JP2008139499A - 画像形成装置及び色ずれの補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、画像形成装置内の温度変化量と色ずれの補正量との相関関係に影響を与える因子に応じて補正の要否を決定することで、無駄な補正を抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、複数の画像形成部、因子検出部、温度検知部、判定部及び補正部を含む。複数の画像形成部は、それぞれ異なる色の可視画像を形成する。因子検出部は、画像形成装置内の温度変化量とそれぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する。温度検知部は、画像形成装置内の温度変化量を検知する。判定部は、検知された温度変化量と検出された因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する。補正部は、色ずれを補正すべきと判定されると色ずれを補正する。
【選択図】図6
【解決手段】画像形成装置は、複数の画像形成部、因子検出部、温度検知部、判定部及び補正部を含む。複数の画像形成部は、それぞれ異なる色の可視画像を形成する。因子検出部は、画像形成装置内の温度変化量とそれぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する。温度検知部は、画像形成装置内の温度変化量を検知する。判定部は、検知された温度変化量と検出された因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する。補正部は、色ずれを補正すべきと判定されると色ずれを補正する。
【選択図】図6
Description
本発明は、それぞれ色の異なる単色画像を重ね合わせて一枚のカラー(多色)画像を形成する画像形成装置及び各単色画像を重ねたときに生じる色ずれの補正方法に関する。
従来の電子写真方式を採用した画像形成装置は、それぞれ色の異なる単色画像を重ね合わせて一枚のカラー(多色)画像を形成している。その際に、中間転写ベルトにカラー画像を一次転写して、さらに、中間転写ベルトから記録媒体へとカラー画像を二次転写する画像形成装置もある。これらの画像形成装置では、各色ごとに画像形成部(ステーション)が設けられる。
画像形成装置では、機械精度等の原因により、いわゆる色ずれが発生する。色ずれは、各単色画像を重ねたときに、各単色画像の形成位置が所望位置からずれることで発生する。具体的には、感光体の回転むらや中間転写ベルトの移動むらが画像形成部ごとで異なることが原因で、色ずれが発生する。
特に、各画像形成部でスキャナと感光体間の光学的距離や光学系の屈折率が温度により変化し、その変化量が各画像形成部間で異なると、色ずれが顕著となりやすい。
特開平1−142676号公報によれば、画像形成装置における温度変化量を基に色ずれ補正を行うタイミングを調整する技術が提案されている。色ずれ補正は、予め決められた色ずれ補正テーブルと温度変化量を基に、色ずれ量を予測し、直ちに実行される。
特開平1−142676号公報
ところで、特許文献1は、温度変化量と色ずれ量とが相関していることを前提としている。しかしながら、実際には、温度変化量と色ずれ量(補正量)との相関関係が崩れる場合があることがわかってきた。
相関関係が変化してしまうと、例えば、色ずれ量が小さいため補正が不要であるにもかかわらず補正が実行されてしまったり、補正が必要なほどの色ずれが生じているにもかかわらず補正が実行されなかったりすることがある。前者の場合、色ずれ補正によって印刷動作が頻繁に中断されるため、スループットが低下してしまう。一方、後者の場合、有意な色ずれが発生してしまい、画質が低下してしまう。
本願の発明者の研究により、相関関係を変化させる因子がいくつかわかってきている。未定着の可視画像(現像剤像)を記録媒体上に定着させる定着器は、加熱された定着ローラや加圧ローラを使用する。これらのローラの幅は、通紙される最大幅の記録媒体を想定して設計されているため、封筒など比較的に幅の狭い記録媒体が通紙されると、ローラの熱が記録媒体以外に伝わってゆく。特に、感光体を露光するスキャナに伝わると、光学距離が変化し、色ずれが発生しやすくなる。
ノーマル紙やグロス紙など、記録媒体の種類も因子の一つとなる。一般に、記録媒体の種類に応じて、定着器の定着温度が変更される。これは、定着器の外部に伝わる熱量も変化することを意味する。よって、画像形成装置内の温度分布も変化してしまう。
また、片面印刷と両面印刷など印刷方法の違いも相関関係を崩す因子となる。片面印刷された記録媒体と、両面印刷された記録媒体とでは、後者の方が保持する熱量が大きい。よって、画像形成装置内の温度分布も変化してしまう。
そこで、本発明は、例えば、画像形成装置内の温度変化量と色ずれの補正量との相関関係に影響を与える因子に応じて補正の要否を決定することで、無駄な補正を抑制することを目的とする。また、本発明は、例えば、このような因子に応じて補正量を決定することで、色ずれの発生を低減することを目的とする。なお、さらに他の目的については、明細書の全体から把握できよう。
本発明の第1の観点によれば、画像形成装置は、複数の画像形成部、因子検出部、温度検知部、判定部及び補正部を含む。複数の画像形成部は、それぞれ異なる色の可視画像を形成する。因子検出部は、画像形成装置内の温度変化量とそれぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する。温度検知部は、画像形成装置内の温度変化量を検知する。判定部は、検知された温度変化量と検出された因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する。補正部は、色ずれを補正すべきと判定されると色ずれを補正する。
本発明の第2の観点によれば、画像形成装置は、複数の画像形成部、因子検出部、温度検知部、補正量決定部及び補正部を含む。補正量決定部は、補正部が使用する色ずれの補正量を、検知された温度変化量と検出された因子とに応じて決定することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、画像形成装置内の温度変化量と色ずれの補正量との相関関係に影響を与える因子に応じて補正の要否を決定することで、無駄な補正を抑制することができる。また、本発明によれば、例えば、このような因子に応じて補正量を決定することで、色ずれの発生を低減できる。
[実施例1]
図1は、画像形成装置の概略断面図である。ここでは、画像形成装置100は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリとして実現できる。この例の画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成部(ステーション)101Y、101M、101C、101Kを採用している。ここで、添え字のYMCKは、現像剤の色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)を意味している。なお、共通事項を説明する際には、添え字を省略する。ここでは、4つの画像形成部101が採用されているが、本発明は、画像形成部の数に限定されることはない。
図1は、画像形成装置の概略断面図である。ここでは、画像形成装置100は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリとして実現できる。この例の画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成部(ステーション)101Y、101M、101C、101Kを採用している。ここで、添え字のYMCKは、現像剤の色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)を意味している。なお、共通事項を説明する際には、添え字を省略する。ここでは、4つの画像形成部101が採用されているが、本発明は、画像形成部の数に限定されることはない。
画像形成部101は、プロセスカートリッジ22、スキャナ部10及びトナーカートリッジ11を備える。なお、プロセスカートリッジ22は、感光体5、一次帯電手段としての注入帯電器6、帯電スリーブ7、現像器8、現像スリーブ9を備えている。良く知られているように、プロセスカートリッジ22は、画像形成装置の本体に着脱可能となっている。
像担持体の一例である感光体5は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成され、画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転される。注入帯電器6に備えられる帯電スリーブ7は、感光体5を一様に帯電させる。スキャナ部10は、画像信号に応じた光を射出及び走査して、感光体5の表面に静電潜像を形成する。現像器8に備えられる現像スリーブ9は、トナーカートリッジ11から供給された現像剤を用いて、感光体5上の静電潜像を現像し、現像剤像(可視画像)を形成する。感光体5上に形成される可視画像は、トナーカートリッジ11に格納された現像剤の色のみからなる単色画像である。
中間転写体12は、各画像形成部101に備えられる感光体5から単色画像を、順次、一次転写される。それぞれ色の異なる単色画像が順番に重ね合わされることで、一枚のカラー可視画像が中間転写体12上に形成される。
像担持体の一例である中間転写体12は、給紙部1から給紙及び搬送されてきた記録媒体2を転写ローラ3と狭持搬送することにより、中間転写体12上のカラー可視画像を記録媒体2上へ二次転写する。記録媒体は、例えば、記録材、用紙、シート、転写材、転写紙と呼ばれてもよい。
定着器13は、未定着のカラー可視画像を記録媒体2に対して加熱及び定着する装置である。定着器13は、記録媒体2を加熱する定着ローラ14と、記録媒体2を定着ローラ14に圧接させるための加圧ローラ15とを備えている。定着ローラ14と加圧ローラ15は中空状に形成され、それぞれヒータ16、17が内蔵されている。可視画像を定着された記録媒体2は、画像形成装置100の外部へ排出される。
なお、画像形成装置100には、記録媒体2を検出するための各種のシートセンサを備えている。下段搬送センサ23は、下段の給紙部から給紙された記録媒体を検出する。上段搬送センサ24は、上段の給紙部から給紙された記録媒体を検出する。レジストセンサ19は、二次転写部への記録媒体の到着タイミングと、カラー可視画像の到着タイミングとを同期させるために利用されるシートセンサである。二次転写部は、良く知られているように、中間転写体12と転写ローラ3とによって形成されるニップ部のことである。定着前センサ27は、定着器13の直前に設けられたシートセンサである。定着排紙センサ20は、定着器13の直後に設けられたシートセンサである。排紙センサ28は、排出トレイの直前に設けられたシートセンサである。これらのシートセンサによって、記録媒体が、搬送経路上のどこにいるかを把握できる。これらのシートセンサは、記録材のサイズを検出するためにも使用可能である。
両面ユニット30は、記録媒体の第1面に画像が形成された記録媒体を引き込んで、記録媒体の第2面に画像が形成されるよう記録媒体を二次転写部へ搬送するためのユニットである。
図2は、画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。コントローラ部201は、ホストコンピュータ200、排紙オプション制御部202、エンジン制御部203及び給紙オプション制御部204と相互に通信が可能となっている。コントローラ部201は、例えば、ホストコンピュータ200から画像情報と印刷命令を受け取り、受け取った画像情報を解析してビットデータに変換する。コントローラ部201は、インターフェイス部(IF部)210を介して、印刷予約コマンド、印刷開始コマンド及びビデオ信号などを記録媒体ごとにエンジン制御部203へ送出する。
コントローラ部201は、画像を形成される記録媒体のサイズを表すサイズ情報、画像を形成される記録媒体の種類を表す種類情報及び片面印刷か両面印刷かを表す印刷方法情報などをエンジン制御部203へ送出する。サイズ情報は、Letter、A3、A4などである。種類情報は、ノーマル紙、グロス紙、普通紙、厚紙などである。さらに、フルカラーモードかモノカラーモードを表すカラー情報、記録媒体を給紙する給紙カセット口情報などが送出されてもよい。これらの情報は、プリント開始時又は当該情報の変更時などに送出される。なお、これらの情報は、画像形成装置内の温度変化量とそれぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子の一例でもある。
コントローラ部201は、ホストコンピュータ200からの印刷命令にしたがって印刷予約コマンドをエンジン制御部203へ送信する。さらに、コントローラ部201は、画像形成部101が印刷可能な状態となったタイミングで、印刷開始コマンドをエンジン制御部203へ送信する。一方、エンジン制御部203は、ビデオ信号の出力の基準タイミングとなる/TOP信号をコントローラ部201へ出力する。そして、エンジン制御部203は、受信した印刷予約コマンドに従って印刷を開始する。また、レジストセンサ19と二次転写部との間に配置されたレジストローラで待機している記録媒体について再給紙されるタイミングとなると、エンジン制御部203は、/TOPR信号をコントローラ部201へ出力する。コントローラ部201は、/TOPR信号が”true”になった時点で再給紙を指示する。このとき、コントローラ部201は、ホストコンピュータ200からの指示に基づいて、排紙オプション制御部202や給紙オプション制御部204へ指示も送出する。排紙オプション制御部202は、不図示の排紙オプションを制御するためのユニットである。給紙オプション制御部204は、不図示の給紙オプションを制御するためのユニットである。
ところで、エンジン制御部203は、コントローラ部201から受信した印刷予約コマンドしたがって印刷の準備を行う。例えば、エンジン制御部203は、サイズ情報にしたがって使用する記録媒体を切り換える。また、種類情報にしたがって、エンジン制御部203は、定着器13のヒータの温度(定着温度)を変更する。印刷方法情報にしたがって、エンジン制御部203は、フラッパを移動し、搬送経路を切り換える。最終的に、エンジン制御部203は、受信した印刷開始コマンドにしたがって印刷を開始する。
エンジン制御部203は、IF部210、CPU211、ROM212、RAM213及び温度センサ102を備えている。IF部210は、コントローラ部201と情報を送受信するためのユニットである。CPU211は、エンジン制御部の各ユニットを統括的に制御するユニットである。ROM212は、制御プログラム、制御に必要となるデータやテーブルなどを記憶するユニットである。
例えば、ROM212には、1つ以上の補正要否テーブルや1つ以上の補正量テーブルが記憶されてもよい。各補正要否テーブルは、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正の要否を記憶している。もちろん、これらのテーブルが1つに統合されてもよいことはいうまでもない。温度変化量は、温度センサ102により測定された画像形成装置内の温度変化量のことである。各補正量テーブルは、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正量を記憶している。RAM213は、ワークエリアとして機能する揮発性の記憶ユニットである。ROMやRAMは、記憶装置の一例に過ぎず、これらに代えて又はこれらと共に他の記憶装置(ハードディスクドライブ)が使用されてもよい。
ここで、画像形成装置内の温度変化量と色ずれと間の相関関係に影響を与える因子について説明する。図3は、スキャナ部10、感光体5及び中間転写体12の模式図である。なお、図中では、現像剤の色を表す添え字としてYMCKが参照番号の後ろに付与されている。スキャナ部10は、レーザ光を走査することにより感光体5上に静電潜像を作像する。ここで、レーザ光の走査方向は、主走査方向と呼ばれる。また、中間転写体12の移動方向(カラー可視画像の搬送方向)は、副走査方向と呼ばれる。
図4は、中間転写体12上で各色ごとのトナー像を重ね合わせた際に生じる色ずれの例を説明するための図である。(a)は、副走査方向に位置ずれが生じた例を示している。実線は、理想的な可視画像を示している。破線は、色ずれの生じた可視画像を示している。例えば、YMCの各可視画像は、実線に沿って形成されているが、Kの可視画像が破線の位置に形成されると、いわゆる色ずれが発生する。ここでの色ずれは、副走査方向における各可視画像間の位置ずれとなる。
(b)は、主走査方向に位置ずれが生じた例を示している。図から、主走査方向において、破線の形成位置と実線の形成位置とがずれていることがわかるであろう。このように、ここでの色ずれは、主走査方向における各可視画像間の位置ずれとなる。
(c)は、主走査方向において倍率がずれている様子を示している。実線の幅と破線の幅とを比較するとわかるように、破線の幅がより狭くなっている。このように、ここでの色ずれは、主走査方向における各可視画像間の倍率ずれとなる。
図5は、画像形成装置内の温度上昇と各可視画像間の副走査方向又は主走査方向の色ずれ量との相関関係の一例を示す図である。縦軸は、色ずれ量を示し、横軸は、温度変化量を示している。画像形成装置内の温度を上昇させる要因としては、例えば、定着器13がある。上述したように、定着器13に対して最も近くに位置しているのは、イエロー用の画像形成部101Yである。2番目に近いのは、マゼンタ用の画像形成部101Mである。3番目に近いのは、シアン用の画像形成部101Cである。最も遠いのは、黒用の画像形成部101Kである。一般に、定着器13に対して近い画像形成部ほど、定着器13が発する熱の影響を大きく受ける。熱の影響によって、例えば、スキャナ部10と感光体5との間の光学的距離や光学系の屈折率が変動し、その結果、色ずれが発生する。図からわかるように、イエローの可視画像と黒の可視画像との間の色ずれ量は、他のものより大きくなっている。このように、熱の影響が大きければ大きいほど、色ずれ量も増加する。
ところで、画像形成装置内の温度変化量と色ずれ量(補正量)との相関関係が常に一致するとは限らない。すなわち、相関関係に影響を与える原因因子が存在する。因子には、例えば、記録媒体のサイズ、種類及び印刷方法などがある。
記録媒体のサイズが因子となる理由は次の通りである。一般に、エンジン制御部203は、コントローラ部201から記録媒体のサイズを指定される。封筒等の比較的に小サイズの記録媒体を連続で印刷する場合、定着器13が備える定着ローラ14の中央部は記録媒体が通過するため、熱が記録媒体に奪われる。しかしながら、定着ローラ14の端部は、熱が記録媒体に奪われない。よって、中央部と端部とで温度差が顕著に発生する。その結果、定着器13の近傍に設けられた部材(感光体5、スキャナ部10など)にも温度差が生じるため、当該部材が歪みやすくなる。例えば、スキャナ部10に歪みが発生すると、各画像形成部101でスキャナ部10と感光体5との間の光学的距離が変化し、色ずれが発生する。よって、熱源からの距離依存して、部材の変化量が変わり、色ずれ量も変わる。
ところで、封筒等の小サイズの記録媒体を連続で印刷する場合には、色ずれ量が大きくなっているにもかかわらず、温度センサ102により計測された温度変化量が相対的に小さいことがある。これは、画像形成装置内に設置されている温度センサの個数が例えば1つの場合、スキャナ部10の中央部又は端部の温度しか計測できないからである。このように、画像形成装置内に設置されてある温度センサ102の個数が少ないほど、部材の温度変化の動向を完全に把握するのが困難になる。これも、温度変化量と実際の色ずれ量との相関関係を狂わせる原因となる。なお、多数の温度センサを画像形成装置内の各所に配置することで、この問題を解決することも可能であるが、コストの面からは、温度センサの数をあまり増やしたくはない。
記録媒体の種類が因子となるのは次の理由からである。エンジン制御部203は、コントローラ部201から指定されたノーマル紙、グロス紙、厚紙等の記録媒体の種類に応じて、定着器13の熱量を変化させる。これは、記録媒体の種類ごとに、好ましい定着温度が異なるからである。このように、定着温度を制御すると、記録媒体の種類に応じて定着器13が発する熱量に差が生じる。記録媒体の種類に応じて画像形成装置内に設けられたファンの風量を変更することも考えられる。この場合、各画像形成部101における温度変化量と、温度センサ102で検知した温度変化量とが乖離し、その結果、計測された温度変化量と色ずれ量との相関関係にずれが生じうる。上述したように、画像形成装置内に設置される温度センサの個数が少ない場合は、特にこの現象が顕著になりやすい。
印刷方法(印刷面)が因子となるのは次の理由からである。エンジン制御部203は、コントローラ部201から片面印刷か両面印刷かの指定を受けて動作する。片面印刷の場合、記録媒体の片面が主に熱を保持する。これ対して、両面印刷の場合、記録媒体の両面が熱を保持する。よって、両面印刷された記録媒体が保持する熱量は、片面印刷された記録媒体が保持する熱量よりも大きくなる。したがって、片面印刷を実行したときの画像形成装置内の温度分布と、両面印刷を実行したときの画像形成装置内の温度分布とは異なる。この場合も、各画像形成部101における温度変化量と、温度センサ102で検知した温度変化量とが乖離し、その結果、計測された温度変化量と色ずれ量との相関関係にずれが生じうる。上述したように、画像形成装置内に設置される温度センサの個数が少ない場合は、特にこの現象が顕著になりやすい。
そこで、本実施例は、画像形成装置内の温度変化量を検知するとともに、この温度変化量と色ずれとの相関関係に影響を与える因子も検出することで、色ずれを補正すべきか否かを判定する。もちろん、本実施例は、これらに応じて色ずれの補正量を決定する。
図6は、エンジン制御部において実現される機能のブロック図である。本実施例では、CPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することで、各機能が実現されるものとする。しかしながら、各機能は、論理回路などのハードウエアのみで実現されてもよいし、ソフトウエアのみにより実現されてもよい。もちろん、各機能が、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。
因子検出部601は、画像形成装置内の温度変化量とそれぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する。この検出は、例えば、記録媒体に画像が形成されることになる都度、実行される。温度検知部602は、温度センサ102により計測された画像形成装置内の温度変化量を検知する。判定部603は、検知された温度変化量と検出された因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する。補正部604は、色ずれを補正すべきと判定されると色ずれを補正する。
色のずれの補正方法は、種々存在する。例えば、各画像形成部101が、それぞれ異なる色のマークを中間転写体12上に形成し、画像読み取りセンサ(例:CCD)がマークを読み取る。CPU211は、読み取ったマークの位置から色ずれ補正量を決定し、色ずれを補正する。補正部604は、主走査及び副走査の静電潜像の書き込みタイミングを調整することで、色ずれを補正する。もちろん、後述するように補正量テーブルから取得した補正量を用いて、補正が実行されてもよい。後者は、スループットや現像剤の使用量の観点から前者よりも有利である。最終的に、補正部604は、決定された補正量に従って、スキャナ部10が備えるポリゴンモーターの位相を補正したり、走査のクロック周波数を調整したり、光学系を移動したりする。
補正量決定部605は、補正部604が使用する色ずれの補正量を、検知された温度変化量と、検出された因子の種類とに応じて決定する。
判定部603は、複数の補正要否テーブルのうち、特定された因子に対応する補正要否テーブル611を用いて、検出された温度変化量に対応する補正の要否を決定してもよい。補正要否テーブル611は、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正の要否を記憶している。また、補正要否テーブル611は、ROM212に記憶される。保持部612は、複数種類の因子についてそれぞれの検出回数を保持する。特定部613は、複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する。
補正量決定部605は、例えば、特定された因子に対応する補正量テーブル614を用いて、検出された温度変化量に対応する補正量を決定してもよい。補正量テーブル614は、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正量を記憶している。後述するように、補正量テーブル614と、補正要否テーブル611とを1つのテーブルにより実現してもよい。これは、補正量をゼロとすれば、実質的に補正しないことを表現できるからである。なお、1つのテーブルにより実現したとしても、実質的には、複数のテーブルが存在していることには変わりがない。
上述した因子検出部601は、例えば、サイズ検出部、種類検出部及び印刷方法検出部のうち少なくとも1つを備えてもよい。サイズ検出部は、因子として、画像を形成される記録媒体のサイズを検出する。なお、サイズ検出部は、ホストコンピュータ200から通知される情報を解析してサイズ情報を取得してもよいし、レジストセンサ19などのシートセンサを記録媒体が通過する時間を計測することでサイズ情報を取得してもよい。種類検出部は、因子として、画像を形成される記録媒体の種類を検出する。種類検出部は、例えば、ホストコンピュータ200から通知される情報を解析して種類情報を取得してもよいし、搬送経路に設けられるメディアセンサにより種類情報を取得してもよい。メディアセンサは、例えば、記録媒体に対して光を照射することで、光の透過量と反射量とを計測し、これらの計測量に基づいて記録媒体の種類を特定するセンサである。印刷方法検出部は、因子として、片面印刷か両面印刷かを検出する。印刷方法検出部は、例えば、ホストコンピュータ200から通知される情報を解析して片面印刷が指定されているか、両面印刷が指定されているかを特定できる。
図7は、色ずれの補正方法についての例示的なフローチャートである。エンジン制御部203は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると本フローチャートに沿って印刷動作を開始する。
ステップS701で、温度検知部602は、温度センサ102によって現在の画像形成装置内の温度を検知する。ステップS702で、温度検知部602は、検知した温度を基準温度としてRAM213に記憶する。このように、RAM213は、温度記憶部として機能する。
ステップS703で、CPU211は、保持部612が保持している因子の情報(例:各因子の検出回数)をクリアする。ここでは、因子を転写材のサイズとしているため、保持部612が保持しているサイズ情報をクリアする。
ステップS704で、CPU211は、ビデオ信号を出力するための基準タイミングとなる/TOP信号を出力するタイミングかどうかを判定する。出力タイミングが到来するまで待ってから、ステップS705に進み、記録媒体に画像が形成されることになる都度、因子検出部601が検出したサイズ情報(A3、A4、B5、封筒といった記録媒体のサイズ)を保持部612が保持する。
ステップS706で、温度検知部602は、温度センサ102によって、現在の画像形成装置内の温度を再び検知する。ステップS707で、温度検知部602は、RAM213に記憶されている基準温度と、現在の温度との差分(温度変化量)を算出する(温度変化量 = 現在温度 − 基準温度)。
ステップS708で、CPU211は、算出された温度変化量が、ROM212に記憶されているしきい値よりも大きいかどうかを判定する。しきい値は、例えば、経験的に決定される値である。温度変化量がしきい値よりも大きくなければ、まだ、色ずれ補正は必要ないので、ステップS712に進む。一方、温度変化量がしきい値よりも大きければ、ステップS709に進む。なお、ステップS708は省略されてもよい。
ステップS709で、特定部613は、複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する。特定部613は、例えば、各サイズ(例:A4、A3、封筒)の検出回数(画像形成回数)のうち、最も頻度の高いサイズを特定する。すなわち、保持部612は、各種類ごとの検出回数をカウントしてゆき、そのカウント値を保持している。上述したように、封筒などの特定因子が多数検出されれば、色ずれ補正が必要ということになる。
ステップS710で、判定部603は、複数ある補正要否テーブル611のうち、特定された因子(サイズ)に対応する補正要否テーブルを用いて、検出された温度変化量に対応する補正の要否を決定する。上述したように、各因子の種類ごとに、補正要否テーブルが用意されている。各補正要否テーブルは、それぞれ異なる温度変化量に対応する補正の要否を格納している。補正が必要であれば、ステップS711に進み、必要でなければ、ステップS712に進む。
ステップS711で、補正部604は、色ずれ補正を実行する。なお、この際に、補正量決定部605は、特定部613により特定された因子(サイズ)に対応する補正量テーブル614を選択する。さらに、補正量決定部605は、検出された温度変化量に対応する補正量を、選択した補正量テーブルから取得する。補正部604は、取得された補正量を用いて色ずれ補正を実行する。その後、ステップS712に進み、CPU211は、コントローラ部201により指定された印刷がすべて終了したか否かを判定する。終了していなければ、ステップS704に戻り、エンジン制御部203は、次の記録媒体への印刷に備える。終了していれば、エンジン制御部203は、本フローチャートに係る処理を終了する。
図8は、補正要否テーブル611と補正量テーブル614とを統合したテーブルの一例を示す図である。このテーブルは、転写材のサイズと温度変化量とに対応する、イエローに対するマゼンタの副走査方向の色ずれ補正量[dot(ドット)]を示している。テーブルに登録されている記録媒体のサイズには、A3(リーガル)、A4(レター)、B5及び封筒が存在する。テーブルに登録されている温度変化量[度C]は、0.3度Cから2.0度Cまでの8種類が登録されている。図中の”−”は0(ゼロ)ドットのことである。例えば、特定されたサイズがA4で、かつ、検知された温度変化量が0.7度Cであれば、本テーブルから、色ずれ補正が不要であることがわかる。一方、特定されたサイズが封筒で、かつ、検知された温度変化量が0.3度Cであれば、本テーブルから、色ずれ補正が必要であることがわかる。これらの補正量は、画像形成装置の構成に依存するため、経験的に決定されることが望ましい。
本実施例によれば、画像形成装置内の温度変化量と色ずれの補正量との相関関係に影響を与える因子に応じて補正の要否を決定することで、無駄な補正を抑制することができる。また、本実施例によれば、このような因子と温度変化量とに応じて補正量を決定することで、色ずれの発生を低減できる。
例えば、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正の要否を記憶した複数の補正要否テーブルを採用すれば、相関関係が所望の関係でなくなっても、補正の要否を好適に判断できよう。また、複数種類の因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる温度変化量ごとに補正量を記憶した複数の補正量テーブルを採用すれば、相関関係が所望の関係でなくなっても、補正量を好適に決定できよう。
また、複数種類の因子についてそれぞれの検出回数を保持し、検出回数が最大となる因子を特定し、特定された因子に対応するテーブルを使用することで、支配的な因子の影響を低減できるであろう。
さらに、因子検出部として、サイズ検出部、種類検出部及び印刷方法検出部の少なくとも1つ(可能ならすべて)を採用することで、記録媒体のサイズや種類、印刷面の与える影響を緩和できるであろう。
さらに、色ずれとして、副走査方向における各可視画像間の位置ずれ、主走査方向における各可視画像間の位置ずれ、及び、主走査方向における各可視画像間の倍率ずれを対象とすることで、比較的に頻度の高い色ずれを緩和できよう。
[実施例2]
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。しかし、因子は、サイズに限定されることはなく、記録媒体の種類であってもよい。そこで、実施例2では、ノーマル紙やグロス紙、厚紙など様々な記録媒体の種類に応じて、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。しかし、因子は、サイズに限定されることはなく、記録媒体の種類であってもよい。そこで、実施例2では、ノーマル紙やグロス紙、厚紙など様々な記録媒体の種類に応じて、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
図9は、色ずれの補正方法についての他の例示的なフローチャートである。図7と共通する工程には、同一の参照符号が付されている。図7と比較するとわかるように、ステップS705がS905に置換され、S709ないしS711がS909ないしS911にそれぞれ置換されている。
ステップS905で、記録媒体に画像が形成されることになる都度、因子検出部601が検出した種類情報(ノーマル紙、グロス紙、普通紙、厚紙など)を保持部612が保持する。保持部612は、検出回数として、例えば、ノーマル紙の印刷枚数、グロス紙の印刷枚数、普通紙の印刷枚数及び厚紙の印刷枚数などを計数して保持することになる。
ステップS909で、特定部613は、複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する。特定部613は、例えば、各媒体種類(例:ノーマル紙、グロス紙など)の検出回数(画像形成回数)のうち、最も頻度の高い媒体種類を特定する。
ステップS910で、判定部603は、複数ある補正要否テーブル611のうち、特定された因子(媒体種類)に対応する補正要否テーブルを用いて、検出された温度変化量に対応する補正の要否を決定する。上述したように、媒体種類ごとに、補正要否テーブルが用意されている。各補正要否テーブルは、それぞれ異なる温度変化量に対応する補正の要否を格納している。補正が必要であれば、ステップS911に進み、必要でなければ、ステップS712に進む。
ステップS911で、補正部604は、色ずれ補正を実行する。なお、この際に、補正量決定部605は、特定部613により特定された因子(媒体種類)に対応する補正量テーブル614を選択する。さらに、補正量決定部605は、検出された温度変化量に対応する補正量を、選択した補正量テーブルから取得する。補正部604は、取得された補正量を用いて色ずれ補正を実行する。その後、ステップS712に進む。
本実施例によれば、因子として記録媒体の種類を考慮することでも、実施例1と同様の効果を奏することとなる。例えば、サイズは同一であるが、種類の異なる記録媒体が使用されるケースでは、実施例2に係る発明は実施例1に係る発明よりも好ましい効果をもたらすであろう。
[実施例3]
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。また、実施例2では、因子として、記録媒体の種類を一例として採用した。しかし、因子は、サイズや記録媒体の種類に限定されることはなく、印刷方法(片面印刷/両面印刷)であってもよい。そこで、実施例3では、片面印刷や両面印刷などの印刷方法の違いに応じて、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。また、実施例2では、因子として、記録媒体の種類を一例として採用した。しかし、因子は、サイズや記録媒体の種類に限定されることはなく、印刷方法(片面印刷/両面印刷)であってもよい。そこで、実施例3では、片面印刷や両面印刷などの印刷方法の違いに応じて、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
図10は、色ずれの補正方法についてのさらに他の例示的なフローチャートである。図7と共通する工程には、同一の参照符号が付されている。図7と比較するとわかるように、ステップS705がS1005に置換され、S709ないしS711がS1009ないしS1011にそれぞれ置換されている。
ステップS1005で、記録媒体に画像が形成されることになる都度、因子検出部601が検出した印刷方法情報(片面印刷、両面印刷など)を保持部612が保持する。保持部612は、検出回数として、例えば、片面印刷枚数と、両面印刷枚数とを計数して保持することになる。
ステップS1009で、特定部613は、複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する。特定部613は、例えば、各印刷方法(例:片面印刷、両面印刷)の検出回数(画像形成回数)のうち、最も頻度の高い印刷方法を特定する。
ステップS1010で、判定部603は、複数ある補正要否テーブル611のうち、特定された因子(印刷方法)に対応する補正要否テーブルを用いて、検出された温度変化量に対応する補正の要否を決定する。上述したように、各印刷方法ごとに、補正要否テーブルが用意されている。各補正要否テーブルは、それぞれ異なる温度変化量に対応する補正の要否を格納している。補正が必要であれば、ステップS1011に進み、必要でなければ、ステップS712に進む。
ステップS1011で、補正部604は、色ずれ補正を実行する。なお、この際に、補正量決定部605は、特定部613により特定された因子(印刷方法)に対応する補正量テーブル614を選択する。さらに、補正量決定部605は、検出された温度変化量に対応する補正量を、選択した補正量テーブルから取得する。補正部604は、取得された補正量を用いて色ずれ補正を実行する。その後、ステップS712に進む。
本実施例によれば、因子として印刷方法を考慮することでも、実施例1や2と同様の効果を奏することとなる。例えば、サイズや媒体種類は同一であるが、印刷方法が異なるケースでは、実施例3に係る発明は実施例1や2に係る発明よりも好ましい効果をもたらすであろう。
[実施例4]
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。また、実施例2では、因子として、記録媒体の種類を一例として採用した。さらに、実施例3では、因子として、印刷方法を一例として採用した。しかし、考慮すべき因子の種類は、単独である必要はなく、これら又は他の因子の1つ以上を組み合わせてもよい。そこで、実施例4では、因子の組み合わせの一例として、上述した3つの因子を組み合わせることで、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
実施例1では、因子として、記録媒体のサイズを一例として採用した。また、実施例2では、因子として、記録媒体の種類を一例として採用した。さらに、実施例3では、因子として、印刷方法を一例として採用した。しかし、考慮すべき因子の種類は、単独である必要はなく、これら又は他の因子の1つ以上を組み合わせてもよい。そこで、実施例4では、因子の組み合わせの一例として、上述した3つの因子を組み合わせることで、適切なタイミングで色ずれ補正を実行し、かつ、適切な量の色ずれ補正を行う方法及び装置について説明する。
図11は、色ずれの補正方法についてのさらに他の例示的なフローチャートである。図7と共通する工程には、同一の参照符号が付されている。図7と比較するとわかるように、ステップS705がS1105に置換され、S709ないしS711がS1109ないしS1111にそれぞれ置換されている。
ステップS1105で、記録媒体に画像が形成されることになる都度、因子検出部601が検出したサイズ情報、媒体種類情報及び印刷方法情報を保持部612が保持する。保持部612は、これらの因子の各検出回数を計数して保持することになる。
ステップS1109で、特定部613は、複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する。特定部613は、例えば、複数の因子の組み合わせのうち、最も頻度の高い組み合わせを特定する。
図12は、保持部612が保持している検出された因子の履歴の一例を示す図である。図12によれば、1頁から20頁までの各ページに適用されたサイズ、印刷方法及び媒体種類が保持されていることがわかる。CPU211は、このような履歴を用いて各組み合わせの検出回数を算出してもよい。図12の例では、最終的に、B5、両面及びグロス紙の組み合わせが最も頻度の高い組み合わせであることが特定される。
ステップS1110で、判定部603は、複数ある補正要否テーブル611のうち、特定された組み合わせに対応する補正要否テーブルを用いて、検出された温度変化量に対応する補正の要否を決定する。上述したように、各組み合わせごとに、補正要否テーブルが用意されている。各補正要否テーブルは、それぞれ異なる温度変化量に対応する補正の要否を格納している。補正が必要であれば、ステップS1111に進み、必要でなければ、ステップS712に進む。
ステップS1111で、補正部604は、色ずれ補正を実行する。なお、この際に、補正量決定部605は、特定部613により特定された組み合わせに対応する補正量テーブル614を選択する。さらに、補正量決定部605は、検出された温度変化量に対応する補正量を、選択した補正量テーブルから取得する。補正部604は、取得された補正量を用いて色ずれ補正を実行する。その後、ステップS712に進む。
図13は、補正要否テーブル611と補正量テーブル614とを統合したテーブルの他の例を示す図である。図からわかるように、因子の組み合わせごとの補正量及び要否がこのテーブルには登録されていることがわかる。例えば、温度変化量0.3度Cと、B5、両面及びグロス紙の組み合わせとに対応する補正量は、1ドットであることがこのテーブルからわかる。
本実施例によれば、複数種類の因子の組み合わせを考慮することで、上記実施例と同様又はそれ以上の効果を奏することが期待される。
また、本実施例及び上記実施例によれば、画像形成装置内に多数又は複数の温度センサを設ける必要性が減少するため、コストの低下に役立つであろう。
なお、本発明は、次のように観念することもできる。画像形成装置は、画像形成部101、補正部604、補正量記憶部(ROM212又はRAM213)、温度検知部602、因子検出部601及び補正量調整部(CPU211)を含んでもよい。とりわけ、補正量記憶部は、それぞれ異なる温度変化量に対応した色ずれの補正量を記憶する。また、補正量調整部は、検知された温度変化量及び検出された因子に応じて補正量を調整する。このように、記憶されている補正量を、因子や温度変化量などに応じて動的に変更することで、色ずれが目立つようになる前に補正を実行できるようになる。
また、画像形成装置は、画像形成部101、補正部604、補正時期記憶部(ROM212又はRAM213)、温度検知部602、因子検出部601及び実行時期調整部(CPU211)を含んでもよい。とりわけ、補正時期記憶部は、画像形成装置内のそれぞれ異なる温度(温度変化量)ごとの色ずれの補正時期を記憶する。また、実行時期調整部は、検知された温度(温度変化量)及び検出された因子に応じて補正時期を調整する。このように、記憶されている補正時期を、因子や温度変化量などに応じて動的に変更することでも、色ずれが目立つようになる前に補正を実行できるようになる。
1・・給紙部
2・・記録媒体
5・・感光体
7・・帯電器
8・・現像器
10・・スキャナ部
12・・中間転写体
13・・定着器
19・・レジストセンサ
102・・温度センサ
200・・ホストコンピュータ
201・・コントローラ部
203・・エンジン制御部
2・・記録媒体
5・・感光体
7・・帯電器
8・・現像器
10・・スキャナ部
12・・中間転写体
13・・定着器
19・・レジストセンサ
102・・温度センサ
200・・ホストコンピュータ
201・・コントローラ部
203・・エンジン制御部
Claims (11)
- 画像を形成する画像形成装置であって、
それぞれ異なる色の可視画像を形成する複数の画像形成部と、
画像形成装置内の温度変化量と前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出部と、
前記画像形成装置内の温度変化量を検知する温度検知部と、
検知された前記温度変化量と検出された前記因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する判定部と、
前記色ずれを補正すべきと判定されると、該色ずれを補正する補正部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正部が使用する色ずれの補正量を、検知された前記温度変化量と検出された前記因子の種類とに応じて決定する補正量決定部
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 複数種類の前記因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる前記温度変化量ごとに補正の要否を記憶した複数の補正要否テーブルと、
前記複数種類の因子についてそれぞれの検出回数を保持する保持部と、
前記複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する特定部と
を備え、
前記判定部は、
前記複数の補正要否テーブルのうち、特定された前記因子に対応する補正要否テーブルを用いて、検出された前記温度変化量に対応する補正の要否を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 複数種類の前記因子についてそれぞれ用意され、それぞれ異なる前記温度変化量ごとに補正量を記憶した複数の補正量テーブルと、
前記複数種類の因子についてそれぞれの検出回数を保持する保持部と、
前記複数種類の因子のうち、検出回数が最大となる因子を特定する特定部と
を備え、
前記補正量決定部は、
特定された前記因子に対応する補正量テーブルを用いて、検出された前記温度変化量に対応する前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記因子検出部は、
前記因子として、画像を形成される記録媒体のサイズを検出するサイズ検出部と、
前記因子として、画像を形成される記録媒体の種類を検出する種類検出部と、
前記因子として、片面印刷か両面印刷かを検出する印刷方法検出部と
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記色ずれは、
副走査方向における各可視画像間の位置ずれと、
主走査方向における各可視画像間の位置ずれと、
主走査方向における各可視画像間の倍率ずれと
のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 画像を形成する画像形成装置であって、
それぞれ異なる色の可視画像を形成する複数の画像形成部と、
画像形成装置内の温度変化量と前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出部と、
前記画像形成装置内の温度変化量を検知する温度検知部と、
検知された前記温度変化量と検出された前記因子とに応じて前記色ずれの補正量を決定する補正量決定部と、
決定された前記補正量を用いて色ずれを補正する補正部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - それぞれ異なる色の可視画像間で発生する色ずれの補正方法であって、
画像形成装置内の温度変化量と前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出工程と、
前記画像形成装置内の温度変化量を検知する温度検知工程と、
検知された前記温度変化量と検出された前記因子とに応じて色ずれを補正すべきか否かを判定する判定工程と、
前記色ずれを補正すべきと判定されると、該色ずれを補正する補正工程と
を含むことを特徴とする色ずれの補正方法。 - それぞれ異なる色の可視画像間で発生する色ずれの補正方法であって、
画像形成装置内の温度変化量と前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出工程と、
前記画像形成装置内の温度変化量を検知する温度検知工程と、
検知された前記温度変化量と検出された前記因子とに応じて前記色ずれの補正量を決定する補正量決定工程と、
決定された前記補正量を用いて色ずれを補正する補正工程と
を含むことを特徴とする色ずれの補正方法。 - 画像を形成する画像形成装置であって、
それぞれ異なる色の可視画像を形成する複数の画像形成部と、
前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれを補正する補正部と、
画像形成装置内の温度変化量を検知する温度検知部と、
それぞれ異なる温度変化量に対応した色ずれの補正量を記憶する補正量記憶部と、
前記温度変化量と前記色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出部と、
検知された前記温度変化量、及び検出された前記因子に応じて前記補正量を調整する補正量調整部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 画像を形成する画像形成装置であって、
それぞれ異なる色の可視画像を形成する複数の画像形成部と、
前記それぞれ異なる色の可視画像間における色ずれを補正する補正部と、
画像形成装置内の温度を検知する温度検知部と、
前記画像形成装置内のそれぞれ異なる温度ごとの前記色ずれの補正時期を記憶する補正時期記憶部と、
前記画像形成装置内の温度と前記色ずれとの相関関係に影響を与える因子を検出する因子検出部と、
検知された前記温度、及び検出された前記因子に応じて前記補正時期を調整する実行時期調整部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324698A JP2008139499A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 画像形成装置及び色ずれの補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324698A JP2008139499A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 画像形成装置及び色ずれの補正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008139499A true JP2008139499A (ja) | 2008-06-19 |
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ID=39601040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006324698A Withdrawn JP2008139499A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 画像形成装置及び色ずれの補正方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008139499A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009020173A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Canon Inc | 画像形成装置および画像形成方法 |
JP2012068286A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成システム |
JP2017058505A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成システム、画像濃度補正方法及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-11-30 JP JP2006324698A patent/JP2008139499A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009020173A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Canon Inc | 画像形成装置および画像形成方法 |
JP2012068286A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成システム |
JP2017058505A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成システム、画像濃度補正方法及び画像形成装置 |
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