JP2008139405A - デジタルカメラ用羽根駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂製の地板に設けられた取付軸に、その取付軸の一部を熱溶解させて、カバー板などの板部材を確実に取り付けることを可能にした、小型化に適したデジタルカメラ用羽根駆動装置を提供すること。
【解決手段】合成樹脂製の地板1と金属製のカバー板2との間に、シャッタ羽根3の羽根室を構成している。地板1に一体成形によって立設された取付軸1cは、地板1の製作時には円柱形をしている。カバー板2は、円形の孔2cを有していて、羽根室外の面には、孔2cから放射状に凹部2c−1が連設されている。そして、カバー板2は、孔2cに取付軸1cを嵌合させ、貫通した先端部を熱溶解してフランジ部に変形させるとともに、溶解した材料を凹部2c−1にも流入させることによって、取付軸1cに取り付けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】合成樹脂製の地板1と金属製のカバー板2との間に、シャッタ羽根3の羽根室を構成している。地板1に一体成形によって立設された取付軸1cは、地板1の製作時には円柱形をしている。カバー板2は、円形の孔2cを有していて、羽根室外の面には、孔2cから放射状に凹部2c−1が連設されている。そして、カバー板2は、孔2cに取付軸1cを嵌合させ、貫通した先端部を熱溶解してフランジ部に変形させるとともに、溶解した材料を凹部2c−1にも流入させることによって、取付軸1cに取り付けられている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、シャッタ羽根,絞り羽根,フィルタ羽根,バリア羽根などの羽根部材を、羽根室内において往復作動させるようにしたデジタルカメラ用羽根駆動装置に関する。
デジタルカメラ用の羽根駆動装置としては、シャッタ装置,絞り装置,フィルタ装置,レンズバリア装置がある。それらのうち、シャッタ装置,絞り装置,フィルタ装置については、二つ以上を一つのユニットとして構成する場合もある。そして、それらの装置を単独でユニット化する場合には、通常、合成樹脂製の比較的厚い部材である地板と、その地板に取り付けられた比較的薄い板部材であるカバー板(補助地板などともいう)との間に、羽根室を構成している。また、二つの装置をユニット化する場合には、二つの装置の羽根を上記のように構成された一つの羽根室に配置することもあるが、地板とカバー板との間を、比較的薄い板部材である中間板(仕切り板などともいう)で仕切り、二つの羽根室を構成することもある。そして、それらのうち、一つの羽根室に、シャッタ羽根と絞り羽根を配置した羽根駆動装置の構成が、下記の特許文献1に記載されている。
また、上記の各板部材は、従来は、複数のねじによって地板に取り付けられるのが普通であった。しかしながら、ねじ部品はコスト面で不利であるし、また、上記のような各装置は、最近では携帯電話などの各種情報機器端末にも組み込まれるようになってきて、非常に小型化されてきたため、ねじ止め作業も容易ではなくなってきた。そのため、最近では、地板が合成樹脂製であることに着目して、地板には、一体成形によって取付軸を立設し、主に金属製である板部材には、その取付軸を嵌合させる孔を設けておき、取付軸を孔に嵌合させたとき、羽根室外に突き出た先端部を熱溶解させフランジ状に変形させることによって、板部材を地板に取り付ける方法が採用されるようになってきた。特許文献1には、そのようにしてカバー板を地板に取り付ける構成が記載されている。
ところで、上記の各板部材を地板に対して取り付けるに際し、従来のように、ねじを用いた場合には、ねじを締め込みさえすれば、ねじの頭部と板部材とが密着状態になり、板部材は、地板に対して完全に固定される。ところが、特許文献1に記載されているように、地板に立設されている取付軸の先端部を、熱溶解させフランジ状に変形させることによって、地板に対して板部材を取り付けた場合には、その変形されたフランジ部は、板部材に対して接触状態にはなるが密着せず、板部材は地板に対して完全には固定されない。そのため、主に、板部材に形成されている孔と取付軸との間の嵌合公差によって、孔と取付軸との間にガタツキを生じさせてしまうことになる。そして、そのようなガタツキが生じると、板部材が薄い金属製であると、取付軸から微細な磨耗粉を発生させてしまうことになり、それが長期にわたって固体撮像素子の前面に蓄積されてゆくことによって、良好な画像が得られなくなってしまうという問題点がある。他方、シャッタ装置等の羽根駆動装置をカメラに組み込むときには、上記の板部材に、固体撮像素子やレンズなどの他のカメラ部品を近接して配置することが要求される。ところが、そのような要求に応えるために、羽根室外に突き出て形成されているフランジ部を従来よりも薄くしようとすると、板部材の取付け強度が小さくなってしまうという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、合成樹脂製の地板にカバー板などの板部材を取り付けるに際し、地板に立設されている取付軸の先端部を板部材に形成されている孔に貫通させた後、その先端部を熱溶解しフランジ状に変形させることによって取り付けても、ガタツキが生じないようにするとともに、板部材の取付け強度を確保しつつ従来よりも板部材からのフランジ部の突出し量を減じることを可能にしたデジタルカメラ用羽根駆動装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用羽根駆動装置は、撮影光路用の開口部を有していて一方の面に少なくとも一つの取付軸を一体成形で立設している合成樹脂製の地板と、前記開口部に対向させる撮影光路用の開口部と前記取付軸の先端部を貫通させる孔とを有していて該孔を貫通した先端部を熱溶解しフランジ部に変形させることによって前記地板に取り付けられ前記地板との間に羽根室を構成している板部材と、前記羽根室に配置されていて駆動手段によって前記開口部に進退させられる少なくとも1枚の羽根と、を備えていて、前記板部材には、前記フランジ部との対向領域に、該フランジ部の形成時に溶解した合成樹脂材料の少なくとも一部を流入させる少なくとも一つの充填部が設けられているようにする。
その場合、前記充填部は、孔であるようにしてもよい。また、前記板部材の厚さに余裕があるときは、前記充填部は、凹部であるようにしてもよい。また、前記充填部は、前記孔から放射状に連設された孔又は凹部であるようにしてもよい。更に、前記充填部は、前記孔から放射状に連設された凹部であって、少なくとも前記孔側の底面の一部が、前記孔の中心に向けて前記地板側に傾斜する傾斜面として形成されているようにすると、板部材の取付け強度を一層大きくすることが可能になる。更にまた、前記充填部は、前記フランジ部と略同じ形状をしているようにすると、フランジ部が板部材から突き出ないようにすることも可能になる。
本発明は、合成樹脂製の地板に立設された取付軸の先端部を、カバー板などの板部材に形成された孔に貫通させた後、その先端部を熱溶解しフランジ部に変形させることによって、地板に板部材を取り付けるに際し、フランジ部と対向する板部材の領域に、フランジ部の形成時に溶解した合成樹脂材料を流入させるための充填部を設けたので、取り付け後、ガタツキが生じないように、板部材を地板に対して固定し得るとともに、板部材の取付け強度を確保しつつ、板部材からのフランジ部の突出し量を、従来よりも小さくすることが可能になる。
本発明の実施の形態を、図示した二つの実施例によって説明する。上記したように、本発明のデジタルカメラ用羽根駆動装置は、シャッタ装置,絞り装置,フィルタ装置,レンズバリア装置のいずれにも適用することができるものである。また、シャッタ装置,絞り装置,フィルタ装置のうちの二つ以上を一つのユニットとして構成した装置にも適用することができるものである。更に、それらの装置は、スチル画像撮影用の単体のデジタルカメラに採用することができるほか、各種情報端末機器用カメラやビデオカメラを含む各種のデジタルカメラにも採用することができるものである。しかしながら、それらの全ての具体例を図示して説明するまでもないので、実施例としては、シャッタ装置としてユニット化したものを説明する。
本実施例は、情報端末機器用カメラにも組み込むことの可能な、シャッタ羽根を1枚備えた小型のシャッタ装置として構成したものである。そして、図1は、シャッタ羽根を全開状態としている撮影待機状態を示した平面図であり、図2は、図1のA―A線断面図であり、図3は、図1のB―B線断面図である。
先ず、構成を説明する。本実施例の地板1は、合成樹脂製であって比較的厚く形成されており、図2において、下方の面を羽根室側の面とし、上方の面をアクチュエータ室側の面としている。そして、地板1の略中央部には円形をした撮影光路用の開口部1aを形成し、その左上方向には円弧状の長孔1bを形成している。また、地板1の羽根室側の面には、三つの取付軸1c,1d,1eと、一つの羽根軸1fが一体成形で立設されており、アクチュエータ室側の面には、二つの取付軸1g,1hと、一つの回転軸1iと、一つの位置決め軸1jとが一体成形で立設されている。そして、それらの軸のうち、羽根軸1fと、回転軸1iと、位置決め軸1jとは、図1に示されているように、円柱形をしているが、取付軸1c,1d,1e,1g,1hも、地板1が部品として製作された段階では円柱形をしていた。そこで、図2においては、後述のカバー板2を取り付ける前の取付軸1cの形状を二点鎖線で示してある。尚、図示を省略されているが、このほかにも、地板1の羽根室側の面には、二つのストッパ軸が一体成形で立設されている。
地板1には、薄い金属製の板部材であるカバー板2が取り付けられていて、両者の間に羽根室を構成している。図2に示されているように、カバー板2には、上記の開口部1aと対向するところに、開口部1aと同じ形状をした撮影光路用の開口部2aが形成され、上記の長孔1bと対向するところに、長孔1bと同じ形状をした長孔2bが形成されている。このほか、カバー板2には、上記の取付軸1c,1d,1eを嵌合させる孔2c,2d,2eと、上記の羽根軸1fの先端部を嵌合させる孔2fが形成されている。また、図示していないが、上記した図示していないストッパ軸の先端部を嵌合させる孔も形成されている。それらの孔のうち、取付軸1c,1d,1eを嵌合させる孔2c,2d,2eの周囲は、独特の形状をしている。即ち、図1においてカバー板2の背面には、孔2c,2d,2eから放射状に、五つずつの凹部2c−1,2d−1,2e−1が連設されている。そして、図3に示したように、凹部2e−1の底面だけは、孔2e側の一部が、地板1側に傾斜した傾斜面として形成されている。
ここで、地板1に対するカバー板2の取り付け方を説明する。上記したように、地板に立設された取付軸1c,1d,1eは、当初は、図2に二点鎖線で示された取付軸1cのように、円柱形に形成されている。そこで先ず、それらの取付軸1c,1d,1eを、カバー板2の孔2c,2d,2eに嵌合させ、それらの先端部を反対側の面から突き出させる。その状態においては、取付軸1c,1d,1eと孔2c,2d,2eとの嵌合公差により、カバー板2は、地板1に対して図2において水平方向へ(地板1の面に平行に)若干動き得るようになっている。そこで次に、取付軸1c,1d,1eの先端部を加熱して溶解させ、それらの先端部を元の断面形状よりも大きなフランジ部に変形させていくと、溶解された材料の一部が、凹部2c−1,2d−1,2e−1に流入してゆき、その後、フランジ部とともに固化することになる。
このように、本実施例の場合には、予め、カバー板2に、凹部2c−1,2d−1,2e−1を形成している。ところが、従来のように、凹部2c−1,2d−1,2e−1を形成せずに、このような取り付け方をすると、カバー板2の板面とフランジ部との間は、接触状態にはなるが、密接して固着状態になるわけではないため、カバー板2は、依然として地板1に対して図2における水平方向へ動き(ガタツキ)得ることになる。そのため、特に、本実施例のように、カバー板2が薄い金属製の板材で製作されている場合には、そのような動きの繰り返しによって、主に取付軸1c,1d,1eから、その都度、微細な磨耗粉を発生させてしまうことになる。そして、磨耗粉が固体撮像素子の前面に少しずつ付着していくことによって、やがて良好な画像を得ることができなくなってしまう。それに対して、本実施例の場合には、先端部の溶融材料が、5箇所ずつの凹部2c−1,2d−1,2e−1に流入し固化するため、カバー板2は上記のような水平方向へは全く動かなくなる。そのため、そのような動きに起因する磨耗粉の発生は全くない。
また、本実施例の場合には、取付軸1c,1d,1eの先端部の溶融材料が、5箇所ずつの凹部2c−1,2d−1,2e−1に流入し固化するので、従来よりもその分だけ取付け強度が大きくなっている。特に、図3に示されている取付け構成のように、凹部2e−1の底面に傾斜面2e−2を形成した場合には、その効果は一層大きい。そのため、本実施例の場合には、カバー板2から突き出て形成されているフランジ部の厚さが、従来よりも薄くなっており、その分だけ、カメラに組み付けるときのスペース効率が向上し、他のカメラ構成部材等を配置し易いようになっている。尚、本実施例の場合には、一つの孔に5箇所の凹部を形成しているが、凹部の深さを深くすれば、それだけ取付け強度も大きくなるので、1箇所だけでもよい場合がある。また、本実施例の凹部を、地板1側の面まで貫通した長孔として形成し、溶融材料がその中に充填されるようにしてもよく、そのようにすれば、取付け強度は一層大きくなる。更に、本実施例の場合には、フランジ部が、カバー板から突き出ているが、上記のようにしたことによって取付け強度上に問題がなければ、孔の周囲に大きな凹部を形成し、フランジ部を、その凹部内に形成することによって、カバー板からは突き出ないようにすることも可能になる。
本実施例は、このようにして、カバー板2が地板1に取り付けられ、両者の間に羽根室を構成しているが、その羽根室内には、1枚のシャッタ羽根3が配置されている。そして、そのシャッタ羽根3は、上記の羽根軸1fに回転可能に取り付けられており、その取付け位置の近傍には長孔3aが形成されている。尚、本実施例の場合には、羽根室内に1枚のシャッタ羽根3を配置しているだけであるが、本発明は、複数枚のシャッタ羽根を配置し、それらを同時に同じ方向へ異なる速度で往復回転させるようにしても構わない。そのように構成すると地板の平面形状を小さくすることが可能な場合がある。また、本発明は、周知のように、シャッタ羽根を2枚配置し、それらを同時に相反する方向へ回転させるようにしても構わない。その場合、少なくとも一方のシャッタ羽根を複数枚のシャッタ羽根とし、それらの複数枚のシャッタ羽根を、同時に同じ方向へ異なる速度で回転させるようにしても構わない。
上記のように、地板1のアクチュエータ室側の面には、回転軸1iが立設されているが、その回転軸1iには、永久磁石製の回転子4が回転可能に取り付けられている。この回転子4は、径方向に2極に着磁された円筒状の本体部4aと、その本体部4aから径方向へ張り出したアーム部4bと、そのアーム部4bの先端に設けられた出力ピン4cとからなっている。そして、その出力ピン4cは、地板1の長孔1bから挿入され、羽根室内でシャッタ羽根3の長孔3aに嵌合し、先端を、カバー板2の長孔2bから羽根室外へ突き出している。尚、本実施例の回転子4は、このような構成をしているが、アーム部4bと出力ピン4cを合成樹脂製にすることも周知である。そして、そのようにした場合には、本実施例のようにカバー板2が薄くても、出力ピン4cの先端が羽根室外へ突き出ないようにする手段も知られている。そのため、カバー板2から突き出ている羽根軸1fの先端部を溶解させ、上記の取付軸1c,1d,1eのフランジ部をカバー板2から突き出ないようにする場合と同様に構成すれば、カバー板2からは何も突き出ていないようにすることも可能になる。
地板1のアクチュエータ室側の面に立設されている上記の取付軸1g,1hには、合成樹脂製の固定子枠5が取り付けられている。この固定子枠5は、長さ方向の略中央部に中空のボビン部5aを有しているほか、両端には上記の取付軸1g,1hに嵌合させる孔5b,5cを有している。そして、ボビン部5aの外側にはコイル6が巻回されている。また、U字形をしているヨーク7は、二つの脚部7a,7bと、上記の位置決め軸1jに嵌合させる孔7cとを有している。そして、一方の脚部7aをボビン部5aの中空部に挿入し、二つの脚部7a,7bの先端を磁極部として、回転子4の本体部4aの周面に対向させている。そして、このような構成をしたアクチュエータは、回転子4が、コイル6に対する通電方向に対応した方向へ、所定の角度範囲内でだけ回転するようになっている。尚、取付軸1g,1hに対する固定子枠5の取り付け方は、固定子枠5が合成樹脂製であって、しかも、比較的厚い部材であることから、従来のように、孔5b,5cを貫通させた取付軸1g,1hの先端部を熱溶解させ、フランジ部を形成するだけにしているが、必要に応じて、取付軸1c,1d,1eに対するカバー板2の取り付け方と同じにしても一向に差し支えない。
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、撮影待機状態を示したものであって、シャッタ羽根3は、開口部1aを全開にしている。そのため、図示していない固体撮像素子には被写体光が当たっており、撮影者は、モニターによって被写体像を観察することが可能になっている。また、このとき、アクチュエータのコイル6には通電されていない。しかしながら、周知のように、このとき、回転子4は、その本体部4aの磁極とヨーク7の二つの磁極部との間に作用する磁力によって、時計方向へ回転させられ、出力ピン5cによって、シャッタ羽根3を時計方向へ回転させるように付勢されているが、シャッタ羽根3が図示していないストッパ軸に押し付けられ、この状態が維持されている。
撮影に際してレリーズボタンが押されると、固体撮像素子に蓄積されていた電荷が放出されることによって撮影が開始され、新たな電荷が固体撮像素子に蓄積されていく。そして、所定の時間が経過すると、露光時間制御回路からの信号によって、コイル6に順方向の電流が供給される。それによって、回転子4は、反時計方向へ回転させられ、出力ピン4cによってシャッタ羽根3を反時計方向へ回転させ、開口部1aを閉鎖させる。そして、回転子4とシャッタ羽根3の回転は、シャッタ羽根3が図示していないストッパ軸に当接することによって停止する。
このようにしてシャッタ羽根3の作動が停止すると、固体撮像素子に蓄積された電荷が、撮像情報として記憶装置に転送される。そして、その転送が終わると、コイル6に対して上記とは異なる逆方向の電流が供給される。それによって、回転子4は、時計方向へ回転させられ、出力ピン4cによってシャッタ羽根3を時計方向へ回転させる。そして、シャッタ羽根3が、開口部1aを全開にし、その直後に図示していないストッパに当接して停止すると、コイル6に対する通電が断たれることによって、図1に示した次の撮影の待機状態に復帰したことになる。
尚、本実施例は、シャッタ装置として説明したが、このままの構成で、レンズバリア装置とすることもできる。また、シャッタ羽根3の代わりに、フィルタ板のみで製作されたフィルタ羽根を備えると、フィルタ装置になる。また、本実施例のシャッタ羽根3に、地板1の開口部1aよりも小さい開口部を形成して絞り羽根とすれば、絞り装置にもなる。更に、本実施例のシャッタ羽根3に、適当な大きさの開口部を形成し、その開口部を覆うようにしてフィルタ板を取り付ければ、フィルタ装置になる。そして、これらの装置は、全て本発明のデジタルカメラ用羽根駆動装置である。更にまた、上記したように、デジタルカメラ用羽根駆動装置の中には、シャッタ装置,絞り装置,フィルタ装置の二つ以上を一つのユニットとして構成する場合がある。そして、そのようにする場合には、本実施例の地板1とカバー板2との間を、薄い板部材である中間板で仕切り、二つの羽根室を構成することがあるが、本発明は、そのような、地板に対する中間板の取り付け構成にも適用されるものである。
次に、図4を用いて、実施例2を説明する。図4は、本実施例におけるカバー板の取付け構成を、上記の図3と同様にして示した断面図である。実施例1の場合と同じ符号を用いていることからも分かるように、本実施例の地板1は、実施例1の地板1と全く同じである。そのため、地板1が合成樹脂材料で製作された段階では、取付軸1eは、円柱形をしていた。それに対して、本実施例のカバー板12は、実施例1におけるカバー板2のように、孔2eに五つの凹部2e−1を連設しておらず、その孔2eに相当する孔12aの周囲に小さい一つの孔12bを形成している。そのほかの形状は、実施例1のカバー板2と全く同じである。
そこで、地板1に対するカバー板12の取り付け方を簡単に説明する。先ず、円柱形をしている取付軸1eを、カバー板12の孔12aに嵌合させて、それらの先端部を反対側の面から突き出させる。次に、取付軸1eの先端部を加熱し溶解することによって、その先端部を、元の断面形状よりも大きなフランジ部に変形させていくと、溶解された材料の一部が孔12bに流入する。そして、その後、固化した状態が図4に示された取付け状態である。そのため、本実施例の場合にも、この図4の取付け状態においては、カバー板12が、地板1に対して水平方向へ動けないようになっている。
このように、本実施例のカバー板12は、フランジ部との対向領域に孔12bを一つだけ設けているが、本発明は、同じような孔を二つ以上設けても構わないし、孔の形状は円形である必要がない。また、本実施例の孔12bを、地板1側まで貫通させていない凹部として形成しても差し支えない。更に、本実施例の場合にも、孔12aの周囲にフランジ部の形状に相当する形状の凹部を設け、フランジ部が突き出ないようにすることも可能である。そして、その他のことについては、実施例1の説明で述べたことが、本実施例の場合にも適用される。
尚、上記の各実施例においては、カバー板の取付軸を地板に三つ設け、それらの全てを本発明の取付け構成にすることを前提にして説明した。しかしながら、本発明の場合には、カバー板のような薄い板部材を確実に取り付けることができるので、そのような構成の取付け箇所は1箇所でもよく、他の取付け箇所は、例えば、地板に一体成形で形成したフック部を板部材に掛け止めするなど、周知の取付け構成にしても構わない。
1 地板
1a,2a 開口部
1b,2b,3a 長孔
1c、1d,1e,1g,1h 取付軸
1f 羽根軸
1i 回転軸
1j 位置決め軸
2,12 カバー板
2c,2d,2e,2f,5b,5c,7c,12a,12b 孔
2c−1,2d−1,2e−1 凹部
2e−2 傾斜面
3 シャッタ羽根
4 回転子
4a 本体部
4b アーム部
4c 出力ピン
5 固定子枠
5a ボビン部
6 コイル
7 ヨーク
7a,7b 脚部
1a,2a 開口部
1b,2b,3a 長孔
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1f 羽根軸
1i 回転軸
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2e−2 傾斜面
3 シャッタ羽根
4 回転子
4a 本体部
4b アーム部
4c 出力ピン
5 固定子枠
5a ボビン部
6 コイル
7 ヨーク
7a,7b 脚部
Claims (6)
- 撮影光路用の開口部を有していて一方の面に少なくとも一つの取付軸を一体成形で立設している合成樹脂製の地板と、前記開口部に対向させる撮影光路用の開口部と前記取付軸の先端部を貫通させる孔とを有していて該孔を貫通した先端部を熱溶解しフランジ部に変形させることによって前記地板に取り付けられ前記地板との間に羽根室を構成している板部材と、前記羽根室に配置されていて駆動手段によって前記開口部に進退させられる少なくとも1枚の羽根と、を備えていて、前記板部材には、前記フランジ部との対向領域に、該フランジ部の形成時に溶解した合成樹脂材料の少なくとも一部を流入させる少なくとも一つの充填部が設けられていることを特徴とするデジタルカメラ用羽根駆動装置。
- 前記充填部は、孔であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用羽根駆動装置。
- 前記充填部は、凹部であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用羽根駆動装置。
- 前記充填部は、前記孔から放射状に連設された孔又は凹部であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用羽根駆動装置。
- 前記充填部は、前記孔から放射状に連設された凹部であって、少なくとも前記孔側の底面の一部が、前記孔の中心に向けて前記地板側に傾斜する傾斜面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用羽根駆動装置。
- 前記充填部は、前記フランジ部と略同じ形状をしていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用羽根駆動装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010085752A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Nidec Copal Corp | カメラ用羽根駆動装置 |
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2006
- 2006-11-30 JP JP2006323446A patent/JP2008139405A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010085752A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Nidec Copal Corp | カメラ用羽根駆動装置 |
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