JP2008142581A - 懸濁物質捕捉採取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水域において懸濁物質発生帯域から下流側帯域への表層浮遊懸濁物質の移動を、水域における水位の変動や水面の揺れなどの影響を受けることなく阻止し且つ懸濁物質発生帯域に集積する表層浮遊懸濁物質採取し、設置が容易で、比較的安価な懸濁物質捕捉採取装置を提供する。
【解決手段】懸濁物質発生帯域A2の一方の岸から他の岸まで延在し、水域Aの懸濁物質発生帯域A2と下流側帯域A1とを仕切り、懸濁物質発生帯域A2から下流側帯域A1への表層浮遊懸濁物質Hの移動を遮るよう浮遊状態で下側が水面下に潜没し上側が水面上へ突出し、自在に湾曲可能の捕捉装置2と、該捕捉装置によって集積された表層浮遊懸濁物質を採取する採取装置3とを備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、池、湖沼、貯水池、ダムの入江、ダム湖、堀、あるいは一部の海域等の、植物プランクトン等を含む懸濁物質が滞留している閉鎖性水域あるいは微流動水域、例えばアオコ、赤潮発生水域(以下、包括的に「水域」と略記する。)において使用される、当該水域の水面および水面付近に漂う懸濁物質(以下、「表層浮遊懸濁物質」と表す。)の回収装置に係る。
例えば、水力発電用の水を貯留している貯水池の場合、異常発生したアオコが水面を緑色に変色させる現象がしばしば見受けられる。アオコは上流より多量の栄養塩が貯水池へ流入することで発生する。アオコは先ず貯水池の流入端の浅瀬で発生し、それが下流へと流れ、貯水池本川の発生へと繋がる。アオコを貯水池本川から発電機や一般河川へ流下させることは、かび臭の発生や浄水場でのろ過障害など望ましくない様々な影響を発生させるため回避しなければならない。
貯水池本川へのアオコ流入を防ぐため、従来、アオコ発生帯域(例えば、貯水池の入江の帯域)と貯水池本川との間を仕切るように、貯水池本川への流入部(例えば、入江の帯域の口元辺り)を横切ってアオコ流出防止フェンスが張設されている。このアオコ流出防止フェンスとして専用のものは製作されておらず、オイルフェンスが代用されているが、このオイルフェンスの場合、そのカーテン部が水面付近から池底付近まで垂れ壁状に垂下しており、その影響で水流が遮られ、流れが悪くなるため水質が悪化するという問題がある。
また、発電のために水を使うと貯水池の水位は大きく低下し、上記カーテン部の下方部分が池底上に倒伏した状態になり、場合によっては倒伏部が土を被って埋没し、後に水位が上昇してもそれに伴ってオイルフェンスが浮上せず、所期の機能を果たせなくなってしまうことがある。また、オイルフェンスは比較的大掛かりであるため、設置に手数や手間がかかり、高価でもある。
一方アオコは、一般的に、水域の表面若しくは表面付近に浮上して漂う傾向がある。このような傾向を利用し、貯水池からアオコを効率よく回収するようにした浮き取水管方式アオコ捕捉採取装置が特開2005−46672号公報(特許文献1)に記載されている。このアオコ捕捉採取装置は水域の水位の変動に対応して作動可能である。このアオコ捕捉採取装置は、浮き取水管を弓形に連結設置して形成したアオコ捕捉用管状体を有しており、上記各浮き取水管はアオコ水(アオコを含む表層水)を吸引する呑み口を有し、これら各呑み口より水中ポンプにより吸引されたアオコ水は上記アオコ捕捉用管状体の内側に設けられた内部取水管を通してアオコ分離水槽へ給送される。
特開2005−46672号公報
上記アオコ捕捉用管状体は、風で吹き流される貯水池内のアオコを寄せ集めるよう、弓形のアオコ捕捉用管状体が形成する湾状部が風上に向けて配置され、風に対し一定の姿勢を保つように係留される。従って、このアオコ捕捉用管状体は、風向が所期の方向に一定していれば上記湾状部内にアオコが効率よく集積する。風向が変わって、上記湾状部に対するアオコの流れが偏向した場合、上記湾状部内へのアオコの集積は必ずしも十分には行なわれない。風向に合わせてアオコ捕捉用管状体の姿勢変更を行なうことが考えられるが、アオコ捕捉用管状体は地上に設置したアオコ分離水槽や当該水槽への送水管に接続されており、更に係留索により地上に係留されているため、姿勢変更作業は容易ではない。アオコ捕捉用管状体を台船に取付け、アオコ分離水槽や送水管を台船上に載置することも提案されているが、その場合であっても、アオコ捕捉用管状体用の係留索や台船用の係留索を地上側で付け替えるなどの面倒な作業を伴う。また、貯水池などの水域では、普段は人員が配置されていないことが多く、従って、風向の変化に伴ってその都度上記アオコ捕捉用管状体の姿勢調整を行なうことは実際上行ない難い。
また、上記アオコ捕捉用管状体は、たとえ風向の変化に合わせその都度最適な方向へ向かうように設置し得たとしても、貯水池の一方の岸から対岸までのその都度変化する距離的範囲を完全にカバーするためには、浮き取水管の付足しや取り外しなどの作業を伴い、そのような極めて面倒な作業を行なわない限り、所望のアオコ水吸引箇所へのアオコの集積や、アオコ発生帯域から下流側帯域へのアオコの流下阻止を十分に行ない得ない。
そこで、本発明の主目的は、水域において懸濁物質発生帯域から下流側帯域への水面浮遊懸濁物質の移動を、水域における水位の変動や風向の変化に影響されることなく阻止し、しかも設置が容易で、比較的安価に製作できる懸濁物質捕捉採取装置を提供することである。
本発明の他の目的は、上述のように移動を阻止され、懸濁物質発生帯域に滞留した水面浮遊懸濁物質を効果的に採取するようにした懸濁物質捕捉採取装置を提供することである。
発明者等は、水面浮遊懸濁物質が水面に延在するロープ状の浮揚材によって移動を阻止され捕捉されることを見出し、本発明に到った。
上記主目的を達成する請求項1に記載の発明は、水域における懸濁物質発生帯域から下流側帯域への表層浮遊懸濁物質の移動を阻止し、上記懸濁物質発生帯域に表層浮遊懸濁物質を集積する捕捉装置と、該捕捉装置により集積された表層浮遊懸濁物質を採取する採取装置とを有する懸濁物質捕捉採取装置において、
上記捕捉装置が、
上記懸濁物質発生帯域と上記下流側帯域との間を仕切って延在する自在に湾曲可能の長尺浮体を有し、
該長尺浮体は、浮遊状態で下側が水面下に潜没し、上側が水面上へ突出することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、長尺浮体が上記懸濁物質発生帯域と上記下流側帯域とを仕切るように延在していることにより、水域の懸濁物質発生帯域、例えばアオコ発生帯域が水面において下流側帯域から分離される。そして、長尺浮体は、水面が風などの影響で波立つ場合にも、自在に湾曲する性質により、発生する波の波形に従って変形し且つ浮上して、長尺浮体の下側部分が水面下に潜没し上側部分が水面上に突出した状態が常に維持され、長尺浮体を潜り抜けての、或いは乗越えての懸濁物質の移動を阻止し、アオコ発生帯域から下流側帯域へのアオコの移動を確実に阻止する。更に、長尺浮体が自在に湾曲可能であることにより、水域における水流の方向や、水域上を吹き抜ける風の向きに従って、全体的にあるいは部分的に下流側や風下側へ撓んで湾曲部を形成し、この湾曲部によってもたらされる湾状部内へアオコ発生帯域内の表層浮遊アオコが流し寄せられ、あるいは吹き寄せられ、集積する。アオコが集積した湾状部内に上記採取装置を配置することによりアオコが効率よく採取される。このような効果をもたらす長尺浮体の直径は10mm〜50mmであることが好ましく、特に30mmもしくはそれに近い値であることが好ましい。一旦、上記懸濁物質捕捉採取装置を水域に設置すれば、風向などに応じた人為的な作業を要することなくアオコの流下阻止、集積及び採取が自動的に且つ効果的に達成される。
請求項2に記載のように、上記長尺浮体が、上記水域の一方の岸から他の岸まで延在して、上記懸濁物質発生帯域と上記下流側帯域とを仕切るようにすれば、これら両帯域は風向の変化や水位の変化に拘わらず、上記長尺浮体によって、表層浮遊懸濁物質が通り抜けるような隙間が生じることにないように完全に仕切られるので、上記懸濁物質発生帯域から上記下流側帯域への表層浮遊懸濁物質の移動が常時、確実に阻止される。
請求項3に記載のように、上記長尺浮体は、複数個の、外表面が滑らかな円筒状浮体素子と、上記浮体素子に挿通される浮体保持ロープとを有し、上記浮体保持ロープは、上記長尺浮体が上記一方の岸から他の岸までの全長に亙って伸長するように、上記浮体素子を連接しているようにすれば、上記長尺浮体は水域の仕切り箇所の端から端までの距離に応じて適当な数の浮体素子を上記浮体保持ロープによって連接して必要な長さにすることができる。
そして、円筒状浮体素子の外表面が滑らかであることにより、長尺浮体まで流し寄せられ、あるいは吹き寄せられた懸濁物質は滑らかな外表面上を滑動し、上記湾状部内への移動が円滑に行なわれる。また、上記浮体保持ロープにより長尺浮体に十分な強度が与えられ、また浮体保持ロープの両端部を上記岸の任意の係留箇所に固定することができ、長尺浮体の確実な作用がもたらされる。
上記他の目的を達成する請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の懸濁物質捕捉採取装置において、上記採取装置が浮遊枠部材と、この浮遊枠部材に取付けられた懸濁物質吸入手段とを有しており、上記懸濁物質吸入手段は、上記表層浮遊懸濁物質を吸引できる水深位置で水面方向へ向けて開口する懸濁物質吸入取水口を有することを特徴とする。上記懸濁物質吸入取水口の水深位置は水面から水面下約50cmまでの範囲を含むが、上記表層浮遊懸濁物質を吸引採取するためには水面下約10cm、特に水面下約7cmであることが好ましい。
請求項4に記載の発明によれば、上記長尺浮体が水域内で水流や風などにより湾曲部を形成する可能性の高い部分を、当該水域で生じている水流や普段の風向などから想定し、その部分に上記浮遊枠部材を配置することにより、上記懸濁物質吸入手段は表層浮遊懸濁物質の集積箇所において該懸濁物質を吸引することになり、効率の良い懸濁物質採取が可能となる。そして、上記懸濁物質吸入取水口が表層浮遊懸濁物質を吸引できる水深位置で水面方向へ向けて開口していることにより、表層浮遊懸濁物質をその直下において対面状態で吸入することができるので、より効率のよい吸引採取が可能であり、更に、吸引中に懸濁物質吸入取水口へ向けての水面に沿った水流が懸濁物質吸入取水口の周辺に発生し、懸濁物質がその水流に乗って懸濁物質吸入取水口へ引き寄せられるので、懸濁物質採取効率が更に高められる。
請求項5に記載のように、上記採取装置を上記長尺浮体の途中位置に設置するようにすれば、上記採取装置が下流側先端に位置した状態の略三角形状の湾曲部が上記長尺浮体によって形成され、従って表層浮遊懸濁物質が上記長尺浮体に沿って上記採取装置へ向けて集積しやすい状態がもたらされる。その場合、請求項6に記載のように、上記長尺浮体に対する上記採取装置の設置を、上記一方の岸から延在する長尺浮体部分が上記浮遊枠部材の周縁部に設けた取付け部に結合され、上記他の岸から延在する長尺浮体部分が上記浮遊枠部材の周縁部の、上記取付け部に対して対向側にある他の取付け部に結合されるようにすれば、長尺浮体部分の長さを調整することにより、上記湾曲部において表層浮遊懸濁物質を吸入する上で最も好ましい位置に上記採取装置を配置することができる。このように配置された懸濁物質吸入手段の吸入作用は、上記湾状部内において、両長尺浮体部分に沿う表層浮遊懸濁物質の懸濁物質吸入手段への移動を増長し、その場合、長尺浮体部分の外表面が滑らかであれば、両長尺浮体部分に沿う表層浮遊懸濁物質の流れが円滑になり、従って表層浮遊懸濁物質の集積と採取が更に効率よく行なわれる。
本発明による懸濁物質捕捉採取装置は、上述のように、水域の水位の変化や水面の揺れに拘わらず常に望ましい状態に浮上して懸濁物質発生帯域から下流側帯域への表層浮遊懸濁物質の移動を十分に阻止することができ、また水域への設置が容易であり、更にその構成が簡単であるので比較的安価に製作することができる。更に、採取装置を適当な位置に設置することにより、上記長尺浮体によって捕捉され、集積された表層浮遊懸濁物質を効率よく採取することができる。
以下、懸濁物質が水力発電所用貯水池で発生するアオコである場合を例に、本発明の懸濁物質捕捉採取装置(以下、「アオコ捕捉採取装置」と表す。)の好ましい実施の形態を説明する。
図1は本発明によるアオコ捕捉採取装置を設置した水力発電所用貯水池の平面図、図2はアオコ捕捉採取装置の捕捉装置の長尺浮体の構成要素である浮体素子の斜視図、図3は浮体素子を連結して構成した長尺浮体の部分的斜視図、図4は図1中のIV−IV線に沿う拡大尺断面図、図5はアオコ捕捉採取装置の採取装置のアオコ吸入手段を保持する浮遊枠部材の斜視図、図6は浮遊枠部材と該浮遊枠部材に保持されたアオコ吸入手段の部分的側面図であって、アオコ吸入手段を一部破断して示す図、図7は浮遊枠部材の配置を変更した実施形態の部分的平面図である。
図1に示すように、貯水池Aは貯水池本川A1と入江A2とから成っている。貯水池本川A1には取水口D、水圧鉄管Cが付設されており、貯水池本川A1から取水口D、水圧鉄管Cを介して水力発電設備Bへ給水される。
入江A2には、上流の川Gから流れ込む水に多量に栄養塩が含まれていることによりアオコHが発生し、発生したアオコHは水面に浮遊する表層浮遊アオコとなり貯水池本川A1へ向けて流下する。貯水池本川A1へのアオコの流入は、上記水力発電設備Bからの放流を受ける下流側河川へ上記のような望ましくない影響を与えるため、阻止されなければならない。
入江A2(アオコ発生帯域)から貯水池本川A1(下流側帯域)への表層浮遊アオコの移動を阻止するため、本発明によるアオコ捕捉採取装置1は入江A2と貯水池本川A1との間に捕捉装置2を有しており、この捕捉装置は図1に示すように入江A2と貯水池本川A1との間を仕切って入江A2の一方の岸から他方の岸へ延びている長尺浮体20を有している。
図2は、上記長尺浮体20を形成する円筒形の浮体素子22を示している。この浮体素子22の長さは約1.5m、直径は約30mmである。浮体素子22はスポンジゴムや発泡プラスチック等、水に浮き湾曲し得る材料にて形成される円筒形の浮揚材層22aと、この浮揚材層22aの外周面全体を被覆しているプラスチックフィルム製の被覆層22bとを有している。被覆層22bは表面粗さが小さく、アオコとの間の滑り摩擦の摩擦係数が小さい滑らかな外表面を有している。浮揚材層22aの中心部に形成される通孔22cの直径は約10mmである。
長尺浮体20は,図3に示すように、複数個の浮体素子22を直列的に連結することによって形成される。即ち、複数個の浮体素子22は、通孔22cに浮体保持ロープ21を挿通することにより直列的に連接され、各連接端部の周囲にビニール接着テープなどの接合材21を巻き付けることにより連結され、それによって自在に湾曲可能の柔軟構造の長尺浮体20が形成される。
長尺浮体20は、図1に示すように、当該長尺浮体から延出した浮体保持ロープ21の両方の端部を入江A2の岸辺に固定することにより貯水池本川A1と入江A2とを仕切るように張設される。張設された長尺浮体20は、図4に示すように、下側が水面Sの下に潜没し、上側が水面Sの上へ突出する状態で浮上する。水面下へ潜没している下側部分は直径の約2/3、水面上へ突出している上側部分は直径の約1/3の範囲である。従って、直径30mmの浮体素子22を使用して長尺浮体20が形成されている場合、水面下には約20mm潜没し、水面上へは約10mm突出する。これら潜没及び突出の実際の値は、貯水池における表層浮遊アオコの移動を十分に阻止すものであることが実地において確認されている。
長尺浮体20は、上述のように、自在に湾曲可能の柔軟構造を有していることにより、水流の作用を受け、更に場合により、上流から下流に向けて吹く風の作用を受けると、図1に示すように下流側へ湾曲し、湾状部Iをもたらす。入江A2に発生したアオコは表層浮遊アオコとなり、水流、及び場合により風の作用により下流へ流され、一部は上記湾状部I内に流入し、一部は湾状部Iの側方の部分に流れ寄る。何れの表層浮遊アオコも長尺浮体20によって貯水池本川A1への移動は阻止される。そして、上記湾状部Iの側方の部分に流れ着いたアオコは、長尺浮体20に沿って上記湾状部I方向へ流れ寄り、その際、長尺浮体20が滑らかな外表面を有していることにより、長尺浮体20に沿ってアオコが円滑に流れ、従ってアオコは湾状部I内へ効果的に寄せ集められ、そこに集積される。
このように集積された表層浮遊アオコは、本発明によれば、アオコ捕捉採取装置1が表層浮遊アオコの採取装置3を有し、この採取装置3がアオコ吸入手段31を有することによって効果的に採取される。
採取装置3は、図5に示すように、浮遊枠部材30とアオコ吸入手段31を有しており、アオコ吸入手段31はアオコ吸入取水口31aを有している。浮遊枠部材30は平面視正方形のフレーム30aを有しており、このフレーム30aの四隅の下部にはそれぞれ浮体30bが取付けられ、これら浮体30bはフレーム30aを水面上の一定の高さ位置に水面に対して水平に保持している。
図6に示すように、アオコ吸入手段31は漏斗状に形成されており、この漏斗状アオコ吸入手段31の大径側の口部がアオコ吸入取水口31aとなっており、このアオコ吸入取水口31aは水面Sの方向に向けられ、集積した表層浮遊アオコの直下に配置される。漏斗状アオコ吸入手段31の小径側は管状部31bに接続しており、この管状部は図5に示すようにサクションホース4に接続され、このサクションホース4はポンプPを介してアオコ処理回収装置5に接続されている。
上記アオコ吸入手段31は、図5及び図6に示すように、浮遊枠部材30の中央部に取付けられた支持台30cに吊下部材32によって吊下げた状態に保持されている。吊下部材32は長さ調節が可能であるように構成されており、従って、アオコ吸入手段31は支持台30cからの距離、即ち水面からの深さ位置が調節可能である。これによってアオコ吸入取水口31aの水深位置を表層浮遊アオコの下側で当該表層浮遊アオコに近づけるように調節することができ、最適な吸引が行なえるようにすることができる。表層浮遊アオコを吸引採取する際、アオコ吸入取水口31aは水面下約7cmの水深位置に配置される。
採取装置3に保持されているアオコ吸入手段31に設けたアオコ吸入取水口31aからポンプ吸引されたアオコは、サクションホース4を介してアオコ処理回収装置5へ給送され、そこで水分を除去されて回収される。
上記採取装置3は、長尺浮体20が入江A2内で水流や風などにより湾曲部を形成する可能性の高い部分を、当該貯水池で生じている水流や普段の風向などから想定することにより、入江A2内での配置位置が予め定められており、その配置位置が保たれるよう、係留ロープにより上記長尺浮体20の適所に係留されるか、或いは岸辺に係留される。図1は、長尺浮体20が形成する湾状部I内に配置された採取装置3を示している。
採取装置3の係留は、図7に示すように、長尺浮体20を2つの長尺浮体部分20a,20bに分け、双方の長尺浮体部分の端部に浮遊枠部材30を連結するようにしてもよい。この連結は、一方の岸から延在する長尺浮体部分20aが浮遊枠部材30の周縁部に設けた取付け部に結合され、他の岸から延在する長尺浮体部分20bが浮遊枠部材30の周縁部の、前記長尺浮体部分20aの取付け部に対して対向側にある他の取付け部に結合することによって行なわれる。この場合、採取装置3の水域Aでの位置は、この水域における水流や普段の風向などを考慮して、形成される湾曲部Iの最下流側にくるように、長尺浮体部分20a,20bの長さが調節される。また、採取装置3は、長尺浮体に比べその質量が比較的大きいため、水流の作用や風を受けた際、湾状部Iの最下流部の位置を占めやすい。従ってアオコ吸入手段31のアオコ吸入取水口31aは上記湾状部I内のアオコが最も集積する位置で効率よくアオコ吸引を行なうことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、長尺浮体20は浮体素子21を連結したものではなく、全体に或いは長尺浮体部分20a,20b毎に一体的なものであってもよい。
本発明による懸濁物質捕捉採取装置を設置した水力発電所用貯水池の平面図である。 懸濁物質捕捉採取装置の捕捉装置を構成する長尺浮体の構成要素である浮体素子の斜視図である。 長尺浮体の部分的斜視図である。 図1中のIV−IV線に沿う拡大尺断面図である。 懸濁物質捕捉採取装置の採取装置の斜視図である。 採取装置の部分的側面図であって、アオコ吸入手段を一部破断して示す図である。 長尺浮体と採取装置との間の他の連結態様を示す部分的平面図である。
符号の説明
1 懸濁物質捕捉採取装置(アオコ捕捉採取装置)
2 長尺浮体
2a,2b 長尺浮体部分
20 浮体素子
21 浮体保持ロープ
3 採取装置
30 浮遊枠部材
31a 懸濁物質吸入取水口(アオコ吸入取水口)
4 サクションホース
5 アオコ処理回収装置
A 貯水池
A1 貯水池本川
A2 入江
H アオコ
I 湾状部

Claims (6)

  1. 水域における懸濁物質発生帯域から下流側帯域への表層浮遊懸濁物質の移動を阻止し、前記懸濁物質発生帯域に表層浮遊懸濁物質を集積する捕捉装置と、該捕捉装置により集積された表層浮遊懸濁物質を採取する採取装置とを有する懸濁物質捕捉採取装置において、
    前記捕捉装置が、
    前記懸濁物質発生帯域と前記下流側帯域との間を仕切って延在する自在に湾曲可能の長尺浮体を有し、
    該長尺浮体は、浮遊状態で下側が水面下に潜没し、上側が水面上へ突出することを特徴とする懸濁物質捕捉採取装置。
  2. 前記長尺浮体は、前記水域の一方の岸から他の岸まで延在して、前記懸濁物質発生帯域と前記下流側帯域とを仕切ることを特徴とする懸濁物質捕捉採取装置。
  3. 前記長尺浮体は、
    複数個の、外表面が滑らかな円筒状浮体素子と、
    前記浮体素子に挿通される浮体保持ロープと、
    を有し、
    前記浮体保持ロープは、前記長尺浮体が前記一方の岸から他の岸までの全長に亙って伸長するように、前記浮体素子を連接していることを特徴とする請求項2に記載の懸濁物質捕捉採取装置。
  4. 前記採取装置が浮遊枠部材と、この浮遊枠部材に取付けられた懸濁物質吸入手段とを有しており、
    前記懸濁物質吸入手段は、前記表層浮遊懸濁物質を吸引できる水深位置で水面方向へ向けて開口する懸濁物質吸入取水口を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の懸濁物質捕捉採取装置。
  5. 前記採取装置が、前記長尺浮体の途中位置に設置されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の懸濁物質捕捉採取装置。
  6. 前記長尺浮体に対する前記採取装置の設置は、前記一方の岸から延在する長尺浮体部分が前記浮遊枠部材の周縁部に設けた取付け部に結合され、前記他の岸から延在する長尺浮体部分が前記浮遊枠部材の周縁部の、前記取付け部に対して対向側にある他の取付け部に結合されることによって行なわれることを特徴とする請求項5に記載の懸濁物質捕捉採取装置。
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