JP2008138241A - 耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールおよびその製造方法 - Google Patents

耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐疲労損傷性と耐食性とを両立させたパーライト鋼レールを提供する。
【解決手段】質量%でC:0.5%以上1.2%以下、Si:0.1%以上1.2%以下、Mn:0.4%以上1.5%以下およびNi:1.1%以上4.0%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成に調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば海底トンネル内などの湿潤下に塩分が飛来するような環境、或いは雪氷対策や凍結防止のために凍結防止剤を散布する、豪雪地帯などの厳しい腐食環境下で使用されるレール、特に長寿命化を達成する耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールに関するものである。
鉄道輸送は、他の輸送機関と比較して輸送効率が高いことから、年々高速化や、ダイヤの過密化が指向されており、その分レールに対する負荷が年々過酷になっている。このため、軌道の直線部においてはレール頭頂面において、同曲線部においてはレール頭部コーナー部において、その転動疲労損傷が増加しており、レールにはこれまで以上の耐転動疲労損傷性向上が求められている。
レールは、海底トンネルや地下トンネルなどの厳しい腐食環境や、雪氷対策および凍結防止のために凍結防止剤を散布する豪雪地帯などでも使用されており、このような環境で用いられるレールは、転動疲労損傷による交換に加えて、腐食による交換頻度も増加している。
従って、厳しい腐食環境や豪雪地帯などで使用されるレールには、これまで以上に優れた耐食性能が求められている。耐食性に優れたレールとしては、例えば、特許文献1に開示されている、レールの頭頂面および頭側面車輪接触部を除くレールの全表面に、鋼よりも自然電位の卑な金属を0.25〜0.50mmの厚さに溶射して第1層とし、次いで第1層溶射被膜の温度がプラスチック粉体塗料の融点もしくは、硬化反応温度以上或いは熱分解温度以下の温度範囲で0.20〜4.60mm厚さのプラスチックを溶射して第2層とし、更に第2層プラスチック被膜の上に融点が700℃以下の金属を0.15〜0.25mmの厚さに溶射して第3層となし、かつその合計厚さが5mm以下に積層した3層被覆を施すことにより、列車の走行時に車輪とレールの接触によって発生する騒音を軽減するとともに、耐食性にも優れた防振・防音性と耐食性を向上させたレールが知られている。
しかしながら、レールにこのような被膜を施すことは、レールの生産操業において新たに工程を増やす必要があるから、操業能率の低下によるコストの増加をまねくことになる。
また、レールの耐疲労損傷性向上の手法として、例えば、特許文献2および3に開示されているように、パーライトのラメラー間隔の微細化やパーライトのコロニーを微細化することも提案されている。しかしながら、パーライト組織の微細化は、耐疲労損傷性の向上には有効であるものの、レール鋼の耐食性を向上する点で課題を残すものであった。
特開平8−092761号公報 特開平8−049019号公報 特開2002−363701号公報
そこで、本発明の目的は、上記した課題を解決するために、優れた耐疲労損傷性と耐食性とを両立させたパーライト鋼レールを提供することにある。
発明者らは、レールの成分組成や製造条件を最適化するために多くの実験を試みた結果、Ni量を適切に調整し、また圧延後の冷却速度を適切に制御することにより、レール鋼の耐疲労損傷性及び耐食性が向上することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)質量%で
C:0.5%以上1.2%以下、
Si:0.1%以上1.2%以下、
Mn:0.4%以上1.5%以下および
Ni:1.1%以上4.0%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
(2)前記成分組成は、さらに、質量%で
V:0.001%以上0.50%以下、
Mo:1.0%以下、
Cr:1.5%以下、
Cu:1.0%以下および
Nb:0.05%以下
の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(1)に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
(3)頭部のコーナー部および頭頂部の表面を起点として、少なくとも20mmの深さ範囲における硬さがHV240〜450であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
(4)少なくともレール頭部の一部がフェライトとセメンタイトとからなるラメラーを主体としたパーライト組織を有し、該パーライト組織中のラメラー間隔が0.2μm以下である前記(1)、(2)または(3)に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
(5)質量%で
C:0.5%以上1.2%以下、
Si:0.1%以上1.2%以下、
Mn:0.4%以上1.5%以下および
Ni:1.1%以上4.0%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材に、仕上温度:800〜950℃にて熱間圧延を施し、次いでパーライト変態開始以上の温度から、0.03℃/秒以上2.0℃/秒未満の冷却速度にて600℃以下まで冷却することを特徴とする耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールの製造方法。
(6)前記鋼素材は、さらに、質量%で
V:0.001%以上0.50%以下、
Mo:1.0%以下、
Cr:1.5%以下、
Cu:1.0%以下および
Nb:0.05%以下
の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(5)に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールの製造方法。
本発明によれば、従来のパーライト鋼レールに比べて遥かに優れた耐疲労損傷性及び耐食性を有するパーライト鋼レールを安定して提供することが可能となる。従って、例えば海底トンネル内などの湿潤下に塩分が飛来する環境、或いは雪氷対策や凍結防止のため凍結防止剤を散布する豪雪地帯など厳しい腐食環境の下で使用される、レールの長寿命化に寄与するから、産業上有益な効果がもたらされる。
本発明のレールは、パーライト組織の微細化により、従来の亜共折、共析および過共析型パーライトレール以上に耐疲労損傷性、耐食性を向上させるものである。図1に、本発明レールのパーライト組織構造の模式図を示す。図1に示すように、パーライト組織はフェライト1とセメンタイト2が層状(ラメラー)組織を形成し、ラメラー組織を一つの単位(パーライトコロニー3)としたラメラー組織の集合体である。本発明はこのようなパーライト組織において、ラメラー間隔aを微細化し、耐疲労損傷性および耐食性の向上を図るものである。
以下、上記したラメラー間隔の狭いパーライト組織とする条件について、まず、レールの成分組成を規定した理由から順に説明する。なお、成分組成における「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.5〜1.2%
Cは、パーライト組織においてセメンタイトを形成し、レールの強度を確保するための必須元素であり、添加量の増加に伴い強度が向上する。0.5%未満では従来のパーライト鋼レールと比較して優れた強度を得ることが難しい。また、1.2%を超えると熱間圧延後の変態時に初析セメンタイトがオーステナイト粒界に生成し、耐疲労損傷性が低下する。従って、レールの特性の観点から、C量は0.5〜1.2%とする。
Si:0.1〜1.2%
Siは、まず、脱酸剤として添加する元素であり、そのためには0.1mass%以上添加する必要がある。また、Siは、パーライト中のフェライトへの固溶強化により、強度を向上させる効果を有するため、積極的に添加する。しかし、Siの量が1.2%を超えると、Siの有する高い酸素との結合力のため、酸化物系介在物が多量に生成し、耐疲労損傷性が低下する。従って、レールの特性の観点から、Si量は0.1〜1.2%とする。
Mn:0.4〜1.5%
Mnは、変態温度を低下させてパーライト組織のラメラー問隔を細かくすることにより、レールの高強度化並びに高延性化に寄与する元素である。しかし、0.4%未満では十分な効果が得られず、一方1.5%を超えると鋼のミクロ偏析によるマルテンサイト組織を生じ易く、熱処理時及び溶接時に硬化や脆化を生じ材質が劣化するので好ましくない。従って、レールの特性の観点から、Mn量は0.4〜1.5%とする。
Ni:1.1〜4.0%
Niは、耐食性向上及び変態温度を低下させてパーライト組織のラメラー間隔を細かくするための元素である。しかし、1.1%未満では耐食性に十分な効果が得られず、一方4.0%を超える添加を行うと、焼入れ性が上昇し、マルテンサイトが生成するようになる。従って、Ni量は1.1%以上4.0%以下とする。
残部は、Feおよび不可避的不純物である。不純物としては、P、SおよびAlが挙げられ、それぞれ、0.025%、0.020%および0.0015%まで許容できる。特に、Alは、酸化物を形成し、転動疲労損傷の起点となり、レール鋼の耐転動疲労損傷性の低下を招くため、0.0015%以下まで抑制することが好ましい。
以上の基本成分に加えて、必要に応じて、V:0.001〜0.50%、Mo:1.0%以下、Cr:1.5%以下、Cu:1.0%以下およびNb:0.001〜0.05%の中から選ばれる1種または2種以上を添加することができる。
V:0.001〜0.50%
Vは、炭化物を形成して基地中へ分散析出し、耐摩耗性を向上する。V量が0.001%未満ではその効果が少なく、一方0.50%を超えて添加すると、加工性が劣化し、製造コストが増加する。従って、Vの添加量は0.001〜0.50%とすることが好ましい。
Mo:1.0%以下
Moは、固溶強化による更なる高強度化を図るための元素である。ただし、1.0%を超えると、ベイナイト組織が生じやすくなり、レールの使用寿命が低下する。従って、レールの特性の観点から、添加する場合はMo量を1.0%以下とすることが好ましい。
Cr:1.5%以下
Crは、固溶強化により更なる高強度化を図るための元素である。ただし、1.5%を超えると、焼入れ性が高くなり、マルテンサイトが生成し耐疲労損傷性が低下する。従って、レールの特性の観点から、添加する場合はCr量を1.5%以下とすることが好ましい。
Cu:1.0%以下
Cuは、Crと同様に固溶強化により更なる高強度化を図るための元素である。ただし、1.0%を超えると、Cu割れが生じる。従って、添加する場合にはCu量を1.5%以下とすることが好ましい。
Nb:0.05%以下
Nbは、鋼中のCと結び付いて圧延中及び圧延後に炭化物として析出し、パーライトコロニーサイズの微細化に有効に作用する。その結果、耐転動疲労損傷性は大きく向上し、かつ延性も高くなることから、Nbはレールの長寿命化に大きく寄与する。ただし、Nb量が0.001%未満では十分な効果が得られないので、0.001%以上とすることが好ましい。また、0.05%を超えて添加しても、耐転動疲労損傷性の向上効果が飽和し、添加量に見合う効果が得られない。従って、レールの特性の観点から、Nbの添加量は0.05%以下とすることが好ましい。
次に、鋼レールの頭部コーナー部および頭頂部において、それぞれの表面を起点として少なくとも20mmの深さ範囲を、硬さHV240〜450とすることが好ましい理由について、以下に説明する。
すなわち、鋼レールの頭部コーナー部および頭頂部において、硬さがHV240〜450の硬さの範囲が、表面からの深さで20mm未満では、レール鋼の耐摩耗性を維持するのが難しくなり、レールの使用寿命の向上が図れない。
一方、本発明のレール鋼の成分系では、硬さがHV240未満になると、レール頭部の耐摩耗性の確保が困難となり、レールの使用寿命が低下する。逆に、硬さがHV450を超えると、マルテンサイト組織が生成するためレールの延・靭性が低下する。このため頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として、少なくとも20mmの深さ範囲では、硬さをHV240〜450とすることが好ましい。
また、少なくともレール頭部の一部がフェライトとセメンタイトとからなるラメラーを主体としたパーライト組織を有し、このパーライト組織中のラメラー間隔を0.2μm以下とすることが好ましい。
すなわち、ラメラー間隔が0.2μm超になると、レール鋼の耐摩耗性・耐疲労損傷性を維持するための強度確保が難しくなり、が小さくなり、レール使用寿命の向上が難しくなる。
なお、ラメラー間隔を0.05μm未満にするためには、圧延後の冷却速度を速くする必要があり、冷却中にマルテンサイトが生成しやすくなるため、0.05μm以上とすることが好ましい。
次に、本発明のパーライト組織を有するレールを得るためには、上記成分の鋼を、仕上温度:800〜950℃にて熱間圧延を施し、次いでパーライト変態開始以上の温度から、0.03〜2.0℃/秒の冷却速度にて600℃以下まで冷却する。
以下、工程毎に説明する。
圧延仕上温度:800〜950℃
圧延仕上温度が800℃より低い場合は、オーステナイト低温域まで圧延を行うことになり、オーステナイト結晶粒に加工歪が導入されるだけでなく、オーステナイト結晶粒の伸長度合いも顕著となる。転位の導入かつオーステナイト粒界面積の増加により、パーライト核生成サイトが増加し、パーライトコロニーサイズは微細化するため耐疲労損傷性が向上する。しかし、パーライト核生成サイトの増加により、パーライト変態温度が上昇し、パーライトラメラー間隔が粗大化するため耐摩耗性が著しく低下する。
一方、圧延仕上温度が950℃を超える場合は、オーステナイト結晶粒が粗大になるため、焼入れ性が向上し冷却中にマルテンサイトを生成しやすくなる。従って、圧延仕上温度は800℃〜950℃とする。
冷却速度:0.03℃/秒以上2.0℃/秒未満
冷却速度が2℃/秒以上の場合、Niの高い焼入れ性のためマルテンサイト組織が生成し、延性および靭性が低下する。一方、0.03℃/秒未満の場合、変態温度が上昇し、ラメラー間隔が粗大化し耐摩耗性が低下する。従って、冷却速度は0.03℃/秒以上2.0℃/秒未満の範囲とする。
冷却停止温度:600℃以下
本発明の範囲の化学成分を有する素材を圧延し上記の速度範囲で冷却した場合、パーライト変態温度は、概ね700℃となることから、上記した冷却速度範囲で均質なパーライト組織を得るためには、冷却を、パーライト変態開始温度より100℃程度は低い温度域にて停止する必要がある。従って、冷却停止温度は600℃以下とする。
表1に示す化学成分を有する供試鋼を1250℃に加熱し、表2に示す条件に従って、レール形状に圧延したのち、表2に示す冷却速度で冷却を行って、レールを製造した。かくして得られたレールの頭部から、耐疲労損傷試験片および塩水噴霧用試験片を採取し、耐疲労損傷性及び耐食性を、以下のように評価した。その評価結果を、表2に併記する。
(塩水噴霧試験)
試験片は、レール頭部から50mm×80mm×1mm厚の板を採取し、JIS Z 2371に従い48時間の塩水噴霧試験を行い、試験前後の重量減により耐食性を評価した。腐食量の大小を比較する際に基準となる鋼材として、現用のC量0.68%の熱処理型パーライト鋼レールを採用し、該鋼種よりも10%以上腐食量が少ない場合に耐食性が向上したと判定した。
(耐疲労損傷試験)
耐疲労損傷性は、西原式摩耗試験機を用いて実際のレールと車輪の接触条件をシミュレートして評価した。すなわち、接触面を曲率半径15mmの曲面とした直径30mmの西原式摩耗試験片を、レール頭部から採取し、接触圧力:2.2GPa、すべり率:−20%、油潤滑条件で、2万5千回毎に試験片表面を観察し、0.5mm以上の亀裂が発生した時点を疲労損傷寿命とした。疲労損傷寿命の大小を比較する際に基準となる鋼材として、現用のC量0.68%の熱処理型パーライト鋼レールを採用し、該鋼種よりも10%以上疲労損傷時間が長い場合に耐疲労損傷性が向上したと判定した。
Figure 2008138241
Figure 2008138241
ここで、表2に示した耐食性の評価結果について、成分組成におけるNi量に関して整理して図2に示すように、Niを1.1%以上添加することにより、耐食性が向上することがわかる。一方、Niを4.0%超で添加した場合、マルテンサイトが生成し、表2に示したように、耐疲労損傷性が低下した。
同様に、表2に示した耐疲労損傷性の評価結果について、ラメラー間隔に関して整理して図3に示すように、ラメラー間隔を0.2μm以下にすることによって耐疲労損傷性が向上することがわかる。一方、ラメラー間隔が0.05μm未満では、一部マルテンサイト組織が生成するため、パーライト組織でラメラー間隔を0.05μm未満とすることは困難であり、また、マルテンサイト組織の生成に伴い、これを起点として疲労損傷が発生し、耐疲労損傷性が低下する。
表3に示す化学成分を有する供試鋼(比較材:No.2−2〜2−6、発明材:No.2−7〜2−14)を1250℃に加熱し、表4に示す条件の下で圧延、次いで冷却を行って、レールを製造した。このレールの頭部から、疲労損傷試験片および塩水噴霧用試験片を採取し、耐疲労損傷性および耐食性を評価した。
Figure 2008138241
Figure 2008138241
表4に示すように、発明材No.2−6〜2−13は、比較材No.2−2〜2−5と比べて、C、Si、MnおよびNiの添加量、並びにラメラー間隔をある一定範囲内で納め、かつ適切な圧延、次いで冷却を行うことにより、耐疲労損傷性および耐食性が向上した。また、成分組成は適合しているNo.2−14であっても、圧延後の冷却速度を一定の範囲内に納めることが出来なければ、マルテンサイトが生成しパーライト鋼レールとはならず、耐疲労損傷性が低下する。発明材No.2−16は、基準材よりも耐疲労損傷性が向上したが、圧延後の冷却速度が遅いため、ラメラー間隔が他の発明材よりも粗大化しており、耐疲労損傷性も他の発明材程には向上しなかった。
パーライト組織を模式的に示す図である。 発明材及び比較材における耐食性に及ぼすNi添加量の影響を示すグラフである。 発明材及び比較材における耐疲労損傷性に及ぼすラメラー間隔の影響を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 質量%で
    C:0.5%以上1.2%以下、
    Si:0.1%以上1.2%以下、
    Mn:0.4%以上1.5%以下および
    Ni:1.1%以上4.0%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
  2. 前記成分組成は、さらに、質量%で
    V:0.001%以上0.50%以下、
    Mo:1.0%以下、
    Cr:1.5%以下、
    Cu:1.0%以下および
    Nb:0.05%以下
    の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
  3. 頭部のコーナー部および頭頂部の表面を起点として、少なくとも20mmの深さ範囲における硬さがHV240〜450であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
  4. 少なくともレール頭部の一部がフェライトとセメンタイトとからなるラメラーを主体としたパーライト組織を有し、該パーライト組織中のラメラー間隔が0.2μm以下である請求項1、2または3に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レール。
  5. 質量%で
    C:0.5%以上1.2%以下、
    Si:0.1%以上1.2%以下、
    Mn:0.4%以上1.5%以下および
    Ni:1.1%以上4.0%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材に、仕上温度:800〜950℃にて熱間圧延を施し、次いでパーライト変態開始以上の温度から、0.03℃/秒以上2.0℃/秒未満の冷却速度にて600℃以下まで冷却することを特徴とする耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールの製造方法。
  6. 前記鋼素材は、さらに、質量%で
    V:0.001%以上0.50%以下、
    Mo:1.0%以下、
    Cr:1.5%以下、
    Cu:1.0%以下および
    Nb:0.05%以下
    の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項5に記載の耐疲労損傷性及び耐食性に優れたパーライト鋼レールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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