲又は全部包囲)された構造を、以下、簡単に、「パーティクル・バッグ」と呼ぶ場合がある。
一方、上限ストッパ6は、図示の例では、従来通りのフェルト等を用いた弾性を有する動作規制部材(以下、弾性型動作規制部材という)にしている。
図2は、図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第1の変形例を模式的に示す説明図である。
図中、図1と同様な部分には同じ符号を用いている。
21は複数の分岐を伴う線状で柔軟性を有する粒子移動規制部材であって、矢印22に示すように長く延びている。最終的には、鍵の配列方向の左端から右端まで粒子移動規制部材21を延設すればよい。
各枝には、貫通孔11aを有する粒子11が遊びを持たせてはめ込まれ、枝の先端部を大径にして粒子移動阻止部21bとしている。矢印22の方向に延びる主幹となる部分に粒子11が嵌め込まれてもよい。粒子移動規制部材21の始端部21aには貫通孔が設けられており、ここにねじ23(固定部材)を差し込んで、水平部3aに設けた取付孔3dに粒子移動規制部材21の始端部21aを固定する。
その結果、粒子移動規制部材21と結合された全ての粒子11は粒子群として、水平部3aに固定される。粒子移動規制部材21の終端部、さらには、粒子移動規制部材21の任意の中間部分や枝部分を水平部3aに固定してもよい。
粒子群は、粒子移動規制部材21の移動限界の範囲内でしか移動できないから、固定箇所を増やす程、粒子群の移動範囲が厳しく制限されるようになる。電子楽器を傾斜した状態で使用したり、縦にして保管したり、持ち運んだりしたときにも、粒子群が鍵の配列方向に偏在しにくくなる。
図3は、図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第2の変形例を模式的に示す説明図である。
31〜34は粒子であって、形状は一定しないが、それぞれが、1又は複数の貫通孔31a〜33a,33b,34aが設けられている。
35は粒子移動規制部材であって、柔軟性を有する線状体であり、分岐部37を伴ってもよい。粒子移動規制部材35は、貫通孔31a〜33a,33b,34aを貫通し、矢印36に示す方向に長く延びている。ゴム紐など、ゴム弾性及び粘弾性を有するものがよい。鍵の配列方向の左端から右端まで延設し、その両端部において、図2と同様に、水平部3aに固定するとよい。
35a,35b,35cは、線状の粒子移動規制部材35の中間部に設けられた粒子移動阻止部である。これらは、粒子31〜34と貫通孔31a〜34aとの結合位置及び結合角度等の状態にかかわらず、貫通できないように、貫通孔31a〜33a,33b,34aよりも大きくしてある。
このような粒子移動阻止部35a,35b,35cは、粒子31〜34を貫通させた後に加熱溶融させる等の方法で実現できる。あるいは、あらかじめ粒子31〜34を貫通させておいた部分的な粒子移動規制部材を、次々に熱溶着等の方法で結合して最終的に粒子移動規制部材35を作成してもよい。
なお、分岐部37や、留め金38で粒子移動規制部材35を挟んでかしめた部分も、粒子移動阻止部となる。
粒子31〜34は、粒子移動阻止部(分岐部37及び留め金38を含む)の間でのみ、粒子移動規制部材35に沿って移動が可能であるから、粒子31〜34は緩やかに移動が規制されている。
1又は複数の粒子をグループとして、グループの区切り毎に1つの粒子移動阻止部を設けてもよい。
図4は、図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第3の変形例を模式的に示す説明図である。
図4(a)は下限ストッパ5の斜視図、図4(b)は粒子及び粒子移動規制部材の拡大断面図である。図中、図1と同様な部分には同じ符号を付している。
図4に示すように、この実施の形態では、貫通孔41aが設けられた球形の粒子41を用い、粒子移動規制部材42として、分岐のない糸状又は紐状の線状体を用いたものである。粒子移動規制部材42は、複数の粒子41の貫通孔41aを遊びの間隙を有して貫通している。
粒子移動規制部材42は、鍵の配列方向の全長に亘って延設され、左右両端、必要に応じて中間部においても、鍵盤フレームの水平部3aに作られた切り起こし片3e(固定部材)により固定する。
図4(b)に示すように、貫通孔41aの内径は、粒子移動規制部材42の外径よりも大きくしているので、粒子41は、粒子移動規制部材42に沿って移動する自由度を持っている。
粒子移動規制部材42に粒子41の移動を阻止する粒子移動阻止部を設けてもよい。
その際、複数の粒子41のうち、1個以上の粒子41を間に挟んで、粒子41自体を粒子移動阻止部材とすることもできる。粒子移動阻止部材とする粒子41の貫通孔41aと粒子移動規制部材42とを接着,溶着するか、粒子移動阻止部材とする粒子41の貫通孔41aの内径を小さくして、移動規制部材42との間の大きな摩擦力により、移動規制部材42と実質的に一体化してもよい。
図5は、図1に示した粒子11及び粒子移動規制部材12の組み合わせの第4の変形例を模式的に示す説明図である。
図3に示したような粒子に図4に示した糸又は紐状の粒子移動規制部材を組み合わせたものである。
図5(a)は粒子と粒子移動規制部材との結合状態を示す説明図であり、図5(b)は粒子と粒子移動規制部材との結合関係を示す説明図である。
図中、51〜57は粒子、51a,51b,52a〜57aは貫通孔である。
この実施の形態では、糸状又は紐状の複数の粒子移動規制部材58〜61があり、複数のもの(例えば、59,61)が1つの貫通孔(例えば、56a)を貫通している場合がある。また、1つの粒子(例えば、51)に複数の貫通孔51a,51bが貫通しており、それぞれに異なる粒子移動規制部材(例えば、58,59)が貫通している場合がある。
上述した場合においては、粒子が複数の粒子移動規制部材により移動範囲が規制されることになるから、1本の粒子移動規制部材を用いた場合に比べて、より緩やかに移動することになる。
ここで、図5(b)を参照し、1個の粒子55が1本の粒子移動規制部材60により、どのように移動範囲が制限されるかについて説明する。
この制限は、粒子移動規制部材60が複数箇所で拘束されてほとんど固定されてしまうような場合であって、図5(a)の場合に限らず、図2〜図4においての起こりうる。
例えば、粒子移動規制部材60に対する、何らかの力のバランスにより、A点,B点で粒子移動規制部材60が固定されたのと同等の状態になったとする。例えば、A,B点に動けなくなった他の粒子があって、この粒子の貫通孔と粒子移動規制部材60との間の摩擦力が大きい場合がある。
このような場合、粒子55の位置をC点とすると、粒子55が粒子移動規制部材60により制限を受けて最もA,B点から離れた位置になるのは、図示のように、粒子55がC’に示すように、2定点A,B間の粒子移動規制部材60の長さを一定とする楕円体62の外周面上の位置である。従って、この楕円体62の範囲内において粒子55が移動可能となり、楕円体62の外側への移動はできない。
図6は、図1に示した粒子11及び粒子移動規制部材12の組み合わせの第5の変形例を模式的に示す説明図である。
図6(a)は複数の粒子が相互に連結された状態を示す斜視図、図6(b)は、そのうち、2種の粒子を示す平面図である。
この変形例においては、粒子と粒子移動規制部材とが一体化されている。
粒子71は、球状の質量集中部71a、棒状の移動規制部71b、球状の粒子移動阻止部71cからなる。
粒子72は、ドーナツ状の粒子移動阻止部72a、棒状の第1の移動規制部72b、球状の質量集中部72c、棒状の第2の移動規制部72d、球状の第2の質量集中部72eからなる。粒子移動阻止部72aに貫通孔72fがある。
粒子73は、球状の質量集中部73a、棒状の粒子移動規制部73b、ドーナツ状の粒子移動阻止部73cからなる。粒子移動阻止部73cに貫通孔73dがある。
いずれの粒子71〜73についても、各部の名称は、その相対的な主機能を表現したものであって、質量集中部と粒子移動阻止部とは相対的なものである。
このほか、1個の粒子に複数の貫通孔が設けられていてもよい。
図6(a)に示すように、移動規制部71bが貫通孔72fに遊びの間隙を有して貫通することにより、粒子71と粒子72とが連結される。この貫通結合により、貫通孔72fを有する側の粒子72は、移動規制部71bを軸として、この軸に略直交する平面上において回転移動が可能であり、また、移動規制部71bの長さの範囲内で、両者の相対的な移動が可能となる。
第2の移動規制部72dが貫通孔73cに遊びの間隙を有して貫通することにより、粒子72と粒子73とが連結される。この貫通結合により、第2の移動規制部72dの長さの範囲内で、両者の相対的な移動が可能になる。
移動規制部71bが、図示しない他の粒子の貫通孔をさらに貫通してもよいし、第1の移動規制部72bが図示しない他の粒子の貫通孔を貫通してもよい。2つの貫通孔が設けられた粒子を用いれば、各貫通孔に別々の他の粒子の移動規制部を貫通させることができる。
上述したように、移動規制部と貫通孔とによる結合により、複数の粒子を順次つないでゆくことにより、鍵の配列方向に延在する部材を作成することもできる。
上述した粒子71,72,73は、相互に絡んだ連結により、全体形状が変化する1つの粒子群として機能し、衝突した鍵に対して緩やかな動作規制をする。
図7は、図1に示した粒子11及び粒子移動規制部材12の組み合わせの第6の変形例を模式的に示す説明図である。粒子群は、ボール・チェーン80となる。
図7(a)は複数の粒子が相互に連結された状態を示す斜視図、図7(b)は粒子の断面構造図、図7(c),図7(d)は製作方法の異なる粒子の断面構造図である。
図7(a),図7(b)に示すように、粒子81は中空の球形であり、1個の貫通孔の両端に開口部81aを有している。82は短いピン形状の粒子移動規制部材である。両端に粒子移動阻止部82aを有している。この粒子移動規制部材82は柔軟な素材でなくてもよい。
粒子移動規制部材82は、その粒子移動阻止部82a,82bが、左右に隣接する粒子81の開口部81aに遊びの間隙を有して嵌め込まれている。
従って、粒子81は、粒子移動規制部材82に対し、粒子移動規制部材82の長さ方向の相対移動、粒子移動規制部材82を軸とした回転移動、粒子移動規制部材82に対する首振り回転移動に関して自由度を持って結合することにより、他の粒子81に連結されている。その結果、粒子81は、粒子移動規制部材82により、相対的な移動範囲が規制されているから、粒子81の移動が緩やかに規制される。
粒子81及び粒子移動規制部材82を一単位として複数の粒子81が連結されることにより、ボール・チェーン80となる。このボール・チェーン80は、鍵の配列方向に長く延在するように配置するとよい。
ボール・チェーン80の両端部、必要に応じて中間部において、適切な固定部材を用いて、粒子81又は移動規制部材82を鍵盤フレーム3の側に固定することが望ましい。その際、隣接する粒子81の開口部81aの間隔を、移動規制部82の長さに比べて短くする調整をすることにより、ストップ感(制動)を調整することができる。
粒子81は、板金のプレス加工により製作することができ、その製作過程において金属製の粒子移動規制部材82を挿入すればよい。
図7(c)においては、移動規制部が一体化された粒子83を用いて、ボール・チェーン80としたものである。
83aは中空で球状の質量集中部、83bは円筒状の移動規制部、83cは粒子移動阻止部である。1個の粒子83の粒子移動阻止部83cが隣接する粒子83の開口部83dに遊びの間隙を有して嵌め込まれていることにより、粒子82自体が一単位となって複数の粒子82が連結される。
このような粒子83も、板金のプレス加工により製作することができ、その過程において隣接する粒子83と結合される。
図7(d)に示すように、球状で内部が密になった粒子84を用いてもよい。この粒子84には、2個の略球状の空洞部があり、開口部84aによって外部と接している。
一方、粒子移動規制部材85は、その両端に略球形の粒子移動阻止部85aを有している。開口部84aに隣接する粒子の粒子移動阻止部85aを嵌め込むことにより、ボール・ジョイントが構成され、隣接する粒子84が連結される。
この場合は、粒子移動規制部材85の長手方向への移動の自由度は少ないが、回転移動や首振り回転移動は自由である。
上述した粒子84及び粒子移動規制部材85は、例えば、若干の弾性変形が可能なプラスチックの成形により製作することができる。粒子移動阻止部85aは、これを開口部84aに押し当てて圧入することにより空洞部に収容することができる。
変形例として、上述した粒子84と粒子移動規制部材85とを一体化したものを1個の粒子としてもよい。
図8は、図1に示した粒子11及び粒子移動規制部材12の組み合わせの第7の変形例を模式的に示す説明図である。粒子群はリンク・チェーン90となる。
この変形例においては、粒子91が扁平な輪形状(リンク)であるため、粒子と移動規制部とが一体化され、移動阻止部の機能も有している。
リンク・チェーン90は、鍵の配列方向に長く延在するように配置するとよい。その際、粒子91相互の間隔(ピッチ)を、粒子の左右方向長さに比べて短くし、連結を緩める程度を調整することにより、ストップ感を調整することができる。
図示の例では、リンク・チェーン90であったが、マンテル・チェーンなど、その他の形状のチェーンであってもよい。
図9は、図1に示した下限ストッパ5として、図8に示したリンク・チェーン90を用いた場合を模式的に示す説明図である。
図中、図1、図4と同様な部分には同じ符号を付している。
図示を簡単にするため、一部のリンク・チェーン90のみを図示している。
この実施の形態では、複数のリンク・チェーン90の左端部の輪(貫通孔91a)に糸又は紐状の結束部材101(固定部材)を挿通することにより複数のリンク・チェーン90を結束し、この結束部材101を水平部3aに設けられた切り起し片(固定部材)3eにおいて水平部3aに固定したものである。
切り起し片3eにおいて水平部3aに固定された結束部材101から直接的に、又は、他の粒子91を介して連結されている複数の粒子91からなる粒子群は、鍵盤フレーム3の側に対し、緩やかに固定されることになる。
従って、個々の粒子91は緩やかに移動規制されるとともに、緩やかに鍵盤フレーム3に固定される。
複数本のリンク・チェーン90の中間部や右端部においても、同様に、貫通孔91aに糸又は紐状の結束部材102を通することにより結束し、この結束部材102を水平部3aに固定してもよい。
なお、包囲部材13は、鍵の配列方向の全鍵幅に亘って延在し、その両端部は、包囲部材13と同じ素材を当てることにより封止したり、別の部材を用いて封止したりして、両端部から粒子や粒子移動規制部材が外に出ないようにする。
しかし、図示のように、すべての粒子91が連結され、かつ、水平部3aに緩やかに固定されているような場合は、封止しなくてもよい。
図示の例では、リンク・チェーン90を例示して説明したが、図7を参照して説明したボール・チェーン80についても同様に、複数のボール・チェーン80を結束部材101で結束して水平部3aに固定することができる。この場合、エンド・リング等の結合部材を介してボール・チェーン80の端部を結束部材101で結束することができる。
図2、図3、図4に示した粒子移動規制部材についても、複数の粒子移動規制部材をそれぞれに応じた結合部材を用いて結束部材101で結束し、水平部3aに固定することができる。
図10は、本願発明の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。
図中、図1,図11と同様な部分には同じ符号を用いている。
この実施の形態は、質量体118に対する下限ストッパ(動作規制部材)119に、図1等を参照して説明したパーティクル・バッグを使用したものである。
図中、111は白鍵本体部(回動部材)、112は黒鍵本体部(回動部材)である。鍵盤フレーム113は、鍵の長手方向の前後部に段差部があり、これらの間が水平部113aとなっている。水平部113aの後部分に鍵支持部113bがあり、水平部113aの裏面前方に質量体支持部113cがある。
白鍵本体部111,黒鍵本体部112の後端部に鍵支点部111b,112bがあり、鍵支持部113bに取り付けられ、白鍵本体部111,黒鍵本体部112を回動可能にしている。
鍵盤フレーム113の段差部の前後は、鍵盤フレーム底板114への取付部113d,取付部113eとなる。取付部113dの前面は垂直壁113fとなる。鍵盤フレーム底板114は鍵盤フレーム側の固定部材、例えば、電子楽器の下ケース(棚板)であってもよい。
垂直壁113fには、白鍵本体部111に対する鍵ガイド115がある。鍵ガイド115は白鍵本体部の先端部111a近傍の下部に挿入される。一方、水平部113aの前部分に立設された鍵ガイド116は、黒鍵本体部112に対するものである。
水平部113a上に、鍵スイッチ4が設置され、これに対向して、白鍵本体部111、黒鍵本体部112の上面裏側に図示しない突部(アクチュエータ)がある。
白鍵本体部111の下部から力伝達部111cが突き出し、水平部113aに設けられた孔113gを貫通している。力伝達部111cの先端に底板を有し、この底板の上部は、鍵の長手方向に抜けている。この底板の上下面に弾性部材117(上面の方は見えない)が固着されている。
質量体118は、複数の白鍵本体部111,黒鍵本体部112のそれぞれに設けられ、各鍵の下方に鍵の配列方向に配置されている。図示の質量体118は、白鍵本体部111に対するもので、質量体支持部118cにより回動自在に支持され、対応する鍵の力伝達部118cを介して回動される。
質量体118は、質量体支持部113cに支持される回動支点部118cと、鍵の力伝達部111cに係合する、主被駆動部118a及び副被駆動部118bと、慣性モーメントを発生する腕状の慣性モーメント発生部118dを有する。慣性モーメント発生部118dの後端は、質量集中部118eとなる。
主被駆動部118a及び副被駆動部118bは、力伝達部111cの底板を弾性部材117を介して挟み込むようにして力伝達部111cと係合している。
演奏者が鍵を押す操作に連動して質量体118が回動すると、慣性モーメント発生部118dの反作用が白鍵本体部111から演奏者の指に与えられる。演奏者が鍵から指を離すと、質量体118は重力の作用により逆回動して図示の位置に戻る。
黒鍵本体部112の力伝達部は、力伝達部111cと鍵の配列方向に重なる位置にあり、同様に、質量体支持部により回動自在に支持された質量体が設けられ、対応する黒鍵の力伝達部により回動される。
120は従来のフェルト素材を用いた上限ストッパであって、質量体118に対する動作規制部材である。上限ストッパ120は、水平部113aの裏面後方に取り付けられており、押鍵により質量体118が回動したとき、質量集中部118eが、上限ストッパ120に衝突することにより、質量体128の回動範囲における最大回動位置が規制される。
119は、質量体118に対する下限ストッパであって、鍵盤フレーム底板114に帯状に配置されている。
下限ストッパ119の内部構造は、図1を参照して説明した鍵に対する下限ストッパ5と同様である。
白鍵本体部111が離鍵されたことに連動して、回動した質量体118が復帰するとき、質量集中部118eの下面部が衝突することにより、質量体118が初期位置になるように動作規制する。
質量体を有する鍵盤構造及び回動方向は、図10に示したものに限らない。初期位置で傾斜状態であった質量体が、押鍵したときに鉛直方向に立ち上がるものもある。この場合、鉛直方向に立ち上がったとき、パーティクル・バッグが水平方向の衝突を受けるようにすればよい。
また、初期位置で質量体が上限にあり、鍵の押し込み位置で質量体が下限にあってもよい。
上述した上限ストッパ及び下限ストッパの設置位置は、典型的な位置を例示して説明したが、鍵や鍵に連動する質量体に対する動作規制機能を果たすものであれば、図示の位置以外に設けてもよい。
上述した動作規制部材に、従来から知られたフェルト等を用いた弾性型動作規制部材を並設したものを、上限ストッパ、下限ストッパとしてもよい。
上限ストッパ及び下限ストッパは、鍵盤フレーム3,113そのものに配置する必要はなく、図10に示した鍵盤フレーム底板114のような、鍵や質量体118に対する固定側、に配置されていればよい。
上述した説明は、パーティクル・バッグを用いた動作規制部材を、下限ストッパとして用いた場合であったが、鍵及び又は質量体に対する上限ストッパとして用いることもできる。
本願発明の第1の実施形態を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第1の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第2の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第3の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第4の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第5の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第6の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した粒子及び粒子移動規制部材の組み合わせの第7の変形例を模式的に示す説明図である。 図1に示した下限ストッパとして、図8に示したリンク・チェーンを用いた場合を模式的に示す説明図である。 本願発明の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。 従来の電子楽器の鍵盤装置を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1…白鍵本体部(回動部材)、1b…鍵支点部、1c…ストッパ片、2…黒鍵本体部(回動部材)、2b…鍵支点部、2c…ストッパ片、3…鍵盤フレーム(フレーム)、3a…水平部、3b…鍵支持部、3c…並行スリット、3d…取付孔、3e…切り起し片(固定部材)、
4…鍵スイッチ、5…下限ストッパ(動作規制部材)、6…上限ストッパ、11…粒子、11a…貫通孔、12…粒子移動規制部材、13…包囲部材、14…閉領域
21…粒子移動規制部材、21b…粒子移動阻止部、23…ねじ(固定部材)、31〜34…粒子、31a〜33a,33b,34a…貫通孔、35…粒子移動規制部材、35a,35b,35c…粒子移動阻止部、37…分岐部、38…留め金、41…粒子、41a…貫通孔、42…粒子移動規制部材、51〜57…粒子、51a,51b,52a〜57a…貫通孔、58〜61…粒子移動規制部材、62…楕円体、71…粒子、71b…粒子移動規制部、72…粒子、72b…第1の移動規制部、72d…第2の移動規制部、72f…貫通孔、73…粒子、73b…粒子移動規制部、73d…貫通孔、81…粒子、81a…開口部、82…粒子移動規制部材、83…粒子、83b…粒子移動規制部、83d…開口部、84…粒子、84a…開口部、85…粒子移動規制部材、91…粒子、91a…貫通孔、101,102…結束部材(固定部材)
111…白鍵本体部(回動部材)、111b…鍵支点部、112…黒鍵本体部(回動部材)、112b…鍵支点部、113…鍵盤フレーム(フレーム)、113a…水平部、113b…鍵支持部、113c…質量体支持部、113g…孔、114…鍵盤フレーム底板、115…鍵ガイド、116…鍵ガイド、117…弾性部材、118…質量体、118c…回動支点部、118e…質量集中部、119…下限ストッパ(動作規制部材)、120…上限ストッパ

Claims (8)

  1. 並設された複数の回動部材と、該複数の回動部材を支持するフレームと、前記各回動部材を衝突させることにより当該回動部材の回動範囲を規制する動作規制部材を有する電子楽器の鍵盤装置において、
    前記動作規制部材の少なくとも1つは、複数の粒子と複数の粒子移動規制部材とが包囲部材により部分的に又は全体を包囲されて閉領域に収容され、前記複数の回動部材の配列方向に延在するものであり、
    前記粒子は、前記粒子移動規制部材に対し、自由度を持って結合することにより、他の粒子に連結されている、
    ことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
  2. 前記粒子は貫通孔を有し、
    前記粒子移動規制部材は、柔軟性を有する線状体であり、前記粒子の貫通孔に対し、間隙を有して貫通している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  3. 前記粒子移動規制部材は、弾性を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  4. 前記粒子移動規制部材は、1又は複数の粒子移動阻止部を有し、
    該粒子移動阻止部は、前記粒子の貫通孔より大きく、前記粒子が当該粒子移動規制部材に沿って移動することを阻止するものである、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  5. 前記粒子移動規制部材の一部又は前記粒子の一部を、前記フレーム側に固定する固定部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  6. 並設された複数の回動部材と、該複数の回動部材を支持するフレームと、前記各回動部材を衝突させることにより当該回動部材の回動範囲を規制する動作規制部材を有する電子楽器の鍵盤装置において、
    前記動作規制部材の少なくとも1つは、複数の粒子が包囲部材により部分的に又は全体を包囲されて閉領域に収容され、前記複数の回動部材の配列方向に延在するものであり、
    前記粒子は、第1の連結部及び第2の連結部を有し、一方の粒子の前記第1の連結部と他方の粒子の前記第2の連結部とが自由度を持って結合している、
    ことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
  7. 前記粒子は、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが同一となる鎖である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子楽器の鍵盤装置。
  8. 前記複数の粒子の一部を、前記フレーム側に固定する固定部材を有する、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電子楽器の鍵盤装置。
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