JP2008141552A - 超音波スピーカの自動変調度調整方法、および自動変調度調整装置 - Google Patents

超音波スピーカの自動変調度調整方法、および自動変調度調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波スピーカは音量のダイナミックレンジが低く、クラシック音楽などにおいて音量が小さな場面では聞こえにくいという問題を解決する。
【解決手段】信号波でキャリア波を振幅変調した変調波の自動変調度調整装置であって、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手段と、前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手段と、備えることを特徴とする自動変調度調整装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波をオーディオ信号で変調した信号を超音波振動素子等の超音波トランスデューサにより放出した場合に、パラメトリックアレー効果によって非常に強い指向性を持った差分周波数成分(自己復調音)を放出できる、超音波スピーカに関するものであり、特に、オーディオ信号の特徴に応じて変調波における変調度の自動調整を行うことができる、超音波スピーカの自動変調度調整方法、および自動変調度調整装置に関する。
超音波スピーカは、通常のスピーカに比べて非常に指向性が強いため、音声情報を特定の場所にだけ伝達する等の目的で使用されている。例えば、超音波スピーカは美術館等の展示場において、ある作品の前に近づいて行くと、その近くの限られた範囲内の人にだけ作品に関する説明が聞こえてくるように設置されている。
上述したように超音波スピーカは指向性の強い音波を放出し、またその反射波を仮想音源として用いるなど、通常のオーディオ装置では実現困難な機能を有している。しかしながら通常のオーディオ装置を用いて得られる音波に対して、超音波スピーカから得られる可聴音(自己復調音)の効率は低いことが知られている。
超音波スピーカの効率を上げる方法の一つとして、オーディオ信号の振幅を上げることが挙げられる。しかしながら超音波スピーカの場合、そのオーディオ信号で超音波(キャリア波)を振幅変調した変調波で駆動を行う。従ってオーディオ信号の音量を大きくし過ぎると、上述した変調波は過変調状態となり、オーディオ信号を忠実に復調することが出来なくなる。
このことから、超音波スピーカは通常のオーディオ装置に比べて調整可能な音量のダイナミックレンジが低く、また効率を上げることが困難であるという課題がある。例えばクラシックのように、音量が小さい静かな場面と音量が大きな場面が交互に現れるような曲構成の場合を考える。この場合超音波スピーカにおいては、音量が最も大きな場面で変調度が100%になるようにオーディオ信号の振幅を調整しておくことで、より高い効率を得ることができる。
しかしながら上述したような状態に調節しても、超音波スピーカでは音量のダイナミックレンジが狭いために、音量の大きな場面は丁度良い大きさの音量で再生できるものの、音量が小さい静かな場面はほとんど聞こえないという問題が生じる。これはすなわち超音波スピーカにおいて、音量のダイナミックレンジが狭いという課題があることを意味している。
なお、従来技術のパラメトリック・スピーカ・システムのための変調器処理がある(特許文献1を参照)。この従来技術は、超音波スピーカシステムのための変調器処理に関するものである。この従来例では、Single Side Band(以後SSBと表記)方式の変調器を使用するなどの工夫により、広帯域要求なしに理想線形性を提供する。すなわち超音波スピーカにより自己的に復調された可聴音の歪を低減することを可能としている。
しかしながらこの従来例のような変調処理を行うだけでは、上述した課題は解決されない。また前記従来技術には、より低い動作周波数(キャリア波周波数)は空気の飽和制限に達する前により大きい変換効率とより大きい出力能力を有する、という記載がある。しかし実際には超音波帯域のキャリア波の周波数を調整しても、大きなエネルギー効率の変化は確認されず、依然超音波スピーカの効率を高め、また音量のダイナミックレンジを広げることはできない、という課題がある。
特表2003−507982号公報
上述したように、超音波スピーカは通常のオーディオ装置に比べて調整可能な音量のダイナミックレンジが低く、また効率を上げることが困難である。このため、クラシックのようなオーディオ信号において音量の大きな場面は丁度良い大きさの音量で再生できるものの、音量が小さい静かな場面ではほとんど聞こえないという問題が生じていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、オーディオ信号の特徴に応じて変調波における変調度の自動調整を行い、信号波の音量が小さい静かな場面において、信号波を十分な音量で再生できる、超音波スピーカの自動変調度調整方法、および自動変調度調整装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、信号波でキャリア波を振幅変調した変調波の変調度を調整する方法であって、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手順と、前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、可聴周波数波帯の信号波(オーディオ信号)に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波(信号波でキャリア波を変調した変調波)の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行う。
これにより、ある任意の時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行うことができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整方法であって、前記信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較するサンプリングデータ比較手順と、前記新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部を取り込まれたサンプリングデータで置き換えるデータ記憶制御手順と、ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたサンプリングデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶手順と、前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたサンプリングデータの最大振幅の情報を基に、前記サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整する信号波振幅調整手順と、前記信号波振幅調整手順により振幅が調整をされた信号波で前記キャリア波を変調する変調手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較し、新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、信号波振幅記憶部が記憶するデータを新しく取り込まれたサンプリングデータで置き換える。そして、時間区間の境界ごとに、信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶する。そして、サンプリングデータの最大振幅の情報を基に、該サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整し、この振幅が調整をされた信号波でキャリア波を変調する。
これにより、時間区間ごとの信号波の振幅の最大値に応じて信号波の振幅調整を行い、この振幅調整された信号波によりキャリア波を変調することができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、前記信号波振幅調整手順は、前記信号波によるキャリア波との変調波の変調度が、前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値の点において、前記時間区間毎に100%あるいはそれに近い値となるように、前記信号波の振幅を調整する手順とを含むことを特徴とする。
このような手順により、可聴周波数帯の信号波のサンプリングデータを取り込み、時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように、信号波の振幅調整を行う。
これにより、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行うことができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、前記信号波振幅調整手順は、前記時間区間の境界点を中心として前後にそれぞれ任意のサンプリング点だけ離れたサンプリング範囲において、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波のサンプリング点が前記境界点における信号波のサンプリング点から離れるに従い、前記信号波によるキャリア波との変調波の変調度が前記信号波の最大振幅点において100%あるいはそれに近い値となるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように調整する手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、時間区間の境界点の前後のサンプリング範囲において、該サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が境界点から離れるに従い、信号波の振幅の増幅率または減衰率が、信号波によるキャリア波との変調波の変調度が信号波の最大振幅点において100%あるいはそれに近い値となるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値の段階的に近づくようにする。
これにより、時間区間の境界点近傍において、信号波(オーディオ信号)に不連続部分が生じないように、信号波の振幅の増幅率の自動調整を行うことができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、前記信号波振幅調整手順は、前記サンプリング範囲において、前記境界点を挟んで過去側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値から、前記境界点を挟んで未来側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に、最も過去のサンプリング点から最も最近のサンプリング点に向かうにつれて、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が段階的に近づくように調整される手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、任意の時間区間の境界点の前後のサンプリング範囲において、最も過去のサンプリング点から最も最近のサンプリング点に向かうにつれて、信号波の振幅の増幅率または減衰率が、時間的に過去側である時間区間の信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値から、時間的に未来側の時間区間における最大振幅点での振幅増幅率または減衰率に段階的に近づくようにする。
これにより、時間区間の境界点における再生信号に非連続部が生じることを回避できる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、前記信号波振幅調整手順は、前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる、前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値がある任意の値よりも小さい場合には、該時間区間内のキャリア波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整する手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、ある時間区間内における信号波の振幅の最大値が0に近いある一定の値以下の場合には、この時間区間においてキャリア波の振幅を0またはそれに近い値にするようする。
これにより、省電力な状態で超音波スピーカを駆動することが可能となる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整方法は、前記信号波振幅調整手順は、前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる、前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値がある任意の値よりも小さい場合には、該時間区間内の前記変調波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整する手順と、を含むことを特徴とする。
このような手順により、ある時間区間において信号波の振幅の最大値が0に近いある一定の値以下の場合には、この時間区間における変調波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整する。
これにより、ごく小さな音を必要以上に大きくして再生することを回避できる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、信号波でキャリア波を振幅変調した変調波の自動変調度調整装置であって、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手段と、前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、可聴周波数波帯の信号波(オーディオ信号)に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波(信号波でキャリア波を変調した変調波)の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行う。
これにより、ある任意の時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行うことができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整装置であって、前記信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較し、前記新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部を取り込まれたサンプリングデータで置き換えるデータ記憶制御手段と、ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたサンプリングデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶手段と、前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたサンプリングデータの最大振幅の情報を基に、前記サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整する信号波振幅調整手段と、前記信号波振幅調整手段により振幅が調整をされた信号波で前記キャリア波を変調する変調手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較し、新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、信号波振幅記憶部が記憶するデータを新しく取り込まれたサンプリングデータで置き換える。そして、時間区間の境界ごとに、信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶する。そして、サンプリングデータの最大振幅の情報を基に、該サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整し、この振幅が調整をされた信号波でキャリア波を変調する。
これにより、ある任意の時間区間ごとに、該時間区間内の信号波の振幅の最大値に応じて信号波の振幅調整を行い、この振幅調整された信号波によりキャリア波を変調することができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整装置であって、前記信号源から発生する信号がアナログ信号の場合に、前記アナログ信号をデジタルデータに変換して取り込むAD変換部と、前記AD変換部を通して得られる信号波のデジタルデータを遅延させるデータ遅延部と、前記データ遅延部を通して得られる前記信号波の振幅を調整する信号波振幅調整部と、前記AD変換部を通して得られる信号波のデジタルデータを記憶する信号波振幅値記憶部と、前記AD変換部において新しく取込まれたデジタルデータと、前記信号波振幅値記憶部が記憶するデジタルデータとを比較し、前記新しく取り込まれたデジタルデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部のデジタルデータを前記新しく取込まれたデジタルデータで置き換えるデータ記憶制御部と、ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたデジタルデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたデジタルデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶部と、前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたデジタルデータの最大振幅の情報を基に、前記時間区間ごとに、信号波の最大振幅点において変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように前記振幅調整部における前記信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する信号波振幅制御部と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給部と、前記キャリア波を前記信号波振幅調整部を通して得られる可聴周波数帯の信号波により変調する変調部と、前記変調部で発生させた変調波の振幅を調整する変調波振幅調整部と、前記変調波振幅調整部で振幅を調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサと、最終的に前記超音波トランスデューサに入力される信号がアナログ信号となるように、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号源から発生する信号をAD変換部によりデジタルデータに変換して取り込み、信号波のデジタルデータをデータ遅延部により遅延させる。信号波振幅値記憶部、データ記憶制御部、および信号波振幅最大値記憶部では、ある時間区間ごとに、その時間区間内における信号波の振幅の最大値を検出する。信号波振幅制御部および信号波振幅調整部は、時間区間内における信号波の振幅の最大値の情報を基に、データ遅延部により遅延させた信号波を時間区間ごとに振幅調整することにより、信号波の最大点においてキャリア波を変調した変調波における変調度が100%、あるいはそれに近い値になるようにする。変調部は振幅調整された信号波によりキャリア波を変調し、該変調波を変調波振幅調整部により振幅調整し、この振幅調整された変調波をDA変換部によりアナログ信号に変換して超音波トランスデューサに印加する。
これにより、ある任意の時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行うことができる。このため、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記データ記憶制御部は、前記AD変換部において新たにサンプリングされた第1のデジタルデータと、前記信号波振幅値記憶部に保持された第2のデジタルデータの二つのデータを入力とし、前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータの、より上位のビットの組み合わせから優先的に出力を決定し、その出力決定パターンは、前記上位ビットの組み合わせが‘1'と‘0’の場合は‘1'を出力し、‘0’と‘1'の場合は‘0’を出力するものとし、それ以外の組み合わせの場合は前記上位のビットよりも一つ下位のビットの組み合わせにより前記入力パターンを基に出力を決定する回路で構成されることを特徴とする。
このような構成により、新たにサンプリングされた信号波の第1のデジタルデータと、信号波振幅値記憶部に保持された第2のデジタルデータとを比較する際には、上位ビットから順番に比較するようにする。
これにより、第1のデジタルデータと第2のデジタルデータの大小関係を容易かつ高速で判定できる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記データ記憶制御部における演算時間は、前記AD変換部のサンプリング用クロック信号の周期よりも速く、かつ前記AD変換部において新たなサンプリングが行われる前に前記データ記憶制御部における演算が終了するように構成されることを特徴とする。
このような構成により、第1のデジタルデータが第2のデジタルデータよりも大きい場合に信号波振幅値記憶部内の更新するために、AD変換部において新たなサンプリングが行われる前にデータ記憶制御部における演算が終了するようにする。
これにより、信号波振幅値記憶部におけるデジタルデータの更新を確実に行うことができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅値記憶部は、前記第1のデジタルデータと、前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報を入力とし、初期値として‘0’、また前記初期値‘0’に上書きされた前記第2のデジタルデータを出力するものとし、前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報が‘1’で、かつ前記信号波振幅値記憶部に入力されるクロック信号が立ち上がりのタイミングである場合には、前記第1のデジタルデータを前記初期値‘0’または前記第2のデジタルデータに上書きして、新たに第2のデジタルデータとして出力し、前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報が‘0’の場合には、前記初期値‘0’または前記第2のデジタルデータの値を保持して出力する回路で構成されることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅値記憶部は、データ記憶制御部の出力から得られるビット情報が‘1'(Enable)の場合には、第1のデジタルデータ(新たにサンプリングされたデジタルデータ)を第2のデジタルデータ(保持するデジタルデータ)に上書きして、新たに第2のデジタルデータとして出力する。
これにより、信号波振幅値記憶部をデータ記憶制御部により制御して、信号波振幅値記憶部内に保持されるデジタルデータの更新を行うことができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅値記憶部に入力されるクロック信号の立ち上がりのタイミングは、前記AD変換部のサンプリング用クロック信号の立ち上がりのタイミングよりも速くなるように構成されることを特徴とする。
これにより、第1のデジタルデータ(新たにサンプリングされたデジタルデータ)を信号波振幅値記憶部に確実に入力させることができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅最大値記憶部は、任意の周波数のクロック信号ClkAの発生源を有し、前記信号波振幅値記憶部の出力から得られる前記第2のデジタルデータを入力とし、初期値として‘0’、また前記初期値‘0’に上書きされた第3のデジタルデータを出力するものとし、前記任意の周波数のクロック信号ClkAの立ち上がりのタイミングに応じて前記第2のデジタルデータを前記初期値‘0’または前記第3のデジタルデータに上書きして、新たに第3のデジタルデータとして出力し、前記クロック信号の次の立ち上がりのタイミングが来るまでは、前記初期値‘0’または前記第3のデジタルデータの値を保持して出力する回路で構成されることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅最大値記憶部に任意の周波数のクロック信号ClkAの発生源を設け、この任意の周波数のクロック信号の立ち上がりのタイミングで第2のデジタルデータ(信号波振幅値記憶部から出力されるデジタルデータ)を保持し、新たに第3のデジタルデータとして出力し、次にクロック信号ClkAが立ち上がり状態になるまでは、第3のデジタルデータの値を保持して出力する。
これにより、信号波振幅最大値記憶部では、任意の時間区間ごとに、信号波の最大振幅のデジタルデータを保持して出力できる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅値記憶部は、前記任意の周波数のクロック信号ClkAと同じ周波数で、かつその立ち上がりのタイミングが前記任意の周波数のクロック信号ClkAよりも遅い信号Aの立ち上がり、または前記信号Aの反転信号の立下りのタイミングで、初期値‘0’に上書きされるように構成されたことを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅値記憶部は、任意の周波数のクロック信号ClkAと同じ周波数で、かつその立ち上がりのタイミングが前記任意の周波数のクロック信号ClkAよりも遅い信号Aの立ち上がり信号に同期してリセットされる。
これにより、信号波振幅最大値記憶部は時間区間の境界ごとに信号波の最大振幅のデジタルデータを確実に取得することができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、前記信号波振幅最大値記憶部からの最大振幅情報を入力とし、前記最大振幅情報と、前記データ遅延部の出力から得られる前記時間区間内の信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における信号波の振幅増幅率または減衰率を制御する出力情報とをあらかじめ対応付けたテーブルを用意し、前記テーブルを記憶するテーブル記憶部を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部は、信号波振幅最大値記憶部からの最大振幅情報を入力とし、該最大振幅情報と、データ遅延部の出力から得られる信号波の振幅の最大値の点において変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、信号波振幅調整部における信号波の振幅増幅率または減衰率を制御する出力情報と、をあらかじめ対応付けたテーブルを備える。
これにより、信号波振幅制御部では、信号波の振幅調整制御に必要な演算処理を簡略化できる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、信号波のサンプリング点の時間位置情報を発信する信号波時間情報発信部と、前記信号波振幅最大値記憶部と前記信号波時間情報発信部の情報を基に、前記信号波振幅調整部における前記信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する手段を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部には、信号波のサンプリング点の時間位置情報を発信する信号波時間情報発信部を設け、信号波振幅最大値記憶部に保持された最大振幅の情報と、信号波時間情報発信部の時間位置情報とを基に、信号波振幅調整部における信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する。
これにより、信号波の時間位置を特定して、信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御することができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、前記信号波振幅最大値記憶部からの情報と、前記信号波時間情報発信部からの情報を入力とし、前記2つの入力情報に基づいて、前記データ遅延部の出力から得られる信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における信号波の最大振幅点での振幅増幅率を制御する手段を備え、さらに、前記任意の周波数のクロック信号ClkAの周期間隔と同じ時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ前のサンプリング点から、前記境界点における信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ後のサンプリング点までの範囲における各信号波のサンプリング点に対して、前記サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が前記時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点から離れるに従い、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波の振幅最大点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御する出力情報と、前記2つの情報とを予め対応付けたテーブルを用意し、前記テーブルを記憶するテーブル記憶部を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部に、最大振幅情報と、信号波のサンプリング点の時間位置情報の2つの入力情報とに対応させて、制御出力情報を記録したテーブルを設ける。このテーブルは、任意の時間間隔の境界点の前後のサンプリング範囲において、該サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が境界点から離れるに従い、信号波の振幅の増幅率または減衰率が、信号波の振幅最大点において変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御するための制御出力情報と、上記2つの入力情報を対応させたテーブルである。
これにより、信号波振幅制御部において、任意の時間区間の境界点において再生信号に非連続部が生じることを回避するための演算処理を行う際にテーブルを利用することができる。このため、演算処理が簡略化される。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、信号波のサンプリング点の時間位置情報を発信する信号波時間情報発信部と、前記信号波振幅最大値記憶部から得られる最も新しい最大値の情報よりも一つ前に得られる最大値の情報を記憶する前区間信号波振幅最大値記憶部と、前記信号波振幅最大値記憶部と前区間信号波振幅最大値記憶部と信号波時間情報発信部の情報を基に、前記信号波振幅調整部における信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する手段を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部では、信号波のサンプリング点の時間位置情報と、最大振幅情報と、該最大振幅情報の1つ前の最大振幅情報と、を保持し、これらの情報を基に、信号波の振幅率または減衰率を制御する。
これにより、時間区間の境界点近傍において、信号波に不連続部分が生じないように、信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御することができる。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、前記信号波振幅最大値記憶部からの情報と、前区間信号波振幅最大値記憶部からの情報と、信号波時間情報発信部からの情報とを入力とし、前記3つの入力情報に基づいて、前記データ遅延部の出力から得られる信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における最大振幅点での振幅増幅率を制御するための手段と、前記任意の周波数のクロック信号ClkAの周期間隔と同じ時間区間の境界点における信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ前のサンプリング点から、前記境界点における前記信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ後のサンプリング点までの範囲における各信号波のサンプリング点に対して、前記サンプリング範囲の時間的に最も前の信号波のサンプリング点から最も新しい信号波のサンプリング点に向かうにつれて、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記境界点に隣接しかつ時間的に前である時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値から、前記境界点に隣接しかつ時間的に新しい側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御する出力情報と、前記3つの入力情報とを予め対応付けたテーブルを記憶するテーブルを用意し、前記テーブルを記憶するテーブル記憶部と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部に、最大振幅情報と、該最大振幅情報の1つ前の最大振幅情報と、信号波のサンプリング点の時間位置情報との3つの入力情報に対応させて、制御出力情報を記録したテーブルを設ける。このテーブルは、任意の時間間隔の境界点の前後のサンプリング範囲において、最も過去の信号波のサンプリング点から最も最近の信号波のサンプリング点に向かうにつれて、信号波の振幅の増幅率が、過去側の時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値から、未来側の時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくようにする制御出力情報と、上記3つの入力情報を対応させたテーブルである。
これにより、信号波振幅制御部において、時間区間の境界点における再生信号に非連続部が生じることを回避するための演算処理にテーブルを利用することができる。このため、演算処理が簡略化される。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記信号波振幅制御部は、複数のテーブル記憶部を備えており、前記複数のテーブル記憶部の各々は、前記信号波振幅制御部へ入力される情報の内の少なくとも1つを入力とし、前記少なくとも1つ以上の入力の情報に基づいて決定される前記複数のテーブル記憶部の各々の出力の情報を演算するテーブル記憶部出力情報演算部をさらに備え、前記テーブル記憶部出力情報演算部は、前記サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が前記時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点から離れるに従い、該サンプリング点の信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御するための情報を演算結果として出力するか、または、前記境界点の前後のサンプリング範囲の時間的に最も前の信号波のサンプリング点から最も新しい信号波のサンプリング点に向かうにつれて、該サンプリング点の信号波の振幅の増幅率または減衰率が、境界点に隣接しかつ時間的に前である時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値から、境界点に隣接しかつ時間的に新しい側の時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御するための情報を演算結果として出力するように構成されたことを特徴とする。
このような構成により、信号波振幅制御部には、複数のテーブルと、該テーブルに記憶される入力情報に対応した出力情報(任意の時間区間の境界点における再生信号に非連続部が生じることを回避するための制御情報)を演算するためのテーブル記憶部出力情報演算部を設ける。
これにより、信号波振幅制御部において、任意の時間区間の境界点における再生信号に非連続部が生じることを回避するための演算処理を行う際にテーブルを利用することができ、演算処理が簡略化される。
また、本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置は、前記データ遅延部の遅延時間は、前記信号波振幅制御部の情報が前記信号波振幅調整部に入力されるタイミングと、前記信号波振幅制御部の情報を得るために用いた際の前記AD変換部からのデータの情報が前記データ遅延部を通過して前記信号波振幅調整部に入力されるタイミングとの時間的な同期がとれるように決定されていることを特徴とする。
このような構成により、データ遅延部の遅延時間を、信号波振幅制御部からの振幅制御情報が信号波振幅調整部に入力されるタイミングと、信号波のデータがデータ遅延部を通過して信号波振幅調整部に入力されるタイミングとの時間的な同期がとれるように決定する。
これにより、信号波の時間区間ごとに同期を取りながら、信号波の振幅調整を行うことができる。
また、本発明の超音波スピーカは、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカであって、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手段と、前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手段と、を備えることを特徴とする超音波スピーカ。
このような構成により、超音波周波数帯のキャリア波を可聴周波数帯の信号波(オーディオ信号)により変調し、この変調波をパワーアンプにより増幅し、該増幅された変調波を超音波トランスデューサに印加する。この場合に、可聴周波数波帯の信号波に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行う。
これにより、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の表示装置は、音響ソースから供給される音声信号により超音波周波数帯域の搬送波信号を変調し、該変調信号により静電型超音波トランスデューサを駆動して可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、映像を投影面に投影する投影光学系と、で構成される表示装置であって、前記超音波スピーカは、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記音声信号の振幅の最大値を検出する手段と、前記検出した音声信号の振幅の最大値情報を基に、前記音声信号の振幅の最大値の点における前記変調信号の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記音声信号の振幅の大きさを調整する手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成の表示装置において、超音波スピーカは、超音波周波数帯のキャリア波を可聴周波数帯の信号波(オーディオ信号)により変調し、この変調波をパワーアンプにより増幅し、該増幅された変調波を超音波トランスデューサに印加する。この超音波スピーカは自動変調度調整装置を備えており、可聴周波数波帯の信号波に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行う。
これにより、表示装置に使用される超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
また、本発明の指向性音響システムは、音響ソースから供給される音声信号のうち第一の音域の信号により超音波周波数帯域の搬送波信号を変調し、該変調信号により可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、前記音響ソースから供給される音声信号のうち前記第一の音域よりも低い第二の音域の信号を再生する低音再生用スピーカと、を有する指向性音響システムであって、前記超音波スピーカは、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記音声信号の振幅の最大値を検出する手段と、前記検出した音声信号の振幅の最大値情報を基に、前記音声信号の振幅の最大値の点における前記変調信号の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記音声信号の振幅の大きさを調整する手段と、備えることを特徴とする。
上記構成の指向性音響システムでは、音響ソースから供給される音声信号のうち中高音域(第一の音域)の音声信号を超音波スピーカにより再生する。また、音響ソースから供給される音声信号のうち低音域(第二の音域)の音声信号は低音再生用スピーカにより再生する。この超音波スピーカは、超音波周波数帯のキャリア波を音声信号により変調し、この変調された信号をパワーアンプにより増幅し、該増幅された変調信号を超音波トランスデューサに印加する。また、この超音波スピーカは自動変調度調整装置を備えており、可聴周波数波帯の信号波に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間内における信号波の振幅の最大値を検出する。そして、時間区間ごとに、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%、あるいはそれに近い値になるように信号波の振幅調整を行う。
これにより、指向性音響システムに使用される超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
[第1の実施の形態]
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
超音波スピーカは通常のオーディオ装置に比べて調整可能な音量のダイナミックレンジが低く、また効率を上げることが困難であるという課題がある。そこで、本発明の実施の形態ではオーディオ信号の特徴に応じて変調度の自動調整を行う超音波スピーカシステムの構成例を示す。
図1は、オーディオ信号の特徴に応じて変調度の自動調整を行う超音波スピーカシステムの構成例である。図1に示す超音波スピーカシステム1は、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源101と、信号源101から発生する信号がアナログ信号の場合に、アナログ信号をデジタルデータに変換して取り込むAD変換部102と、AD変換部102を通して得られる信号波のデジタルデータを遅延させるデータ遅延部103と、データ遅延部103を通して得られる信号波の振幅を調整する信号波振幅調整部104と、AD変換部102を通して得られる信号波のデジタルデータを記憶する信号波振幅値記憶部105とを備えている。
さらに、AD変換部102において最も新しくサンプリングされた信号波のデジタルデータ(第1のデジタルデータ、以後、デジタルデータNと表記する)の情報と、最も新しくサンプリングされた信号波のデジタルデータよりも前にサンプリングされ、信号波振幅値記憶部105に保持された信号波のデジタルデータ(第2のデジタルデータ、以後、デジタルデータOと表記する)の情報を基に、信号波振幅値記憶部105における信号波のデジタルデータの上書きまたはデータの保持を制御するデータ記憶制御部106を備えている。
さらに、ある任意の時間間隔(時間区間)ごとに、信号波振幅値記憶部105で記憶された信号波のデジタルデータを読み出し、読み出した信号波のデジタルデータ(時間区間内での最大の信号波のデジタルデータ)の値を記憶し、次の時間区間で信号波振幅値記憶部105からデジタルデータが読み出されるまで間、記憶したデジタルデータ(第3のデジタルデータ)を保持して出力する信号波振幅最大値記憶部107と、信号波振幅最大値記憶部107からの情報を基に、信号波振幅調整部104における信号波の振幅の増幅率を制御する信号波振幅制御部108と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給部109と、キャリア波を信号波振幅調整部104を通して得られる可聴周波数帯の信号波により変調する変調部110と、変調部110で発生させた変調波の振幅を調整する変調波振幅調整部111と、変調波振幅調整部111で振幅を調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサ112と、最終的に超音波トランスデューサ112に入力される信号がアナログ信号となるように、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器113とを備えている。
なお、前述のデータ記憶制御手段にはデータ記憶制御部106が相当し、信号波振幅最大値記憶手段には信号波振幅最大値記憶部107が相当し、信号波振幅調整手段には信号波振幅制御部108と信号波振幅調整部104とが相当し、変調手段には変調部110が相当する。
上述したシステム構成において、まずオーディオ信号を信号源101から発生させる。図1に示す例では、信号源101で発生させたオーディオ信号をアナログ信号であるとし、このアナログ信号をAD変換部102でデジタルデータに変換する。また、上述したAD変換のサンプリング周波数と量子化数を、一例としてそれぞれ48kHz、8Bitとする。
また図2に示すように、一般的にAD変換における量子化はアナログ信号における電圧のプラスとマイナスのそれぞれの方向に対して量子化数(Bit数)を割り当てる。従って本実施の形態では、8Bitのうち4Bitを電圧のプラス方向に、また残りの4Bitを電圧のマイナス方向に割り当てるものとする。
上述したAD変換部102によってデジタル化されたオーディオ信号は、後述するデータ遅延部103によってある時間遅れて出力され、さらに後述する信号波振幅調整部104によってその振幅値の調整が行われる。
ここで、超音波帯域のキャリア波をキャリア波供給部109から発生させる。本実施の形態では、キャリア波供給部109から発生させるキャリア波の振幅値は一定であるものとする。変調部110は、信号波振幅調整部104で振幅の調整を行われたオーディオ信号で、キャリア波供給部109から出力されるキャリア波を変調する機能を有している。
ここで、変調部110には振幅変調、周波数変調など様々な方法が考えられるが、超音波スピーカシステムにおいては振幅変調が主に用いられるため、本実施の形態では変調部110で行なう変調方式を、一例として振幅変調とする。また振幅変調においても、DSB(Double Side Band)やSSB(Single Side Band)などの様々な方式がある。ここで、一般に超音波スピーカにおいてはSSB方式の方が復調音の歪みが小さいことが知られている。具体的には、DSB方式の場合は超音波スピーカを駆動する変調波の変調度が大きくなるほど、復調される信号の歪み率も大きくなるが、SSB方式の場合は超音波スピーカを駆動する変調波の変調度によらず、復調される信号の歪み率はほぼ一定で、かつDSB方式の場合よりも低い値となる。従って、本実施の形態では変調部110で行なう変調方式を、一例として振幅変調のSSB方式で行なうものとする。
変調部110で発生させた変調波の振幅は、変調波振幅調整部111で調整することが可能である。ここで、変調波振幅調整部111の例としてアナログアンプやデジタルアンプなどが考えられるが、前者を用いる場合は変調波振幅調整部111の前段に、後者を用いる場合には変調波振幅調整部111の後段にDA変換器113を用意する。本実施の形態では変調波振幅調整部111にデジタルアンプを用いるものとし、DA変換器113は変調波振幅調整部111の後に用意するものとする。DA変換器113によって得られる変調波のアナログ信号は、超音波トランスデューサ112から放出され、空気中で変調波が歪むことにより、前述したオーディオ信号が差分周波数成分として自己的に復調され、聴取することが可能となる。
前述したように超音波スピーカは変調波で駆動を行うが、その変調波の変調度が大きいほど効率よく可聴帯域の指向性音を復調できることが知られている。
図3は、振幅調整前の信号波形と変調波形の例を示す図である。図3(a)は、振幅0(ゼロ)の信号波形を示し、図3(b)は無変調のキャリア波形を示している。図3(c)は、オーディオ信号の信号波形を示し、図3(d)は、図3(c)の信号で変調されたキャリア波波形(変調波)を示している。なお、図3においては、信号波形を区間1から区間4まで、1秒ごとの時間区間で信号を区切って示しており、また四角のブロックで囲まれた符号Aは信号の正側の振幅最大値を示し、四角のブロックで囲まれた符号Bは信号の負側の振幅最大値を示している。また、四角のブロックで囲まれた符号Cは、変調度が100%のときの変調波の正側の振幅値を示し、四角のブロックで囲まれた符号Dは、変調度が100%のときの変調波の振幅値を示している。
図3(c)、(d)に示すように、信号源101から発生させるオーディオ信号中に現れる最大振幅値A,Bの点において、変調部110で得られる変調波の変調度が100%の値C,Dになるように、信号波振幅調整部104でオーディオ信号の振幅値を調整することが望ましい。ただし、この方法は全体的に音量の変化が単調なオーディオ信号では有効であるものの、クラシックのように音量が小さい静かな場面と音量が大きな場面が交互に現れるような曲構成の場合にはあまり有効ではない。
具体的には、前述したクラシックのようなオーディオ信号の場合、超音波スピーカは音量が最も大きな場面(例:図3(c)の区間4)で変調度が100%(例:図3(d)の区間4)になるようにオーディオ信号の振幅を調整しても、音量の大きな場面(例:図3(c)、(d)の区間1、4)は丁度良い大きさの音量で再生できるものの、音量が小さい静かな場面(例:図3(c)、(d)の区間3)はほとんど聞こえないという問題が生じる。これは、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが狭いためである。この問題を解決するためには、信号源101から発生させるオーディオ信号の音量(振幅)の時間的な変化に応じて、信号波振幅調整部104でオーディオ信号を適切に調整することが必要となる。
そこで、オーディオ信号の音量(振幅)の時間的な変化に対する信号波振幅調整部104の調整方法として、本実施の形態ではある時間区間内における信号波の振幅の最大値を検出し、その最大値の点において変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、ある時間区間内ごとに信号波の振幅の増幅率を調整する。
まず101から発生させるオーディオ信号の情報を得るために、AD変換部102でサンプリングした信号波のデジタルデータの情報を、上述したデータ遅延部103とは異なる経路で取り出す。さらにその信号波のデジタルデータの情報を2つの経路に分岐し、一方は信号波のデジタルデータを記憶する信号波振幅値記憶部105の入力へ、もう一方は信号波振幅値記憶部105のデータの記憶に関する制御を行うデータ記憶制御部106の入力へ繋げる。
ここで、上述した信号波振幅値記憶部105について説明する。本実施の形態ではAD変換部102において最も新しくサンプリングされた信号波のデジタルデータ(第1のデジタルデータ)をデジタルデータN(NはNewの頭文字)と表記し、またデジタルデータNよりも前にサンプリングされた信号波のデジタルデータ(第2のデジタルデータ)をデジタルデータO(OはOldの頭文字)と表記する。またサンプリングされたデータの最下位のビットから最上位まで順に、それぞれ順に0、1、…、Xの数字を添えて表現するものとする。本実施の形態では4BitでAD変換を行うことから、デジタルデータNは最下位ビットから順にN0、N1、N2、N3と表し、同様にデジタルデータOは最下位ビットから順に00,01,02,03と表す。
信号波振幅値記憶部105は初期値として‘0'を記憶しているものとし、後述するデータ記憶制御部106からの出力情報に応じて、入力として得られるデジタルデータNの値を初期値に上書きして記憶するか、あるいは初期値‘0'の記憶を保持するかを決定するものとする。また、初期値がデジタルデータNに上書きおよび記憶された場合は、105で新たに記憶されたデジタルデータNは上述したデジタルデータOとして扱われる。
そして信号波振幅値記憶部105ではデータ記憶制御部106からの出力情報に応じて、新たに入力されるデジタルデータNの値を記憶されたデジタルデータOに上書きして記憶するか、あるいはデジタルデータOの記憶を保持するかを決定する、という操作を繰り返す。
本実施の形態では図4に示すように、信号波振幅値記憶部105は入力としてData、Enable(Enab)、Reset(Res)、Clock(Clk)端子を有し、また1つの出力端子Qを持った同期イネーブル付きDフリップフロップを4個(4bit)用い、Data端子にはデジタルデータNの情報を入力し、Enable端子にはデータ記憶制御部106からの出力情報を入力する。さらに出力端子Qからは信号波振幅値記憶部105で記憶している値(初期値‘0’またはデジタルデータO)を出力するものとする。
上述したようにEnable端子にはデータ記憶制御部106からの出力情報を入力していることから、クロック信号Clkが立ち上がりのタイミングでかつデータ記憶制御部106からの出力情報が‘1'であれば、信号波振幅値記憶部105において入力されるデジタルデータNが新たに上書き(記憶および保持)されることになる。
次にデータ記憶制御部106から出力されるビット情報の制御方法について説明する。上述したように信号波振幅値記憶部105では新たに入力されるデジタルデータNと、デジタルデータNよりも前にサンプリングされたデジタルデータOの2つについて、記憶の上書きまたは保持を行う機能を有している。
従って、データ記憶制御部106では、信号波振幅値記憶部105に新たに送られてきた信号波の振幅値データ(デジタルデータN)が、それまでに信号波振幅値記憶部105に送られてきた信号波の振幅値データよりも大きい場合のみ、信号波振幅値記憶部105のEnable端子に向けて‘1'を出力するように制御する。これはすなわち、信号波振幅値記憶部105に対して送られてきた信号波の振幅データの中で、最大の振幅データを求めることに等しい。上述したような制御を行うために、データ記憶制御部106にはデジタルデータNとデジタルデータOの2つを入力する必要がある。本実施の形態では上述したような制御を行うために、データ記憶制御部106は、図5に示すような入出力特性(真理値表)を実現する論理回路で構成する。図5に示す心理値表の入出力特性は、デジタルデータNがデジタルデータOよりも大きい場合は出力Yに‘1'を出力し、そうでない場合は‘0’を出力することを表している。図4、図5に示す論理回路は、図5に示す真理値表の入出力特性を満たすように構成されたものの一例である。
図6は、図4に示す回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。図6(1)はAD変換部102の信号波形のデータサンプリング用のクロック信号Clkの波形を示している。図6(2)は、信号波振幅値記憶部105およびデータ記憶制御部106で使用するクロック信号Clk1を示している。図6(3)は、信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号ClkAを示している。図6(4)は、信号波振幅値記憶部105のリセット信号Resを示している。このリセット信号Resは、クロック信号ClkAを論理反転させ、遅延を持たせた信号である。
図6(1)において、AD変換部102では、クロック信号Clkの立ち上がりと同時に、アナログの信号波をデジタルデータとしてサンプリングする(タイミングA)。
そして、図6(2)において、前半の3つのクロック信号Clk1の期間でデータ記憶制御部106での計算を終え(タイミングB)、信号波振幅値記憶部105のEnable端子に制御信号を出力する。そして、Clk1が立ち上がる時に、Enable端子に‘1’の信号が入力されている場合は、立ち上がりと同時にタイミングAでサンプリングしたデータを信号波振幅値記憶部105に上書きする(タイミングC)。
また、図6(3)において、クロック信号ClkAの立ち上がりと同時に、信号波振幅値記憶部105の出力から得られる情報を信号波振幅最大値記憶部107で上書きする(タイミングD)。また、図6(4)において、リセット信号Resの立下がりと同時に、信号波振幅値記憶部105のデータを初期値‘0’に上書きする(タイミングE)。
図6(2)に示すように、データ記憶制御部106における入力から出力までの演算時間は、AD変換部102で行われるサンプリングの周期よりも速いことが必要となる。従ってデータ記憶制御部106の回路構成が図5に示した具体例のようにクロック信号を使わずに動作(論理演算)する場合は、Andゲートや、orゲート、not回路等の演算回路の並列化等を行うことで演算速度を上げ、要求される演算速度を実現することができる。
一般的にnot回路等の遅延時間は数〜十数ns単位であるので、図5に示すデータ記憶制御部106の回路構成の具体例は十分に要求される演算速度を実現できる。またデータ記憶制御部106の回路構成がクロック信号を用いて動作(論理演算)する場合は、図6(2)のタイミングチャートに示すように、データ記憶制御部106のクロック信号Clk1がAD変換部102のサンプリング用クロック信号Clkの周波数よりも速く、かつAD変換部102において新たなサンプリングが行われる前に上述した計算過程を終了できるだけの演算速度であるものとする。
また信号波振幅値記憶部105においても、AD変換部102で新たなサンプリングが行われる前にデータの上書きまたは保持を実行しなければならない。従って信号波振幅値記憶部105のクロック信号は、その立ち上がりのタイミングがAD変換部102のサンプリング用クロック信号Clkの立ち上がりのタイミングよりも速いものを用意する必要がある。本実施の形態では信号波振幅値記憶部105のクロック信号として、図6に示すようにデータ記憶制御部106と同じクロック信号Clk1を用いるものとする。
以上のように信号波振幅値記憶部105とデータ記憶制御部106を構成することで、信号波振幅値記憶部105にはより大きな信号波の振幅値の情報が記憶および出力される。
次に信号波振幅値記憶部105からの出力情報(デジタルデータO)を入力として取り込む、信号波振幅最大値記憶部107について考える。前述したように、クラシックのような音量の変化が曲の場面毎に大きく変化するようなオーディオ信号に関しては、任意の時間(時間区間)ごとに、その時間区間内におけるオーディオ信号の振幅の最大値を検出し、その最大値において振幅変調後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、時間区間ごとにオーディオ信号の振幅値の調整を行うことが必要である。
上述した処理を実現するために、本実施の形態では信号波振幅最大値記憶部107において、ある一定の時間(時間区間)ごとに、信号波振幅値記憶部105からの出力情報(デジタルデータO)の取り込みと記憶を行い、該データの取り込みと記憶後に信号波振幅値記憶部105で記憶、保持していたデジタルデータOをリセットし、初期値‘0’に戻すものとする。
一例として信号波振幅最大値記憶部107は、図4に示すように入力としてData、Enable(Enab)、Reset(Res)、Clock(Clk)端子を有し、また一つの出力端子Qを持ったDフリップフロップを4個(4bit)用いる。さらにData端子には信号波振幅値記憶部105からの出力情報(デジタルデータO)を入力し、Clock端子には、一例として周波数1Hzのクロック信号を入力するものとする。本実施の形態では1Hzのクロック信号発生源を新たに用意するか、またはAD変換部のサンプリングに用いるクロック信号を用いて1Hzのクロック信号を作り出すものとする。さらに1Hzのクロック信号は、not回路107bを用いて論理反転した状態で信号波振幅値記憶部105のReset端子に入力する(通常同期イネーブル付きDフリップフロップは、Reset端子に入力される信号が‘1'から‘0’になるとリセットが実行される)。このように配線を行うことで、1秒間に1回、1秒間の間における信号波の振幅の最大値を検出し、その値を記憶、保持して出力することが可能となる。
ここで注意点として、not回路107bの遅延時間が挙げられる。通常not回路107bの遅延時間はns単位であり、非常に短い。従って図6(3)、(4)から分かるように、信号波振幅最大値記憶部107で信号波振幅値記憶部105からの出力情報であるデジタルデータOを記憶する(図6(3)、Dのタイミング)前に、信号波振幅値記憶部105の値が初期値‘0’にリセットされてしまう(図6(4)、Eのタイミング)可能性がある。そのような状況を確実に防止するために、not回路107bと信号波振幅値記憶部105のReset端子の間に遅延回路107cを用意し(図4参照)、図6の(4)に示す遅延時間を適切に調整することが望ましい。
次に信号波振幅制御部108において、信号波振幅最大値記憶部107から出力される、ある1秒間の時間区間の信号波の振幅の最大値のデジタルデータ(本実施の形態では4Bit)を入力する。そして信号波振幅制御部108では入力情報を基に、1秒間の信号波の振幅の最大値の点において、その変調波の変調度が100%またはそれに近い値になるように、信号波の振幅増幅率を調整する。この操作は本実施の形態では1秒毎に行われる。これは、信号波振幅最大値記憶部107におけるクロック信号の周波数を1Hzにしたためであるが、実際には1秒以外の時間間隔でも構わない。本実施の形態では信号波振幅制御部108での操作を、あらかじめ用意された信号波振幅最大値記憶部107から出力される情報と信号波の振幅増幅率とを対応付けたテーブルを記憶させておくことで対応するものとする。
ここで注意点として、データ遅延部103の遅延時間が挙げられる。本実施の形態では図1のAD変換部102、信号波振幅値記憶部105、信号波振幅最大値記憶部107、信号波振幅制御部108の経路から信号波の振幅の最大値情報(便宜上、この信号の情報をK1と表記する)を得て、信号波振幅調整部104で図1のAD変換部102、データ遅延部103の経路から来る信号波(便宜上、この信号をK2と表記する)の振幅を調整する。このとき仮にデータ遅延部103がなければ、K2の情報はK1の情報よりも速く信号波振幅調整部104に伝わるため、信号波振幅調整部104において上述したような所望の信号処理が行われないことになる。従って信号波振幅調整部104においてK2とK1の時間的な同期がとれるように、データ遅延部103による信号波の送信遅延時間を決定しなければならない。従って、データ遅延部103における遅延時間は、少なくとも1つの時間区間分(この例では、1秒)以上必要になる。これは、ある時間区間(この例では1秒)における信号波の最大値を求めるには、その時間区間が経過するまでは決められないためである。
図7に、信号波振幅調整部104による信号波の振幅調整前後の、信号波及びその変調波の波形の変化の一例を示す。図7(a)は、振幅調整前の信号波の振幅の波形を示している。図7(b)は振幅調整前の変調波の振幅の波形を示している。図7(c)は、振幅調整後の信号波の振幅の波形を示している。図7(d)は振幅調整後の変調波の振幅の波形を示している。
図7に示すように、本実施の形態で示してきた信号処理方法を行うことで、ある単位時間(本実施の形態では1秒間)ごとの波形に現れる信号波の振幅の最大値の点において、その変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になることが分かる。このことにより、図7(a)に示す振幅調整前の信号の区間3のような音量が小さな場面においても、信号波振幅調整部104による振幅調整により、図7(c)、(d)に示すような信号波形、およびキャリア波変調波形に調整され、十分大きな音量で(効率が高い状態で)超音波スピーカの可聴帯域の自己復調音を聴取することが可能となる。
ただし上述してきたような処理を行うことで、場合によってはある単位時間の区間(図7で示す区間1〜4のこと)の境目において、信号波の波形が不連続になる可能性がある。その一例を図8に示す。
図8は、信号波形は不連続になる例を示す図である。前述した信号処理(振幅調整処理)を図8(a)の状態で適用すると図8(c)のようになり、ある単位時間区間の境目において波形は不連続にならない。しかしながら図8(b)の状態で適用すると、図8(d)ようにある単位時間区間の境目Xにおいて波形が不連続になる。
このような波形の不連続面を無くすために、信号波振幅制御部108の構成を図9に示すように前区間信号波振幅最大値記憶部201と、信号波時間情報発信部202と、テーブル記憶部203で構成する例について説明する。
図9に示す例では、一例として前区間信号波振幅最大値記憶部201にDフリップフロップを用いる。図9に示すように、前区間信号波振幅最大値記憶部201には信号波振幅最大値記憶部107からの情報が入力される。
ここで、前区間信号波振幅最大値記憶部201における入力値の記憶のタイミングは前区間信号波振幅最大値記憶部201に入力されるクロック信号に依存する。そのクロック信号の周波数は信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号(周波数1Hz)と同じであるとし、またその立ち上がりのタイミングは、信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号の立ち上がりから次の立ち上がりまでの間であるものとする。このようにすることで、信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号の立ち上がりのタイミングにおいては、前区間信号波振幅最大値記憶部201では信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号の立ち上がりのタイミングよりも1周期前の立ち上がりのタイミングで信号波振幅最大値記憶部107に記憶されていた値が記憶、保持されていることになる。つまり、一区間前の信号波振幅最大値情報が記憶されていることになる。
次に、信号波時間情報発信部202に5ビットのカウンタを用いることにする。また5ビットカウンタの出力をQ1〜Q5と表記する。図11に示すタイミングチャートのように、信号波時間情報発信部202に用いる5ビットカウンタのクロック信号C5はAD変換部102のサンプリング用のクロック信号と同じ周波数で、かつその立ち上がりのタイミングはAD変換部102のサンプリング用のクロック信号Clkの立下り時に同期させるものとする。
また、そのリセット信号R5は、図11に示すように、単位時間区間の境目における信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号の立下りのタイミングから、5ビットカウンタ用のクロックの立ち上がりのタイミングが計5個入るような期間が‘1'、それ以外のタイミングでは‘0’となるようなものとする。
このように5ビットカウンタを制御することで、図11に示すように、単位時間区間の境目の立ち下がりのタイミングから、データ遅延部103を通過した信号波のサンプルリング点を5点カウントすることが出来る。ただし、ここではデータ遅延部103における遅延時間を、図11に示すように信号波振幅最大値記憶部107のクロック信号の1周期分(本実施の形態では1秒)と、AD変換部102のクロック信号の2周期半分の合計時間とする。
データ遅延部103を通過した信号波におけるサンプリングにおいて、カウンタでカウントされる時間をそれぞれ順にt2'、t1'、t0、t1、t2と表記する。図11に示すように、5ビットカウンタの出力状態により、5つのサンプリング点の時間情報(t2'、t1'、t0、t1、t2)を判別することが可能となる。
なお、ここで図11について補足して説明しておく。
図11において、信号S1は、AD変換部102→信号波振幅値記憶部105経由の信号波(オーディオ信号)であり、この信号情報から各時間区間内の信号波振幅の最大値を検出する)。
信号Clkは、AD変換部102のサンプリング用のクロック信号を示している。このクロック信号Clkの立ち上がりと同時にアナログの信号波をデジタルデータとしてサンプリングする。
ClkAは、信号波振幅最大値記憶部107内のクロック信号発生源(2)107a(図4参照)で生成されるクロック信号であり、このクロック信号ClkAの立ち上がりと同時に各時間区間における信号波(オーディオ信号)の振幅の最大値情報が、信号波振幅最大値記憶部107に記憶される。
また、信号S2は、AD変換部102、およびデータ遅延部103経由の信号波(オーディオ信号)であり、この信号に対して振幅調整処理が行われる。なお、この信号S2の区間1、および区間2は振幅調整処理が行われる各区間を示している。期間T内の、符号t2'、t1'、t0、t1、t2は、区間1と区間2の境界点の前後のサンプリング点の時間位置情報を示している。この期間Tの開始の時点で、区間1と区間2のそれぞれの区間のおける信号波の振幅最大値が分かっており、この期間T内のサンプリング点(t2'、t1'、t0、t1、t2)における振幅の増幅率または減衰率は、時間の進行につれて、段階的に区間1における信号波増幅率から区間2における信号波増幅率に近づくように、信号波振幅制御部108で制御を行う。
以上のようにして得られる信号波時間情報発信部202(本実施の形態では5ビットのカウンタ)のビット情報と、信号波振幅最大値記憶部107からのビット情報(最新の区間の信号波振幅最大値の情報)と、前区間信号波振幅最大値記憶部201からのビット情報(最新の区間よりも一つ前区間の信号波振幅最大値の情報)とを基に、テーブル記憶部203で信号波振幅調整部104における信号波の振幅増幅率を制御する。
ここで本実施の形態ではテーブル記憶部203における制御は、信号波振幅最大値記憶部107からの情報により、ある区間に対して信号波振幅調整部104における信号波の振幅増幅率(または減衰率)をY倍にしようとし、かつ、ある区間の一つ前の区間に対して信号波振幅調整部104における信号波の振幅増幅率(または減衰率)をX倍にしようとする場合に、時間の進行に伴い図11に示すt2'からt2までの区間の各サンプリング点における信号波の振幅増幅率(または減衰率)を段階的にX倍からY倍へと変化させるような制御であるものとする。
このような制御を行うことで、単位時間区間(本実施の形態では1秒間)毎の境目における信号波の波形の不連続を防ぐことが可能となる。本実施の形態では5ビットのカウンタを用いたが、より大きなビットのカウンタを用いれば、境目のより広い時間範囲で信号波の振幅の調整を行うことが可能となり、より精度よく不連続面の発生を防ぐことが可能となる。
ところで信号波振幅制御部108の構成を図9に示すような構成にすると、テーブル記憶部203において記憶させておく入出力の信号パターンが非常に多くなってしまう。これを解決するために、信号波振幅制御部108の構成を図10に示すように前区間信号波振幅最大値記憶部301と、信号波時間情報発信部302と、テーブル記憶部A303と、テーブル記憶部B304と、信号波振幅増幅率演算部305とで構成することを考える。
テーブル記憶部A303には信号波振幅最大値記憶部107の情報を入力し、その情報を基に信号波振幅調整部104における信号波の振幅増幅率(Y倍)を決定する。次にテーブル記憶部Bには前区間信号波振幅最大値記憶部301の情報を入力し、その情報を基に一つ前の区間における信号波の振幅増幅率(X倍)を決定する。そして信号波振幅増幅率演算部305にはテーブルA、Bからの情報と、信号波時間情報発信部302(本実施の形態では5ビットのカウンタ)の情報を入力し、最終的に信号波振幅調整部104に対する制御が前述した図9の構成の場合と同じになるように信号波振幅増幅率演算部305で演算する。このようにテーブル記憶部を二つに分けることで、それぞれのテーブルに用意しておく入出力の信号パターンの数を減らすことが可能となる。
図12は、区間の境目での非連続部が解消された例を示す図である。図12(a)に示す信号波形を、非連続部の処理なしに振幅調整すると、図12(b)に示すように区間1と区間2の境目で非連続部Xが生じるが、図9または図10に示す信号波振幅調整部を用いることにより、図12(c)に示すように非連続部が解消される。
また、信号波の振幅が0に近い場合は、キャリア波発生源から、ある一定の振幅を出力することは、超音波トランスデューサに無駄な電力を投入することになる。従って信号波振幅制御部108における制御の一つとして、信号波振幅最大値記憶部107から信号波の振幅の最大値が0に近いある一定の値以下の場合には、キャリア波供給部109から発生させるキャリア波の振幅を0またはそれに近い値にするようする。このような機能を設けることで、より省電力な状態で超音波スピーカを駆動することが可能となる。
また、信号波振幅最大値記憶部107の情報を基に得られる、ある任意の時間区間内における信号波の振幅の最大値がある任意の値よりも小さい場合には、信号波振幅調整部104において、変調波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整することもできる。これによ、ごく小さな音を必要以上に大きくして再生することを回避できる。
以上説明したように、オーディオ信号の特徴に応じて変調度の自動調整を行う超音波スピーカシステムを用いることで、超音波スピーカの効率を高め、かつ音量のダイナミックレンジを広げることが可能となる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、本発明の自動変調度調整装置と、この自動変調度調整装置を備えた超音波スピーカの例について説明したが、本発明の第2の実施の形態では、本発明の自動変調度調整装置により静電型トランスデューサを駆動する超音波スピーカの例について説明する。
図13は、本発明の自動変調度調整装置で駆動する静電型トランスデューサの一例を示す図であり、特に超音波スピーカのトランスデューサとして使用するのに好適な構造になっている。図13(A)はトランスデューサの断面を示しており、導電層を有する振動膜320と、該振動膜320のそれぞれの面に対向して設けられた前面側固定電極311A及び背面側固定電極311Bからなる一対の固定電極とを有している(前面側固定電極311Aと背面側固定電極311Bの両方を指す場合は固定電極311と呼ぶ)。振動膜320は図13(A)に示すように電極を形成する導電層(振動膜電極)322を絶縁膜321で挟むように形成されている。
また、振動膜320を挟持する前面側固定電極311Aには複数の貫通孔324Aが設けられており、かつ背面側固定電極311Bには前面側固定電極311Aに設けた各貫通孔324Aに対向する位置に同一形状の貫通孔324Bが設けられている(貫通孔324Aと貫通孔324Bの両方を指す場合は貫通孔324と呼ぶ)。前面側固定電極311Aと背面側固定電極311Bは、それぞれ支持部材323によって振動膜320から所定のギャップを隔てて支持されており、図13(A)に示すように振動膜320と固定電極とが一部空隙を介して対向するように支持部材323は形成されている。
図13(B)はトランスデューサの片側平面外観を示したものであり(固定電極311の一部を切り欠き振動膜320を露出させた状態)、上記複数の貫通孔324がハニカム状に配列されている。
また、直流電源325は、振動膜電極322に直流バイアス電圧を印加するための電源であり、交流信号326A、326Bは、振動膜320を駆動するために、前面側固定電極311Aと背面側固定電極311Bに印加される信号である。
また、図14は、静電型トランスデューサを使用した超音波スピーカの構成例を示す図である。図14に示す超音波スピーカは、可聴波周波数帯の信号波を生成する可聴周波数信号源(オーディオ信号源)351と、本発明の自動変調度調整装置を有するパワーアンプ1Aと、静電型トランスデューサ310とで構成される。パワーアンプ1Aは、図1に示す構成であり、信号波振幅調整部104、キャリア波供給部109、変調部110、変調波振幅調整部111等を有している。
また、パワーアンプ1Aの出力は出力トランスTを介して静電型トランスデューサ310に印加される。なお、出力トランスTの2次側巻線は中間タップを備えており、この中間タップと振動膜電極322との間に直流バイアス電源Eが印加される。
上記構成において、可聴周波数信号源351より出力される可聴周波数信号(オーディオ信号)により、パワーアンプ1A内のキャリア波信号源から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調し、増幅した変調信号を、出力トランスTの1次側巻線の両端に印加する。これにより、出力トランスTの2次側巻線に接続された静電型トランスデューサ310を駆動する。
この場合に、パワーアンプ1A(図1を参照)においては、可聴周波数信号源351から入力される音声信号(オーディオ信号)に対し、ある任意の時間区間ごとに、その時間区間内における音声信号の振幅の最大値を検出し、検出した音声信号の振幅の最大値情報を基に、信号波の振幅の最大値の点における変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記任意の時間区間ごとに音声信号の振幅の大きさを調整する。
これにより、静電型トランスデューサを使用した超音波スピーカにおいて、音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
なお、静電型トランスデューサ310では、変調信号が有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が自己再生される。つまり音波は空気を媒体として伝送する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分とが顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と可聴波(元オーディオ信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(元オーディオ信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはバラメトリックアレイ効果と呼ばれている。
[第3実施の形態]
本発明の第3の実施の形態として、本発明の自動変調度調整装置により静電型トランスデューサを駆動する、超音波スピーカを用いた表示装置の例について説明する。なお、超音波周波数帯で駆動される静電型トランスデューサは静電型超音波トランスデューサとも呼ばれ、以下の説明では単に「超音波トランスデューサ」とも呼ぶ。
図15は、表示装置の一例として、プロジェクタを例に取ったものであり、その使用状態を示したものである。同図に示すように、プロジェクタ(表示装置)401は視聴者403の後方に設置され、視聴者403の前方に設置されたスクリーン402に映像を投影するとともに、プロジェクタ401に搭載されている超音波スピーカによりスクリーン402の投影面に仮想音源を形成し、音声を再生するようになっている。
プロジェクタ401の外観構成を図16に示す。プロジェクタ401は、映像をスクリーン等の投影面に投影する投影光学系を含むプロジェクタ本体420と、超音波周波数帯の音波を発振できる静電型超音波トランスデューサ(以下、単に「超音波トランスデューサ」とも呼ぶ)424A、424Bを含んで構成され、音響ソースから供給される音声信号から可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカとが一体的に構成されている。本実施形態では、ステレオ音声信号を再生するために、投影光学系を構成するプロジェクタレンズ431を挟んで、左右に超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ424A、424Bが搭載されている。
さらに、プロジェクタ本体420の底面には低音再生用スピーカ423が設けられている。また、425は、プロジェクタ本体420の高さ調整を行うための高さ調節ねじ、426は、空冷フアン用の排気口である。
また、プロジェクタ401では、超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサとして、本発明の自動変調度調整装置を備えるパワーアンプで駆動される静電型超音波トランスデューサを使用している。
次に、プロジェクタ401の電気的構成を図17に示す。プロジェクタ401は、操作入力部410と、再生範囲設定部412、再生範囲制御処理部413、音声/映像信号再生部414、パワーアンプ422A、422B及び超音波トランスデューサ424A、424Bからなる超音波スピーカと、ハイパスフィルタ417A、417Bと、ローパスフィルタ419と、ミキサ421と、パワーアンプ422Cと、低音再生用スピーカ423と、プロジェクタ本体420とを有している。
なお、パワーアンプ422A、422Bは、本発明の自動変調度調整装置を備えるパワーアンプであり、図1に示すように、信号波振幅調整部104、キャリア波供給部109、変調部110、変調波振幅調整部111等を備えている。また、パワーアンプ422A、422B内のキャリア波供給部109で生成されるキャリア波の周波数は、外部設定できるように構成されているものとする。
プロジェクタ本体420は、映像を生成する映像生成部432と、生成された映像を投影面に投影する投影光学系433とを有している。このように、プロジェクタ401は、超音波スピーカ及び低音再生用スピーカ423と、プロジェクタ本体420とが一体化されて構成されている。
操作入力部410は、テンキー、数字キー、電源のオン、オフをおこなうための電源キーを含む各種機能キーを有している。再生範囲設定部412は、ユーザが操作入力部410をキー操作することにより再生信号(信号音)の再生範囲を指定するデータを入力できるようになっており、該データが入力されると、再生信号の再生範囲を規定するキャリア波の周波数が設定され、保持されるようになっている。再生信号の再生範囲の設定は、超音波トランスデューサ424A,424Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離を指定することにより行われる。
また、再生範囲設定部412は、音声/映像信号再生部414より映像内容に応じて出力される制御信号によりキャリア波の周波数が設定できるようになっている。
また、再生範囲制御処理部413は、再生範囲設定部412の設定内容を参照し、設定された再生範囲となるようキャリア波の周波数を変更するようにパワーアンプ422A、422Bを制御する機能を有する。
例えば、再生範囲設定部412の内部情報として、キャリア波周波数が50kHzに対応する上記距離が設定されている場合、パワーアンプ422A、422Bに対して50kHzのキャリア波を生成するように制御する。
再生範囲制御処理部413は、再生範囲を規定する超音波トランスデューサ424A,424Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離とキャリア波の周波数との関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部を有している。このテーブルのデータは、キャリア波の周波数と上記再生信号の到達距離との関係を実際に計測することにより得られる。
再生範囲制御処理部413は、再生範囲設定部412の設定内容に基づいて、上記テーブルを参照して設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数となるようにパワーアンプ422A、422Bを制御する。
音声/映像信号再生部414は、例えば、映像媒体としてDVDを用いるDVDプレーヤーであり、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号は、ハイパスフィルタ417Aを介しパワーアンプ422Aに、Lチャンネルの音声信号はハイパスフィルタ417Bを介してパワーアンプ422Bに、映像信号はプロジェクタ本体420の映像生成部432にそれぞれ、出力されるようになっている。
また、音声/映像信号再生部414より出力されるRチャンネルの音声信号とLチャンネルの音声信号は、ミキサ421により合成され、ローパスフィルタ419を介してパワーアンプ422Cに入力されるようになっている。音声/映像信号再生部414は、音響ソースに相当する。
ハイパスフィルタ417A,417Bは、それぞれ、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における中高音域(第一の音域)の周波数成分のみを通過させる特性を有しており、またローパスフィルタは、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における低音域(第二の音域)の周波数成分のみを通過させる特性を有している。
したがって、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号は、それぞれ超音波トランスデューサ424A、424Bにより再生され、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号は低音再生用スピーカ423により再生されることとなる。
なお、音声/映像信号再生部414はDVDプレーヤーに限らず、外部から入力されるビデオ信号を再生する再生装置であってもよい。また、音声/映像信号再生部414は、再生される映像のシーンに応じた音響効果を出すために再生音の再生範囲を動的に変更するように、再生範囲設定部412に再生範囲を指示する制御信号を出力する機能を有している。
映像生成部432は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイと、該ディスプレイを音声/映像信号再生部414から出力される映像信号に基づいて駆動する駆動回路等を有しており、音声/映像信号再生部414から出力される映像信号から得られる映像を生成する。
投影光学系433は、ディスプレイに表示された映像をプロジェクタ本体420の前方に設置されたスクリーン等の投影面に投影する機能を有している。
次に、上記構成からなるプロジェクタ401の動作について説明する。まず、ユーザのキー操作により操作入力部410から再生信号の再生範囲を指示するデータ(距離情報)が再生範囲設定部412に設定され、音声/映像信号再生部414に再生指示がなされる。
この結果、再生範囲設定部412には、再生範囲を規定する距離情報が設定され、再生範囲制御処理部413は、再生範囲設定部412に設定された距離情報を取り込み、内蔵する記憶部に記憶されているテーブルを参照し、上記設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数のキャリア波を生成するようにパワーアンプ422A、422B内のキャリア波供給部109(図1を参照)を制御する。
この結果、パワーアンプ422A、422B内のキャリア波供給部109(図1を参照)は、再生範囲設定部412に設定された距離情報に対応する周波数の搬送波キャリア波を生成し、変調部110(図1を参照)に出力する。
一方、音声/映像信号再生部414は、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号を、ハイパスフィルタ417Aを介してパワーアンプ422Aに、Lチャンネルの音声信号をハイパスフィルタ417Bを介してパワーアンプ422Bに、Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号をミキサ421に出力し、映像信号をプロジェクタ本体420の映像生成部432にそれぞれ、出力する。
したがって、ハイパスフィルタ417Aにより上記Rチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号がパワーアンプ422Aに入力され、ハイパスフィルタ417Bにより上記Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号がパワーアンプ422Bに入力される。
また、上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号はミキサ421により合成され、ローパスフィルタ419により上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号がパワーアンプ422Cに入力される。
映像生成部432では、入力された映像信号に基づいてディスプレイを駆動して映像を生成し、表示する。このディスプレイに表示された映像は、投影光学系433により、投影面、例えば、図15に示すスクリーン402に投影される。
パワーアンプ422A、422Bにより増幅されたキャリア波の変調信号は、それぞれ、超音波トランスデューサ424A、424Bの前面側固定電極(上電極)101Aと背面側固定電極(下電極)101B(図13を参照)との間に印加され、該変調信号は、有限振幅レベルの音波(音響信号)に変換され、媒質(空気中)に放射され、超音波トランスデューサ424Aからは、上記Rチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生され、超音波トランスデューサ424Bからは、上記Lチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生される。
また、パワーアンプ422Cで増幅された上記Rチャンネル及びLチャンネルにおける低音域の音声信号は低音再生用スピーカ423により再生される。
前述したように、超音波トランスデューサにより媒質中(空気中)に放射された超音波の伝播においては、その伝播に伴い音圧の高い部分では音速が高くなり、音圧の低い部分では音速は遅くなる。この結果、波形の歪みが発生する。
放射する超音波帯域の信号(キャリア波)を可聴周波数帯の信号で変調(AM変調)しておいた場合には、上記波形歪みの結果により、変調時に用いた可聴周波数帯の信号波が超音波周波数帯のキャリア波と分離して自己復調する形で形成される。その際、再生信号の広がりは超音波の特性からビーム状となり、通常のスピーカとは全く異なる特定方向のみに音が再生される。
超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ424A、424Bから出力されるビーム状の再生信号は、投影光学系433により映像が投影される投影面(スクリーン)に向けて放射され、投影面で反射され拡散する。この場合に、再生範囲設定部412に設定されるキャリア波の周波数に応じて、超音波トランスデューサ424A、424Bの音波放射面からその放射軸方向(法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、キャリア波のビーム幅(ビームの拡がり角)が異なるために、再生範囲は、変化する。
プロジェクタ401における超音波トランスデューサ424A,424Bを含んで構成される超音波スピーカによる再生信号の再生時の状態を図18に示す。プロジェクタ401において、キャリア波が音声信号により変調された変調信号により超音波トランスデューサが駆動される際に、再生範囲設定部412により設定されたキャリア周波数が低い場合は、超音波トランスデューサ424の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が長くなる。
したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、比較的拡がらずに投影面(スクリーン)402に到達することとなり、この状態で投影面402において反射するので、再生範囲は、図18において点線の矢印で示す可聴範囲Aとなり、投影面402から比較的に遠くかつ狭い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。
これに対して、再生範囲設定部412により設定されたキャリア周波数が上述した場合より高い場合は、超音波トランスデューサ424の音波放射面から放射される音波は、キャリア周波数が低い場合より絞られているが、超音波トランスデューサ424の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が短くなる。
したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、投影面402に到達する前に拡がって投影面402に到達することとなり、この状態で投影面402において反射するので、再生範囲は、図18において実線の矢印で示す可聴範囲Bとなり、投影面402から比較的に近くかつ広い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。
以上説明したように、本発明の表示装置(プロジェクタ等)では、本発明の自動変調度調整装置を有するパワーアンプで駆動される超音波スピーカを備えており、これにより、超音波スピーカの音量のダイナミックレンジが低いという問題を解決し、クラシック音楽等において信号波(音量)が小さい静かな場面においても、小さな信号波を十分な音量で再生できるようになる。
なお、上述したプロジェクタは、大画面で画像を見たい場合に使用されものであるが、近時、大画面液晶テレビや大画面プラズマテレビが急速に普及しており、それらの大画面テレビにも、本発明の自動変調度調整装置を備える超音波スピーカを効果的に使用することができる。
すなわち、大画面テレビに超音波スピーカを使用することにより、大画面テレビの前方に向けて局所的に音声信号を放射することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の自動変調度調整装置、超音波スピーカ、表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の超音波スピーカの自動変調度調整装置の構成例を示す図。 AD変換部における量子化について説明するための図。 振幅調整前の信号波形と変調波形の例を示す図。 信号振幅の最大値の検出と保持動作を行うための回路構成を示す図。 データ記憶制御部の構成と真理値表を示す図。 図4に示す回路の動作を説明するためのタイミングチャート。 信号波振幅調の効果を示す図。 信号波振幅調整部における非連続部について説明するための図。 非連続部の解消処理を行う信号波振幅調整部の構成例を示す図。 非連続部の解消処理を行う信号波振幅調整部の他の構成例を示す図。 非連続部の解消処理を説明するためのタイミングチャート。 時間区間の境目での非連続部が解消された例を示す図。 静電型トランスデューサの一例を示す図。 静電型トランスデューサを使用した超音波スピーカの構成例を示す図。 プロジェクタの構成例を示す図。 図15に示すプロジェクタの概観構成を示す図。 図15に示したプロジェクタの電気的構成例を示す図。 超音波トランスデューサによる再生信号の再生状態を示す図。
符号の説明
1…超音波スピーカシステム、1A…パワーアンプ、101…信号源、102…AD変換部、103…データ遅延部、104…信号波振幅調整部、105…信号波振幅値記憶部、106…データ記憶制御部、107…信号波振幅最大値記憶部、107a…クロック信号発生源(2)、107b…not回路、107c…遅延回路、108…信号波振幅制御部、109…キャリア波供給部、110…変調部、111…変調波振幅調整部、112…超音波トランスデューサ、113…DA変換器、201…前区間信号波振幅最大値記憶部、202…信号波時間情報発信部、203…テーブル記憶部、301…前区間信号波振幅最大値記憶部、302…信号波時間情報発信部、303…テーブル記憶部A、304…テーブル記憶部B、305…信号波振幅増幅率演算部、310…プッシュプル型の静電型トランスデューサ、311…固定電極、311A…前面側固定電極、311B…背面側固定電極、320…振動膜、321…絶縁膜、322…振動膜電極、323…支持部材、324A、324B…貫通孔、325…直流電源、326A、326B…交流信号、401…プロジェクタ、402…投影面(スクリーン)、410…操作入力部、412…再生範囲設定部、413…再生範囲制御処理部、414…音声/映像信号再生部、417A,417B…ハイパスフィルタ、419…ローパスフィルタ、420…プロジェクタ本体、421…ミキサ、422A,422B…パワーアンプ、422C…パワーアンプ、423…低音再生用スピーカ、424A、424B…静電型超音波トランスデューサ、431…プロジェクタレンズ、432…映像生成部、433…投影光学系

Claims (26)

  1. 信号波でキャリア波を振幅変調した変調波の変調度を調整する方法であって、ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手順と、
    前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手順と、
    を含むことを特徴とする自動変調度調整方法。
  2. 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整方法であって、
    前記信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較するサンプリングデータ比較手順と、
    前記新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部を取り込まれたサンプリングデータで置き換えるデータ記憶制御手順と、
    ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたサンプリングデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶手順と、
    前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたサンプリングデータの最大振幅の情報を基に、前記サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整する信号波振幅調整手順と、
    前記信号波振幅調整手順により振幅が調整をされた信号波で前記キャリア波を変調する変調手順と、
    を含むことを特徴とする超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  3. 前記信号波振幅調整手順は、
    前記信号波によるキャリア波との変調波の変調度が、前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値の点において、前記時間区間毎に100%あるいはそれに近い値となるように、前記信号波の振幅を調整する手順とを
    含むことを特徴とする請求項2に記載の超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  4. 前記信号波振幅調整手順は、
    前記時間区間の境界点を中心として前後にそれぞれ任意のサンプリング点だけ離れたサンプリング範囲において、
    前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波のサンプリング点が前記境界点における信号波のサンプリング点から離れるに従い、前記信号波によるキャリア波との変調波の変調度が前記信号波の最大振幅点において100%あるいはそれに近い値となるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように調整する手順と、
    を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  5. 前記信号波振幅調整手順は、
    前記サンプリング範囲において、前記境界点を挟んで過去側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値から、前記境界点を挟んで未来側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に、最も過去のサンプリング点から最も最近のサンプリング点に向かうにつれて、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が段階的に近づくように調整される手順と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  6. 前記信号波振幅調整手順は、
    前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる、前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値がある任意の値よりも小さい場合には、該時間区間内のキャリア波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整する手順と、
    を含むことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  7. 前記信号波振幅調整手順は、
    前記信号波振幅最大値記憶部の情報を基に得られる、前記時間区間内における前記信号波の振幅の最大値がある任意の値よりも小さい場合には、該時間区間内の前記変調波の振幅を0あるいはそれに近い値に調整する手順と、
    を含むことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整方法。
  8. 信号波でキャリア波を振幅変調した変調波の自動変調度調整装置であって、
    ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手段と、
    前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手段と、
    を備えることを特徴とする自動変調度調整装置。
  9. 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整装置であって、
    前記信号波のサンプリングデータを取り込み、信号波振幅記憶部が記憶するサンプリングデータと比較し、前記新しく取り込まれたサンプリングデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部を取り込まれたサンプリングデータで置き換えるデータ記憶制御手段と、
    ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたサンプリングデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたサンプリングデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶手段と、
    前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたサンプリングデータの最大振幅の情報を基に、前記サンプリングデータに対応する時間区間の信号波の振幅を調整する信号波振幅調整手段と、
    前記信号波振幅調整手段により振幅が調整をされた信号波で前記キャリア波を変調する変調手段と、
    を備えることを特徴とする超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  10. 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカの自動変調度調整装置であって、
    前記信号源から発生する信号がアナログ信号の場合に、前記アナログ信号をデジタルデータに変換して取り込むAD変換部と、
    前記AD変換部を通して得られる信号波のデジタルデータを遅延させるデータ遅延部と、
    前記データ遅延部を通して得られる前記信号波の振幅を調整する信号波振幅調整部と、
    前記AD変換部を通して得られる信号波のデジタルデータを記憶する信号波振幅値記憶部と、
    前記AD変換部において新しく取込まれたデジタルデータと、前記信号波振幅値記憶部が記憶するデジタルデータとを比較し、前記新しく取り込まれたデジタルデータの方が大きな値の場合は、前記信号波振幅記憶部のデジタルデータを前記新しく取込まれたデジタルデータで置き換えるデータ記憶制御部と、
    ある任意の時間区間の境界ごとに、前記信号波振幅記憶部に記憶されたデジタルデータを読み出し、信号波振幅最大値記憶部に記憶すると共に、前記信号波振幅記憶部で記憶されたデジタルデータを読み出した直後に、前記信号波振幅記憶部で記憶する値を初期値に戻す信号波振幅最大値記憶部と、
    前記信号波振幅最大値記憶部に保持されたデジタルデータの最大振幅の情報を基に、前記時間区間ごとに、信号波の最大振幅点において変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように前記振幅調整部における前記信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する信号波振幅制御部と、
    超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給部と、
    前記キャリア波を前記信号波振幅調整部を通して得られる可聴周波数帯の信号波により変調する変調部と、
    前記変調部で発生させた変調波の振幅を調整する変調波振幅調整部と、
    前記変調波振幅調整部で振幅を調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサと、
    最終的に前記超音波トランスデューサに入力される信号がアナログ信号となるように、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器と、
    を備えることを特徴とする超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  11. 前記データ記憶制御部は、
    前記AD変換部において新たにサンプリングされた第1のデジタルデータと、前記信号波振幅値記憶部に保持された第2のデジタルデータの二つのデータを入力とし、
    前記第1のデジタルデータと前記第2のデジタルデータの、より上位のビットの組み合わせから優先的に出力を決定し、
    その出力決定パターンは、前記上位ビットの組み合わせが‘1'と‘0’の場合は‘1'を出力し、‘0’と‘1'の場合は‘0’を出力するものとし、それ以外の組み合わせの場合は前記上位のビットよりも一つ下位のビットの組み合わせにより前記入力パターンを基に出力を決定する回路で構成されること
    を特徴とする請求項10に記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  12. 前記データ記憶制御部における演算時間は、前記AD変換部のサンプリング用クロック信号の周期よりも速く、かつ前記AD変換部において新たなサンプリングが行われる前に前記データ記憶制御部における演算が終了するように構成されること
    を特徴とする請求項10または請求項11に記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  13. 前記信号波振幅値記憶部は、
    前記第1のデジタルデータと、前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報を入力とし、初期値として‘0’、また前記初期値‘0’に上書きされた前記第2のデジタルデータを出力するものとし、
    前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報が‘1’で、かつ前記信号波振幅値記憶部に入力されるクロック信号が立ち上がりのタイミングである場合には、前記第1のデジタルデータを前記初期値‘0’または前記第2のデジタルデータに上書きして、新たに第2のデジタルデータとして出力し、前記データ記憶制御部の出力から得られるビット情報が‘0’の場合には、前記初期値‘0’または前記第2のデジタルデータの値を保持して出力する回路で構成されること
    を特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  14. 前記信号波振幅値記憶部に入力されるクロック信号の立ち上がりのタイミングは、前記AD変換部のサンプリング用クロック信号の立ち上がりのタイミングよりも速くなるように構成されること
    を特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  15. 前記信号波振幅最大値記憶部は、
    任意の周波数のクロック信号ClkAの発生源を有し、
    前記信号波振幅値記憶部の出力から得られる前記第2のデジタルデータを入力とし、初期値として‘0’、また前記初期値‘0’に上書きされた第3のデジタルデータを出力するものとし、前記任意の周波数のクロック信号ClkAの立ち上がりのタイミングに応じて前記第2のデジタルデータを前記初期値‘0’または前記第3のデジタルデータに上書きして、新たに第3のデジタルデータとして出力し、前記クロック信号の次の立ち上がりのタイミングが来るまでは、前記初期値‘0’または前記第3のデジタルデータの値を保持して出力する回路で構成されること
    を特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  16. 前記信号波振幅値記憶部は、
    前記任意の周波数のクロック信号ClkAと同じ周波数で、かつその立ち上がりのタイミングが前記任意の周波数のクロック信号ClkAよりも遅い信号Aの立ち上がり、または前記信号Aの反転信号の立下りのタイミングで、初期値‘0’に上書きされるように構成されたこと
    を特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  17. 前記信号波振幅制御部は、
    前記信号波振幅最大値記憶部からの最大振幅情報を入力とし、
    前記最大振幅情報と、前記データ遅延部の出力から得られる前記時間区間内の信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における信号波の振幅増幅率または減衰率を制御する出力情報とをあらかじめ対応付けたテーブルを用意し、
    前記テーブルを記憶するテーブル記憶部を
    備えることを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  18. 前記信号波振幅制御部は、
    信号波のサンプリング点の時間位置情報を発信する信号波時間情報発信部と、
    前記信号波振幅最大値記憶部と前記信号波時間情報発信部の情報を基に、前記信号波振幅調整部における前記信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する手段を
    備えることを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  19. 前記信号波振幅制御部は、
    前記信号波振幅最大値記憶部からの情報と、前記信号波時間情報発信部からの情報を入力とし、前記2つの入力情報に基づいて、前記データ遅延部の出力から得られる信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における信号波の最大振幅点での振幅増幅率を制御する手段を備え、
    さらに、前記任意の周波数のクロック信号ClkAの周期間隔と同じ時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ前のサンプリング点から、前記境界点における信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ後のサンプリング点までの範囲における各信号波のサンプリング点に対して、
    前記サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が前記時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点から離れるに従い、前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波の振幅最大点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御する出力情報と、前記2つの情報とを予め対応付けたテーブルを用意し、前記テーブルを記憶するテーブル記憶部を
    備えることを特徴とする請求項18に記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  20. 前記信号波振幅制御部は、
    信号波のサンプリング点の時間位置情報を発信する信号波時間情報発信部と、
    前記信号波振幅最大値記憶部から得られる最も新しい最大値の情報よりも一つ前に得られる最大値の情報を記憶する前区間信号波振幅最大値記憶部と、
    前記信号波振幅最大値記憶部と前区間信号波振幅最大値記憶部と信号波時間情報発信部の情報を基に、前記信号波振幅調整部における信号波の振幅の増幅率または減衰率を制御する手段を
    備えることを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  21. 前記信号波振幅制御部は、
    前記信号波振幅最大値記憶部からの情報と、前区間信号波振幅最大値記憶部からの情報と、信号波時間情報発信部からの情報とを入力とし、前記3つの入力情報に基づいて、前記データ遅延部の出力から得られる信号波の振幅の最大値の点において前記信号波の前記変調部通過後の変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記信号波振幅調整部における最大振幅点での振幅増幅率を制御するための手段と、
    前記任意の周波数のクロック信号ClkAの周期間隔と同じ時間区間の境界点における信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ前のサンプリング点から、前記境界点における前記信号波のサンプリング点よりも任意の点数だけ後のサンプリング点までの範囲における各信号波のサンプリング点に対して、前記サンプリング範囲の時間的に最も前の信号波のサンプリング点から最も新しい信号波のサンプリング点に向かうにつれて、
    前記信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記境界点に隣接しかつ時間的に前である時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値から、前記境界点に隣接しかつ時間的に新しい側の時間区間における前記信号波の最大振幅点において前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように調整する際の信号波の振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御する出力情報と、前記3つの入力情報とを予め対応付けたテーブルを記憶するテーブルを用意し、前記テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
    を備えることを特徴とする請求項20に記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  22. 前記信号波振幅制御部は、
    複数のテーブル記憶部を備えており、
    前記複数のテーブル記憶部の各々は、
    前記信号波振幅制御部へ入力される情報の内の少なくとも1つを入力とし、前記少なくとも1つ以上の入力の情報に基づいて決定される前記複数のテーブル記憶部の各々の出力の情報を演算するテーブル記憶部出力情報演算部をさらに備え、
    前記テーブル記憶部出力情報演算部は、
    前記サンプリング範囲における信号波のサンプリング点が前記時間区間の境界点における前記信号波のサンプリング点から離れるに従い、該サンプリング点の信号波の振幅の増幅率または減衰率が、前記信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御するための情報を演算結果として出力するか、
    または、前記境界点の前後のサンプリング範囲の時間的に最も前の信号波のサンプリング点から最も新しい信号波のサンプリング点に向かうにつれて、該サンプリング点の信号波の振幅の増幅率または減衰率が、境界点に隣接しかつ時間的に前である時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値から、境界点に隣接しかつ時間的に新しい側の時間区間における信号波の振幅最大点での振幅増幅率または減衰率の値に段階的に近づくように制御するための情報を演算結果として出力するように構成されたこと
    を特徴とする請求項19または請求項21に記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  23. 前記データ遅延部の遅延時間は、
    前記信号波振幅制御部の情報が前記信号波振幅調整部に入力されるタイミングと、前記信号波振幅制御部の情報を得るために用いた際の前記AD変換部からのデータの情報が前記データ遅延部を通過して前記信号波振幅調整部に入力されるタイミングとの時間的な同期がとれるように決定されていること
    を特徴とする請求項10から22のいずれかに記載の超音波スピーカの自動変調度調整装置。
  24. 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源から出力される信号波により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカであって、
    ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記信号波の振幅の最大値を検出する手段と、
    前記検出した信号波の振幅の最大値情報を基に、前記信号波の振幅の最大値の点における前記変調波の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記信号波の振幅の大きさを調整する手段と、
    を備えることを特徴とする超音波スピーカ。
  25. 音響ソースから供給される音声信号により超音波周波数帯域の搬送波信号を変調し、該変調信号により静電型超音波トランスデューサを駆動して可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、
    映像を投影面に投影する投影光学系と、
    で構成される表示装置であって、
    前記超音波スピーカは、
    ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記音声信号の振幅の最大値を検出する手段と、
    前記検出した音声信号の振幅の最大値情報を基に、前記音声信号の振幅の最大値の点における前記変調信号の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記音声信号の振幅の大きさを調整する手段と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  26. 音響ソースから供給される音声信号のうち第一の音域の信号により超音波周波数帯域の搬送波信号を変調し、該変調信号により可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、
    前記音響ソースから供給される音声信号のうち前記第一の音域よりも低い第二の音域の信号を再生する低音再生用スピーカと、
    を有する指向性音響システムであって、
    前記超音波スピーカは、
    ある任意の時間区間ごとに、前記任意の時間区間内における前記音声信号の振幅の最大値を検出する手段と、
    前記検出した音声信号の振幅の最大値情報を基に、前記音声信号の振幅の最大値の点における前記変調信号の変調度が100%あるいはそれに近い値になるように、前記ある任意の時間区間ごとに前記音声信号の振幅の大きさを調整する手段と、
    備えることを特徴とする指向性音響システム。
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