JP2008131732A - 回転子の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転子を軸受け無しで、固定子に設けたコイルで浮上させて回転する。
【解決手段】固定子と、該固定子の円弧状の内周面に沿って周方向に間隔をあけて配置された複数のコイルと、前記固定子の内周側に回転および移動自在に不支持に位置されると共に、周方向にN極とS極を交互に有する回転子と、前記各コイルに交流電流を給電する電源手段を備え、前記電源手段から各コイルへの給電により前記回転子との間に発生させる反発方向の磁界で、前記回転子を固定子から隙間をあけて保持しながら回転させる構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転子の駆動装置に関し、詳しくは、回転子を固定材で軸受け支持することなくフリーな状態とし、固定子側のコイルで浮上させて回転させるものである。
従来、回転力を得る駆動手段としてはモータが用いられている。モータの構造は、例えば、特開2005−237175号公報(特許文献1)に示すようにステータとロータからなり、ステータ側の電機子コイルに通電することで、回転磁界を発生させて永久磁石あるいは電磁石を備えたロータを回転させ、回転力をロータに接続された負荷に伝達する構成とされている。この種のモータでは、円環状のステータの内部にロータが軸受で回転自在に支持されている。
しかしながら、軸受によりロータの支軸を支持すると、軸受とロータの支軸とが摺接することで軸受が磨耗したり、振動、騒音が発生する問題がある。
そこで、近年では、ロータを非接触で支持する磁気軸受が提供されている。例えば、特開2000−314421号公報(特許文献2)では、図7に示すように、回転可能なロータ1の内側に取りつけられたロータ磁石2と、これに対向するハウジング外縁部3に取り付けられたステータコイル4との間で回転力を発生させてロータ1を回転させる一方、ロータ1に固定された磁石5とハウジング外縁部3に固定された磁石6を軸受として用い、磁石間の磁力の作用によりロータ1を軸方向に支持している。
特開2005−237175号公報 特開2000−314421号公報
しかし、特許文献2では、磁気軸受のために磁石などの軸受用部材を別体で設けなくてはならず、部品点数が増加し駆動装置が大型化するという問題がある。
また、前記特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、ロータは固定側で機械的あるいは磁気的に軸受されているため、ロータの回転位置は定められている。
回転させながら移動させることが必要な場合、ロータを固定側に対してフリーな状態で回転させながら移動させることが必要となり、さらには、ロータが回転時に接触摩擦等により移動する場合、該ロータの回転移動に伴いコイルを取り付けたステータ側を移動させることが要望される場合もある。
しかしながら、従来の回転子の駆動装置では、前記要望を達成する駆動装置は提供されていない。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、回転子を固定材で軸受支持することなく、固定材から浮上させて回転させ、さらに、回転移動可能な構成とする回転子の駆動装置を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
固定子と、
前記固定子の円弧状の内周面に沿って、周方向に間隔をあけて配置された複数のコイルと、
前記固定子の内周側に、回転および移動自在に不支持に位置されると共に、周方向にN極とS極を交互に有する回転子と、
前記各コイルに交流電流を給電する電源手段を備え、
前記電源手段から各コイルへの給電により前記回転子との間に発生させる反発方向の磁界で、前記回転子を固定子から隙間をあけて保持しながら回転させる構成としている回転子の駆動装置を提供している。
具体的には、例えば、前記複数のコイルは夫々単相コイルからなると共に、各コイルに給電する前記電源手段は単相交流電源からなり、かつ、前記回転子は少なくとも90度間隔で外周面に前記N極とS極とを交互に設けた永久磁石を備えたものとしている。
また、前記回転子の1つの磁極に対して、前記固定子側に周方向に隣接配置する3つのコイルの磁界が作用する位置設定とすることが好ましい。
本発明の回転子の駆動装置では、前記のように、固定子に配置した各コイルに電源手段により給電した交流電流により、回転子の磁極に対向するコイルの回転子側端を回転子の磁極(例えば、N極)と同じ磁極(N極)として、反発力を生じる磁界を発生させて、回転子が軸受なしで、固定子より非接触で浮上させている。
また、回転子の反回転方向(回転遅れ方向)に位置するコイルの回転子側端を回転子の磁極(N極)と同じ磁極(N極)に励磁として反発力を生じさせて、回転子を回転方向へ回転させている。かつ、回転子の回転方向(回転進行方向)に位置するコイルの回転子側端は、該コイルが対向する回転子のS極と同極性に励磁されてS極となっているため、この回転方向側のコイルのS極との間に吸引力を生じ、回転子を所要方向に回転されることとなる。
このように、回転子は固定子側のコイルとの反発力で、軸受なしで固定子より隙間をあけて、即ち、浮上した状態で保持できると共に、回転子の回転方向の前後の固定子側のコイルと間の反発力と吸引力とで回転子を回転させることができる。
よって、前記回転子に被作動材を連結すると、電源と接続して固定子(固定材)に取り付けたコイルから分離した状態で、作動材を回転子と連動させて、回転および回転移動させることが可能となる。
前記電源手段は、各単相コイルに第1交流電流と第2交流電流を給電し、前記第1交流電流で単相コイルの回転子側端を、対向する回転子の磁極と同極性に励磁して、前記回転子を固定子側より浮上させると共に、前記第1交流電流と位相をずらせた前記第2交流電流で前記回転子を回転させる構成としていることが好ましい。
即ち、第1交流電流を単相コイルに流して回転子側端を、回転子の磁極と同極性に励磁することで、回転子と単相コイルとの間に径方向の反発力を発生させ、回転子を浮上させることができる。なお、第1交流電流の振幅の大きさに比例して反発力は強くなるため、第1交流電流の振幅は回転子が浮上できる大きさとしている。
ついで、各単相コイルに第1交流電流と位相がずれた第2交流電流を流すと、該回転子の反回転方向に隣接して位置する単相コイルが回転子の磁極と同極性に励磁され、回転子の前記磁極と該単相コイルの磁極との間に回転方向への反発力が発生し、回転子を所要の回転方向に回転させることができる。
なお、第2交流電流の振幅の大きさを大きくすることで、回転方向の反発力を大きくして回転力を大きくすることができる。回転子に大きい負荷が接続された場合には、第2交流電流の振幅を調節して回転力を大きくし、負荷を駆動することができる。
このように、本発明の回転子の駆動装置は、固定子の周方向に配置する複数のコイルの磁気範囲内に回転子を配置し、前記コイルに交流電流を流すことで、回転子の浮上と回転を行うことができる。よって、特許文献2では回転子を浮上させるためのコイルと回転させるためのコイルを別に設けているが、本発明では浮上と回転用のコイルを共用化することができる。
このように、回転子を支持するための軸受を不要としているため、駆動装置を小型化できると共に、軸受を用いた場合に発生した振動や騒音、磨耗の問題を解消することができる。
前記固定子の上方に前記回転子を配置し、該回転子を浮上させて回転させている。
あるいは、前記回転子を固定面に回転自在に載置すると共に、該回転子の上方に前記固定子を配置し、該回転子は固定面上での回転で移動され、該回転子の回転移動に伴って前記固定子を移動させる構成とすることもできる。
回転子を固定材の軸受で軸受した場合は、回転子の回転位置は定められるが、本発明では、回転子は軸受なしで、固定材側とはフリーな状態としているため、回転子の回転移動も可能となる。
即ち、回転子が他部材と接触して回転し、接触摩擦等で移動する場合、この回転移動する回転子の移動に伴い、コイルを取り付けた固定子側を反発力で浮上させながら移動させることができる。
逆に、前記固定子が移動すると、前記コイルと回転子との間に発生させる前記吸引力と反発力により、前記固定子の移動に伴い回転子を固定子とは非接触で回転移動させることができる。
前記固定子は必ずしも円環形状とする必要はなく、内周面は半円状とし、該半円状の内周面に沿って前記複数のコイルの回転子側端を位置させてもよい。
前記コイルは超電導コイルから形成することが好ましい。
本発明の固定子側に設けたコイルと、回転子との間の隙間は隙間が大きくなるとコイルと回転子間の磁界が反比例して減少する。超電動線でコイルと形成すると強力な移動磁界を発生させることができ、固定子のコイルと回転子との隙間を大きくすることができる。
なお、コイルは常電導線でも良いが、この場合、コイルに鉄芯を備えたものとすることが好ましい。
さらに、前記回転子の位置検出手段を備え、検出された回転子の位置により各単相コイルへの給電を制御して、前記回転子と固定子間に所要の隙間が形成されるように各コイルの回転子側端の励磁状態を制御していることが好ましい。
該構成とすることで、回転子が回転作動時に固定子と接触するのを防止できると共に、回転子の軸線を一定位置に保持して、該回転子を被作動部材と連結する場合、該被作動部材を位置ずれなく作動させることができる。
本発明の回転子の駆動装置は、前記回転子を自動車のタイヤに固定する一方、前記固定子を車体側のタイヤハウス等に固定して、自動車のタイヤの回転駆動装置として用いることができる。
この場合、タイヤに固定した回転子が、車体側に固定したコイルとの間に発生する磁界で回転させると共に回転子とコイルとの間の反発力で車体を浮上させることとなる。
前記した自動車の駆動装置とすると、タイヤは地面と接触して回転し、この接触摩擦により走行し、タイヤに固定した回転子は回転しながら移動する。これに対して車体は、タイヤに固定した回転子との間の反発力で浮上し、かつ、回転子の移動に追従して浮上しながら移動する。
このように、タイヤに固定した回転子を車体側のコイルにより、タイヤを車体と非接触に回転させて走行させることができるため、従来のエンジンの動力でタイヤを回転駆動する自動車と比べて、エンジンの動力をタイヤに伝達するギアやシャフトなどが不要となるため、自動車の駆動効率を向上させることができる。
さらに、本発明の回転子の駆動装置は、前記回転子は換気ファンのファンとして設けると共に、前記固定子は前記ファンの外周を囲む環状の固定フレームとして設け、該固定フレーム内に軸受け無しのファンを備えたファン駆動装置として用いることができる。
この場合、ファンは中心軸部から周方向に90度間隔をあけて突出させた4枚の羽根を備え、各羽根の外周面に前記したS極とN極とを交互に設けた配置とする一方、ファンを囲む円環状の固定フレームの外周面にコイルを周方向に所定の間隔をあけて配置し、これらコイルに交流電流を給電することで、ファンを軸受無しで回転させることができる。
其の際、ファンと固定フレームとの間に発生させる磁界で反発方向の力を大とすることで軸受け無しのファンを高速回転させることができると共に、固定フレーム側からファンに対する吸引方向の磁界の強度を増加することで、吸込空気に対しても固定フレームから離脱することなくファンの回転を持続することができる。
上記換気ファンは例えばトンネルの中の換気用ファン等に好適に用いることができる。
さらに、前記換気ファンと同様な機構となるジュット機の主推進器にも利用できる。其の際、例えば、燃料電池等で発電し、その電力でジェットエンジン部分に設けられた軸無しファンを高速回転させ、推進力を得る構成とすることができる。
前述したように、本発明の回転子の駆動装置によれば、固定子に取り付けた複数のコイルに交流電流を供給し、これらコイルと回転子の磁極との間に反発方向の磁界を発生させることで、回転子を軸受けで支持することなく、固定子と非接触で浮上させて回転させることができる。即ち、回転子の軸受機構を不要とした駆動装置とすることができる。
また、回転子を軸受なしとしてフリーな状態で回転駆動できるため、回転子を回転させながら移動させることも可能となり、該回転子の回転移動に固定子側を追従させることができる。逆に、固定子側を移動させて回転子も追従させて移動させることもできる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に、本発明の第1実施形態の回転子を浮上させた状態で回転駆動させる装置を示す。
図1に駆動装置10の概略的な構成を示し、固定子14の上面に半円状とした凹部を設け、その内周面14aに沿って、周方向に等間隔をあけて5個の単相コイル11(11A〜11E)を配置している。
一方、前記固定子14の内周面14aに沿って回転子12を配置している。回転子12は軸受等で支持せず、回転および上下方向等の移動も自由なフリーな状態としている。図1では、単相コイル11に通電して回転子12を浮上した状態で示している。
前記回転子12はローラ形状で、図1(A)に示すように、その外周面に90度間隔をあけて永久磁石を配置して、N極とS極の4極(N−1,S−1,N−2,S−2)を交互に設けている。
なお、図1(B)、(C)のように永久磁石を配置して、外周面に90度間隔をあけて前記N−1,S−1,N−2,S−2を設けてもよい。
前記固定子14側に設置する5つの単相コイル11(11A〜11E)は、浮上させる回転子12の中心Pを中心とした仮想円C上に、周方向に等ピッチで配置し、かつ、回転子12の1つの極、図示の例では、S−1に対して3つの単相コイル11(11B、11C、11D)の磁界が作用する角度設定で配置している。
即ち、図2(A)に示すように、単相コイル11を30度間隔をあけて配置し、半円状の内周面14aの一端と回転子12との中心Pを結ぶ線を基準線(角度0度)とし、他端を180度とすると、単相コイル11Aは30度位置、単相コイル11Bは60度位置、単相コイル11Cは90度位置、単相コイル11Dは120度位置、単相コイル11Eは150度位置としている。
前記各単相コイル11A〜11Eは夫々単相交流電源13A〜13Eと接続している。
該単相交流電源13A〜13Eから各単相コイル11A〜11Eに、第1交流電流I1と第2交流電流I2とを組み合わせた交流電流を給電している。
前記第1交流電流I1で単相コイル11の回転子側端を、対向する回転子12の磁極と同極性に励磁して、回転子12を固定子14側より浮上させ、時間的にずらせて第2交流電流を給電して位相差を発生させ、第2交流電流I2で回転子12の回転方向と反対方向に隣接する単相コイルを同極性に励磁し、反発力により回転体を回転させる構成としている。
本実施形態では、各単相コイル11A〜11Eは超電導線で形成し、よって、固定子14は超電導温度に冷却された冷媒を充填した冷却容器としている。
次に、前記各単相コイル11への給電により回転子12を浮上させて回転させる動作原理について図2、図3に基づいて詳述する。
図2(A)に示すように、回転子12を前記0度位置から180度位置へと向けて図中矢印X方向の反時計回りに回転させるようにしている。
まず、時間t=0において、図2(A)に示すように、回転子12のN−1極、N−2極が水平方向(0度及び180度)にある場合、回転子12の各磁極の回転方向の位置の極性を図2(B)のように表すことができる。
この状態で、単相交流電源13A〜13Eは各単相コイル11A〜11Eに第1交流電流I1を流し、図2(C)に示すように、各単相コイル11A〜11Eの回転子側先端に、対向している回転子12の磁極と同じ極性に励磁する。
即ち、回転方向90度の位置では、図2(B)に示すように回転子12のS−1極に対向する単相コイル11Cに、図2(C)に示すようにS極に励磁する。この第1交流電流I1により、回転子12のS−1極と単相コイル11CのS極との間に径方向の反発力が発生する。第1交流電流I1の振幅の大きさに比例して、単相コイル11Cで発生する磁界の強さk1が大きくなり反発力は強くなるため、第1交流電流I1の振幅を回転子12の重量に合わせて調節し、回転子12を浮上させている。
ついで、単相交流電源13(13A〜13E)は各単相コイル11(11A〜11E)に第1交流電流I1と位相がズラせた第2交流電流I2を流し、回転子12の磁極S−1極位置より回転方向Xより反対方向の60度位置の単相コイル11Bの回転子側端を回転子12のS−1極と同じS極に励磁させる。これにより、回転子12のS−1極と単相コイル11Bとの間に回転方向に反発力が発生し、回転子12をX方向に回転させることができる。
なお、第2交流電流I1の振幅を調節して磁界の強さk2を大きくすることで、回転力を大きくすることができる。回転子12に大きい負荷が接続された場合には、第2交流電流I1の振幅を調節して回転力を大きくし、負荷を回転させる。
前記のように、第1交流電流I1により回転子12を浮上させると共に、第2交流電流I2により回転子12を回転させる、第1交流電流I1と第2交流電流I2の合成電流I3を各単相コイル11A〜11Eに流し、各単相コイル11の回転子側端に現れる磁界は図2(E)に示すようになる。
図3(A)(B)は、時間t=t1が経過して、回転子12が60度も回転した状態を示す。この状態で、前記60度位置に回転子12のN−1極が位置して単相コイル11Bと対向し、150度位置にS−1極が位置して単相コイル11Eと対向する。
この状態で、回転子12のN−1極と対向する単相コイル11Bに第1交流電流I1が流し、図3(C)に示すようにN極を発生させ、回転子12のN−1極と単相コイル11BN極との間で反発力を生じさせる。また、Sー1極と対向する単相コイル11DにはS極を発生させ、回転子12と単相コイル11の間で反発力が生させる。これらの反発力で、回転子12は浮上を維持している。
ついで、前記単相コイル11Bより半回転方向の単相コイル11Aに図3(D)に示すようにN極を発生させ、回転子のN−1極と単相コイル11AのN極との間に回転方向の反発力を発生させて、回転子12を回転させる。
前記のように、回転子12の回転に合わせて各単相コイル11A〜11Fに流す第1交流電流I1と第2交流電流I2とを流すことで、常に回転子12と単相コイル11との間に反発力と回転力を発生させることで、回転子12を浮上させながら、回転させることができる。
前記単相コイル11Aに流れる第1交流電流I1の時間変化は下式(1)で表される。
式(1)において、tは経過時間(sec)、Tは回転子12が1回転する時間(sec)、Pは回転子12の極数(本実施形態では4)である。
Figure 2008131732
第2交流電流I2は下式(2)で表される。式(2)中、δは回転子12の回転方向と反対位置の単相コイル11Aの一端に、回転子12の磁極と同じの極性の磁極を発生させるための時間差(sec)である。
Figure 2008131732
従って、単相コイル11Aに流す電流は、式(1)と式(2)の合成電流I3は下式(3)で表すことができる。
Figure 2008131732
前記構成によれば、各単相コイル11に前記した交流電流を供給することで、特許文献2のような回転子を浮上させるためのコイルを用いることなく、回転子を浮上させて回転せることができる。即ち、回転子を軸受け無しとすることができ、軸受機構を不要とて簡単な構成とできると共に、軸受を設けた場合の軸受部での異音発生や摩耗によるメンテナンスを不要とできる。当然のことながら、前記回転子を被作動材(図示せず)と連結することで、該回転子の回転力で被作動材を回転駆動することができる。
また、前記回転子の駆動装置では、各単相コイル11に生じさせる磁力を調節することで、固定子からの回転子の浮上距離を調節できると共に、回転子の回転速度も調節することができる。
図4および図5に本発明の駆動装置10を自動車30のタイヤ駆動装置に用いた第2実施形態を示す。
自動車30のタイヤ40の内部に回転子12を付設し、回転子12とタイヤ40の回転の中心点Pを一致させている。
複数の単相コイル11を収容した固定子14は、タイヤ40の上方の自動車30の車体(タイヤハウス)31側に固定する。
前記第1実施形態と同様に、単相コイル11は超電導線で形成し、固定子14には冷却液を充填している。
また、図5に示すように、固定子14の側面には、前記各単相コイル11に対応する位置にそれぞれ位置センサ50を取り付け、タイヤ40と固定子14との距離を検出している。位置センサ50は制御手段51と接続し、制御手段51は位置センサ50からの検出信号に基づき、各単相コイル11に接続した単相交流電源13に指令を出し、各単相コイル11に流す電流値を制御している。
前記タイヤの駆動装置において、単相コイル11に単相交流電源13から合成電流I3を流すと、各タイヤ40に付設した回転子12と単相コイル11との間に径方向に反発力が生じて固定子14を浮上させる。其の際、各単相コイル11に流す第1交流電流I1の振幅は車体31が浮上できる大きさとして、固定子14を取り付けた車体31を浮上させる。
位置センサ50によりタイヤ40と単相コイル11との距離が予め設定した距離よりも短くなっていることを検出した場合には、単相コイル11Cに供給する電流量を大きくして反発力を増大させ、タイヤ40と車体31との距離を常に一定距離に保持している。
各単相コイル11に第2交流電流I2が給電されると、回転方向にも反発力が生じてタイヤ40が回転する。
前記タイヤ40が地面上で回転すると、タイヤ40は地面との摩擦により回転しながら走行し、タイヤ40に固定した回転体12が回転しながら移動することとなる。回転体12が移動すると、回転体12と単相コイル11A−11E間の反発力で固定体14が移動し、固定体14を固定した車体31が移動する。即ち、タイヤ40の回転走行に連動して車体31が走行することとなる。
前記構成によれば、タイヤ40と車体31を非接触として自動車30を推進させることができ、従来の自動車30と比べてエンジンの動力をタイヤ40に伝えるギアなどが不要となるため、自動車30の駆動効率を向上させることができる。
さらに、車体31とタイヤ40は非接触であり、単相コイル11に流す電流値を制御することで車体31とタイヤ40の距離を制御できるため、サスペンションとして車体31の振動を抑制することができる。
図6に、本発明の駆動装置10を換気ファン60の駆動装置に用いた第3実施形態を示す。該換気ファンは例えばトンネルの中に設ける場合等に好適である。
換気ファン60は、ファン61と、該ファン61の外周に隙間をあけて配置する環状枠からなる固定フレーム62を備え、前記ファン61を回転子とすると共に前記固定フレーム62を固定子としている。
前記ファン61は中心軸部61aから周方向に90度間隔をあけて突出させた4枚の羽根61bを備え、各羽根61bを径方向の外周側と内周側にN極とS極を有する永久磁石で形成し、第1実施形態と同様に90度間隔で、S−1極、N−1極、S−2極、N−2極を配置している。
前記環状枠の固定フレーム62の内周面の単相コイル11を全周方向に所定の間隔をあけて配置している。これら単相コイル11を単相交流電源に接続し、第1実施形態と同様に、交流電流を給電していると共に、単相コイル11は超電導線で形成し、該単相コイル11を超電導温度に冷却する冷媒を固定フレーム62に充填して冷却容器として兼用している。
また、回転子となるファン61の径方向位置と軸線方向位置を検出する位置センサ66を設け、ファン61の外周面と固定フレーム62の内周面の間の隙間Cを一定に保持すると共に、ファン61と固定フレーム62の軸線方向位置を一定に保持するように、単相コイル11に励磁している。
即ち、ファン61の回転によりエアを吸い込んだ状態で、その風圧に対してファンの軸線方向位置を保持して固定フレーム62から離脱しないように、固定フレーム62の単相コイル11からの吸引方向の磁界を強めている。また、ファン61と固定フレーム62の隙間Cを一定に保持するように、固定フレーム62の単相コイル11からの反発方向の磁界を制御している。
他の構成は第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
前記した軸受け無しのファン61を設けると、軸受けされた場合に生じる摺接摩擦がないため、ファン61を高速回転して換気性能を高めることができると共に、軸受機構が無いために、固定フレーム62の内周面で囲まれた中空部の全体でエアーを吸い込むことができ、この点からも換気性能を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の特許請求の範囲内の種々の形態が含まれるものである。
本発明の第1実施形態の回転子の駆動装置の概略的な構成を示す図面である。 前記駆動装置の動作原理の説明図である。 前記駆動装置の動作原理の説明図である。 自動車のタイヤ駆動装置に適用した第2実施形態を示す図である。 駆動装置に位置センサと制御手段を備えた図である。 (A)は換気ファンのファン駆動装置に適用した第3実施形態を示す概略正面図、(B)は断面図である。 従来例を示す図である。
符号の説明
11(11A〜11E) 単相コイル
12 回転子
13(13A〜13E) 単相交流電源
14 固定子
31 自動車の車体
40 タイヤ
50 位置センサ
51 制御手段
60 換気ファン
61 ファン
62 固定フレーム
C 仮想円
I1 第1交流電流
I2 第2交流電流

Claims (9)

  1. 固定子と、
    前記固定子の円弧状の内周面に沿って、周方向に間隔をあけて配置された複数のコイルと、
    前記固定子の内周側に、回転および移動自在に不支持に位置されると共に、周方向にN極とS極を交互に有する回転子と、
    前記各コイルに交流電流を給電する電源手段を備え、
    前記電源手段から各コイルへの給電により前記回転子との間に発生させる反発方向の磁界で、前記回転子を固定子から隙間をあけて保持しながら回転させる構成としている回転子の駆動装置。
  2. 前記複数の各コイルは単相コイルからなると共に、各コイルに給電する前記電源手段は単相交流電源からなり、かつ、
    前記回転子は少なくとも90度間隔で外周面に前記N極とS極とを交互に設けた永久磁石を備えている請求項1に記載の回転子の駆動装置。
  3. 前記電源手段は、各単相コイルに第1交流電流と第2交流電流を給電し、前記第1交流電流で単相コイルの回転子側端を、対向する回転子の磁極と同極性に励磁して、前記回転子を固定子側より浮上させると共に、前記第1交流電流と位相をずらせた前記第2交流電流で前記回転子を回転させる構成としている請求項2に記載の回転子の駆動装置。
  4. 前記固定子の上方に前記回転子を配置し、該回転子を浮上させて回転させ、
    あるいは、前記回転子を固定面に回転自在に載置すると共に、該回転子の上方に前記固定子を配置し、該回転子は固定面上での回転で移動され、該回転子の回転移動に伴って前記固定子を移動させる構成としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
  5. 前記固定子の内周面は半円状であり、該半円状の内周面に沿って前記複数のコイルの回転子側端を位置させている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
  6. 前記コイルは超電導コイルからなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
  7. 前記回転子の位置検出手段を備え、検出された回転子の位置により各単相コイルへの給電を制御して、前記回転子と固定子間に所要の隙間が形成されるように各コイルの回転子側端の励磁状態を制御している請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
  8. 前記回転子は自動車のタイヤに固定する一方、前記固定子は車体側に固定して、タイヤの回転駆動装置としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
  9. 前記回転子は換気ファンのファンとして設けると共に、前記固定子は前記ファンの外周を囲む環状の固定フレームとして設け、固定フレーム内に軸受け無しのファンを備えた構成としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転子の駆動装置。
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KR101264224B1 (ko) 2010-12-30 2013-05-14 한국전기연구원 원통형 자기부상 스테이지

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