JP2008135264A - 管型ヒータおよび定着装置 - Google Patents

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貴史 石田
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Abstract

【課題】管形ヒータの温度を外部発熱体により予め上昇させておくことでインラッシュ電流の低減を図る。
【解決手段】円筒形状の石英ガラス製のバルブ12内にタングステン製の加熱コイル13を配置し、加熱コイル13の両端に金属箔を介して電力供給用のリード線161,162を電気的に接続する。バルブ12の外表面には、例えばニクロム製のヒータ線17を巻回し、このヒータ線17に電力を供給することによりバルブ12の予熱を行うことで、管型ヒータ11のインラッシュ電流を低下させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、複写機やプリンターのトナー定着装置に用いられる管型ヒータおよび、このヒータを用いたトナー定着装置に関する。
従来の管型ヒータは、加熱ローラ内に配置された電球のフィラメントから放射される光量を、電球のバルブに形成された反射膜で大きくすることで、加熱ローラの立ち上がり時間を短くしている。(例えば、特許文献1)
特開2002−110316
上記した特許文献1の技術は、コイル状の加熱コイルにタングステンを用いており、タングステンの特性で冷間時の抵抗値と高温時の抵抗値の差が大きいことから、点灯直後にはインラッシュ電流が大きく、点灯回路等に負担をかけ効率低下を来たしている。
この発明の目的は、インラッシュ電流を低減させることで、加熱コイルの通電させる時間を短くすることができる管型ヒータおよびその管型ヒータを用いた定着装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、この発明の管型ヒータは、両端が開口された円筒状のバルブと、前記バルブ内の長手方向に収納された加熱コイルと、前記バルブの外面上に配置した予熱用のヒータとを具備したことを特徴とする。
この発明によれば、管形ヒータの温度を外部発熱体により予め上昇させておくことでインラッシュ電流を低減できる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、この発明の管型ヒータに関する第1の実施形態について説明するためもので、図1は構成図、図2は、図1の左側から見た状態の一部の斜視図、図3は図1のa−a’断面図、図4は図1のb−b’断面図である。
管型ヒータ11は、両端に封止部を有する石英ガラス製管状のバルブ12の内部に管軸に沿ってタングステン製の加熱コイル13が配置されている。加熱コイル13の両端はレグ端子141,142の一端に接続される。
レグ端子141,142の他端は、図3に示すようなモリブデン製の金属箔31、接続端子32をそれぞれ介して外部に導き出される。金属箔31の部分は、例えばピンチシールと言われる減圧による封止部33で封止され、接続端子はベース151,152の貫通孔内で電力供給用のリード線161,162に接続される。また、封止部33とベースとは耐熱性の接着剤34で固着される。
バルブ12は、円柱状の透明または半透明の例えば石英ガラス製で形成される。バルブ11は、例えば内径が8mm、外径が10mm、肉厚1.0mm、全長300mmに形成されている。バルブ12内には、それぞれ微量のハロゲン物質例えばBr(臭素)やCl(塩素)との混合物とともに、Ar(アルゴン)やN(窒素)などの不活性ガスが常温25℃で0.9×10Paの圧力封入してある。
さらに、バルブ12の外周面には、例えばニクロム線がバルブ12の長手方向に沿ってヒータ線17が巻回される。ヒータ線17の一端181は、ベース151に形成された導入孔191に支持され、リード線161と同方向に取り出される。ヒータ線17の他端182は、ベース152に形成された導入孔192に支持され、リード線162と同方向に取り出される。
図4に示すように、ヒータ線17は、バルブ12に耐熱性の接着剤41を用いて支持すれば、ヒータ線17の暴れを抑えることができる。ヒータ線17は、例えば100W程度の小電力で発熱されるもので、管型ヒータ11の消灯時にバルブ12を予熱できる程度のものとする。
図5は、加熱コイル13とヒータ線17への電力供給の一例について説明するための概念図である。
加熱コイル13にスイッチSW1をオンして電源V1が供給されると、加熱コイル13は発熱する。スイッチSW1をオフして加熱コイル13への電力供給が断たれると、スイッチSW2をオンし、電源V2を供給してヒータ線17を発熱させる。再びスイッチSW1がオンすると、スイッチSW2をオフさせるが、加熱コイル13には、ヒータ線17による予熱でバルブ12は温まった状態である。このため、管型ヒータ11を発光させる場合のインラッシュ電流を低減することができる。
ここで、加熱コイル13をタングステン製の場合、非点灯時と点灯時において比抵抗に大きな差がある。室温状態での比抵抗は、5.65μΩ・cmであるのに対し、点灯時の約2700℃での比抵抗は、90.4μΩ・cmである。このため、予めタングステンを暖めておくことでインラッシュ電流を低下させることが可能となる。
このように、管型ヒータ11がオフ状態にある、例えば待機時等に小さい電力で加熱されるヒータ線17で予熱させることにより、管型ヒータ11が再び点灯されるときのインラッシュ電流を低減でき、管型ヒータ11の加熱コイル13に通電させる時間を短くでき、加熱動作の立ち上げを向上させることができる。
図6、図7は、この発明の管型ヒータに関する第1の変形例について説明するためのもので、図6は図2に相当する要部の斜視図、図7は側面図である。
すなわち、ベース151の挿入孔191に替えて、ベース151の周面からヒータ線17の一端181を係合できる係合溝61を形成したものである。この場合、一端181をベース151の周面から係合できることから、ヒータ線17の配線処理の作業性を向上させることができる。
図6、図7の説明では、一端181側の支持について説明したが、他端182側のベース152も同様の構成とすることで、ヒータ線17の配線処理の作業性向上を図ることができる。
図8は、この発明の管型ヒータに関する第2の変形例について説明するための図7に相当する側面図である。
この変形例は、図6、図7と同じように、ベース151の周面からヒータ線17の一端181を係合できる係合溝81を形成したものである。この係合溝81は、断面が鉤状となっており、係合は簡単で一度係合された一端181は外れにくい構造となっている。
図9は、この発明の管型ヒータに関する第3の変形例について説明するための説明図である。
この変形例は、加熱ヒータ13の長手方向の巻き密度を、中央を疎に、両端側を密にして巻回したものである。このように、熱が奪われやすい加熱ヒータ13の長手方向の両端は密に巻回することで、両端の温度が高くなるようにしている。この結果、管型ヒータ11は長手方向全域に渡り同じような温度を得ることができる。
図10〜図12は、この発明の管型ヒータに関する第2の実施形態について説明するためもので、図10は構成図、図11は、図10のc−c’断面図、図12は図10要部の拡大構成図である。図1と同一の構成部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この実施形態は、ヒータ線171をバルブ12の長手方向に直線的に配置し、バルブ12の両端側では弛み防止を兼ねて数ターン巻きつけた巻回部121(図12参照)設けたものである。ヒータ線171は、バルブ12との密着性を維持するために、例えば数箇所に耐熱性の接着剤で固定する。
この実施形態のヒータ線171は、上記した第1の実施形態の効果に加え、バルブ12の中間部は直線状とし、両端部は数ターン巻回した程度であることから、取り付け作業性の工場を図ることができる。
次に、この発明の管型ヒータに関する第3の実施形態について説明する。第1および第2の実施形態でのヒータ線17,171は、ニクロム線を例に挙げたが、この実施形態では、バルブ12上にパラジウム(Pd)と銀(Ag)を合わせた抵抗体ペーストを高温で焼成し、所定の抵抗値を有する厚膜からなる帯状の発熱抵抗体等を用いても構わない。
この場合、バルブ12上に形成された発熱抵抗体への電力供給は、発熱抵抗体の両端に別部材の外部リードと電気的な接続を行い、図1等で説明したベース151,152を介して行えばよい。
この実施形態では、発熱抵抗体をバルブ12上に固着することができることからニクロム線を用いた場合のような接着剤による係止作業の必要がなく、ヒート線を用いた場合のような暴れの心配もない。
図13、図14は、この発明の定着装置に関する一実施形態について説明するための、図13は概略的な構成を示す断面図、図14は図13のd−d’断面図である。
この実施形態は、この発明の管型ヒータ11を複写機等のトナーを定着させる定着装置100に用いたもので、図13は図1の左側を拡大して示した部分側のみを示してある。
図13において、131は一端が図示しないシャーシ等に固着されたブラケットである。このブラケット131の他端は、ベース151に係合させ、管型ヒータ11を取り付ける。ブラケット131は、自身のもつ弾性で図中矢印方向にベース151を付勢させた状態で取り付けても構わない。また、ブラケット131でベース151を支持する形状にしても構わない。
管型ヒータ11は、ブラケット131に支持されることにより、定着装置100の円筒状加熱ローラ132の内部に配置する。加熱ローラ132は、フレーム133に軸受134を介して回転自在に支持される。
図14に示すように、加熱ローラ132はアルミニウムや鉄等の材料で形成された厚みが1mm弱程度の管状体で、その表面にシリコンゴムやテフロン(登録商標)などの被覆材135で被覆されている。136は、回転軸137で回転自在に回転されるアルミニウムや鉄等の材料で形成された管状体の加圧ローラで、加圧ローラ136の表面には耐熱性弾性材料であるたとえばシリコンゴム138が取り付けてある。
加熱ローラ132のほぼ中心軸上には、管型ヒータ11がブラケット131に支持することにより配置される。図示しない電源部に接続して通電されると、管型ヒータ11の加熱コイル15が発熱され加熱ローラ132がヒートアップする。
また、図14に示すように、図示しない転写ドラムなどからトナーT1が所定分布状態に転写された複写紙Pを矢印方向に回転させると、ヒートアップされた加熱ローラ132と加圧ローラ136との間に送り込ませることで、複写紙Pおよび前の工程で塗布されたトナーT1が加熱され、加熱されたトナーT2が溶融後複写紙P上に定着し、所定の文字や図柄などとして描かれる。
この実施形態では、管型ヒータの電力供給のための接続端子等を支持するためのベースを小型化にできることから装置全体の小型化にも寄与することができる。また、管型ヒータに封入ガスがこの漏洩を防ぐ封止構造が必要でないことから、管型ヒータを廉価にでき延いては装置全体のコストダウンにも寄与することができる。
この発明の管型ヒータに関する第1の実施形態について説明するための構成図。 図1の左側から見た状態の一部の斜視図。 図1のa−a’断面図。 図1のb−b’断面図。 加熱コイル13とヒータ線17への電力供給の一例について説明するための概念図。 この発明の管型ヒータに関する第1の変形例について説明するための図2に相当する要部の斜視図。 図7は側面図。 この発明の管型ヒータに関する第2の変形例について説明するための図7に相当する側面図。 この発明の管型ヒータに関する第3の変形例について説明するための説明図。 この発明の管型ヒータに関する第2の実施形態について説明するための構成図。 図10のc−c’断面図。 図10要部の拡大構成図。 この発明のトナー定着装置に関する一実施形態について説明するための概略構成図。 図13のd−d’断面図。
符号の説明
11 管型ヒータ
12 バルブ
13 加熱コイル
141,142 レグ端子
151,152 ベース
31 金属箔
32 接続端子
33 封止部
34 接着剤
161,162 リード線
17,171 ヒータ線
132 加熱ローラ
136 加圧ローラ
100 定着装置

Claims (6)

  1. 両端が開口された円筒状のバルブと、
    前記バルブ内の長手方向に収納された加熱コイルと、
    前記バルブの外面上に配置した予熱用のヒータとを具備したことを特徴とする管型ヒータ。
  2. 前記加熱コイルと前記ヒータへの電力は、分けて供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の管型ヒータ。
  3. 前記ヒータは、発熱抵抗体を前記バルブ上に焼成して形成したものであることを特徴とする請求項1記載の管型ヒータ。
  4. 前記バルブの両端の開口端部からそれぞれ挿入して該開口端部を封着するとともに、耐熱性の接着剤を用い前記バルブに固着するベースに、前記ヒータの両端をそれぞれ係合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管型ヒータ。
  5. 両端が開口された円筒状のバルブと、
    前記バルブ内の長手方向に収納された加熱コイルと、
    前記加熱コイルの両端をそれぞれ接続した一対の電力を供給するための接続端子と、
    前記バルブの両端の開口端部からそれぞれ挿入して該開口端部を封着するとともに、耐熱性の接着剤を用い前記バルブに固着したベースと、を具備し、
    前記バルブの外表面上に予熱用のヒータを配置したことを特徴とする管型ヒータ。
  6. 上下に配置され少なくとも一方は加熱される第1および第2のローラと、
    前記第1または第2のローラ内に配置された請求項1〜5のいずれかに記載の管型ヒータと、
    予めトナーが転写された複写紙が、前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする定着装置。
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