JP2008132736A - ゴム付きファブリックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーヨンコードのコード強力低下を抑制しながら、ゴム付きファブリックの表面を電子線照射によって半加硫させる。
【解決手段】レーヨンコード2を縦糸としたファブリック材3の両面を、トッピングゴム4により被覆することによりゴム付きファブリック基材6を形成するトッピング工程と、前記ゴム付きファブリック基材6の少なくとも一面Sに電子線を照射する電子線照射工程とを含む。前記ゴム付きファブリック基材6は、レーヨンコード2から前記一面Sまでのトッピングゴム4の被覆厚さTを0.2mm以上とし、しかも電子線の加速電圧を150KV以下とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤのカーカスプライ形成用として好適に使用しうるゴム付きファブリックの製造方法に関する。
空気入りタイヤの骨格をなすカーカスプライは、通常、図5に示すように、タイヤコードaを縦糸としたファブリック材bの両面を、トッピングゴムにてゴム被覆したゴム付きファブリックcを原反として形成される。具体的には、前記ゴム付きファブリックcを、タイヤコードaに対して所望の角度θ(ラジアルタイヤでは75〜90゜程度)で複数の裁断片d1に定寸切りし、しかる後、各裁断片d1を、その非切断側の端縁間同士で順次連結することにより、タイヤコードaが長さ方向に対して前記角度θで配列するカーカスプライ用のプライ材料eが形成されるのである。
他方、生タイヤを金型内で加硫する場合、タイヤ内腔側に高内圧を充填し、生タイヤの外面を金型面に押し付けることにより所定形状で加硫成形される。しかしこのとき、図6に示すように、タイヤ内腔面ts側では、前記高内圧の充填により、インナーライナゴムgの一部がタイヤコードa、a間に入り込む波打ち現象が発生し、インナーライナゴムgに厚さが減じる低厚さ部分g1が形成される。従って、この低厚さ部分g1においも充分なエアーシール性を確保するために、インナーライナゴムg全体のゴム厚さを増す必要があり、タイヤ軽量化の大きな妨げとなっている。
なお前記ゴム付きファブリックcにおいては、近年、その表面に電子線を照射させることが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。この電子線照射の技術を用いれば、ゴム付きファブリックcの表面が半加硫されて粘度が上がるため、加硫成形時のゴム流動を抑えることができる。その結果、インナーライナゴムgの波打ち現象が抑制されるなどインナーライナゴムgの厚さ低減が可能になる。
ここで、乗用車用タイヤや自動二輪車用タイヤでは、カーカスコードに、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステルといった有機繊維コードが多用されている。特にレーヨンコードは、ポリエステルコードなどに比してモジュラス、減衰性に優れているため、タイヤの操縦安定性、振動減衰特性を向上できるという利点があり、その需要は高い。
しかしながらレーヨンコードは、図7に示すように、電子線照射により、ナイロンコード、ポリエステルコードなどに比してコード強力が著しく低下する性質がある。従って、タイヤコードにレーヨンコードを用いたゴム付きファブリックでは、電子線照射を行うことが難しく、タイヤの軽量化等を達成し得ないという問題がある。
そこで本発明は、レーヨンコードを採用した場合にも、そのコード強力の低下を抑制しながら、ゴム表面を電子線照射によって半加硫させうるゴム付きファブリックの製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、レーヨンコードを縦糸として簾織りしたファブリック材の両面がゴム被覆されたゴム付きファブリックの製造方法であって、
前記ファブリック材の両面を、トッピングゴムによりゴム被覆することによりゴム付きファブリック基材を形成するトッピング工程と、
前記ゴム付きファブリック基材の少なくとも一面に電子線を照射して、この一面側のトッピングゴムを半加硫する電子線照射工程とを含むとともに、
前記ゴム付きファブリック基材は、前記レーヨンコードから前記一面までのトッピングゴムの被覆厚さTを0.2mm以上とし、しかも前記電子線照射工程は、電子線の加速電圧を150KV以下としたことを特徴としている。
前記ファブリック材の両面を、トッピングゴムによりゴム被覆することによりゴム付きファブリック基材を形成するトッピング工程と、
前記ゴム付きファブリック基材の少なくとも一面に電子線を照射して、この一面側のトッピングゴムを半加硫する電子線照射工程とを含むとともに、
前記ゴム付きファブリック基材は、前記レーヨンコードから前記一面までのトッピングゴムの被覆厚さTを0.2mm以上とし、しかも前記電子線照射工程は、電子線の加速電圧を150KV以下としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記電子線照射工程は、電子線の吸収線量を5〜50kGyとしたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記ゴム付きファブリックは、タイヤのカーカスプライ形成用であることを特徴としている。
本発明は叙上の如く、レーヨンコードに対するトッピングゴムの被覆厚さ、及び電子線の加速電圧を規制している。その結果、電子線のレーヨンコードへの透過、被爆を抑え、コード強力の低下抑制を図りながら、ゴム表面を半加硫させることが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の製造方法によって形成されゴム付きファブリック1を示す正面図である。
図1に示すように、前記ゴム付きファブリック1は、本例では、タイヤのカーカスプライ形成用のゴム付きファブリックであって、レーヨンコード2を縦糸としたファブリック材3と、このファブリック材3の両面をゴム被覆するトッピングゴム4とにより形成される。
図1に示すように、前記ゴム付きファブリック1は、本例では、タイヤのカーカスプライ形成用のゴム付きファブリックであって、レーヨンコード2を縦糸としたファブリック材3と、このファブリック材3の両面をゴム被覆するトッピングゴム4とにより形成される。
前記ファブリック材3は、周知の織機を用い、タイヤコードであるレーヨンコード2を縦糸として、この縦糸と細い横糸5とで簾織りすることにより形成される。本例では、横糸5がターン方式で織り込まれたものを例示するが、タックイン方式であっても良い。又前記レーヨンコード2としては、特に規制されることがなく、その撚り構造、太さなどは要求するタイヤ性能、使用する部位、目的などに応じて自在に設定される。又横糸5も、例えば10〜30番手の綿糸など、破断強力が13N以下と破断し易い細くて弱い糸が採用される。なお簾織りされた前記ファブリック材3には、通常、トッピングゴム4とレーヨンコード2との接着性を高めるために、例えばRFL等の接着液に浸漬する所謂ディップ処理が施される。
そして本発明の製造方法では、前記ファブリック材3の両面をトッピングゴム4によりゴム被覆することによってゴム付きファブリック基材6を形成するトッピング工程と、このゴム付きファブリック基材6の少なくとも一面Sに電子線を照射して、その一面S側のトッピングゴム4を半加硫させる電子線照射工程とを含む。
前記トッピング工程は、図2に示すように、例えば4本のカレンダロール10を有する周知のトッピング装置11を用いて行うことができる。前記トッピングゴム4としては、電子線照射によって架橋が進行する架橋型ゴムが用いられる。架橋型ゴムとして、例えばイソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、シリコンゴム(Q)、フッ素系ゴム、塩素化ポリエチレン(CPE)などを挙げることができ、この中で、特にIR、NR、BR、SBR等のジエン系ゴムから選択される1種又は2種以上をブレンドしたゴムは、タイヤ性能或いはタイヤ構成部材との接着性等の観点から好適である。
又前記電子線照射工程では、周知の電子線照射装置を用い、前記ゴム付きファブリック基材6の少なくとも一面S、好ましくは両面S,Sに電子線を照射する。
このとき重要なことは、前記トッピング工程において、図3に示すように、ゴム付きファブリック基材6の前記一面Sからレーヨンコード2までのトッピングゴム4の被覆厚さTを0.2mm以上確保するとともに、前記電子線照射工程における電子線の加速電圧を150KV以下に制限することである。これにより、電子線によるレーヨンコード2の被爆を抑えることができ、そのコード強力の低下を抑制しながら、ゴム表面を半加硫させることが可能となる。
これは電子線照射において、電子線の透過深さが、加速電圧が低くなるにつれて著しく低下するという特性があることに基づく。例えば図4には、加速電圧を変化させた場合の、相対線量と比重1の物質への透過深さとの関係が示されている。この図4から明らかなように、例えば加速電圧を150KVの場合、透過深さが0.2mmを越える線量は、全線量の約6%以下である。なおゴムにカーボンブラック等のゴム添加剤を添加した場合のトッピングゴム4の比重は、通常1.0以上である。
従って、前述の如く被覆厚さTを0.2mm以上、かつ加速電圧を150KV以下に制限することで、レーヨンコード2に到達する電子線量を全線量の少なくとも6%以下に減じることができ、レーヨンコード2の電子線によるコード強力低下を効果的に抑制することが可能となる。
なお加速電圧が150KVを越えると、コード強力低下のための被覆厚さTを、従来よりも大幅に高める必要が生じるなど重量増加を招き、タイヤ軽量化等の利点を得ることができなくなる。このような観点から、被覆厚さTの上限は、0.4mm以下、さらには0.3mm以下が好ましく、又加速電圧は130KV以下がさらに好ましい。しかし加速電圧が低すぎると、ゴム層の極表面部分のみ加硫が進行し、他のゴム部材との加硫接着性能が低下し、タイヤの耐久性低下などが懸念される。従って、加速電圧の下限値は50KV以上、さらには80KV以上が好ましい。なお電子線の吸収線量は、5〜50kGyの範囲が好ましく、5kGy未満では、半加硫が不充分となって加硫成形時のゴム流動を充分に抑えることが難しくなる。逆に50kGyを越えると、ゴムの半加硫が進行し過ぎ、ゴムとレーヨンコード2、及びゴムと他のゴム部材との加硫接着性能が低下し、タイヤの耐久性低下などが懸念される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。前記ゴム付きファブリックとして、例えばベルトプライ、ビード補強プライなどカーカスプライ以外のタイヤプライを形成するために使用することができ、さらには例えばコンベヤ用ベルトなどタイヤ以外の物品成用として使用することもできる。
本発明の製造方法に準拠し、レーヨンコードを縦糸としたファブリック材の両面がゴム被覆されたゴム付きファブリック基材の一面に、電子線を照射させたゴム付きファブリックを、表1の仕様に基づいて形成した。前記レーヨンコードとして、撚り構成(1840dtex/2)、コード径0.76mmのものを使用した。そして形成したゴム付きファブリックを解体し、コード1本当たりのコード強力を測定して互いに比較した。
表1に示すように、実施例のゴム付きファブリックでは、吸収線量30kGyの電子線照射を行った場合にも、レーヨンコードにおいて、コード強力が約99%維持されているのが確認できる。
1 ゴム付きファブリック
2 レーヨンコード
3 ファブリック材
4 トッピングゴム
5 横糸
6 ファブリック基材
S 一面
2 レーヨンコード
3 ファブリック材
4 トッピングゴム
5 横糸
6 ファブリック基材
S 一面
Claims (3)
- レーヨンコードを縦糸として簾織りしたファブリック材の両面がゴム被覆されたゴム付きファブリックの製造方法であって、
前記ファブリック材の両面を、トッピングゴムによりゴム被覆することによりゴム付きファブリック基材を形成するトッピング工程と、
前記ゴム付きファブリック基材の少なくとも一面に電子線を照射して、この一面側のトッピングゴムを半加硫する電子線照射工程とを含むとともに、
前記ゴム付きファブリック基材は、前記レーヨンコードから前記一面までのトッピングゴムの被覆厚さTを0.2mm以上とし、しかも前記電子線照射工程は、電子線の加速電圧を150KV以下としたことを特徴とするゴム付きファブリックの製造方法。 - 前記電子線照射工程は、電子線の吸収線量を5〜50kGyとしたことを特徴とする請求項1記載のゴム付きファブリックの製造方法。
- 前記ゴム付きファブリックは、タイヤのカーカスプライ形成用であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム付きファブリックの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006322313A JP2008132736A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | ゴム付きファブリックの製造方法 |
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JP2006322313A JP2008132736A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | ゴム付きファブリックの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2497631A1 (en) | 2011-03-08 | 2012-09-12 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Production method of heavy duty pneumatic tire |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006322313A patent/JP2008132736A/ja active Pending
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