JP2008134712A - ファイル共有システム、ファイル共有装置及びファイル共有用ボリュームの移行方法 - Google Patents

ファイル共有システム、ファイル共有装置及びファイル共有用ボリュームの移行方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明のファイル共有システムは、利用状況に応じた適切なデータ移行方法を選択し、効率的にデータを移行させる。
【解決手段】外部接続制御部7により、仮想ボリュームV2と移行対象ボリュームである移行元ボリュームV1とを対応付ける。ボリューム移行が指示されると、利用率判定部9Bは、移行元ボリュームV1の利用率と指定された閾値とを比較する。利用率が閾値以上の場合、ボリュームコピーが選択される。ボリュームコピー部9Cは、仮想ボリュームV2から移行先ボリュームV3に、ブロックレベルでデータをコピーさせる。利用率が閾値未満の場合、ファイルコピーが選択される。ファイルコピー部9Dは、移行元ボリュームV1に記憶されたファイルをホスト3を経由して読み出させ、移行先ボリュームV3に書き込ませる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファイル共有システム、ファイル共有装置及びファイル共有用ボリュームを移行させる方法に関する。
ネットワーク上に分散された複数のコンピュータ間でデータを共有するために、ファイル共有装置が用いられる。初期型のファイル共有装置としては、例えば、汎用OS(Operating System)に、CIFS(Common Internet File System)やNFS(Network File System)等のファイル共有プロトコルを実装したファイルサーバが知られている。改良されたファイル共有装置としては、ファイル共有サービスに特化した専用のOSを用い、複数のファイル共有プロトコル(CIFS、NFS、DAFS(Direct Access File System)等)をサポートしたNAS(Network Attached Storage)が知られている。
共有すべきファイル数や共有ファイルを利用するクライアント数は年々増加し、また、個々のファイルサイズも大型化する一方である。このようなファイル共有サービスの需要増大に対応するために、例えば、記憶デバイスや通信回線を増強したり、または、より高性能のファイル共有装置に乗り換える。
旧ファイル共有装置から新ファイル共有装置に移行する第1の従来技術としては、新ファイルサーバに設けられたファイル共有移行プログラムが、旧ファイルサーバのボリュームにブロックレベルで接続し、旧ファイルサーバのファイル共有設定情報とボリューム設定情報とを取得するものが知られている(特許文献1)。この第1の従来技術では、移行中は、取得した旧ファイルサーバのファイル共有設定情報とボリューム設定情報とに基づき、ホストコンピュータ(以下、ホスト)からのファイルアクセス要求を、旧ファイルサーバ内のボリュームに対して実施する。
第2の従来技術としては、移行先NAS内に設けられる移行元記憶領域に、移行元NAS20の共有ファイルシステムをネットワークマウントし、移行元記憶領域から移行先NAS内の移行先記憶領域にデータを移行させるものが知られている(特許文献2)。
第3の従来技術としては、移行元NASから移行先NASにファイルツリー構造を移行させた後、移行先NASが受信したファイルディスクリプタを移行元NASへのファイルディスクリプタに変換し、移行元NASからデータを読み出すようにしたものが知られている(特許文献3)。
第4の従来技術としては、移行先のファイルサーバに未だ移行されていないデータについては、移行元のファイルサーバからデータを読み出してホストに提供するようにしたものが知られている(特許文献4)。
特開2005−321913号公報 特開2005−084963号公報 特開2006−039814号公報 特開2003−173279号公報
前記各従来技術には、移行対象のボリュームの利用状況に応じて、データ移行方法を制御するという観点は含まれていない。従って、ホストが移行対象ボリュームを利用する頻度の大小に関わらず、同一の方法でデータが移行される。このため、移行対象ボリュームの移行に無駄が生じている可能性がある。
また、前記各従来技術では、移行対象ボリュームのデータを記憶する移行先ボリュームを、通常のボリュームと同様に、特定の物理的記憶デバイス上に形成する。従って、前記各従来技術では、ホストによる利用頻度の大小に関わらず、移行先ファイル共有装置の記憶資源が消費されることになる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、移行対象の移行元ボリュームの利用状況に応じて、データ移行方法を選択可能なファイル共有システム、ファイル共有装置及びファイル共有用ボリュームの移行方法を提供することにある。本発明の他の目的は、移行対象のボリュームの利用状況に応じて、データ移行方法及び移行先ボリュームの生成方法を選択可能なファイル共有システム、ファイル共有装置及びファイル共有用ボリュームの移行方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
上記課題を解決すべく、本発明に従う、移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置にボリュームを移行させるファイル共有システムは、上位装置と移行元ファイル共有装置と移行先ファイル共有装置とをそれぞれ接続するための第1通信経路と、第1通信経路とは別に設けられ、移行元ファイル共有装置と移行先ファイル共有装置とを互いに接続するための第2通信経路と、移行先ファイル共有装置内に移行先ボリュームを生成するための移行先ボリューム生成部と、移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームと移行先ボリューム生成部により生成される移行先ボリュームとを第2通信経路を介して接続し、移行元ボリュームと移行先ボリュームとを対応付けるボリューム接続部と、上位装置が第1通信経路を介して移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、移行元ボリュームの利用状況を判別するための利用状況判別部と、利用状況判別部による利用状況の判別結果に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、この選択されたデータ移行方法を用いて、移行元ボリュームに記憶されたデータを、移行先ボリュームに移行させるデータ移行部と、を備える。
本発明の一態様では、複数のデータ移行方法には、ボリュームコピーさせる第1移行方法とファイルコピーさせる第2移行方法とが含まれており、データ移行部は、利用率が所定値以上の場合には第1移行方法を選択し、利用率が所定値未満の場合には第2移行方法を選択する。
本発明の一態様では、第1移行方法は、移行元ボリュームに記憶されているデータを、移行元ボリュームと移行先ボリュームとを接続するようにして移行先ファイル共有装置内に設けられる第1の仮想的な論理記憶デバイスを介して、移行元ボリュームから移行先ボリュームにボリュームコピーするようになっており、第2移行方法は、移行元ボリュームに記憶されているデータを、上位装置を介して、移行元ボリュームから移行先ボリュームにファイルコピーするようになっている。
本発明の一態様では、移行先ボリューム生成部は、(1)移行先ファイル共有装置内の所定の物理的記憶デバイスに対応付けることにより、移行先ボリュームを生成する第1生成方法と、(2)移行先ファイル共有装置内の複数の物理的記憶デバイスがそれぞれ有する記憶領域のプールに対応付けられる仮想的なボリュームとして、移行先ボリュームを生成する第2生成方法とを備えている。
本発明の一態様では、移行先ボリューム生成部は、利用率が所定値以上の場合には第1生成方法を選択し、利用率が所定値未満の場合には第2生成方法を選択する。
本発明の一態様では、データ移行部は、(1)移行元ボリュームに記憶されたデータに加えて、移行元ファイル共有装置のディレクトリ構成も移行先ファイル共有装置に移行させるようになっており、(2)かつ、ディレクトリ構成と移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に移行されたデータの範囲とが不一致の場合には、ディレクトリ構成に含まれているが移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に移行されていない未移行データを、この未移行データに対応する未移行ボリュームと別の移行先ボリュームとを接続するようにして移行先ファイル共有装置内に設けられる第2の仮想的な論理記憶デバイスを介して、移行先ファイル共有装置内に移行させる。
本発明の一態様では、第1通信経路はファイルレベルのデータ転送を行い、第2通信経路はブロックレベルのデータ転送を行う。
本発明の他の観点に従う、移行元ファイル共有装置の有する移行元ボリュームが移行されるファイル共有装置は、上位装置及び移行元ファイル共有装置にそれぞれ接続され、ファイルレベルのデータ転送を行うための第1通信経路と、第1通信経路とは別に設けられ、移行元ファイル共有装置に接続され、ブロック単位のデータ転送を行うための第2通信経路と、コントローラとを備え、コントローラは、移行先ボリュームを生成するための移行先ボリューム生成部と、移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームと移行先ボリューム生成部により生成される移行先ボリュームとを第2通信経路を介して接続し、移行元ボリュームと移行先ボリュームとを対応付けるボリューム接続部と、上位装置が第1通信経路を介して移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、移行元ボリュームの利用状況を判別するための利用状況判別部と、利用状況判別部による利用状況の判別結果に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、この選択されたデータ移行方法を用いて、移行元ボリュームに記憶されたデータを、移行先ボリュームに移行させるデータ移行部と、を備える。
本発明のさらに別の観点に従う、移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に、ファイル共有用ボリュームを移行させる方法は、上位装置と移行元ファイル共有装置と移行先ファイル共有装置とは、第1通信経路によってそれぞれ接続されており、移行元ファイル共有装置と移行先ファイル共有装置とは、第1通信経路とは別に設けられる第2通信経路によっても接続されており、移行先ファイル共有装置内の移行先ボリュームと移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームとを第2通信経路を介して接続し、移行元ボリュームと移行先ボリュームとを対応付けるステップと、移行元ボリュームに関連づけられている第1通信経路上のアドレス情報を、移行先ボリュームに継承させるステップと、移行元ボリュームに関する情報を移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に送信させ、移行元ボリュームに関する情報を移行先ボリュームに継承させるステップと、上位装置が第1通信経路を介して移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、移行元ボリュームの利用状況を判別するステップと、利用率が所定値以上の場合には、移行元ボリュームに記憶されているデータを、第2通信経路を介して、移行先ボリュームにボリュームコピーさせるステップと、利用率が所定値未満の場合には、移行元ボリュームに記憶されているデータを、第1通信経路を介して、移行先ボリュームにファイルコピーさせるステップと、をそれぞれ実行させる。
本発明の各部、各ステップの少なくとも一部は、コンピュータプログラムにより実現可能な場合がある。このようなコンピュータプログラムは、例えば、記憶デバイスに記憶されて、あるいは、通信ネットワークを介して、流通される。
図1は、本発明の実施形態の概要を示す説明図である。図1に示すファイル共有システムは、例えば、複数の記憶制御装置1,2と、少なくとも一つ以上のホスト3とを備えて構成される。
ホスト3と各記憶制御装置1,2とは、「第1通信経路」としての通信経路4Aを介して相互に接続されている。通信経路4Aは、例えば、LAN(Local Area Network)のような、ファイル単位のデータ転送が可能な通信ネットワークとして構成される。各記憶制御装置1,2は、「第2通信経路」としての通信経路4Bによっても接続されている。通信経路4Bは、例えば、SAN(Storage Area Network)のような、ブロック単位のデータ転送が可能な通信ネットワークとして構成される。
先にホスト3から説明する。ホスト3は、「上位装置」の一例であり、例えば、サーバコンピュータ等のようなコンピュータ装置として構成される。ホスト3は、複数設けることができるが、説明の便宜上、ホスト3を一つだけ図示する。ホスト3には、移行指示部3Aを設けることができる。移行指示部3Aは、移行対象のボリューム(移行元ボリュームV1)をどこに移行させるか等を、ユーザが指示するための機能である。移行指示部3Aは、例えば、NAS管理ソフトウェア等のような、ホスト3にインストールされるプログラム製品として実現される。なお、後述の実施例に示す管理端末30(図2参照)に、移行指示部3Aを設けることもできる。
次に、記憶制御装置1,2の構成を説明する。記憶制御装置1は「移行先ファイル共有装置」に、記憶制御装置2は「移行元ファイル共有装置」に、それぞれ対応する。各記憶制御装置1,2の構成は、実質的に同一であってもよい。そこで、以下の説明では、記憶制御装置1の構成を中心に説明する。
移行元の記憶制御装置1は、例えば、コントローラ6と、複数のボリュームV2,V3とを備えて構成される。記憶制御装置1は、通信ポートP2Aを介して、通信経路4Aに接続されている。記憶制御装置1は、通信経路4Aを介して、ホスト3及び移行元の記憶制御装置2にそれぞれ接続されている。記憶制御装置1は、他の通信ポートP2Bを介して、通信経路4Bに接続されている。
通信ポートP2Aには、移行先ボリュームV3が接続されており、通信ポートP2Bには、「第1の仮想的な論理記憶デバイス」または「第2の仮想的な論理記憶デバイス」に対応する仮想ボリュームV2が接続されている。
記憶制御装置1は、後述の実施例からも明らかなように、複数のディスクドライブ121を備えている(図2参照)。移行先ボリュームV3は、複数のディスクドライブ121がそれぞれ有する物理的記憶領域に基づいて生成される。
詳細は図3と共に述べるが、通常の場合、移行先ボリュームV3は、各ディスクドライブ121の物理的記憶領域を論理的にまとめて構成される一つの物理的記憶デバイス(即ち、後述するRAIDグループ122である)に設けられる。つまり、通常の移行先ボリュームV3は、特定の物理的記憶デバイスに対応づけられている。
特別な場合、移行先ボリュームV3は、複数の物理的記憶デバイスに分散する記憶領域群に対応付けられる、仮想的なボリュームとして生成される。複数の物理的記憶デバイスをプールし、移行先ボリュームV3のアドレス空間と、プールに含まれる各記憶領域とを、ホスト3からのアクセス要求に応じて個別に対応付ける。即ち、ホスト3が移行先ボリュームV3にライトアクセスした場合、このライトアクセスされたアドレスとプール内の一つまたは複数の記憶領域とが対応付けられる。ホスト3から受領したライトデータは、ライトアドレスに対応する記憶領域に書き込まれる。つまり、プール内の記憶領域の位置と仮想的な移行先ボリュームV3内のアドレスとが対応付けられる。このように、移行先ボリュームV3を、プール内の記憶領域群に対応付けて仮想的に構築することにより、移行先ボリュームV3を、その必要なサイズで生成することができ、無駄な記憶容量が発生するのを防止することができる。なお、以下の説明では、便宜上、上述した移行先ボリュームV3をプール内の記憶領域群に対応付けて生成することを、AOU(Allocation on use)と呼ぶ。AOUという略称は、本明細書の中で便宜上使用される用語であり、本発明の範囲を限定するものではない。
移行先ボリュームV3に接続される通信ポートP2Aに、移行元ボリュームV1に関連づけられていたIPアドレスやホスト名を設定することにより、ホスト3は、移行先ボリュームV3にアクセスすることができる。
仮想ボリュームV2は、移行元ボリュームV1と移行先ボリュームV3とを対応付けるために記憶制御装置1内に仮想的に設けられるボリュームである。仮想ボリュームV2は、通信ポートP2B及び通信経路4Bを介して、移行元ボリュームV1に接続される。即ち、仮想ボリュームV2は、記憶制御装置1の外部に存在する外部ボリューム(移行元ボリュームV1)を、それがあたかも記憶制御装置1の内部ボリュームであるかのように使用するためのものである。
つまり、仮想ボリュームV2内のアドレス空間は、移行元ボリュームV1のアドレス空間と一対一で対応付けられており、仮想ボリュームV2へのアクセスは、移行元ボリュームV1へのアクセスに変換される。仮想ボリュームV2からデータを読み出す場合、そのデータは、移行元ボリュームV1から読み出されて、通信経路4Bを介して記憶制御装置1に転送される。また、もしも、仮想ボリュームV2にデータを書き込む場合、そのデータは、通信経路4Bを介して記憶制御装置2に転送され、移行元ボリュームV1に書き込まれることになる。
このように、仮想ボリュームV2は、記憶制御装置1の外部に位置する移行元ボリュームV1を、記憶制御装置1の内部ボリュームとして取り込むために用いられる。本実施形態では、外部の移行元ボリュームV1を仮想ボリュームV2に接続して使用することを、外部接続と呼ぶことにする。外部接続という略称は、本明細書の中で便宜上使用される用語であり、本発明の範囲を限定するものではない。
仮想ボリュームV2は、記憶制御装置1内の内部ボリュームとして利用可能である。従って、記憶制御装置1の有するボリュームコピー機能(ボリュームコピー部9C)によって、仮想ボリュームV2に記憶されている全データを移行先ボリュームV3にコピーすることができる。このようなボリューム全体をブロックレベルのデータ転送でコピーすることを、ボリュームコピーと呼ぶ。
コントローラ6について説明する。コントローラ6は、記憶制御装置1の全体動作を制御するものである。コントローラ6は、一つまたは複数のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータ装置として構成される。コントローラ6の具体的一例は、後述の実施例で明らかにされる。
コントローラ6の実現する機能に着目すると、コントローラ6は、例えば、外部接続制御部7と、NAS制御部8と、データ移行部9とを備えている。外部接続制御部7は、仮想ボリュームV2を生成し、記憶制御装置1の外部に存在する移行元ボリュームV1と仮想ボリュームV2とを対応付ける処理を実行する機能である。
NAS制御部8は、ホスト3にNASサービスを提供するための機能である。即ち、NAS制御部8は、例えば、ファイル共有を行うための専用のOSと、各種のファイル共有プロトコルとを備えており、ホスト3との間でファイルレベルのデータ授受を行うようになっている。
データ移行部9は、移行元ボリュームV1に記憶されているデータを移行先ボリュームV3に移行させるための機能である。データ移行部9は、例えば、IPアドレス継承部9Aと、利用率判定部9Bと、ボリュームコピー部9Cと、ファイルコピー部9Dと、プール領域割当部9Eとを備えている。
IPアドレス継承部9Aは、移行元ボリュームV1に設定されているIPアドレス等を、移行先ボリュームV3に設定させるものである。利用率判定部9Bは、移行対象ボリュームである移行元ボリュームV1の利用率が、設定された所定の閾値を超えているか否かを判定するものである。利用率とは、ホスト3により利用される頻度を示す。
ボリュームコピー部9Cは、コピー元のボリュームからコピー先のボリュームに、データをブロックレベルでコピーさせるものである。本実施例では、コピー元ボリュームは、仮想ボリュームV2となり、コピー先ボリュームは移行先ボリュームV3となる。
ファイルコピー部9Dは、コピー元のボリュームからコピー先のボリュームに、データをファイルレベルでコピーさせるためのものである。本実施形態では、ホスト3を介して、移行元ボリュームV1から移行先ボリュームV3へのファイルコピーが行われる。
なお、ブロックレベルのコピーまたはデータ転送とは、ブロック単位でデータをコピーまたは転送することを意味し、ファイルレベルのコピーまたはデータ転送とは、ファイル単位でデータをコピーまたは転送することを意味する。ブロックレベルのコピーまたはデータ転送では、データの意味は問われず、ローデータとして扱われる。
プール領域割当部9Eは、上述のAOUを実現するものである。即ち、プール領域割当部9Eは、プールされた多数の記憶領域群を、ホスト3からのアクセス要求に応じて、移行先ボリュームV3に動的に割り当てることにより、移行先ボリュームV3を仮想的に生成する。
移行元記憶制御装置2について説明する。移行元記憶制御装置2は、移行先記憶制御装置1と同様に構成することができる。移行元記憶制御装置2は、例えば、コントローラ5と、移行元ボリュームV1とを備えている。コントローラ5は、記憶制御装置2の全体動作を制御するもので、少なくともNAS制御部8に相当する機能を備えている。本実施形態では、ボリューム移行の制御を移行先記憶制御装置1で行うため、コントローラ5は、データ移行部を備えていない。
なお、ボリューム移行の制御を移行先記憶制御装置1及び移行元記憶制御装置2の両方で分担して実行する場合には、データ移行部9の説明で述べた諸機能の一部を、移行元記憶制御装置2で実現する構成としてもよい。
移行元ボリュームV1は、通信ポートP1Aを介して通信経路4Aに接続されており、さらに、通信ポートP1Bを介して通信経路4Bにも接続されている。ボリューム移行の開始前においては、ホスト3は、通信経路4Aを介して、移行元ボリュームV1にアクセスし、ファイルの読み書きを行う。ボリューム移行途中においては、ホスト3のアクセスは停止される。ボリューム移行が完了した後においては、ホスト3は、通信経路4Aを介して、移行先ボリュームV3にアクセスする。
なお、ボリューム移行の途中においても、ホスト3から発行されたアクセス要求を処理可能である。即ち、ホスト3からのアクセス要求の発行を停止させることなく、移行元記憶制御装置2から移行先記憶制御装置1にボリュームを移行させることもできる。この場合、例えば、移行元ボリュームV1から移行先ボリュームV3へのボリュームコピーがどこまで完了したかの進捗度を管理しておき、この進捗度に応じて、データを読み書きするボリュームをV1又はV2のいずれかに切り替える構成とすればよい。
次に、本実施形態のファイル共有システムの動作について説明する。ユーザは、外部接続制御部7を利用して、移行先記憶制御装置1内に仮想ボリュームV2を生成し、移行対象ボリュームである移行元ボリュームV1と仮想ボリュームV2とを対応付ける。
ユーザは、ボリュームV1の移行をコントローラ6に指示する。利用率判定部9Bは、移行元ボリュームV1の利用率とユーザから指定された所定の閾値とを比較する。利用率が所定の閾値以上の場合、ボリュームコピーが選択される。ボリュームコピー部9Cは、仮想ボリュームV2をコピー元、移行先ボリュームV3をコピー先として、ボリュームコピーを実行する。これにより、移行先ボリュームV1から通信経路4Bを介して読み出されたデータは、移行先ボリュームV3に書き込まれる。
利用率が所定の閾値未満の場合、ファイルコピーが選択される。ファイルコピー部9Dは、移行元ボリュームV1に記憶されたファイルをホスト3を経由して読み出させ、移行先ボリュームV3に書き込ませる。
利用率が所定の閾値未満の場合、移行先ボリュームV3は、プール内の記憶領域群に対応付けられる仮想的なボリュームとして構成される。これにより、移行先ボリュームV3は、必要最小限のサイズを備えることになる。
利用率が所定の閾値以上の場合、移行先ボリュームV3は、通常のボリュームと同様に、特定の物理的記憶デバイスに関連づけられる。
なお、移行元ボリュームV1から移行先ボリュームV3にデータを移行させるに際して、移行元記憶制御装置2のNAS制御部により管理されているディレクトリ構造が、移行先記憶制御装置1のNAS制御部8に引き継がれる。従って、移行元記憶制御装置2のディレクトリ構造に関連する全てのボリュームが、移行先記憶制御装置1内に移される場合は、移行済のディレクトリ構造と移行されたデータの範囲とが一致する。これに対し、移行元記憶制御装置2の有する複数のNAS関連ボリュームのうち、一部のボリュームのみが移行先記憶制御装置1に移行された場合は、移行済のディレクトリ構造と移行されたデータの範囲とが不一致となる。
そこで、この場合は、移行元記憶制御装置2が有する複数のボリュームのうち、移行対象として指定されなかったボリュームは、外部接続機能を用いて、移行先記憶制御装置1に提供される。即ち、移行先記憶制御装置1は、未移行のボリュームに対応付けられた仮想ボリュームを介して、未移行のボリュームにデータを読み書きする。この構成については、後述の実施例で明らかにされる。
このように構成される本実施形態によれば、以下の効果を奏する。本実施形態では、移行対象のボリュームV1の利用状況に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、選択されたデータ移行方法を用いて移行対象ボリュームV1を移行させる。従って、より適切なデータ移行方法を用いて、ボリュームを移行させることができ、使い勝手が向上する。
本実施形態では、移行対象のボリュームV1の利用率が所定の閾値以上の場合は、ボリュームコピーを用いてデータを移行させ、利用率が所定の閾値未満の場合は、ファイルコピーを用いてデータを移行させる。ここで、利用率が所定の閾値以上の場合、移行対象のデータ量は比較的多く、利用率が所定の閾値未満の場合は、移行対象のデータ量は比較的少ないと考えることができる。従って、本実施形態では、結果的に、移行すべきデータ量が多い場合は、ボリュームコピーが選択され、移行すべきデータ量が少ない場合にファイルコピーが選択されることになる。
そして、ボリュームコピーの場合には、各記憶制御装置1,2間を直接的に接続する通信経路4Bが使用される。従って、本実施形態によれば、移行対象のデータ量が多い場合でも、ホスト3により使用される通信経路4Aに影響を与えることなく、ブロックレベルでデータを移行させることができる。即ち、ホスト3が記憶制御装置1,2を利用するための通信経路4Aの通信負荷を増大させることなく、比較的速やかにデータを移行させることができ、使い勝手が向上する。
ファイルコピーの場合は、ホスト3が、通信経路4Aを介して、移行元ボリュームV1からファイル単位でデータを読出し、移行先ボリュームV3に書き込む。従って、通信経路4Aの通信負荷は多少増大する。しかし、ボリュームコピーを用いてデータを移行する場合、移行対象のボリュームV1に関する管理情報も全て移行されることになる。従って、移行対象のデータ量が少なければ少ないほど、転送されるデータに占める管理情報の割合が増大し、移行効率が低下する。本実施形態では、データ量が少ないと考えられる場合に、ファイルコピーを用いるため、移行対象のボリュームV1に関する管理情報を転送する必要がなく、効率的にデータを移行させることができる。
本実施形態では、利用率が所定の閾値未満の場合、プールされた記憶領域群を用いて移行先ボリュームV3を仮想的に生成する。従って、移行対象のデータ量に応じたサイズで、移行先ボリュームV3を生成することができる。この結果、移行先記憶制御装置1の有する記憶資源を効率的に使用することができ、ファイル共有システムの運用コストを低減することができる。以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
図2は、ファイル共有システムの全体概要を示すブロック図である。このシステムは、例えば、少なくとも一つ以上のホスト10と、少なくとも一つ以上のIPスイッチ20と、複数の記憶制御装置100,200(1),200(2)とを備えている。
先に、図1に示す概念図との対応関係について説明する。ホスト10は図1中のホスト3に、移行先記憶制御装置100は図1中の移行先記憶制御装置1に、移行元記憶制御装置200(1),200(2)は図1中の移行元記憶制御装置2に、第1の通信経路CN1は図1中の通信経路4Aに、第2の通信経路CN2,CN3は図1中の通信経路4Bに、それぞれ対応する。コントローラ110は図1中のコントローラ6に、コントローラ210は図1中のコントローラ5に、それぞれ対応する。
ホスト10は、例えば、サーバコンピュータ等のようなコンピュータ装置として構成されており、IPスイッチ20を介して通信経路CN1に接続されている。IPスイッチ20は、設定されたIPアドレスを有する記憶制御装置とホスト10とを通信経路CN1を介して接続させるためのスイッチ装置である。通信経路CN1は、例えば、LANやインターネット等のTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を利用可能な通信ネットワークとして構成されている。
記憶制御装置100,200(1),200(2)について説明する。なお、以下の説明では、区別する必要が無い場合、記憶制御装置200(1)及び記憶制御装置200(2)を記憶制御装置200と呼ぶことがある。各記憶制御装置100,200(1),200(2)は、同一の基本構造を備えることができる。そこで、記憶制御装置100の構成を中心に説明する。
記憶制御装置100は、本実施例によるファイル共有システムにおいて、移行対象のボリュームが移行される移行先記憶制御装置となっている。記憶制御装置100は、例えば、コントローラ110と、ディスクドライブユニット(以下、HDU)120とに大別される。
コントローラ110は、記憶制御装置100の全体動作を制御するものである。コントローラ110は、例えば、NASパッケージ(図中、NAS-PKと表示)111と、複数のチャネルアダプタ(以下、CHA)112と、複数のディスクアダプタ(以下、DKA)113と、共有メモリ(図中、SMと表示)114と、キャッシュメモリ(図中、CMと表示)115と、接続制御部116と、サービスプロセッサ(以下、SVP)117とを備えることができる。
NASパッケージ111は、NAS機能を実現するためのコンピュータ装置である。即ち、NASパッケージ111は、例えば、プロセッサやメモリ等を搭載した一つまたは複数の基板から構成されており、そのメモリには、NAS−OSやファイル共有プロトコル等が記憶されている。NASパッケージ111は、少なくとも一つ以上のNIC(Network Interface Card)111Aを備えている。NIC111Aは、例えば、TCP/IPプロトコルに基づくパケットの組立及び分解等を行う機能を備えており、NASパッケージ111は、NIC111Aを介して、通信経路CN1と通信を行う。NASパッケージ111は、ホスト10からのファイルレベルのアクセス要求を通信経路CN1を介して受領し、このアクセス要求の処理結果を通信経路CN1を介してホスト10に送信する。
CHA112は、例えば、FCP(Fibre Channel Protocol)に基づいた通信を行うためのコンピュータ装置である。CHA112は、例えば、プロセッサやメモリ等を搭載した一つまたは複数の基板から構成されており、そのメモリには、FCPに基づいたコマンドを解釈して実行するためのプログラム等が記憶されている。CHA112は、少なくとも一つ以上のファイバチャネルインターフェース(図中、FC-I/Fと表示)112Aを備えている。ファイバチャネルインターフェース112Aは、例えば、HBA(Host Bus Adapter)とも呼ばれる。従って、以下の説明では、ファイバチャネルインターフェース112AをHBA112Aと呼ぶ場合がある。HBA112Aには、WWN(World Wide Name)が設定されている。WWNを指定することにより、CHA112は、特定のターゲットまたはイニシエータとの間で、通信を行うことができる。
本実施例では、移行先記憶制御装置100がボリュームの移行を主導する構成のため、移行先記憶制御装置100のCHA112がイニシエータとなり、各移行元記憶制御装置200のCHA212がターゲットとなる。図中では、移行先記憶制御装置100は、各移行元記憶制御装置200(1),200(2)のそれぞれについて、一つずつのCHA112を対応させている。図中左側に示すCHA112は、通信経路CN2を介して、第1の移行元記憶制御装置200(1)のコントローラ210に接続されており、図中右側に示すCHA112は、通信経路CN3を介して、第2の移行元記憶制御装置200(2)に接続されている。各通信経路CN2,CN3は、それぞれファイバチャネルとして構成される。
なお、図中では、Peer to Peerで接続するかのように示しているが、これに限らず、ファイバチャネルスイッチ等を用いてファブリック接続してもよい。また、図中では、各移行元記憶制御装置200(1),200(2)のそれぞれについて、一つずつのCHA112を対応させている。これに限らず、各移行元記憶制御装置200(1),200(2)との間のそれぞれの通信を、一つのCHA112で行うこともできる。
DKA113は、HDU120が有するディスクドライブ121との間でデータ授受を行うものである。DKA113は、CHA112と同様に、プロセッサやメモリ等を備えたコンピュータ装置として構成される。図中では、便宜上、DKA113を一つだけ示してるが、実際には、複数設けられる。
DKA113は、ファイバチャネルを介して、HDU120内の各ディスクドライブ121にそれぞれ接続されている。DKA113は、NASパッケージ111または各CHA112により受信されてキャッシュメモリ115に記憶されたデータを、所定のディスクドライブ121内の所定のアドレスに書き込む。また、DKA113は、NASパッケージ111または各CHA112から要求されたデータを、所定のディスクドライブ121から読み出して、キャッシュメモリ115に記憶させる。
DKA113は、論理的なアドレスを物理的なアドレスに変換する。論理的なアドレスとは、論理ボリュームのブロック位置を示すアドレスであり、LBA(Logical Block Address)と呼ばれる。物理的なアドレスとは、ディスクドライブ121における書込み位置を示すアドレスである。DKA113は、ディスクドライブ121がRAIDに従って管理されている場合、RAID構成に応じたデータアクセスを行う。例えば、DKA113は、同一のデータを複数のディスクドライブ121にそれぞれ書き込んだり(RAID1)、あるいは、パリティ計算を実行して、データ及びパリティを複数のディスクドライブ121に分散して書き込む(RAID5等)。
共有メモリ114は、記憶制御装置100の作動を制御するために用いられる各種の管理情報及び制御情報等を記憶するためのメモリである。キャッシュメモリ115は、NASパッケージ111またはCHA112により受信されたデータを記憶したり、または、DKA113によってディスクドライブ121から読み出されたデータを記憶したりするためのメモリである。
ディスクドライブ121のいずれか一つあるいは複数を、キャッシュ用のディスクとして使用してもよい。図示のように、キャッシュメモリ115と共有メモリ114とは、それぞれ別々のメモリとして構成してもよい。同一のメモリの一部の記憶領域をキャッシュ領域として使用し、他の記憶領域を制御領域として使用してもよい。
接続制御部116は、NASパッケージ111,CHA112,DKA113,キャッシュメモリ115及び共有メモリ114を相互に接続させるものである。接続制御部116は、例えば、高速スイッチング動作によってデータ伝送を行うクロスバスイッチ等のように構成される。
SVP117は、例えば、LANのような通信ネットワークを介して、NASパッケージ111及びCHA112とそれぞれ接続されている。SVP117は、例えば、CHA112を介して、DKA113やキャッシュメモリ115及び共有メモリ114にアクセスすることもできる。SVP117は、記憶制御装置100内の各種状態に関する情報を収集して、管理端末30に提供する。ユーザは、管理端末30の画面を介して、記憶制御装置100の各種状態を知ることができる。
ユーザは、管理端末30からSVP117を介して、例えば、ホスト10と論理ボリュームとのアクセス経路を設定したり、移行先記憶制御装置100と各移行元記憶制御装置200との間のアクセス経路を設定したりすることができる。また、ユーザは、管理端末30を用いることにより、ボリュームの移行に関する指示を、移行先記憶制御装置100に与えることもできる。
HDU120は、複数のディスクドライブ121を備えている。説明の便宜上、本明細書では、ディスクドライブと称するが、本発明は、円盤状の記憶媒体を回転させる記憶デバイスに限定されない。例えば、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、磁気テープドライブ、半導体メモリドライブ(フラッシュメモリデバイスを含む)、光ディスクドライブ、ホログラフィックメモリ等のような各種記憶デバイス及びこれらの均等物を用いることができる。また、例えば、FC(Fibre Channel)ディスクやSATA(Serial AT Attachment)ディスク、ATAディスク等のような、異種類のディスクをHDU120内に混在させることもできる。
図3に示すように、複数のディスクドライブ121によって一つのRAIDグループ(パリティグループとも呼ばれる)122が形成される。RAIDグループ122は、各ディスクドライブ121の有する物理的記憶領域をRAIDレベルに従って仮想化したものであり、「物理的記憶デバイス」に該当する。RAIDグループ122の物理的な記憶領域には、所定サイズまたは任意サイズの論理デバイス123を一つまたは複数設けることができる。論理デバイス123を図中では「LDEV」と表示する。
図2に戻る。移行元記憶制御装置200(1)は、移行先記憶制御装置100と同様に、コントローラ210とHDU220とを備えている。コントローラ210は、NASパッケージ211と、CHA212と、DKA213と、共有メモリ214と、キャッシュメモリ215と、接続制御部216と、SVP217とを備えている。
NASパッケージ211は、NIC211Aを介して、通信経路CN1に接続されており、CHA212は、ファイバチャネルインターフェース212Aを介して、通信経路CN2に接続されている。なお、図示は省略するが、SVP217にも管理端末30を接続することができる。
HDU220は、複数のディスクドライブ221を備えており、移行先記憶制御装置100のHDU120について述べたと同様に、各ディスクドライブ221の有する物理的記憶領域はグループ化されてRAIDグループ222(図4参照)を構成し、このRAIDグループ222には論理デバイス223が設けられる。
このように、各記憶制御装置100,200は、それぞれディスクアレイシステムにNAS機能を追加するような形態で構成することができる。各記憶制御装置100,200は、NASパッケージ111,211によって、ホスト10にファイル共有サービスを提供することができる。また、各記憶制御装置100,200は、SANストレージとしての機能も有している。
なお、上述した各記憶制御装置100,200の構成は、一例であって、本発明は上記構成に限定されない。例えば、一つまたは複数の制御基板に、NAS機能、CHA機能、DKA機能、キャッシュ機能等をそれぞれ設けることにより、よりコンパクトなコントローラを構成することもできる。また、HDU120,220は、コントローラ110,210と同一の筐体内に設けられている必要はなく、それぞれ別々の筐体に設けられている構成でもよい。
図3は、ファイル共有システムのソフトウェア構成に着目した説明図である。図3では、便宜上、複数の移行元記憶制御装置200のうち一つの移行元記憶制御装置200のみを示している。
ホスト10には、移行指示部11を設けることができる。移行指示部11は、移行対象のボリューム、移行先等を指定するための機能である。移行対象のボリュームとは、ファイル共有サービスに使用されているボリュームのうち、移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100に移されるべきボリュームを意味する。以下の説明では、他のボリュームと区別するために、NASパッケージの管理下にあるボリュームをNASボリュームと呼ぶ場合がある。なお、上述のように、移行指示部11を管理端末30に設ける構成でもよい。
IPスイッチ20には、接続先のIPアドレス等が設定されている。ホスト10は、IPスイッチ20に設定されたIPアドレスを有する記憶制御装置に、アクセスすることができる。
NASパッケージ111には、NAS−OS111Bと、ファイルシステム111Cとが設けられている。CHA112には、ファイバチャネルプロトコルに基づく各種コマンドを処理するためのチャネルコマンド制御部112Bが設けられている。
DKA113には、ドライブ制御部113Aと、RAID制御部113Bとが設けられている。ドライブ制御部113Aは、RAID制御部113Bからの要求に応じて、ディスクドライブ121にアクセスし、データを読み書きするものである。RAID制御部113Bは、複数のディスクドライブ121からRAIDグループ122を構成し、RAIDグループ122に論理デバイス123を設定するものである。
図4は、外部接続機能を説明するための説明図である。移行先記憶制御装置100は、外部接続機能を備えている。外部接続機能とは、移行先記憶制御装置100の外部に存在するボリューム224を、移行先記憶制御装置100の内部に取り込んで、その外部のボリューム224があたかも移行先記憶制御装置100の内部に存在するボリュームであるかのように使用することができる機能である。
図4中の左上に示すように、通常の論理ボリューム(LU:Logical Unit)124の場合、移行先記憶制御装置100が備えるディスクドライブ121に基づく論理デバイス123が対応付けられている。即ち、論理ボリューム124は、移行先記憶制御装置100内の物理的記憶デバイス(RAIDグループ122)に対応付けられている。より詳しくは、論理ボリューム124は、移行先記憶制御装置100内のRAIDグループ122に設定された論理デバイス123に接続されている。従って、この論理ボリューム124を書込先とするライトデータは、移行先記憶制御装置100内の論理デバイスに書き込まれることになる。
同様に、図4中の下側に示すように、移行元記憶制御装置200においても、論理ボリューム224は、移行元記憶制御装置200内の物理的記憶デバイス(RAIDグループ222)に設定された論理デバイス223に対応付けられている。
図4中の右上に示すように、移行先記憶制御装置100内の別の論理ボリューム124は、仮想的な論理デバイス123Vを介して、移行元記憶制御装置200内の論理ボリューム224に対応付けられている。
仮想的な論理デバイス123Vは、例えば、キャッシュメモリ115の記憶領域内に設けられるもので、別の論理ボリューム124と外部に存在する論理ボリューム(外部ボリュームとも呼ぶ)224との間の橋渡しを行うためのものである。即ち、仮想的な論理デバイス123Vの記憶空間と外部の論理デバイス223の記憶空間とは、一対一で対応付けられている。別の論理ボリューム124を書込先とするライトデータは、通信経路CN2,CN3を介して、外部ボリューム224に転送され、論理デバイス223に書き込まれる。別の論理ボリューム124からデータを読み出す場合、論理デバイス223からデータが読み出され、移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100にデータが転送される。このように、移行元記憶制御装置200内の論理ボリューム224を、移行先記憶制御装置100内の仮想的な論理デバイス123Vにマッピングすることにより、移行先記憶制御装置100は、外部の論理ボリューム224を、それがあたかも自身の内部ボリュームであるかのようにして使用することができる。
図5は、AOU機能を説明するための説明図である。AOU機能とは、プールされた複数のRAIDグループ122がそれぞれ有する記憶領域を用いて、論理ボリューム124を仮想的に構成する機能である。
図5(a)の右側に示すように、複数のRAIDグループ122がプール領域125に予めプールされており、このプール領域125内の記憶領域群(例えば、ブロック群)によって論理デバイス123Vが仮想的に構築されている。
図5に示す仮想的な論理デバイス123Vは、図4で説明した仮想的な論理デバイス123Vとは異なる。図4に示す仮想的論理デバイス123Vは、外部接続機能のために設けられるものであり、図5に示す仮想的論理デバイス123Vは、AOU機能のために設けられるものである。
図5(b)に示すように、仮想的な論理デバイス123Vにホスト10が書込みを要求すると、論理デバイス123V内でアクセスされた記憶領域と、プール領域125内の記憶領域とが対応付けられる。そして、ホスト10から受領したライトデータは、プール領域125内の対応する記憶領域に書き込まれる。仮想的な論理デバイス123Vの記憶空間とプール領域125内の記憶領域群との対応関係は、仮想ボリューム管理テーブルT5によって管理される。このテーブルT5は、例えば、仮想的な論理デバイス123V内の論理アドレスと、実際にデータが記憶されているディスクドライブ121のアドレス(PBA)とを対応付けて管理する。即ち、AOU機能を用いることにより、プール領域125にプールされている記憶領域群の中から、必要な時に必要なサイズ分だけの記憶領域を取り出して使用することができる。従って、移行対象のデータを記憶するのに適したサイズの論理ボリューム124を生成することができ、移行先記憶制御装置100の有する記憶資源を無駄に消費することがない。
図6は、各記憶制御装置100,200でそれぞれ管理されているテーブルを示す説明図である。移行先記憶制御装置100は、例えば、NASポート管理テーブルT1と、NASボリューム管理テーブルT2と、ペア情報管理テーブルT3と、外部接続管理テーブルT4とを備えている。また、AOU機能を用いる場合、移行先記憶制御装置100は、上述した仮想ボリューム管理テーブルT5も備えることになる。
各移行元記憶制御装置200は、例えば、NASポート管理テーブルT1と、NASボリューム管理テーブルT2と、ペア情報管理テーブルT3とを備えることができる。外部接続機能は、移行先記憶制御装置100によって実行されるため、各移行元記憶制御装置200は外部接続管理テーブルT4を備えていない。以下、移行先記憶制御装置100を中心に、各テーブルT1〜T4の構成例を説明する。
図7は、NASポート管理テーブルT1の構成例を示す説明図である。NASポート管理テーブルT1は、NASパッケージ111の各通信ポート111Aを管理するためのものである。このテーブルT1は、例えば、ポート番号と、IPアドレスと、MAC(Media Access Control Address)とを対応付けて管理している。
図8は、NASボリューム管理テーブルT2の構成例を示す説明図である。NASボリューム管理テーブルT2は、NAS−OS111Bにより管理されている論理ボリューム124を管理するためのテーブルである。NASボリューム管理テーブルT2は、例えば、ボリューム番号と、LUN(Logical Unit Number)と、ファイルシステム名(図中、ファイルシステムと略記)と、NASバージョンと、サイズと、利用率と、ボリューム属性とを対応付けて管理している。
ボリューム番号とは、移行先記憶制御装置100内で各論理ボリューム124をそれぞれ識別するための情報である。LUNとは、各論理ボリュームに設定された識別情報である。ファイルシステム名とは、その論理ボリューム124を利用しているファイルシステムの種類を示す情報である。NASバージョンとは、その論理ボリューム124を管理するNAS−OS111Bのバージョンを示す情報である。サイズとは、その論理ボリューム124の記憶容量を示す情報である。
利用率とは、その論理ボリューム124がホスト10から利用される頻度を示す情報であり、ホスト10による利用状況を百分率で示している。利用率の値が高いほど、その論理ボリューム124はホスト10から頻繁に利用されていることを意味する。
ボリューム属性とは、その論理ボリューム124の属性に関する情報である。属性としては、「外部ボリューム」、「通常ボリューム」、「AOU対象ボリューム」等を挙げることができる。外部ボリュームとは、その論理ボリューム124が、移行先記憶制御装置100の外部に存在する論理ボリューム224に対応付けられていることを意味する属性である。通常ボリュームとは、その論理ボリューム124が、移行先記憶制御装置100の内部の論理デバイス123に対応付けられていることを意味する属性である。AOU対象ボリュームとは、その論理ボリューム124が上述のAOU機能を用いて生成されることを意味する属性である。
図9は、ペア情報管理テーブルT3の構成例を示す説明図である。ペア情報管理テーブルT3は、コピーペアを管理するためのテーブルである。ペア情報管理テーブルT3は、例えば、ボリューム番号と、ペア状態と、コピーペアを形成する相手方のボリューム番号とを対応付けて管理している。
ペア状態とは、コピーペアの状態を示す情報である。コピーペアの状態としては、例えば、コピーペアを形成中であることを示す「ペア」、コピーペアが解消されていることを示す「スプリット」、正ボリュームの記憶内容と副ボリュームの記憶内容とを一致させる「リシンク」等を挙げることができる。図9中に示す「P−VOL」は、コピー元の論理ボリューム(正ボリューム)であることを示し、「S−VOL」は、コピー先の論理ボリューム(副ボリューム)であることを示す。
図10は、外部接続管理テーブルT4を示す説明図である。外部接続管理テーブルT4は、上述の外部接続機能を用いて接続された論理ボリューム同士を管理するためのテーブルである。
外部接続管理テーブルT4は、例えば、ボリューム番号と、記憶制御装置番号と、LUNとを対応付けて管理している。ボリューム番号には、外部ボリューム224に対応付けられている論理ボリューム124の番号が設定される。記憶制御装置番号とは、外部ボリューム224を備えている移行元記憶制御装置200を識別するための情報である。LUNとは、その外部ボリューム224に対応付けられているLUNである。
図11は、本実施例のファイル共有システムによるデータ移行の様子を模式的に示す説明図である。図11(a)に示すように、ユーザは、データ移行を開始させる前に、移行元ボリューム224を、予め、移行先記憶制御装置100内の仮想的論理デバイス123Vに外部接続させる。そして、ユーザが移行対象のボリューム等を指定して、データ移行の開始を移行先記憶制御装置100に指示すると、移行対象ボリュームである移行元ボリューム224のボリューム情報が、移行先ボリューム124に引き継がれる。このボリューム情報には、移行元記憶制御装置200内のNAS−OSにより管理されているディレクトリ構造の情報も含まれている。
図11(b)には、複数種類のデータ移行方法が示されている。第1のデータ移行方法は、図中左側に示すボリュームコピーによるデータ移行方法である。このデータ移行方法は、例えば、ボリュームコピーモードと呼ぶこともできる。ボリュームコピーモードでは、移行元ボリューム224に記憶されたデータを、仮想的な論理デバイス123V(1)を介して、移行先ボリューム124に関連づけられている論理デバイス123にコピーさせる。即ち、移行先記憶制御装置100内に存在する仮想的な論理デバイス123V1と移行先ボリューム124に接続された論理デバイス123との間で、ボリュームコピーを行う。
仮想的な論理デバイス123V(1)と移行元ボリューム224とは外部接続されているため、仮想的な論理デバイス123V(1)と論理デバイス123との間でボリュームコピーを行うことにより、移行元ボリューム224に記憶されたデータは、通信経路CN2を介して、移行先記憶制御装置100に転送されて、移行先ボリューム124に記憶される。通信経路CN2は、ホスト10がファイルアクセスに使用する通信経路CN1とは分離されているため、このボリュームコピーは、通信経路CN1に影響を与えない。従って、移行対象のデータ量が多い場合でも、通信経路CN1の通信量を増大させることなく、データを移行させることができる。また、ボリュームコピーでは、ファイバチャネルプールに基づいてブロックレベルのデータ転送が行われるため、データ移行に要する時間も比較的短くすることができる。
本実施例による第2のデータ移行方法は、図11(b)の右側に示すファイルコピーによるデータ移行方法である。このデータ移行方法をファイルコピーモードと呼ぶこともできる。ファイルコピーモードでは、移行元ボリューム224に記憶されたデータを、ホスト10がファイル単位で読出して、移行先ボリューム124に書き込む。また、ファイルコピーモードでは、移行先ボリューム124に接続される論理デバイス123V(3)は、プール領域125に記憶された記憶領域群から仮想的に生成される。
ファイルコピーモードは、移行対象のボリューム224の利用率が所定の閾値よりも低い場合に選択される。上述のボリュームコピーモードは、移行対象のボリューム224の利用率が所定値の閾値以上の場合に選択される。移行対象のボリューム224の利用率が低い場合は、移行対象のデータ量も少ないと考えることができる。従って、通信経路CN1を使用してファイルコピーを実行しても、通信経路CN1に与える負荷は比較的少ないと考えることができる。これに対し、利用率が所定の閾値以上の場合は、移行対象のデータ量も多いと考えることができる。従って、通信経路CN1から分離された別の通信経路CN2を用い、かつ、ブロックレベルでデータ転送を行う。
図12は、第3のデータ移行方法を示す説明図である。このデータ移行方法は、外部接続モードと呼ぶことができる。外部接続モードでは、移行対象ボリュームである移行元ボリューム224を移行先記憶制御装置100内の仮想的な論理デバイス123V(1),123V(2)に対応付けることにより、移行元ボリューム224を移行先記憶制御装置100の内部に取り込む。仮想的な論理デバイス123V(1),123V(2)を、移行先記憶制御装置100の論理ボリューム124に対応付けることにより、ホスト10は、移行対象のデータにアクセスすることができる。ホスト10は、移行対象のデータが実際にどこに記憶されているかを全く意識することなく、利用することができる。このように、移行対象データの実際の記憶先を変えることなく、移行対象データを移行先記憶制御装置100に移行させることができる。この外部接続モードは、後述のように、移行元記憶制御装置200で管理されているディレクトリ構造と移行されたボリュームの範囲とが一致しない場合に、使用される。
図13〜図18に基づいて、データ移行に際して、移行先記憶制御装置100の有する各テーブルT1〜T4に設定される内容が変化する様子を説明する。
図13は、第1の移行元記憶制御装置200(1)のNASポート番号を、移行先記憶制御装置100に登録する様子を示す。NASポート番号とは、ホスト10にNASサービスを提供している通信ポート211Aを特定する番号である。
図13に示すように、第1の移行元記憶制御装置200(1)から移行先記憶制御装置100にデータを移行させる場合には、第1の移行元記憶制御装置200(1)においてNASサービスを提供しているポート番号を、移行先記憶制御装置100のNASポート管理テーブルT1に登録する。
図14は、第1の移行元記憶制御装置200(1)から移行先記憶制御装置100に移行予定の論理ボリューム224に関する情報を、移行先記憶制御装置100に登録する様子を示す。
例えば「#0」及び「#4」のボリューム番号を有する論理ボリューム224が移行対象である場合、移行先記憶制御装置100のNASボリューム管理テーブルT2には、第1の移行元記憶制御装置200(1)の有するNASボリューム管理テーブルT2に記憶されている前記移行対象の論理ボリューム224(#0,#4)に関する情報が、登録される。即ち、移行先記憶制御装置100のNASボリューム管理テーブルT2には、移行対象の論理ボリューム224に関するエントリが追加される。
図15は、第2の移行元記憶制御装置200(2)のNASポート番号を、移行先記憶制御装置100に登録する様子を示す。前記同様に、移行先記憶制御装置100のNASポート管理テーブルT1には、移行対象の論理ボリューム224に関連づけれている通信ポート211Aに関するエントリが作成される。
図16は、第2の移行元記憶制御装置200(2)から移行先記憶制御装置100に移行される予定の論理ボリューム224に関する情報を、移行先記憶制御装置100に登録する様子を示す。図14で述べたと同様に、移行先記憶制御装置100のNASボリューム管理テーブルT2には、第2の移行元記憶制御装置200(2)から移行先記憶制御装置100に移行される予定の論理ボリューム224に関するエントリが作成される。
図17は、移行先記憶制御装置100の有する外部接続管理テーブルT4が、データ移行が完了する前とデータ移行が完了した後とで変化する様子を示す。図17の上側に示すように、データ移行が完了する前においては、第1の移行元記憶制御装置200(1)及び第2の移行元記憶制御装置200(2)内の各論理ボリューム224のうち、移行先記憶制御装置100に外部接続されている論理ボリューム224(外部ボリューム224)に関するエントリが、外部接続管理テーブルT4に登録されている。
図17の下側に示すように、各移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100へのデータ移行が完了した場合、第1の移行元記憶制御装置200(1)から移行された論理ボリューム224(#0,#4)に関するエントリは、外部接続管理テーブルT4から削除される。
本実施例では、図11で述べたように、第1の移行元記憶制御装置200(1)から移行先記憶制御装置100に、ボリュームコピーモードによってデータを移行させる。従って、移行対象のデータは、移行先記憶制御装置100内の物理的記憶デバイスであるRAIDグループ122に記憶されるため、第1の移行元記憶制御装置200(1)内の移行元ボリューム224を移行先記憶制御装置100に外部接続する必要は無くなる。そこで、移行先記憶制御装置100は、ボリュームコピーモードによって移行された論理ボリューム224に関するエントリを、外部接続管理テーブルT4から削除する。
これに対し、図11で述べたように、第2の移行元記憶制御装置200(2)から移行先記憶制御装置100へのデータ移行には、ファイルコピーモードが使用される。移行先記憶制御装置100は、ファイルコピーモードによるデータ移行が完了した後も、第2の移行元記憶制御装置200(2)内の移行元ボリューム224を、そのまま継続して外部接続機能を用いて使用する。
図18は、IPスイッチ20の設定内容を示す説明図である。移行先記憶制御装置100は、データ移行に際して、NASポート管理テーブルT1に設定されている内容を、IPスイッチ20に登録させる。
これにより、移行先記憶制御装置100は、各移行元記憶制御装置200で使用されていたIPアドレス等を継承することになり、以後、ホスト10からのアクセス先は、移行先記憶制御装置100となる。ホスト10は、アクセス対象のボリュームが移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100に移されたことを意識しない。
図19は、本実施例によるデータ移行処理を示すフローチャートである。データ移行処理を開始する前に、移行対象である移行元ボリューム224と移行先ボリューム124とは、外部接続されているものとする。
まず、ユーザは、ホスト10の移行指示部11を用いて、移行元ボリューム、移行先ボリューム及び利用率の判定に使用する閾値Thをそれぞれ指定する(S10)。その後、ユーザは、データの移行を移行先記憶制御装置100に指示する(S11)。
なお、データ移行に関する設定値(移行元ボリューム、移行先ボリューム、閾値Th)を入力する際に、例えば、データ移行開始時刻、データ移行開始条件等を入力する構成でもよい。これにより、予め指定された時刻にデータ移行を開始させたり、あるいは、ホスト10からのファイルアクセス要求の頻度が予め指定された値まで低下した場合にデータ移行を開始させることができる。
移行先記憶制御装置100は、データ移行の開始を指示されると、移行元ボリューム224に関連づけられている通信ポート211Aのアドレス情報を、移行先ボリューム124に関連づけられる通信ポート111Aに継承させる(S12)。即ち、移行先記憶制御装置100は、NASポート管理テーブルT1に、移行対象の論理ボリューム224に関連づけられているアドレス情報を登録する。
次に、移行元ボリューム224に関する情報を移行元記憶制御装置200に要求する(S13)。移行先記憶制御装置100は、移行元記憶制御装置200から移行元ボリューム224に関する情報を取得すると、この取得した情報をNASボリューム管理テーブルT2に記憶させる(S14)。なお、S14において、移行元記憶制御装置200のNAS−OSにより管理されているディレクトリの構成に関する情報も、移行先記憶制御装置100は、移行元記憶制御装置200から取得する。
移行先記憶制御装置100は、移行元記憶制御装置200が複数あって、それぞれのNAS−OSのバージョンが相違する場合には、最も上位のNAS−OSバージョンに一致させる(S16)。
移行先記憶制御装置100は、移行先ボリューム124に、移行元ボリューム224に関する情報を継承させる(S17)。
移行先記憶制御装置100は、移行元ボリューム224の利用率と閾値Thとを比較し、利用率が閾値Th未満であるか否かを判定する(S18)。利用率が閾値Th未満の場合(S18:YES)、移行先記憶制御装置100は、移行元ボリューム124にプール領域125を割り当てることにより、移行元ボリューム124を、AOU機能を用いた仮想的な論理ボリュームとして生成する(S19)。AOU機能を利用して仮想的に生成されるボリュームを、本実施例では、AOUボリュームと呼ぶ場合がある。
移行先記憶制御装置100は、ファイルコピーの準備が完了した旨をホスト10に通知する(S19)。ホスト10は、移行元ボリューム224からファイル単位でデータを読出し、この読み出したデータを移行先ボリューム124に書き込ませる(S20)。移行元ボリューム224内の全てのファイルを読み出して移行先ボリューム124に書き込んだ後、ホスト10は、移行先記憶制御装置100にファイルコピーが完了した旨を通知する(S21)。なお、ファイルコピーは、移行先記憶制御装置100内のNASパッケージ111が、通信経路CN1を用いて実行する構成としてもよい。
一方、移行元ボリューム224の利用率が閾値Th以上の場合(S17:NO)、移行先記憶制御装置100は、ボリュームコピーモードを実行する(S22)。即ち、移行先記憶制御装置100は、移行元ボリューム224に対応付けられている仮想的な論理デバイス123Vから、移行先ボリューム124に対応付けられている論理デバイス123に向けて、ブロック単位でデータをコピーさせる。
移行先記憶制御装置100は、データ移行の完了していない移行元記憶制御装置200が存在するか否かを判定する(S23)。未処理の移行元記憶制御装置200が存在する場合(S23:YES)、移行先記憶制御装置100は、S12に戻って上述の各ステップを実行する。
全ての移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100へのデータ移行が完了した後(S23:NO)、移行先記憶制御装置100は、整合処理を実行する(S24)。
図20は、図19のフローチャートにおいてS24で示された整合処理の詳細を示すフローチャートである。移行先記憶制御装置100は、移行先NAS−OS111Bの管理するディレクトリ階層と、移行先記憶制御装置100に記憶されているデータ(ファイル)とが一致するか否かを判定する(S241)。
移行先記憶制御装置100に記憶されているデータと移行先記憶制御装置100で管理するディレクトリ構成とが一致する場合(S241:YES)、移行先記憶制御装置100は、NAS−OS111Bを再起動させると共に、IPスイッチ20にアドレス情報を登録する(S244)。
移行先記憶制御装置100に記憶されているデータとNAS−OS111Bにより管理されるディレクトリ構成とが不一致である場合(S241:NO)、移行先記憶制御装置100は、NAS−OS111Bの管理するディレクトリ構成に含まれていないファイルを有する論理ボリューム224がどれであるかを、移行元記憶制御装置200にアクセスして探索する(S242)。
移行先記憶制御装置100は、S242で発見された論理ボリューム224を外部接続機能を用いて、移行先記憶制御装置100内に取り込む(S243)。これにより、移行先記憶制御装置100は、その発見された論理ボリューム224に記憶されているファイルにアクセスすることができ、このファイルをホスト10に提供することができる。
上述の整合処理が必要となる場合について、図21,図22を参照して説明する。図21に示すように、移行元記憶制御装置200に記憶されているファイルA及びファイルBのうち、ファイルAのみが移行対象として指定されたと仮定する。即ち、ファイルAが記憶された論理ボリューム224(#1)のみが移行対象として指定されたとする。
ファイルAを有する論理ボリューム224(#1)が移行先記憶制御装置100に移行される際に、移行元記憶制御装置200のNAS−OSが管理するディレクトリ構成も、移行先記憶制御装置100に引き継がれる。ディレクトリ構成には、移行対象のファイルAの所在だけではなく、ファイルBの所在も含まれている。しかし、ファイルBを有する論理ボリューム224(#2)は、移行対象ではないため、移行先のディレクトリ構成と移行先記憶制御装置100で管理可能なデータの範囲とが不一致となる。
このように、移行元記憶制御装置200の有する各論理ボリューム224のうち、一部の論理ボリューム224のみが移行される場合には、移行先におけるディレクトリ構成と、移行されたデータの範囲とが不一致となる。
そこで、図22に示すように、移行先記憶制御装置100は、不一致の論理ボリューム224(#2)を、仮想的な論理デバイス123Vに接続することにより、移行先記憶制御装置100内に仮想的に移行させる。これにより、移行先記憶制御装置100は、移行対象として指定されなかった論理ボリューム224にもアクセス可能となり、ホスト10からのファイルアクセス要求を処理することができる。既に説明した通り、仮想的な論理デバイス123Vを用いて、外部の論理ボリューム224(#2)を移行先記憶制御装置100内に取り込むため、移行先記憶制御装置100内の物理的記憶デバイスが消費されることはない。
このように構成される本実施例によれば、以下の効果を奏する。本実施例では、移行対象のボリュームの利用状況に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、選択されたデータ移行方法を用いて移行対象ボリュームを移行させる。従って、より適切なデータ移行方法を用いて、ボリュームを移行させることができ、使い勝手が向上する。
本実施例では、移行対象のボリュームの利用率が所定の閾値以上の場合は、ボリュームコピーモードを使用し、利用率が所定の閾値未満の場合は、ファイルコピーモードを使用する。従って、ボリュームの利用状況に応じて、適切なデータ移行方法を選択することができ、無駄なデータ転送を防止してデータ移行時間を短縮できる。
本実施例では、利用率が所定の閾値未満の場合、プール領域を用いて移行先ボリュームを仮想的に生成する。従って、移行対象のデータ量に応じたサイズで、移行先ボリュームを生成することができ、移行先記憶制御装置の有する記憶資源を効率的に使用することができる。
本実施例では、移行元記憶制御装置200内の一部の論理ボリューム224のみを移行先記憶制御装置100に移行させる場合に、移行対象として指定されなかった論理ボリューム(以下、移行対象外ボリュームと呼ぶ)224を、外部接続機能を用いて、移行先記憶制御装置100が利用できるようにする。従って、本実施例では、移行先記憶制御装置100の記憶資源(物理的記憶デバイスであるRAIDグループ122)を消費することなく、移行先のNAS−OS111Bで管理されるディレクトリ構成と移行先記憶制御装置100が利用可能なデータの範囲とを一致させることができる。
その後、ユーザが、移行対象外ボリュームの移行について改めて指示を出した場合、そのボリュームは、ホスト10からの利用状況に応じて、ボリュームコピーモードまたはファイルコピーモードのいずれかにより、移行先記憶制御装置100に移行される。
従って、換言すれば、上述した整合処理は、移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100に全てのデータ(NASサービスで使用されるファイルのデータ)を移行させて、移行元記憶制御装置200を移行先記憶制御装置100で置き換えるための準備を整える処理であるとも言える。
例えば、ユーザは、頻繁に使用するボリュームのみを移行先記憶制御装置100に移行させて、移行先記憶制御装置100の備える性能や機能を速やかに利用でき、この最初のデータ移行とほぼ同時に、後日のリプレースのための準備も完了させることができる。従って、ユーザの使い勝手が向上する。
例えば、移行先記憶制御装置100が新製品であり、移行元記憶制御装置200よりも高い性能や優れた機能を備えている場合、頻繁に利用されるボリュームは、移行先記憶制御装置100に移行させた方が、使い勝手が良くなる。移行先記憶制御装置100は、例えば、キャッシュメモリの空き容量等に余裕があるため、ホスト10からのファイルアクセス要求を速やかに処理することができる。このような場合、ホスト10から頻繁に利用されるボリュームを、まず最初に、ボリュームコピーモードによって、移行先記憶制御装置100に移行させる。
移行対象外ボリュームは、外部接続機能によって、移行先記憶制御装置100に取り込まれ、移行先記憶制御装置100から利用可能となる。従って、ホスト10のアクセス先が移行元記憶制御装置200から移行先記憶制御装置100に切り替わった場合でも、移行先記憶制御装置100は、ホスト10からのファイルアクセス要求を正常に処理することができる。
移行先記憶制御装置100に外部接続された移行対象外ボリュームは、暫定的に移行先記憶制御装置100に移行されたことになる。この状態を、暫定的データ移行、または仮データ移行と呼ぶことができる。正式な移行が指示された場合、暫定的に移行されたボリュームは、ボリュームコピーモードまたはファイルコピーモードのいずれかにより、移行先記憶制御装置100に移される。
このように、本実施例では、外部接続機能、ボリュームコピーモード、ファイルコピーモードを有機的に結合させることにより、より使い勝手のよいデータ移行をユーザに提供する。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、前記実施例では、ボリュームコピーによるデータ移行とファイルコピーによるデータ移行とを同時に実行する場合を例に挙げたが、これに限らず、いずれか一方を実施することもできる。前記実施例では、複数の移行元記憶制御装置から一つの移行先記憶制御装置にデータを移行させる場合を例に挙げたが、これに限らず、複数の移行元記憶制御装置から複数の移行先記憶制御装置にデータを移行させたり、一つの移行元記憶制御装置から一つの移行先記憶制御装置にデータを移行させたり、一つの移行元記憶制御装置から複数の移行先記憶制御装置にデータを移行させたりする場合にも、本発明は適用される。
本発明の実施形態によるファイル共有システムの全体概要を示す説明図である。 ファイル共有システムのブロック図である。 移行元記憶制御装置のソフトウェア構成を示す説明図である。 外部接続機能を示す説明図である。 AOU機能を示す説明図である。 管理テーブルの配置先を示す説明図である。 NASポート管理テーブルを示す説明図である。 NASボリューム管理テーブルを示す説明図である。 ペア情報管理テーブルを示す説明図である。 外部接続管理テーブルを示す説明図である。 ボリュームコピーモード及びファイルコピーモードによるデータ移行の様子を模式的に示す説明図である。 外部接続機能を用いて、移行対象ボリュームを暫定的に移行させる様子を示す説明図である。 移行対象のボリュームに関連する通信ポートの情報を移行先に登録する様子を示す説明図である。 移行対象のボリュームに関する情報を移行先に登録する様子を示す説明図である。 図13と同様の説明図である。 図14と同様の説明図である。 外部接続管理テーブルの登録内容がデータ移行の完了前と完了後とで変化する様子を示す説明図である。 IPスイッチにアドレス情報が登録される様子を示す説明図である。 データ移行処理を示すフローチャートである。 図19中の整合処理を示すフローチャートである。 移行元記憶制御装置内の一部のボリュームのみが移行対象として指定された場合の様子を示す説明図である。 移行対象として明示的に指定されなかったボリュームを、外部接続機能を用いて、移行先記憶制御装置に暫定的に移行させる様子を示す説明図である。
符号の説明
1…移行先記憶制御装置、2…移行元記憶制御装置、3…ホスト、3A…移行指示部、4A…第1通信経路、4B…第2通信経路、5,6…コントローラ、7…外部接続制御部、8…NAS制御部、9…データ移行部、9A…アドレス継承部、9B…利用率判定部、9C…ボリュームコピー部、9D…ファイルコピー部、9E…プール領域割当部、10…ホスト、11…移行指示部、20…スイッチ、30…管理端末、100…移行先記憶制御装置、110,210…コントローラ、111,211…NASパッケージ、111A,211A,112A,212A…通信ポート、111C…ファイルシステム、112B…チャネルコマンド制御部、113A…ドライブ制御部、113B…RAID制御部、114,214…共有メモリ、115,215…キャッシュメモリ、116,216…接続制御部、121,221…ディスクドライブ、122,222…RAIDグループ、123,223…論理デバイス、123V…仮想的論理デバイス、124,224…論理ボリューム、125 プール領域、200,200(1),200(2)…移行元記憶制御装置、V1…移行元ボリューム、V2…仮想ボリューム、V3…移行先ボリューム

Claims (9)

  1. 移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に、ボリュームを移行させるファイル共有システムであって、
    上位装置と前記移行元ファイル共有装置と前記移行先ファイル共有装置とをそれぞれ接続するための第1通信経路と、
    前記第1通信経路とは別に設けられ、前記移行元ファイル共有装置と前記移行先ファイル共有装置とを互いに接続するための第2通信経路と、
    前記移行先ファイル共有装置内に移行先ボリュームを生成するための移行先ボリューム生成部と、
    前記移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームと前記移行先ボリューム生成部により生成される前記移行先ボリュームとを前記第2通信経路を介して接続し、前記移行元ボリュームと前記移行先ボリュームとを対応付けるボリューム接続部と、
    前記上位装置が前記第1通信経路を介して前記移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、前記移行元ボリュームの利用状況を判別するための利用状況判別部と、
    前記利用状況判別部による前記利用状況の判別結果に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、この選択されたデータ移行方法を用いて、前記移行元ボリュームに記憶されたデータを、前記移行先ボリュームに移行させるデータ移行部と、
    を備えたファイル共有システム。
  2. 前記複数のデータ移行方法には、ボリュームコピーさせる第1移行方法とファイルコピーさせる第2移行方法とが含まれており、
    前記データ移行部は、前記利用率が前記所定値以上の場合には前記第1移行方法を選択し、前記利用率が前記所定値未満の場合には前記第2移行方法を選択する、請求項1に記載のファイル共有システム。
  3. 前記第1移行方法は、前記移行元ボリュームに記憶されているデータを、前記移行元ボリュームと前記移行先ボリュームとを接続するようにして前記移行先ファイル共有装置内に設けられる第1の仮想的な論理記憶デバイスを介して、前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームにボリュームコピーするようになっており、
    前記第2移行方法は、前記移行元ボリュームに記憶されているデータを、前記上位装置を介して、前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームにファイルコピーするようになっている、請求項2に記載のファイル共有システム。
  4. 前記移行先ボリューム生成部は、
    (1)前記移行先ファイル共有装置内の所定の物理的記憶デバイスに対応付けることにより、前記移行先ボリュームを生成する第1生成方法と、
    (2)前記移行先ファイル共有装置内の複数の物理的記憶デバイスがそれぞれ有する記憶領域のプールに対応付けられる仮想的なボリュームとして、前記移行先ボリュームを生成する第2生成方法とを備えている、請求項1に記載のファイル共有システム。
  5. 前記移行先ボリューム生成部は、前記利用率が前記所定値以上の場合には前記第1生成方法を選択し、前記利用率が前記所定値未満の場合には前記第2生成方法を選択する、請求項4に記載のファイル共有システム。
  6. 前記データ移行部は、
    (1)前記移行元ボリュームに記憶されたデータに加えて、前記移行元ファイル共有装置のディレクトリ構成も前記移行先ファイル共有装置に移行させるようになっており、
    (2)かつ、前記ディレクトリ構成と前記移行元ファイル共有装置から前記移行先ファイル共有装置に移行されたデータの範囲とが不一致の場合には、前記ディレクトリ構成に含まれているが前記移行元ファイル共有装置から前記移行先ファイル共有装置に移行されていない未移行データを、この未移行データに対応する未移行ボリュームと別の移行先ボリュームとを接続するようにして前記移行先ファイル共有装置内に設けられる第2の仮想的な論理記憶デバイスを介して、前記移行先ファイル共有装置内に移行させる請求項1に記載のファイル共有システム。
  7. 前記第1通信経路はファイルレベルのデータ転送を行うものであり、前記第2通信経路はブロックレベルのデータ転送を行うものである、請求項1に記載のファイル共有システム。
  8. 移行元ファイル共有装置の有する移行元ボリュームが移行されるファイル共有装置であって、
    上位装置及び前記移行元ファイル共有装置にそれぞれ接続され、ファイルレベルのデータ転送を行うための第1通信経路と、
    前記第1通信経路とは別に設けられ、前記移行元ファイル共有装置に接続され、ブロック単位のデータ転送を行うための第2通信経路と、
    コントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    移行先ボリュームを生成するための移行先ボリューム生成部と、
    前記移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームと前記移行先ボリューム生成部により生成される前記移行先ボリュームとを前記第2通信経路を介して接続し、前記移行元ボリュームと前記移行先ボリュームとを対応付けるボリューム接続部と、
    前記上位装置が前記第1通信経路を介して前記移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、前記移行元ボリュームの利用状況を判別するための利用状況判別部と、
    前記利用状況判別部による前記利用状況の判別結果に応じて、予め用意されている複数のデータ移行方法の中からいずれか一つのデータ移行方法を選択し、この選択されたデータ移行方法を用いて、前記移行元ボリュームに記憶されたデータを、前記移行先ボリュームに移行させるデータ移行部と、
    を備えたファイル共有装置。
  9. 移行元ファイル共有装置から移行先ファイル共有装置に、ファイル共有用ボリュームを移行させる方法であって、
    上位装置と前記移行元ファイル共有装置と前記移行先ファイル共有装置とは、第1通信経路によってそれぞれ接続されており、
    前記移行元ファイル共有装置と前記移行先ファイル共有装置とは、前記第1通信経路とは別に設けられる第2通信経路によっても接続されており、
    前記移行先ファイル共有装置内の移行先ボリュームと前記移行元ファイル共有装置内の移行元ボリュームとを前記第2通信経路を介して接続し、前記移行元ボリュームと前記移行先ボリュームとを対応付けるステップと、
    前記移行元ボリュームに関連づけられている前記第1通信経路上のアドレス情報を、前記移行先ボリュームに継承させるステップと、
    前記移行元ボリュームに関する情報を前記移行元ファイル共有装置から前記移行先ファイル共有装置に送信させ、前記移行元ボリュームに関する情報を前記移行先ボリュームに継承させるステップと、
    前記上位装置が前記第1通信経路を介して前記移行元ボリュームを利用する場合の利用率と予め設定された所定値とを比較することにより、前記移行元ボリュームの利用状況を判別するステップと、
    前記利用率が前記所定値以上の場合には、前記移行元ボリュームに記憶されているデータを、前記第2通信経路を介して、前記移行先ボリュームにボリュームコピーさせるステップと、
    前記利用率が前記所定値未満の場合には、前記移行元ボリュームに記憶されているデータを、前記第1通信経路を介して、前記移行先ボリュームにファイルコピーさせるステップと、
    をそれぞれ実行させるファイル共有用ボリュームの移行方法。
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