JP2008143739A - 燃料プロセッサおよびその運転制御方法、ならびに燃料電池システム - Google Patents

燃料プロセッサおよびその運転制御方法、ならびに燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】 起動から定格負荷運転までの時間が短縮され、燃料電池システムの迅速な起動を図ることができる燃料電池システムおよびその運転制御方法を提供する。
【解決手段】 炭化水素原料と水とを改質反応させて改質ガスを製造する改質器と、前記改質器からの改質ガスをシフト反応させるシフト反応器と、前記改質器および前記シフト反応器の運転を制御する運転制御器と、を備える燃料プロセッサであって、前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に、前記改質器から前記シフト反応器に供給される改質ガスを加熱する加熱手段を備え、前記運転制御器は、燃料プロセッサの運転開始に際して、前記改質器から供給される改質ガスの前記加熱手段による加熱を制御するシフト反応制御部を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、短時間の起動運転によって、迅速に定格負荷運転に移行できる燃料プロセッサおよびその運転制御方法、ならびに燃料電池システムに関する。
近年、環境に優しいエネルギ源として、水素と酸素の電気化学的反応によって発電を行う燃料電池システムが注目されている。この燃料電池システムにおいて、発電を行う燃料電池スタックに、水素を供給するために、炭化水素原料を改質して水素濃度が高い水素含有ガスを製造する燃料プロセッサが用いられる。この燃料プロセッサは、改質器と、シフト反応器と、一酸化炭素選択酸化(PROX)反応器とを含む。改質器には、炭化水素原料と水とを改質反応させて改質ガスを製造する改質触媒層が内設され、シフト反応器には、前記改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて水素を生成させ、さらに水素濃度が増加したシフトガスを製造するシフト反応触媒層が内設され、一酸化炭素選択酸化反応器には、前記シフトガス中に存在する一酸化炭素を選択的酸化反応させて、一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素選択酸化触媒層が内設されている。
この燃料プロセッサにおける改質器、シフト反応器およびPROX反応器は、内部に、反応触媒(改質触媒、シフト反応触媒、PROX反応触媒)が充填された触媒層が設けられ、その触媒層内を反応ガス(炭化水素原料+水、改質ガス、シフトガス)が流通しながら改質反応、シフト反応およびPROX反応が行われる。そして、各反応器の触媒層は、改質触媒、シフト反応触媒およびPROX反応触媒のそれぞれの反応触媒による反応に適した所定の温度(触媒活性温度)に調整される。このとき、シフト反応器では、発生する熱によって触媒層の温度が高くなり過ぎると、シフト触媒が劣化して触媒活性が低下するおそれがある。また、PROX反応器では、触媒層の温度が高くなり過ぎると、CO,CO2のメタン化反応が生じて急激な加熱反応が生じ、温度制御が困難となるおそれがある。これらのことにより、通常、定格負荷運転時には、反応触媒を冷却して所定の温度に調整される。
そして、この燃料プロセッサを備える燃料電池システムの運転開始に際しては、迅速に起動させて定格負荷運転に移行させるために、各反応器内の反応触媒を、触媒反応温度にまで昇温する必要が生じる。この燃料電池の起動においては、まず、改質触媒は、改質器に設けられたバーナによって加熱され、シフト反応器およびPROX反応器においても、それぞれの反応器に設置されたヒータによって加熱される。そして、各反応器内の触媒温度が低負荷運転に必要な所定温度に達すると、改質器に炭化水素原料と水が供給され改質反応が開始される。次に、低負荷運転から定格負荷運転に移行するにつれて反応に必要な触媒温度も上昇する。この低負荷運転から定格負荷運転への移行の初期においては、シフト反応は発熱反応であるものの低負荷運転時の反応量は少なく、また改質器出口における改質ガスはシフト反応触媒の活性化温度よりも高いが、改質器とシフト反応器を結ぶ連絡部での放熱やシフト反応触媒の熱容量が大きいため、シフト反応触媒が温まり難くシフト反応器における反応が進み難い。
そこで、特許文献1には、シフト反応器の改質ガスが導入される側の部分の外周に加熱部を設け、シフト反応の触媒活性温度以下の改質ガスがシフト反応器に導入される場合に、その改質ガスを加熱部で加熱することが開示されている。また、特許文献2には、触媒層に媒体流路となる伝熱管を配し、システムの起動時には、この伝熱管に加熱された媒体を流通させることによってシフト反応触媒を触媒活性温度まで昇温させる方法および装置が開示されている。
特開2002−293511号公報(請求項1、図1) 特開2003−229147号公報(段落0029〜0030、図2)
しかし、シフト反応器の改質ガスが導入される側の部分の外周に設けた加熱部によって、シフト反応器内に導入される改質ガスを加熱する場合、熱は、加熱部からシフト反応器の壁面、触媒層へと伝熱されるため、シフト反応触媒が触媒活性温度に達するまでに時間が掛り、起動から定格負荷運転に迅速に移行することができない。また、シフト反応器内の触媒層に伝熱管を配設し、この伝熱管に加熱媒体を流通させることにより、触媒層を触媒活性温度まで昇温させる方法または装置は、触媒層内に伝熱管を配設するため、構造が複雑となり、また、制御が困難となる。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、起動から定格負荷運転までの時間が短縮され、迅速に定格負荷運転まで移行できる燃料プロセッサおよびその運転制御方法、ならびにその燃料プロセッサを備えるため、起動から迅速に定格負荷運転に移行できる燃料電池システムを提供する。
請求項1に係る発明は、炭化水素原料と水とを改質反応させて改質ガスを製造する改質器と、前記改質器からの改質ガスをシフト反応させるシフト反応器と、前記改質器および前記シフト反応器の運転を制御する運転制御器と、を備える燃料プロセッサであって、前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に、前記改質器から前記シフト反応器に供給される改質ガスを加熱する加熱手段を備え、前記運転制御器は、燃料プロセッサの運転開始に際して、前記改質器から供給される改質ガスの前記加熱手段による加熱を制御するシフト反応制御部を有することを特徴とする。
この燃料プロセッサでは、運転開始時に、運転制御器のシフト反応制御部が、改質器の改質ガス出口と、シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に設けた加熱手段を制御して、改質器からシフト反応器に供給される改質ガスを加熱して昇温させ、シフト反応器の改質ガス入口周辺のシフト反応触媒によって、改質器からシフト反応器内に供給される改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、定格負荷運転までの時間が短縮される。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の燃料プロセッサにおいて、前記改質器と、前記シフト反応器とが独立して構成され、前記改質ガス流路は、前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡するガス流通路であることを特徴とする。
この燃料プロセッサでは、改質器とシフト反応器とが独立して構成されているため、改質器からシフト反応器に供給される改質ガスは、改質器の改質ガス出口とシフト反応器の改質ガス入口を連絡する改質ガス流路における放熱によって冷却される問題を解決し、燃料電池システムの起動時に、運転制御器のシフト反応制御部が、改質器の改質ガス出口と、シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に設けた加熱手段を制御して、改質ガス流路を流通する改質ガスを直接加熱して昇温させ、この昇温した改質ガスによって、シフト反応器の改質ガス入口周辺のシフト反応触媒によって改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、定格負荷運転までの時間が短縮される。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記改質器と、前記シフト反応器とが一体的に構成され、前記改質ガス流路は、前記改質器と、前記シフト反応器との間の連絡部に配設されることを特徴とする。
この燃料プロセッサでは、起動に際して、低負荷運転から定格負荷運転への移行段階で、運転制御器のシフト反応制御部が、改質器の改質ガス出口と、シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に設けた加熱手段を制御して、改質器からシフト反応器に供給される改質ガスを加熱して昇温させ、シフト反応器の改質ガス入口周辺のシフト反応触媒によって、改質器からシフト反応器内に供給される改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、定格負荷運転までの時間が短縮される。特に、改質器と、シフト反応器とが一体的に構成されているため、改質器の改質ガス出口からシフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路における放熱が少なくなりシフト反応触媒温度がさらに上昇しやすい。そのため、定格運転までの時間が短くなり加熱手段による加熱時間が短縮され消費エネルギが少なくなり効率が向上する。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料プロセッサを備える燃料電池システム。
この燃料電池システムでは、運転開始時に、燃料プロセッサにおいて、運転制御器のシフト反応制御部が、改質器の改質ガス出口と、シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に設けた加熱手段を制御して、改質器からシフト反応器に供給される改質ガスを加熱して昇温させ、シフト反応器の改質ガス入口周辺のシフト反応触媒によって、改質器からシフト反応器内に供給される改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、起動から迅速に定格負荷運転に移行でき、定格負荷運転までの時間が短縮される。
請求項5に係る発明は、炭化水素原料と水の反応によって改質ガスを製造する改質器と、前記改質部からの改質ガスをシフト反応させるシフト反応器とを備える燃料プロセッサの運転制御方法であって、燃料プロセッサの運転開始に際して、前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流通部に設けた加熱手段によって、前記改質器から供給される改質ガスを加熱してシフト反応器に供給することを特徴とする。
この燃料プロセッサの運転制御方法では、起動時に、改質器の改質ガス出口と、シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に設けた加熱手段によって、改質器からシフト反応器に供給される改質ガスを加熱して昇温させ、シフト反応器の改質ガス入口周辺のシフト反応触媒によって、改質器からシフト反応器内に供給される改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、定格負荷運転までの時間が短縮される。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の燃料プロセッサの運転制御方法において、前記シフト反応器のシフト反応触媒の温度が所定の温度に達したときに、前記加熱手段による改質ガスの加熱を停止することを特徴とする。
この燃料プロセッサの運転制御方法では、シフト反応器のシフト反応触媒の温度が所定の温度に達したときに、シフト反応が安定し加熱手段ヒータによる加熱は不要となるため、このとき、前記加熱手段による改質ガスの加熱を停止することによって、加熱手段は、改質開始から反応が安定するまでの短時間の加熱だけで済ませることができる。
本発明の燃料プロセッサおよびその運転制御方法においては、改質器とシフト反応器を結ぶ改質ガス流路に設ける加熱手段による改質ガスの加熱を制御することによって、シフト反応器に供給される改質ガスが昇温されてシフト反応器の改質ガス入口の周辺部のシフト反応触媒によってシフト反応が開始される。シフト入口部のシフト反応触媒が反応を開始するとその反応熱により触媒層の温度が迅速に上昇して反応が進行するため定格負荷運転までの時間が短縮できる。
また、定格負荷運転に移行した場合には、反応が安定し加熱手段による加熱は不要となるため、加熱手段は、改質開始から反応が安定するまでの短時間の加熱を行うだけでよい。
さらに、本発明の燃料電池システムは、運転開始に際して、燃料プロセッサが迅速に定常運転に移行できるため、起動から定格負荷運転までの時間が短縮される。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池システム1の主要構成を示すブロック図である。
この燃料電池システム1は、脱硫装置2と、改質器3と、シフト反応器4と、PROX(一酸化炭素(CO)選択酸化)反応器5と、燃料電池スタック6とを備えるものである。この燃料電池システム1において、脱硫装置2と、改質器3と、シフト反応器4と、PROX反応器5と、運転制御器8とは、燃料電
池スタック6のアノード電極に水素含有ガス(水素含有量を増加させるとともに、一酸化炭素濃度を低減させた改質ガス)を供給する燃料プロセッサP1を構成する。
脱硫装置2は、改質器3における改質反応触媒の機能を阻害する硫黄分を除去するため、改質器3に供給する炭化水素原料を脱硫する装置である。この脱硫装置2は、特に制限されず、炭化水素原料の性状、硫黄含有量、脱硫負荷、処理量等に応じて、適宜選択される。脱硫触媒としては、例えば、ニッケル−モリブデン系、クロム−モリブデン系の脱硫触媒が用いられる。
本発明において、脱硫装置2によって脱硫された後、改質器3に供給される炭化水素原料は、改質器3における改質反応によって水素を製造できるものであれば、特に制限されない。例えば、灯油、軽油、重油、アスファルテン、オイルサンド油、メタノール、ナフサ、石炭液化油、石炭系重質油、ガソリン等の液状炭化水素混合物、都市ガス、LPG等の気体状炭化水素混合物などの各種の炭化水素混合物を用いることができる。液状の炭化水素原料は、脱硫装置2に供給する前に加熱し気化させて脱硫装置に供給すればよい。これらの中でも、灯油は、水素源としてのエネルギ密度が非常に高く、可搬性および貯蔵性に富むため、家庭用の小型の定置型燃料電池システム用の炭化水素原料として好適である。また、用いる炭化水素原料が、硫黄分が少なく、改質器3における改質反応に供給可能なものであれば、脱硫装置2を省略して、改質器3に、直接、気体状の炭化水素原料と水とを供給することができる。
改質器3は、改質反応触媒の存在下に、例えば、600〜700℃の範囲の改質処理温度の下で、炭化水素原料が含む炭化水素分と水蒸気との反応によって、水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガス(以下、「改質ガス」という)を生成するための装置である。この改質器3は、炭化水素分と水蒸気との反応が行なわれる改質器本体に炭化水素原料を供給するための炭化水素原料供給流路と、水蒸気を供給するための水供給流路とを備える。
用いられる改質反応触媒は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)等の貴金属系触媒等が挙げられ、これらの触媒は、セラミック製の多孔質粒状体に担持され、改質器内に、その多孔質粒状体が充填されて触媒層を形成している。
この改質器3には、吸熱反応である炭化水素分と水蒸気の反応の生起のために熱を供給するバーナ7が設けられている。バーナ7には、燃料として、燃料電池スタック6のアノード電極から排出された未反応の水素を含むオフガスと、炭化水素原料とが供給されるとともに、それらの燃料を燃焼させるための空気が供給される。そして、改質器3には、改質触媒層の温度を検知する改質触媒温度センサ23が設けられ、改質器3における反応温度は、改質触媒温度センサ23によって改質器3内の改質触媒層の温度を検知され、その温度に基づいて、バーナ7に燃料として供給される炭化水素原料の供給量および空気の供給量を調整することによって制御される。改質器3で生成した改質ガスは、改質ガス流路21を通ってシフト反応器4に供給される。この改質ガス流路21には、内部を流通する改質ガスを加熱するための加熱手段22が配設されている(図2参照)。
加熱手段22は、改質ガス流路21の内部を流通する改質ガスをシフト反応触媒の触媒活性温度に昇温することができるものであれば、特に限定されない。この加熱手段22として、例えば、改質ガス流路21として用いられる配管の外周に装着された電熱ヒータ、または配管の管肉部に埋設された電熱ヒータ、配管の外被または配管の管肉部に設けられた加熱媒体の流通による加熱媒体流路等を用いることができる。特に、本発明においては、改質ガスの加熱および加熱の停止を迅速かつ容易に行うことができるため、電熱ヒータを用いる加熱手段が好ましい。
シフト反応器4は、内部に、酸化鉄、銅−亜鉛系、銅−クロム系等のシフト反応触媒が充填されたシフト反応触媒層を有する。そして、このシフト反応器4においては、シフト反応触媒の存在下に、例えば150〜300℃の温度において、改質器3で生成し、改質ガス入口4aから導入される改質ガス中に含まれる一酸化炭素と水蒸気の発熱反応(CO+HO→CO+H)によって、一酸化炭素を二酸化炭素に変成して、一酸化炭素濃度を低減させるとともに、さらに水素含有量が増加された改質ガス(以下、「シフトガス」という)を生成する装置である。これによって、燃料電池システム1に供給される炭化水素原料および水蒸気が含む水素が、燃料電池スタック6のアノードに供給される発電用水素資源として有効利用される。シフトガスは、シフト反応器4に設けられたシフトガス出口4bを通ってPROX反応器5に供給される。このシフト反応器4には、シフト反応触媒層の温度を検知するシフト反応触媒温度センサ24が配設されている。
PROX反応器5は、燃料電池スタック6の電極の被毒の問題を回避するため、PROX反応触媒の存在下に、シフト反応器4から供給されるシフトガス中に微量に存在する一酸化炭素を酸化させて、シフトガスの一酸化炭素濃度をさらに低減させた改質ガス(以下、「水素含有ガス」という)を燃料電池スタック6に供給するための装置である。通常、このPROX反応器5において、シフトガス中の一酸化炭素濃度が10ppm以下に低減される。PROX反応器5における反応は、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系のPROX反応触媒の存在下に、100〜200℃の範囲の温度で行なわれる。このPROX反応器5で生成した水素含有ガスは、水素含有ガス出口5aから水素含有ガス流路21eを通って燃料電池スタック6(図1参照)に供給される。このPROX反応器5には、PROX反応触媒層の温度を検知するPROX反応触媒温度センサ25が配設されている。
運転制御器8は、触媒温度検出部26と、改質反応制御部27と、シフト反応制御部28と、PROX反応制御部29とを備える。
触媒温度検出部26は、改質触媒温度センサ23からの信号を受信して改質触媒層の温度を検出する改質触媒温度検出部26aと、シフト反応触媒温度センサ24からの信号を受信してシフト反応触媒層の温度を検出するシフト反応触媒温度検出部26bと、PROX反応触媒温度センサ25からの信号を受信してPROX反応触媒の温度を検出するPROX反応触媒温度検出部26cとを備える。
改質反応制御部27は、改質触媒検出部26aから改質器3内の改質触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、バーナ7に燃料として供給される炭化水素原料の供給量および空気の供給量を調整し、また、脱硫装置2からの改質器3への炭化水素原料の供給および改質器3への水の供給を制御する。
シフト反応制御部28は、シフト反応触媒温度検出部26bからシフト反応器4内のシフト反応触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、改質器3の改質ガス出口3a(図2参照)と、シフト反応器4の改質ガス入口4aとの間を連絡する改質ガス流路21に設けられた加熱手段22を制御して、改質ガス流路21の内部を流通する改質ガスの加熱を制御する。
PROX反応制御部29は、PROX反応触媒温度検出部26cからPROX反応器5内のPROX反応触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、PROX反応器5への空気の供給を制御する。
燃料電池スタック6は、前記PROX反応器5から供給される水素含有ガスをアノードに導入し、加湿器(図示せず)によって加湿された空気をカソードに導入して、水素と酸素の電気化学的反応によって発電を行うものである。この燃料電池スタック6は、触媒を含むアノードとカソードの間に固体高分子電解質膜等の電解質膜を挟装し、アノードに供給される水素含有ガス中の水素と、カソードに供給される空気中の酸素との反応によって水を生成する反応によって発電を行なうものである。
この燃料電池スタック6は、用いる炭化水素原料等に応じて、その形式、構造等が選択される。また、燃料電池スタック6における水素と酸素の電気化学的反応は、発電効率の観点から、通常、反応効率80%程度で行なわれるため、燃料電池スタック6のアノードから排出されるオフガスには、未反応の水素が含まれている。そのため、オフガスを、前記のバーナ7に供給することによって、含有する水素を燃料として有効利用して、燃料電池システム全体の熱効率の向上を図ることができる。
この燃料電池システム1の燃料プロセッサP1において、改質器3と、シフト反応器4と、PROX反応器5とは、別体に構成され、図2に示すように、改質器3の改質ガス出口3aと、シフト反応器4の改質ガス入口4aとが、改質ガス流路21によって連絡される。この改質ガス流路21を通って、改質器3からシフト反応器4に改質ガスが供給される。そして、運転制御器8のシフト反応制御部28は、改質ガス流路21に配設された加熱手段22を制御して、燃料電池システム1の起動時に、改質ガス流路21を流通する改質ガスを直接加熱して昇温させ、この昇温した改質ガスによって、シフト反応器4の改質ガス入口4a周辺のシフト反応触媒によって、改質器3からシフト反応器4内に供給される改質ガスのシフト反応が開始される。改質ガス入口4a周辺でシフト反応が開始されると、その反応による発熱によってシフト反応器内のシフト反応触媒の触媒温度が迅速に昇温して、シフト反応が進行するため、定格負荷運転までの時間が短縮され、燃料電池システム1の迅速な起動を図ることができる。
また、図3は、改質器33と、シフト反応器34と、PROX反応器35とが、一体的に構成された形態を有し、さらに、運転制御器38を備える燃料プロセッサP2を示す。改質器33と、シフト反応器34とは、冷却部36および加熱部37を介して連絡され、冷却部36と加熱部37には、内部を貫通する改質ガス流路が設けられている。改質器33には、改質触媒層の温度を検知する改質触媒温度センサ33Tが配設され、シフト反応器34には、シフト触媒層の温度を検知するシフト触媒温度検知センサ34Tが配設され、PROX反応器35には、PROX触媒層の温度を検知するPROX触媒温度検知センサ35Tが配設されている。
改質ガス流路は、冷却部36と加熱部37を貫通し、改質器33側に設けられた改質ガス出口とシフト反応器34側に設けられた改質ガス入口との間を連絡する改質ガス流通孔(例えば、図4(A)、(B)に示す複数の改質ガス通過孔44a)によって構成される。改質ガス流路は、冷却部36と加熱部37の中央を貫通し、改質器33側に設けられた改質ガス出口とシフト反応器34側に設けられた改質ガス入口との間を連絡する1つの流通孔で構成されていてもよいし、図4(A)、(B)に示すように、複数の改質ガス通過孔44aで構成されていてもよい。
運転制御器38は、触媒温度検出部39と、改質反応制御部41と、シフト反応制御部42と、PROX反応制御部43とを備える。
触媒温度検出部39は、改質触媒温度センサ33Tからの信号を受信して改質触媒層の温度を検出する改質触媒温度検出部39aと、シフト反応触媒温度センサ34Tからの信号を受信してシフト反応触媒層の温度を検出するシフト反応触媒温度検出部39bと、PROX反応触媒温度センサ35Tからの信号を受信してPROX反応触媒の温度を検出するPROX反応触媒温度検出部39cとを備える。
改質反応制御部41は、改質触媒検出部39aから改質器33内の改質触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、改質器33の改質触媒層を加熱するためのヒータ(図示せず)による加熱量を制御し、また、脱硫装置(図示せず)からの改質器33への炭化水素原料の供給および改質器33への水の供給を制御する。また、この改質反応制御部41は、燃料電池システムの運転時に、シフト反応器34における触媒活性温度よりも高い温度となる改質ガスを冷却するため、冷却部36を制御して冷却部36の冷却水流路36aに冷却水を流通させて、改質器33からシフト反応器34に供給される改質ガスを冷却する。
シフト反応制御部42は、シフト反応触媒温度検出部39bからシフト反応器34内のシフト反応触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、改質ガス流路21に設けられた加熱部37を制御して、改質ガス流路の内部を流通する改質ガスの加熱を制御する。
PROX反応制御部43は、PROX反応触媒温度検出部39cからPROX反応器35内のPROX反応触媒層の温度に関する情報を伝達され、その温度に基づいて、PROX反応器35への空気の供給を制御する。
冷却部36は、改質器33からシフト反応器34に供給される改質ガスを冷却するための冷却水流路36aが内設されている。燃料電池システムの運転時には、一般にシフト反応器34における触媒活性温度よりも高い触媒温度で改質反応が行われるため、この冷却部36は、改質反応制御部41によって制御され、改質器33からシフト反応器34に供給される改質ガスを、シフト反応器34における触媒活性温度まで冷却するために用いられる。そして、燃料電池システムの運転開始時には、改質器33からシフト反応器34に供給される改質ガスは、低温であるため、冷却部36による改質ガスの冷却は、改質ガスの温度が高くなるまで停止される。
加熱部37は、改質器33側に設けられた改質ガス出口とシフト反応器34側に設けられた改質ガス入口との間を連絡する1つの流通孔または複数の改質ガス通過孔44a、44b(図4(A)、(B)参照)を流通する改質ガスを加熱するための加熱手段(例えば、図4(A)に示すヒータ45a、図4(B)に示すヒータ45b)を有するものである。この加熱部37における加熱手段が、シフト反応制御部42によって制御され、燃料プロセッサの運転開始時に、改質ガス流路(例えば、図4(A)、(B)に示す複数の改質ガス通過孔44a、44b)の内部を流通する改質ガスの加熱が行われる。
この燃料プロセッサP2において、加熱部37の具体例を図4に示す。
図4(A)に示す加熱部37aは、円柱状の加熱部本体40aにヒータ(加熱手段)45aが配設された構成を有するものである。ヒータ45aは、加熱部本体40a内に埋設された略円環状のヒータ頭部46と、ヒータ頭部46の両端に連絡されたヒータ足部47とを有する。そして、冷却部36と加熱部37を貫通し、改質器33側に設けられた改質ガス出口とシフト反応器34側に設けられた改質ガス入口との間を連絡する、改質ガス通過孔44aは、ヒータ頭部46の内側に4つ、外側に円周状に8つ穿設されている。この加熱部37aにおいては、ヒータ45aに電力を供給することによって、改質ガス通過孔を通ってシフト反応器34に供給される改質ガスが加熱される。
また、図4(B)に示す加熱部37bは、円柱状の加熱部本体40bに、外側から加熱部本体40bの中心に向けて放射状に6本のヒータ(加熱手段)45bが挿入された構成を有するものである。そして、冷却部36(図3参照)と加熱部37を貫通し、改質器33側に設けられた改質ガス出口とシフト反応器34側に設けられた改質ガス入口との間を連絡する、改質ガス通過孔44bは、加熱部本体40bの中心に4つ、6本の電熱ヒータ45bの隣接する電熱ヒータ45bの間に円周状に6つ穿設されている。この加熱部37bにおいては、電熱ヒータ45bに電力を供給することによって、改質ガス通過孔39bを通ってシフト反応器34に供給される改質ガスが加熱される。
また、図4(A)、(B)に示す構成に制限されず、ヒータ(加熱手段)は、例えば、加熱部本体40a,40bに並行に数本ヒータを挿入した構成であってもよい。
次に、図1に示す本発明の実施形態に係る燃料電池システムの運転制御方法について説明する。
図1に示す燃料電池システム1の定格負荷運転において、炭化水素原料は、脱硫装置2によって脱硫された後、改質器3に供給される。改質器3においては、改質触媒の存在下に、例えば600〜700℃の範囲の改質処理温度の下で、炭化水素原料が含む炭化水素分と水蒸気との反応(炭化水素+H2O→3H2+CO)によって、水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガス(以下、「改質ガス」という)が生成される。改質器3で生成した改質ガスは、シフト反応器4に供給され、一酸化炭素と水蒸気の発熱反応(CO+HO→CO+H)によって、一酸化炭素を二酸化炭素に変成して、一酸化炭素濃度を低減させるとともに、さらに水素含有量が増加された改質ガスを生成する。シフト反応器4で生成するシフトガスは、PROX反応器5に供給され、シフトガス中に微量に存在する一酸化炭素を酸化させて、シフトガスの一酸化炭素濃度を更に低減させた水素含有ガスが生成される。そして、この水素含有ガスを、燃料電池スタック6のアノード(図示せず)に導入するとともに、加湿器(図示せず)によって加湿された空気をカソード(図示せず)に導入して、水素と酸素の電気化学的反応によって発電が行なわれる。
この燃料電池システム1の運転開始時における燃料プロセッサP1の起動ステップについて、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、燃料プロセッサP1の起動に際しては、まず、運転制御器8の改質反応制御部27、シフト反応制御部28、およびPROX反応制御部29は、各反応器における反応触媒の予熱を開始する。改質反応制御部27によって改質器3に設けられたバーナ7が制御されて改質触媒が加熱され、シフト反応器4およびPROX反応器5においては、シフト反応制御部28およびPROX反応制御部29によって、それぞれの反応器に設置されたヒータ(図示せず)による予熱が行われる。そして、改質器3、シフト反応器4およびPROX反応器5に配設した触媒温度検知手段(改質触媒温度センサ23、シフト反応触媒温度センサ24、PROX反応触媒温度センサ25)によって、触媒温度検知部26の改質触媒温度検出部26a、シフト反応触媒温度検出部26bおよびPROX反応触媒温度検出部26cは、改質触媒層、シフト反応触媒層、PROX反応触媒層の各触媒層の温度を検出し、検出された各触媒層の温度に基づいて、改質反応制御部27、シフト反応制御部28およびPROX反応制御部29は、各触媒層が所定の第1設定温度t1、t2、t3、に達しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、各触媒層の所定の第1設定温度は、各触媒が低負荷運転可能な温度のことであり、例えば、t1は600℃、t2は150℃、t3は100℃に設定される。各触媒層の温度がそれぞれ所定の第1設定温度t1、t2、t3に達していない場合(NO)には、各触媒層の予熱が続けられる。一方、各触媒層の温度がそれぞれ所定の第1設定温度t1、t2、t3、に達している場合(YES)には、改質反応制御部27が、改質器3に炭化水素原料と水蒸気を供給して低負荷運転を開始させるとともに、シフト反応制御部28は加熱手段22をONにして改質器3からシフト反応器4へ供給される改質ガスの加熱を開始する(ステップS2)。このとき、改質器3に供給される炭化水素原料と水蒸気の量は、各触媒の温度に基づき各触媒層の反応可能量を超えないように供給される。
次に、改質器3、シフト反応器4およびPROX反応器5に配設した触媒温度検知手段(改質触媒温度センサ23、シフト反応触媒温度センサ24、PROX反応触媒温度センサ25)によって、触媒温度検知部26の改質触媒温度検出部26a、シフト反応触媒温度検出部26bおよびPROX反応触媒温度検出部26cは、改質触媒層、シフト反応触媒層、PROX反応触媒層の各触媒層の温度を検出し、検出された各触媒層の温度に基づいて、改質反応制御部27、シフト反応制御部28およびPROX反応制御部29は、各触媒層が所定の第2設定温度t4、t5、t6、に達しているか否かを判定する(ステップS3)。ここで、各触媒層の所定の第2設定温度は、各触媒層が定格負荷運転可能な温度のことであり、例えば、t4は650℃、t5は200℃、t6は150℃に設定される。各触媒層の温度がそれぞれ所定の設定温度t4、t5、t6に達していない場合(NO)には、低負荷運転を継続し、加熱手段による改質ガスの加熱が続けられる。各触媒層の温度がそれぞれ所定の設定温度t4、t5、t6に達している場合には、燃料電池システムの定格負荷運転に入り(ステップS4)、シフト反応制御部28は加熱手段22による改質ガス流路21を流通する改質ガスの加熱を停止する(ステップS5)。これによって、短時間でシフト反応器4の昇温が行える。そのため、シフト反応器4の起動から定格負荷運転に迅速に移行することができる。また、改質ガス流路21に加熱手段22を設けるだけなので、構造が単純であり簡便なもので制御が可能となる。
また、図3に示す燃料プロセッサP2の起動に際しては、まず、運転制御器38の改質反応制御部41、シフト反応制御部42、およびPROX反応制御部43は、各反応器における反応触媒の予熱を開始する。改質反応制御部41によって改質器33に設けられたヒータ(図示せず)が制御されて改質触媒層が加熱され、シフト反応器34およびPROX反応器35においては、シフト反応制御部28およびPROX反応制御部29によって、それぞれの反応器に設置されたヒータ(図示せず)による予熱が行われる。そして、改質器33、シフト反応器34およびPROX反応器35に配設した触媒温度検知手段(改質触媒温度センサ33T、シフト反応触媒温度センサ34T、PROX反応触媒温度センサ35T)によって、触媒温度検知部39の改質触媒温度検出部39a、シフト反応触媒温度検出部39bおよびPROX反応触媒温度検出部39cは、改質触媒層、シフト反応触媒層、PROX反応触媒層の各触媒層の温度を検出し、検出された各触媒層の温度に基づいて、改質反応制御部41、シフト反応制御部42およびPROX反応制御部43は、各触媒層が所定の第1設定温度t1、t2、t3、に達しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、各触媒層の所定の第1設定温度は、各触媒が低負荷運転可能な温度のことであり、例えば、t1は600℃、t2は150℃、t3は100℃に設定される。各触媒層の温度がそれぞれ所定の第1設定温度t1、t2、t3に達していない場合(NO)には、各触媒層の予熱が続けられる。一方、各触媒層の温度がそれぞれ所定の第1設定温度t1、t2、t3、に達している場合(YES)には、改質反応制御部41が、改質器33に炭化水素原料と水蒸気を供給して低負荷運転を開始させるとともに、シフト反応制御部42は加熱手段(図4(A)に示すヒータ45a、図4(B)に示すヒータ45b)をONにして改質器33から改質ガス通過孔44a,44bを通ってシフト反応器34へ供給される改質ガスの加熱を開始する(ステップS2)。このとき、改質器33に供給される炭化水素原料と水蒸気の量は、各触媒の温度に基づき各触媒層の反応可能量を超えないように供給される。
次に、改質器33、シフト反応器34およびPROX反応器35に配設した触媒温度検知手段(改質触媒温度センサ23、シフト反応触媒温度センサ24、PROX反応触媒温度センサ25)によって、触媒温度検知部26の改質触媒温度検出部26a、シフト反応触媒温度検出部26bおよびPROX反応触媒温度検出部26cは、改質触媒層、シフト反応触媒層、PROX反応触媒層の各触媒層の温度を検出し、検出された各触媒層の温度に基づいて、改質反応制御部27、シフト反応制御部28およびPROX反応制御部29は、各触媒層が所定の第2設定温度t4、t5、t6、に達しているか否かを判定する(ステップS3)。ここで、各触媒層の所定の第2設定温度は、各触媒層が定格負荷運転可能な温度のことであり、例えば、t4は650℃、t5は200℃、t6は150℃に設定される。各触媒層の温度がそれぞれ所定の設定温度t4、t5、t6に達していない場合(NO)には、低負荷運転を継続し、加熱手段による改質ガスの加熱が続けられる。各触媒層の温度がそれぞれ所定の設定温度t4、t5、t6に達している場合には、燃料電池システムの定格負荷運転に入り(ステップS4)、シフト反応制御部42は加熱手段(図4(A)に示すヒータ45a、図4(B)に示すヒータ45b)による改質ガス流路(改質ガス通過孔44a,44b)を流通する改質ガスの加熱を停止する(ステップS5)。これによって、短時間でシフト反応器34の昇温が行える。そのため、シフト反応器34の起動から定格負荷運転に迅速に移行することができる。また、改質ガス流路に加熱手段を設けるだけなので、構造が単純であり簡便なもので制御が可能となる。
なお、本発明の燃料電池システムは、前記実施形態に限定されず、各種の応用例または好適例が考えられる。図5のフローチャートに示す起動ステップでは、ステップS2において加熱手段22による改質ガスの加熱を開始してからステップS5に至るまでに加熱手段22は改質ガスを加熱してシフト反応器4のシフト反応触媒を高温に昇温させるように制御されるが、異常に過熱された改質ガスがシフト反応器4に流入しシフト反応触媒を劣化させるおそれがある。そこで、例えば、図6に示すように、シフト反応器4に導入される前の改質ガスの温度を検出するために、シフト反応器4に改質ガスを導入する改質ガス流路21に改質ガス温度検出手段50を配設してもよい。そして、この改質ガス温度検出手段50によって、シフト反応器4に導入される改質ガスの温度の検出を随時行い、異常過熱された改質ガスを検出した場合、加熱手段22による改質ガスの加熱を停止させる。これによって、シフト反応器4に異常過熱された改質ガスが流入してシフト反応触媒が劣化する問題を防止することができる。また、改質ガス温度検出手段は、図6に示す例では、加熱手段22の下流側の改質ガス流路21に設ける場合を示したが、シフト反応器4に流入する改質ガスの異常過熱を検知できれば、改質ガス流路21上のいずれの箇所に設けてもよく、特に限定されない。
また、前記の実施形態において、改質器3およびシフト反応器4に配設した温度検出手段によって、改質触媒およびシフト反応触媒の各触媒の温度を検出し制御の判定に用いるとしたが、温度検出手段は各反応器のガスの出入り口における改質ガス温度を検知し制御の判定に用いることも可能である。例えば、改質器3では、改質器3の改質ガス出口付近の改質触媒の温度を検出可能な位置に、シフト反応器4では、シフト反応触媒の温度が検出可能な位置、好ましくは改質ガス入口とシフトガス出口付近のシフト反応触媒の温度をそれぞれ検出可能な位置に、PROX反応器5では、PROX反応触媒の温度が検出可能な位置、好ましくはシフトガス入口付近のPROX反応触媒の温度を検出可能な位置に、それぞれ設けることが好ましい。これは、改質器3では、改質ガス出口における改質ガスの温度、シフト反応器4では、シフトガス出口におけるシフトガスの温度によって、改質器3から流出してシフト反応器4に流入する改質ガスの組成、シフト反応器4から流出してPROX反応器5に流入するシフトガスの組成を知ることができるためである。また、シフト反応器4の改質ガス入口付近、およびPROX反応器5においてはシフトガス入口付近では、それぞれの触媒反応が遅いため、各触媒の温度を正確に検知することができる点で、好ましい。
また、図3に示した実施形態において、改質器33、シフト反応器34、PROX反応器35はそれぞれヒータ(図示せず)にて加熱するようにしているが、これらのヒータの代わりに改質器33を加熱するバーナ(図示せず)によって加熱器33、シフト反応器34、PROX反応器35を加熱するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 燃料プロセッサP1の構成を説明するブロック図である。 燃料プロセッサP2の構成例を示すブロック図である。 (A)および(B)は、それぞれ燃料プロセッサP2における加熱部の具体的構成例を示す模式図である。 本発明の燃料電池システムの運転制御方法を説明するブロック図である。 燃料プロセッサにおける温度検出手段の配置例を示すブロック図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 脱硫装置
3 改質器
3a 改質ガス出口
4 シフト反応器
4a 改質ガス入口
4b シフトガス出口
5 PROX反応器
6 燃料電池スタック
8 運転制御器
21 改質ガス流路
22 加熱手段
26 触媒温度検出部
27 改質反応制御部
28 シフト反応制御部
29 PROX反応制御部
33 改質器
34 シフト反応器
35 PROX反応器
36 冷却部
37、37a、37b 加熱部
38 運転制御器
39 触媒温度検出部
41 改質反応制御部
42 シフト反応制御部
43 PROX反応制御部
40a、40b 加熱部本体
44a、44b 改質ガス通過孔
45a、45b ヒータ(加熱手段)

Claims (6)

  1. 炭化水素原料と水とを改質反応させて改質ガスを製造する改質器と、前記改質器からの改質ガスをシフト反応させるシフト反応器と、前記改質器および前記シフト反応器の運転を制御する運転制御器と、を備える燃料プロセッサであって、
    前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流路に、前記改質器から前記シフト反応器に供給される改質ガスを加熱する加熱手段を備え、
    前記運転制御器は、燃料プロセッサの運転開始に際して、前記改質器から供給される改質ガスの前記加熱手段による加熱を制御するシフト反応制御部を有することを特徴とする燃料プロセッサ。
  2. 前記改質器と、前記シフト反応器とが独立して構成され、前記改質ガス流路は、前記改質器の改質ガス出口と、前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡するガス流通路であることを特徴とする請求項1に記載の燃料プロセッサ。
  3. 前記改質器と、前記シフト反応器とが一体的に構成され、前記改質ガス流路は、前記改質器と、前記シフト反応器との間の連絡部に配設されることを特徴とする請求項1に記載の燃料プロセッサ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料プロセッサを備える燃料電池システム。
  5. 炭化水素原料と水の反応によって改質ガスを製造する改質器と、前記改質部からの改質ガスをシフト反応させるシフト反応器とを備える燃料プロセッサの運転制御方法であって、
    燃料プロセッサの運転開始に際して、前記改質器の改質ガス出口と前記シフト反応器の改質ガス入口とを連絡する改質ガス流通部に設けた加熱手段によって、前記改質器から供給される改質ガスを加熱してシフト反応器に供給することを特徴とする燃料プロセッサの運転制御方法。
  6. 前記シフト反応器のシフト反応触媒の温度が所定の温度に達したときに、前記加熱手段による改質ガスの加熱を停止することを特徴とする請求項5に記載の燃料プロセッサの運転制御方法。
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