JP2008143723A - 石綿資材の封じ込め方法及び石綿資材の囲い込み方法 - Google Patents

石綿資材の封じ込め方法及び石綿資材の囲い込み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 封じ込め作業中に石綿が飛散せず作業従事者が安全に作業できるとともに、施工後に自然災害等の理由で石綿資材が破砕した場合でも石綿が飛散しないようにすることができる石綿資材の封じ込め方法及び石綿資材の囲い込み方法を提供すること。
【解決手段】 石綿資材の封じ込め方法は、水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを2〜8容量部配合してなる湿潤剤を石綿資材の表面に塗布する湿潤工程、および水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを17〜23容量部配合してなる固化剤を前記湿潤工程終了後の石綿資材に吹き付ける浸透固化工程を有する。石綿資材の囲い込み方法は、前記浸透固化工程終了後の石綿資材の表面に、水性ポリマーディスパージョンが配合されてなるモルタルを塗布し、前記石綿資材の表面に固化層を形成する表面固化工程を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、石綿資材の封じ込め方法及び石綿資材の囲い込み方法に関する。
従来から、吹き付け石綿等の石綿資材中に含まれる石綿の飛散防止方法としては、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル樹脂等の合成樹脂、無機充填剤および水を主成分とする飛散防止処理剤で石綿資材の内部浸透処理及び表面固化処理を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−49391号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、施工終了後の石綿資材が火災時に多量の煙や有毒ガスを発生しないようにすることを主目的とするものであり、石綿資材中に含まれる石綿の飛散防止効果については具体的なデータが開示されていない。
ところで、石綿は、1970年以降の高度成長期にビル等の建造物の断熱保熱等を目的として大量に消費され、約20〜40年の潜伏期間が終わりはじめる21世紀に入ってから石綿が原因で発生したと思われる中皮腫や肺ガンによる死亡者が増加している。また、石綿が使用された建造物の寿命による立て替え時期が本格的に始まり、新たな被害が生じるのではないかと懸念されている。
このため、施工後も長期間にわたって石綿資材の封じ込めを確実にできる方法が要望されている。また、このような石綿資材の封じ込め処理に係わる作業従事者の安全性も確保する必要があり、石綿資材の封じ込め作業中に、該石綿資材から石綿が飛散しないようにすることも必要である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、封じ込め作業中に石綿が飛散せず作業従事者が安全に作業できるとともに、施工後に自然災害等の理由で石綿資材が破砕した場合でも石綿が飛散しないようにすることができる石綿資材の封じ込め方法及び石綿資材の囲い込み方法を提供することを主たる目的とするものである。
本発明者らは、水性ポリマーディスパージョンとセメントを含有する薬剤に着目し、湿潤工程及び浸透固化工程において、水性ポリマーディスパージョンとセメントの配合比率を変えたものを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを2〜8容量部配合してなる湿潤剤を石綿資材の表面に塗布する湿潤工程、および水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを17〜23容量部配合してなる固化剤を前記湿潤工程終了後の石綿資材に吹き付け、該固化剤を石綿資材の内部まで浸透させる浸透固化工程を有することを特徴とする、石綿資材の封じ込め方法、
〔2〕 水性ポリマーディスパージョンが、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムから選ばれる1種以上のゴムラテックスである、前記〔1〕記載の方法、
〔3〕 水性ポリマーディスパージョンがスチレンブタジエンゴムラテックスである、前記〔1〕記載の方法、
〔4〕 前記〔1〕記載の浸透固化工程終了後の石綿資材の表面に、水性ポリマーディスパージョンを配合してなるモルタルを塗布し、前記石綿資材の表面に固化層を形成する表面固化工程を有することを特徴とする、石綿資材の囲い込み方法、
〔5〕 水性ポリマーディスパージョンが、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムから選ばれる1種以上のゴムラテックスである、前記〔4〕記載の方法、
〔6〕 水性ポリマーディスパージョンがスチレンブタジエンゴムラテックスである、前記〔4〕記載の方法。
本発明の石綿資材の封じ込め方法によれば、水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを2〜8容量部配合してなる湿潤剤を石綿資材の表面に塗布する湿潤工程、および水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを17〜23容量部配合してなる固化剤を前記湿潤工程終了後の石綿資材に吹き付け、該固化剤を石綿資材の内部まで浸透させる浸透固化工程を有するので、封じ込め作業中に石綿が飛散せず作業従事者が安全に作業できるとともに、施工後に自然災害等の理由で石綿資材が破砕した場合でも石綿が飛散しないように石綿資材の内部まで十分に固化させることができる。
本発明に係る石綿資材の封じ込め方法は、後述する湿潤剤を用いた湿潤工程および後述する固化剤を用いた浸透固化工程からなる。
本発明の適用対象となる石綿資材は、石綿を使用したビル、施設、家屋等の建造物の構成部材として使用されているものであれば特に限定されない。石綿資材の具体例としては、例えば、天井や壁の内装材(スレートボード,ケイ酸カルシウム板第一種,パルプセメント板)、天井や床の吸音断熱材(石綿含有ロックウール吸音天井板,石綿含有吹き付け材)、天井結露防止材(屋根折版用断熱材,石綿含有吹き付け材)、床材(ビニル床タイル,フロア材)、外壁や軒天の外装材(窯業系サイディング,スラグせっこう板,押出成形セメント板,スレートボード,スレート波板,ケイ酸カルシウム板第一種)、耐火被覆材(吹き付け石綿、石綿含有吹き付けロックウール,石綿含有耐火被覆板,ケイ酸カルシウム板第二種)、屋根材(スレート波板,住宅屋根用化粧スレート)、煙突材(石綿セメント円筒,石綿含有煙突断熱材)などを挙げることができる。
〔湿潤工程〕
湿潤工程は、石綿資材の表面を湿潤剤で塗布して湿潤させる工程である。湿潤剤は、水性ポリマーディスパージョンおよびセメントを必須成分とし、必要に応じて水を配合して得られるものであり、水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを2〜8容量部配合したものが使用される。後述するように、水性ポリマーディスパージョン中には水が含まれるが、得られる湿潤剤を後述する種々の塗布方法に適した粘度範囲に調整するため、前記水とは別に新たに水を配合する場合は、上記「水性ポリマーディスパージョン100容量部」とは、水性ポリマーディスパージョンの容量に新たに配合した水の容量を加えたものを意味する。
本発明において水性ポリマーディスパージョンとは、セメントコンクリート(モルタル)の性質を改善する目的で混和されるポリマー混和剤の一つである。水性ポリマーディスパージョンとしては、ゴムラテックスと樹脂エマルションがあるが、本発明では両者のうち、いずれかに限定されることなく用いることができる。
上記のうち、ゴムラテックスのゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、メタクリル酸メチルブタジエンゴム(MBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等を例示することができ、これらは単独で又は二種以上を併用することができる。
また、樹脂エマルションの樹脂成分としては、例えば、ポリアクリル酸エステル(PAE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレンアクリル酸エステル(SAE)、ポリプロピオン酸ビニル(PVP)、ポリプロピレン(PP)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)等を例示することができ、これらは単独で又は二種以上を併用することができる。
水性ポリマーディスパージョンとしては、ポリマーの微粒子(0.05〜5μm)が水中に分散したものであって、固形分35%以上のものが好適に使用できる。該水性ポリマーディスパージョンは市販品が容易に入手できる。該市販品には、上述したゴム成分(または樹脂成分)と水の他、界面活性剤、電解質、消泡剤等の添加剤が含まれていることが多いが、これらの添加剤は通常本発明の目的を損なうことがないので上記添加剤を含んだままで用いることができる。
湿潤剤は、通常施工現場にて上述した各成分を所定量配合してミキサー等で混合することで使用に供することができる。
上記湿潤剤は石綿資材の表面に塗布にされることで、石綿資材の表面から内側1〜8mmほど浸透させる。湿潤剤の塗布方法は限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、流し塗り、ローラー塗り等を例示することができる。これらの中では、比較的作業時間が短く、後述する浸透固化工程と同一の塗装機材を用いることができる点で、スプレー塗装が好ましい。スプレー塗装を行う場合、例えば、園芸用薬剤や農業用薬剤を散布するために用いられる動力噴霧機が好適である。
湿潤剤の塗布量及び塗布時間は特に限定されず、石綿資材の表面に塗布された湿潤剤が下方に垂れない程度の量を目安とすればよい。例えば、上述した動力噴霧機を使用する場合は、0.3L/分の噴出量で石綿資材1mあたり3分間噴霧することを基準に湿潤剤を噴霧すればよい。
このように、湿潤工程を経ることで、仮に石綿資材に亀裂がある場合等、石綿資材の表面状態が悪い場合でも、該亀裂部を埋める等の補修作用を奏するとともに、次の浸透固化工程で固化剤を吹き付けたときに、石綿資材内部に浸入した高圧空気が該資材の外部に噴出し、これに伴い該資材中の石綿が飛散するのを効果的に防止することができる。
〔浸透固化工程〕
浸透固化工程は、湿潤工程終了後の石綿資材に固化剤を吹き付け、該固化剤を石綿資材の内部まで浸透固化させる工程である。固化剤は、水性ポリマーディスパージョンおよびセメントを必須成分とし、必要に応じて水を配合して得られるものであり、水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを17〜23容量部配合したものが使用される。
固化剤は、上述した湿潤剤と比べて、水性ポリマーディスパージョンに対するセメントの配合比が多い点が異なり、固化剤に用いる水性ポリマーディスパージョンの種類、添加剤(水等)の種類は上述した湿潤剤と同じであり説明を省略する。
固化剤を吹き付けて上記石綿資材の内部まで浸透させる手段としては上述したスプレー塗装が好ましい。また、スプレー塗装として動力噴霧機を用いる場合、湿潤工程で説明したのと同じ噴霧条件で固化剤を噴霧すればよい。このように固化剤を噴霧することにより、1回の噴霧作業で湿潤剤の浸透した部分から最大で約8mm内側まで固化剤を浸透させることができる。石綿資材が厚く、1回の噴霧作業で固化剤が石綿資材の最深部まで浸透しない場合は、全体の吹き付け作業が終了した後繰り返し噴霧作業を行うようにすればよい。
上述した湿潤工程及び浸透固化工程が終了すると、施工前に比べて石綿資材の重量が通常10〜15倍に増加する。このため、石綿含有率が1重量%前後の石綿資材を施工対象とした場合、施工終了後には石綿資材の石綿含有率を0.1重量%以下とすることができ、労働安全衛生法施行例第16条第1項第9号(平成18年9月1日施行)に規定された規制対象物(アスベスト含有製品)に該当しなくなる。
また、本発明では、上述した湿潤工程の開始から浸透固化工程の終了に至る封じ込め作業中に石綿資材から石綿が飛散しないので、作業従事者が安全に作業することができる。また、上記封じ込め作業により石綿資材の内部が固化剤により十分に固化されるため、仮に地震等の理由で石綿資材が破砕した場合でも、石綿は飛散しない。
本発明では、石綿資材の処理方法として、上述した石綿資材の封じ込め工程終了後、以下に説明する表面固化工程により、石綿資材の囲い込みを行うこともできる。
〔表面固化工程〕
表面固化工程は、浸透固化工程終了後の石綿資材の表面に、後述するモルタルを塗布し、該石綿資材の表面に固化層を形成する工程である。
モルタルはセメント、細骨材、水性ポリマーディスパージョン及び水を配合して、十分均一になるように練り混ぜたものである。水性ポリマーディスパージョンは、湿潤工程及び浸透固化工程で用いたものと同じものを用いることができる。細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、珪砂、硅石粉等を例示することができる。
上記モルタルは、通常施行現場にて、セメントと細骨材を空練りしたものに水とポリマーディスパージョンを加え、十分に練り合わせたものを使用に供する。具体的には、浸透固化工程終了後の石綿資材の表面全体に、コテを用いて厚み数mm程度塗布して固化層を形成させるようにする。
表面固化工程終了後の石綿資材は、石綿がモルタルで密閉されるので、石綿の飛散防止効果に優れる。また、例えば、上述したように石綿含有率を0.1重量%以下にすることができれば、石綿含有率0.1重量%以下のモルタル被覆型非飛散性資材となる。このため、かかる資材は、労働安全衛生法施行例第16条第1項第9号(平成18年9月1日施行)に規定された規制対象物(アスベスト含有製品)に該当しなくなるので、該資材を除去する必要もなく、石綿資材のリフォーム工法として適用することができる。さらに、かかる資材を解体する場合でも、通常の石綿含有資材に比べ、処理費用を大幅に削減することもできる。
以下に実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
1.試験の概要
愛媛県松山市内にて、3階建てビル内の2階の一室(間口3.6m,奥行8.0m,高さ2.8m)を施工現場とし、該室内の天井周縁を囲うように架け渡された梁(吹き付け石綿,幅50cm,石綿の厚み3cm)と、該梁の手前縁及び奥縁から室内へ向けて2mの位置で、それぞれ横方向に平行に架け渡された2本の梁(吹き付け石綿,長さ3.6m,幅50cm,石綿の厚み3cm)(以下、2本の梁を区別するため、手前側の梁を「梁1」、奥側の梁を「梁2」という場合がある)を施工対象として、上記梁の囲い込み工事を行った(梁の表面積:約45m)。囲い込み工事に用いた薬剤(湿潤剤,固化剤及びモルタル)、作業工程、分析方法等の詳細は以下のとおりである。
2.薬剤の製造
(湿潤剤の製造)
使用直前に、1LのSBRラテックス(商品名:トマックスーパー、株式会社イーテック製、固形分45.0%)、2Lの水及び0.15Lの普通ポルトランドセメントをダマが生じないようにミキサーで混合して湿潤剤を製造した。
(固化剤の製造)
使用直前に、1LのSBRラテックス(商品名:トマックスーパー、株式会社イーテック製、固形分45.0%)、2Lの水及び0.6Lの普通ポルトランドセメントをダマが生じないようにミキサーで混合して固化剤を製造した。
(モルタルの製造)
使用直前に、2Lの普通ポルトランドセメントと1Lの珪砂(5号)を空練りし、次いで1.4Lの水と0.7LのSBRラテックス(商品名:トマックスーパー、株式会社イーテック製、固形分45.0%)を加え、よく練り合わせてモルタルを製造した。
3.作業工程
施工現場の壁面と天井面のうち、梁を除いた部分に養生シートを貼った後、囲い込み工事を開始した。
〔湿潤工程〕
動力噴霧機(商品名:ガーデンスプレーヤーMS−ER100、株式会社工進製)を用いて湿潤液を梁の表面全体に噴霧した。具体的には、上記噴霧機の調圧ハンドルを噴霧モード「噴霧M」に合わせ、口径1mmの噴霧ノズルを梁から約50cm離し、湿潤液を、0.3L/分の噴出量で梁1mあたり3分間噴霧した。梁全面を約1時間かけて均一に噴霧して湿潤工程を終了した。
〔浸透固化工程〕
湿潤工程終了後、上記湿潤工程終了後の梁に固化剤を噴霧した。固化剤の噴霧条件は上記湿潤工程における湿潤液の噴霧条件と同一条件とした。梁全面を約1時間かけて均一に噴霧して浸透固化工程を終了した。
〔表面固化工程〕
浸透固化工程を終了して1時間後、上記浸透固化工程終了後の梁の表面全体にモルタルをコテで塗布厚2mmになるように塗布した。塗布終了後、2日間養生した。
4.分析方法
4−1.空気環境の測定
4−1−1.施工各段階における空気環境の測定
「平成16年度版 国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書 9.1.2(アスベスト粉塵濃度測定方法)」にしたがい、施工前(湿潤工程の前)、施工中(湿潤工程開始〜浸透固化工程終了)及び施工後(表面固化工程終了して2日後)に、施工現場に飛散する石綿濃度をアスベスト粉じん濃度(f/l)として測定した。石綿濃度の測定にあたっては、平成元年12月環境庁告示第93号「石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法」にしたがい、施工前の2時間、施工中の2時間及び施工後の2時間に分けて、位相差顕微鏡を用いて計数した。また、測定点は、上記2本の梁1,梁2のうち、それぞれの中央部分の真下で高さ1.2mの位置2ヶ所とし、それぞれをNo.1、No.2とした。表1に結果を示す。
4−1−2.施工後の梁を破砕したときの空気環境の測定
施工後(表面固化工程終了して2日後)の空気環境を測定した後、2本の梁のうち、梁1のほぼ中央部分(縦10cm,横10cm,深さ3cm分)を破砕したときの空気環境を前記「4−1−1.施工各段階における空気環境の測定」と同様に測定した。表1に結果を示す。
表1より、本実施例による囲い込み工事を行うことで、施工各段階及び粉砕時に石綿が飛散しないことが確認された。このことから、浸透固化工程で用いた固化剤で石綿資材の内部が十分に固化されることが分かった。
4−2.施工前後における石綿含有率の測定
JIS A 1481(2006)「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」にしたがい、施工前(湿潤工程の前)及び施工後(表面固化工程終了して2日後)に、施工対象とした梁の石綿含有率を測定した。具体的には、施工前及び施工後の梁の一部を破砕したものを測定サンプルとし、位相差分散染色法及びX線回折法を用いて定性分析及び定量分析を行った。測定試料は、施工前は、梁1の端部から1/3の部分(縦10cm,横10cm,深さ3cm分)を破砕したものを用い、施工後は、前記A「4−1−2.施工後の梁を破砕したときの空気環境の測定」に供した試料と同じものを用いた。
4−2−1.位相差分散染色法による測定
測定方法は概略以下のとおりである。
(1)測定試料を500μm以下に粉砕する。
(2)粉砕した試料を水に分散させ撹拌した後、スライドガラスに取り乾燥させる。
(3)屈折率n=1.550,1.680,1.700の3種類の浸液それぞれと混合、分散し、標本とする。
(4)一試料について3標本を作製する。
(5)作成した標本を位相差分散顕微鏡(BX51(商品名)、オリンパス株式会社製)で検鏡し、分散色を示す繊維があるか否かを確認する。
検鏡を行った結果、施工前及び施工後のいずれの試料についてもクリソタイル,アモサイト,クロシドライトのいずれの繊維も確認できなかった。
4−2−2.X線回折法による測定
測定方法は概略以下のとおりである。
(1)試料を500μm以下に粉砕する。
(2)粉砕した試料を、X線回折装置(RINT 2100(商品名)、理学電機株式会社製)付属の試料ホルダーに充填し、X線回折パターンを測定する。
(3)得られたX線回折パターンに石綿の回折線ピークが認められるか否かを確認する。
(4)一試料について3個の分析試料を作製し、測定を行う。
施工前の試料については、クリソタイルの含有率が0.5重量%であった。アモサイト及びクロシドライトの含有率は定量下限値(0.1重量%)未満であった。一方、施工後の試料については、クリソタイル、アモサイト及びクロシドライトの含有率はいずれも定量下限値(0.1重量%)未満であった。以上の結果から、本実施例による囲い込み工事を行うことで、吹き付け石綿からなる梁のアスベスト含有率が0.5重量%から0.1重量%未満に低下することが確認された。

Claims (6)

  1. 水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを2〜8容量部配合してなる湿潤剤を石綿資材の表面に塗布する湿潤工程、
    および水性ポリマーディスパージョン100容量部に対してセメントを17〜23容量部配合してなる固化剤を前記湿潤工程終了後の石綿資材に吹き付け、該固化剤を石綿資材の内部まで浸透させる浸透固化工程
    を有することを特徴とする、石綿資材の封じ込め方法。
  2. 水性ポリマーディスパージョンが、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムから選ばれる1種以上のゴムラテックスである、請求項1記載の方法。
  3. 水性ポリマーディスパージョンがスチレンブタジエンゴムラテックスである、請求項1記載の方法。
  4. 請求項1記載の浸透固化工程終了後の石綿資材の表面に、水性ポリマーディスパージョンを配合してなるモルタルを塗布し、前記石綿資材の表面に固化層を形成する表面固化工程を有することを特徴とする、石綿資材の囲い込み方法。
  5. 水性ポリマーディスパージョンが、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムから選ばれる1種以上のゴムラテックスである、請求項4記載の方法。
  6. 水性ポリマーディスパージョンがスチレンブタジエンゴムラテックスである、請求項4記載の方法。
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