図1は、本発明に係るトナーコンテナが挿脱自在に装着されるプリンタの一実施形態を示す外観視の斜視図であり、図1(A)は、メンテナンスリッドが閉止された状態、図1(B)は、メンテナンスリッドが開放された状態、図1(C)は、メンテナンスリッドが開放されてトナーコンテナが取り外された状態をそれぞれ示している。なお、図1において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
図1に示すように、プリンタ(画像形成装置)10は、カラー印刷が可能に構成されたものであり、外観視で略立方体状を呈した筐体としてのプリンタ本体(装置本体)11内に後述する各種の機器が装着されることによって構成されている。前記プリンタ本体11は、全体的に丸みを帯びた形状とされ、ユーザーに対して視覚的に優しく、かつ、コンパクトな印象を与え得るようにデザインされている。かかるプリンタ本体11は、上面に排紙トレイ161が設けられ、ユーザーが対面する前面上部にメンテナンスリッド112が設けられ、このメンテナンスリッド112の下部に挿脱自在の用紙カセット121が配設され、これらによってユーザビリティを考慮した極めて使用し易いものになっている。
前記排紙トレイ161は、印刷処理が施された用紙Pを受けるものであり、プリンタ本体11の上面後方で前方を向いて形成された排紙口162から排出される用紙Pを受け得るように前方に向かって円弧状で先上がりに傾斜した傾斜面によって形成されている。
前記メンテナンスリッド112は、普段は図1(A)に示すように閉止され、トナーコンテナ30の交換時に、図1(B)および図1(C)に示すように、開放されるようになっている。かかるメンテナンスリッド112は、プリンタ本体11の一対の側板111の前方位置間で用紙カセット121より若干上方位置に架設された支持軸122a回りに回動自在に軸支されている。そして、メンテナンスリッド112は、当該支持軸122a回りに正逆回動することでプリンタ本体11の前面開口110を閉止した閉止姿勢S1(図1(A))と、プリンタ本体11の前面開口110を開放した開放姿勢S2(図1(B)および図1(C))との間で姿勢変更し得るようになっている。
このようなメンテナンスリッド112には、前記支持軸122a回りに回動自在に軸支された手差しトレイ122が設けられている。この手差しトレイ122は、印刷用の用紙Pを手差しでプリンタ10へ供給するときに使用されるものであり、メンテナンスリッド112が閉止姿勢S1(図1(A)に実線で表示)に姿勢設定された状態で支持軸122a回りに時計方向に回動されることにより、図1(A)に二点鎖線で示すように、当該メンテナンスリッド112から引き出されるようになっている。
前記トナーコンテナ30は、ブラックトナーが充填されたブラック用コンテナ30Kと、シアントナーが充填されたシアン用コンテナ30Cと、マゼンタトナーが充填されたマゼンタ用コンテナ30Rと、イエロートナーが充填されたイエロー用コンテナ30Yとの4種類が採用されている。かかるブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30R,30Yは、プリンタ本体11内で前面開口110に臨んで左から右へ向かってブラック用コンテナ30K、シアン用コンテナ30C、マゼンタ用コンテナ30Rおよびイエロー用コンテナ30Yの順に並設されている。
従って、ユーザーは、メンテナンスリッド112を開放することにより、図1(B)に示すように、ブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30R,30Yと対面することになる。この状態で交換のためにブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30R,30Yをプリンタ本体11内から取り除くと、図1(C)に示す状態になる。
前記用紙カセット121は、印刷用の用紙Pを貯留するためのものであり、プリンタ本体11に対して挿脱可能に装着されている。図1に示す例では、用紙カセット121は2段で設けられているが、2段であることに限定されるものではなく、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。
図2は、プリンタ10の内部構造の一実施形態を示す側面断面視の説明図である。なお、図2におけるYによる方向表示は、図1の場合と同様(−Y:前方、+Y:後方)である。図2に示すように、プリンタ10は、用紙Pを後述する画像形成部13へ送り込む給紙部12と、この給紙部12から送り込まれた用紙Pを搬送しながら当該用紙Pにトナー像を転写する画像形成部13と、この画像形成部13で用紙Pに転写されたトナー像に対し定着処理を施す定着部14と、定着部14で定着処理の施された用紙Pの排出先を切り換える排出先切換え部15と、印刷処理が完了した用紙Pを排出する排紙部16とがプリンタ本体11に装着されることによって構成されている。
前記給紙部12は、プリンタ本体11内の下部に挿脱自在に装着された複数枚の用紙Pが貯留可能な前記用紙カセット121と、用紙Pを手差しで給紙するときに用いられる前記手差しトレイ122とを備えて構成されている。
前記各用紙カセット121の前側上方位置には前後一対のピックアップローラ123が設けられている。これらのピックアップローラ123の駆動によって用紙カセット121に貯留されている用紙Pが1枚ずつピックアップされて画像形成部13に向けて送り出されるようになっている。
前記画像形成部13は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ってトナー像が形成される左右方向(図2の紙面に直行する方向)に延びた軸心回りに回転可能な感光体ドラム131と、この感光体ドラム131の周面に帯電処理を施すことにより同周面に一様な電荷を形成させる帯電ローラ132と、この帯電ローラ132により一様な電荷の付与された感光体ドラム131の周面に画像情報に基づくレーザー光を照射することにより同周面に静電潜像を形成させる露光装置133と、静電潜像の形成された感光体ドラム131の周面にトナーを供給することにより同周面にトナー像を形成させる回転式現像装置20と、この回転式現像装置20にトナーを供給するトナーコンテナ30と、前記感光体ドラム131の周面に形成されたトナー像が転写される転写ベルト134と、感光体ドラム131上のトナー像を静電的に引き剥がして転写ベルト134の表面に転写させる一次転写ローラ135と、転写ベルト134上のトナー像を静電的に引き剥がして給紙部12から送り込まれた用紙Pに転写させる二次転写ローラ136と、転写ベルト134へ転写後の感光体ドラム131の周面を清浄化処理するドラムクリーニング装置137と、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面に清浄化処理を施すベルトクリーニング装置138とを備えて構成されている。
前記帯電ローラ132は、図略の電源から印加された高圧電圧によって周面に所定の極性の電荷が形成されるようになっている。かかる帯電ローラ132の周面が感光体ドラム131の周面に当接されていることにより、感光体ドラム131の周面に一様な電荷が形成されるようになっている。
前記露光装置133は、前記帯電ローラ132によって一様に帯電された感光体ドラム131の周面に、図略のコンピュータ等から入力された画像データに基づくレーザー光を照射するものであり、このレーザー光の照射によって感光体ドラム131の周面に静電潜像が形成されるようになっている。かかる静電潜像に回転式現像装置20からのトナーが供給されることにより、感光体ドラム131の周面にトナー像が形成され、このトナー像が周回している転写ベルト134に転写されるようになっている。
前記回転式現像装置20は、側面視(図2の紙面に直行する方向からみた状態)で円形に形成された回転枠体21と、この回転枠体21に周方向で等ピッチに装着された4つの現像器22とを備えて構成されている。前記回転枠体21は、感光体ドラム131の後方位置で当該感光体ドラム131の軸心と平行に、かつ、略同一高さレベルで配設された枠体軸211回りに回転可能に軸支されている。かかる回転枠体21は、枠体軸211から径方向に向けて突設された4枚の仕切板212によって周方向に均等に4区画に区分され、各区画に現像器22が装着されている。
前記現像器22は、ブラックトナーが充填されるブラック用現像器22Kと、シアントナーが充填されるシアン用現像器22Cと、マゼンタトナーが充填されるマゼンタ用現像器22Rと、イエロートナーが充填されるイエロー用現像器22Yとの4種類が設けられている。
そして、感光体ドラム131の周面にイエロートナーでトナー像を形成させるときは、回転枠体21の枠体軸211回りの回転によってイエロー用現像器22Yが感光体ドラム131と対向する位置に設定され、この状態で感光体ドラム131が回転することによりその周面にイエローのトナー像を形成させるようになされている。このイエローのトナー像は、周回している転写ベルト134に直ちに転写される。
感光体ドラム131の周面にマゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像を形成されるときもイエローのときと同様であり、対象の色のトナーの充填された現像器22が感光体ドラム131の周面と対向され、これによって転写ベルト134への転写処理によりトナー像が消滅した感光体ドラム131の周面には次の色のトナー像が順次転写されていくことになる。そして、転写ベルト134の周回と感光体ドラム131のトナー像形成動作とを適正に同期させることにより、転写ベルト134の表面には、カラー画像が形成されることになる。このカラー画像が給紙部12から給紙された用紙Pに二次転写ローラ136の作用で転写されることにより用紙Pに対しカラー印刷が行われることになる。
なお、二次転写ローラ136の直上流側の位置にはレジストローラ対124が設けられ、給紙部12から画像形成部13へ送り込まれた用紙Pは、このレジストローラ対124によって搬送タイミングが調整されるようになされている。かかるレジストローラ対124による搬送タイミングの調整によって転写ベルト134上のカラー画像が用紙P上の適正な位置に転写されるようになっている。
図3は、現像器22の一実施形態を示す斜視図である。図3に示すように、現像器22は、側面視で中心角が90°に設定された一対の扇形側板221と、これら一対の扇形側板221間に挟持されたトナー貯留容器222と、このトナー貯留容器222に隣接した状態で一対の扇形側板221間に架設された現像スリーブ223とを備えている。
前記トナー貯留容器222の適所には、トナーを現像器22内に導入するためのトナー導入開口224が穿設されているとともに、このトナー導入開口224を閉止するゴム等の弾性材料製のシート状蓋体225が貼着その他で設けられている。シート状蓋体225の略中央位置には、後述するトナー移送パイプ51の先端に付設されたトナー充填筒53(図4)を差し込むためのスリット225aが設けられている。
そして、トナー移送パイプ51におけるトナー充填装置52のトナー充填筒53がスリット225aに差し込まれることにより、トナーコンテナ30からのトナーがトナー貯留容器222内に充填されるようになっている。トナー貯留容器222内には攪拌フィン等を備えた図略の攪拌部材が設けられ、トナー貯留容器222内に供給されたトナーは、この攪拌部材による攪拌処理により均一に分散された状態で現像スリーブ223の周面に付与され、引き続き感光体ドラム131の周面に供給されるようになっている。
図2に戻り、前記転写ベルト134は、前記一次転写ローラ135と、この一次転写ローラ135の若干後方位置に設けられたアイドルローラ134cと、感光体ドラム131の下方の若干後方側に設けられた図略の駆動モータの駆動で駆動回転する駆動ローラ134aと、感光体ドラム131の下方の前方位置で駆動ローラ134aと対向配置された従動ローラ134bとに掛け回されている。
前記従動ローラ134bは、コイルスプリング134dの付勢力によって駆動ローラ134aから離間する方向に向けて付勢され、これによって転写ベルト134の緊張状態が維持されるようになっている。そして、前記二次転写ローラ136は、駆動ローラ134aの直下位置で転写ベルト134を介して駆動ローラ134aと対向配置されている。
前記二次転写ローラ136には、転写ベルト134上のトナー画像を電気的に転移させるバイアス電圧が図略の電源から印加されている。従って、転写ベルト134と二次転写ローラ136との間を通過する用紙Pには、転写ベルト134のトナー画像が転写されることになる。
そして、駆動ローラ134aとアイドルローラ134cとの間には、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面を清浄化処理するベルトクリーニング装置138が設けられ、このベルトクリーニング装置138によって清浄化処理が施された転写ベルト134は、次の転写処理を受けるために感光体ドラム131へ向かうことになる。
前記定着部14は、画像形成部13で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される定着ローラ141と、下部でこの定着ローラ141に対向配置され、周面が定着ローラ141の周面に押圧当接される加圧ローラ142とを備えて構成されている。
そして、前記画像形成部13で転写ベルト134により転写処理の施された用紙Pは、転写ベルト134と二次転写ローラ136とに挟持された状態で転写ベルト134の周回に誘導されて定着部14に導入され、定着ローラ141と加圧ローラ142との間を通過するときの加熱によりトナー像が当該用紙Pに定着処理されるようになっている。定着処理後の用紙Pは、第1排出ローラ対143の駆動により排紙搬送路101へ導出され、第2排出ローラ対102の順駆動で排紙搬送路101を上昇させられ、排紙口162を通ってプリンタ本体11の頂部に設けられた排紙トレイ161へ排出されるようになっている。
前記排出先切換え部15は、用紙Pに対して両面印刷を施す場合に利用されるものであり、片面の定着処理が完了して定着部14から一旦排紙搬送路101へ送り出された用紙Pを表裏逆転させた状態で再度画像形成部13へ返送するようになっている。かかる排出先切換え部15は、排紙搬送路101の下端部に第1排出ローラ対143の下方のものと周面同士が互いに当接するように対向配置された返送ローラ151と、この返送ローラ151の下部から定着部14の下を通ってレジストローラ対124の上流側(図2における前方側)へ延びた返送搬送路152とを備えて構成されている。
そして、用紙Pに両面印刷を施すに際しては、片面印刷が完了した定着処理後の用紙Pを、その後端が第1排出ローラ対143を通過するまで排紙搬送路101へ導出し、引き続き第2排出ローラ対102を逆駆動させるようになされている。こうすることで片面印刷の完了した用紙Pは、返送ローラ151の駆動に誘導されて返送搬送路152へ逆送され、この返送搬送路152を通って表裏が逆転した状態でレジストローラ対124へ向かわせられるため、以後、画像形成部13において当該用紙Pの裏面側に印刷処理が施されることになる。
前記トナーコンテナ30は、回転式現像装置20のブラック用現像器22K、シアン用現像器22C、マゼンタ用現像器22Rおよびイエロー用現像器22Y(図1(B))に対してそれぞれ各カラーのトナーを補給するべく当該各カラーのトナーを貯留するものであり、ブラック〜イエロー用現像器22K,22C,22R,22Yに対応して4台が採用されている。これら4台のトナーコンテナ30は、図1(B)および図1(C)に示すように、プリンタ本体11内の前方の略中段位置に左右方向に延びるように設けられた台座ユニット40の上に挿脱可能に装着されている。かかる各トナーコンテナ30と回転式現像装置20との間には、トナーコンテナ30内のトナーを各現像器22へ送り込むためのトナー移送機構50が設けられている。
図4は、回転式現像装置20、トナーコンテナ30、台座ユニット40およびトナー移送機構50の相対的な位置関係を示す概略斜視図である。なお、図4におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図4に示すように、台座ユニット40には、左方から右方に向けてブラック用コンテナ30K、シアン用コンテナ30C、マゼンタ用コンテナ30Rおよびイエロー用コンテナ30Yが並列状態でそれぞれ装着されている。
前記トナー移送機構50は、上流端(前方端)が台座ユニット40を介してブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30R,30Yのそれぞれに接続される4本のトナー移送パイプ51と、各トナー移送パイプ51の下流端(後方端)にそれぞれ接続された4台のトナー充填装置52とを備えて構成されている。
前記トナー移送パイプ51は、ゴムや軟質の合成樹脂等からなる可撓性を備えた材料によって形成され、弾性変形することでトナー充填装置52の所定の動作に追随し得るようになっている。かかるトナー移送パイプ51の内部には、所定の駆動手段によって軸心回りに駆動回転可能な例えばコイルスプリング製のスパイラルフィーダ511が装着されている。そしてこのスパイラルフィーダ511の軸心回りの所定方向に向かう駆動回転によってトナーコンテナ30内から抜き出されたトナーがトナー移送パイプ51内を移動し、トナー充填装置52のトナー充填筒53およびシート状蓋体225のスリット225aを介して現像器22内に装入されるようになっている。
前記トナー充填装置52は、回転式現像装置20の上方位置でブラック〜イエロー用現像器22K,22C,22R,22Yのそれぞれのシート状蓋体225に対応するように4台が左右方向に並設されている。そして、トナー充填装置52のトナー充填筒53がシート状蓋体225のスリット225aを貫通して現像器22内に侵入した状態でトナー移送パイプ51内をスパイラルフィーダ511の駆動で移送されてきたトナーがトナー充填筒53を介して現像器22内に供給されるようになっている。
図5〜図7は、トナーコンテナ30の一実施形態を示す斜視図であり、図5は、トナーコンテナ30から前面カバー体33および蓋体32が取り外された状態(すなわちコンテナ本体31)、図6は、コンテナ本体31に前面カバー体33および蓋体32が装着された状態、図7は、図6に示すトナーコンテナ30を下から見た状態をそれぞれ示している。なお、図5〜図7におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
因みに、ブラック用コンテナ30Kは、他のトナーコンテナ30(シアン用コンテナ30C、マゼンタ用コンテナ30Rおよびイエロー用コンテナ30Y)より容量が大きく、かつ、ブラック用コンテナ30Kを構成する各種部材の配置も他のトナーコンテナ30とは異なっているが、配設される各種部材の基本的な構成は他のトナーコンテナ30におけるものと同様であるため、以下、トナーコンテナ30については、シアン、マゼンタおよびイエロー用コンテナ30C,30R,30Yのもので説明する。
図5〜図7に示すように、トナーコンテナ30は、上面が開口した箱形のコンテナ本体31(図5)と、このコンテナ本体31の上面開口を覆う蓋体32(図6、図7)と、コンテナ本体31の前面に装着される前面カバー体33(図6、図7)と、コンテナ本体31の左底部に前後動可能に装着されるコンテナ側シャッタ部材(移動部材)34(図6、図7)と、このコンテナ側シャッタ部材34とコンテナ本体31とに亘って形成される負荷付与手段(弾性係止機構)35(図6、図8)とを備えて構成されている。
前記コンテナ本体31は、前板311と、後板312と、これら前板311および後板312の右縁部間に架設された右側板313と、前板311および後板312の左縁部間であって上下方向の上半分より若干長めの部分間に架設された上部左側板314と、前板311および後板312の左縁部間であって上下方向の下半分より若干短めの部分間に架設された下部左側板315と、上部左側板314の下端縁部と下部左側板315の上縁部との間に架設された上部円弧底板316と、下部左側板315の下縁部と右側板313の下縁部との間に架設された下部円弧底板317とを備えている。
前板311および後板312は、コンテナ本体31に上部円弧底板316および下部円弧底板317が形成されることによって正面視で上部の左右幅寸法が下部の左右幅寸法より大きい異形になっている。このような構成のコンテナ本体31の上縁部には、フランジ318が形成されているとともに、下部円弧底板317には、互いに平行な左右一対の前後方向に延びる被案内突条317aが設けられている。これらの被案内突条317aは、トナーコンテナ30を後述する台座ユニット40に装着するに際し、その案内溝452(図9)に嵌め込まれて案内されるものである。
前記蓋体32は、図6に示すように、上下寸法が薄く、かつ、平面視でコンテナ本体31と同一の形状に設定され、これによってコンテナ本体31の上面開口を閉止し得るようになっている。かかる蓋体32は、その下縁部に形成された前記コンテナ本体31のフランジ318と同一寸法のフランジ321を有している。そして、フランジ318,321が溶着された後に、現像剤(トナー)が後板312に設けられた充填口312aからコンテナ本体31内に充填される。コンテナ本体31内に現像剤が充填された後、充填口312aは図略のキャップ等が装着されて閉止される。
前記前面カバー体33は、図6に示すように、その略下半分のギヤ機構収納部331と、略上半分の操作部332とを備えている。前記ギヤ機構収納部331と前記コンテナ本体31の前板311の外面側との間には、コンテナ本体31に内装された、現像剤を攪拌する図略の攪拌機構に駆動力を伝達するための図略のギヤ機構が装着されている。
前記操作部332は、コンテナ本体31の上部円弧底板316の内面側に開閉可能に設けられた図略の内部シャッタを開閉操作するための開閉レバー333が装着されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、コンテナ本体31には、その内側に設けられた内部シャッタと、その外側に設けられた前記コンテナ側シャッタ部材34とが備えられ、かかるシャッタの二重構造により内部の現像剤の外部への漏洩を確実に防止し得るようにしている。
そして、前記内部シャッタは、開閉レバー333が、図6に示すように左方へ倒されることにより閉止される一方、開閉レバー333が右側へ倒されることにより開放されるようになっている。かかる開閉レバー333は、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着されるまでは左方に倒された状態がロックされている。
このロックは、トナーコンテナ30が台座ユニット40(図1,図9)に装着されることによって解除されるようになっている。具体的には、トナーコンテナ30が台座ユニット40に装着されると、後述するシャッタ板341(図7)の前縁に設けられた押圧突起341aが前面カバー体33のギヤ機構収納部331に内装されたロック板333a(図7)を押圧し、これによるロック板333aの弾性変形によってロックが解除されるようになっている。
従って、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着されていないにも拘わらず誤操作で開閉レバー333が右に倒され、これによる内部シャッタの開放で現像剤が漏洩するような不都合の発生を防止するようになされている。
これに対し、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着されると前記ロックが解除され、これによって開閉レバー333を右方へ向けて傾倒操作し得るようになる。そして、トナーコンテナ30をプリンタ10に装着した後に開閉レバー333を右方へ倒すことにより、コンテナ本体31の内部シャッタが開放される。この状態でコンテナ本体31内の現像剤は、当該開放された内部シャッタおよびすでに自動的に開放されているコンテナ側シャッタ部材34および開放された後述する台座側シャッタ部材47(図9)並びにトナー移送機構50(図4)を介して回転式現像装置20の現像器22(図2〜図4)へ導入されることになる。
このような前面カバー体33(図6)には、その上半分の位置に後方へ向かって突設された左右方向一対のU字状の係止アーム334が設けられている一方、前記コンテナ本体31には、その右側板313および上部左側板314から前記係止アーム334に対応するように互いに反対方向に向けて突設された左右方向一対の係止突起319が設けられ、各係止アーム334が対応した係止突起319にそれぞれ外嵌されることによって、図6に示すように、前面カバー体33がコンテナ本体31に装着されるようになっている。
また、前面カバー体33の左右の縁部における各係止アーム334に対応した部分には、当該各縁部が互いに接近する方向に向けて凹没されることによって形成した摘み凹部335が設けられている。そして、これらの摘み凹部335を親指と人差指とで摘持することにより、当該トナーコンテナ30を台座ユニット40から本発明に係る第2の引き出し力(因みに、本実施形態においては、第1の引き出し力は、後述するコイルスプリング474(図9)による引き出し力である。)により容易に引き出し得るようになっている。
前記コンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31の上部円弧底板316の略前半分の位置に設けられている。以下、コンテナ側シャッタ部材34について図8を基に必要に応じて図5〜図7を参照しながら説明する。図8は、コンテナ側シャッタ部材34の一実施形態を示す斜視図であり、図8(A)は、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着されたことによりコンテナ側シャッタ部材34が開放位置T2に位置設定された状態、図8(B)は、トナーコンテナ30がプリンタ10から引き出されつつあることによりコンテナ側シャッタ部材34の挟持片342が弾性変形した状態、図8(C)は、トナーコンテナ30がプリンタ10から引き出されたことによりコンテナ側シャッタ部材34が閉止位置T1に位置設定された状態をそれぞれ示している。
図8に示すように、コンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31の上部円弧底板316の現像剤払出口316aに対応するように寸法設定されたシャッタ板341と、このシャッタ板341の左右方向両縁部から上方に向けて延設された端面視でL字状を呈する左右方向一対の挟持片342と、一方の挟持片342(図8に示す例では左方の挟持片342)から他方の挟持片342へ向けて突設された干渉突片343と、シャッタ板341をプリンタ本体11に係止する係止部材344とを備えて構成されている。
前記各挟持片342は、シャッタ板341の左右の縁部からそれぞれ立設された前後方向に延びる立設条342aと、各立設条342aの上縁部から互いに対向する方向に向けて突設された前後方向に延びる対向条342bとからなっている。
前記干渉突片343は、前記対向条342bの前後方向の中央部から右方に向けて突設され、先端が後述するガイド溝36の溝底に対し僅かに離間した状態で対向されている。
前記係止部材344は、トナーコンテナ30の台座ユニット40(図9)上での前後方向への移動に対してコンテナ側シャッタ部材34を停止させ、これによってトナーコンテナ30の移動に応じて現像剤払出口316aを開閉させるものである。かかる係止部材344は、挟持片342の対向条342bの前端部から立設された立設片の上端から後方へ向かって延びた状態の前記立設片を含めてL字状を呈するL字アーム344aと、このL字アーム344aの先端(後端)から上方に向かって突設された被誘導突片344bと、L字アーム344aの先端から左方に向かって突設された係止爪344cとを備えて構成されている。
前記L字アーム344aは、前後長が前記挟持片342の前後長より若干短めに設定されている。また、前記被誘導突片344bは、小さな正方形状に形成されている。また、前記係止爪344cは、平面視で三角形状に形成され、左方に向いた先端は先鋭になっている。
一方、コンテナ本体31側には、上部円弧底板316の下面の前半分の部分に前後方向に延びた肉厚底板316bが重畳されているとともに、この肉厚底板316bの下端部から互いに反対方向(左右方向)に向けて突設された前後方向に延びる左右一対のガイド凸条316cが設けられている。これら一対のガイド凸条316cは、前記コンテナ側シャッタ部材34の左右の挟持片342が摺接状態で外嵌し得るように寸法設定されている。
前記現像剤払出口316aは、肉厚底板316bの後半部分に設けられている。そして、コンテナ側シャッタ部材34は、一対のガイド凸条316cに案内されつつ前後方向に向けて正逆移動可能になっており、シャッタ板341が現像剤払出口316aを閉止した閉止位置T1(図8(C))と、シャッタ板341が現像剤払出口316aを開放した開放位置T2(図8(A))との間で位置変更し得るようになっている。
また、前記上部円弧底板316の左面側の上縁部には、前後方向に延びた上縁凸条316dが設けられ、この上縁凸条316dと前記左方のガイド凸条316cとの間に前記干渉突片343のトナーコンテナ30に対する相対移動を案内する前後方向に延びたガイド溝36が形成されている。すなわち、前記干渉突片343は、その先端(右端)がこのガイド溝36の溝底(右面)に近接するように対向条342bからの突設量が設定されている。前記上縁凸条316dは、長さ寸法(前後長)が前記肉厚底板316bのそれと同一に設定されている。従って、ガイド溝36も肉厚底板316bと同一の長さ寸法になっている。
そして、このようなガイド溝36の溝底には、前後方向の略中央位置に外方(左方)へ向かって膨設された膨設突起361が設けられている。この膨設突起361は、コンテナ側シャッタ部材34が閉止位置T1に位置設定された状態(図8(C))で後端部が干渉突片343と干渉せず、かつ、コンテナ側シャッタ部材34が開放位置T2に位置設定された状態(図8(A))で前端部が干渉突片343と干渉しないように前後長が設定されている。
このような膨設突起361には、その前端に後方へ向かって先上がりに傾斜した前端傾斜面361aが形成されているとともに、その後端に前方へ向かって先上がりに傾斜した後端傾斜面361bが形成されている。また、膨設突起361における前端傾斜面361aと後端傾斜面361bとの間の頂面(左面)には、前後の端部から中央部へ向かうに従いガイド溝36からの突出量が漸減するように形成された凹み部361cが設けられている。
また、前記ガイド溝36には、前記膨設突起361より後方位置にストッパ362が設けられている。このストッパ362は、トナーコンテナ30がプリンタ本体11から引き出されることにより膨設突起361を乗り越えた干渉突片343を当止させるためのものである。従って、膨設突起361を乗り越えた干渉突片343は、ストッパ362に当止することによりこれ以上ガイド溝36に対し相対的に後方へ移動することはない。これにより、トナーコンテナ30は、コンテナ側シャッタ部材34が閉止位置T1を維持した状態でプリンタ本体11から引き出されることになる。
また、上部円弧底板316には、トナーコンテナ30をプリンタ10に対して挿脱するに際し、前記係止部材344の被誘導突片344bを誘導してL字アーム344aを左方に向けて湾曲させ、これによって係止爪344cを後述する係止溝464(図9)に係止させるための前後方向に延びた誘導凸条37が設けられている。
かかる誘導凸条37は、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着された状態(すなわち、コンテナ側シャッタ部材34が開放位置T2(図8(A))に位置設定された状態)で前端が被誘導突片344bの後端と対向するようになっている。一方、トナーコンテナ30がプリンタ10から引き出された状態(すなわち、コンテナ側シャッタ部材34が閉止位置T1(図8(C))に位置設定された状態)で誘導凸条37の後端が被誘導突片344bの前端と対向するように誘導凸条37の設置位置および前後方向の長さ寸法が設定されている。
このような誘導凸条37には、その前端に前端傾斜縁371が形成されているとともに、その後端に後端傾斜縁372が形成されている。従って、プリンタ10に装着されたトナーコンテナ30を当該プリンタ10から引き出すに際しては、係止爪344cが係止溝464(図9)に僅かに嵌り込んだ状態でコンテナ本体31が前方に移動するため、被誘導突片344bが前端傾斜縁371に誘導されて左方へ押圧される。この押圧によるL字アーム344aの弾性変形で係止爪344cが係止溝464に押し込まれた状態になり、コンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31との同伴移動が阻止される。従って、コンテナ本体31がプリンタ10から引き出されることでコンテナ側シャッタ部材34がコンテナ本体31に対して相対的に後方へ移動し、これによって前端傾斜面361aがシャッタ板341により閉止される(図8(C))。
これに対し、トナーコンテナ30をプリンタ10に押し込むときは、被誘導突片344bが後端傾斜縁372に誘導されて左方に向かい、これによるL字アーム344aの弾性変形で係止爪344cが係止溝464に嵌り込んで係止されるため、コンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31との同伴移動が阻止される。従って、コンテナ本体31がプリンタ10に押し込まれることでコンテナ側シャッタ部材34がコンテナ本体31に対して相対的に前方へ移動し、これによって前端傾斜面361aが開放される(図8(A))。
そして、本発明に係る負荷付与手段(弾性係止機構)35は、コンテナ側シャッタ部材34の挟持片342の対向条342bから突設された干渉突片343と、コンテナ本体31の肉厚底板316bの左側面のガイド溝36に形成された膨設突起361とから構成されている。
従って、トナーコンテナ30がプリンタ10に装着され、これによってコンテナ側シャッタ部材34が開放位置T2に位置設定されてシャッタ板341が現像剤払出口316aを開放した状態(図8(A))で、トナーコンテナ30をプリンタ10から引き抜いていくと、係止爪344cの係止溝464(図9)への係止でコンテナ本体31と同伴移動し得なくなったコンテナ側シャッタ部材34の干渉突片343が膨設突起361により左方へ向けて押圧されるため、左側の挟持片342が左方に向けて弾性変形することになる(図8(B))。
そして、この挟持片342の弾性変形によってトナーコンテナ30の引き出し操作に対し負荷が加わることになる。
従って、新旧交換のためにトナーコンテナ30をプリンタ10から引き出すに際し、たとえ当該トナーコンテナ30を勢いよく引き抜いても、この引き抜き操作に対し途中で負荷が加わることにより引き抜き速度が低下する。よって、以後、トナーコンテナ30は緩やかに引き抜かれることになり、シャッタ板341の縁部や現像剤払出口316aの内周面等に付着している現像剤が飛散して周りを汚染することが有効に防止される。
つぎに、このようなトナーコンテナ30が装着されるプリンタ本体11の前端位置に設けられた台座ユニット40について図9を基に説明する。図9は、台座ユニット40の一実施形態を示す斜視図である。なお、図9におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。台座ユニット40は、現像装置(本実施形態では回転式現像装置20)の構成要素の1つであるとみなすことができる。
図9に示すように、台座ユニット40には、当該台座ユニット40の底面を閉止する底板部材41と、この底板部材41の左右の縁部から立設された左右方向一対の側板部材42と、底板部材41の後縁部から立設された後板部材43とに囲繞された空間にトナーコンテナ30を装着するためのコンテナ装着空間(収容部)Vが形成されている。このコンテナ装着空間Vは、トナーコンテナ30を装着する4つのコンテナ装着域44に区分されている。
これら4つのコンテナ装着域44のそれぞれは、左側から順番にブラック用コンテナ30Kを装着するためのブラックコンテナ用装着域44K、シアン用コンテナ30Cを装着するためのシアンコンテナ用装着域44C、マゼンタ用コンテナ30Rを装着するためのマゼンタコンテナ用装着域44Rおよびイエロー用コンテナ30Yを装着するためのイエローコンテナ用装着域44Yとして設定されている。
これらのコンテナ装着域44のうちブラックコンテナ用装着域44Kは、ブラック用コンテナ30Kが他のトナーコンテナ30より容量が大きいことから、他のコンテナ装着域44より広く場所取りされているとともに、配設される各種部材のレイアウトも他のコンテナ装着域44のものとは異なっている。しかしながら配設される各種部材の基本的な構成は他のコンテナ装着域44におけるものと同様であるため、以下、コンテナ装着域44に配設される各種部材の配設については、シアン、マゼンタおよびイエローコンテナ用装着域44C,44R,44Yのもので説明する。
各コンテナ装着域44には、トナーコンテナ30の下部円弧底板317が摺接状態で嵌め込まれる正面視で上に凹の円弧状を呈したコンテナ支持部45と、このコンテナ支持部45の直左方位置に設定され、かつ、トナーコンテナ30の上部円弧底板316に設けられたコンテナ側シャッタ部材34を受ける台座(装着台)46と、この台座46に付設された台座側シャッタ部材47と、前記コンテナ支持部45の前端面に設けられた、トナーコンテナ30のコンテナ装着域44への装着状態をロックしたりロックの解除を行ったりするロック手段48とが配設されている。
前記コンテナ支持部45は、前後方向に延びる左右一対の円弧板451と、これら一対の円弧板451の下縁部間に形成されたトナーコンテナ30の被案内突条317a(図7)を案内するための案内溝452とを備えている。前記一対の円弧板451は、互いの対向面がトナーコンテナ30の下部円弧底板317における各被案内突条317aの外側の円弧面に対応するような円弧面とされ、これによってコンテナ本体31が安定した状態でこれら一対の円弧板451に支持され得るようになっている。
前記案内溝452は、溝幅寸法が前記一対の被案内突条317a間の外寸法より僅かに大きく寸法設定され、これによってコンテナ本体31は、一対の被案内突条317aが案内溝452に案内されつつコンテナ支持部45に対して挿脱し得るようになっている。
かかる案内溝452の溝底の前方位置には、図9の円内の拡大図で示すように、例えば切り起こしで上方へ向かって突設された突設片453が設けられている。この突設片453は、前方に形成された後方へ向かって先上がりの傾斜を有する傾斜部453aと、この傾斜部453aの上端部から水平に後方へ向かって延びる水平部453bとからなっている。
かかる突設片453は、案内溝452からの突出量がコンテナ支持部45に支持されたトナーコンテナ30の下部円弧底板317が押圧当接し得るように寸法設定されている。従って、コンテナ支持部45に装着されたトナーコンテナ30は、その下部円弧底板317が弾性変形した突設片453の水平部453bに支持されて僅かに浮き上がった状態となり、これによってトナーコンテナ30のコンテナ支持部45に対する挿脱操作を容易に行い得るようになっている。
前記台座46には、その前端位置にトナーコンテナ30から払い出された現像剤を台座46内に落とし込むための方形の現像剤受入口461が設けられている。この現像剤受入口461は、トナーコンテナ30がコンテナ装着域44に装着された状態で、その現像剤払出口316a(図7)と対向するように設置位置が設定されている。そして、トナーコンテナ30から現像剤払出口316aおよび現像剤受入口461を介して台座46内へ払い出された現像剤は、スパイラルフィーダ511(図4)の駆動により台座46内と現像器22(図4)との間に介設されたトナー移送パイプ51内を通って現像器22へ向けて搬出されるようになっている。
また、台座46の前壁面には、前記スパイラルフィーダ511と同心で一体回転可能なジョイント部材462が設けられている。このジョイント部材462は、トナーコンテナ30が台座ユニット40のコンテナ装着域44に装着された状態で前記前面カバー体33(図6)のギヤ機構収納部331内に収納されたギヤ機構に連結されるようになっている。そして、この連結によってスパイラルフィーダ511の駆動力が前記ギヤ機構に伝達され、このギヤ機構の駆動でコンテナ本体31内の攪拌部材が現像剤を攪拌する攪拌動作を行うようになっている。
また、台座46には、現像剤受入口461を開閉するための台座側シャッタ部材(装着台側シャッタ部材)47が設けられている。この台座側シャッタ部材47は、現像剤受入口461に対応して前後方向に正逆移動可能に設けられたシャッタ板471と、このシャッタ板471の前後方向の略中央部から上方に向かって突設された被押圧片472と、前記シャッタ板471の後部の左右端から立設された一対のブラケット473と、各ブラケット473と台座46の当該ブラケット473より前方位置の適所との間に伸長状態で架設された一対のコイルスプリング(付勢部材)474とを備えて構成されている。
前記シャッタ板471は、台座46における現像剤受入口461より後方部分の天板上を前後方向にスライド可能とされ、前方へ移動することで現像剤受入口461を閉止する一方、後方へ移動することで現像剤受入口461を開放するようになっている。かかるシャッタ板471は、トナーコンテナ30がコンテナ装着域44に装着されていない状態では、前記コイルスプリング474の付勢力(第1の引き出し力)により前方へ移動して例えば図9におけるイエローコンテナ用装着域44Yやマゼンタコンテナ用装着域44Rのように現像剤受入口461を閉止する。一方、トナーコンテナ30がコンテナ装着域44に装着された状態では、被押圧片472がトナーコンテナ30の肉厚底板316bの後端部に押されることで現像剤受入口461を開放するようになっている。
前記被押圧片472は、トナーコンテナ30がコンテナ装着域44のコンテナ支持部45に対し略半分ほど押し込まれた状態で、前記トナーコンテナ30の肉厚底板316b(図7)の後端縁が当接するように設置位置が設定されている。従って、肉厚底板316bが被押圧片472に当接した後、さらにトナーコンテナ30のコンテナ支持部45への押込み動作を継続することにより、シャッタ板471は、コイルスプリング474の付勢力に抗して後方へ向かって移動し、現像剤受入口461が開放されることになる。
また、台座46の左縁部には、左隣りのコンテナ装着域44の右方の円弧板451が屹立している。この台座46の左隣の円弧板451の鉛直な右面によって仕切壁463が形成されている。この仕切壁463には、肉厚底板316b(図7)が被押圧片472に当接するまでトナーコンテナ30をコンテナ支持部45へ押し込んだ状態で前記係止部材344の係止爪344c(図7)が嵌り込む上下方向に延びた係止溝464が設けられている。
従って、トナーコンテナ30をコンテナ支持部45に対して略半分ほど押し込むと、係止爪344cが係止溝464に嵌り込み、これによってコンテナ側シャッタ部材34のコンテナ本体31との同伴移動が規制されるため、トナーコンテナ30の押し込み動作を継続することにより現像剤払出口316aが開放される。これに対し、一旦コンテナ支持部45に装着されたトナーコンテナ30を引き出すときには、前記同様にコンテナ側シャッタ部材34のトナーコンテナ30との同伴移動が規制されるため、現像剤払出口316aはシャッタ板341によって閉止される。なお、トナーコンテナ30のコンテナ支持部45に対する挿脱操作時の負荷付与手段35の作用については、後に図10を基に詳細に説明するためここでの説明は省略する。
前記ロック手段48は、前記コンテナ支持部45の案内溝452の前端位置に対向するように設けられた板状のストッパ481と、このストッパ481の下方から前方に向けて突設された操作レバー482とを備えて構成されている。
ストッパ481は、前記一対の円弧板451の前端縁面の下部位置に対向するように設けられた左右方向一対の上下方向に延びるガイド部材483に挟持された状態で昇降可能になっている。かかるストッパ481は、図略の付勢部材の付勢力で上方へ向かって付勢され、その上端が前記案内溝452の溝底より若干上方に向かって突出するようになっている。このようなストッパ481は、トナーコンテナ30がコイルスプリング474の付勢力に抗してコンテナ支持部45の最奥部にまで押し込まれた状態でコンテナ本体31の前面下部の適所が当止するように設置位置が設定されている。
前記操作レバー482は、ガイド部材483から上方へ突出しているストッパ481を付勢部材の付勢力に抗して下降させるために操作されるものであり、ストッパ481の下部後方に設けられた左右方向に延びる図略の支持軸回りに回動自在に軸支されているとともに、適所でストッパ481と連結されている。
かかる操作レバー482は、普段、例えばシアンコンテナ用装着域44Cに設けられているもののように上方位置に位置し、これによってコンテナ支持部45に押し込まれたトナーコンテナ30がコイルスプリング474の付勢力で前方へ向けて飛び出そうとするのを阻止している。
そして、トナーコンテナ30のコンテナ支持部45からの飛び出しがストッパ481により阻止されたロック状態において、指先で操作レバー482を下方に向けて押圧操作することにより、ストッパ481が下降してトナーコンテナ30のロックが解除され(図9に示す例ではマゼンタコンテナ用装着域44Rのロック手段48参照)、これによってトナーコンテナ30は、コイルスプリング474の付勢力により被押圧片472を介して前方に向かって押圧され、台座ユニット40から自動的に前方へ飛び出してくるようになっている。
そして、トナーコンテナ30がコンテナ支持部45から所定寸法だけ前方へ飛び出した状態で、トナーコンテナ30の前面カバー体33に設けられた左右一対の摘み凹部335(図6)を親指と人差指とで摘持することにより、以後のトナーコンテナ30の台座ユニット40からの引き出し操作が容易に行われることになる。
以下、本発明に係る負荷付与手段35の作用について図10を基に説明する。図10は、負荷付与手段35の作用を説明するための平面視の説明図であり、図10(A)は、トナーコンテナ30が台座ユニット40のコンテナ支持部45に装着された状態、図10(B)は、係止爪344cが係止溝464に嵌り込むまでトナーコンテナ30がコンテナ支持部45から引き出された状態、図10(C)は、トナーコンテナ30の引き出し操作が継続されることによりコンテナ側シャッタ部材34の挟持片342が弾性変形した状態、図10(D)は、トナーコンテナ30がコンテナ支持部45から引き出された状態をそれぞれ示している。なお、図10におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
因みに、図10は、本発明の原理を説明し易いように各構成部材を簡略化して示した、いわゆる原理図である。そして、図10においては、コンテナ側シャッタ部材34を実線で、コンテナ本体31を点線で、台座ユニット40側を一点鎖線でそれぞれ示している。
また、上記の実施形態においては、コンテナ本体31は、コイルスプリング474の付勢力により被押圧片472および肉厚底板316bを介して前方へ向かって付勢されているが、図10では、図示の複雑化を避けるために、被押圧片472および肉厚底板316bを介することと等価である被押圧片472およびコンテナ本体31の後板312を介してコイルスプリング474の付勢力がコンテナ本体31に作用するように図示した。
まず、図10(A)に示す状態では、トナーコンテナ30は、一対のコイルスプリング474の付勢力が被押圧片472を介してコンテナ本体31に伝達されることにより、台座ユニット40から前方に向かって付勢されているが、コンテナ本体31の前端部分がロック手段48のストッパ481に規制されることにより、台座ユニット40への装着状態が維持されている。
そして、この状態では、コンテナ側シャッタ部材34がコンテナ本体31の前端部分の開放位置T2に位置しているとともに、コンテナ側シャッタ部材34に設けられた係止部材344のL字アーム344aが若干弾性変形した状態で係止爪344cの先端が台座ユニット40の仕切壁463に当接している。
この状態でロック手段48の操作レバー482を指で下方に向けて(図10の紙面の表側から裏側に向けて)押圧すると、ストッパ481が下降してコンテナ本体31の前端から外れるため、トナーコンテナ30は、コイルスプリング474の付勢力で被押圧片472を介して前方に向けて移動する。これによって被押圧片472と一体のシャッタ板471(図9)が台座46の現像剤受入口461を閉止する方向(前方)に向けて移動を開始するが、図10(A)にはこれらの図示を省略している。
そして、シャッタ板471が現像剤受入口461の閉止を開始した状態(すなわち、被押圧片472が前方へ向かって最大移動量を移動した状態)においては、図10(B)に示すように、係止爪344cの先端が台座ユニット40の係止溝464に嵌り込む。これによってコンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31とは同伴移動し得ない状態になる。
この状態でオペレータは、トナーコンテナ30の前面カバー体33に形成された一対の摘み凹部335を指で摘んで前方へ向かって引き、これによってトナーコンテナ30は、前方に向かって引き出されることになる。
そして、トナーコンテナ30の台座ユニット40からの引き出し操作が継続されると、コンテナ側シャッタ部材34は、その係止爪344cが誘導凸条37に押圧されることにより係止溝464に確実に嵌り込み、これによってコンテナ本体31との同伴移動が阻止されるため、コンテナ本体31に対して相対的に後方に向かって移動することになる。これにより現像剤払出口316aは、シャッタ板341によって順次閉止されていく。
また、これと同時にコンテナ側シャッタ部材34の干渉突片343がコンテナ本体31の膨設突起361に前端傾斜面361aを介して乗り上げていき、これによってコンテナ側シャッタ部材34の挟持片342が、図10(C)に示すように、外方に向かって弾性変形するため、トナーコンテナ30は、今までより大きな力を加えなければ台座ユニット40から引き出し得なくなる。
すなわち、最初は小さな力でトナーコンテナ30を台座ユニット40から引き出すことが可能であるが、引き出し途中で現像剤払出口316aが閉止され始めてからは大きな力を加えなければトナーコンテナ30を台座ユニット40から引き出すことができなくなるのである。
従って、トナーコンテナ30の引き出し速度は、引き出し途中から自ずから緩やかになるため、現像剤払出口316aがシャッタ板341によって閉止されたときの衝撃を小さく抑えることが可能になる。これによりシャッタ板341を閉止したときの衝撃でシャッタ板341や現像剤払出口316aの近傍に付着していた残留現像剤が飛散し、周りの環境を汚染するような不都合の発生を有効に防止することができる。
そして、トナーコンテナ30が、図10(D)に示すように、台座ユニット40から完全に引き出されたときには、コンテナ側シャッタ部材34は、干渉突片343がストッパ362に当止した状態で現像剤払出口316aを完全に閉止した閉止位置T1に位置設定されるとともに、係止爪344cおよび干渉突片343は、誘導凸条37および膨設突起361を後方へ遣り過ごし、これによってコンテナ側シャッタ部材34の挟持片342の弾性変形は解消された状態になる。
以上詳述したように、本発明に係るプリンタ(画像形成装置)10は、現像剤が充填されるトナーコンテナ30と、このトナーコンテナ30を着脱自在に収容するコンテナ装着空間Vとを備えたプリンタ本体11とを有するものであり、トナーコンテナ30のプリンタ本体11からの直線的な引き出し操作の際に、トナーコンテナ30に対する第1の引き出し力に対抗してトナーコンテナ30の引き出しを停止させ、第1の引き出し力より強い第2の引き出し力がトナーコンテナ30に与えられた状態で弾性変形してトナーコンテナ30の直線的な引き出しを許容する負荷付与手段35が備えられている。
また、本発明に係るトナーコンテナ30は、画像形成装置に設けられた現像装置に現像剤を補給するべく当該画像形成装置のプリンタ本体11に対し直線的に着脱自在に装着されるものであり、現像剤の充填されたコンテナ本体31と、コンテナ本体31に対し相対的に移動するコンテナ側シャッタ部材34と、コンテナ本体31に直線的な第1の引き出し力が与えられたときにコンテナ側シャッタ部材34の相対的移動を停止させ、第1の引き出し力より強い第2の引き出し力が与えられたときに弾性変形してコンテナ側シャッタ部材34の相対的移動を許容する弾性係止機構(本実施形態では負荷付与手段35)が備えられている。
このような構成のプリンタ10およびトナーコンテナ30によれば、トナーコンテナ30を画像形成装置のプリンタ本体11のコンテナ装着空間Vから第1の引き出し力で直線的に引き出していくと、負荷付与手段35(弾性係止機構)の作用により引き出し途中で当該トナーコンテナ30は一旦停止される。このとき第1の引き出し力より強い第2の引き出し力でトナーコンテナ30に対する引き出し操作を継続すると、負荷付与手段35は、弾性変形してトナーコンテナ30の直線的な引き出しを許容するため、トナーコンテナ30は、第1の引き出し力で引き出されるときより緩やかに引き出される。
従って、従来のようにトナーコンテナ30がコンテナ装着空間Vから第1の引き出し力のままで最後まで引き出される場合には、速い引き出し速度が最後まで続くことから、その衝撃でトナーコンテナ30に付着していた現像剤が周りに飛散するという不都合が生じるが、請求項1の発明では、引き出し途中でトナーコンテナ30に負荷が加えられることになり、これによってトナーコンテナ30の引き出し速度が抑えられるためその分衝撃が減少し、トナーコンテナ30に付着していた現像剤の飛散が抑えられる。
また、従来のように引き出し途中でトナーコンテナ30をストッパに衝突させて一旦強制的に停止させた後に当該トナーコンテナ30を引き上げてから再度引き出し操作を継続する場合(すなわち直線的にトナーコンテナ30が引き出されない場合)には、トナーコンテナ30のストッパとの衝突時の衝撃、および引き上げるときのショックでトナーコンテナ30に付着していた現像剤が周りに飛散するという不都合が生じるが、請求項1の発明では、引き出し方向が変わることがないため、トナーコンテナ30に大きな衝撃が加わるようなことはなく、トナーコンテナ30に付着していた現像剤の飛散が抑えられる。
そして、負荷付与手段35は、コンテナ本体31が台座ユニット40から引き出されるに際し、コンテナ本体31の一部(本実施形態では膨設突起361)との摺接でコンテナ側シャッタ部材34の一部(本実施形態では挟持片342)を弾性変形させるように構成されている。
従って、コンテナ本体31を台座ユニット40から引き出すに際し、負荷付与手段35は、コンテナ側シャッタ部材34を弾性変形させることにより当該コンテナ側シャッタ部材34をコンテナ本体31の一部と摺接させ、この摺接抵抗によってトナーコンテナ30の引き出し操作に負荷が付与される。このように、コンテナ側シャッタ部材34を弾性変形させることでトナーコンテナ30の引き出し操作に負荷を与えるようになされているため、負荷付与手段35の構造を簡単なものにすることができ、負荷付与手段35のコスト低減化に貢献することができる。
また、コンテナ側シャッタ部材34は、台座ユニット40の仕切壁463に設けられた係止溝464に嵌り込む係止爪344cを備えた係止部材344を有している。
一方、コンテナ本体31は、台座ユニット40に対して挿脱されるときに係止爪344cとの干渉で係止部材344を弾性変形させることにより当該係止爪344cを係止溝464に嵌り込ませるように誘導する誘導凸条37を備えている。
かかる構成によれば、トナーコンテナ30を台座ユニット40に装着していくことにより、コンテナ側シャッタ部材34の係止爪344cは、台座ユニット40に設けられた係止溝464にまず僅かに嵌り込み、以後、トナーコンテナ30が台座ユニット40に押し込まれていくことにより、係止爪344cがコンテナ本体31の誘導凸条37に誘導され、これによって係止部材344が弾性変形しつつ係止爪344cが係止溝464に食い込んでいくため、コンテナ側シャッタ部材34はコンテナ本体31との同伴移動が阻止される。従って、この状態でコンテナ本体31の台座ユニット40への押込み操作が継続されることにより、コンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31の現像剤排出口を相対的に開放していく。
これに対し、台座ユニット40に装着されたトナーコンテナ30を引き出していくと、係止片が係止溝464に嵌り込んだコンテナ側シャッタ部材34は、コンテナ本体31との同伴移動が阻止されているため、コンテナ本体31の現像剤排出口を相対的に閉止していく。そして、コンテナ本体31が台座ユニット40から引き出される直前には係止爪344cが誘導凸条37から外れ、これによって弾性変形していた係止部材344は、その弾性力によって元の状態に復元して係止爪344cが係止溝464から外れるため、トナーコンテナ30は、台座ユニット40から取り外し可能になる。
このように、コンテナ側シャッタ部材34には台座ユニット40に設けられた係止溝464に嵌り込む係止爪344cを備えた係止部材344を設ける一方、コンテナ本体31には台座ユニット40に対して挿脱されるときに係止爪344cとの干渉で係止部材344を弾性変形させることで当該係止爪344cを係止溝464に嵌り込ませるように誘導する誘導凸条37を設けることにより、簡単な構成でありながらトナーコンテナ30の台座ユニット40に対する挿脱操作に応じてコンテナ本体31の現像剤払出口316aを自動的に開閉させることができ、装置コストの低減化に貢献することができる。
そして、コンテナ本体31には、現像剤払出口316aの側縁を挟んだ状態でコンテナ本体31の挿脱方向(引き出し方向)に延びる幅方向一対のガイド凸条316cが設けられている。
また、コンテナ側シャッタ部材34は、現像剤払出口316aに対応したシャッタ板341と、このシャッタ板341の両側部に形成されたガイド凸条316cに摺接状態で嵌り込んで挟持する幅方向一対の挟持片342とを有している。
そして、負荷付与手段35は、ガイド凸条316cに沿うようにコンテナ本体31に膨設された膨設突起361と、コンテナ本体31が台座ユニット40から挿脱されるに際し挟持片342を弾性変形させるように当該挟持片342に設けられた干渉突片343とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、トナーコンテナ30を台座ユニット40に押し込んでいくと、コンテナ側シャッタ部材34のシャッタ板341は、その幅方向一対の挟持片342がコンテナ本体31の幅方向一対のガイド凸条316cに案内されつつトナーコンテナ30の押し込み方向と反対方向に向けて相対的に移動し、これによってコンテナ本体31の現像剤払出口316aが開放されていく。
そして、コンテナ側シャッタ部材34の相対的移動の途中で挟持片342に設けられた干渉突片343が、負荷付与手段35の他方の構成要素であるコンテナ本体31の膨設突起361に干渉して当該干渉突起が外方に向かって押圧され、これによって挟持片342が弾性変形するため、このときオペレータは、トナーコンテナ30の押込み動作に対して負荷が増大したことを感得するとともに押込み速度が遅くなり、これによって現像剤の飛散が防止される。
このように、負荷付与手段35を、コンテナ本体31のガイド凸条316cに沿うように当該コンテナ本体31に膨設された膨設突起361と、コンテナ本体31が台座ユニット40から挿脱されるに際しコンテナ側シャッタ部材34の挟持片342を弾性変形させるように当該挟持片342に設けられた干渉突片343とを備えて構成することにより、トナーコンテナ30の挿脱操作において、当初の負荷の小さい状態でのコンテナ側シャッタ部材34のコンテナ本体31に対する速やかな相対移動と、移動途中での負荷の増大による緩やかな相対移動との2段階のトナーコンテナ30の移動を容易に実現させることができる。
また、台座ユニット40には、コンテナ本体31が装着された状態で現像剤払出口316aに対向する現像剤受入口461を有した台座46と、コンテナ本体31が台座46に装着されることにより現像剤受入口461を開放する一方、コンテナ本体31が台座46から引き出されることにより現像剤受入口461を閉止する台座側シャッタ部材47と、コンテナ本体31が台座46に装着された状態でコンテナ本体31を引き出し方向に向けて付勢するコイルスプリング474と、コイルスプリング474の付勢力に抗してコンテナ本体31を台座46上に保持させるストッパ481およびこのストッパ481を操作する操作レバー482からなるロック手段48とが設けられている。
かかる構成によれば、コンテナ本体31が台座ユニット40の台座46上に装着されることにより、台座側シャッタ部材47がコンテナ本体31に押圧されて現像剤受入口461を開放するとともに、当該コンテナ本体31は、コイルスプリング474の付勢力により引き出し方向に付勢された状態でストッパ481によって引き出し方向への移動が阻止された状態になっている。
この状態で、操作レバー482を操作することにより、ストッパ481によるコンテナ本体31の引き出し方向に向けた移動阻止が解除されるため、コンテナ本体31は、コイルスプリング474の付勢力により台座46から外方に向かって飛び出してくるとともに、台座46の現像剤受入口461は、台座側シャッタ部材47によって閉止されていく。
このように、コンテナ本体31をコイルスプリング474の付勢力で台座ユニット40の台座46から外方に向かって付勢することにより、トナーコンテナ30が台座46に装着された状態で当該トナーコンテナ30は、手で摘んで引き出さなくても操作レバー482を操作することで自動的に台座46から必要かつ充分押し出されるため、トナーコンテナ30の新旧交換時の交換作業の作業性を向上させることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、本発明が適用される画像形成装置としてプリンタ10が採用されているが、本発明は、画像形成装置がプリンタ10であることに限定されるものではなく、複写機であってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、現像装置として回転式現像装置20が採用されているが、本発明は、現像装置が回転式現像装置20であることに限定されるものではなく、通常の固定式のものであってもよい。
(3)上記の実施形態においては、トナーコンテナ30は、台座ユニット40に挿脱可能に装着されているが、本発明は、トナーコンテナ30を台座ユニット40に装着することに限定されるものではなく、現像装置が回転式現像装置20ではなく、通常の固定式のものである場合には、当該現像装置にトナーコンテナ30を直接装着するようにしてもよい。
(4)図11は、負荷付与手段の他の実施形態を示す一部断面視の説明図であり、図11(A)および図11(B)は、第2実施形態の負荷付与手段35a、図11(C)および図11(D)は、第3実施形態の負荷付与手段35bをそれぞれ示している。なお、図11(A)および図11(C)は、コンテナ本体31が収納ケース39に収納された状態、図11(B)および図11(D)は、コンテナ本体31が収納ケース39から引き出されつつある状態をそれぞれ示している。
まず、第2実施形態の負荷付与手段35aは、図11(A)に示すように、コンテナ本体31が弾性変形しやすい状態で形成されているのに対し、収納ケース39が弾性変形し難い状態で形成されている場合に適用されるものである。かかる負荷付与手段35aは、収納ケース39に対して挿脱方向に延びるコンテナ本体31の一面に形成された干渉突起381と、この干渉突起381と対応するように収納ケース39の内面に形成された膨出部391とからなっている。
前記膨出部391は、干渉突起381より収納ケース39の入口側に寄った位置に設けられているとともに、コンテナ本体31が収納ケース39から引き出されるとき干渉突起381と干渉するように膨出量が設定されている。
なお、コンテナ本体31の干渉突起381が設けられる一面は、底板の下面であってもよいし、側板の外面であってもよいし、天板の上面であってもよい。収納ケース39の膨出部391が設けられる面は、コンテナ本体31の干渉突起381が設けられた面と対向する面である。
かかる構成の負荷付与手段35aによれば、図11(A)に示すように、収納ケース39に収納された状態のコンテナ本体31を当該収納ケース39から引き出していくと、コンテナ本体31の干渉突起381が収納ケース39の膨出部391と干渉し、これによってコンテナ本体31は、図11(B)に示すように干渉突起381が設けられている壁面が弾性変形して凹むため、こときにコンテナ本体31の引き出し動作に対して負荷が加わることになる。
ついで、第3実施形態の負荷付与手段35bは、図11(C)に示すように、コンテナ本体31が弾性変形し難い状態で形成されているのに対し、収納ケース39が弾性変形し易い状態で形成されている場合に適用されるものである。かかる負荷付与手段35bは、収納ケース39に対して挿脱方向に延びるコンテナ本体31の一面に形成された膨出部382と、この膨出部382と対応するように収納ケース39の内面に形成された干渉突起392とからなっている。
前記干渉突起392は、膨出部382より収納ケース39の入口側に寄った位置に設けられているとともに、コンテナ本体31が収納ケース39から引き出されるとき膨出部382と干渉するように膨出量が設定されている。
なお、コンテナ本体31の膨出部382が設けられる一面は、底板の下面であってもよいし、側板の外面であってもよいし、天板の上面であってもよい。収納ケース39の干渉突起392が設けられる面は、コンテナ本体31の膨出部382が設けられた面と対向する面である。
かかる構成の負荷付与手段35bによれば、図11(C)に示すように、収納ケース39に収納された状態のコンテナ本体31を当該収納ケース39から引き出していくと、コンテナ本体31の膨出部382が収納ケース39の干渉突起392と干渉し、これによって収納ケース39は、図11(D)に示すように干渉突起392が設けられている壁面が弾性変形して外側に向かって凸に撓むため、こときにコンテナ本体31の引き出し動作に対して負荷が加わることになる。
そして、これらの実施形態においては、本発明に係る第1の引き出し力は、収納ケース39に収納されたコンテナ本体31を、当該コンテナ本体31の干渉突起381または膨出部382が収納ケース39の膨出部391または干渉突起392に当接するまで引き出すときの人の力である。
(5)上記の実施形態においては、トナーコンテナ30のプリンタ本体11からの引き出し操作時に、トナーコンテナ30側またはプリンタ本体11側の所定の部材を弾性変形させることによってプリンタ本体11から引き出し途中のトナーコンテナ30に負荷を与えるようになされているが、こうする代わりにトナーコンテナ30のプリンタ本体11からの引き出し操作時にトナーコンテナ30等を弾性変形させることなく摺接抵抗を大きくすることで引き出し操作に負荷を与えるようにしてもよい。
具体的には、例えばプリンタ本体11側のガイド部材(上記の実施形態においては円弧板451)の略中央部からトナーコンテナ30の引き出し方向の下流端までの間にゴムなどの摺接抵抗の大きい材料を敷き詰める一方、トナーコンテナ30の底部の引き出し方向下流端に円弧板451と当接する突起を設けるようにしてもよい。こうすることによって、トナーコンテナ30に引き出し操作の前半は、突起が抵抗の小さい円弧板451の上面に摺接して速やかに引き出されるが、引き出し操作の後半では突起が抵抗の大きいゴム等に摺接するため、トナーコンテナ30の引き出し速度が低下させられる。