JP2008137721A - 花卉搬送用容器、花卉搬送用ガゼット袋およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガゼット袋自体に支持脚部の間隔保持機能を持たせることにより、連結部材や連結部を一切用いることなく容器本体を安定した状態で起立させることができ、部品点数と組立工数の削減および製造コストの低減を可能にした花卉搬送用容器を提供する。
【解決手段】ガゼット袋13と、このガゼット袋13が裏面側に接着された容器本体15とで花卉花搬送用容器10を構成する。ガゼット袋13は、折り畳まれた状態でその表面側フィルムと裏面側フィルムが容器本体15の裏面側に接着されている。容器本体15は、二つ折り可能な蓋部15Aと、この蓋部15Aの両側に折り曲げ可能に連結された左右一対の支持脚部15B,15Cとからなり、通常は山折り部28に沿って二つ折りに折り畳まれることによりガゼット袋13を挟み込んでおり、門型形状に開脚されるとガゼット袋13を拡開させる。
【選択図】 図4
【解決手段】ガゼット袋13と、このガゼット袋13が裏面側に接着された容器本体15とで花卉花搬送用容器10を構成する。ガゼット袋13は、折り畳まれた状態でその表面側フィルムと裏面側フィルムが容器本体15の裏面側に接着されている。容器本体15は、二つ折り可能な蓋部15Aと、この蓋部15Aの両側に折り曲げ可能に連結された左右一対の支持脚部15B,15Cとからなり、通常は山折り部28に沿って二つ折りに折り畳まれることによりガゼット袋13を挟み込んでおり、門型形状に開脚されるとガゼット袋13を拡開させる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、花卉搬送用容器、花卉搬送用ガゼット袋およびその製造方法に関するものである。
搬送中に給水して花卉の鮮度を保つようにした花卉搬送用容器としては、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載されている鮮度保持容器は、一枚の厚紙(段ボール)によって形成された容器本体と、可撓性と非透水性を有するシートによって形成された袋とを備えている。前記容器本体は、花き類の茎を収容する収容口を兼ねる注水口を有する蓋部と、この蓋部の両側に連設された左右一対の支持脚部とからなり、不使用時においては蓋部と支持脚部が平面状に展開した状態に保持され、使用時に蓋部を上にして左右の支持脚部を互いに対向するように下方に略直角に折り曲げることにより門型形状に起立させる。
前記袋は、円筒状の原反の両側縁を内側にそれぞれ折り込むことにより形成されたガゼット折り込み部、上になっているフィルム面の中央に形成された注水口とを有し、折り畳まれた状態で前記容器本体の蓋部の裏面側に上面が接着されている。なお、以下の説明においては、ガゼット折り込み部を有する袋をガゼット袋と称する。このようなガゼット袋は、例えば特許文献4に開示されている製造方法によって製造される。
前記鮮度保持容器は、使用時に容器本体を門型形状に起立させた状態において、注水口部分から水をガゼット袋内に注水することによりガゼット袋を容器本体の内部空間内において拡開させ、花きの茎を注水口からガゼット袋内に挿入し、蓋部の注水口で茎を立った状態で支持するようにしている。
また、この鮮度保持容器は、使用状態において、左右の支持脚部を連結部材によって連結することにより支持脚部の間隔を一定に保ち、容器本体の安定性を確保するようにしている。連結部材は、厚紙によって細長い板状に形成されて両端部に溝部をそれぞれ有し、これらの溝部を各支持脚部に形成した溝部にそれぞれ係合させることにより、左右の支持脚部を連結するようにしている。
特許文献2に記載されている鮮度保持容器は、前記特許文献1に記載の鮮度保持容器と同様に、容器本体の蓋部の裏面に水収容袋(ガゼット袋)の天部を接着し、左右の支持脚部の各端部をフレームによってそれぞれ連結することにより、左右の支持脚部の間隔を一定に保ち、容器本体の安定性を確保するようにしている。
特許文献3に記載の花卉用梱包箱における給水構造も、前記特許文献1,2と同様に使用時に門型形状に起立する花立てスタンド(容器本体)と給水袋(ガゼット袋)とを有し、花立てスタンドを補強板(連結部材)によって互いに連結し補強するようにしている。
しかしながら、上記した特許文献1〜3に記載されている鮮度保持容器は、いずれも容器本体とは別個に形成した連結部材を用いて左右の支持脚部どうしを連結するようにしているため、製造、組立工程および部品点数が増加し、製造コストが嵩むという問題があった。
そこで、最近では、左右の支持脚部の側縁部にそれぞれ切り込みの形成によって溝部を有する舌片状の連結部を一体に設けておき、容器本体を門型形状に起立させたときに、各支持脚部の連結部を内側に折り曲げて溝部どうしを互いに係合させることにより、左右の支持脚部を連結部を介して連結し補強するようにした鮮度保持容器も実用に供されている。このような鮮度保持容器によれば、別部材からなる連結部材を必要とせず、安価に製造することができる。
しかしながら、このような鮮度保持容器においても、容器本体を組立てるとき、連結部を内側に折り曲げて溝部を互いに係合させる必要があるため、容器本体の組立工数までは削減することができないという問題があった。
特に、花卉を取り扱う業界においては、大量の花卉を早急に配送可能な状態にしなければならない。このため、1つの容器の組立に要する時間を少しでも短縮することができれば、結果として作業時間が大幅に短縮でき、このような容器の開発が望まれていた。
また、上記した特許文献1〜3に記載の鮮度保持容器は、いずれもガゼット袋を、その底部側のフィルム部分を下にし、天部側のフィルム部分を上にし、その間にガゼット折り込み部が位置するように折り畳み、天部側フィルム部分に注水口を形成しているので、注水口の形成時には、天部側フィルム部分以外のフィルム部分、すなわち底部側フィルム部分およびガゼット折り込み部を切断しないようにガゼット袋内にプレートを挿入して天部側フィルム部分とガゼット折り込み部との間に位置させ、天部側フィルム部分のみを断裁する必要がある。このため、ガゼット袋内にプレートを挿入する工程とプレートをガゼット袋から抜き出す工程を必要とし、ガゼット袋の製造工程数が増加するという問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ガゼット袋自体に支持脚部の間隔保持機能を持たせることにより、連結部材や連結部を一切用いることなく容器本体を安定した状態で起立させることができ、部品点数と組立工数の削減および製造コストの低減を可能にした花卉搬送用容器を提供することにある。
また、本発明は、ガゼット袋の製造工程を簡素化し、生産性を向上させるようにしたガゼット袋の製造方法およびガゼット袋を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明に係る花搬送用ガゼット袋の製造方法は、非透水性素材の折り畳み加工によって形成されることにより表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの両側縁間で折り畳まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端が開放する袋素材を用意する工程と、前記袋素材の両端を封止して底部側封止部と天部側封止部を形成する工程と、一端が前記天部側封止部に接続するミシン目線からなる注水口用切断線を前記表面側フィルム、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成する工程とを含むものである。
第2の発明に係る花卉搬送用ガゼット袋は、表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有して底部と天部がそれぞれ封止されるとともに、天部側封止部に注水口用切断線が形成された非透水性素材からなる花卉搬送用ガゼット袋であって、前記注水口用切断線は、前記表面側フィルム、裏面側フィルムおよび一対のガゼット折り込み部の一部に対してミシン目線によって形成されているものである。
第3の発明は、前記第2の発明において、前記注水口用切断線を、その下端が前記天部側封止部に位置ずけられたT字状、Y字状またはV字状の切断線としてものである。
第4の発明に係る花卉搬送用容器は、非透水性素材によって形成されたガゼット袋と、このガゼット袋が裏面側に接着された容器本体とを備え、前記ガゼット袋は、折り畳まれた状態において表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの各側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端部をそれぞれ封止することにより底部側封止部と天部側封止部とを形成し、前記天部側封止部にはミシン目線からなる注水口用切断線が前記表面側フィルムと、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成されており、前記容器本体は、長手方向中央部に花卉の茎部の挿入と前記ガゼット袋への注水を可能にする開口部と山折り部とを有する折り畳み可能な蓋部と、この蓋部の両側縁にそれぞれ内側に折り曲げ可能に連設された左右一対の支持脚部とで構成され、前記山折り部より折り畳まれることにより前記ガゼット袋を挟み込み、前記蓋部の上側になっている半分と一方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の表面側フィルムが接着され、前記蓋部の下側になっている残り半分と他方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の裏面側フィルムが接着されているものである。
第5の発明に係る花卉搬送用容器は、非透水性素材によって形成されたガゼット袋と、このガゼット袋が裏面側に接着された容器本体とを備え、前記ガゼット袋は、折り畳まれた状態において表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの各側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端部をそれぞれ封止することにより底部側封止部と天部側封止部とを形成し、前記天部側封止部にはミシン目線からなる注水口用切断線が前記表面側フィルムと、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成されており、前記容器本体は、長手方向中央部に花卉の茎部の挿入と前記ガゼット袋への注水を可能にする開口部と山折り部とを有する折り畳み可能な蓋部と、この蓋部の両側縁にそれぞれ内側に折り曲げ可能に連設された左右一対の支持脚部とで構成され、前記山折り部より折り畳まれることにより前記ガゼット袋を挟み込み、前記蓋部の上側になっている半分と一方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の表面側フィルムが接着され、前記蓋部の下側になっている残り半分と他方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の裏面側フィルムが接着されており、使用時には前記蓋部を平面状に開いて両側の支持脚部を蓋部の下方に延在するように折り曲げて前記容器本体を門型形状に起立させると、前記ガゼット袋が箱型に拡開して前記左右一対の支持脚部の間隔を一定に保持するものである。
第6の発明に係る花卉搬送用容器は、前記ガゼット袋の表面側フィルムと裏面側フィルムが、容器本体を門型形状に開脚させたとき左右一対の支持脚部が略垂直に起立するように、前記容器本体の裏面側に接着されているものである。
第7の発明に係る花卉搬送用容器は、前記容器本体の蓋部の長手方向と直交する両側縁に耳部をそれぞれ一体に延設したものである。
第8の発明は、前記第4〜第7の発明のうちのいずれか1つにおいて、前記注水口用切断線をその下端が前記天部側封止部に位置ずけられたT字状、Y字状またはV字状の切断線としたものである。
第1、第2の発明においては、注水口用切断線をガゼット袋の表面側フィルムからガゼット折り込み部を通り裏面側フィルムにまで達するように形成しているので、従来のようにガゼット袋内にプレートを入れてガゼット折り込み部や裏面側フィルムが切断されないように保護する必要がなく、ガゼット袋の製造工程を簡素化することができ、生産性を向上させることができる。
天部側封止部と底部側封止部の形成工程は、どちらが先であってもよく、また同時であってもよい。注水口用切断線の形成工程は、ガゼット袋の裁断と同時であってもよい。
第4、第5の発明においては、容器本体を山折り部より二つ折りに折り畳み、その間に折り畳まれたガゼット袋を挟み込んでいるので、嵩張らず、保管、運送ができ、販売コストを低減することができる。
ガゼット袋は、表面側と裏面側のフィルムが容器本体に裏面に接着固定されているので、使用時に容器本体が門型形状に開脚されて起立すると、自動的に拡開して一対の支持脚部の間隔を一定に保持する。したがって、別部材からなる連結部材を用いたりあるいは容器本体に形成した連結部によって左右の支持脚部を連結する必要がなく、容器の組み立て作業が容易で組立時間を短縮することができる。
第6の発明においては、ガゼット袋の表面側フィルムと裏面側フィルムを、容器本体を門型形状に開脚したとき左右の支持脚部が略垂直に起立するように容器本体の裏面側に接着しているので、ガゼット袋内に収容される水の重量によって支持脚部が開きすぎてガゼット袋の接着部が剥がれたりすることがなく、使用時における花卉搬送用容器の安定性を高めることができる。
第7の発明においては、横幅が蓋部の幅より大きな花卉用梱包箱に花卉搬送用容器を収容したとき、耳部が花卉用梱包箱の内壁に当接することにより、容器本体を安定した状態に支持し、容器本体の移動、傾き等を防止することができる。
第3、第8の発明においては、注水口用切断線を切断すると、注水口となり、ガゼット袋内への注水を可能にする。この注水口用切断線を切断すると、切断部のフィルム部分がフィルム片となる。これらのフィルム片を容器本体の蓋部の裏面に貼り付けられておくと、袋内の水が振動等により注水口から飛び出して容器本体を濡らすのを防止する。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る花卉搬送用容器を花卉用梱包箱に組込み、花卉を収容した状態を示す外観斜視図、図2は同花卉用梱包箱の内部を示す正面図、図3は花卉搬送用容器の不使用時の状態を示す斜視図、図4は同花卉搬送用容器の使用時の状態を示す外観斜視図、図5はガゼット袋の拡開した状態を示す外観斜視図、図6は同ガゼット袋の折り畳んだ状態の一部を破断して示す外観斜視図、図7は容器本体の平面状に展開した状態を示す外観斜視図、図8〜図10は花卉搬送用容器の組立手順を説明するための図、図11〜図14はガゼット袋の製造方法を説明するための図、図15〜図16は本発明の他の実施の形態を示す図である。
図1は本発明に係る花卉搬送用容器を花卉用梱包箱に組込み、花卉を収容した状態を示す外観斜視図、図2は同花卉用梱包箱の内部を示す正面図、図3は花卉搬送用容器の不使用時の状態を示す斜視図、図4は同花卉搬送用容器の使用時の状態を示す外観斜視図、図5はガゼット袋の拡開した状態を示す外観斜視図、図6は同ガゼット袋の折り畳んだ状態の一部を破断して示す外観斜視図、図7は容器本体の平面状に展開した状態を示す外観斜視図、図8〜図10は花卉搬送用容器の組立手順を説明するための図、図11〜図14はガゼット袋の製造方法を説明するための図、図15〜図16は本発明の他の実施の形態を示す図である。
図1および図2において、参照符号1は段ボール箱からなる花卉用梱包箱であり、この花卉用梱包箱1は、段ボールの打ち抜き加工と折り曲げによって前面側が開放する縦長矩形の箱体に形成されることにより、上板2、底板3、細長い左右の側板4,5、背面板6とからなる箱本体8と、この箱本体8の開口部9を閉塞する開閉自在な蓋板7とを備え、内部下方に本発明に係る花卉搬送用容器10が収容されている。
前記花卉搬送用容器10は、搬送中において花卉11の鮮度を保ち水枯れを防止するために花卉11に給水するための水14を収容する給水袋として機能するガゼット袋13と、このガゼット袋13を安定した使用状態に保持するスタンドとして機能する容器本体15とで構成されている。また、容器本体15によって花卉11の茎部11Aを保持している。以下、花卉搬送用容器10の構成等をさらに詳述する。
図3〜図7において、前記ガゼット袋13は、薄くて柔軟性と非透水性を有する素材、例えばポリエチレン、ビニール等の合成樹脂製フィルムやクラフト紙によって形成されており、本実施の形態においては透明なポリエチレンによって形成した例を示している。このガゼット袋13は、表面側フィルム13Aと、裏面側フィルム13Bと、これら両フィル13A,13Bの各側縁をそれぞれ連結する2つのガゼット折り込み部13C,13Dとを一体に有し、両端部が熱溶着によって封止されることにより、天部側封止部16と、底部側封止部17を形成している。
前記表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bは同一の大きさで、ガゼット袋13を折り畳んだ不使用時において長さと幅の比が、例えば略2〜3対1の長方形を呈している。
前記底部側封止部17は、使用時において水14の重量にする剥離を防止するために天部側封止部16よりも大きな溶着幅(例えば、2〜5mm)を有するように形成されている。
前記2つのガゼット折り込み部13C,13Dは、ガゼット袋13が図6に示す折り畳まれた不使用状態においては、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bとの間に折り込まれており、長手方向の両端がこれらフィルム13A,13Bとともに熱溶着されている。各ガゼット折り込み部13C,13Dの折り込み底18は、ガゼット袋13を折り畳んだ状態において、ガゼット袋13の幅方向中央近傍に位置して互いに対向している。
また、ガゼット袋13の天部側には、T字状のミシン目線(点線状の不連続な切断線)からなる注水口用切断線22が形成されている。この注水口用切断線22は、ガゼット袋13の使用時にミシン目線から破断することにより、花卉11の茎部11Aをガゼット袋13内に挿入するための挿入孔兼水14を注入するための注水口21(図5)となるものである。また、この注水口用切断線22は、一端が天部側封止部16の幅方向中央に接続され、他端が底部側封止部17方向に向かって適宜長さ延在する縦ミシン目線22aと、この縦ミシン目線22aの他端に中央が接続しガゼット袋13の幅方向に適宜長さ延在する横ミシン目線22bとで構成されている。また、これらの縦ミシン目線22aと縦ミシン目線22bは、ガゼット袋13を折り畳んだ状態において、表面側フィルム13Aから裏面側フィルム13Bに貫通して形成されていることにより、ガゼット折り込み部13C,13Dと裏面側フィルム13Bにもそれぞれ形成されている。このようなミシン目線22a,22bからなる注水口用切断線22を形成しておくと、ガゼット袋13を拡開して花卉11の茎部11Aをガゼット袋13に挿入したり水14を注入するとき、ミシン目線22a,22bに僅かな力を加えるだけで簡単に切断することができ、図5に示すような矩形の注水口21とすることができる。
このようなガゼット袋13を強制的に拡開させると、空気が注水口21から内部に吹き込まれるため、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの高さ方向中央部が広がり、ガゼット折り込み部13C,13Dの高さ方向中央部を開かせる。このため、ガゼット折り込み部13C,13Dの高さ方向中央部は、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの高さ方向中央部の面と略直交する平面状になる。一方、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dの上下端部は、ガゼット折り込み部13C,13Dの上下端が表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの上下端に接合されてこれらフィルムとともに天部側封止部16と底部側封止部17を形成していることから、中央部に対して略直角に折れ曲がって水平な面を形成する。このため、ガゼット袋13は、図5に示すように直方体に拡開し、表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bの上端部とガゼット折り込み部13C,13Dの上下端部との間に三角錐型の空間23a,23bがそれぞれ形成され、上面13Fの中央に水14の注入と花卉11の茎部11Aの挿入を可能にする前記注水口21が位置する。ガゼット袋13の拡開状態における上面13Fは、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの略水平に折り曲げられた上端部によって形成され、底面13Gは同じく表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの略水平に折り曲げられたれた下端部によって形成される。なお、拡開状態におけるガゼット折り込み部13C,13Dの長さ方向中央部の幅Dは、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの幅Eと略等しい。ただし、ガゼット折り込み部13C,13Dの幅Dは、ガゼットの折り込み深さを変えることによって所望の値とすることができる。
図3、図4および図7において、前記容器本体15は、段ボールの打ち抜き加工によって細長い矩形板状に形成することにより、ガゼット袋13の幅Eと略等しい幅で、折り畳んだ状態におけるガゼット袋13の長さL(図6)の2倍より若干短い長さを有している。また、この容器本体15は、折り曲げ可能な3つの板部分、すなわち、中央に花茎11Aの挿入とガゼット袋13への注水を可能にする開口部25を有する蓋部15Aと、この蓋部15Aの両側に山折り部26,27によって内側に折り畳み可能に連設された左右一対の支持脚部15B,15Cとで構成され、これらの蓋部15Aと支持脚部15B,15Cの裏面に前記ガゼット袋13の表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの一部が接着剤によって接着されている。
前記蓋部15Aの長手方向中央には、前記開口部25を横断する山折り部28が形成されており、花卉搬送用容器10の製造時(保管、不使用時も同様)においては図3に示すようにこの山折り部28に沿って容器本体15が二つ折りに折り畳まれることにより、折り畳まれたガゼット袋13を挟み込んでいる。この状態において、ガゼット袋13の底部側は容器本体15の外部に突出している。
前記開口部25は矩形の開口からなり、その周囲には切り込み31と山折り線32とにより内側に折り曲げ可能な4つの舌片33が形成されており、これら舌片33によって花卉11の茎部11Aを安定した状態に保持するようにしている。
各支持脚部15B,15Cの蓋部側端部で幅方向中央には、容器本体15を持ち運んだり、支持脚部15B,15Cを折り曲げたり、あるいは容器10を組立てたりするときに利用される指差し込み用孔36がそれぞれ形成されている。
図5において、斜線部37a〜37e、38a〜38eは、ガゼット袋13の表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの容器本体15に接着される箇所(以下、接着部という)である。これらの接着部のうち、表面側フィルム13Aの接着部37a〜37cと裏面側フィルム13Bの接着部38a〜38cは、容器本体15の蓋部15Aの裏面に接着される部分であり、表面側フィルム13Aの接着部37d,37eは一方の支持脚部15Bの裏面に接着される部分であり、裏面側フィルム13Bの接着部38d,38eは他方の支持脚部15Cの裏面に接着される部分である。
前記接着部37aと37bは、天部側封止部16に最も近い表面側フィルム13Aの上端部両側縁から中央に向かう帯状部分であって、先端がミシン目線22a,22bの切り離しによって形成される矩形のフイルム片41a,41bの表面にまでそれぞれ延在している。接着部37cは、表面側フィルム13Aの天部側端部で前記接着部37a,37bより底部側溶着部17方向に所定距離離間した接着部分で、表面側フィルム13Aの略全幅にわたる帯状部分を呈している。
前記接着部38a,38b,38cは、天部側封止部16に最も近い裏面側フィルム13Bの上端部に前記接着部37a,37b,37cと対称的にそれぞれ形成された帯状を呈する接着部である。
接着部37d,37eは、容器本体15の一方の支持脚部15Bの裏面に接着される接着部であって、表面側フィルム13Aの長手方向中央部に略全幅にわたる帯状を呈している。
接着部38d,38eは、容器本体15の他方の支持脚部15Cの裏面に接着される接着部であって、前記接着部37d,37eと対称的にそれぞれ形成された帯状の接着部分である。
これらの接着部37a〜37e、38a〜38eのうち接着部37dと37e、38dと38eは、拡開時におけるガゼット袋13の高さを決定し、接着部37e,38eの下縁は同じく拡開時におけるガゼット袋13の底面13Gの高さを決定する。この底面高さは、ガゼット袋13に水14を注入した状態において、底面13Gが地面に接触する高さであることが望ましい。なお、ガゼット袋13は、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bが平らな状態で容器本体15の裏面に接着されるため、拡開しても前記接着部37a〜37e、38a〜38eに張力が加わることはない。
図8〜図10は、容器本体15にガゼット袋13を接着するときの作業手順を説明するための示す図である。
ガゼット袋13を容器本体15に接着するときには、先ずガゼット袋13と容器本体15を用意する。また、容器本体15を図8に示すように平板なままの状態で裏返しにして作業台上に設置する。そして、蓋部15Aの図8において右半部15A-1と支持脚部15Cの裏面所定箇所に接着剤40a〜40eをそれぞれ塗布する。これらの接着剤40a〜40eは、ガゼット袋13の裏面側フィルム13Bの接着部38a〜38eにそれぞれ対応している。
ガゼット袋13を容器本体15に接着するときには、先ずガゼット袋13と容器本体15を用意する。また、容器本体15を図8に示すように平板なままの状態で裏返しにして作業台上に設置する。そして、蓋部15Aの図8において右半部15A-1と支持脚部15Cの裏面所定箇所に接着剤40a〜40eをそれぞれ塗布する。これらの接着剤40a〜40eは、ガゼット袋13の裏面側フィルム13Bの接着部38a〜38eにそれぞれ対応している。
次に、折り畳まれたガゼット袋13を容器本体15の右側部分に載せて裏面側フィルム13Bの接着部38a〜38eを前記接着剤40a〜40eに押し付けて接着する。ガゼット袋13を容器本体15に接着するときは、ガゼット袋13の天部側封止部16が容器本体15の山折り部28と重なり合うように前後左右方向を位置決めして接着する。また、注水口用切断線22のミシン目線が切り離されないように注意して接着する。図9は裏面側フィルム13Bを容器本体15に接着した状態を示す図である。
裏面側フィルム13Bの接着が終了すると、図10に示すように蓋部15Aの左半部15A-2と支持脚部15Bの裏面所定箇所に接着剤41a〜41eをそれぞれ塗布する。これらの接着剤41a〜41eは、ガゼット袋13の表面側フィルム13Aの接着部37a〜37eにそれぞれ対応している。
次に、容器本体15のガゼット袋13が接着されていない左半分を山折り部28に沿って180°折り曲げてガゼット袋13の上に重ね合わせて押し付ける。これによって表面側フィルム13Aの接着部37a〜37eが接着剤41a〜41eによって容器本体15の蓋部15Aと支持脚部15Bの裏面に接着され、もって図3に示す花卉搬送用容器10が完成する。
この完成直後の花卉搬送用容器10は、容器本体15が山折り部28に沿って二つ折りに折り畳まれた状態であり、この状態で保管したり流通に供される。そして、花卉11を花卉搬送用容器10に収納して搬送するときは、図4に示すように蓋部15Aを平板状に開き、支持脚部15B,15Cを蓋部15Aに対して略直角に折り曲げて容器本体15を門型形状に開脚させる。容器本体15が門型に開脚すると、内側に貼り着けられているガゼット袋13が拡開する。すなわち、ガゼット袋13の表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの中央部が支持脚部15B,15Cとともに離間してガゼット折り返し部13C,13Dの中央部を平面状に開く。このため、ガゼット袋13は、容器本体15の内部空間に近い容積の矩形箱状の袋となる。このとき、予めミシン目線からなる注水口用切断線22を切り離して注水口21としておくと、この注水口21と容器本体15の開口部25とが連通するため、ガゼット袋13内に空気が速やかに侵入しガゼット袋13を容易かつ迅速に拡開させることができる。
また、注水口用切断線22を切断すると注水口21となり、ガゼット袋13内への注水を可能にする。この注水口用切断線22を切断すると、切断部のフィルム部分が矩形のフィルム片41a,41bとなる。これらのフィルム片41a,41bは容器本体15の蓋部15Aの裏面に貼り付けられており、これにより袋内の水が振動等により注水口21から飛び出して容器本体15に付着し濡らすのを防止する。
ガゼット袋13の拡開によってガゼット折り返し部13C,13Dの中央部が平面状に開くと、左右の支持脚部15B,15Cの間隔は一定に保持される。この間隔は、接着部37d,37e,38d,38eの長さによって規定される。すなわち、ガゼット折り返し部13C,13Dの中央部の平面状に開いた状態における幅Dが蓋部15Aの長さと略等しい場合、接着部37d,37e,38d,38eの長さをガゼット袋13の表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの幅Eと略等しくすると、支持脚部15Bと15Cの間隔はガゼット折り返し部13C,13Dの中央部の平面状に開いた状態における幅Dと等しくなる。つまり、支持脚部15Bと15Cは略平行に対向し垂直に起立する。
一方、接着部37d,37e,38d,38eの長さを短くしてその両端を表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの各側縁からそれぞれ離間させると、ガゼット袋13を拡開させたとき、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bの中央部の両側縁部が折り曲げられてガゼット折り返し部13C,13Dの中央部と同一平面を形成してガゼット袋13の長さ(左右の支持脚部15B、15C方向の長さ)が長くなるため、支持脚部15B,15Cは間隔が広がり「ハ」の字状になる。支持脚部15B,15Cが「ハ」の字状になるとガゼット袋13に水14を注水したとき、水の重量により支持脚部15B,13Cに作用する水平方向の分力が大きくなるため、容器本体15が潰れて接着部37d,37e,38d,38eは剥がれ易くなる。したがって、容器本体15の開脚状態を安定に維持するためには、支持脚部15と15Cを略垂直または逆「ハ」の字状に小角度(5°程度)傾斜するように起立させることが望ましい。
次に、上記したガゼット袋13の製造方法を図11〜図14に基づいて説明する。
図11はガゼット袋の製造工程を説明するための平面図、図12は図11のA−A線断面図、図13は図11のB−B線断面図、図14は図11のC−C線断面図である。
ガゼット袋13の製造に際しては、合成樹脂製フィルムからなる円筒状の原反70を用意し、これを適宜な搬送機構によって搬送し、中子71を通過させる。中子71は直方体に形成されている。
図11はガゼット袋の製造工程を説明するための平面図、図12は図11のA−A線断面図、図13は図11のB−B線断面図、図14は図11のC−C線断面図である。
ガゼット袋13の製造に際しては、合成樹脂製フィルムからなる円筒状の原反70を用意し、これを適宜な搬送機構によって搬送し、中子71を通過させる。中子71は直方体に形成されている。
原反70は中子71を通過すると断面形状が矩形となり、左右一対のガゼット形成用ピン72によって両側縁部が内側にそれぞれ折り込まれることによりガゼット折り込み部13C,13Dが形成される。ガゼット形成用ピン72によってガゼット折り込み部13C,13Dが形成されると、原反70は幅が狭まり、ガゼット折り込み部13C,13Dより上側のフィルム部分がガゼット袋13の表面側フィルム13Aとなり、下側のフィルム部分がガゼット袋13の裏面側フィルム13Bとなる。
ガゼット形成用ピン72の下流側には、原反70の搬送路を挟んで上下に対向する一対のローラ74A,74Bが設けられており、これらのローラ74A,74Bによって原反70を折り畳み、表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dとの接合部に折り目線を入れ、ガゼット形状を付与する。このため、ローラ74A,74B間を通過した表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dは、重ね合わされて密着し、内部の空気が排出される。
次に、ローラ74A,74Bを通過した原反70の前端に上下一対のヒートシーラを押し付けて表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dの前端を熱溶着し底部側封止部17を形成する。底部側封止部17の幅は、3〜5mm程度である。
底部側封止部17の溶着が終了するとさらに原反70を一定距離、すなわち表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bの長さだけ搬送して停止させ、再度一対のヒートシーラを原反70に押し付けることにより、表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dを熱溶着して天部側封止部16を形成する。天部側封止部16の幅は、1mm以下であることが望ましい。天部側封止部16の幅を狭くする理由は、蓋部15Aの裏面に山折り部28に沿って確実に接着するためである。すなわち、山折り部28自体が線状で幅が狭いため、天部側封止部16の幅を広くすると、山折り部28に沿って接着しても蓋部15Aを山折り部28に沿って折り曲げると天部側封止部16に応力が加わり剥離してしまうからである。一方、天部側封止部16の幅を狭くした場合は、蓋部15Aを山折り部28に沿って折り曲げても応力がほとんど加わらず、剥離するおそれはない。
さらに、一端が前記天部側封止部16に接続するT字状のミシン目線からなる注水口用切断線22を形成する。
注水口用切断線22は、カッターを天部側封止部16側の表面側フィルム13Aに押し付けてガゼット折り込み部13C,13Dおよび裏面側フィルム13Bにまで達する切断線であるため、裏面側フィルム13Bやガゼット折り込み部13C,13Dが切断されないようにプレートをガゼット袋内に挿入する必要がなく、切断線形成工程を簡素化することができ、また天部側封止部16と底部側封止部17を形成した後であっても形成することができる。
注水口用切断線22の形成工程が終了すると、前記天部側封止部16を原反本体から裁断すると、切り離された原反部分がガゼット袋13となる。以下、同様な工程を繰り返すことによりガゼット袋13が連続的に製造される。なお、天部側封止部16の溶着と原反本体からの切断は同時であってもよい。
ガゼット袋13の製造に際しては、従来のガゼット製造装置によって連続的に製作する場合に限らず、各工程毎に専用の機械を用いて製作してもよい。
また、原反70に天部側封止部16を形成する工程と、原反70に底部側封止部17を形成する工程の順序は、どちらが先であってもよい。
さらに、T字状のミシン目線からなる注水口用切断線22を形成する工程は、天部側封止部16を形成する工程または原反本体から裁断してガゼット袋13を形成する工程と同時かまたはガゼット袋を形成する工程の後であってもよい。
ガゼット袋13をクラフト紙で製作する場合は、ロール状に巻回されたクラフト紙を原反として用いればよい。クラフト紙の場合は、シート状の原反の両側縁部をN字状に折り曲げてガゼット折り込み部分と表面側フィルム部分を形成するととともに、両側縁部を重ね合わせて接着し筒状にする工程が追加されるだけであり、その後の工程は上記した合成樹脂製フィルムからなる筒状の原反70を用いて製作する場合と同じであるため、その説明を省略する。なお、クラフト紙製のガゼット袋は、原料がクラフトパルプであるため、可燃物として廃棄処理することができ、合成樹脂製のガゼット袋に比べて環境への影響が少ないという利点がある。
このように本発明に係る花卉搬送用容器10は、ガゼット袋13の表面側フィルム13Aと裏面側フィルム13Bを容器本体15の裏面側に接着することにより、容器本体15を門型形状に開脚させたとき、ガゼット袋13自体に一対の支持脚部15B,15Cの間隔を一定に保持する機能を持たせたので、別部材または容器本体に設けた連結部によって一対の支持脚部15B,15Cを連結し一定の間隔に保持する必要がなく、花卉搬送用容器10の組立作業が簡単で迅速に行うことができる。
また、ガゼット袋13の製造に際しては、折り畳まれている表面側フィルム13A、裏面側フィルム13Bおよびガゼット折り込み部13C,13Dに対してT字状のミシン目線からなる注水口用切断線22を形成すればよいので、注水口を形成しないフィルム部分を切断しないようにプレートをガゼット袋13の内部に挿入したりする必要がなく、ガゼット袋13の製造工程を簡素化することができる。
図15は本発明の他の実施の形態に係る花卉搬送用容器を花卉用梱包箱に収納した状態を示す外観斜視図、図16は同搬送用容器の使用時の状態を示す外観斜視図である。
この実施の形態は、容器本体15の蓋部15Aの長手方向と直交する両側縁に各支持脚部15B,15Cから一部分を切り離して形成された耳部15Dをそれぞれ一体に延設した点、蓋部15の開口部25を円形に形成した点および花卉用梱包箱80の内幅寸法が蓋部15Aの長さより大きく左右の耳部15Dの先端が当たる寸法に設定されている点が上記した実施の形態と異なるだけで、容器本体15のその他の構成とガゼット袋13は上記した実施の形態と全く同じであるため、同一部材、部分については同一符号をもって示しその説明を省略する。なお、耳部15Dは蓋部15Aと同一平面を形成している。
この実施の形態は、容器本体15の蓋部15Aの長手方向と直交する両側縁に各支持脚部15B,15Cから一部分を切り離して形成された耳部15Dをそれぞれ一体に延設した点、蓋部15の開口部25を円形に形成した点および花卉用梱包箱80の内幅寸法が蓋部15Aの長さより大きく左右の耳部15Dの先端が当たる寸法に設定されている点が上記した実施の形態と異なるだけで、容器本体15のその他の構成とガゼット袋13は上記した実施の形態と全く同じであるため、同一部材、部分については同一符号をもって示しその説明を省略する。なお、耳部15Dは蓋部15Aと同一平面を形成している。
このような構成からなる花卉搬送用容器90を花卉用梱包箱80内に収容すると、左右の耳部15Dの先端が花卉用梱包箱80の内壁に当接して支持されるため、大きな花卉用梱包箱80であっても花卉搬送用容器90を安定した状態で収納することができ、左右方向の移動、傾き等を規制防止することができる。
他方、図1に示した容積の小さい梱包箱1に花卉搬送用容器90を収容するときは、耳部15Dを上方または下方に折り曲げて花卉用梱包箱1の内壁に添接すればよい。
このように、耳部15Dを一体に有する容器本体15を備えた花卉搬送用容器90によれば、容積が小さい花卉用梱包箱1と大きい梱包箱80の両方に対して共通に使用することができ、花卉搬送用容器の種類を低減することができる。
なお、上記した実施の形態においては、容器本体15の蓋部15Aの接着部を4カ所とし、支持脚部15B,15Cの接着部をそれぞれ2箇所(37dと37e、38dと38e)ずつとしたが、本発明はその数に何ら特定されるものではなく、接着面積が広くて十分な接合強度が得られる場合は一箇所であってもよい。
また、上記実施の形態においては、花卉11の搬送時に花卉用梱包箱15を立てた状態で搬送する場合について示したが、本発明はこれに限らず、ガゼット袋13内に注水される水14の量によっては上向きまたは横向きに倒した状態で搬送することも可能である。
さらに、上記した実施の形態においては、注水口用切断線22をT字状に形成したが、これに限らずY字状、V字状等であってもよく、また天部側封止部16の中央の一点より放射状に広がる複数本の切断線であってもよい。その場合、放射状に広がる切断線の長さを全て等しくすると円形の注水口とすることができる。
1…花卉用梱包箱、10…花卉搬送用容器、11…花卉、13…ガゼット袋、13A…表面側フィルム、13B…裏面側フィルム、13C,13D…ガゼット折り込み部、14…水、15…容器本体、15A…蓋部、15B,15C…支持脚部、15D…耳部、16…天部側封止部、17…底部側封止部、21…注水口、22…注水口用切断線、22a,22b…ミシン目線、25…開口部、26〜28…山折り部、37a〜37e、38a〜38e…接着部。
Claims (8)
- 非透水性素材の折り畳み加工によって形成されることにより表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの両側縁間で折り畳まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端が開放する袋素材を用意する工程と、
前記袋素材の両端を封止して底部側封止部と天部側封止部を形成する工程と、
一端が前記天部側封止部に接続するミシン目線からなる注水口用切断線を前記表面側フィルム、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成する工程と、
を含むことを特徴とする花卉搬送用ガゼット袋の製造方法。 - 表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有して底部と天部がそれぞれ封止されるとともに、天部側封止部に注水口用切断線が形成された非透水性素材からなる花卉搬送用ガゼット袋であって、
前記注水口用切断線は、前記表面側フィルム、裏面側フィルムおよび一対のガゼット折り込み部の一部に対してミシン目線によって形成されていることを特徴とする花卉搬送用ガゼット袋。 - 請求項2記載の花卉搬送用ガゼット袋において、
前記注水口用切断線は、その下端が前記天部側封止部に位置ずけられたT字状、Y字状またはV字状であることを特徴とする花卉搬送用ガゼット袋。 - 非透水性素材によって形成されたガゼット袋と、このガゼット袋が裏面側に接着された容器本体とを備え、
前記ガゼット袋は、折り畳まれた状態において表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの各側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端部をそれぞれ封止することにより底部側封止部と天部側封止部とを形成し、前記天部側封止部にはミシン目線からなる注水口用切断線が前記表面側フィルムと、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成されており、
前記容器本体は、長手方向中央部に花卉の茎部の挿入と前記ガゼット袋への注水を可能にする開口部と山折り部とを有する折り畳み可能な蓋部と、この蓋部の両側縁にそれぞれ内側に折り曲げ可能に連設された左右一対の支持脚部とで構成され、前記山折り部より折り畳まれることにより前記ガゼット袋を挟み込み、前記蓋部の上側になっている半分と一方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の表面側フィルムが接着され、前記蓋部の下側になっている残り半分と他方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の裏面側フィルムが接着されていることを特徴とする花卉搬送用容器。 - 非透水性素材によって形成されたガゼット袋と、このガゼット袋が裏面側に接着された容器本体とを備え、
前記ガゼット袋は、折り畳まれた状態において表面側フィルムと、裏面側フィルムと、これら両フィルムの各側縁より内側にそれぞれ折り込まれた一対のガゼット折り込み部とを有し、両端部をそれぞれ封止することにより底部側封止部と天部側封止部とを形成し、前記天部側封止部にはミシン目線からなる注水口用切断線が前記表面側フィルムと、前記裏面側フィルムおよび前記ガゼット折り込み部に対して形成されており、
前記容器本体は、長手方向中央部に花卉の茎部の挿入と前記ガゼット袋への注水を可能にする開口部と山折り部とを有する折り畳み可能な蓋部と、この蓋部の両側縁にそれぞれ内側に折り曲げ可能に連設された左右一対の支持脚部とで構成され、前記山折り部より折り畳まれることにより前記ガゼット袋を挟み込み、前記蓋部の上側になっている半分と一方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の表面側フィルムが接着され、前記蓋部の下側になっている残り半分と他方の支持脚部の裏面に前記ガゼット袋の裏面側フィルムが接着されており、
使用時には前記蓋部を平面状に開いて両側の支持脚部を蓋部の下方に延在するように折り曲げて前記容器本体を門型形状に起立させることにより、前記ガゼット袋を箱型に拡開して前記左右一対の支持脚部の間隔を一定に保持することを特徴とする花卉搬送用容器。 - 請求項4,5のうちのいずれか一項に記載の花卉搬送用容器において、
前記ガゼット袋の表面側フィルムと裏面側フィルムは、容器本体を門型形状に開脚させたとき左右一対の支持脚部が略垂直に起立するように、前記容器本体の裏面側に接着されていることを特徴とする花卉搬送用容器。 - 請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の花卉搬送用容器において、
前記容器本体の蓋部の長手方向と直交する両側縁に耳部をそれぞれ一体に延設したことを特徴とする花卉搬送用容器。 - 請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の花卉搬送用容器において、
前記注水口用切断線は、その下端が前記天部側封止部に位置ずけられたT字状、Y字状またはV字状であることを特徴とする花卉搬送用容器。
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JP2006328730A JP2008137721A (ja) | 2006-12-05 | 2006-12-05 | 花卉搬送用容器、花卉搬送用ガゼット袋およびその製造方法 |
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Cited By (1)
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WO2022097527A1 (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | Nissha株式会社 | 紙シートの嵌合方法および紙成形品 |
-
2006
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WO2022097527A1 (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | Nissha株式会社 | 紙シートの嵌合方法および紙成形品 |
JP2022076244A (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-19 | Nissha株式会社 | 紙シートの嵌合方法および紙成形品 |
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