以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、後述する液晶表示器4の後面に可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図2参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。これらの図柄が描かれた部分以外、リール3L、3C、3Rは、白色であり、また、高い透過率で光を透過するものとなっている。図柄の描かれた部分も、該図柄の色彩に応じて光を透過するものとなっている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図2参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図2参照)とが設けられている。リールランプ3LPの発する光は、白色光である。このスロットマシン1では、何れの遊技状態においても賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。
可変表示装置2の前面側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、複数の画素がマトリックス状に形成された液晶パネルの間に液晶を封入して構成されるもので、液晶ドライバ(図示せず)から出力される駆動信号により各画素の電圧を制御することで液晶の配向状態を変化させることにより光の透過率を変化させる。液晶ドライバは、表示制御部(後述)から画像信号が入力されていないときには、透過色(つまり、光の透過率が最も高い)の画像を表示するための駆動信号を各画素に出力するものとなっている。また、液晶パネルの表面には、表面光沢処理が施されている。液晶表示器4の各画素には、RGBのカラーフィルタが配置されている。
液晶表示器4は、可変表示装置2よりも特に上下幅が大きいものとなっており、可変表示装置2の各リール3L、3C、3Rの表示される領域(以下、リール領域という)以外の領域には、白色光を発するバックライトが配置されている。液晶表示器4の各画素は、その背面側のバックライトの白色光またはリールランプ3LPの白色光(但し、図柄の部分では図柄の色に応じて白色光でなくなる場合がある)のうちで液晶の配向状態に応じてR(赤)、G(緑)及びB(青)の光を透過させ、可変表示装置2の前面でカラー画像を表示させる。
各画素は、RGBのそれぞれについて32階調の表示を行う。各画素のRGBの値を(R,G,B)として表すが、(0,0,0)であればバックライトの白色光またはリールランプ3LPの白色光が透過せずに黒色の表示となるが、(31,31,31)であれば、透明の表示になってリール3L、3C、3Rに描かれた図柄の部分はその色、それ以外の部分は白色の表示になる。(0,0,0)と(31,31,31)以外のRGB値では、それぞれの値が大きくなるに従って赤、緑、青の色味が強くなる。
液晶表示器4には、遊技状態、当選フラグの設定状況、或いは可変表示装置2に導出された図柄の種類等に応じて様々な演出用の画像を表示する。また、液晶表示器4には、エラー発生時のエラー画像を表示する場合のように、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。リール3L、3C、3Rの回転開始から回転停止までのゲーム中においては、リール領域の各画素では、カラーフィルタで遮断されるものを除いて光を完全透過させるように液晶の配向状態が制御されるものとなっている。
また、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2及び液晶表示器4の上側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図2参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図2参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図2参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2及び液晶表示器4の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図2参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける入賞ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した入賞ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2及び液晶表示器4の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図2参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図2参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図2参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図2参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図2参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
また、可変表示装置2及び液晶表示器4の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16と、演出モード切替ボタン17が設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図2参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図2参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図2参照)またはMAXBETスイッチ46(図2参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図2参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。演出モード切替ボタン17は、液晶表示器4への画像の表示によって行われる演出の演出モードを切り替えるために用いられる。演出モード切替ボタン17は、また、遊技履歴を液晶表示器4に表示させるためにも用いられる。短時間の操作が演出モード切替スイッチ67によって検出されたときには、演出モードの切り替えを指示するものとなるが、所定時間以上継続した演出モード切替ボタン17の操作が検出された場合は、遊技履歴の表示を指示するものとなる。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図2参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図2参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図2参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図2参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図2参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図2参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、スタートレバー11が操作された時のスタート音の出力や、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図2参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図2は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図2では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100には、少なくとも2系統の電源回路が搭載されており、リールランプ3LPと液晶表示器4(バックライト及び液晶ドライバ)には、それぞれ別系統の電源回路から動作電力が供給される。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、演出制御用マイクロコンピュータ120、表示制御部121、音制御部122、ランプ制御部123、及びウォッチドッグ付リセットIC124を搭載している。演出制御用マイクロコンピュータ120、表示制御部121及びウォッチドッグ付リセットIC124の詳細については後述する。演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66、演出モード切替スイッチ67が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。
演出制御基板102に接続された各部のうち、液晶表示器4は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて表示制御部121が制御し、スピーカ7L、7R、7Uは、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて音制御部122が制御し、それ以外のランプ類(遊技効果ランプ75A〜75M、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66、リールランプ3LP)は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づいてランプ制御部123が制御している。演出モード切替スイッチ67の検出信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ120に入力される。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
図3は、演出制御基板102に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成を示すブロック図である。演出制御用マイクロコンピュータ120には、ウォッチドッグ付リセットIC124が接続されており、図3には、これも示されている。図3に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135と、リセット/割込コントローラ136とを備えている。
CPU131は、ROM132に記憶されているプログラムやデータを読み出し、RAM133をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御を行う。CPU131は、内部タイマを備えている。ROM132には、CPU131の動作プログラムの他に、後述する連続演出の演出パターンを決定するためのテーブルなどの固定的なデータが記憶されている。RAM133には、演出の実行を制御するための各種データ、例えば、後述する連続カウンタや各種フラグを設定するための領域が設けられている。RAM133には、さらに所定の遊技履歴も記憶される。乱数回路134は、演出制御基板102の側において用いられる各種乱数の全部または一部を生成する。
入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へ各種信号を出力するための出力ポートとを含んでいる。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121などに伝送される各種の指令が出力される。入出力ポート135の入力ポートには、遊技制御基板101から伝送されたコマンドが入力される。また、入出力ポート135の出力ポートには、ウォッチドッグ付リセットIC124を初期化させるクリア信号を出力するための出力端子が含まれている。また、入出力ポート135の入力ポートには、演出制御用マイクロコンピュータ120のリセット端子を介してウォッチドッグ付リセットIC124から送信されたリセット信号を入力するための入力端子が含まれている。
リセット/割込コントローラ136は、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部或いは外部で発生する各種リセット、割り込み要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ136が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のシステムリセット端子に一定の期間に亘りローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のユーザリセット端子に一定の期間ローレベルの信号が入力されたことや、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、或いは、インターバルリセット信号が発生したことなどといった、所定の要因により発生するリセットである。
ウォッチドッグ付リセットIC124は、ウォッチドッグ回路を内蔵したリセット用のICである。ウォッチドッグ付リセットIC124は、例えば、所定のクロック信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値をアップカウントまたはダウンカウントする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されるクリア信号がON状態となったことに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値を初期化する。
ここで、ウォッチドッグ回路にて計測可能な時間、すなわちウォッチドッグ回路のタイマ値が初期値から最終値までアップカウントまたはダウンカウントされるまでの時間は、演出制御用マイクロコンピュータ120にて演出動作を制御するためのタイマ割込が発生する周期より長くなるように設定されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120においてCPU131がタイマ割込の発生に対応した割り込み処理を定期的に実行している場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されるクリア信号が定期的にON状態となることから、タイマ値が最終値に達することはない。他方、CPU131によってタイマ割込の発生に対応した割り込み処理が正常に実行されない場合には、クリア信号がON状態とならないため、タイマ値が最終値に達することとなる。こうしてウォッチドッグ回路のタイマ値が最終値に達してタイムアウトしたときには、所定のリセット信号をON状態として出力し、演出制御用マイクロコンピュータ120のリセット信号に入力させる。
図4は、演出制御基板102に搭載された表示制御部121の構成を示すブロック図である。図示するように、表示制御部121には、VDP(Video Display Processr)141と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、液晶表示器4にて画像表示を行うための高速描画機能や表示出力機能などを有しており、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、液晶表示器4に演出として表示される画像の要素データや動画像データ(演出データ)を記憶する。
VDP141は、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157と、動画像用デコーダ158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやりとりするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づき、CGROM142から読み出された演出データを一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送する制御を行う。CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている演出データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子を含んで構成されている。
描画回路154は、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データに基づいて液晶表示器4に表示させる画像の画像データを作成するための描画処理を実行する。一時記憶メモリ155は、例えば、VRAM(Video RAM)などにより構成され、CGROM142から読み出された演出データを記憶する演出データ領域を備えている。また、一時記憶メモリ155には、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて、演出モードを示す情報、或いはリール領域にリール透過オブジェクトを設定する旨の情報やリール領域を半透過にする旨の情報なども記憶される。
フレームバッファメモリ156は、例えば一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理により作成される画像の画像データを記憶する。フレームバッファメモリ156は、2フレーム分のものがあり、1フレーム期間毎に画像データの書き込み用と読み出し用とが切り替えられる。表示回路157は、フレームバッファメモリ156(読み出し用)から読み出した画像データを階調データとし、同期信号を付加した画像信号を液晶表示器4の液晶ドライバに出力する。動画像用デコーダ158は、CGROM142から演出データとして動画像データを読み出した場合に、これをデコードする回路である。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。
また、後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選すると(後述するようにチェリーと重複当選した場合を含む)、その後の3ゲームの間だけ遊技状態がRT(Replay Time)に制御される。なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRTが終了させられる。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、リール3L、3C、3Rについて「7」と「BAR」が5コマ以内の間隔で配置されているわけではなく、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはこれらの役に入賞しない場合がある。もっとも、後述するようにチェリーと重複当選している場合には、当選しているレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を取りこぼしても、チェリーに入賞する場合がある。
スイカは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rについて「スイカ」が5コマ以内の間隔で配置されているわけではなく、後述する内部抽選においてスイカに当選していても、停止ボタン12Lの操作タイミングによっては入賞しない場合がある。
ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。「ベル」は、リール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されており、後述する内部抽選においてベルに当選したときには、必ずベルに入賞するものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ライン(5本または1本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき1枚のメダルが払い出される。レギュラーボーナス以外の遊技状態において左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計2枚のメダルが払い出される。もっとも、適正な操作手順で操作されずに、チェリーに入賞しなかった場合にも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の取りこぼし時に導出され得るのと同じチャンス目が導出されることがある。チェリーに入賞した場合及びチャンス目が導出された場合にも、その後の3ゲームの間だけ遊技状態がRTに制御される。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス(ビッグボーナス中を含む)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。「JAC」は、リール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されており、後述する内部抽選においてリプレイに当選したときには、必ずリプレイに入賞するものとなっている。
なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同時にチェリーに当選したり、後述するようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が持ち越されている状態で小役やリプレイに当選する場合がある。リプレイは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に優先して導出されるので、取りこぼしは全く生じないが、ベルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出を優先することによって、例外的に取りこぼしとなる場合もある。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
図5(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。各ゲームにおける遊技状態において抽選対象となる役が参照される。ここで、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。通常の遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+チェリー、スイカ、ベル、チェリー、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+チェリー、スイカ、ベル、チェリー、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象役について遊技状態及び設定値毎に登録されている判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている。
ここで、通常の遊技状態、RTにおけるリプレイの判定値数は、それぞれいずれの設定値でも同じ値が登録されているが、RTにおけるリプレイの判定値数は、通常の遊技状態におけるリプレイの判定値数よりも大きくなっている。例えば、通常の遊技状態ではリプレイの判定値数が2245でリプレイ当選確率がおおよそ1/7.3とされているのに対して、RTではリプレイ当選確率が12652でリプレイ当選確率がおおよそ1/1.4とされている。
このようにリプレイ当選確率が設定されることで、通常の遊技状態では、メダルの払出率が1より小さい(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が小さい)が、RTでは、リプレイ当選確率が高くなることにより、メダルの払出率が1より大きくなる(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が大きい)。もっとも、RTにおけるメダルの払出率は、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスを含む)におけるメダルの払出率よりは小さい。なお、ここで説明した遊技状態に応じたメダルの払出率の関係は、設定値が1〜6のいずれとなっている場合も同じである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rは、スタートレバー11が操作され、且つ前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していることを条件に、回転開始される。そして、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、その操作タイミングからそれぞれに対応するリール3L、3C、3Rが190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(4コマの引き込み範囲内)で停止されるものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転停止は、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されている役の図柄を入賞ライン上に揃えるように、また、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されていない役の図柄を入賞ライン上に揃えないように制御される。
ここで、レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して設定されているときには、リプレイの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。リプレイには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに必ずリプレイ入賞するので、この場合においてレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに入賞することはない。
レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグとスイカ当選フラグまたはベル当選フラグが重複して設定されている場合には、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、「スイカ」または「ベル」を入賞ライン上に揃えられる場合には、「スイカ」または「ベル」を入賞ライン上に揃えて、入賞させることができる。
レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグとチェリー当選フラグが重複して設定されている場合には、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」を導出できる場合には、「チェリー」を上段または下段に導出させて、チェリーに入賞させる。
なお、上記のリール3L、3C、3Rの停止制御は、当選フラグの設定状況(及び既に停止しているリールに導出された図柄)に応じて未だ停止していないリールの停止操作位置と停止位置との関係を定めた停止制御テーブルを未停止のリールについて予め作成し、停止ボタン12L、12C、12Rがそれぞれ操作されたときに、予め作成された停止制御テーブルを参照して、対応するリールの回転を停止させるものとしている。なお、停止制御テーブルでは、停止操作位置に対して停止位置が一意に定められている。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、1ゲームに設定された賭け数を示すもので、賭け数の設定が確定したときに送信される。当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。遊技状態コマンドは、遊技状態がRTにあることを示す場合は、RT残りゲーム数が3ゲーム、2ゲーム、1ゲームのいずれであるかを区別できるものとなっている。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。演出を行うために、演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM133には、連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、入賞情報コマンド、及び当選状況通知コマンドに基づいて、各役の当選状況、可変表示装置2の表示結果による入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板101の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況については、2回分)もRAM133に設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ120の制御により実行される演出のうちで、表示制御部121に出力する指令に基づいて液晶表示器4に画像を表示することにより演出として、遊技状態がRTに制御されたことに基づき、チェリーの入賞(ボーナスとの重複当選に基づくものを除く)、チャンス目の導出、或いはボーナスのみの当選に基づき、複数ゲームに亘って実行される連続演出がある。連続演出の終了した後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の有無に基づいて実行される大当たり演出またはハズレ演出がある。
また、遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるときにそれぞれ実行されるボーナス中演出がある。さらに、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに実行されるボーナス入賞演出や、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスが終了したときに実行されるボーナス終了演出がある。これらの演出の実行態様は、演出モードによって異なるものとなる。
ここで、ボーナス入賞演出またはボーナス終了演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したとき、或いはレギュラーボーナスまたはビッグボーナスが終了したとき(すなわち、可変表示装置2に表示結果が導出されたとき)から開始され、次のゲームのために賭け数を設定したときに終了させられる。いずれにしても、次のゲームのために賭け数を設定することで終了するので、ゲームが開始されるよりも先に終了するものとなっている。
これに対して、大当たり演出またはハズレ演出は、3ゲーム分の連続演出を行った後のゲームのために賭け数を設定したときに開始されるが、スタートレバー11が操作されてゲームが開始されると終了させられる。連続演出及びボーナス中演出は、複数ゲームの期間を跨いで継続して実行されるが、実際に実行される期間は可変表示装置2に表示結果が導出されてから次にスタートレバー11が操作された次のゲームが開始されるまでの期間であり、リール3L、3C、3Rの回転が停止している期間において断続的に実行されるものとなっている。スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの回転が全て停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまでの期間は、演出モードに応じた静止画が液晶表示器4に表示される。
また、演出制御基板102のCPU131は、遊技者の演出モード切替ボタン17の操作に基づいてRAM133に記憶された所定の遊技履歴を液晶表示器4に表示させる履歴表示演出を行うものとしている。履歴表示演出は、単に遊技履歴を情報として表示するだけではなく、CPU131は、さらに所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行われていないときに(但し、リール3L、3C、3Rの回転開始から停止までのゲーム中である場合を除く)、液晶表示器4において所定のデモ演出を行うものとしている。履歴表示演出もデモ演出も、リール3L、3C、3Rの回転が停止しているゲーム中でない期間において行われる。
連続演出は、チェリー入賞、チャンス目の導出、またはボーナス当選に基づいてRTの遊技状態が開始されるゲームで開始され、RTが終了するまでの3ゲームの期間に亘って継続して行われる。但し、連続演出の終了前にボーナス入賞した場合には、その時点で連続演出は強制終了させられる。もっとも、連続演出が行われている期間は、遊技状態がRTに制御され、かなり高い確率でリプレイ当選する(取りこぼしなくリプレイ入賞する)ので、連続演出中にボーナス入賞してしまうことは少ない。
連続演出は、RT残りゲーム数が3である(すなわち、前回のゲームでチェリー入賞、チャンス目の導出、またはボーナス当選した)ゲームの開始時において演出モードとボーナス当選しているか否かに従って選択された演出パターンに従って行われる。ボーナス当選していない状態でチェリーに入賞するかチャンス目が導出されたことに基づいて開始された連続演出が終了するまでに新たにボーナス当選することもあるが、新たなボーナス当選によって次のゲームでは改めてRT残りゲーム数が3になるため、ここで新たにボーナス当選に応じた演出パターンが選択されることとなる。
連続演出における個々のゲーム間の演出では、いずれもボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報は報知されないが、3ゲーム分を総合すれば、ボーナス当選しているかどうかが分かる場合はある。3ゲーム分の連続演出が終了した後の大当たり演出またはハズレ演出では、ボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報が報知される。
これらの演出は、表示制御部121に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御部121のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器4に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器4に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROM142に格納されている。これらの演出データは、演出モード毎に用意されており、演出制御用マイクロコンピュータ120からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときの演出モードに対応したものとなる。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めCGROM142に格納されている。図6は、CGROM142に格納された各種演出データの構成を示す図である。
図示するように、連続演出(ハズレ)1〜m、連続演出(大当たり)1〜n、大当たり演出、ハズレ演出、レギュラーボーナス中演出、ビッグボーナス中演出、レギュラーボーナス入賞演出、ビッグボーナス入賞演出、レギュラーボーナス終了演出、及びビッグボーナス終了演出の演出データが、モード1とモード2のそれぞれの演出モードに対して用意され、CGROM142に格納されている。また、デモ演出の演出データと履歴表示演出の演出データとが用意され、CGROM142に格納されている。
ここで、連続演出(ハズレ)1〜mの演出データは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずかに当選している状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。
連続演出(ハズレ)1〜mの演出データ、連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。レギュラーボーナス中演出及びビッグボーナス中演出の演出データも、ボーナス中演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。
もっとも、液晶表示器4は、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rの前面側のリール領域に亘っても設けられているので、このリール領域に表示される画像の状態によってはリール3L、3C、3Rに描かれている図柄の視認性が損なわれ、ゲームの進行に影響が生じてしまう場合もある。そこで、スタートレバー11が操作されてからリール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまではリール領域を非表示(すなわち、リール領域の各画素のRGB値を(31,31,31)として完全透過状態とする)にする。
リール3L、3C、3Rの全てが回転を停止して可変表示装置2に表示結果が導出されると、液晶表示器4において演出が開始されるものの、リール領域の各画素は、本来表示される画像よりも透過度が高い(すなわち、RGB値が(31,31,31)に近い)半透過状態に制御され、リール領域を含む領域で画像が表示されていても、リール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄を視認できるようにしている。但し、可変表示装置2の表示結果に応じて小役入賞し、これに応じてメダルが払い出される場合には、メダルの払い出し中は入賞役を確実に確認できるようにするためにリール領域は非表示にされたままで、メダルの払い出しを完了してからリール領域の画像が半透過状態に制御されるものとなる。
液晶表示器4に表示される画像の画像データは、各フレーム期間においてフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開されるが、フレームバッファメモリ156に画像データを書き込む際に、前面側のオブジェクトの画像データが残るようにZバッファ法を用いている。スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全ての停止まで(但し、メダルの払い出しを伴う場合には払い出し完了まで)の期間において、リール領域に対応する位置の最前面にリール領域オブジェクトが設定されるものとなっている。
リール領域オブジェクトは、RGB値を(31,31,31)とする完全に透明のオブジェクトであり、各フレーム期間で最優先でフレームバッファメモリ156への画像データの書き込みの処理が行われるものとなっている。リール領域オブジェクトの画像データの書き込みにより、リール領域に対応する部分のZバッファに書き込まれているZ値は最前面の値を示す最小値となるので、演出データに応じた動画像や静止画像の画像データがリール領域に対応する部分には書き込まれることがない。
また、リール領域を半透過状態とするための手法としては、白加算処理と半透明処理の2通りの方法があり、そのいずれかを適用することができる。演出データの種類の違いや、本来透過領域以外の領域とともに一体的に表示される画像の状態に応じて、白加算処理と半透明処理の何れを実行するかを使い分けるものとしてもよい。ここで、本来の画像データにおけるRGB値を(Rs,Gs,Bs)とし、半透過状態にする処理を経た後の画像データにおけるRGB値を(Rd,Gd,Bd)で表すものとする。
白加算処理を行う場合、リール領域の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される。
Rd=Rs+16(if Rd>31 then Rd=31)
Gd=Gs+16(if Gd>31 then Gd=31)
Bd=Bs+16(if Bd>31 then Bd=31)
半透明処理を行う場合、リール領域の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される(但し、αは、半透明度を表すα値のことである)。
Rd=16*α+Rs*(1−α)
Gd=16*α+Gs*(1−α)
Bd=16*α+Bs*(1−α)
図7は、液晶表示器4に表示される演出の画像の表示態様を説明する図である。図7(a)は、リール3L、3C、3Rの前面側に当たるリール領域を非表示にも半透過にもしなかった場合の例を示す。デモ演出や履歴表示演出は、この状態で行われるが、図に示されるように、リール領域に表示される画像(特に透過度の低い色の濃い画像が表示される場合)によっては、リール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄がほとんど視認できなくなってしまう。
図7(b)は、リール3L、3C、3Rの前面側にあるリール領域を非表示にした場合の例を示す。スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまで(メダルの払い出しがある場合は払い出しを完了するまで)に演出が行われる場合は、この状態で画像の表示が行われる。ここでは、図に示されるように、リール領域には画像が表示されずにリール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄が完全に透過して遊技者に視認されることとなる。
図7(c)は、リール領域3L、3C、3Rの前面側にあるリール領域を半透過にした場合の例を示す。リール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出された後(但し、メダルの払い出しがある場合は払い出しを完了した後)に次のゲームでスタートレバー11が操作されるまでには、この状態で画像の表示が行われる。ここでは、図に示されるように、リール領域を含む液晶表示器4の全領域で一体的に画像の表示による演出が行われるものの、リール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄がある程度透過して視認することができるようになる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、以下の説明では、本発明に関わらない処理の説明が省略されている場合がある。
図8は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。賭け数が確定すると、BETコマンドが生成され、演出制御基板102に送信される。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたを含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS4)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転開始時、及び回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板102に送信される。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS5)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS6)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS101)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS104の処理に進む。
遊技状態がビッグボーナスにあれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS102)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナスの最初のゲームであるか、ビッグボーナス中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナスが終了していないときのゲームであるので、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS103)。そして、ステップS104の処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS104の処理に進む。
ステップS104では、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。内部抽選用の乱数は、乱数発生回路115から抽出された乱数をそのまま用いるのではなく、ソフトウェアにより所定の手順で加工してから用いるものとしてもよい。
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS105)。次に、抽選対象の役について読み出した遊技状態及び設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS106)。そして、ステップS107の処理に進む。
ステップS107では、ステップS106で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS108)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS109)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS105の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS119の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS105で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS110)。レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかである場合には、少なくとも今回のゲームにおける遊技状態は、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)ではない。
ここでは、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS111)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、RTカウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRTに制御されるようにする。ここで、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS312(後述)において今回のゲームのうちにRTカウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS112)。
また、読み出した抽選対象役に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグをRAM112に設定するとともに、チェリー当選フラグをRAM112に設定する(ステップS113)。そして、ステップS119の処理に進む。
ステップS111でRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていた場合には、チェリー当選フラグのみをRAM112に設定する(ステップS114)。そして、ステップS119の処理に進む。
ステップS110で抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー及びビッグボーナス(2)+チェリーのいずれでもなかった場合には、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS115)。抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなければ、ステップS118の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS116)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、そのままステップS119の処理に進む。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、RTカウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRTに制御されるようにする。ここでも、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS312(後述)において今回のゲームのうちにRTカウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS117)。そして、ステップS118の処理に進む。
ステップS118では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する。そして、ステップS119の処理に進む。
ステップS119では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5の入賞判定処理について詳しく説明する。図10は、CPU111がステップS5で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS201)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2の5本の入賞ラインのうちのいずれかに(レギュラーボーナス時は、中段1本の入賞ラインに)揃っているかどうかを判定する(ステップS202)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS203)、ステップS204の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS204の処理に進む。ステップS204では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS201の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS205)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS206)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS217の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS207)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS208)。そして、ステップS217の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS209)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS210)。そして、ステップS217の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS211)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS212)。そして、ステップS217の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM112にチェリーの入賞フラグが設定されているかどうかによりチェリー入賞したかどうか、或いは何れの役の入賞フラグも設定されていないが、可変表示装置2にチャンス目が導出されているかどうかを判定する(ステップS213)。チェリー入賞していた場合或いはチャンス目が導出されていた場合には、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、今回のゲームにおける遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであったかどうかを判定する(ステップS214)。
今回のゲームにおける遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスでなかった場合には、さらにRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS215)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていなければ、RTカウンタの初期値として4をセットし、次のゲームから3ゲームの間だけ遊技状態がRTに制御されるようにする。ここでも、3ではなく4を初期値としてセットするのは、ステップS312(後述)において今回のゲームのうちにRTカウンタの値が1減算されてしまうからである(ステップS216)。そして、ステップS217の処理に進む。
チェリー入賞もせずチャンス目も導出されていなかった場合、チェリー入賞またはチャンス目が導出してもレギュラーボーナスまたはビッグボーナス中であった場合、もしくはレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていた場合には、遊技状態をRTに制御することはないので、そのままステップS217の処理に進む。
なお、レギュラーボーナスまたはビッグボーナス以外でチェリー入賞していても、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていると、ステップS216でRTカウンタに初期値がセットされることはない。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)との重複当選に基づくチェリー入賞であった場合には、当選時においてRTカウンタに初期値として4がセットされているから、ここで改めて初期値をセットする必要がない。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されている状態でチェリー入賞した場合には、先のレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づいて遊技状態がRTに制御され、液晶表示器4において連続演出が既に行われている。連続演出が既に終了していれば、ボーナス確定が報知されているため、改めて連続演出をする必要はなく、連続演出の実行中であれば、当該連続演出でボーナス確定が報知されることとなるため、ここで新たな連続演出を開始させる必要はないことに基づくものである。
ステップS217では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS6の払出処理について詳しく説明する。図11は、CPU111がステップS6で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS301)。小役入賞していなければ、そのままステップS303の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS302)。そして、ステップS303の処理に進む。
ステップS303では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、ステップS307の処理に進む。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS304)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS305)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS307の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS306)。そして、ステップS310の処理に進む。
ステップS307では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含む)であったかどうかを判定する。但し、レギュラーボーナス入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする(ステップS308)。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS309)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS310の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS313の処理に進む。ステップS310では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS313の処理に進む。
ステップS307で当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでなかった場合には、RAM112のRTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS311)。RTカウンタの値が0でなければ、RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS312)、ステップS313の処理に進む。RTカウンタの値が0であれば、そのままステップS313の処理に進む。
ステップS313では、RAM112にスイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS203においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びにRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS314)。そして、払出処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。ここで図8のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU131は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、連続演出及び追加演出、デモ演出、履歴表示演出を含む独自の演出を行っている。また、遊技者の操作に応じて実行する演出の演出モードを切り替えている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
演出制御基板102では、電源基板100から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動する。図12は、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、まず、所定の演出初期設定処理を実行する(ステップS401)。演出初期設定処理の詳細については後述する。
演出初期設定処理を終了すると、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などといった演出制御基板102における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行する(ステップS402)。演出制御復旧処理の詳細についても後述する。
演出制御復旧処理を実行した後には、割込禁止としてから(ステップS403)、演出側乱数値更新処理を実行して(ステップS404)、割り込みを許可する(ステップS405)という、一連の処理を繰り返して実行する。ステップS404にて実行される演出側乱数値更新処理は、演出制御基板102の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図13は、図12のステップS401において演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出初期設定処理を詳細に示すフローチャートである。演出初期設定処理では、まず、割込禁止に設定し(ステップS501)、割り込みモードの設定を行う(ステップS502)。
次に、スタックポインタの指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS503)。また、演出制御用マイクロコンピュータ120における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS504)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行う(ステップS505)。その後、RAM133をアクセス可能に設定する(ステップS506)。
この後、例えば、VDP141に所定の初期化信号を送信してから、VDP141の内蔵レジスタにセットするための初期設定データを送信するなどといったVDP141の初期設定を行う(ステップS507)。これにより、VDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した初期化信号や初期化データなどに基づき、例えば、一時記憶メモリ155やフレームバッファメモリ156の記憶内容を初期化したり、転送制御回路152や描画回路154或いは動画像用デコーダ158などにより実行中の処理や初期化を中断したり、液晶表示器4の表示画面に対応したフレームバッファメモリ156における記憶領域の割り当てを行って表示領域を設定したり、液晶表示器4における表示画像の更新周期を設定すると行った各種設定動作のうちの少なくとも1つを実行する。
次に、例えばROM132に記憶されている乱数初期設定データに基づき乱数回路134の動作設定を行うなど演出制御基板102の側で用いられる乱数値を生成するための設定を行う(ステップS508)。さらに、例えばROM132に記憶されている割り込み初期設定データに基づきリセット/割込コントローラ136の設定やCTCのレジスタ設定を行うことなどにより割り込みの設定を行う(ステップS509)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間(例えば、2ミリ秒)毎に演出動作を制御するためのタイマ割込が発生することになる。そして、演出初期設定処理を終了する。
図14は、図12のステップS402において演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出制御復旧処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM133のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS601)。ここでの処理では、例えば、RAM133の所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。演出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。この演出チェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM133のバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間は演出チェックサムバッファの内容が保存されることとなる。算出されたチェックサムと演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、チェック結果が正常でないと判断される。
RAM133のデータのチェック結果が正常である場合には、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグがONとなっているか否かを判定する(ステップS602)。演出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、演出制御フラグ設定部に設定される。そして、この演出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でもバックアップフラグの状態は保存されることとなる。
演出バックアップフラグがONであるときには、演出バックアップフラグをクリアしてOFF状態とし(ステップS603)、その後に演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS604)。例えば、ROM132に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時テーブルの内容を順次RAM133内の作業領域に設定する。ここで、RAM133の作業領域がバックアップ電源によってバックアップされている場合には、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域に着いての初期化データが設定されていればよい。続いて、バックアップ電源によりバックアップされるRAM133のバックアップ領域から、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを読み出し、その読み出しデータに応じてCPU131の内蔵レジスタやRAM133の作業領域の設定を、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動される以前の状態に復旧させる。
この後、ステップS604での設定に基づき、例えばVDP141に復旧後の状態に応じた表示制御指令を送信することなどにより、VDP141における各種制御の再開設定を行う(ステップS605)。そして、演出制御復旧処理を終了する。なお、ステップS605の処理を実行した後には、例えば、ステップS604における制御状態の復帰によりプログラムカウンタに設定された対比値に対応する処理に復帰するようにすればよい。
また、ステップS601でRAM133のデータのチェック結果が異常である場合や、ステップS602で演出バックアップフラグがOFFである場合には、RAM133の初期化を行う(ステップS606)。RAM133の初期化に続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行う(ステップS607)。そして、演出制御復旧処理を終了する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS509での割り込みの設定によって所定の時間間隔(例えば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラ136によりRAM133のタイマ割込フラグがON状態にセットされる。図15は、タイマ割込フラグがON状態にセットされたことに応答して、演出制御マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出制御割り込み処理を示すフローチャートである。
演出制御割り込み処理では、まず、タイマ割込フラグをクリアしてOFF状態とし(ステップS701)、内部レジスタの内容を退避する(ステップS702)。次に、詳細を後述する演出バックアップ処理を実行して、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップを行う(ステップS703)。そして、入出力ポート135に含まれる所定の出力ポートにウォッチドッグクリア信号をON状態とするための制御データをセットすることなどにより、ウォッチドッグ付リセットIC124をクリアする(ステップS704)。
次に、遊技制御基板102から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し(ステップS705)、さらに詳細を後述する演出制御処理を実行する(ステップS706)。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器4への画像の表示などによる各種演出が行われる。次に、演出側乱数値更新処理が行われて、演出制御基板102の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される(ステップS707)。その後、ステップS702で退避したレジスタの内容を復帰させてから(ステップS708)、演出制御割り込み処理を終了する。
図16は、図15のステップS703において演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出バックアップ処理を詳細に示すフローチャートである。演出バックアップ処理においては、RAM133の所定領域における記憶データなどを用いて、演出バックアップ用のデータの設定を行う(ステップS801)。ここで、例えばRAM133の演出フラグ設定部に設けられた各種フラグの値やRAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた各種タイマの値により演出制御用マイクロコンピュータ120での制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、これらのフラグやタイマの値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。また、例えばCPU131の内蔵レジスタ(例えば、プログラムカウンタ)の格納値などから演出制御用マイクロコンピュータ120の制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、こうした内蔵レジスタの格納値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。或いは、フラグやタイマの値を示すデータと内蔵レジスタの核のうちを示すデータとを組み合わせることにより、演出バックアップデータを構成してもよい。その他にも、演出制御用マイクロコンピュータ120での制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況を特定して再起動後に復旧可能とする任意のデータが、演出バックアップ用データに含まれていてもよい。
次に、例えばRAM133の所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出することなどにより、チェックデータを作成する(ステップS802)。そして、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグをON状態にセットして(ステップS803)、演出バックアップ処理を終了する。なお、RAM133の一部がバックアップ電源によってバックアップされる場合には、ステップS801にて作成した演出バックアップ用データや、ステップS802で作成したチェックデータ、ステップS803でON状態に設定した演出バックアップフラグを示すデータなどを、演出バックアップ処理の終了時にRAM133のバックアップ領域に記憶させるようにすればよい。
図17〜図19は、図15のステップS706において演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。なお、この演出制御処理は、何れの手順で実行されて終了する場合であっても、2ミリ秒未満の時間内で終了する。つまり、演出制御処理の実行中に重ねて演出制御割り込みが発生してしまうことはない。
演出制御処理では、CPU131は、ステップS705のコマンド解析処理の結果、遊技制御基板101から何らかのコマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS901)。何らのコマンドも受信していないと判定した場合には、RAM133にデモ無効フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS902)。
デモ無効フラグは、後述するようにスタートレバー11の操作から可変表示装置2に表示結果が導出されるまで(メダルの払い出しがあるまでは、払い出しの完了まで)の狭義のゲーム中である場合、或いはゲーム中でなくても連続演出または追加演出、もしくはボーナス中演出が実行されている場合に設定されているものとなる。デモ無効フラグが設定されていれば、演出モード切替スイッチ17の操作も無効であり、デモ演出だけでなく、演出モードの切り替えや履歴表示演出も行うことなく、そのまま演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
デモ無効フラグが設定されていなければ、演出モード切替スイッチ17の短期間の操作が検出され、遊技者によって演出モードの切り替えが指示されたかどうかを判定する(ステップS903)。演出モードの切り替えが指示されていた場合には、表示制御部121に演出モードの切替指令を出力する(ステップS904)。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出モード領域に記憶されている演出モードが現在のモードとは異なるモード(例えば、現在の演出モードがモード1であれば、モード2)に更新される。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
演出モードの切り替えが指示されていない場合には、演出モード切替スイッチ17の長期間の操作が検出され、遊技者によって履歴表示演出の実行が指示されたかどうかを判定する(ステップS905)。履歴表示演出の実行が指示された場合には、RAM133に履歴表示演出を行っている旨を示す履歴表示フラグを設定する(ステップS906)。さらに、RAM133に記憶されている遊技履歴とともに履歴表示演出の演出データの書き込み指令を表示制御部121に出力する(ステップS907)。これにより、表示制御部121においてCGROM142から履歴表示演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。そして、ステップS911の処理に進む。
ステップS905で履歴表示演出の実行が指示されていない場合には、CPU131の内部タイマが所定時間の経過を計時したかどうかを判定する(ステップS908)。所定時間の経過を計時していなければ、そのまま演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。所定時間の経過を計時していれば、RAM133にデモ演出を行っている旨を示すデモ演出フラグを設定する(ステップS909)。さらに、デモ演出の演出データの書き込み指令を表示制御部121に出力する(ステップS910)。これにより、表示制御部121においてCGROM142からデモ演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。そして、ステップS911の処理に進む。
ステップS911では、表示制御部121にリール領域の表示指令を出力する。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155にリール領域オブジェクトを設定しない旨の情報が記憶され、最前面にリール領域オブジェクトがないことからデモ演出または履歴表示演出が行われる場合には、可変表示装置2のリール領域にも透過度を高めないまま画像が表示されることとなる。さらに、表示制御部121に演出の開始指令を出力する(ステップS912)。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれているデモ演出または履歴表示演出の演出データに対応した画像がリール領域を含む液晶表示器4の全領域において行われるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
ステップS901で何らかのコマンドを受信していたと判定した場合には、CPU131の内部タイマによる計時を改めて0から開始させる(ステップS913)。次に、RAM133にデモ演出フラグが設定されているかどうかにより、デモ演出が実行中であるかを判定する(ステップS914)。デモ演出が実行中であれば、まずRAM133のデモ演出フラグを消去し(ステップS915)、演出の終了指令とともにデモ演出の演出データの消去指令を表示制御部121に出力する(ステップS916)。これにより、デモ演出が終了するとともに、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域からデモ演出の演出データが削除される。そして、ステップS920の処理に進む。
デモ演出が実行中でなければ、RAM133に履歴表示演出フラグが設定されているかどうかにより、履歴表示演出が実行中であるかを判定する(ステップS917)。履歴表示演出が実行中であれば、まずRAM133の履歴表示演出フラグを消去し(ステップS918)、演出の終了指令とともに履歴演出の演出データの消去指令を表示制御部121に出力する(ステップS919)。これにより、履歴表示演出が終了するとともに、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域から履歴表示演出の演出データが削除される。そして、ステップS920の処理に進む。
ステップS920では、ステップS705のコマンド解析処理の結果により受信していたコマンドの種類が何であるかを判定する。受信したコマンドの種類がステップS2で送信されたBETコマンドであった場合には、RAM133の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS921)。
ステップS903で連続カウンタの値が0であった場合には、RAM133にボーナス入賞演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS922)。ボーナス入賞演出中フラグが設定されていれば、ここでボーナス入賞演出を終了させることとなるので、ボーナス入賞演出中フラグをRAM133から消去する(ステップS923)。また、前回のゲームでレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに入賞して液晶表示器4にてボーナス入賞演出が依然として行われているので、ここで演出の終了指令とともにボーナス入賞演出の演出データの消去指令を表示制御部121に出力する(ステップS924)。これにより、ボーナス入賞演出が終了するとともに、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域からボーナス入賞演出の演出データが削除される。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
ボーナス入賞演出中フラグが設定されていなければ、RAM133にボーナス終了演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS925)。ボーナス終了演出中フラグが設定されていれば、ここでボーナス終了演出を終了させることとなるので、ボーナス入賞終了中フラグをRAM133から消去する(ステップS926)。また、前回のゲームでレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供したものを含まず)またはビッグボーナスが終了して液晶表示器4にてボーナス終了演出が依然として行われているので、
ここで演出の終了指令とともにボーナス終了演出の演出データの消去指令を表示制御部121に出力する(ステップS927)。これにより、ボーナス終了演出が終了するとともに、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域からボーナス終了演出の演出データが削除される。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
ステップS921で連続カウンタの値が0でなければ、未だ連続演出の実行中であるので、ここで連続カウンタの値を1だけ減算する(ステップS928)。この減算の結果、連続カウンタの値が0になったかどうかを改めて判定する(ステップS929)。連続カウンタの値が未だ0にならなかったならば、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。連続カウンタの値が0になったならば、表示制御部121に演出の終了指令を出力する(ステップS930)。これにより、表示制御部121は、連続演出の演出データに基づく画像データの生成を停止し、液晶表示器4で行われていた連続演出が終了する。
その後、前回のゲームでRAM133に保存した当選状況がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS931)。ここで、前回のゲームでの当選状況がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選していることを示していても、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスに入賞していれば連続カウンタの値が0となっているので(ステップS953参照)、ステップS931の処理が行われる場合は、レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが持ち越されている状態である。
ステップS931で前回のゲームの当選状況がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選していることを示していれば、表示制御部121に大当たり演出の演出データの書き込み指令を出力する(ステップS932)。これにより、表示制御部121においてCGROM142から大当たり演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。大当たり演出の演出データが書き込まれたことで、連続演出の演出データは消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、表示制御部121に演出の開始指令を出力する(ステップS933)。ここでは、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域に大当たり演出の演出データが記憶されており、リール領域オブジェクトは設定されていないので、液晶表示器4のリール領域を含む領域で大当たり演出が行われるものとなる(但し、リール領域を半透過にする旨の情報が記憶されているので、リール領域では半透過)。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
前回のゲームの当選状況がレギュラーボーナス及びビッグボーナスのいずれの当選も示していなければ、表示制御部121にハズレ演出の演出データの書き込み指令を出力する(ステップS934)。これにより、表示制御部121においてCGROM142からハズレ演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ハズレ演出の演出データが書き込まれたことで、連続演出の演出データは消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、表示制御部121に演出の開始指令を出力する(ステップS935)。ここでは、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域にハズレ演出の演出データが記憶されており、リール領域オブジェクトは設定されていないので、液晶表示器4のリール領域を含む領域でハズレ演出が行われるものとなる(但し、リール領域を半透過にする旨の情報が記憶されているので、リール領域では半透過)。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類がステップS119で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、まず、該当選状況通知コマンドが示す当選状況をRAM133に保存する(ステップS936)。次に、表示制御部121に演出終了指令を出力する(ステップS937)。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域に何らかの演出データが設定されたままとなっていても、ゲームの開始タイミングで送信された当選状況通知コマンドの受信により当該演出が一旦終了することとなる。
次に、表示制御部121にリール領域の透過指令を出力する(ステップS938)。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155にリール領域オブジェクトを設定する旨の情報が記憶され、各フレーム期間において最優先で処理されるリール領域オブジェクトが最前面に設定されることから、液晶表示器4に演出モードに応じた画像が表示される場合にもリール領域の部分には何も表示されずに液晶表示器4の背面にあるリール3L、3C、3Rの図柄が完全に透過して遊技者に示されることとなる。また、表示制御部121に演出モードに応じた静止画像の表示指令を出力する(ステップS939)。これにより、一時記憶メモリ155の演出モード領域に記憶されている演出モードに応じた静止画像が液晶表示器4(但し、リール領域を除く)に表示される。
次に、前回のゲームのステップS957で保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を参照して、RT残りゲーム数が3、すなわち前回のゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に新たに当選した(チェリーとの重複当選を含む)か、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないで可変表示装置2の表示結果としてチェリーまたはチャンス目が導出されたかどうかを判定する(ステップS940)。
RT残りゲーム数が3でなければ、前回のゲームのステップS957で保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を参照して、遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS941)。今回のゲームの遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスのいずれにもなければ、そのまま演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。今回のゲームの遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、RAM133にボーナス中演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS942)。ボーナス中演出中フラグが設定されていれば、そのまま演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
ボーナス中演出中フラグが未だ設定されていなければ、前回のゲームでレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに入賞し、今回のゲームから遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスになるということであり、今回のゲームで可変表示装置2に表示結果が導出されたときに新たにボーナス中演出を開始させることとなるので、RAM133にボーナス中演出中フラグを設定する(ステップS943)。
次に、表示制御部121にボーナス中演出の演出データの書き込み指令を出力する(ステップS944)。これにより、表示制御部121においてCGROM142からボーナス中演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに、ボーナス中演出が行われている間はデモ演出や履歴表示演出を行わないものとするので、RAM133にデモ無効フラグを設定する(ステップS945)。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
ステップS940でRT残りゲーム数が3であった場合には、ソフトウェア乱数機能により乱数を抽出し、抽出した乱数の値と、ステップS936でRAM133に保存した当選状況がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選を示しているかどうかに応じて連続演出の演出パターンを選択する(ステップS946)。さらに、RAM133の連続カウンタに初期値として3をセットする(ステップS947)。
次に、表示制御部121に連続演出の選択した演出パターンに対応した演出データの書き込み指令を出力する(ステップS948)。これにより、表示制御部121においてCGROM142から選択した演出パターンに対応した連続演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに、連続演出が行われている間はデモ演出や履歴表示演出を行わないものとするので、RAM133にデモ無効フラグを設定する(ステップS949)。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類がステップS217で送信された入賞情報コマンドであった場合には、表示制御部121に演出モードに応じた静止画像の非表示指令を出力する(ステップS950)。これにより、液晶表示器4に表示されていた演出モードに応じた静止画像が表示消去される。その後、受信した入賞情報コマンドがレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS951)。レギュラーボーナス及びビッグボーナスのいずれの入賞も示していなければ、そのままステップS956の処理に進む。
レギュラーボーナスまたはビッグボーナスのいずれかの入賞を示していれば、RAM133の連続カウンタの値が0となっているかどうかを判定する(ステップS952)。連続カウンタの値が0となっていれば、そのままステップS954の処理に進む。連続カウンタの値が0となっていなければ、ここで連続演出を強制終了させるので、RAM133の連続カウンタの値を0にクリアする(ステップS953)。そして、ステップS954の処理に進む。
ステップS954では、RAM133にボーナス入賞演出中フラグを設定する。次に、表示制御部121にボーナス入賞演出の演出データの書き込み指令を出力する(ステップS955)。これにより、表示制御部121においてCGROM142からボーナス入賞演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ボーナス入賞演出の演出データが書き込まれたことで、大当たり演出や連続演出の演出データが書き込まれていた場合であっても、演出データ領域から消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。そして、ステップS956の処理に進む。
ステップS956では、表示制御部121に演出の開始指令を出力する。これにより、一時記憶メモリ155の演出データ領域に何らかの演出データが書き込まれていれば、書き込まれた演出データに応じた演出が液晶表示器4にて開始されるものとなる。もっとも、ここでは未だリール領域オブジェクトが設定されているので、液晶表示器4のうちのリール領域を除く領域に演出の画像が表示されることとなる。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類がステップS314で送信された遊技状態コマンドであった場合には、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM133に保存する(ステップS957)。次に、表示制御部121にリール領域を半透過にする旨の指令を出力する(ステップS958)。これにより、表示制御部121の一時記憶メモリ155にリール領域オブジェクトを設定しない旨の情報と、これとともにリール領域を半透過にする旨の情報が記憶される。
一時記憶メモリ155にリール領域を半透過にする旨の情報が記憶されたことにより、液晶表示器4のうちのリール領域に対応する画素のRGB値が、上記したような白加算処理または半透明処理によって白色(すなわち、(31,31,31))に近い値に変換される。例えば、RGB値が(0,22,10)の画素に対しては、白加算処理が行われるとRGB値が(16,32,26)となり、半透明処理が行われるとRGB値が(8,27,21)となる(α値が50%の場合)。
次に、ここで受信した遊技状態コマンドが次のゲームで適用される遊技状態が通常の遊技状態であることを示しているかどうかを判定する(ステップS959)。通常の遊技状態でないことを示していれば、次のゲームでも遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスでボーナス中演出が行われている場合、或いは次のゲームでも遊技状態がRTで連続演出が行われている場合となるので、そのまま演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
通常の遊技状態であることを示していれば、RAM133にボーナス中演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS960)。ボーナス中演出データが設定されていなければ、今回のゲームでレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含まず)またはビッグボーナスが終了した訳ではないので、そのままステップS964の処理に進む。
ボーナス中演出データが設定されていれば、今回のゲームでレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含まず)またはビッグボーナスが終了したこととなるので、ボーナス中演出もこれで終了させられることとなり、RAM133に設定されているボーナス中演出中フラグを消去する(ステップS961)。
次に、表示制御部121に演出終了指令とともにボーナス終了演出の演出データの書き込み指令を出力する(ステップS962)。これにより、ボーナス中演出が終了するとともに、表示制御部121においてCGROM142からボーナス終了演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ボーナス終了演出の演出データが書き込まれたことで、ボーナス中演出の演出データは消去される(少なくともボーナス中演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、表示制御部121に演出の開始指令を出力する(ステップS963)。ここでは、表示制御部121の一時記憶メモリ155の演出データ領域にボーナス終了演出の演出データが記憶されており、リール領域オブジェクトは設定されないもののリール領域を半透過にする旨の情報が記憶されているので、液晶表示器4のリール領域を含む領域でボーナス終了演出が行われるものとなる。そして、ステップS964の処理に進む。
ステップS964では、ボーナス中演出が行われている場合とも連続演出が行われている場合ともならないので、次のゲームが開始されるまでにデモ演出や履歴表示演出を行うことができるようになるので、RAM133に設定されているデモ無効フラグを消去する。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS965)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。そして、演出制御処理を終了して、図15の演出制御割り込み処理に復帰する。
図20は、動画像の表示中の期間において演出制御割り込み処理中に実行される動画像表示中処理を示すフローチャートである。CPU131は、まず、動画像の演出データを用いて再生される画像が1フレーム目の画像であるか否かを判定する(ステップS1001)。ここで、演出制御タイマ値などから動画像ファイルを新たに読み出すのか継続して読み出すのかを特定し、新たに読み出す場合には1フレームの画像であると判定する。
1フレーム目の画像であると判定された場合には、動画像読み出しポインタの値を読み出し対象となる動画像ファイルに対応した読み出しアドレスに設定することなどといった動画像再生用に設けられたレジスタの初期設定を行う(ステップS1002)。これに対して、1フレーム目の画像でないと判定された場合には、前回の動画像表示中処理が終了するときに、後述するステップS1009の処理で退避されたレジスタの内容を復帰させる(ステップS1003)。
その後、動画像デコード開始指令を表示制御部121に出力する(ステップS1004)。また、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられたイベント割り込み待ちタイマを初期化して、経過時間の計測をスタートさせる(ステップS1005)。次に、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割り込みフラグがONとなったか否かを判定する(ステップS1006)。ここで、イベント割り込みフラグは、VDP141にて1フレーム分の画像に対応した画像データの再生が完了したときに、動画像用デコーダにてイベント割り込みが発生したことに対応してON状態にセットされる。
イベント割り込みフラグがONである場合には、イベント割り込みフラグをクリアしてOFF状態とした後(ステップS1007)、例えば1つの動画像の演出データのうちの最終フレームのデコードが完了したか否かを判定する(ステップS1008)。最終フレームのデコードが完了していないと判定された場合には、レジスタの内容を退避する(ステップS1009)。そして、ステップS1010の処理に進む。最終フレームのデコードが完了したと判定された場合には、そのままステップS1010の処理に進む。ステップS1010では、動画像デコードNOP指令を表示制御部121に出力して、動画像表示中処理を終了する。
ステップS1006でイベント割り込みフラグがOFFである場合には、イベント割り込み待ちタイマにおけるタイマ値であるイベント割り込み待ちタイマ値を1加算するなどして更新する(ステップS1011)。そして、更新後のイベント割り込み待ちタイマ値が所定の制限時間判定値に達したか否かを判定する(ステップS1012)。制限時間値に達していなければ、ステップS1006の処理に戻る。制限時間値に達した場合には、所定のループ処理に入り、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動されるまで待機する。
図21は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるリセット/割込コントローラ136により実行されるリセット/割り込み制御処理を示すフローチャートである。リセット/割り込み制御処理において、リセット/割込コントローラ136は、例えば入出力ポート135に含まれる入力ポートにおける所定の入力端子から演出制御用マイクロコンピュータ120のリセット端子を介してウォッチドッグ付リセットIC124により伝送されるリセット信号を取り込み、そのリセット信号がON状態となっているかどうかを判定する(ステップS1101)。
リセット信号がON状態である場合には、所定のリセットON判定時間が経過したかを判定する(ステップS1102)。ここで、リセット/割込コントローラ136は、ステップS1101にて最初にリセット信号がON状態であると判定されてからの経過時間を計測し、計測された経過時間がリセットON判定時間に達したか否かを判定すればよい。この場合、ステップS1101で続けてリセット信号がON状態であると判定される期間では、経過時間の計測が継続される。これに対して、一旦リセット信号がOFF状態であると判定されたことにより、経過時間の計測動作を初期化すればよい。リセットON判定時間が経過したと判定された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120のリセットを発生させて、演出用マイクロコンピュータ120を再起動させる(ステップS1103)。
ステップS1101でリセット信号がOFF状態である場合や、ステップS1102でリセットON判定時間が経過していない場合には、遊技制御基板101から送信されたコマンドを受信したことによるコマンド受信割り込みが発生したか否かを判定する(ステップS1104)。このとき、コマンド受信割り込みが発生していれば、例えば、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたコマンド受信割り込みフラグをON状態にセットする(ステップS1105)。
コマンド受信割り込みが発生していない場合には、例えば、所定のCTCがタイムアウトしたことによるタイマ割込が発生したか否かを判定する(ステップS1106)。このとき、タイマ割込が発生していれば、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込フラグをON状態にセットする(ステップS1107)。
タイマ割込が発生していないと判定された場合には、VDP141からのイベント割り込み信号がON状態となったか否かを判定することにより、イベント割り込みが発生したか否かを判定する(ステップS1108)。イベント割り込みが発生していれば、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割り込みフラグをON状態にセットする(ステップS1109)。
イベント割り込みが発生していないと判定された場合には、その他の割り込みが発生したか否かを判定する(ステップS1110)。このとき、何らかの割り込みが発生していれば、発生した割り込みに対応して所定の割り込みフラグをON状態にセットする等と行った予め定められた処理を実行する(ステップS1111)。ステップS1110にてその他の割り込みも発生していないと判定された場合や、ステップS1111の処理を終了した後には、ステップS1101の処理に戻る。
なお、VDP141においてホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から演出データの書き込み指令が入力されると、転送制御回路152は、該指令に応じた演出データをCGROMインタフェース153を介してCGROM142から読み込み、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。これまで書き込まれていた演出データは、認識不能となって実質的に消去される。演出データの消去指令が入力されると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データを消去する(但し、データとして認識不能になればよい)。
また、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から演出モードの切替指令が入力されると、一時記憶メモリ155に記憶されている演出モードが切り替えられる。演出制御用マイクロコンピュータ120からリール領域の表示指令、非表示指令、透過指令が入力されると、それぞれの指令に応じた情報を一時記憶メモリ155に記憶させる。
描画回路154は、演出の開始指令が入力されてから終了指令が入力されるまでの各フレーム期間において、一時記憶メモリ155に記憶されている演出データに基づいて(動画像を表示する期間においては、さらに動画像用デコーダ158が動画像デコード指令により動画像をデコードすることにより)、画像データをフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開する。
ここで、動画像用デコーダ158は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの動画像デコード指令を受け取ると、CGROM142から一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送された演出データから1フレーム分の画像を示すピクチャデータを読み出す。ピクチャデータは、動画像を構成する演出データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。読み出すべきピクチャデータは、動画像読み出しポインタの値によって示される。動画像用デコーダ158は、読み出したピクチャデータをデコードし、一時記憶メモリ155に設けられた複数のピクチャバッファのうちのピクチャバッファポインタの値によって示されるものに記憶させる。
その後、動画像読み出しポインタの値とピクチャバッファポインタの値を更新し、さらにホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータに対してイベント割り込み信号を出力する。その後、イベント割り込み信号の出力期間の間だけ該イベント割り込み信号を出力させた状態のまま待機し、イベント割り込み信号の出力期間が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ120からの動画像デコード指令に対応した動画像のデコード処理を終了する。
このように動画像用デコーダ158は、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了する度にイベント割り込み信号を演出制御用マイクロコンピュータ120に対して出力するようにしている。例えば、ピクチャデータのデコードの処理に障害が発生した場合のようにピクチャーデータのデコードが完了しない場合には、イベント割り込み信号が出力されないこととなる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、VDP141(動画像用デコーダ158)からイベント割り込み信号が出力されずにイベント割り込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達すると、図20に示したループ処理に入ることとなる。すると、演出制御割り込み処理が実行されなくなるので、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動されることになる。
また、表示回路157は、読み出しように切り替えられたフレームバッファメモリ156(すなわち、前回のフレーム期間で画像データの書き込まれた)から画像データを読み出し、所定の同期信号を付加して液晶表示器4の液晶ドライバに出力するものとなる。なお、液晶表示器4の液晶ドライバは、表示回路157から画像信号が入力されていない場合には、画像を非表示とする駆動信号を液晶表示器4の各画素に出力するものとすることができる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)に当選していない状態でチェリーに入賞またはチャンス目が導出されたとき、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、遊技状態がRTに制御され、これによって複数ゲームの期間に跨って継続する連続演出が液晶表示器4にて実行されるものとなる。また、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することで遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに制御され、これらの遊技状態に制御されている複数ゲームの期間に跨ってボーナス中演出が液晶表示器4にて実行されるものとなる。
また、可変表示装置2の表示結果に応じてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときにはボーナス入賞演出が、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの遊技状態が終了したときにはボーナス終了演出が液晶表示器4にて実行される。スタートレバー11の操作による1ゲームの開始からリール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまでの期間では、演出ステージに応じた静止画が液晶表示器4に表示される。
ところで、ボーナス入賞演出やボーナス終了演出が実行されるのは、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止してから次のゲームのために賭け数が設定されるまでの期間であり、リール3L、3C、3Rの回転は必ず停止しているものとなるが、レギュラーボーナスやビッグボーナスの終了時のゲームでは通常小役入賞しているので、メダルが払い出される。連続演出やボーナス中演出は、複数ゲームの期間に跨って実行されるが、実際に画像の表示の演出として実行されるのは、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止してから次のゲームでスタートレバー11が操作されるまでの期間であるが、この期間のゲームにおいて小役入賞してメダルが払い出される場合はある。
ここで、スタートレバー11の操作によりゲームが開始してからリール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまで、さらに当該表示結果に応じてメダルが払い出される場合にはメダルの払い出しを完了するまでは、リール領域オブジェクトが設定されて、液晶表示器4のリール領域が非表示(完全な透過状態)に設定される。つまり、リール3L、3C、3Rが回転している間は、液晶表示器4に表示される画像によってリール3L、3C、3Rの視認性が確保されることとなり、ゲームの進行に影響を与えることがない。また、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止した後でも、メダルの払い出しがある場合にはこれを完了するまではリール領域が非表示に設定される。このため、メダルの払い出しを生じさせることとなった小役の入賞を確実に把握することが可能になる。
さらに、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止した後には液晶表示器4のリール領域とリール領域以外の領域で一体的な画像で演出が行われるものとなるが、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止した後であってもリール領域は半透過状態に設定される(但し、メダルの払い出しがあるときには、メダルの払い出しを完了してから半透過状態に設定される)。リール領域が半透過状態になるとは言っても、リール領域とリール領域以外の領域に一体的に画像を表示して演出を行うことができるので、可変表示装置2よりもさらに大きな液晶表示器4の大画面を生かしたダイナミックな演出を行うことができる。メダルの払い出しがある場合にはリール領域にまで画像が表示されるのはメダルの払い出しを完了してからであるが、メダルの払い出しがあるか否かに関わらずリール3L、3C、3Rの全てが回転停止すれば液晶表示器4において画像の表示による演出が開始されることとなる。このように演出の開始タイミングを統一することができるため、演出の開始タイミングの制御を簡易なものとすることができ、また、遊技者にとっても液晶表示器4において画像の表示による演出が開始される契機が分かり易くなる。
また、本来の演出の画像の色が濃い(すなわち、透過度が低い)ときであっても、リール領域における画像の色は薄い(すなわち、透過度が高い)ものとなるので、背後にあるリール3L、3C、3Rに停止して表示されている図柄に対して一定の視認性を確保することができる。図柄の視認性を確保することができることから、可変表示装置2の表示結果としてリーチ目、チャンス目或いはハズレ目といったレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の有無に関連した表示結果を確認することができ、スロットマシン本来の遊技性を損なわない。
スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが回転開始するまで(但し、メダルの払い出しがある場合は払い出し完了まで)は、リール領域が非表示に設定されるが、そのための処理としてリール領域の範囲に対応したリール領域オブジェクトを設定するものとしている。ここで、各フレーム期間において液晶表示器4に表示する画像の画像データをフレームバッファメモリ156に書き込む場合に、リール領域オブジェクトは最先に処理されるものとなっている。このため、仮に1フレーム期間の間に何らかの問題が生じて画像データの描画が正常に行えないことがあったとしても、リール領域は必ず非表示に設定される。このため、リール3L、3C、3Rの回転が継続している間は、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
また、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが回転開始するまで(但し、メダルの払い出しがある場合は払い出し完了まで)にリール領域オブジェクトを設定して、リール領域を非表示にするのは、どのような遊技状態で行われるゲームであるかに関わらずに必ず行われる制御となっている。このため、スロットマシン1の遊技状態がどのようになっていても、リール3L、3C、3Rの回転が継続している間は、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
さらに、液晶表示器4の液晶ドライバは、VDP141から画像信号が供給されないときには、液晶パネルの各画素の駆動信号として透明の画像に対応した駆動信号を出力するので、仮に演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121の故障があった場合でも、液晶表示器4のリール領域の部分の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
一方、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止して液晶表示器4に画像が表示されることとなっても、液晶表示器4のリール領域に含まれる各画素のRGB値は、白加算処理または半透明処理が施されることによって、本来の画像のRGB値よりも高くなり、透過性が高くなる。このため、リール領域とリール領域以外の領域を含む広い領域で全体としてダイナミックな演出を行うことが可能になるとともに、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性を高くすることができる。
ここで行われる白加算処理や半透明処理は、四則演算だけの比較的単純な計算だけで済むものであるので、リール領域に含まれる画素のRGB値を高くするための計算に処理負荷が大きくならない。さらに、演出データや画像の表示状態によって白加算処理か半透明処理かを選択して適用できるようにすることで、リール領域以外の領域に表示される画像との一体性と、リール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性とのバランスを図ることができる(図柄の視認性の確保に重点を置くなら白加算処理の方が優れ、画像の一体性に重点を置くなら半透明処理の方が優れる)。
また、現在の遊技の進行状況を示す演出ではないが、スタートレバー11の操作から可変表示装置2の表示結果の導出までのゲーム中の期間ではないゲームとゲームの間の期間において、所定期間に亘って遊技操作が行われていないとデモ演出が実行され、演出モード切替ボタン17の長押しによって履歴表示演出の実行を遊技者が指示すると履歴表示演出が実行される。さらに、このゲームとゲームの間の期間において演出モード切替ボタン17を操作する(長押しを除く)ことによって演出モードを切り替えることができる。
これらのデモ演出や履歴表示演出が行われる場合は、リール領域オブジェクトは設定されず、また、リール領域が半透過状態ともされない。つまり、デモ演出や履歴表示演出は、液晶表示器4のうちでリール領域もリール領域以外の領域も同じ状態で画像が表示されるものとなる。もっとも、これらのデモ演出や履歴表示演出が行われる場合には、遊技者によって遊技が進行されておらず(単にゲームからゲームに移行する間にインターバルだけという訳でもない)、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性が全く問題とならない。このようにリール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性が全く問題とならないところでは、リール領域を非表示にも半透過にもしないことで、液晶表示器4の全体の領域を使って一体性のある演出をダイナミックに行うことができるようになる。
液晶表示器4への画像の表示によって行われる演出を実行する場合、表示制御部121のVDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて予め実行すべき演出の演出データをCGROM142から読み出し、これを一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込んでおかなければならない。この演出データの読み出し/書き込みに要する処理のオーバーヘッドが生じる。連続演出の演出データやボーナス中演出の演出データは、これらの演出が複数ゲームに亘って実行されるものであるため、比較的データ量が大きくなっており、読み出し/書き込みに要するオーバーヘッドも比較的大きなものとなっている。
ここで、連続演出の実行中やボーナス中演出の実行中であってもゲームとゲームの間の期間において所定期間に亘って遊技操作がされないときにはデモ演出が実行されるものとすると、そのときにはデモ演出の演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならない。この場合、デモ演出の演出データを連続演出の演出データに上書きしなければならないので、何らかの遊技操作がされてデモ演出を終了した場合に、元の連続演出を改めて再開しようとすれば、再び連続演出の演出データをCGROM142から読み出し、実行演出データ領域に書き込まなければならない。遊技者による演出モード切替ボタン17の長押し操作によって履歴表示演出が実行されようとする場合も同じである。
また、連続演出の実行途上やボーナス中演出の実行途上であってもゲームとゲームの間の期間において演出モードを切り替え、演出モード切替ボタン17の操作によってそこから連続演出やボーナス中演出の演出モードを切り替えられるものとすると、そのときには新たな演出モードで対応する演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データに書き込まなければならない。これを許容するとなると、演出モード切替ボタン17が操作される度に、何度も同じ処理を行わなければならないこととなる。
これに対して、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、連続演出またはボーナス中演出の実行途上においては、1ゲームが終了してもデモ無効フラグを消去せず、また、演出モード切替ボタン17の操作も無効化したままにしている。つまり、デモ演出の演出データや履歴表示演出の演出データのCGROM142からの読み出しと実行演出データ領域への書き込みが禁止されているので、実行中の連続演出やボーナス中の演出データがデモ演出や履歴表示演出の演出データによって上書きされて実行演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しないデモ演出や履歴表示演出を実行するために、データ量の大きい連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。連続演出またはボーナス中演出の実行途上においては演出モード切替ボタン17の操作も無効化したままにしているので、演出モードが切り替えられることがなく、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのも防ぐことができる。
上記した演出の画像を表示するための液晶表示器4を構成する液晶パネルには、表面光沢処理が施されている。このような液晶パネルでは、ノングレア処理を施した液晶パネルに比べて背面から照射される光も散乱させずに(すなわち、ノングレア処理を施した液晶パネルに比べて高い透過性で)、遊技者の目に届くこととなる。このため、リール3L、3C、3Rに描かれた図柄の視認性をより高めることができるものとなる。
さらに、液晶表示器4の背面から照射される光というのは、リール領域ではリール3L、3C、3Rの内部に設けられたリールランプ3LPの光、リール領域以外の領域では液晶表示器4内のバックライトの光ということとになる。ここで、リールランプ3LPに動作電力を供給する電源回路と液晶表示器4内のバックライトに動作電力を供給する電源回路とは、別系統となっているため、リールランプ3LPとバックライトとの共倒れによって液晶表示器4の背面から光(反射光を除く)が全く照射されなくなってしまうことがほとんど起こり得なくなるので、液晶表示器4に表示される画像が視認できなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるリセット/割込コントローラ136によりVDP141からのイベント割り込み信号がON状態になることによりイベント割り込みの発生が検出される。CPU131は、リセット/割込コントローラ136によりイベント割り込みの発生が検出されずにイベント割り込み待ちタイマ値が制限時間判定値に発生すると、所定のループ処理に入り、タイマ割込の発生に対応する演出制御割り込み処理を開始させないようにする。そして、ウォッチドッグ付リセットIC124がクリアされないためにタイムアウトが発生し、演出制御マイクロコンピュータ120のリセット端子にON状態のリセット信号が入力され、演出制御用マイクロコンピュータ120にリセットを発生させて再起動させる。この場合には、スロットマシン1への電力供給が開始された場合と同様に、ステップS401の演出初期設定処理が実行され、VDP141の初期設定が行われることとなる。このため、演出制御用マイクロコンピュータ120の側でVDP141におけるイベント割り込みの発生が検出されずに予め定められた待機期間が経過した場合に、専用の処理を実行することなくVDP141の初期設定を行うことができ、プログラム容量の増大や複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復帰させることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、タイマ割込の発生に対応して演出制御割り込み処理を実行した場合には、その中で演出バックアップ処理を実行し、演出バックアップ用データをRAM133のバックアップ領域に設定して記憶させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120の再起動に対応して演出制御復旧処理を実行した場合には、RAM133のバックアップ領域に記憶されている演出バックアップ用データにより、演出制御用マイクロコンピュータ120の制御状態を再起動される以前の状態に復旧させる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ120の側でVDP141におけるイベント割り込みの発生が検出されずに予め定められた待機時間が経過した場合に、途中となっていた表示動作を再起動後に続きから実行することができ、異常な表示状態からの適切な復旧が可能になる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動される場合に、制御状態を復旧させるための特別な制御を行う必要がないので、処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
また、通常の遊技状態においては、内部抽選においてレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーが内部抽選の対象役として定められており、チェリーに当選すると同時にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがある。すなわち、チェリーの入賞は、当該ゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した可能性があるということを示し、これによって遊技者に期待感を与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、チェリーの入賞は、遊技状態をRTに制御して連続演出を開始させる契機ともなっているので、チェリーに入賞したゲーム限りではなく、その後の複数ゲームに亘って遊技者に対してレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、チャンス目は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を取りこぼしたとき、チェリーを取りこぼしたとき、或いはこの両者を取りこぼしたときに限って可変表示装置2の表示結果として導出される出目となっている。すなわち、チャンス目の導出は、当該ゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した可能性があるということを示し、これによって遊技者に期待感を与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、チャンス目の導出は、遊技状態をRTに制御して連続演出を開始させる契機ともなっているので、チャンス目が導出されたゲーム限りではなく、その後の複数ゲームに亘って遊技者に対してレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出を開始させる契機となるチェリー入賞、チャンス目の導出、及びレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選は、いずれも遊技状態をRTに制御させる契機ともなっている。つまり、連続演出の実行中は、遊技状態がRTに制御されてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)よりも優先して導出されるリプレイの当選確率が極めて高くなっており、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたとしてもこれらの役に入賞する可能性、或いはハズレの場合においてそのハズレが遊技者に分かってしまう可能性が低くなる。このため、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているかどうかが遊技者に分からないままにして、連続演出の行われている間に継続して遊技者に期待感を与えることができるようになる。
さらに、連続演出を開始させる契機の1つであるチャンス目の導出は、チェリー(重複当選を含む)の取りこぼしによっても生じるものであるが、チェリーを取りこぼさずに入賞させられたとしても遊技者に払い出されるメダルの枚数は1枚または2枚しかなく、通常の遊技状態において1ゲームで設定する賭け数にも満たない。このため、チェリーの取りこぼしで遊技者の利益が失われていたという可能性があったにしても失われた利益の期待値は非常に小さいものなので、チャンス目の導出によって開始される連続演出によって遊技者に大きな利益をもたらすレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を期待させることの効果を高めることができるものとなる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、スタートレバー11が操作されてからリール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまでの間、液晶表示器4には静止画が表示されるものとなっていたが、このうちでリール領域については最前面にリール領域オブジェクトを設定することにより画像が表示されないように制御するものとしていた。もっとも、リール領域に画像が表示されないようにする手法はこれに限るものではなく、例えば、そもそもスタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが回転停止するまでの期間で液晶表示器4に表示される画像は、少なくともリール領域の部分の各画素のRGB値が(31,31,31)となっている(つまり、リール領域に画像が表示されない)ものとしてもよい。また、リール領域オブジェクトは、透過色のものを1つだけ用意するのではなく、合成することにより透過色を生成できる複数種類のものから構成されるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出された後、スタートレバー11が操作されて次のゲームが開始されるまでに演出が行われる場合には、リール領域の各画素のRGBデータに白加算処理または半透明処理を施すことによりリール領域を半透過状態にするものとしていた。もっとも、リール領域を半透過状態にする手法は、これらに限るものではない。
例えば、白加算処理や半透明処理をR値、G値、B値に対して一律に行うのではなく、特定の色味を強くするようにする(例えば、青味を強くするためには、白加算処理ではB値への加算値をR値やG値への加算値よりも大きくしたり、半透明処理では半透明処理を行う際のB値の透明度を低くする)ものとしてもよい。また、半透明処理では、所定の半透明値が設定された上記の実施の形態のリール領域オブジェクトと同様の半透明オブジェクトを設定するものとしてもよい。この場合、半透明オブジェクトも、リール領域オブジェクトと同様に各フレーム期間において最優先で処理されるものとすることができる。
いずれにしても、半透過状態による処理によって元の画像データのRGB値が(Rd,Gd,Bd)である場合に、そのうちのR値、G値またはB値の少なくとも1つをRd,GdまたはBdよりも大きく、31(R値、G値、B値のそれぞれの最大値)以下の値に変えればよい。上記の実施の形態とは異なり、透過色のRGB値が(0,0,0)で表される場合、半透過状態による処理によって元の画像データのRGB値が(Rd,Gd,Bd)である場合に、そのうちのR値、G値またはB値の少なくとも1つをRd,GdまたはBdよりも小さく、0(R値、G値、B値のそれぞれの最小値)以上の値に変えればよい。
また、リール領域のうちの所定のメッシュパターンに対応する画素の画像を透明にする(すなわち、RGB値を(31,31,31)の完全透過状態とする)ものとしてもよい。この場合、リール領域に含まれる画素のうちメッシュパターンに対応した画素ではリール3L、3C、3Rに描かれている画像が完全に透過して遊技者に示されるとともに、リール領域のうちでメッシュパターンに対応しない画素では、本来の演出の画像のRGB値で画像が表示される。これにより、液晶表示器4のリール領域を含む広い領域でダイナミックな演出を行うことができるようになるとともに、リール領域の背面にあるリール3L、3C、3Rに描かれている図柄の視認性を確保することができる。
なお、この制御を行う場合、リール領域に対応する範囲でメッシュパターンの形態を有するメッシュパターンオブジェクトを、上記の実施の形態におけるリール領域オブジェクトと同様に最前面に設定するものとしてもよい。この場合、メッシュパターンオブジェクトも、リール領域オブジェクトと同様に各フレーム期間において最優先で処理されるものとすることができる。また、メッシュパターンによる半透過状態とするための制御も、演出データや表示されている画像の状態に応じて、上記した白加算処理または半透明処理と切り替えて使うこともできる。
上記の実施の形態では、変表示装置2の表示結果によりメダルの払い出しがある場合には、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止した時点で液晶表示器4において画像の表示による演出が開始されるものの、メダルの払い出しを完了するまではリール領域が非表示とされていた。もっとも、メダルの払い出しの完了を待たずにリール3L、3C、3Rの全てが回転停止した時点でリール領域を含む領域に演出の画像が表示されるものとしてもよい。もっとも、ここでもリール領域の画像を半透過状態にする必要がある。
上記の実施の形態では、液晶表示器4では静止画の表示を行う場合を除いて、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止してから画像の表示による演出を行うものとしていたが、これに限るものではない。第3停止ボタン(停止ボタン12L、12C、12Rのうちで1ゲーム中に最後に操作されたもの)の操作時に可変表示装置2の表示結果は確定するので、ここで実質的には可変表示装置2に表示結果が導出されているものと考えて、未だ第3停止ボタンに対応するリールの停止制御が行われている間に画像の表示による演出を開始させるものとしてもよい。
また、可変表示装置2の表示結果によりメダルの払い出しがある場合には払い出しを完了するまでリール領域は非表示とされていたが、リール領域以外ではリール3L、3C、3Rの全てが回転停止した時点で演出の画像が表示されるものとなっていた。これに対して、可変表示装置2の表示結果によりメダルの払い出しがある場合には、リール領域以外に演出の画像を表示させるのもメダルの払い出しが完了したときとしてよい。この場合には、液晶表示器4に演出の画像は表示されているのに、そのうちのリール領域だけは見た目上画像が欠けてしまっているということが生じないので、演出効果を損なうことがない。
さらに、本発明において、液晶表示器4において画像の表示による演出を開始/終了させるタイミングは、次の条件を満たす限り任意のものとすることができる。スタートレバー11を操作によりゲームを開始してからリール3L、3C、3Rの全てが回転停止することにより可変表示装置2に表示結果が導出されるまで(或いは、メダルの払い出しがある場合には払い出しを完了するまで)は、少なくともリール領域においては画像が表示されない状態とする。
また、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止してから(或いは、メダルの払い出しがある場合には払い出しを完了してから)スタートレバー11を操作するまでの期間において、リール領域とリール領域以外で一体的な画像を表示してもリール領域を半透過状態とする。もっとも、リール領域を半透過状態とするのは次のゲームの開始となるスタートバー11の操作まで継続する必要はなく、一定期間(例えば、次のゲームのために賭け数を設定するまで、或いはデモ演出や履歴表示演出が開始されるまで)継続させておけばよい。
上記の実施の形態では、遊技者が履歴表示演出の実行を指示する操作手段は、演出モードの切り替えを指示する演出モード切替ボタン17で兼用されていたが、演出モード切替ボタン17とは別個の操作手段を設けるものとしてもよい。また、演出モード切替ボタン17の操作によって切り替えられる演出モードは、モード1とモード2の2種類に限るものではなく、3種類以上のモードがあってもよい。この場合は、演出モードの種類毎に連続演出等の演出データを用意し、CGROM142に予め格納しておくものとすればよい。
また、演出モードの違いは、演出に登場するキャラクタの種類や演出に用いられる背景の画像の種類を異なるものとすることに限らない。演出に登場するキャラクタの種類と演出に用いられる背景の種類の一方のみが演出モードによって異なるものとなっていてもよい。例えば、演出に登場するキャラクタおよび/または演出に用いられる背景の色のみが演出モードによって異なるものとなっていてもよい。また、演出モードの違いは、演出の実行確率や演出の実行態様に違いを生じさせるものとすることもできる。例えば、モード1では上記の実施の形態のように3ゲームの間継続する連続演出を行うが、モード2では2ゲームの間だけ継続する連続演出を行うものとしてもよい。
さらには、演出モードが異なっていても、液晶表示器4に表示される画像は全く同じであるものとしてもよい。スロットマシンにおける演出は、液晶表示器4への画像の表示を行うだけの単純なものよりも、画像の表示に加えてスピーカ7L、7R、7Uからの音声出力や、リールランプ3LPや遊技効果ランプ75A〜75Mの点灯などを組み合わせて行われているものが多い。従って、例えば、モード1とモード2とで液晶表示器4に表示される画像は同じであるが、演出のBGM(Back Ground Music)が異なるものとなっていてもよい。
上記の実施の形態では、スタートレバー11の操作から可変表示装置2への表示結果の導出までのゲーム中以外の期間であっても、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間では、デモ無効フラグを設定し、演出モード切替ボタン17を操作無効にするという積極的な制御を行うことによって、デモ演出、履歴表示演出及び演出モードの切り替えが禁止されるものとなっていた。これに対して、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間に実行されるプログラムで演出モードの書き換えを行うモジュールを呼び出さないようにして、演出モードの切り替えを禁止することもできる。さらに、デモ演出や履歴表示演出の演出データの書き込みが連続演出の演出データの書き込みとは別のモジュールによって実行される場合には、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間に実行されるプログラムでデモ演出や履歴表示演出の演出データの書き込みを行うモジュールを呼び出さないようにして、デモ演出や履歴表示演出が実行されるのを禁止することもできる。
上記の実施の形態では、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間を除いて、可変表示装置2への表示結果の導出(メダルの払い出しがある場合は、払い出し完了)からスタートレバー11の操作までのゲームとゲームの間の期間では演出モード切替ボタン17を短時間操作するだけでモード1とモード2との間で演出モードを切り替えることができた。これに対して、このように演出モードの切り替えの手順が単一の操作で実現されるのではなく、まず、第1段階の操作で演出モードの切り替えを行うための演出モード切替画面を液晶表示器4に表示させ、表示された演出モード切替画面に従って第2段階の操作を行うことで、演出モードの切り替えを行うようにしてもよい。
この場合、CGROM133には、演出モード切替画面(演出の一種)を液晶表示器4に表示させるための演出データをさらに格納しておくものとする。また、例えば、モード1〜3の3種類の演出モードが用意されているものとすると、モード1、モード2と同様の構成でモード3についての連続演出やボーナス中演出の演出データがCGROM133に格納されているものとなる。
そして、可変表示装置2への表示結果の導出からスタートレバー11の操作までのゲームとゲームの間の期間で演出モード切替ボタン17が短時間操作された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令によりCGROM133から演出モード切替画面の演出データを読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込むものとする。この実行演出データ領域に書き込まれた演出モード切替画面の演出データに従って液晶表示器4に表示された演出モード切替画面に従って停止ボタン12L、12C、12Rの何れかを操作することで、モード1〜モード3のうちの何れかの演出モードを選択するものとすることができる。
このように演出モードの選択を行う場合においても、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間ではデモ無効フラグが設定され、演出モード切替ボタン17の操作が無効になるので、演出モード切替画面の演出データがCGROM133から読み出され、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まれることがない。演出モード切替画面の演出データが実行演出データ領域に書き込まれることがないために演出モード切替画面が液晶表示器4に表示されないため、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によって演出モードの切り替えを行うこともできない。
このように演出モード切替画面の演出データのCGROM133からの一時記憶メモリ155の読み出しと実行演出データ領域への書き込みが禁止されているので、連続演出及び追加演出の実行中、もしくはボーナス中演出の実行中においては、実行中の連続演出やボーナス中の演出データが演出モード切替画面の演出データによって上書きされて実行演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM133から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しない演出モード切替画面を表示するために、データ量の大きい連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM133から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。さらに演出モード切替画面が表示されなければ演出モードの切り替えも不可能なので、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM133から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのを防ぐことができる。
なお、ここで説明した変形例は、演出モードという区切りがなくても、実行され得る演出の種類を上記と同様な二段階の操作で設定する場合にも適用することができる。例えば、第1の操作で演出種類設定画面を液晶表示器4に表示させ、ここで液晶表示器4に表示された演出種類設定画面に従って実行可能な演出の種類を設定する場合にも、この変形例で示した手法を適用することが可能となる。また、ここで説明した変形例では、演出モードの違いに応じて液晶表示器4に表示される画像に違いがない場合であっても、本発明の効果を奏するものとなる。
上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120からの演出データの書き込み指令に応じて表示制御部121のVDP141が該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に転送させるものとしていた。そして、液晶表示器4に表示する画像の画像データをフレームバッファメモリ156に展開する際には、実行演出データ領域に転送された演出データを読み出すものとしていた。もっとも、フレームバッファメモリ156への画像データの展開は、演出データのCGROM142から一時記憶メモリ155の実行演出データ領域への転送のための指令とは別の演出開始指令によりなされていた、また、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが回転を停止するまでの期間は、演出モードに応じた静止画が液晶表示器4に表示されるものとしていた。もっとも、その詳細については、特に述べていなかった。
これに対して、遊技の進行状況に応じて実行される演出として連続演出やボーナス中演出のように複数ゲームの期間に跨って断続的に実施される演出がないのであれば、各演出を開始させる際にCGROM142から一時記憶メモリ155の実行演出データ領域へ演出データを転送させ、そのままフレームバッファメモリ156への画像データの展開を開始させることができ、両者で1回だけCPU131からVDP141へ指令を出力すればよい。また、演出モードに対応した静止画は、他の演出の画像に比べて表示される頻度が高いものであるため、一時記憶メモリ155に常駐させておけば便利である。
ここで、演出制御用マイクロコンピュータ120及び表示制御部121が電源の立ち上げにより起動されるとき(或いは、リセットにより再起動されるとき)、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、一時記憶メモリ155に上記した実行演出データ領域を含む各種領域の他に演出モードに応じた静止画の要素データを常駐させる領域を確保する指令を出力し、これに基づいて実行演出データ領域の他に常駐データ領域を一時記憶メモリ155に確保させるものとすればよい。また、この指令または続けて出力される他の指令に基づいて、起動時(または再起動時)において演出モードに応じた静止画像の要素データをCGROM142から一時記憶メモリ155の常駐データ領域に転送させるものとしてもよい。演出モードが切り替えられたときには、切り替え後の演出モードに応じた静止画の要素データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の常駐データ領域に上書きして転送させればよい。
このような場合において、例えば、スタートレバー11の操作により演出モードに応じた静止画を液晶表示器4に表示させる場合には、CPU131は、一時記憶メモリ155の常駐データ領域のアドレスとともに静止画の表示指令をVDP141に出力し、VDP141は、この表示指令に基づいて一時記憶メモリ155の常駐データ領域から要素データを読み出し、描画回路154等により静止画の画像データをフレームバッファメモリ156に展開させるものとすることができる。
一方、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止して演出モードに応じた静止画の表示以外の画像の表示による演出を開始させる場合には、CPU131は、開始させる演出の演出データが記憶されているCGROM142のアドレスとともに演出の開始指令をVDP141に出力し、VDP141は、この開始指令に基づいてCGROM142の当該アドレスから演出データを読み出して一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に転送させ、以後自動的に一時記憶メモリ155の実行演出データ領域から演出データを読み出し、描画回路154等により演出の画像データをフレームバッファメモリ156に展開させるものとすることができる。
この場合、遊技の進行状況に応じて実行される各種演出データについては、CGROM142において記憶されているアドレスを指定すれば、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域のアドレスを指定しなくても、そのまま当該演出に応じた画像データを生成してフレームバッファメモリ156に展開ことができる。これにより、各記憶装置におけるアドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。一方、実行頻度が高い演出モードに応じた静止画の要素データは、一時記憶メモリ155の常駐データ領域におけるアドレスを指定することで既に一時記憶メモリ155に常駐して記憶されているデータを容易に再利用することができ、また、CGROM142から毎回読み出す必要がなくなるので、制御負担を軽減することができる。
上記の実施の形態では、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選、チェリーの入賞、もしくはチャンス目が導出された次のゲームを実行するために賭け数が設定されたときに開始されるものとしていた。これに対して、チェリーに入賞した時点、チャンス目が導出された時点、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してハズレの表示結果が導出された時点で、連続演出を開始させるものとしてもよい。
また、可変表示装置2の一部のリールが未だ回転中で表示結果が導出される前であっても、チェリーに入賞することが確定した時点、チャンス目が導出されることが確定した時点、或いはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してハズレの表示結果が導出されることが確定した時点で、連続演出を開始させるものとしてもよい。例えば、中と右のリール3C、3Rが回転中でも左のリール3Lが停止して「チェリー」が導出された場合には、この時点で連続演出を開始させることができる。なお、可変表示装置2に表示結果が導出される前にチェリーに入賞すること等が確定したかどうかは、リール停止コマンドが示す停止図柄に従って判断することができる。
さらに、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選、チェリーの入賞、もしくはチャンス目が導出された次のゲームが開始された以降、該ゲームが終了する(可変表示装置2に表示結果が導出される)よりも前のタイミングで開始させるものとすることができる。例えば、スタートレバー11が操作された時点で連続演出を開始させることも、第1リールが停止された時点で連続演出を開始させることもできる。この場合における連続演出のパターンの選択は、該連続演出を開始させる時点で行うことも可能であるが、上記の実施の形態のように賭け数が設定された時点で予め行っておくことも可能である。連続演出を実行することが確定したなら、さらに前の時点で連続演出のパターンを選択しておくことも可能である。
上記の実施の形態では、連続演出は、その実行が開始されると一連の演出の実行を全て完了するまで途中で終了させられることはなく(但し、ゲーム間で断続的に実行される)、その間においては、デモ演出の実行、履歴表示演出の実行、及び演出モードの切り替えが不可能になっていた。これに対して、遊技者の所定の操作(例えば、別個設けられた演出キャンセルボタンの操作)によって、連続演出が開始された後、最後まで完了する前に強制終了させられることができるものとしてもよい。この場合、連続演出が強制終了させられた場合には、ゲーム中でなけばその時点で、ゲーム中であれば当該ゲームが終了した時点で、デモ無効フラグを消去し、演出モード切替ボタン17を操作有効とすることで、デモ演出の実行、履歴表示演出の実行、及び演出モードの切り替えが可能になるものとすることができる。
上記の実施の形態では、重複当選を含むボーナス当選に従って制御されるRTと、チェリー入賞またはチャンス目の導出に従って制御されるRTとでは、リプレイ当選確率が同じものとなっていた。これに対して、前者のRTと後者のRTとでリプレイ当選確率を変えるものとしてもよい。この場合、連続演出が行われている場合のリプレイ当選確率の違いによっても、ボーナス当選の可能性がある程度遊技者に分かり、その違いで遊技者に期待感を与えることができる。特にRTの継続ゲーム数を大きくした場合に、RTにおけるリプレイ当選確率を変えることで遊技者に期待感を与えることの効果が大きくなる。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と1ゲームにおいて重複当選することがある役は、入賞によりメダルが払い出される小役の1種であるチェリーであり、さらにチェリーの入賞によって遊技状態がRTに制御されるものとしていた。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)および/またはチェリーの当選時に導出され得るチャンス目の導出によっても遊技状態がRTに制御されるものとしていた。もっとも、RTは、連続演出中にボーナス入賞を発生しにくくするために制御されるだけの遊技状態であるため、チェリー入賞したりチャンス目が導出されたりしても遊技状態をRTに制御しないものとしてもよい。ボーナス当選(チェリーとの重複当選を含む)でも、遊技状態をRTに制御しないものとしてもよい。
また、ボーナスと重複当選することがある役は、小役以外にリプレイを適用することもできる。複数種類のリプレイがあり、そのうちの1種類がボーナスと重複当選することがある役となっていてもよい。また、ボーナスと重複当選することがある役は、入賞によって遊技状態をRTに制御させるだけの役であって、小役やリプレイのように遊技状態の変化以外の配当を伴わない役であってもよい。
上記の実施の形態では、3つのリール3L、3C、3Rのうち一部が既に停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるために停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態に応じて定められた抽選対象役の判定値数を内部抽選用の乱数に順次加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じた時点において抽選対象役として読み出されていた役に当選するものとしていた。これに対して、判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状態に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状態に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。レギュラーボーナスにおいては、賭け数として1を設定することによりゲームを開始させることができた。もっとも、いずれの遊技状態でもゲームを開始させるために設定できる賭け数は、1〜3の範囲で任意の数を適用することができる。ここで、通常の遊技状態及びRTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにあってRAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているゲームではスタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定し、レギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。こうしてビッグボーナスの入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいものとしていた。
これに対して、ビッグボーナスに入賞したときにRAM112にビッグボーナス中フラグとともにレギュラーボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中でレギュラーボーナスの終了条件が成立したときには該レギュラーボーナス中フラグを消去する。ここで、レギュラーボーナス中フラグが消去されたときにおいて、ビッグボーナスの終了条件が成立していないと判定されてビッグボーナス中フラグがRAM112に設定されている状態となっていれば、再びレギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定して、そのまま新たなレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナスの入賞によりビッグボーナスが制御されたときに同時にレギュラーボーナスに制御することができ、また、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに即座にレギュラーボーナスに復帰できることとなる。
また、ビッグボーナスの遊技状態は、ビッグボーナスの入賞で小役ゲームを提供し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN(例えば、「ベル−JAC−JAC」で小役ゲーム中において内部抽選の対象役となる)に入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスを提供するものとしてもよい。ビッグボーナス中に1セット分のレギュラーボーナスが終了し、未だ払出メダル枚数が465枚を越えていなければ、再び小役ゲームに制御するものとすることができる。
なお、ビッグボーナスの遊技状態が小役ゲームと、該小役ゲーム中のJACIN入賞に基づいて制御されるレギュラーボーナスとによって構成される場合には、ビッグボーナス中のJACIN入賞から該JACIN入賞に基づくレギュラーボーナスが終了するまでの間においてデモ無効フラグを設定し、演出モード切替ボタン17の操作を無効化させるものとしてもよい。つまり、ビッグボーナス中でも小役ゲームにある間は、スタートレバー11の操作から可変表示装置2の表示結果が導出されるまでのゲーム中の期間を除いて、演出モードの切り替えや、履歴表示演出やデモ演出が実行され得るようにしてもよい。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。