JP2004008948A - 水中浮遊物採取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取する水中浮遊物採取装置を提供する。
【解決手段】水面に浮いた状態に設置され、アオコ等の水中浮遊物を採取する採取フロート11と、水中に沈んだ状態に設置され、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生器14と、水面に浮いた状態に設置され、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取フロート11に向かわせる水流を発生させる水流形成板13とを有する。採取フロート11は、採取フロート11の側面及び下面に吸引口16aが開口する溝状に形成され、水中浮遊物を水と共に吸引する、複数の流入水路16を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】水面に浮いた状態に設置され、アオコ等の水中浮遊物を採取する採取フロート11と、水中に沈んだ状態に設置され、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生器14と、水面に浮いた状態に設置され、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取フロート11に向かわせる水流を発生させる水流形成板13とを有する。採取フロート11は、採取フロート11の側面及び下面に吸引口16aが開口する溝状に形成され、水中浮遊物を水と共に吸引する、複数の流入水路16を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中浮遊物採取装置に関し、特に、水面や水中に浮遊する浮遊生物(プランクトン)を収集し採取する水中浮遊物採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、淡水域の水面や水中に浮遊する水中浮遊物として、所謂アオコが知られている。アオコについては、第1に「湖沼で藻類が大発生する現象の一つで、特に水面に集積し水の色が濃い緑色を呈する状態」、第2に「このような原因を作り出している藻類群」、の2つを意味するものと解釈されている。また、第1のものは「水の華」とも呼ばれている。
【0003】
アオコは、閉鎖性水域である湖沼等において、水面下約3m以内の水中に浮遊する。これが水面に浮上してスカム状になり、腐敗するようになると、悪臭を放つばかりでなく、棲息する魚類等の生存を脅かす場合もある。また、その水を飲料水として利用する場合には、飲料水の味を悪くするばかりでなく不快な臭いも付着し、観光地の場合には、景観を損ねて不評を買うことにもなる。
【0004】
このため、湖沼等に溜まった水の水質保全に関する諸施策の内でも、特にアオコヘの対策は緊急を要するものであり、その対策技術の開発が望まれている。
【0005】
このような状況におけるアオコ対策技術としては、大別して、富栄養化防止・日光遮断・水温低下・PH調整・曝気等による「アオコを発生させない直接的技術」、下水道の整備・葦等の植栽・生態系の管理・流入水の管理等による「環境を変化させて徐々に減少させる間接的技術」、「発生したアオコを直接除去する技術」、の3つが考えられている。
【0006】
この中で、「アオコを発生させない直接的技術」については、窒素・リン濃度を減少させるために水質を改善する必要があり、また、日光・水温等の自然現象に密接に関わることから、単独では対処できない。更に、「環境を変化させて徐々に減少させる間接的技術」については、即効性や結果の確実性を得難い。従って、上述した何れの技術も、大規模な対応や長期に渡る対応を必要とすることから、実現が困難な場合が多い。
【0007】
これに対し、「発生したアオコを直接除去する技術」については、アオコを除去するための除去対象水量や面積を任意に設定することができる上に、アオコの発生する時期を対象として実施することができるため、効果的な対応が可能である。
【0008】
アオコ対策のための「発生したアオコを除去する技術」としては、薬品で沈殿除去する方法、超音波で除去する方法、電気的な処理により除去する方法、物理的な処理により除去する方法、オゾンで除去する方法等があり、これらは、収集手段を用いない方法と、収集手段を用いてアオコを採取する方法に、大別することができる。
【0009】
収集手段を用いない方法では、装置を定置式にする場合が多く、河川等のように一方向の流れがある場合以外では、隙間無く対応するために装置設置箇所の増加が避けられず、即効性に劣るものが多い。
【0010】
一方、収集手段を用いてアオコを採取する方法では、装置を移動式にすることが可能なものも多く、定置式にする場合でも表層部のアオコを収集することにより、アオコを積極的に採取しない方法ほど多くの装置設置箇所を必要としない。また、短期間の対策に適している。
【0011】
ところで、アオコは、水面下約3m以内の水中に浮遊し、水面に集積する性質があることから、例えば、浮遊油を回収するための器具等を用いて、浮遊油と同様に、水面に集積するアオコを収集採取することが考えられる。このような浮遊油を回収するための器具が幾つか提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浮遊油を回収する器具は、厚さが約1mm以下の極めて薄い層を回収対象としたものであり、水面からその下3m程の厚さの層を分布範囲とするアオコの収集採取には、対応することが難しい。
【0013】
このように、水面下の一定幅を有する層に分布するアオコ等の水中浮遊物を効率的に採取するための技術については、未だ確立されていないのが現状である。
【0014】
この発明の目的は、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる水中浮遊物採取装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る水中浮遊物採取装置は、水面に浮いた状態に設置され、水中浮遊物を採取する採取手段と、水中に沈んだ状態に設置され、前記水中浮遊物を捕捉し前記水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生手段と、水面に浮いた状態に設置され、上昇する前記泡が衝突して前記水中浮遊物を前記採取手段に向かわせる水流を発生させる水流形成手段とを有することを特徴としている。
【0016】
上記構成を有することにより、水中に沈んだ状態に設置された泡発生手段により、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡が発生し、水面に浮いた状態に設置された水流形成手段により、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取手段に向かわせる水流が発生し、水面に浮いた状態に設置された採取手段により、流れてくる水中浮遊物を採取する。これにより、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明に係る水中浮遊物採取装置は、水中浮遊物である、例えば、植物プランクトン(所謂赤潮)や動物プランクトン等の水面や水中に浮遊する浮遊生物(プランクトン)、特に、淡水域に発生する浮遊性藍藻(所謂アオコ)を、効率的に収集・捕捉するための装置であり、以下の機能を備えていることが望ましい。
【0018】
なお、この実施の形態においては、採取対象の水中浮遊物が湖沼等に発生するアオコの場合について説明する。
1.水面(表層)に浮上したアオコ(所謂水の華)を採取できること。
2.水中(中層)に浮遊するアオコも採取できること。
3.吸引ポンプに悪影響を与えないように空気を混入させないこと。
4.高濃度のアオコを採取できること。
5.広範囲のアオコを採取できること。
6.粒径の大きなゴミを吸引しないこと。
7.効率的に採取できること。
【0019】
ところで、アオコを採取する場合、採取対象となるのは、水面に浮上している「水の華」に対するものが一般的であるが、アオコの増殖速度を考えた場合、水面に浮上したアオコを除去しただけでは不十分であり、水中に浮遊するアオコの除去も考えなければならない。
【0020】
しかしながら、水中に浮遊するアオコの濃度は、水面に浮上している「水の華」より薄いので、水中に浮遊するアオコをポンプ等で直接吸引し採取しようとすれば、採取に際し、アオコの量に比して大量の水を処理しなければならない。よって、効率的な採取方法とは言えない。そこで、水中に浮遊するアオコについては、強制的に水面に浮上させて、既に水面に浮上しているアオコと共に採取することにする。
【0021】
なお、空気を混入させない機能については、吸引機器に一般的なポンプを接続することを前提としたために必要となるものであり、空気混入が能率低下の要因とならないポンプを使用する場合は、必要としない。
【0022】
次に、水中浮遊物採取装置におけるアオコの捕捉力と対象水深について説明する。水面に浮遊する物体を捕捉する場合、一般的には、油回収機器に見られるように周囲から中心に向かって自由水面から流下させて捕捉する方法が主流である。この方法で捕捉能率を上げるためには、機器の中心に位置する採取部の取水高さを下げることが考えられるが、これでは、同時に大量の水を採取してしまい効率的に採取することができない。
【0023】
また、自由流下させた場合、機器の中心樋から吸引する量と流下量のバランスを取ることが難しく、ポンプの吸引力に対し流下量が不足すると、空気を吸引してしまうことになってポンプ故障等の原因になり、反対に流下量が多いと、効率的なアオコ収集ができないことになる。
【0024】
従って、このバランスを取るため、水中浮遊物採取装置においては、自由流下方法ではなく、中心樋を介してポンプ吸引力を利用した吸引方法を採用する。
【0025】
また、アオコの浮遊濃度分布は、水面下5cm程度の水深では高濃度であり、水面下2〜3m程度の水深では低濃度であり、それより深い水深では極少濃度である。よって、水面表層の浮遊油回収のように極薄表層部の採取を考えるより、水面下5cm程度の水面下層部の採取を対象にする方が効率的である。
【0026】
このことから、水中浮遊物採取装置は、ポンプ等の吸引力を利用することとし、その吸引力による採取対象水深は、水面下5cm程度の水面下層部とする。なお、対象水深以下のアオコに対しては、後述する水中に浮遊するアオコの採取方法により対処する。
【0027】
次に、水中浮遊物採取装置によって採取したアオコ含有水への空気混入を防止することについて説明する。一般的に、吸引式のポンプにおいて、気液混合物に対応したものは少なく、空気がある程度以上混入するとキャビデーション等を発生し、ポンプ故障の原因となる。
【0028】
水中浮遊物採取装置に用いるポンプは、吸引式のポンプを基本に考えており、機械的な能率向上を図るために、採取したアオコ含有水への空気混入は極力防止する必要がある。
【0029】
日本における代表的なアオコであるミクロキスチス(Microcystis)やアナベナ(Anabaena)の増殖速度は、
比増殖速度μ=0.64〜0.66day−1
倍加時間td=25.0〜25.9hr
であり、増殖条件が良いと爆発的な速度で繁殖する。アオコを採取し処理するためには、繁殖速度より早い処理速度で対応する必要がある。従って、この処理速度を考慮した場合、アオコの大量採取が必要となり、吸引ポンプの容量も大きなものが必要となる。一例として、ポンプ容量が420m3/hrのものがある。
【0030】
しかしながら、ポンプ容量が420m3/hrの吸引ポンプの場合、その吸引力が非常に強く、表層水の採取に当たって取水口を水面下50cm程度より浅くすると、吸い込み渦が発生して空気を吸引してしまうこととなる。従って、取水口を水面下50cmより深くする必要があるが、この場合、大量の水を採取することになりアオコ採取の効率が非常に悪くなる。
【0031】
このため、吸引ポンプの吸引口は、大容量ポンプでも空気の混入を無くすために、吸い込み渦を発生させない機構とし、吸引口の水面上に蓋状物を設ける。
【0032】
また、アオコの濃度は、一般的に、昼間の水面下5cm(場合によっては10cm)程度の水面下層が最も高くなる(1日を単位とすれば、朝方から夕方にかけて表層が濃くなり、夕方から夜中にかけて表層が薄くなる)。
【0033】
このため、高濃度のアオコを昼間に採取するためには、できるだけ水面近くから採取することが望ましい。吸引ポンプの吸引口が大中口径の場合、水面に蓋をするだけでその下からその口径で直接吸引するのは、アオコ濃度の薄いものまで吸引することになることから、効率的でない。
【0034】
従って、水中浮遊物採取装置は、吸引ポンプの吸込口に連絡部を設置し、その連絡部から放射状に流入水路を形成して、流入水路の先端から水面下層(水深5cm程度)のアオコを採取する構造とする。これにより、高濃度のアオコを効率よく採取することができる。
【0035】
次に、水中浮遊物採取装置におけるアオコ採取対象範囲の拡大について説明する。吸引ポンプの吸込口径は、ポンプ容量が420m3/hrクラスの場合、φ250mm程度が必要であることから、この口径での吸引を考えると、その吸引影響範囲は2.5m程度(口径のほぼ10倍と仮定)となる。この吸引影響範囲を拡大し採取効率を上げるため、連絡部に接続する流入水路を伸張する。
【0036】
更に、流入水路は、その断面積の合計が吸込口径の断面積より小さくなるように設定し、水路による吸引速度を高めることが、その影響範囲を拡大するために効果的である。
【0037】
また、これら連絡部や流入水路等を設置固定するためには、水上に浮かぶフロートが必要である。特に、流入水路は、空気を吸い込まないようにするため、フロートに凹部を設けて水面下に内蔵した構造とする。
【0038】
アオコは、フロートに設置した吸引口から採取されるが、その採取口が固定されていると、吸引力による吸入範囲が限られてしまうため効率的でない。そこで、各流入水路における流入水の圧力方向の変化が同一となるように各流入水路を一定方向に曲げて形成し、流入水の圧力方向変化力によってフロート自体を回転させるようにする。
【0039】
各流入水路の曲げ角度は、20度〜70度程度とする。フロートの回転速度は、効率的に採取することができるように吸引ポンプの吸引力や流入水路の形状を調整して、適宜調整する。
【0040】
また、フロートの外周面には、複数の羽根板が設置されている。各羽根板は、フロートに放射状に設けられた各吸入水路毎に、吸入水路の延長方向に沿って延びるように取り付けられている。その長さは、フロート半径の1/4〜3/4程度が望ましく、フロートの回転力調整やごみ吸い込み防止対策のために、板体を湾曲させて形成しても良い。この羽根板の設置は、フロートの回転力による効果を高めて更に広範囲なアオコ採取を可能とし、回転力の調整にも寄与する。
【0041】
次に、水中浮遊物採取装置におけるゴミ対策について説明する。アオコが発生する湖沼等は、閉鎖水域であることが多く、水面上にはアオコと共に浮上ゴミが多く存在する。効率的なアオコ採取のためには、ゴミ対策が重要である。
【0042】
一般的な対策としては、水中浮遊物採取装置のアオコ採取口前面に金網等を設けて、浮上ゴミを取り込まないようにする。また、吸入水路からの水流が金網を通り抜けてポンプとの連絡部に流れ込むように、吸入水路と連絡部の間に金網筒を設置し、更に吸入口にも金網を設置する。これら金網の格子寸法は、吸入口より金網筒の方が小さいものとする。
【0043】
この方法の場合、金網の格子寸法とほぼ同一の大きさのゴミは、金網の目詰まりを発生させて採取能率を低下させてしまう原因となる。ゴミにより金網に目詰まりが発生した場合、ポンプとの連絡部の圧力低下やポンプ流量の低下現象を引き起こすことから、例えば、圧力計や流量計等の目詰まり監視用センサを設置し、センサからの検出情報により、必要に応じて排水管に設置している弁を自動的に開閉し、目詰まり解消のために逆洗するシステムを設置しても良い。
【0044】
次に、水中浮遊物採取装置による水中浮遊アオコの採取方法について説明する。上述した水中浮遊物採取装置により、所謂「水の華」と言われている表層アオコは効果的に採取することができるが、水中に浮遊するアオコについては同様な効率で採取することができない。
【0045】
一般的に、アオコの除去対策として提案されている採取装置は、殆ど「水の華」に対するものであり、「水の華」より下層の水中に浮遊するアオコに対しては、考慮されていない。ここでは、水中に浮遊するアオコを水面に浮上させ、表層のアオコと共に採取する方法を提案する。
【0046】
「水の華」の代表とされるミクロキスチスの細胞は、直径平均値が3.0〜5.5μm程度であり、それらの集合体が「水の華」を形成している。水中に浮遊しているアオコは、細胞が集合体を形成しているものもあるが、細胞のまま或いはそれに近い大きさのものもある。
【0047】
このような極小物であるアオコを捕捉するために、微細空気泡をアオコに付着させて微細空気泡と共にアオコを浮上させ、浮上したアオコを水中浮遊物採取装置により採取する。
【0048】
微細空気泡の発生装置は、アオコが浮遊する水深より深い位置(一般的に水深2〜3m程度)に設置する。微細空気泡の大きさは、アオコ細胞の大きさと同等或いはそれ以下とする。空気泡を微細にすることにより、アオコ細胞に付着し易くなり、アオコを効率的に浮上させることができる。
【0049】
この微細空気泡の発生装置は、水中浮遊物採取装置の外周囲に、採取フロートを中心にした同心円状の複数箇所に離間して配置する。微細空気泡の各発生装置のほぼ真上の水面には、水流形成板が配置されている。各水流形成板は、微細空気泡の発生装置が発生させた微細空気泡を受け止め、受け止めた微細空気泡が採取フロートに向かう表面水流となるように、下面側が採取フロートに向かって上り傾斜となる傾斜面により形成されている。
【0050】
更に、ゴミを逆洗するための逆洗用ポンプを利用して、水中浮遊物採取装置の中心方向に向けて表面水流を発生させる。逆洗用ポンプは、ゴミの逆洗時以外は使用しないので、表面水流を発生させるため通常時運転することが可能である。この逆洗用ポンプは、中心から放射線状に配置されたパイプに分岐して吐出口を中心方向に向けるように、設置する。
【0051】
このように、傾斜面による表面水流の作用、及び逆洗用ポンプによる表面水流の作用が、採取フロートの吸入口からの吸入作用に相乗的効果を与え、採取フロートの中心へと向かう表面水流を加速する。この結果、水中浮遊物採取装置の周囲の広い範囲をアオコ採取範囲とすることができるので、広範囲な面積の水面及び水中に浮遊するアオコを採取することが可能になる。
【0052】
また、この水中浮遊アオコの浮上には、微細空気泡を使用することから、曝気効果が現れ、アオコの増殖速度を減速させ、アオコ除去期間の大幅短縮となる。
【0053】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0054】
図1は、この発明の一実施の形態に係る水中浮遊物採取装置の構成を示す部分斜視図であり、図2は、図1の水中浮遊物採取装置の設置状態を示す平面図である。
【0055】
図1及び図2に示すように、水中浮遊物採取装置10は、水面に浮いた状態に設置される、1個の採取フロート(採取手段)11、4個の調整フロート(保持調整手段)12、及び4個の水流形成板13(図2参照)と、水中に沈んだ状態に設置される4個の泡発生器14(図1参照)とを有している。
【0056】
4個の調整フロート12は、架台15により位置決め固定されており、採取フロート11を中心に、採取フロート11の周囲にほぼ等間隔離間して同心円状に配置されている。4個の水流形成板13は、調整フロート12の外側で各調整フロート12の間に位置するように、ほぼ等間隔離間して同心円状に配置されている(図2参照)。4個の泡発生器14は、発生させた泡が上昇して水流形成板13に衝突するように、それぞれ各水流形成板13のほぼ真下に配置されている。
【0057】
採取フロート11には、採取フロート11の流入水路16に連通する連結部17が設けられ、連結部17には、アオコを吸引する吸引ポンプ(図示しない)に連結された送出管18が取り付けられている。
【0058】
各調整フロート12の側面には、水流供給管19のノズル19aが配置されている。このノズル19aは、水流供給管19から送り出された水流が採取フロート11に向かって吐出されるように、採取フロート11に向けられている。水流供給管19は、送出管18にも連通しており、架台15に沿って設置されると共に、水流を発生させる水中ポンプ20に接続されている。
【0059】
この水中浮遊物採取装置10は、例えば、湖沼等に設置されて、湖沼等の水中に浮遊するアオコ(水中浮遊物)を採取フロート11に吸引し採取する。アオコは、水面下約3mの範囲に浮遊しており、水面下約3mより深い水中には、一見して浮遊していないように見え極めて少ない。
【0060】
水面下約5cm以内の表層部を浮遊するアオコ(以後、表層アオコと略称する)は、採取フロート11により直接採取することができ、水面下約5cmから約3mの中層部を浮遊するアオコ(以後、中層アオコと略称する)は、泡発生器14を用いて発生させた微細泡をアオコに付着させてアオコを表層部に上昇させることにより、採取することができる。
【0061】
図3は、図1の採取フロートの斜視図である。図4は、図3の採取フロートを示し、(a)は底面図、(b)は部分断面図である。図3及び図4に示すように、採取フロート11は、厚みのある円盤状に形成され、それ自体で水面に浮くための浮力を有することが望ましい。
【0062】
流入水路16は、フロート側面及びフロート下面に吸引口16aが開口し矩形状横断面を有する溝状に形成され(図4参照)、連結部17は、フロート中央の上下面を貫通する円筒状に形成されている(図3参照)。
【0063】
従って、連結部17に連通する流入水路16の吸引口16aは、主に表層アオコを採取対象としてフロート側面に開口するものと、主に中層アオコを採取対象としてフロート中心部分を除いて下面に開口するものの、二種類が設けられることになる(図4(b)参照)。
【0064】
フロート下面に開口する吸引口16aからは、空気を含まない表面水を採取することができる。また、フロート側面に開口する吸引口16aは、アオコの流入抵抗を低減するため、水路側壁16b(図4参照)が水路屈曲方向に沿う円弧状に形成されて、横に広げられている。
【0065】
この流入水路16は、アオコの吸引時、採取フロート11に送出管18を回転軸とした回転力(図4中、矢印参照)が加わるように、連結部17から放射状に、且つ、ほぼ水路中央部で屈曲する形状に(図4(a)参照)、形成されている。この流入水路16の断面形状は、採取フロート11を回転させるための速度を必要とすることから、吸引ポンプの能力を加味して決められる。流入水路16の水路屈曲部迄のフロート中心部分は、採取フロート11の回転力を効果的に得るため、流入水路確保板21により塞がれている。
【0066】
また、フロート外周面には、流入水路16の吸引口16a近傍に、複数(この例では8枚)の羽根板22が取り付けられており(図3,4参照)、流入水路16の全ての吸引口16aは、ゴミの流入を阻止するための金網23で覆われている。
【0067】
連結部17は、流入水路16を介して取り込んだアオコを一時的に滞留させる密閉された空間を形成し、流入水路16と上部に突設された送出管18を連結する。従って、連結部17に取り込まれたアオコは、連結部17から送出管18を経て吸引ポンプに吸引され、その後、アオコ処理装置(図示しない)に運ばれ処理される。連結部17の内部には、吸引対象ではないゴミ等(対象外吸引物)の流入防止対策として、連結部17と相似形状の金網からなる筒体(金網筒)24が装着されており、流入水路16から流れ込んだゴミを容易に取り除くことができる。
【0068】
アオコは、吸引作用により採取フロート11に採取されるが、その際、アオコと共にゴミ等も流入水路16に取り込まれてしまうので、吸引口16aを覆う金網23によりゴミ等の流入を阻止している。更に、連結部17に金網筒24を設置することで、ゴミ等が入り込むのを二重に阻止している。
【0069】
連結部17と送出管18は、接続ボルト等の連結手段を用いて連結されており、連結手段を取り外すことにより、例えば目詰まりした金網筒24を連結部17から取り出し、簡単に掃除することができる。また、連結部17は、送出管18を介して供給される水流供給管19からの水流により逆洗して、自動的にゴミ等を取り除くことができる。この逆洗用水流は、ノズル19aから採取フロート11に向かって吐出される水流と同様に、水流供給管19に接続される水中ポンプ20から供給される。
【0070】
送出管18は、ベアリング部25を介して連結部17に取り付けられており、連結部17、即ち、採取フロート11が、送出管18に対し自在に回動可能である(図3中、矢印参照)。採取フロート11が水面に沿って回転することにより、採取フロート11の周囲のより広い範囲で、アオコを効率的に採取することができる。
【0071】
羽根板22は、流入水路16の開口の採取フロート回転方向側に、採取フロート回転方向に沿って湾曲した形状で放射状に設置されている(図3,4参照)。この羽根板22により、採取フロート11の回転に伴い、採取フロート11周囲の水が流入水路16の開口に向けて掻き寄せられる。よって、採取フロート11に吸引可能なアオコの範囲を、採取フロート11の周辺部分に広げることができる。
【0072】
調整フロート12(図1及び図2参照)は、矩形状或いは円盤状に形成されており、自ら浮力を有している。調整フロート12が備える浮力は、採取フロート11、架台15、送出管18、及び水流供給管19等を水面に浮かせたまま保持することができるために十分なものである。各調整フロート12は、水底に投錨係止されたアンカー26が結ばれたアンカロープ26aにそれぞれ繋がれている(図1参照)。
【0073】
また、調整フロート12には、調整フロート12に対して架台15の位置を上下に移動させることができる調整ネジ(上下調整手段)27が設けられている。調整ネジ27を調整して架台15を移動させることにより、架台15に固定された採取フロート11も上下に移動するので、流入水路16の吸引口16aの水面に対する位置を上下に調整することができる。
【0074】
水流形成板13(図1及び図2参照)は、例えば、発泡スチロール或いは鋼材等によって、水面に浮遊できる十分な浮力を有するように、且つ、下面が、採取フロート11に向かって上向きに傾斜する傾斜面13aからなる立方体状に、形成されている。
【0075】
各水流形成板13は、その両側の水面上に位置する調整フロート12に、ロープ28によりそれぞれ繋がれており、同時に、水底に投錨係止されたアンカー26が結ばれたアンカロープ26aにも繋がれている(図1参照)。
【0076】
泡発生装置14(図1及び図2参照)は、連結された空気供給管29から装置内に空気が供給されることにより、微細な泡を発生させる。この泡発生装置14は、各水流形成板13に吊り下げられて各水流形成板13のほぼ真下の水中に保持される。
【0077】
この泡発生装置14により、直径が数μmの中層アオコを水面に浮上させる浮上分離を行うためには、アオコより小さい直径の泡をアオコに付着させることが必要である。従って、非常に微細な泡を発生させるために、特殊渦流タービンポンプ等の特殊ポンプや特殊ラインミキサ等の特殊発生管を組み合わせた微細泡発生装置が用いられる。
【0078】
これら水流形成板13と泡発生装置14の組み合わせにより、泡発生装置14が発生させた微細な泡が中層アオコを捕捉し、更に、捕捉した中層アオコを泡の浮上力を利用して水面近傍に浮上させる。浮上した中層アオコは、水流形成板13の傾斜面13aに衝突し、傾斜面13aに沿って採取フロート11に向かう。
【0079】
即ち、傾斜面13aにより、アオコの浮上速度と泡の押し出し力を利用した、採取フロート11に向かう水流が発生し、浮上した中層アオコを、各水流形成板13から採取フロート11に向けて送り出す。この結果、採取フロート11が配置された水中浮遊物採取装置10のほぼ中央に、水中から浮上させた中層アオコが集積する。
【0080】
このように、採取フロート11により、表層アオコを直接吸引して採取することができると共に、水面に浮上させた中層アオコを採取することができる。
【0081】
架台15は、例えばH型鋼材等からなる2本の構成部材15aにより、水面に沿う縦横十字形状に組み合わせて形成されており、採取フロート11に取り付けられた送出管18や調整フロート12等を位置決め固定した状態に保持することができるための十分な強度を有している。各構成部材15a同士及び各構成部材15aと送出管18との接続は、例えばボルト接合により行われる。なお、採取フロート11は、架台15に直接取り付けられておらず、送出管18を介して架台15に取り付けられている。
【0082】
従って、採取フロート11は、架台15を介した調整フロート12の浮力とそれ自身の浮力が作用して、フロートの側面及び下面に開口する二種類の流入水路16の吸引口16aが何れも水面下に没するように、水面に浮かせたまま保持されることになる(図4(b)参照)。
【0083】
そして、この採取フロート11を中心としてその周囲の水面に浮かんだ状態で、4個の調整フロート12が架台15を介し、更に、これら4個の調整フロート12の外側に4個の水流形成板13がロープ27を介し、それぞれほぼ等間隔離間して配置固定されている(図2参照)。
【0084】
なお、調整フロート12、水流形成板13、及び泡発生装置14は、それぞれ必ずしも4個設置する必要はなく、必要に応じて3個或いは5個以上設置しても良い。
【0085】
上述した水中浮遊物採取装置10により、泡発生器14が発生させた泡が、水中浮遊物であるアオコを捕捉したまま水面に向かって上昇し、水流形成部13に衝突して採取フロート11に向かう水流を形成する。この水流と共に、アオコが採取フロート11に吸引され取り込まれる。採取フロート11に採取されたアオコは、採取フロート11から送出管18を介して排出される。以下、その具体的手順を説明する。
【0086】
先ず、各泡発生装置14が発生させた微細泡が、中層アオコに付着することにより、中層アオコは、気泡付着アオコとなって水面に浮上する。水面に浮上した気泡付着アオコは、各水流形成板13の傾斜面13aに衝突した後、その傾斜方向に沿って形成される水流により、それぞれが採取フロート11へと向かって流される。
【0087】
また、各水流供給管19のノズル19aから、採取フロート11へと向かって吐出される水流により、表層アオコ(気泡付着アオコとなって表層部に浮遊する中層アオコも含む)は、採取フロート11に向かって流される。
【0088】
即ち、各水流形成板13によって形成される水流と、各水流供給管19によって形成される水流とで、表層アオコは、水中浮遊物採取装置10の中心方向である採取フロート11へと向かう方向へ流される。
【0089】
次に、採取フロート11へと向かって採取フロート11の周囲に集まった表層アオコは、回転する採取フロート11の羽根板22で掻き寄せられる。掻き寄せられた表層アオコは、吸引ポンプ(図示しない)の吸引力により、回転する採取フロート11の側面及び下面に開口する吸引口16aから流入水路16に吸引される。
【0090】
採取フロート11の側面及び下面の吸引口16aから吸引されたアオコは、連結部17内に貯留され、その後、送出管18の内部を吸引されて行く。吸引されたアオコは、吸引ポンプを経て、アオコ処理装置(図示しない)に運ばれる。
【0091】
次に、アオコ処理装置に運ばれて湖沼等の水面及び水中から取り除かれたアオコには、アオコ処理装置において、例えば再生不能処理等の後処理が施される。なお、再生不能処理されたアオコについては、吸引ポンプ等の排出圧を利用して、再び湖沼等へ排出することもできる。
【0092】
図5は、図1の送出管の他の取り付け例を示す説明図である。図5に示すように、送出管18を、採取フロートの下部に取り付けても良い。この場合、採取フロートの上部に突設する(図1参照)ときには必要なかった、吊り下げ手段が必要となる。
【0093】
送出管18を採取フロート30の下部に取り付ける場合、採取フロート30は、例えば、アオコ処理船31等に設置された採取フロート吊り下げ機構32により、水面に吊り下げられた状態に保持される。このとき、採取フロート30は、架台15を介した調整フロート12の浮力により水面に保持された場合(図1参照)と同様に、フロートの側面及び下面に開口する二種類の流入水路16の吸引口16aが何れも水面下に没するように、水面に浮かせたまま保持される。
【0094】
採取フロート30は、上面に、採取フロート吊り下げ機構32の吊りフック32aが係止される係止部33を、採取フロート30に対しを回動自在に形成すると共に、送出管18が、連結部17の底面にベアリング部25を介して回動自在に取り付けられており、更に、上面に、連結部17を目で見て確認するための点検用窓34を有する他は、採取フロート11(図1,3,4参照)と同様の構成及び作用を有している。なお、送出管18は、途中、可撓性の部材からなるホース35に連結されて吸引ポンプに接続されている。
【0095】
このように、採取フロート30を、採取フロート吊り下げ機構32を用いて水面に吊り下げられた状態に保持した場合、調整フロート12及び架台15を必要としないので、水中浮遊物採取装置10の構造が大幅に簡略化される。このため、装置コストの低減、設置条件の緩和、装置移動の容易性等の効果が得られる。
【0096】
図6は、図1の水流供給管の他の取り付け例を示す説明図である。図6に示すように、水流供給管19のノズル19aを、調整フロート12ではなくノズル用フロート36により保持しても良い。ノズル用フロート36は、水流供給管19から送り出された水流が採取フロート11に向かって吐出されるように、ノズル19aを採取フロート11に向けると共に、浮力を調整して、調整フロート12とは無関係に、ノズル19aの位置を水中或いは水面上の任意の位置に固定することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、採取手段は、水面に浮いた状態に設置されて水中浮遊物を採取し、泡発生手段は、水中に沈んだ状態に設置されて、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させ、水流形成手段は、水面に浮いた状態に設置されて、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取手段に向かわせる水流を発生させるので、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る水中浮遊物採取装置の構成を示す部分斜視図である。
【図2】図1の水中浮遊物採取装置の設置状態を示す平面図である。
【図3】図1の採取フロートの斜視図である。
【図4】図3の採取フロートを示し、(a)は底面図、(b)は部分断面図である。
【図5】図1の送出管の他の取り付け例を示す説明図である。
【図6】図1の水流供給管の他の取り付け例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 水中浮遊物採取装置
11 採取フロート
12 調整フロート
13 水流形成板
13a 傾斜面
14 泡発生器
15 架台
15a 構成部材
16 流入水路
16a 吸引口
16b 水路側壁
17 連結部
18 送出管
19 水流供給管
19a ノズル
20 水中ポンプ
21 流入水路確保板
22 羽根板
23 金網
24 金網筒
25 ベアリング部
26 アンカー
26a アンカロープ
27 調整ネジ
28 ロープ
29 空気供給管
30 採取フロート
31 アオコ処理船
32 採取フロート吊り下げ機構
32a 吊りフック
33 係止部
34 点検用窓
35 ホース
36 ノズル用フロート
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中浮遊物採取装置に関し、特に、水面や水中に浮遊する浮遊生物(プランクトン)を収集し採取する水中浮遊物採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、淡水域の水面や水中に浮遊する水中浮遊物として、所謂アオコが知られている。アオコについては、第1に「湖沼で藻類が大発生する現象の一つで、特に水面に集積し水の色が濃い緑色を呈する状態」、第2に「このような原因を作り出している藻類群」、の2つを意味するものと解釈されている。また、第1のものは「水の華」とも呼ばれている。
【0003】
アオコは、閉鎖性水域である湖沼等において、水面下約3m以内の水中に浮遊する。これが水面に浮上してスカム状になり、腐敗するようになると、悪臭を放つばかりでなく、棲息する魚類等の生存を脅かす場合もある。また、その水を飲料水として利用する場合には、飲料水の味を悪くするばかりでなく不快な臭いも付着し、観光地の場合には、景観を損ねて不評を買うことにもなる。
【0004】
このため、湖沼等に溜まった水の水質保全に関する諸施策の内でも、特にアオコヘの対策は緊急を要するものであり、その対策技術の開発が望まれている。
【0005】
このような状況におけるアオコ対策技術としては、大別して、富栄養化防止・日光遮断・水温低下・PH調整・曝気等による「アオコを発生させない直接的技術」、下水道の整備・葦等の植栽・生態系の管理・流入水の管理等による「環境を変化させて徐々に減少させる間接的技術」、「発生したアオコを直接除去する技術」、の3つが考えられている。
【0006】
この中で、「アオコを発生させない直接的技術」については、窒素・リン濃度を減少させるために水質を改善する必要があり、また、日光・水温等の自然現象に密接に関わることから、単独では対処できない。更に、「環境を変化させて徐々に減少させる間接的技術」については、即効性や結果の確実性を得難い。従って、上述した何れの技術も、大規模な対応や長期に渡る対応を必要とすることから、実現が困難な場合が多い。
【0007】
これに対し、「発生したアオコを直接除去する技術」については、アオコを除去するための除去対象水量や面積を任意に設定することができる上に、アオコの発生する時期を対象として実施することができるため、効果的な対応が可能である。
【0008】
アオコ対策のための「発生したアオコを除去する技術」としては、薬品で沈殿除去する方法、超音波で除去する方法、電気的な処理により除去する方法、物理的な処理により除去する方法、オゾンで除去する方法等があり、これらは、収集手段を用いない方法と、収集手段を用いてアオコを採取する方法に、大別することができる。
【0009】
収集手段を用いない方法では、装置を定置式にする場合が多く、河川等のように一方向の流れがある場合以外では、隙間無く対応するために装置設置箇所の増加が避けられず、即効性に劣るものが多い。
【0010】
一方、収集手段を用いてアオコを採取する方法では、装置を移動式にすることが可能なものも多く、定置式にする場合でも表層部のアオコを収集することにより、アオコを積極的に採取しない方法ほど多くの装置設置箇所を必要としない。また、短期間の対策に適している。
【0011】
ところで、アオコは、水面下約3m以内の水中に浮遊し、水面に集積する性質があることから、例えば、浮遊油を回収するための器具等を用いて、浮遊油と同様に、水面に集積するアオコを収集採取することが考えられる。このような浮遊油を回収するための器具が幾つか提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浮遊油を回収する器具は、厚さが約1mm以下の極めて薄い層を回収対象としたものであり、水面からその下3m程の厚さの層を分布範囲とするアオコの収集採取には、対応することが難しい。
【0013】
このように、水面下の一定幅を有する層に分布するアオコ等の水中浮遊物を効率的に採取するための技術については、未だ確立されていないのが現状である。
【0014】
この発明の目的は、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる水中浮遊物採取装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る水中浮遊物採取装置は、水面に浮いた状態に設置され、水中浮遊物を採取する採取手段と、水中に沈んだ状態に設置され、前記水中浮遊物を捕捉し前記水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生手段と、水面に浮いた状態に設置され、上昇する前記泡が衝突して前記水中浮遊物を前記採取手段に向かわせる水流を発生させる水流形成手段とを有することを特徴としている。
【0016】
上記構成を有することにより、水中に沈んだ状態に設置された泡発生手段により、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡が発生し、水面に浮いた状態に設置された水流形成手段により、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取手段に向かわせる水流が発生し、水面に浮いた状態に設置された採取手段により、流れてくる水中浮遊物を採取する。これにより、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明に係る水中浮遊物採取装置は、水中浮遊物である、例えば、植物プランクトン(所謂赤潮)や動物プランクトン等の水面や水中に浮遊する浮遊生物(プランクトン)、特に、淡水域に発生する浮遊性藍藻(所謂アオコ)を、効率的に収集・捕捉するための装置であり、以下の機能を備えていることが望ましい。
【0018】
なお、この実施の形態においては、採取対象の水中浮遊物が湖沼等に発生するアオコの場合について説明する。
1.水面(表層)に浮上したアオコ(所謂水の華)を採取できること。
2.水中(中層)に浮遊するアオコも採取できること。
3.吸引ポンプに悪影響を与えないように空気を混入させないこと。
4.高濃度のアオコを採取できること。
5.広範囲のアオコを採取できること。
6.粒径の大きなゴミを吸引しないこと。
7.効率的に採取できること。
【0019】
ところで、アオコを採取する場合、採取対象となるのは、水面に浮上している「水の華」に対するものが一般的であるが、アオコの増殖速度を考えた場合、水面に浮上したアオコを除去しただけでは不十分であり、水中に浮遊するアオコの除去も考えなければならない。
【0020】
しかしながら、水中に浮遊するアオコの濃度は、水面に浮上している「水の華」より薄いので、水中に浮遊するアオコをポンプ等で直接吸引し採取しようとすれば、採取に際し、アオコの量に比して大量の水を処理しなければならない。よって、効率的な採取方法とは言えない。そこで、水中に浮遊するアオコについては、強制的に水面に浮上させて、既に水面に浮上しているアオコと共に採取することにする。
【0021】
なお、空気を混入させない機能については、吸引機器に一般的なポンプを接続することを前提としたために必要となるものであり、空気混入が能率低下の要因とならないポンプを使用する場合は、必要としない。
【0022】
次に、水中浮遊物採取装置におけるアオコの捕捉力と対象水深について説明する。水面に浮遊する物体を捕捉する場合、一般的には、油回収機器に見られるように周囲から中心に向かって自由水面から流下させて捕捉する方法が主流である。この方法で捕捉能率を上げるためには、機器の中心に位置する採取部の取水高さを下げることが考えられるが、これでは、同時に大量の水を採取してしまい効率的に採取することができない。
【0023】
また、自由流下させた場合、機器の中心樋から吸引する量と流下量のバランスを取ることが難しく、ポンプの吸引力に対し流下量が不足すると、空気を吸引してしまうことになってポンプ故障等の原因になり、反対に流下量が多いと、効率的なアオコ収集ができないことになる。
【0024】
従って、このバランスを取るため、水中浮遊物採取装置においては、自由流下方法ではなく、中心樋を介してポンプ吸引力を利用した吸引方法を採用する。
【0025】
また、アオコの浮遊濃度分布は、水面下5cm程度の水深では高濃度であり、水面下2〜3m程度の水深では低濃度であり、それより深い水深では極少濃度である。よって、水面表層の浮遊油回収のように極薄表層部の採取を考えるより、水面下5cm程度の水面下層部の採取を対象にする方が効率的である。
【0026】
このことから、水中浮遊物採取装置は、ポンプ等の吸引力を利用することとし、その吸引力による採取対象水深は、水面下5cm程度の水面下層部とする。なお、対象水深以下のアオコに対しては、後述する水中に浮遊するアオコの採取方法により対処する。
【0027】
次に、水中浮遊物採取装置によって採取したアオコ含有水への空気混入を防止することについて説明する。一般的に、吸引式のポンプにおいて、気液混合物に対応したものは少なく、空気がある程度以上混入するとキャビデーション等を発生し、ポンプ故障の原因となる。
【0028】
水中浮遊物採取装置に用いるポンプは、吸引式のポンプを基本に考えており、機械的な能率向上を図るために、採取したアオコ含有水への空気混入は極力防止する必要がある。
【0029】
日本における代表的なアオコであるミクロキスチス(Microcystis)やアナベナ(Anabaena)の増殖速度は、
比増殖速度μ=0.64〜0.66day−1
倍加時間td=25.0〜25.9hr
であり、増殖条件が良いと爆発的な速度で繁殖する。アオコを採取し処理するためには、繁殖速度より早い処理速度で対応する必要がある。従って、この処理速度を考慮した場合、アオコの大量採取が必要となり、吸引ポンプの容量も大きなものが必要となる。一例として、ポンプ容量が420m3/hrのものがある。
【0030】
しかしながら、ポンプ容量が420m3/hrの吸引ポンプの場合、その吸引力が非常に強く、表層水の採取に当たって取水口を水面下50cm程度より浅くすると、吸い込み渦が発生して空気を吸引してしまうこととなる。従って、取水口を水面下50cmより深くする必要があるが、この場合、大量の水を採取することになりアオコ採取の効率が非常に悪くなる。
【0031】
このため、吸引ポンプの吸引口は、大容量ポンプでも空気の混入を無くすために、吸い込み渦を発生させない機構とし、吸引口の水面上に蓋状物を設ける。
【0032】
また、アオコの濃度は、一般的に、昼間の水面下5cm(場合によっては10cm)程度の水面下層が最も高くなる(1日を単位とすれば、朝方から夕方にかけて表層が濃くなり、夕方から夜中にかけて表層が薄くなる)。
【0033】
このため、高濃度のアオコを昼間に採取するためには、できるだけ水面近くから採取することが望ましい。吸引ポンプの吸引口が大中口径の場合、水面に蓋をするだけでその下からその口径で直接吸引するのは、アオコ濃度の薄いものまで吸引することになることから、効率的でない。
【0034】
従って、水中浮遊物採取装置は、吸引ポンプの吸込口に連絡部を設置し、その連絡部から放射状に流入水路を形成して、流入水路の先端から水面下層(水深5cm程度)のアオコを採取する構造とする。これにより、高濃度のアオコを効率よく採取することができる。
【0035】
次に、水中浮遊物採取装置におけるアオコ採取対象範囲の拡大について説明する。吸引ポンプの吸込口径は、ポンプ容量が420m3/hrクラスの場合、φ250mm程度が必要であることから、この口径での吸引を考えると、その吸引影響範囲は2.5m程度(口径のほぼ10倍と仮定)となる。この吸引影響範囲を拡大し採取効率を上げるため、連絡部に接続する流入水路を伸張する。
【0036】
更に、流入水路は、その断面積の合計が吸込口径の断面積より小さくなるように設定し、水路による吸引速度を高めることが、その影響範囲を拡大するために効果的である。
【0037】
また、これら連絡部や流入水路等を設置固定するためには、水上に浮かぶフロートが必要である。特に、流入水路は、空気を吸い込まないようにするため、フロートに凹部を設けて水面下に内蔵した構造とする。
【0038】
アオコは、フロートに設置した吸引口から採取されるが、その採取口が固定されていると、吸引力による吸入範囲が限られてしまうため効率的でない。そこで、各流入水路における流入水の圧力方向の変化が同一となるように各流入水路を一定方向に曲げて形成し、流入水の圧力方向変化力によってフロート自体を回転させるようにする。
【0039】
各流入水路の曲げ角度は、20度〜70度程度とする。フロートの回転速度は、効率的に採取することができるように吸引ポンプの吸引力や流入水路の形状を調整して、適宜調整する。
【0040】
また、フロートの外周面には、複数の羽根板が設置されている。各羽根板は、フロートに放射状に設けられた各吸入水路毎に、吸入水路の延長方向に沿って延びるように取り付けられている。その長さは、フロート半径の1/4〜3/4程度が望ましく、フロートの回転力調整やごみ吸い込み防止対策のために、板体を湾曲させて形成しても良い。この羽根板の設置は、フロートの回転力による効果を高めて更に広範囲なアオコ採取を可能とし、回転力の調整にも寄与する。
【0041】
次に、水中浮遊物採取装置におけるゴミ対策について説明する。アオコが発生する湖沼等は、閉鎖水域であることが多く、水面上にはアオコと共に浮上ゴミが多く存在する。効率的なアオコ採取のためには、ゴミ対策が重要である。
【0042】
一般的な対策としては、水中浮遊物採取装置のアオコ採取口前面に金網等を設けて、浮上ゴミを取り込まないようにする。また、吸入水路からの水流が金網を通り抜けてポンプとの連絡部に流れ込むように、吸入水路と連絡部の間に金網筒を設置し、更に吸入口にも金網を設置する。これら金網の格子寸法は、吸入口より金網筒の方が小さいものとする。
【0043】
この方法の場合、金網の格子寸法とほぼ同一の大きさのゴミは、金網の目詰まりを発生させて採取能率を低下させてしまう原因となる。ゴミにより金網に目詰まりが発生した場合、ポンプとの連絡部の圧力低下やポンプ流量の低下現象を引き起こすことから、例えば、圧力計や流量計等の目詰まり監視用センサを設置し、センサからの検出情報により、必要に応じて排水管に設置している弁を自動的に開閉し、目詰まり解消のために逆洗するシステムを設置しても良い。
【0044】
次に、水中浮遊物採取装置による水中浮遊アオコの採取方法について説明する。上述した水中浮遊物採取装置により、所謂「水の華」と言われている表層アオコは効果的に採取することができるが、水中に浮遊するアオコについては同様な効率で採取することができない。
【0045】
一般的に、アオコの除去対策として提案されている採取装置は、殆ど「水の華」に対するものであり、「水の華」より下層の水中に浮遊するアオコに対しては、考慮されていない。ここでは、水中に浮遊するアオコを水面に浮上させ、表層のアオコと共に採取する方法を提案する。
【0046】
「水の華」の代表とされるミクロキスチスの細胞は、直径平均値が3.0〜5.5μm程度であり、それらの集合体が「水の華」を形成している。水中に浮遊しているアオコは、細胞が集合体を形成しているものもあるが、細胞のまま或いはそれに近い大きさのものもある。
【0047】
このような極小物であるアオコを捕捉するために、微細空気泡をアオコに付着させて微細空気泡と共にアオコを浮上させ、浮上したアオコを水中浮遊物採取装置により採取する。
【0048】
微細空気泡の発生装置は、アオコが浮遊する水深より深い位置(一般的に水深2〜3m程度)に設置する。微細空気泡の大きさは、アオコ細胞の大きさと同等或いはそれ以下とする。空気泡を微細にすることにより、アオコ細胞に付着し易くなり、アオコを効率的に浮上させることができる。
【0049】
この微細空気泡の発生装置は、水中浮遊物採取装置の外周囲に、採取フロートを中心にした同心円状の複数箇所に離間して配置する。微細空気泡の各発生装置のほぼ真上の水面には、水流形成板が配置されている。各水流形成板は、微細空気泡の発生装置が発生させた微細空気泡を受け止め、受け止めた微細空気泡が採取フロートに向かう表面水流となるように、下面側が採取フロートに向かって上り傾斜となる傾斜面により形成されている。
【0050】
更に、ゴミを逆洗するための逆洗用ポンプを利用して、水中浮遊物採取装置の中心方向に向けて表面水流を発生させる。逆洗用ポンプは、ゴミの逆洗時以外は使用しないので、表面水流を発生させるため通常時運転することが可能である。この逆洗用ポンプは、中心から放射線状に配置されたパイプに分岐して吐出口を中心方向に向けるように、設置する。
【0051】
このように、傾斜面による表面水流の作用、及び逆洗用ポンプによる表面水流の作用が、採取フロートの吸入口からの吸入作用に相乗的効果を与え、採取フロートの中心へと向かう表面水流を加速する。この結果、水中浮遊物採取装置の周囲の広い範囲をアオコ採取範囲とすることができるので、広範囲な面積の水面及び水中に浮遊するアオコを採取することが可能になる。
【0052】
また、この水中浮遊アオコの浮上には、微細空気泡を使用することから、曝気効果が現れ、アオコの増殖速度を減速させ、アオコ除去期間の大幅短縮となる。
【0053】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0054】
図1は、この発明の一実施の形態に係る水中浮遊物採取装置の構成を示す部分斜視図であり、図2は、図1の水中浮遊物採取装置の設置状態を示す平面図である。
【0055】
図1及び図2に示すように、水中浮遊物採取装置10は、水面に浮いた状態に設置される、1個の採取フロート(採取手段)11、4個の調整フロート(保持調整手段)12、及び4個の水流形成板13(図2参照)と、水中に沈んだ状態に設置される4個の泡発生器14(図1参照)とを有している。
【0056】
4個の調整フロート12は、架台15により位置決め固定されており、採取フロート11を中心に、採取フロート11の周囲にほぼ等間隔離間して同心円状に配置されている。4個の水流形成板13は、調整フロート12の外側で各調整フロート12の間に位置するように、ほぼ等間隔離間して同心円状に配置されている(図2参照)。4個の泡発生器14は、発生させた泡が上昇して水流形成板13に衝突するように、それぞれ各水流形成板13のほぼ真下に配置されている。
【0057】
採取フロート11には、採取フロート11の流入水路16に連通する連結部17が設けられ、連結部17には、アオコを吸引する吸引ポンプ(図示しない)に連結された送出管18が取り付けられている。
【0058】
各調整フロート12の側面には、水流供給管19のノズル19aが配置されている。このノズル19aは、水流供給管19から送り出された水流が採取フロート11に向かって吐出されるように、採取フロート11に向けられている。水流供給管19は、送出管18にも連通しており、架台15に沿って設置されると共に、水流を発生させる水中ポンプ20に接続されている。
【0059】
この水中浮遊物採取装置10は、例えば、湖沼等に設置されて、湖沼等の水中に浮遊するアオコ(水中浮遊物)を採取フロート11に吸引し採取する。アオコは、水面下約3mの範囲に浮遊しており、水面下約3mより深い水中には、一見して浮遊していないように見え極めて少ない。
【0060】
水面下約5cm以内の表層部を浮遊するアオコ(以後、表層アオコと略称する)は、採取フロート11により直接採取することができ、水面下約5cmから約3mの中層部を浮遊するアオコ(以後、中層アオコと略称する)は、泡発生器14を用いて発生させた微細泡をアオコに付着させてアオコを表層部に上昇させることにより、採取することができる。
【0061】
図3は、図1の採取フロートの斜視図である。図4は、図3の採取フロートを示し、(a)は底面図、(b)は部分断面図である。図3及び図4に示すように、採取フロート11は、厚みのある円盤状に形成され、それ自体で水面に浮くための浮力を有することが望ましい。
【0062】
流入水路16は、フロート側面及びフロート下面に吸引口16aが開口し矩形状横断面を有する溝状に形成され(図4参照)、連結部17は、フロート中央の上下面を貫通する円筒状に形成されている(図3参照)。
【0063】
従って、連結部17に連通する流入水路16の吸引口16aは、主に表層アオコを採取対象としてフロート側面に開口するものと、主に中層アオコを採取対象としてフロート中心部分を除いて下面に開口するものの、二種類が設けられることになる(図4(b)参照)。
【0064】
フロート下面に開口する吸引口16aからは、空気を含まない表面水を採取することができる。また、フロート側面に開口する吸引口16aは、アオコの流入抵抗を低減するため、水路側壁16b(図4参照)が水路屈曲方向に沿う円弧状に形成されて、横に広げられている。
【0065】
この流入水路16は、アオコの吸引時、採取フロート11に送出管18を回転軸とした回転力(図4中、矢印参照)が加わるように、連結部17から放射状に、且つ、ほぼ水路中央部で屈曲する形状に(図4(a)参照)、形成されている。この流入水路16の断面形状は、採取フロート11を回転させるための速度を必要とすることから、吸引ポンプの能力を加味して決められる。流入水路16の水路屈曲部迄のフロート中心部分は、採取フロート11の回転力を効果的に得るため、流入水路確保板21により塞がれている。
【0066】
また、フロート外周面には、流入水路16の吸引口16a近傍に、複数(この例では8枚)の羽根板22が取り付けられており(図3,4参照)、流入水路16の全ての吸引口16aは、ゴミの流入を阻止するための金網23で覆われている。
【0067】
連結部17は、流入水路16を介して取り込んだアオコを一時的に滞留させる密閉された空間を形成し、流入水路16と上部に突設された送出管18を連結する。従って、連結部17に取り込まれたアオコは、連結部17から送出管18を経て吸引ポンプに吸引され、その後、アオコ処理装置(図示しない)に運ばれ処理される。連結部17の内部には、吸引対象ではないゴミ等(対象外吸引物)の流入防止対策として、連結部17と相似形状の金網からなる筒体(金網筒)24が装着されており、流入水路16から流れ込んだゴミを容易に取り除くことができる。
【0068】
アオコは、吸引作用により採取フロート11に採取されるが、その際、アオコと共にゴミ等も流入水路16に取り込まれてしまうので、吸引口16aを覆う金網23によりゴミ等の流入を阻止している。更に、連結部17に金網筒24を設置することで、ゴミ等が入り込むのを二重に阻止している。
【0069】
連結部17と送出管18は、接続ボルト等の連結手段を用いて連結されており、連結手段を取り外すことにより、例えば目詰まりした金網筒24を連結部17から取り出し、簡単に掃除することができる。また、連結部17は、送出管18を介して供給される水流供給管19からの水流により逆洗して、自動的にゴミ等を取り除くことができる。この逆洗用水流は、ノズル19aから採取フロート11に向かって吐出される水流と同様に、水流供給管19に接続される水中ポンプ20から供給される。
【0070】
送出管18は、ベアリング部25を介して連結部17に取り付けられており、連結部17、即ち、採取フロート11が、送出管18に対し自在に回動可能である(図3中、矢印参照)。採取フロート11が水面に沿って回転することにより、採取フロート11の周囲のより広い範囲で、アオコを効率的に採取することができる。
【0071】
羽根板22は、流入水路16の開口の採取フロート回転方向側に、採取フロート回転方向に沿って湾曲した形状で放射状に設置されている(図3,4参照)。この羽根板22により、採取フロート11の回転に伴い、採取フロート11周囲の水が流入水路16の開口に向けて掻き寄せられる。よって、採取フロート11に吸引可能なアオコの範囲を、採取フロート11の周辺部分に広げることができる。
【0072】
調整フロート12(図1及び図2参照)は、矩形状或いは円盤状に形成されており、自ら浮力を有している。調整フロート12が備える浮力は、採取フロート11、架台15、送出管18、及び水流供給管19等を水面に浮かせたまま保持することができるために十分なものである。各調整フロート12は、水底に投錨係止されたアンカー26が結ばれたアンカロープ26aにそれぞれ繋がれている(図1参照)。
【0073】
また、調整フロート12には、調整フロート12に対して架台15の位置を上下に移動させることができる調整ネジ(上下調整手段)27が設けられている。調整ネジ27を調整して架台15を移動させることにより、架台15に固定された採取フロート11も上下に移動するので、流入水路16の吸引口16aの水面に対する位置を上下に調整することができる。
【0074】
水流形成板13(図1及び図2参照)は、例えば、発泡スチロール或いは鋼材等によって、水面に浮遊できる十分な浮力を有するように、且つ、下面が、採取フロート11に向かって上向きに傾斜する傾斜面13aからなる立方体状に、形成されている。
【0075】
各水流形成板13は、その両側の水面上に位置する調整フロート12に、ロープ28によりそれぞれ繋がれており、同時に、水底に投錨係止されたアンカー26が結ばれたアンカロープ26aにも繋がれている(図1参照)。
【0076】
泡発生装置14(図1及び図2参照)は、連結された空気供給管29から装置内に空気が供給されることにより、微細な泡を発生させる。この泡発生装置14は、各水流形成板13に吊り下げられて各水流形成板13のほぼ真下の水中に保持される。
【0077】
この泡発生装置14により、直径が数μmの中層アオコを水面に浮上させる浮上分離を行うためには、アオコより小さい直径の泡をアオコに付着させることが必要である。従って、非常に微細な泡を発生させるために、特殊渦流タービンポンプ等の特殊ポンプや特殊ラインミキサ等の特殊発生管を組み合わせた微細泡発生装置が用いられる。
【0078】
これら水流形成板13と泡発生装置14の組み合わせにより、泡発生装置14が発生させた微細な泡が中層アオコを捕捉し、更に、捕捉した中層アオコを泡の浮上力を利用して水面近傍に浮上させる。浮上した中層アオコは、水流形成板13の傾斜面13aに衝突し、傾斜面13aに沿って採取フロート11に向かう。
【0079】
即ち、傾斜面13aにより、アオコの浮上速度と泡の押し出し力を利用した、採取フロート11に向かう水流が発生し、浮上した中層アオコを、各水流形成板13から採取フロート11に向けて送り出す。この結果、採取フロート11が配置された水中浮遊物採取装置10のほぼ中央に、水中から浮上させた中層アオコが集積する。
【0080】
このように、採取フロート11により、表層アオコを直接吸引して採取することができると共に、水面に浮上させた中層アオコを採取することができる。
【0081】
架台15は、例えばH型鋼材等からなる2本の構成部材15aにより、水面に沿う縦横十字形状に組み合わせて形成されており、採取フロート11に取り付けられた送出管18や調整フロート12等を位置決め固定した状態に保持することができるための十分な強度を有している。各構成部材15a同士及び各構成部材15aと送出管18との接続は、例えばボルト接合により行われる。なお、採取フロート11は、架台15に直接取り付けられておらず、送出管18を介して架台15に取り付けられている。
【0082】
従って、採取フロート11は、架台15を介した調整フロート12の浮力とそれ自身の浮力が作用して、フロートの側面及び下面に開口する二種類の流入水路16の吸引口16aが何れも水面下に没するように、水面に浮かせたまま保持されることになる(図4(b)参照)。
【0083】
そして、この採取フロート11を中心としてその周囲の水面に浮かんだ状態で、4個の調整フロート12が架台15を介し、更に、これら4個の調整フロート12の外側に4個の水流形成板13がロープ27を介し、それぞれほぼ等間隔離間して配置固定されている(図2参照)。
【0084】
なお、調整フロート12、水流形成板13、及び泡発生装置14は、それぞれ必ずしも4個設置する必要はなく、必要に応じて3個或いは5個以上設置しても良い。
【0085】
上述した水中浮遊物採取装置10により、泡発生器14が発生させた泡が、水中浮遊物であるアオコを捕捉したまま水面に向かって上昇し、水流形成部13に衝突して採取フロート11に向かう水流を形成する。この水流と共に、アオコが採取フロート11に吸引され取り込まれる。採取フロート11に採取されたアオコは、採取フロート11から送出管18を介して排出される。以下、その具体的手順を説明する。
【0086】
先ず、各泡発生装置14が発生させた微細泡が、中層アオコに付着することにより、中層アオコは、気泡付着アオコとなって水面に浮上する。水面に浮上した気泡付着アオコは、各水流形成板13の傾斜面13aに衝突した後、その傾斜方向に沿って形成される水流により、それぞれが採取フロート11へと向かって流される。
【0087】
また、各水流供給管19のノズル19aから、採取フロート11へと向かって吐出される水流により、表層アオコ(気泡付着アオコとなって表層部に浮遊する中層アオコも含む)は、採取フロート11に向かって流される。
【0088】
即ち、各水流形成板13によって形成される水流と、各水流供給管19によって形成される水流とで、表層アオコは、水中浮遊物採取装置10の中心方向である採取フロート11へと向かう方向へ流される。
【0089】
次に、採取フロート11へと向かって採取フロート11の周囲に集まった表層アオコは、回転する採取フロート11の羽根板22で掻き寄せられる。掻き寄せられた表層アオコは、吸引ポンプ(図示しない)の吸引力により、回転する採取フロート11の側面及び下面に開口する吸引口16aから流入水路16に吸引される。
【0090】
採取フロート11の側面及び下面の吸引口16aから吸引されたアオコは、連結部17内に貯留され、その後、送出管18の内部を吸引されて行く。吸引されたアオコは、吸引ポンプを経て、アオコ処理装置(図示しない)に運ばれる。
【0091】
次に、アオコ処理装置に運ばれて湖沼等の水面及び水中から取り除かれたアオコには、アオコ処理装置において、例えば再生不能処理等の後処理が施される。なお、再生不能処理されたアオコについては、吸引ポンプ等の排出圧を利用して、再び湖沼等へ排出することもできる。
【0092】
図5は、図1の送出管の他の取り付け例を示す説明図である。図5に示すように、送出管18を、採取フロートの下部に取り付けても良い。この場合、採取フロートの上部に突設する(図1参照)ときには必要なかった、吊り下げ手段が必要となる。
【0093】
送出管18を採取フロート30の下部に取り付ける場合、採取フロート30は、例えば、アオコ処理船31等に設置された採取フロート吊り下げ機構32により、水面に吊り下げられた状態に保持される。このとき、採取フロート30は、架台15を介した調整フロート12の浮力により水面に保持された場合(図1参照)と同様に、フロートの側面及び下面に開口する二種類の流入水路16の吸引口16aが何れも水面下に没するように、水面に浮かせたまま保持される。
【0094】
採取フロート30は、上面に、採取フロート吊り下げ機構32の吊りフック32aが係止される係止部33を、採取フロート30に対しを回動自在に形成すると共に、送出管18が、連結部17の底面にベアリング部25を介して回動自在に取り付けられており、更に、上面に、連結部17を目で見て確認するための点検用窓34を有する他は、採取フロート11(図1,3,4参照)と同様の構成及び作用を有している。なお、送出管18は、途中、可撓性の部材からなるホース35に連結されて吸引ポンプに接続されている。
【0095】
このように、採取フロート30を、採取フロート吊り下げ機構32を用いて水面に吊り下げられた状態に保持した場合、調整フロート12及び架台15を必要としないので、水中浮遊物採取装置10の構造が大幅に簡略化される。このため、装置コストの低減、設置条件の緩和、装置移動の容易性等の効果が得られる。
【0096】
図6は、図1の水流供給管の他の取り付け例を示す説明図である。図6に示すように、水流供給管19のノズル19aを、調整フロート12ではなくノズル用フロート36により保持しても良い。ノズル用フロート36は、水流供給管19から送り出された水流が採取フロート11に向かって吐出されるように、ノズル19aを採取フロート11に向けると共に、浮力を調整して、調整フロート12とは無関係に、ノズル19aの位置を水中或いは水面上の任意の位置に固定することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、採取手段は、水面に浮いた状態に設置されて水中浮遊物を採取し、泡発生手段は、水中に沈んだ状態に設置されて、水中浮遊物を捕捉し水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させ、水流形成手段は、水面に浮いた状態に設置されて、上昇する泡が衝突して水中浮遊物を採取手段に向かわせる水流を発生させるので、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を効率的に採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る水中浮遊物採取装置の構成を示す部分斜視図である。
【図2】図1の水中浮遊物採取装置の設置状態を示す平面図である。
【図3】図1の採取フロートの斜視図である。
【図4】図3の採取フロートを示し、(a)は底面図、(b)は部分断面図である。
【図5】図1の送出管の他の取り付け例を示す説明図である。
【図6】図1の水流供給管の他の取り付け例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 水中浮遊物採取装置
11 採取フロート
12 調整フロート
13 水流形成板
13a 傾斜面
14 泡発生器
15 架台
15a 構成部材
16 流入水路
16a 吸引口
16b 水路側壁
17 連結部
18 送出管
19 水流供給管
19a ノズル
20 水中ポンプ
21 流入水路確保板
22 羽根板
23 金網
24 金網筒
25 ベアリング部
26 アンカー
26a アンカロープ
27 調整ネジ
28 ロープ
29 空気供給管
30 採取フロート
31 アオコ処理船
32 採取フロート吊り下げ機構
32a 吊りフック
33 係止部
34 点検用窓
35 ホース
36 ノズル用フロート
Claims (14)
- 水面に浮いた状態に設置され、水中浮遊物を採取する採取手段と、
水中に沈んだ状態に設置され、前記水中浮遊物を捕捉し前記水中浮遊物と共に水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生手段と、
水面に浮いた状態に設置され、上昇する前記泡が衝突して前記水中浮遊物を前記採取手段に向かわせる水流を発生させる水流形成手段と
を有することを特徴とする水中浮遊物採取装置。 - 前記採取手段は、
前記採取手段の少なくとも側面に吸引口が開口する溝状に形成され、前記水中浮遊物を水と共に吸引する、複数の流入水路を有することを特徴とする請求項1に記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記採取手段は、
前記各流入水路の吸引口が水面下に没する状態に保持されることを特徴とする請求項2に記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記採取手段は、
前記各流入水路に吸引される流入水の圧力により、水面に沿って自転することを特徴とする請求項2または3に記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記採取手段は、
前記各流入水路と前記水中浮遊物を吸引する吸引ポンプに連通する送出管とを連結し、前記採取手段に対し離脱自在に装着された連結手段を有することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記連結手段は、前記連結手段に対し離脱自在に装着されて、前記水中浮遊物と共に吸引される対象外吸引物が入り込むのを阻止する阻止手段を有することを特徴とする請求項5に記載の水中浮遊物採取装置。
- 前記採取手段の周囲に配置され、前記採取手段に向かう水流を吐出するノズルを備えた水流供給手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。
- 水面に浮いた状態に設置され、前記採取手段を水面に浮いた状態に保持するための浮力を備えた保持調整手段を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。
- 前記保持調整手段は、
前記採取手段の周囲に固定配置する位置固定手段を介して複数個配置され、それぞれ前記採取手段の水面に対する位置を上下に移動させることができる上下調整手段を有することを特徴とする請求項8に記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記採取手段を中心としてその周囲の水面に浮かんだ状態で、3個以上の前記保持調整手段が、更に、前記保持調整手段の外側に3個以上の前記水流形成手段が、それぞれほぼ等間隔離間して配置固定されていることを特徴とする請求項8または9に記載の水中浮遊物採取装置。
- 前記採取手段を吊り下げて、前記採取手段を水面に浮いた状態に、且つ、水面に沿って自転可能に保持する吊り下げ機構を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。
- 前記吊り下げ機構は、水面に浮かぶ船体に設置されていることを特徴とする請求項11に記載の水中浮遊物採取装置。
- 前記水流形成手段は、前記採取手段に向かって上向きに傾斜する傾斜面からなる下面を有し、
前記泡発生手段は、上昇する泡が前記傾斜面に衝突するように、前記水流形成手段の下方に保持されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。 - 前記水中浮遊物は、植物プランクトンや動物プランクトン等の水面や水中に浮遊する浮遊生物であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の水中浮遊物採取装置。
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- 2002-06-07 JP JP2002166988A patent/JP2004008948A/ja active Pending
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