JP2008131795A - 回転電機の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】極数に対応した複数の電流磁界を合算するように電流を与えられる回転電機において、磁極に対応した正弦波電流を合算した複合電流により駆動した場合よりも損失を低減する。
【解決手段】空間磁束密度成分の基本波と、少なくとも1つの高調波とを利用してトルクを発生させる永久磁石を有する回転子(14)を備えた回転電機の制御装置は、各相のステータコイルに複合電流を供給する供給部と、各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さいとき、当該相のステータコイルに通電しないように供給部を制御する制御部とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、空間磁束密度成分の基本波と、少なくとも1つの高調波とを利用してトルクを発生させる永久磁石を有する回転子を備えた回転電機の駆動装置に関する。
近年自動車にも多数用いられている電動モータでは、自動車という用途上、小型化と効率に対して厳しい要求がなされている。現在、電動モータを走行用に搭載した自動車の多くは、エンジンの出力とモータの出力を組み合わせて走行するハイブリッド自動車であり、発電機用途と電動機用途の2つのモータを搭載したものが多く、このようなハイブリッド自動車用モータの小型化・高効率化を実現する手段として、本出願人は複合電流方式の2回転子モータ(特許文献1を参照されたい。)を開発した。
この発明によれば、2つの回転子に対応した電流を合成した1つの複合電流を1つの固定子に給電することで2つの回転子を独立に回転させることが可能であり、1つのモータ体格で2つのモータ分のトルクを発生させることが可能であるとともに、両回転子に合わせて固定子に与えられる電流の平均値は、単純に2つのモータに電流を与えた場合の平均値より低く、電流による損失が低減するという効果がある。
特許第3480301号(段落0010、0011、図1)
しかしながら上述の発明におけるモータは、例えばモータをタイヤの内側に搭載するホイールインモータのような場合、出力先はタイヤ(ホイール)のみを想定しているため、出力軸が2つは必要無く、冗長となる。また、2つの出力軸を結合して1軸にする機構を要する、2つのモータ分のトルクを低い損失で発生させるために2つの回転子を機械的に結合すると小型化できなくなる、といった問題がある。これらの問題を解決するため、異なる複数の磁極数に相当する磁石磁束を、その表面に合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子と、この複数の磁極数に対応した複数の電流磁界を合算し、かつ回転させることができるように電流を与えられる固定子とを備えた回転電機を本出願人は開発している。この回転電機では、1つのモータ体格で2つ分のモータトルクを発生しつつ、電流による損失は2つのモータを独立に回転させる場合より低減することができる。
この回転電機のステータコイルに通電する電流には、特許文献1に述べられているような複合電流を用いる。しかし複合電流は、正弦波電流と比べて電流平均値を下げることができる一方、電流ピークを増加させてしまう。特に、モータ始動時や低回転時などの低周波数領域の駆動条件時では高電流が長時間流れるため、(例えば、インバータで用いるIGBTの素子温度が高温となることにより)損失が大きくなるという問題がある。よって、前記の、磁極数に対応した複数の電流磁界を合算するように電流を与えられる回転電機において、磁極に対応した正弦波電流を合算した複合電流により駆動した場合よりも損失を低減することが求められていた。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による回転電機の制御装置は、
空間磁束密度成分の基本波と、少なくとも1つの高調波と(および、前記基本波と前記高調波とに対応する各磁極数に相当する複数の電流を合成した複合電流が流されるステータコイルの固定子磁束)を利用してトルクを発生させる永久磁石(基本波に対応する磁極数の磁石の第1の組、および、高調波に対応する磁極数の磁石の第2の組を一体化した永久磁石群)を有する回転子を備えた回転電機の制御装置(回路など)であって、
(スイッチ素子(インバータ)をオンオフすることによって直流を交流に変換し、変換した交流電流を使って)各相のステータコイルに複合電流を供給する供給部と、
各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さいとき、当該相のステータコイルに通電しないように前記供給部を制御する制御部(回路など)と、
を有することを特徴とする。
(好適には、電流あたりのトルクが最も小さい相のステータコイルに通電しないように制御する。或いは、電流あたりのトルクが最も小さい相から順に複数の相に通電しないように制御する。)
また、第2の発明による回転電機の制御装置は、
前記回転子の永久磁石の磁束発生(湧き出し)部の前記固定子に対向する側の周方向の長さが、前記回転電機の固定子のステータティースの前記回転子に対向する側の周方向の長さと同じである、
ことを特徴とする。
また、第3の発明による回転電機の制御装置は、
前記制御部は、各相のステータコイルに発生させるべき誘起電圧から計算した複合電流の振幅が所定の範囲内(即ち、所定の絶対値の範囲内)にある相のステータコイルには通電しないように、前記供給部を制御する、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による回転電機の制御装置は、前記制御部が、
各相のステータコイルに通電される複合電流の波形のピーク値(即ち、各相の正側および負側の最大振幅値)を低減し(即ち、目標トルクに応じて求めた値よりも小さくする)、前記ピーク値以外の箇所で、前記ステータコイルに通電する複合電流を増加させる(即ち、目標トルクに応じて求めた値よりも大きくする)ように前記供給部を制御することを特徴とする。
また、第5の発明による回転電機の制御装置は、(回転子位置を検出する検出部をさらに備え、)
前記制御部が、前記回転子の位置に応じて、複合電流波形の低減されたピーク値を変化させる(例えば、フラットになるように低減されたピーク値を一定の傾きで変化させる)ことを特徴とする。
また、第6の発明による回転電機の制御装置は、前記制御部が、前記回転子のトルク感度に応じて(例えばトルク感度マップを参照して)、各相のステータコイルに通電する複合電流の増加時、及び、減少時の電流変化率を変える(即ち、傾きを変える)、ことを特徴とする。
また、第7の発明による回転電機の制御装置は、前記制御部が、前記複合電流に含まれる高調波成分をベクトル制御する(即ち、dq座標系を用いて高調波成分を求める)、ことを特徴とする。
また、第8の発明による回転電機の制御装置は、前記制御部が、前記複合電流の生成にヒステリシスコンパレータを用いる(即ち、通電オフをヒステリシス幅を設けた閾値に基づき判定する)、ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
本発明によれば、磁極数に対応した複数の電流磁界を合算するように電流を与えられる回転電機において、各相のステータコイルに複合電流を供給する供給部と、各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さいとき、前記供給部を制御する制御部により当該相のステータコイルに通電しないようにすることで、磁極に対応した正弦波電流を合算した複合電流により駆動した場合よりも損失を低減することができる。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転電機の1例を説明する概略図である。まず構成を説明する。11は固定子であり、18個の分割されたステータコア12から構成され、18個の分割されたコア12には、それぞれ巻線13が集中的に巻かれている。この巻線は、6個おきに配置されている3個が1セット(X、Y、Z、U、V及びWのトータル6セット)となっており、直列、あるいは並列に接続され、その一方が中性点として他の相の一方と接続され、他方は図示しないインバータの内部で、電源ラインのP側・N側にスイッチング素子を介して接続されている。このインバータは先述のように6相を制御する構成となっている。なお、この固定子は分割されたコアで記述されているが、分割されないコアでも同様の動作ができること、或いはスロットレス型モータでも本発明を適用できることは周知のとおりである。また巻線は集中巻に限らず分布巻でも適用可能である。
14は回転子であり、この実施例では、回転子14は、N極の3つの磁石N1〜N3、S極の6つの磁石S1〜S6を含み、これらの磁石は3極対と6極対の2種類の極対数を備える2組の磁石として機能する。ここで、3極対、6極対の極対数とは回転子が一周(0deg〜360deg)する間に回転子表面に現れる磁束のことである。この場合の2組の磁石は、概念的なものであり、部材が明確に分離されているものではなく、固定子の巻線に供給される複合電流を構成する1つの電流に対して、3極対の磁石のセットとして振る舞う磁石の組が1つあることを意味するものであり、各磁石N1〜3、S1〜6が同時に双方の組の磁石として機能するものである。この詳細については図2を参照して説明する。以降、作図や説明の便宜上、回転子の磁石をN極、S極として図示・説明するが、N−S極の構成・配置を逆に置き換えても発明の作用・効果は同様であることに留意されたい。さらに、N極、S極の磁石は、磁力線の向きが半径方向となるように、着磁方向をそれぞれ半径方向(反対向きで)にした磁石を、N極を外側(固定子側)、S極を内側(回転子側)に配置したものである。この実施例では磁石は着磁方向を半径方向に配置したものを用いているが、この配置には限定されず、磁力線がほぼ半径方向に向いていれば問題なく、例えばV字型の磁石配置であってもよい。
図2は、図1の回転電機の回転子生成説明図である。同図(a)は、2つの回転子構造のモータの回転子であり、外側回転子14Aが6極対、内側回転子14Bが3極対の磁石を備える。この磁石を内側の回転子の表層に2層に配置したものが同図(b)である。同図(b)を見ると、回転子14Cは着磁方向の異なる2種類の磁石(N極、S極)がいくつかの位置で互いに接している。周知のように着磁方向の異なる磁石を張り合わせた場合、どちらかの着磁方向にも磁束が発生しないため、磁石が無いことと等価である。
そこで、径方向に見て異なる着磁の磁石が張り合わせてある部分から磁石を排除したのが同図(c)であり、この回転子14にはN極の磁石N1〜N3,S極の磁石S1〜S6が含まれる。この結果、周囲に曲線で示したような、3極対と6極対の複合磁束CFを発生する回転子14が完成する。なお、本発明は、極性の違う磁石が接触している部分の磁石を除去していない、内側回転子と外側回転子とを一体にした構成である同図(b)の構成で基本的には成立し、小型化、電流低減の効果が得られるものであり、同図(c)と同じ複合磁束CF(図2(b)には図示せず)が発生することに注意されたい。つまり、回転子14Cは、インナー回転子の第1の回転子とアウター回転子の第2の回転子とを一体化した構成の回転子である。もちろん、不要な磁石を除去した同図(c)の構成の方が削除した磁石分の慣性の低減によるトルクの向上、モータの軽量化、削除した磁石の分の経費節減などでさらに効果がある。
図3は、3極対と6極対の回転子を駆動させるための正弦波(振幅1)の各電流、およびこれらを複合させた複合電流の各波形を示す。固定子には前述のように6相のインバータが接続されており、これによって3極対と6極対の回転子磁界に対応した複合正弦波磁束を発生するようにした、図3のような複合電流を与えれば良い。回転子の位置に応じて電流指令を回転・調整させるのは通常のモータと同じであるが、このモータでは両極対に対応する複合磁束を発生させるため、まず、3極対の概念的な磁石の組に対し、3周期の正弦波を発生させるため、インバータを6相と考えて、正弦波1周期を6分割した各位置での電流値を各相の指令値として計算する。一方、6極対の概念的な磁石の組に対し、6周期の正弦波を発生させるため、正弦波1周期を3分割した位置での電流指令値として求め、6相インバータ第1と第4相、第2と第5相、第3と第6相の指令値とする。この後、3極対と6極対の指令値それぞれを足し合わせ、6相インバータの指令値として電流制御を行う。このことにより回転子がトルクを発生し回転する。ここで、トルクは界磁磁束(回転子で発生する磁束)と電流磁束(固定子で発生する回転磁束)の相互作用によって発生するが、これは各々の磁束の基本波成分(この実施例の場合には、3極対と6極対)に対応する。以上が、複合電流により駆動する回転電機の概要である。
図4は、埋め込み磁石型の回転子を備えた回転電機の1例である。同図(a)は全体像、同図(b)は1/8モデルであり、図(a)の回転電機において破線で示したAの部分に相当する。N1〜8、及びS1〜8は永久磁石であり、それぞれN極とS極である。またこれらの永久磁石は、回転子の磁束を増加させるために一般的に行われているV字磁石配置となっている。21は固定子、22はステータコア、23はステータコイル、24は回転子、25はシャフトである。この実施例では、8極対と16極対の2種類の極対数を備えるものとなっている。つまり、同図(b)に示す1/8モデルは、8極対の磁極の電気角1周期を示している。
ここで、同図(b)に示すように、前記回転子の永久磁束の磁束発生(湧き出し)部の、固定子に対向する側の周方向の長さLBは、前記回転電機の固定子のステータティースの前記回転子に対向する側の周方向の長さLTと同じにすることが好適である。
次に図4に示す回転電機を3相駆動する場合に、ステータコイルに通電される複合電流について説明する。ステータコア22のティースU1、V1、W1をそれぞれU相、V相、W相とする。回転子24が図4の位置から反時計方向に45度回転した場合のU相、V相、W相のステータコイルに発生する誘起電圧波形を図5に示す。マグネットトルクを発生させるためには、この誘起電圧波形と同位相の、図6に示す複合電流を通電すればよいが、リラクタンストルクを合算させるため、図7に示した電流を通電する。図6の電流は図7の電流よりも位相が進んでいる。
次に、本発明に係る回転電機のトルク発生動作を説明する。図8は図4の回転電機を駆動するために、各ステータコイルに通電する相電流波形を示している。また、図9は図4の回転電機をリニアモデルにしたものである。すなわち、トルク発生動作の説明を簡単にするため、磁石及びステータティースを平板状に表している。図9(a)は永久磁石とステータティースがすべて対向した位置関係となっている。ここでは、ティースと永久磁石の間で吸引力および反発力は小さいため、ステータコイルに複合電流を通電して励磁しても、瞬時トルクは大きくない。この時、各相の複合電流は図8のaで示す、すべての相電流が低くなっている状態にある。
図9(b)では、永久磁石とステータのティースが非対向な位置関係となっており、この位置関係のとき、磁石の吸引力と反発力が最も大きくなる。このとき各相の複合電流は図8のbで示す、電流が最大となる状態となっており、大トルクが得られる。
このように異なる複数の磁極数に相当する磁石磁束を、その表面に合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子を備えた回転電機の一例として8極と16極を組み合わせた回転子を3相駆動する例を挙げた。上述のように、この回転電機では、大トルクが得られる非対向な位置とトルクが小さい対向位置を繰り返している。
以下では、本発明に係る回転電機の制御方法について説明する。図10は、図4の回転電機の駆動に用いる、各相に通電する複合電流波形である。同図(a)は、従来技術による複合電流波形、同図(b)は、本発明の第1の実施例による複合電流波形である。図(a)をみると、時間T1、T2、T3において、それぞれV相、W相、U相の電流が、他の2つの相に通電する電流よりも小さくなっている。この他の相よりも電流が小さい部分でのトルクは小さいため、回転子の回転に寄与しない。よって、各相に通電する複合電流を、同図(b)のようにすることができる。すなわち、各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さい相のステータコイルには通電していない。好適には、電流あたりのトルクが最も小さい相のステータコイルに通電しないよう、或いは、電流あたりのトルクが最も小さい相から順に複数の相に通電しないようする。従ってこの制御方法では、常に2相のステータコイルのみによって駆動することとなる。
図11は、図4の回転電機の駆動に用いる、各相に通電する複合電流波形である。同図において、細線は従来技術による複合電流波形、太線は本発明の第2の実施例による複合電流波形である。いま図5において、Aで示した領域では誘起電圧波形は歪んでいるため、電流に対するトルク感度は大きくない。よって、図11において矢印で示すように、各相のステータコイルに通電する複合電流のピーク値付近の電流(振幅)を低減させる。すると、ピーク値付近以外の領域、すなわち、トルク感度の大きい領域の複合電流を、ピーク値を低減させた分増加させることができる。すなわち、複合電流波形を太線で示すものにすることができる。ここで、この複合電流は前述の第1の実施例の駆動方法により2相駆動状態であるため、電流ピーク値を制限する制御をしやすいという特徴がある。各相に通電する複合電流を上述のようにすることにより、トルク感度の大きい位置では大きい電流を、トルク感度の小さい位置では小さい電流を通電でき、回転電機の効率のよい駆動が可能となる。
図12は、図4の回転電機の駆動に用いる、各相に通電する複合電流波形である。同図において、細線は従来技術による複合電流波形、太線は本発明の第3の実施例による複合電流波形である。図12に示したCは、電流を制限する閾値を示す。この閾値は、目標トルクに応じて定められるが、一般に瞬時トルクが大きくない範囲を定める。よって、この範囲内にある電流を抑えても、トルクの減少は少ないため、図12に示したように、閾値範囲内にある複合電流を低減させることができる。その結果、トルク感度の大きい領域で、低減させた分だけ電流を増加することが可能となり、回転電機の効率のよい駆動が可能となる。
図13は、図4の回転電機の駆動に用いる、各相に通電する複合電流波形である。同図において、細線は従来技術による複合電流波形、太線は本発明の第4の実施例による複合電流波形である。細線で示す複合電流を通電した場合、図における時間t1での回転子位置と、時間t2での回転子位置とでは、後者の方が電流に対するトルク感度が鈍くなってくる。よって、図内に太線で示した本実施例による複合電流のように、時間t2での電流値を、時間t1での電流値よりも低くしても、回転子のトルクに影響を及ぼさない。よって、図内の太い線で示した複合電流のように、t1からt2の間をある一定の傾きで減少させることにより、効率よくトルクを発生させることができる。なお、上述の複合電流の制御は、あらかじめ作成したトルク感度マップを参照しながら行うことができる。
図11は、本発明を制御する複合電流の波形の一例を示す図である。図において、T4、T5は、一例としてV相電流の上昇時間と下降時間を示している。簡単のため図8を用いて説明すると、時間T4では、回転子の永久磁石がステータティースに対して非対向位置から対向位置へ移動し、時間T5では、対向位置から非対向位置へ移動する。図9を用いて説明したように、本実施例では電流に対するトルク感度が高い位置が、非対向位置から対向位置へ移動する場合と、対向位置から非対向位置へ移動する場合では異なる。よって、この移動位置における電流変化率を、複合電流が増加しトルク感度が大きい、時間T4での移動(非対向位置から対向位置への移動)と、複合電流が減少しトルク感度が小さい時間T5での移動(対向位置から非対向位置への移動)とで図のように変えることによって、トルクに対する通電効率を高めることができる。
次に、本発明の回転電機の制御装置について説明する。図14は、本実施例の制御装置の概略図である。制御装置30は、電流指令値演算部31、電流次数成分演算部32、電流制御部33、インバータ駆動信号生成部34、インバータ35、電流センサ36、回転子位置センサ37、及びモータ(回転電機)を備える。ここで、電流指令値演算部31、電流次数成分演算部32、電流制御部33、及びインバータ駆動信号生成部34が制御部に相当し、インバータ35が供給部に相当する。電流次数成分演算部32及び電流制御部33以外は、通常の3相永久磁石同期モータと同様であるため、説明は省略し、ここでは上記2つについて説明する。電流次数成分演算部32は、電流指令演算部31から送られたdq軸の電流指令値i、iに基づいて、高調波成分の電流値を演算する。図11〜13で示した、回転電機を駆動する複合電流波形をフーリエ解析すると、8極対、16極対に対応する電流成分の他に、高調波成分が抽出できる。なお、目標トルクや速度に応じて複合電流波形は変わるため、マップなどによりあらかじめ、トルク・速度と電流次数成分の関係を用意しておき、電流次数成分演算部32によりdq軸電流の高次成分を求める。どの次数まで制御に含めるかは演算機の速度、制御の制度、回転子回転数などによって変化する。電流制御部33は、高調波電流を含めた電流制御部である。この制御部及び制御方法に関しては本出願人が特開2002−223600号公報で提案しており、この方法を高次成分まで拡張したものとなる。
図15は、本実施例の制御装置の概略図である。制御装置40は、電流指令値制御部41、インバータ駆動信号生成部42、インバータ43、電流センサ44、及び回転子位置センサ45を備える。ここで、電流指令値制御部41及びインバータ駆動信号生成部42が制御部に相当し、インバータ43が供給部に相当する。電流指令値制御部41は、トルク指令値より各相の電流駆動パターンを決定し、電流通電開始ロータ位置θon、電流通電終了位置θoff、電流上限i、電流下限iを演算し、インバータ駆動信号生成部へ送る。θon、θoff、i、及びiの概略図を図16に示す。このように、インバータの通電オフを、ヒステリシス幅を設けた閾値に基づき判定する、ヒステリシスコンパレータを用いることにより、上述した実施例における所望の矩形波波形を有する複合電流の生成が可能となる。
上述したように、本発明のように電気角1周期に対して各相の1/3の時間電流がゼロ制限されるため、インバータのスイッチング損失を低減することができ、また、電流ピークを抑えることが容易となるため、さらにスイッチング損失の低減が図れる。
上述した実施例では、回転電機を3相駆動した場合について述べたが、6相駆動の場合でも同様に本発明を適用できる。まず、図4に示した回転電機を6相駆動すると、ステータコイルに通電する複合電流波形は図17のようになる。この波形へ、各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さい相のステータコイルには通電しないという第1の発明を適用すると、各相に通電する複合電流は、図17で示すものとなる。他の発明も同様に、6相駆動にも適用できる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
本発明に係る回転電機の1例を説明する概略図である。 図1の回転電機の回転子生成説明図である。 3極対と6極対の回転子を駆動させるための正弦波の各電流、及びこれらを複合させた複合電流の各波形を示す。 埋め込み磁石型の回転子を備えた回転電機の1例である。 図4の位置から反時計方向に45度回転した場合に各相のステータコイルに発生する誘起電圧波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 回転電機のリニアモデルである。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 ステータコイルの各相に通電する複合電流波形である。 本発明による回転電機の制御装置の概略図である。 本発明による回転電機の制御装置の概略図である。 ヒステリシスコンパレータの駆動信号波形の1例である。 回転電機を6相駆動した場合に、ステータコイルの各相に通電する電流波形である。
符号の説明
11 固定子
12 ステータコア
13 巻線
14 回転子
N1〜N8 磁石(N極)
S1〜S8 磁石(S極)
21 固定子
22 ステータコア
23 ステータコイル
24 回転子
25 シャフト
U1、U2 ステータティース
V1 ステータティース
W1 ステータティース
30 制御装置
31 電流指令値演算部
32 電流次数成分演算部
33 電流制御部
34 インバータ駆動信号生成部
35 インバータ
36 電流センサ
37 回転子位置センサ
40 制御装置
41 電流指令値制御部
42 インバータ駆動信号生成部
43 インバータ
44 電流センサ
45 回転子位置センサ
dq軸の電流指令値
dq軸の電流指令値
θon 電流通電開始ロータ位置
θoff 電流通電終了位置
電流上限
電流下限

Claims (8)

  1. 空間磁束密度成分の基本波と、少なくとも1つの高調波とを利用してトルクを発生させる永久磁石を有する回転子を備えた回転電機の制御装置であって、
    各相のステータコイルに複合電流を供給する供給部と、
    各相において電流あたりのトルクが他相よりも小さいとき、当該相のステータコイルに通電しないように前記供給部を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする回転電機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の回転電機の制御装置において、
    前記回転子の永久磁石の磁束発生部の前記固定子に対向する側の周方向の長さが、前記回転電機の固定子のステータティースの前記回転子に対向する側の周方向の長さと同じである、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部は、各相のステータコイルに発生させるべき誘起電圧から計算した複合電流の振幅が所定の範囲内にある相のステータコイルには通電しないように、前記供給部を制御する、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  4. 請求項1または2に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部が、各相のステータコイルに通電される複合電流の波形のピーク値を低減し、前記ピーク値以外の箇所で、前記ステータコイルに通電する複合電流を増加させるように前記供給部を制御する、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  5. 請求項4に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部が、前記回転子の位置に応じて、複合電流波形の低減されたピーク値を変化させる、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部が、前記回転子のトルク感度に応じて、各相のステータコイルに通電する複合電流の増加時、及び、減少時の電流変化率を変える、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部が、前記複合電流に含まれる高調波成分をベクトル制御する、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置において、
    前記制御部が、前記複合電流の生成にヒステリシスコンパレータを用いる、
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
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