JP2008138043A - 貯蔵ゴム、それを含む未加硫ゴム組成物、および加硫ゴム組成物 - Google Patents

貯蔵ゴム、それを含む未加硫ゴム組成物、および加硫ゴム組成物 Download PDF

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哲夫 落合
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俊 佐藤
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Abstract

【課題】加硫前の加工性並びに加硫後の耐摩耗性および耐破断性に優れたゴム組成物を提供すること。
【解決手段】天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムを素練りして素練りゴムを得、前記素練りゴムを20℃以上60℃以下の温度で10日以上60日以内の期間貯蔵することにより得られた貯蔵ゴム。前記素練りゴムが、100℃で50以上のムーニー粘度ML(1+4)を有する貯蔵ゴム。前記ジエン系ゴムの素練り時の最高到達温度が145℃以下である貯蔵ゴム。
【選択図】なし

Description

本発明は、素練り後、特定の条件下で貯蔵されたジエン系ゴム、それを含んで成る未加硫ゴム組成物、この未加硫ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物、およびこの加硫ゴム組成物を含んで成るゴム製品に関する。
一般的に、天然ゴムを用いて空気入りタイヤ、ゴムホース、コンベヤベルトなどの各種ゴム製品を製造する場合に、補強剤などの各種配合剤を混練し成形する前に、混練および成形の際の加工性を高めるために、原料天然ゴムを、素練り工程にかけることが行われている。この素練り工程では、機械的剪断力によって、天然ゴムのゲル分は減少し、また、天然ゴム分子の主鎖が切断されることにより天然ゴムは低分子量化される。そして、天然ゴム分子の主鎖が切断されることによる低分子量化は、酸素の存在下で、より一層促進される。素練り工程を促進するために、ラジカルを生成して天然ゴム分子を自動酸化反応により低分子量化する素練り促進剤(「嚼解剤」または「ペプタイザー」とも呼ばれている)を使用することが一般的に良く知られている。また、素練りから各種配合剤を添加して混練りするまでの貯蔵/輸送の間に、いわゆる貯蔵硬化と呼ばれている現象が起こって、天然ゴムの粘度が上昇することも知られている。この貯蔵硬化は、素練りにより切断された天然ゴム分子鎖が再結合して巨大分子が生成することと、天然ゴムがゲル化することによるものと一般的に考えられている。原料天然ゴムの素練り後の貯蔵硬化を回避するために、例えば、素練り時に天然ゴム分子主鎖の切断を抑えつつゲル分を減少させるために、老化防止剤を添加すること(下記特許文献1および2)が提案されている。また、天然ゴムラテックスを界面活性剤および/または酵素で処理した後、ヒドラジド化合物(ゲル化抑制剤として)および/または天然ゴムの漿液成分(耐熱老化防止剤として)を添加することによって、素練り工程自体を除外または軽減することが提案されている(下記特許文献3)。
しかしながら、下記特許文献1および2に提案されている方法では、天然ゴムのゲル分が減少するが、天然ゴム分子鎖の切断が抑制されるために、可塑化は十分に進まず、充填剤などの各種配合剤を混練する際の加工性は依然として不十分であった。また、下記特許文献3に記載されている方法では、天然ゴムは低分子量化されるものの、低粘度のまま、保管時に粘度上昇を示さないために、充填剤などの各種配合剤を混練する際に、各種配合剤をゴムに高度に分散させるのは困難であった。
特開2002−138102号公報 特開平10−306176号公報 特開2003−313366号公報
従って、本発明の目的は、加硫前に優れた加工性を示し、加硫後に優れた耐摩耗性および耐破断性を示すゴムを提供することにある。
本発明者は、素練りした天然ゴムなどのジエン系ゴムの貯蔵硬化を防止するというよりも、むしろ素練りしたジエン系ゴムを一定の温度で一定の期間貯蔵して適度な貯蔵硬化を引き起こすことにより貯蔵硬化の程度を調節することを可能とし、その結果、その後の混練り工程において適度に高い剪断力を用いて混練することにより各種配合剤の分散性が向上し、加硫後に得られる加硫ゴムの耐摩耗性および耐破断性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明者は、さらに、素練りしたジエン系ゴムを低通気性材料で覆って一定の温度で一定の期間貯蔵することにより、貯蔵硬化の程度を制御できることを見出した。
本発明に従えば、天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムを素練りすることにより素練りゴムを得た後、この素練りゴムを20℃以上60℃以下の温度で10日以上60日以内の期間貯蔵することにより得られた貯蔵ゴム、それを含んで成る未加硫ゴム組成物、この未加硫ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物、およびこの加硫ゴム組成物を含んで成るゴム製品が提供される。
すなわち、本発明の第1の実施態様は、天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムを素練りすることにより素練りゴムを得た後、この素練りゴムを20℃以上60℃以下の温度で10日以上60日以内の期間貯蔵することにより得られた貯蔵ゴムである。
本発明の第2の実施態様は、上記貯蔵ゴムを含んで成る未加硫ゴム組成物である。
本発明の第3の実施態様は、上記未加硫ゴム組成物を加硫することにより得られる加硫ゴム組成物である。
本発明の第4の実施態様は、上記加硫ゴム組成物を含んで成るゴム製品である。
本発明において使用されるジエン系ゴムは、天然ゴムを50重量%以上、好ましくは60重量%以上含む。本発明において使用される天然ゴムは、熱帯地方に栽培されるヘベア・ブラジリエンス(Hevea Brasiliensis)と呼ばれるゴムの樹の樹液(天然ゴムラテックス)を凝固・乾燥して得られるものである。本発明において使用される天然ゴムとしては、「天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準」(通称グリーンブック)の格付けによる技術的各付けゴム(TSR;Technically Specified Rubber)、リブドスモークドシート(RSS;Ribbed Smoked Sheet)などのシートゴム、標準マレーシアゴム規格などにより格付けされた各種のブロックゴムが挙げられる。天然ゴム以外のジエン系ゴムの例としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系合成ゴム、およびこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
上記ジエン系ゴムの素練りは、ゴム材料の素練り工程において一般的に使用されている二軸混合機やオープンロールなどの剪断力を発生する混練装置を用いて行なうことができる。素練り状態は、一般的に行われているように、予備実験のデータをもとに、混練装置の消費電力量、素練り中のトルク、温度などに基づいて推測することができる。素練りは、ジエン系ゴム自体の温度を60〜145℃の範囲内に保ちながら、1〜10分間行われることが好ましい。この素練り工程におけるジエン系ゴムの最高到達温度が145℃以下であると、高温破断伸びおよび耐摩耗性がさらに向上するため、ジエン系ゴムの温度が145℃を超える前に、ジエン系ゴムを混練装置から取り出すことが好ましい。
上記素練り工程におけるジエン系ゴムの可塑化を促進するために、素練り前または素練り中の上記ジエン系ゴムに素練り促進剤を添加することができる。素練り促進剤の配合量は、ジエン系ゴムの合計量100重量部に対して、0.01〜0.50重量部である。本発明において、「素練り促進剤」とは、ゴム業界で知られているように、素練り作業時間を短縮する目的でゴムに加えられる薬剤を意味し、素練りで切断された分子鎖ラジカルと反応して再結合を抑制し、可塑化を促進するものである。素練り促進剤の例としては、芳香族ジスルフィド系素練り促進剤(大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSDとして入手可能)、芳香族メルカプタン金属塩系素練り促進剤(大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSZKが挙げられる。
素練りされたジエン系ゴムは、素練り促進剤の有無にかかわらず、素練り直後に、100℃で50以上のムーニー粘度ML(1+4)を有することが好ましい。素練り直後のムーニー粘度ML(1+4)がこのようなムーニー粘度は、原料の天然ゴムその他のジエン系ゴムの種類などに応じて、素練り温度および時間を上記の範囲内で調節することにより達成することができる。ここで、ムーニー粘度ML(1+4)とは、JIS K6300に準拠して、L形ローターを使用し、予熱時間1分、ローターの回転時間4分、試験温度100℃で求められた粘度を意味する。以下、100℃で求められたムーニー粘度ML(1+4)を、ML(1+4)100℃と表す。
素練りされたジエン系ゴムを20℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃の温度で10日間〜60日間の期間貯蔵することにより、第1の実施態様に係る貯蔵ゴムが得られる。素練り後、この条件下で貯蔵されたジエン系ゴムは、適度な貯蔵硬化を起こし、その後に補強性充填剤や加硫剤などの各種配合剤と混練りする際の加工性を損なわない程度に粘度が適度に上昇する。この粘度の上昇によって、高い剪断力を用いて、混練時のゴムに配合された各種配合剤の粉粒体塊を解砕する作用を高めることができ、その結果、ゴムへの各種配合剤の分散性を向上できると考えられる。20℃では、10日よりも短い期間では十分な効果が得られず、60℃では、60日の期間を越えるとゴムが劣化し、耐破断性および耐摩耗性などの望ましい物性は低下する。
素練りされたジエン系ゴムを上記の温度および時間で貯蔵する際に、素練りされたジエン系ゴムを、酸素透過性の低い被覆材、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマーフィルムで覆うことが好ましい。素練りされたジエン系ゴムを低酸素透過性の被覆材で覆うことによって、貯蔵時の貯蔵硬化を抑制することができる。素練りされたジエン系ゴムが低酸素透過性の被覆材で覆われていない場合には、素練りされたジエン系ゴムの周囲の雰囲気中に存在する酸素がジエン系ゴム中に入り込んでゴム分子同士のラジカル反応による再結合が進行するが、素練りされたジエン系ゴムが低酸素透過性の被覆材で覆われている場合には、素練りされたジエン系ゴムの周囲の雰囲気中に存在する酸素のジエン系ゴム中への侵入が抑制されるため、ゴム分子同士のラジカル反応による再結合が徐々に進行し、貯蔵時の貯蔵硬化が抑制され、適度な貯蔵硬化が達成されるものと考えられる。被覆材の酸素透過度は、好ましくは、JIS K7126 B法に準拠して、温度25℃、湿度50%で求めた場合に、1.00×104 ml/m2 ・24h・MPa以下である。被覆材で覆った後、例えばシートの端部を熱融着することにより封止できる。
素練りし、上記の条件で貯蔵することにより得られた本発明の第1の実施態様に係る貯蔵ゴムに、その用途に応じて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などの各種添加剤を配合して本発明の第2の実施態様に係る未加硫ゴム組成物を得ることができる。かかる添加剤は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明の未加硫ゴム組成物は、ゴム組成物の配合に通常用いられているバンバリーミキサーやニーダーなどの混合または混練装置を使用して一般的な混合または混練方法および操作条件で上記の各種配合剤を配合し、加硫した後、優れた耐摩耗性および耐破断性を示す。本発明の未加硫ゴム組成物は、各種配合剤を配合した後、加硫後に優れた耐摩耗性および耐破断性を示すために、それらの特性が特に要求される各種用途、例えばタイヤ用部材の製造、あるいは、ホース、ベルトなどのゴム製品の製造に利用することができる。本発明の未加硫ゴム組成物は、これらの用途のうち、タイヤ用部材として好適であり、耐摩耗性および耐破断性についての要求が特に厳しいタイヤトレッド用ゴム組成物として有用である。
本発明の未加硫ゴム組成物は、また、後述する有機酸コバルトおよび/または有機コバルト錯体を配合することによりスチール被覆ゴムとして有用である。例えば、空気入りタイヤにおいては、その部材として、ゴム組成物から製造されたものの他に、複数本のスチールワイヤを撚り合わせて成るスチールコード等のスチール部材などが使用されており、かかるスチール部材を被覆するゴム部材に応力が集中するが、本発明の未加硫ゴム組成物は、上記のような補強性充填剤などの各種配合剤に有機酸コバルトおよび/または有機コバルト錯体を配合することにより、スチールに対する高い接着性を示し、上述した優れた耐破断性とあいまって空気入りタイヤの耐久性を向上させる。
本発明の第2の実施態様に係る未加硫ゴム組成物を、スチールと接着させるためのゴム部材を形成するために使用する場合には、スチールとの接着性を高めるために、有機酸コバルト、有機コバルト錯体、またはこれらの組み合わせを、ジエン系ゴム100重量部に対して含有する金属コバルトの量で0.1〜0.5重量部含むことが好ましい。有機酸コバルトの配合量が少な過ぎると、所望の接着力の増大効果が十分得られず、逆に多過ぎるとコバルトがゴムの老化を促進するので好ましくない。そのような有機酸コバルトおよび有機コバルト錯体の例としては、ナフテン酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルトなどが挙げられる。本発明の第2の実施態様に係る未加硫ゴム組成物を、スチールと接着させるためのゴム部材を形成するために使用する場合に、未加硫ゴム組成物が有機酸コバルトまたは有機コバルト錯体を含む場合には、当該未加硫ゴム組成物が、素練り促進剤の不在下で素練りされた上記貯蔵ゴムを用いて調製されたものであることが好ましい。
以下の実施例および比較例により本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれら実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
対照例1および2、比較例1〜11、並びに実施例1〜11のゴム組成物の調製
各原料ゴムを、UNIMAC RUBBER製のRSS#3を使用して、下記表1に示す素練り時最高到達温度に達するまで素練りした。比較例8〜11および実施例7〜11の場合には、各原料ゴムに素練り促進剤を加えてから素練りを行った。混合中は、ミキサーに設置されている温度計で温度を追跡し、最終的にミキサーから放出した直後のゴムの温度を針刺し温度計で測定し、その測定温度を最高到達温度とした。この素練り工程後に得られた各素練りゴムを、下記表1または2に示す条件で貯蔵した。その後、下記表1および2の配合(単位:重量部)に従って、1.8リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除いた材料と5分間混合し、ミキサーから放出後、室温まで冷却した。その後、オープンロールにて加硫促進剤および硫黄を混合し、対照例1および2、比較例1〜11並びに実施例1〜11の未加硫ゴム組成物を得た。実施例10および11の未加硫ゴム組成物で使用した素練りゴムは、素練り工程後に得られたゴム塊をブロック状に成形し、次に、低酸素透過性被覆材として石島化学製のLDPE袋(厚さ0.03mm、温度25℃、湿度50%での酸素透過度8.00×103 ml/m2 ・24h・MPa)に入れ、輪ゴムでLDPE袋の開口部を閉じた。次に、下記表2に示す温度および期間で貯蔵した。
Figure 2008138043
Figure 2008138043
表1および2の註:
(1),(10): 天然ゴムRSS#3
(2): 天然ゴム:ポリイソプレンゴム=60:40、天然ゴムはRSS#3、ポリイソプレンゴムは日本ゼオン(株)製のNipol IR2200
(3): 天然ゴム:ポリイソプレンゴム=40:60、天然ゴムはRSS#3、ポリイソプレンゴムは日本ゼオン(株)製のNipol IR2200
(4): 東海カーボン(株)製のシーストN(N330級)
(5): 住友化学(株)製のアンチゲン6C
(6): 東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
(7): 大日本インキ化学工業(株)製のナフテン酸コバルト10%
(8): アクゾノーベル社製の不溶性硫黄、クリステックスHS OT 20
(9): 大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ−G
(11): 大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSD
(12): キャボットジャパン(株)製のショウブラックN234
(13): 住友化学(株)製のアンチゲン6C
(14): 正同化学工業(株)製の酸化亜鉛3種
(15): 鶴見化学工業(株)製の金華印油入微粉硫黄
(16): FLEXSYS社製のSANTOCURE TBBS
*1: 原料ゴム1、2または3のみをバンバリーミキサーで素練りし、所定の温度で所定の期間貯蔵した直後に測定した。
*2: 原料ゴム1のみまたは原料ゴム1と素練り促進剤のみをバンバリーミキサーで素練りした直後に測定した。
*3: 原料ゴム1のみまたは原料ゴム1と素練り促進剤のみを素練りし、所定の温度で所定の期間貯蔵し、各配合剤をバンバリーミキサーで混合し、オープンロールで硫黄および加硫促進剤を混合した直後に測定した。
試験方法
(1)ムーニー粘度
対照例1、比較例1〜および実施例1〜については、原料ゴム1、2または3のみをバンバリーミキサーで素練りし、所定の温度で所定の期間貯蔵した直後のゴムについて、対照例2、比較例8〜11および実施例7〜11については、原料ゴム1のみまたは原料ゴム1と素練り促進剤のみをバンバリーミキサーで素練りした直後、あるいは、原料ゴム1のみまたは原料ゴム1と素練り促進剤のみを素練りし、所定の温度で所定の期間貯蔵し、各配合剤をバンバリーミキサーで混合し、オープンロールで硫黄および加硫促進剤を混合した直後に、JIS K6300に準拠して、L形ローターを備えたムーニー粘度計(上島製作所製のVR−1100)を使用し、予熱時間1分、試験温度100℃の条件で、ローターの回転を開始してから4分後のムーニー粘度ML(1+4)を測定した。測定値が小さいほど、ムーニー粘度が低いことを表す。
(2)破断伸び
各比較例及び実施例の未加硫ゴム組成物をシート状に圧延し、150℃で30分間プレス加硫してゴムシートを作製した。各ゴムシートをJIS3号ダンベルで打ち抜いてダンベル状試験片を作製し、JIS K6251に準拠して引張試験を行ない、温度23℃または100℃での破断時伸び(%)を求めた。試験結果は、比較例1〜11および実施例1〜11の測定値を、対照例1または2の破断時伸び(%)を100としたときの指数(相対値)として表わした。値が大きいほど、耐破断性に優れていることを表す。
(3)カーボンブラックの分散性
OptiGrade社製のフィラー分散測定機DisperGrader 1000を使用して、ISO 11345 B法に準拠して、カーボンブラックの分散性を求めた。試料は、各比較例及び実施例の未加硫ゴム組成物を厚さ5mmのシート状に圧延した後、160℃で30分間加硫し、試料の面内方向に垂直な方向に切断し、その切断面を、上記フィラー分散測定機を用いて測定した。試験結果は、比較例1〜11および実施例1〜11の測定値を、対照例1または2の測定値を100としたときの指数(相対値)として表わした。値が大きいほど、分散性に優れていることを示す。
(4)100%伸び時の引張応力(M100)
各比較例及び実施例の未加硫ゴム組成物をシート状に圧延し、150℃で30分間プレス加硫してゴムシートを作製した。各ゴムシートをJIS3号ダンベルで打ち抜いてダンベル状試験片を作製し、JIS K6251に準拠して引張試験を行ない、温度23℃または100℃での100%伸び時の引張応力(M100)を求めた。試験結果は、比較例1〜11および実施例1〜11の測定値を、対照例1または2の引張応力を100としたときの指数(相対値)として表わした。値が大きいほど、耐ゴム劣化と配合剤の分散が良好であることを表す。
(5)耐摩耗性
JIS K6264に準拠してランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を使用して、荷重50ニュートン、スリップ率50%の条件にて測定した。試験結果は、比較例8〜11および実施例7〜11の測定値を、対照例1の摩耗量を100としたときの指数(相対値)として表わした。値が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを表す。
(6)接着試験
対照例1、比較例1〜および実施例1〜の未加硫ゴム組成物について、ASTM D1871に準拠して、スチールコード引き抜き後のゴム被覆率を評価した。この試験で使用したスチールコードは、ブラスめっきを施した素線径0.32mmのスチールワイヤを3本撚り合せ、さらにその外側に、ブラスめっきを施した素線径0.345mmのスチールワイヤを8本撚り合わせたスチールコード(すなわち3×0.32(mm)+8×0.345(mm)構造のスチールコード)であった。スチールコードを未加硫ゴム組成物で被覆した後、被覆したスチールコードを温度160℃で20分間加熱することにより、未加硫ゴムを加硫した。試験結果は、比較例1〜および実施例1〜のゴム被覆率を、対照例1のゴム被覆率を100としたときの指数(相対値)として表わした。値が大きいほど、加硫接着性が高いことを表す。
これらの試験結果は表1および2に示したとおりである。表1の対照例1と比較例1〜と実施例1〜を比較することにより、素練り後の貯蔵温度または貯蔵期間が本発明の範囲から外れると、各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく向上しないことが判る。例えば、対照例1と実施例1〜と比較例1、3、5及び6とを比較することにより、素練り後の貯蔵温度が低いまたは素練り後の貯蔵期間が短いと、素練りしたゴムを貯蔵する効果が不十分であり、貯蔵各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく十分に向上せず、対照例1と同程度であることが判る。また、対照例1と実施例1〜と比較例2および4を比較することにより、素練り後の貯蔵温度が高いまたは素練り後の貯蔵期間が長い場合も、各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく十分に向上しないことが判る。素練り後の貯蔵温度が高いまたは素練り後の貯蔵期間が長いと、ゴムが酸化を受けて軟化し、ムーニー粘度が低下し、各種配合剤の粉粒体塊を解砕する剪断作用を十分に達成することができず、各種配合剤の分散性が低下すると考えられる。比較例5〜7と実施例を比較することにより、本発明の利点を得るには、ジエン系ゴムの50重量%以上を天然ゴムが占めることが必要であることが判る。表2の対照例2と比較例8〜11および実施例7〜11を比較することにより、原料ゴムに素練り促進剤を添加して素練りを行い、素練り後の貯蔵温度または貯蔵期間が本発明の範囲内である場合には、各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく向上することが判る。また、素練りした原料ゴムをポリマー被覆材で覆って貯蔵した場合には、加硫ゴム組成物の物性の向上効果がより大きいことが判る。原料ゴムに素練り促進剤を添加した場合も、表1の結果と同様に、素練り後の貯蔵温度が低いまたは素練り後の貯蔵期間が短いと、貯蔵各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく十分に向上せず、また、素練り後の貯蔵温度が高いまたは素練り後の貯蔵期間が長い場合も、各種配合剤を添加し加硫した後に得られる加硫ゴム組成物の物性はバランスよく十分に向上しないことが判る。

Claims (10)

  1. 天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムを素練りして素練りゴムを得、前記素練りゴムを20℃以上60℃以下の温度で10日以上60日以内の期間貯蔵することにより得られた貯蔵ゴム。
  2. 前記素練りゴムが、100℃で50以上のムーニー粘度ML(1+4)を有する、請求項1に記載の貯蔵ゴム。
  3. 前記ジエン系ゴムの素練り時の最高到達温度が145℃以下である、請求項1または2に記載の貯蔵ゴム。
  4. 前記素練りゴムが、前記ジエン系ゴムを素練り促進剤の不在下で素練りすることにより得られたものであるか、または前記ジエン系ゴム100重量部に対して0.01〜0.50重量部の素練り促進剤の存在下で素練りすることにより得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貯蔵ゴム。
  5. 前記貯蔵ゴムが、前記素練りゴムを、JIS K7126 B法に準拠して温度25℃、湿度50%で求めた場合の酸素透過度が1.00×104 ml/m2 ・24h・MPa以下である低酸素透過性材料により覆って前記温度で前記期間貯蔵することにより得られたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯蔵ゴム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の貯蔵ゴムを含んでなる未加硫ゴム組成物。
  7. 前記未加硫ゴム組成物が、前記貯蔵ゴム100重量部に対して含有する金属コバルトの量で0.01〜0.5重量部の有機酸コバルト、有機コバルト錯体またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項6に記載の未加硫ゴム組成物。
  8. 請求項6または7に記載の未加硫ゴム組成物を加硫することにより得られた加硫ゴム組成物。
  9. 請求項8に記載の加硫ゴム組成物を含んで成るゴム製品。
  10. 空気入りタイヤである請求項9に記載のゴム製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018062616A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ部材の製造方法
CN108929470A (zh) * 2018-08-29 2018-12-04 三斯达(江苏)环保科技有限公司 一种防老化橡胶组合物及其制备方法

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