JP2007151236A - 同期電動機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれの組が異なる磁極数で構成される複数の磁石の組(N,S,N1-N3,S1-S6)に相当する複数の磁石磁束を合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子(14)を備えた同期電動機を提供する。本構成によって、モータを小型化し、電流による損失を2つの回転子を独立に回転させる場合よりも低減することができる。
【選択図】図1
Description
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明に同期電動機は、
それぞれの回転子まわりの磁極数が異なる磁石の組に相当する複数の磁石磁束を合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子を備えたものである。即ち、それぞれの組が異なる磁極数で構成される複数の磁石の組に相当する複数の磁石磁束を(例えば、固定子側であるエアギャップ側の表面に)合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子を備えたものである。この磁束発生部材には、それを構成する複数の磁石の各組に、別個に作用する電流を複数含む複合電流が供給されることとなる。複合電流とは、例えば、第1の磁石の組が2極対の磁極数ならそれに対応した第1の電流と、第2の磁石の組が4極対の磁極数ならそれに対応した第2の電流とが合成されたものである。なお、この回転子は、この複数の磁極数に対応した複数の電流磁界を合算し、かつ回転させることができるように電流を与えられる固定子と組み合わせて使用される。
前記磁束発生部材が永久磁石である、ことを特徴とする。
前記磁束発生部材が電磁石である、ことを特徴とする。この場合は、回転子と固定子の間には電磁石に電流を供給するスリップリングを設ける。
前記複数の磁石の組が2組であり、これら組同士の磁極数の比が1:N(但し、Nは2以上の整数)であり、
前記同期電動機を構成する固定子が、回転磁界を発生する複数の巻線を有し、
前記複数の巻線の数が、前記2組の磁石のうち極対数が多い方の組の極対数の3倍であり(例えば、スロット構造モータの場合には極対数の3倍のスロット数となる)、前記巻線が前記Nの3倍の数の相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする同期電動機。
前記2組の磁石が、一方の組が3極対の磁極数であり、他方の組が6極対の磁極数であり、前記巻線の数が18個であり(例えば、スロット構造モータの場合には18個のスロットに収容される18個の巻線、即ちコイル)、これら巻線が6相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする。
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が4極対の磁極数であり、前記複数の巻線の数が12個であり(例えば、スロット構造モータの場合には12個のスロットに収容される12個の巻線)、これら巻線が6相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする。
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が6極対の磁極数であり、
前記複数の巻線の数が18個であり、これら巻線が9相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする。
前記複数の磁石の組が2組あり、これら組同士の磁極数の比が1:M(但し、Mは2以上の整数であり、3および3の倍数を除く)であり、
前記同期電動機を構成する固定子が、回転磁界を発生する複数の巻線を有し、
前記複数の巻線の数が、前記2組の磁石のうち極対数が少ない方の組の極対数の3倍であり、これら巻線が3相のインバータで駆動され、
前記磁石の各組の各磁極数に対応した複数の電流磁界が、基本波およびその高調波として与えられる、
ことを特徴とする。
前記組同士の磁極数の比が1:2であり(例えば、3極対:6極対であり、固定子が9スロット構造を持ち3相のインバータで駆動される巻線を備えるように構成させる)
ことを特徴とする。
前記2組の磁石が、一方の組が8極対の磁極数であり、他方の組が16極対の磁極数であり、
前記複数の巻線の数が24個であり、これら巻線が3相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする。
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が8極対の磁極数であり、前記巻線の数が6個であり(例えば6スロット構造の固定子)、これら巻線が3相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
特に、このようなモータ小型化によって、本発明によるモータは電動車両のホイールインモータとしての利用が期待される。また、同様の性能を発揮させるために「従来の1軸式モータ1台」を大型化したものより、本発明によるモータは、モータ筐体が著しく小型化され、電流損失も小さい。
また、第3の発明では、前記磁束発生部材を電磁石とすることで、高価な永久磁石を不要とし、また界磁を抑えて誘起電圧を下げるなどによって高回転化を可能とすることができる。
また、第10の発明では、磁石の各組の磁極数を8極対と16極対とし、固定子に含まれる巻線を24個(例えば24スロット構造)とし、これら巻線を3相のインバータで駆動することで、インバータ・給電線コストを減らした上で極数が少なく、高回転に向いたモータを具体化することができる。
第1の実施例
図1は、本発明の第1の実施例による同期電動機の構成を示す断面図である。まず構成を説明する。11は固定子であり、18個の分割されたコア12から構成され、18個の分割されたコア12には、それぞれ巻線13が集中的に巻かれている。この巻線は、6個おきに配置されている3個が1セット(トータル6セット)となっており、直列、あるいは並列に接続され、その一方が中性点として他の相の一方と接続され、他方は図示しないインバータの内部で、電源ラインのP側・N側にスイッチング素子を介して接続されている。このインバータは6相を制御する構成となっている。なお、この固定子は分割されたコアで記述されているが、分割されないコアでも同様の動作ができること、或いはスロットレス型モータでも本発明を適用することが可能である。また、巻線は集中巻に限らず分布巻でも適用可能である。
図5は、本発明の第2の実施例による同期電動機の構成を示す断面図であり、2極対・4極対の回転子に12スロット6相の固定子31を組み合わせたものである。固定子31は、12個のコア32、12個の巻線33を有する。回転子34の両極対の位相差は図6の通りであり、先の説明と同じ計算過程を経て22.5°に設定してある。図6の回転子34Aは、図5の回転子34と等価のものであるが、前述のように回転子34Aでも本発明は成り立つ。回転子34に設けてある磁石はN極の4つの磁石N31〜N34、S極の2つの磁石S31,S32である。動作などは第一の実施例と同じであるが、極対数が小さく制御周波数が低くなるので、第一の実施例に比べて高回転動作に向いたモータが実現できる。
図7は、本発明の第3の実施例による同期電動機の構成を示す断面図であり、2極対・6極対の回転子44に18スロット9相の固定子41を組み合わせたものである。固定子41は、18個のコア42、18個の巻線43を有する。図8の回転子44Aは、図7の回転子44と等価のものであるが、前述のように回転子44Aでも本発明は成り立つ。回転子44に設けてある磁石はN極の4つの磁石N41〜N44、S極の4つの磁石S41〜S44である。回転子41の両極対の位相差は図8の通りであるが、この場合は絶対値ピークが最小になる位相と絶対値平均値が最小にあるケースが異なっており、今回は電流絶対値平均値が最小になるように回転子の極対は45°ずらしてある。動作などは第一の実施例と同じである。この実施例では極対数比が1:3なので3次高調波磁束を回転子に発生させる必要があるが、1次と3次の複合波形は台形に近い形であり発生させるのが容易となる。また極対数の差が大きいので、低負荷において高回転では2極対、低回転では6極対だけに対応した電流を与えるなどによって電流による磁束の周波数を下げ、電流による鉄損を低減できるなどの効果がある。
図9は、本発明の第4の実施例による同期電動機の構成を示す断面図であり、3極対・6極対の回転子54に12スロット3相の固定子51を組み合わせたものである。固定子51は、12個のコア52、12個の巻線53を有する。回転子54に設けてある磁石はN極の3つの磁石N51〜N53、S極の6つの磁石S51〜S56である。回転子54の両極対の位相差は第1の実施例と同じである。この実施例では、3相インバータを用いているところが第1の実施例と大きく異なり、3相インバータにより3極対への回転磁束を発生させるとともに、6極対用の回転磁束を3極対用の2倍高調波として発生させる高調波制御手法(例えば、特開2002-223600号公報を参照されたい。)により制御するものである。この高調波制御手法は、基本波と異なる回転座標系を定義し、その座標系上で電流を制御するものであり、基本波の整数倍の高調波であれば制御できるはずであるが、3相インバータを使うことから、3の倍数の次数に当たる高調波は、3相に与える高調波成分がすべて同一位相の電流となってしまうため制御できない。したがって3の倍数以外の次数の高調波であれば制御することが可能となる。先の実施例では6相のインバータが必要だったのに対し、この実施例では3相で済むことから、インバータの構成が簡素化でき、またモータ・インバータ間の給電線が6本から3本に減少することでモータ及びインバータのコストを下げることができる。
図10は、本発明の第5の実施例による同期電動機の構成を示す断面図であり、2極対・4極対の回転子64に6スロット3相の固定子61を組み合わせたものである。固定子61は、6個のコア62、6個の巻線63を有する。回転子64に設けてある磁石はN極の4つの磁石N61〜N64、S極の2つの磁石S61、S62である。回転子64の磁石の構成は第2の実施例と同じ、制御方法は第4の実施例と同じである。この実施例によれば、第4の実施例と同様にインバータ等のコストを下げると同時に、極対数が小さく制御周波数が低くなるので、第4の実施例に比べて高回転動作に向いたモータが実現できる。
図11は、本発明の第6の実施例による同期電動機の構成を示す断面図であり、2極対・8極対の回転子74に6スロット3相の固定子71を組み合わせたものである。固定子71は、6個のコア72、6個の巻線73を有する。回転子74に設けてある磁石はN極の4つの磁石N71〜N74、S極の6つの磁石S71〜S76である。回転子の磁石の構成は図12に示す通りであり、ここでは位相を33.75°ずらしてある。制御方法は第4の実施例と同じである。図12の回転子74Aは、図11の回転子74と等価のものであるが、前述のように回転子74Aでも本発明は成り立つ。この実施例によれば、第4の実施例と同様にインバータ等のコストを下げると同時に、第3の実施例と同様に極対数の差が大きいので、低負荷において高回転では2極対、低回転では6極対だけに対応した電流を与えるなどによって電流による磁束の周波数を下げ、電流による鉄損を低減できるなどの効果がある。
12 コア
13 巻線
14、14A 回転子
31 固定子
32 コア
33 巻線
34、34A 回転子
41 回転子
42 コア
43 巻線
44、44A 回転子
51 固定子
52 コア
53 巻線
54 回転子
61 固定子
62 コア
63 巻線
64 回転子
71 固定子
72 コア
73 巻線
74、74A 回転子
N1-N3、S1-S6 磁石
N31-N34、S31,S32 磁石
N41-N44、S41-S44 磁石
N51-N53、S51-S56 磁石
N61-N64、S61、S62 磁石
N71-N74、S71-S76 磁石
Claims (11)
- それぞれの回転子まわりの磁極数が異なる磁石の組に相当する複数の磁石磁束を合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子を備えた同期電動機。
- 請求項1に記載の同期電動機において、
前記磁束発生部材が永久磁石である、ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項1に記載の同期電動機において、
前記磁束発生部材が電磁石である、ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の同期電動機において、
前記複数の磁石の組が2組であり、これら組同士の磁極数の比が1:N(但し、Nは2以上の整数)であり、
前記同期電動機を構成する固定子が、回転磁界を発生する複数の巻線を有し、
前記複数の巻線の数が、前記2組の磁石のうち極対数が多い方の組の極対数の3倍であり、前記巻線が前記Nの3倍の数の相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項4に記載の同期電動機において、
前記2組の磁石が、一方の組が3極対の磁極数であり、他方の組が6極対の磁極数であり、前記複数の巻線の数が18個であり、これら巻線が6相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項4に記載の同期電動機において、
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が4極対の磁極数であり、前記複数の巻線の数が12個であり、これら巻線が6相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項4に記載の同期電動機において、
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が6極対の磁極数であり、前記複数の巻線の数が18個であり、これら巻線が9相のインバータで駆動される、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の同期電動機において、
前記複数の磁石の組が2組あり、これら組同士の磁極数の比が1:M(但し、Mは2以上の整数であり、3および3の倍数を除く)であり、
前記同期電動機を構成する固定子が、回転磁界を発生する複数の巻線を有し、
前記複数の巻線の数が、前記2組の磁石のうち極対数が少ない方の組の極対数の3倍であり、これら巻線が3相のインバータで駆動され、
前記磁石の各組の各磁極数に対応した複数の電流磁界が、基本波およびその高調波として与えられる、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項8に記載の同期電動機において、
前記組同士の磁極数の比が1:2である、ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項8に記載の同期電動機において、
前記2組の磁石が、一方の組が8極対の磁極数であり、他方の組が16極対の磁極数であり、
前記複数の巻線の数が24個である、
ことを特徴とする同期電動機。 - 請求項8に記載の同期電動機において、
前記2組の磁石が、一方の組が2極対の磁極数であり、他方の組が8極対の磁極数であり、前記巻線の数が6個である、
ことを特徴とする同期電動機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008131795A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-06-05 | Nissan Motor Co Ltd | 回転電機の駆動装置 |
JP2010183655A (ja) * | 2009-02-03 | 2010-08-19 | Nissan Motor Co Ltd | 回転電機 |
JP2016171625A (ja) * | 2015-03-11 | 2016-09-23 | パナソニック株式会社 | モータ、該モータを備えるモータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004242424A (ja) * | 2003-02-06 | 2004-08-26 | Yaskawa Electric Corp | 永久磁石形モータ |
-
2005
- 2005-11-24 JP JP2005338874A patent/JP5261871B2/ja not_active Expired - Fee Related
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