JP2008129190A - 偏光変換素子および投写型表示装置 - Google Patents

偏光変換素子および投写型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率で偏光変換を行う偏光変換素子を提供し、それによって高効率な投写型表示装置を提供する。また、耐久性の高い反射防止膜を備えた偏光変換素子を提供する。
【解決手段】偏光変換素子27には、偏光分離膜1と反射膜2とを備えた透明部材3、λ/2位相差膜6と反射防止膜9とが形成されたガラス基板8からなるλ/2位相差板6、および短冊状の反射膜15と反射防止膜9とを備えた入射側ガラス基板12が設けられている。λ/2位相差膜6は誘電体材料を斜め蒸着することで形成されているので、λ/2位相差板6への反射防止膜9は高温成膜で作製することができ、入射側の反射防止膜9も入射側ガラス基板12に設けられるので高温成膜で作製することができるので反射ロスが殆ど低減される。透明部材3へのガラス基板8と入射側ガラス基板12との接着は、ガラス基板と屈折率が略同じUV硬化樹脂により行われる。
【選択図】図3

Description

本発明は偏光変換素子および投写型表示装置に関し、特に偏光変換素子の外面に高温成膜による反射防止膜が形成された偏光変換素子とその偏光変換素子を備えた投写型表示装置に関する。
画像表示装置に用いられる液晶としては、TN(Twisted Nematic)液晶や強誘電性液晶などが知られている。TN液晶では透過率(もしくは、反射率)は連続的に制御される。一方、強誘電性液晶では液晶の状態として2状態しかなく、透過率(もしくは、反射率)はONかOFFかで制御される。従って、強誘電性液晶の場合、階調表現はパルス幅変調によって行われる。つまり、ON状態とOFF状態の時間比率を制御することによって、階調を表現する。
TN液晶と強誘電性液晶のどちらを用いた液晶表示装置においても、直線偏光光しか入力されない。通常、光源が発する光は無偏光なので、そのまま液晶表示装置に入射すると、入射光束の半分は利用できない。
このような課題の対策として、光利用効率を高め、より明るい画像を得るために、偏光変換手段を用いて、無偏光光を直線偏光光に変換してから液晶表示装置に入射する方法が知られている。このような方法については、例えば、特許文献1(特開2001−281760号公報)に記述されている。
先ず、従来の光源装置について説明する。図8は、従来の光源装置の光学上の構成を示す模式的ブロック図である。図8に示す光源装置40は、発光素子41と、コリメータレンズ42と、偏光変換手段である偏光変換素子57とを有する。偏光変換素子57は、偏光分離膜51と反射膜52とが設けられた透明部材53と、λ/2位相差板56とを有する。
発光素子41は無偏光の光(101)を発光する。コリメータレンズ42は発光素子41からの光をなるべく平行にする。透明部材53にはコリメータレンズ42からの無偏光な光(101)が入射して、偏光分離膜51において直進するP偏光光(102)と直交方向に反射されるS偏光光(103)とに分離される。このS偏光光(103)は反射膜52によって光路を曲げられ、進行方向がP偏光光(102)と平行になる。透明部材53の偏光分離膜51を透過したP偏光光(102)はλ/2位相差板56によって偏光方向を90°回転させられ、透明部材53の反射膜52から射出したS偏光光(103)と同じ偏光方向のS偏光光(103)となる。つまり、発光素子41より発光された無偏光 101)は、偏光変換素子57によってS偏光の直線偏光光(103)に揃えられる。
図8に示される要素を多数並べることによって、より明るい光源装置40を構成することができる。
図9は従来の偏光変換素子の模式的斜視図であり、図10は従来の偏光変換素子の動作を説明するための模式的断面図であり、図11はλ/2位相差板の機能を説明するための模式的斜視図である。
従来の偏光変換素子47は、図9、図10に示すように、複数の偏光分離膜31と複数の反射膜32と、偏光分離膜31および反射膜32が形成され長方形の平板状に構成された透明部材33と、λ/2位相差膜が設けられた複数のλ/2位相差板36とを備える。
偏光分離膜31と反射膜32とは1組となっており、偏光分離膜31は、入射光に対して傾斜して配置され、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する。反射膜32は偏光分離膜31の反射光側に平行に配置され、偏光分離膜31で分離されて反射された一方の偏光光束を反射する。
λ/2位相差板36のλ/2位相差膜は、透明部材33の光束出射側に設けられ、いずれか一方の偏光光束の偏光軸を変換し、他方の偏光光束の偏光軸と揃える。
偏光変換素子47においては、それぞれの偏光分離膜31および反射膜32が偏光変換素子47の中心線の両側で互いの偏光分離膜31と反射膜32とが対称の位置になるように配置されている。
通常、偏光変換素子47の出射面側と入射面側には反射防止膜39が設けられている。反射防止膜39は、ガラスと空気との屈折率の差によってガラスと空気との境界面において発生する反射を抑制するために形成されるアンチリフレクト(AR)コートと呼ばれる膜である。反射防止膜39によって反射を低減させることにより光線の透過率が高まり、投写型表示装置では画像をより明るくすることができる。
図10を参照して従来の偏光変換素子47の動作を説明する。入射光として平行化された光源からの非偏光光の光束が、偏光変換素子47の入射面4側から入射し、偏光分離膜31に到達する。この場合、偏光分離膜31ではP偏光の直線偏光光束が透過し、S偏光の直線偏光光束が反射される構成となっているとする。透過したP偏光の直線偏光光束はλ/2位相差板36を通ることでS偏光光に変換される。
このとき、図11にあるように、λ/2位相差板36は入射光の偏光軸に対して45度傾いたところに遅相軸が来るように配置されており、この結果、λ/2位相差板36に入射した光は偏光軸を90度回転させて透過する。それによってP偏光光束が入射した場合にはS偏光光束に変換される。
偏光分離膜31で反射したS偏光光束は、反射膜32で再度反射し、偏光変換素子47の出射面5からS偏光光束として出射する。この結果、偏光変換素子47の偏光分離膜37に入射した非偏光光はS偏光に揃えられて出射する。
しかし、入射する非偏光光の一部は偏光変換素子47内の反射膜32に直接に入射する。反射膜32への入射光は分離されずに反射膜32で反射され、隣の偏光分離膜31に入射する。入射した光はその偏光分離膜31で2つの直線偏光に分離される。このとき偏光分離膜31ではS偏光の直線偏光光束が反射し、λ/2位相差板36を透過してP偏光光束に変換して出射される。またP偏光光束はそのまま偏光分離膜31を透過し、次の反射膜32で反射されて偏光変換素子47の出射面5から出射する。従って偏光変換素子47内の反射膜32に直接に入射した非偏光光は、すべて偏光変換素子47からP偏光に揃って出射される。
通常S偏光光束に揃えて使用する上述のような光学系ではP偏光光束は使用できないので、偏光変換素子47内の反射膜32の裏側に直接に入射する光束を反射する短冊形の反射板を入射側に配置したり、ライトバルブの手前に偏光板を配置してP偏光光束を遮断したりすることが行われている。
特開2001−281760号公報
λ/2位相差板36としては、従来高分子フィルムを一定方向に延伸して分子配向させ、染料で染めるものが使用されている。従来の偏光変換素子47では、高温で変性するおそれのある高分子膜を用いたλ/2位相差板36を表面に使用しているため、λ/2位相差板36側に反射防止膜39を成膜する場合、反射防止膜39を成膜時の基板温度を高くして成膜することができなかった。また偏光変換素子47の入射面側も、個々の透明部材33がUV硬化樹脂により接着されているため、反射防止膜39を成膜時の基板温度を高くして直接成膜することができなかった。つまり、反射防止膜は高温成膜ができず低温成膜で成膜せざるを得なかった。ここで高温成膜とは成膜時において基板温度を100℃以上にして成膜できることを意味し、例えば、ガラスなどの無機材料からなる基板上に成膜する場合がこれに該当する。低温成膜とは成膜時の基板温度を高くできない成膜を意味し、例えば、高分子材料などの有機材料からなる基板上に成膜する場合がこれに該当する。
入射面4、出射面5とも反射防止膜39は上述の理由で基板温度を高くして成膜ができない。反射防止膜39は、高温成膜に比べて低温成膜の方が反射率が高く、またその膜の密着性も低い。このため、低温成膜で成膜された反射防止膜39は透過率が低く、耐久性が短いという問題があり、従来の偏光変換素子47を使用した投写型表示装置では明るさの効率が低いという問題もあった。
また、偏光変換素子47内の反射膜32の裏側に直接に入射する非偏光光の入射面に短冊上のマスクを設ける場合、透明部材33に直接反射膜を設けるのは透明部材33の製作工程上問題があり、ライトバルブの手前に偏光板を配置して遮断する場合には、P偏光光束を遮断した偏光板の温度が上がってしまうという問題がある。
本発明の目的は、高効率で偏光変換を行う偏光変換素子を提供し、それによって高効率な投写型表示装置を提供することにある。また、耐久性の高い反射防止膜を備えた偏光変換素子を提供することにある。
本発明の偏光変換素子は、
平板状に構成された透明部材とλ/2位相差膜とを備え、透明部材には、いずれも厚み方向に対して傾斜して配置されていて、入射光束を反射並びに透過によってそれぞれ第1の偏光光並びに第2の偏光光の2種類の直線偏光光束に分離する偏光分離膜と、偏光分離膜による反射光を偏光分離膜の透過光の進行方向へ反射させる反射膜との組み合わせが複数形成されており、λ/2位相差膜は透明部材の偏光分離膜の透過光が出射される側に接して、偏光分離膜からの透過光あるいは反射膜からの反射光に対応した位置に設けられている偏光変換素子であって、さらに透明基板からなるλ/2位相差板を有し、λ/2位相差膜は、透明部材とλ/2位相差板との間にあり、λ/2位相差板の光出射側には反射防止膜が形成されていることを特徴とする。
λ/2位相差膜は、λ/2位相差板に成膜されていてもよい。透明部材の入射光の入射側の面に接着された平行平板ガラス基板であって、透明部材に設けられた複数の反射膜の裏面に対向するその透明部材の入射面のそれぞれの位置に対応するように、その入射面と対向する面側に短冊状の反射膜が形成され、反対側の面は反射防止膜が形成された平行平板ガラス基板を有してもよい。
透明部材の入射光の入射側の面に、平面側が接着されたフライアイレンズであって、透明部材に設けられた複数の反射膜の裏側に対向するその透明部材の入射面のそれぞれの位置に対応するように、その入射面と対向するフライアイレンズの平面側に短冊状の反射膜が形成され、反対のレンズ側に反射防止膜が形成されたフライアイレンズを有してもよい。
本発明の投写型表示装置は、
上述の偏光変換素子を備えたことを特徴とする。
本発明の偏光変換素子において用いられるλ/2位相差板のλ/2位相差膜は、誘電体材料が蒸着されることにより形成されていて高温に対する耐性が高いものとなっている。このため、その後λ/2位相差板に形成する反射防止膜を高温成膜により形成することができる。
このように、偏光変換素子を構成する透明部材の表面には、成膜時の基板温度を高くして反射防止膜を形成できるので、基板温度を上げずに成膜した場合に比べて反射率を低く抑えることが可能になるとともに耐久性も向上する。
透明部材の入射面側に、短冊状の反射膜と高温で形成された反射防止膜とがそれぞれ両面に形成されたガラス基板、あるいはフライアイレンズをUV硬化樹脂を用いて接着することにより、容易に透明部材の入射側に短冊状の反射膜と高温で形成された反射防止膜が配置できる。
また、偏光変換素子の両側に対する接着には、ガラス基板の屈折率とほぼ同じ1.5程度の屈折率のUV硬化樹脂を用いて接着しているので、境界面における反射ロスが殆ど低減される。
本発明では、高分子膜のλ/2位相差板を偏光変換素子の表面に使用しておらず、λ/2位相差膜は誘電体材料が蒸着されることにより形成されていて高温に対する耐性が高いものとなっている。それによって、偏光変換素子のガラス基板の表面に成膜時の温度を高くして反射防止膜を作製することができ、反射率を低く抑えることが可能となり、高効率の偏光変換素子となるという効果がある。さらに、反射防止膜の密着性も高まるため、高耐久性の反射防止膜を備えた偏光変換素子が得られるという効果もある。
透明部材の入射面側に、短冊状の反射膜と成膜時に高温で形成された反射防止膜とが両面に形成されたガラス基板、あるいはフライアイレンズをUV硬化樹脂を用いて接着することにより、容易に透明部材の反射膜の裏側に入射する光を遮断でき、かつ耐久性の高い透過率の高い反射防止膜を形成できるという効果がある。
偏光変換素子の両側に対するガラス基板の接着には、ガラス基板の屈折率とほぼ同じ1.5程度の屈折率のUV硬化樹脂を使用しているので、接着面における反射ロスが大幅に低減されるという効果がある。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図であり、図2は図1の偏光変換素子の模式的上面図である。
本発明の実施の形態では、従来技術で説明した高分子フィルムを一定方向に延伸して分子配向させ、その延伸程度により目的とするリタデーションを有するように作製したλ/2位相差板36を使用していない。λ/2位相差膜10としては、金属酸化物、金属フッ化物、金属硫化物などの誘電体材料を斜め蒸着することで形成された任意の位相差を有する広帯域で高性能なλ/2位相差膜10が使用されている。
このλ/2位相差膜10については、たとえば、特開平5−134115号公報、特開平11−337733号公報、特開平11−23840号公報にその製造方法が開示されている。
本実施の形態の偏光変換素子7は、図1および図2に示すように、長方形で平板状に形成された透明部材3と、λ/2位相差板6とから構成されている。
透明部材3は、断面が台形、平行四辺形、あるいは三角形のブロックが互いに接着されて長方形の平板状に形成されている。その入射光の光軸に対して傾斜して配置された接着面には、複数の偏光分離膜1と複数の反射膜2とが形成されている。
偏光分離膜1は入射光の光束を反射並びに透過させることによってそれぞれ第1の偏光光並びに第2の偏光光の2種類の直線偏光光束に分離する。反射膜2は、その偏光分離膜1と平行に配置されていて、偏光分離膜1で反射された第1の偏光光を光軸の方向に反射する。
一個の偏光分離膜1と一個の反射膜2とが1組の組合せとなり、透明部材3には複数の組合せが形成されている。図1、図2の透明部材3では、透明部材3の長手方向の中心線の両側で、互いの偏光分離膜1と反射膜2とが対称の位置になるように配置されている。
λ/2位相差板6は、透明部材3の出射側に隣接して設けられている。λ/2位相差板6の透明の基材であるガラス基板8の透明部材3側の面には、透明部材3の偏光分離膜1あるいは反射膜2のいずれかと対応する位置に誘電体材料が成膜されて短冊状のλ/2位相差膜10が形成され、反対面には高温成膜により反射防止膜9が作製されている。
透明部材3とλ/2位相差板6とは、λ/2位相差膜10が透明部材3の偏光分離膜1あるいは反射膜2の出射面と一致するように、UV硬化樹脂からなる接着層21により接着されている。
透明部材3の出射面と、λ/2位相差板6のガラス基板8との接着においては、ガラス基板の屈折率とほぼ同じ1.5程度の屈折率のUV硬化樹脂を使うことによって、境界面における反射ロスが殆ど低減される。
図2では、λ/2位相差膜10が偏光分離膜1の出射面と一致するように構成されているがこれに限定されるものではなく、反射膜2の出射面と一致するように構成されていてもよい。それによって、片方の偏光軸が変換されて偏光分離膜1と反射膜2とからの出射光が同じ偏光軸をもった偏光光に統一されればよい。
図2に示すように、透明部材3の入射面4およびλ/2位相差板6の出射面5には反射防止膜9が形成されている。透明部材3の入射面4に設けられた反射防止膜9は、透明部材3を構成するブロック同士がUV硬化樹脂により接着されているため、低温成膜でしか作製できない。しかし、出射面5側の反射防止膜9は耐熱性を有する誘電体材料が成膜されて短冊状のλ/2位相差膜10が形成されたガラス基板8上に形成されるので、透明部材3との接合前に高温成膜で作製することができる。
通常、偏光変換素子7の入射側には照明光を均一にするための2枚のフライレンズを配置する。このため、偏光変換素子7の入射面側にはフライアイレンズを形成している個々のレンズ毎に、ランプの光源像の虚像ができる。この虚像は偏光変換素子7にほぼ一列置きに入射するように配置されるが、どうしても一列分の偏光変換素子の幅より大きくなってしまう。このため、第1の実施の形態では、入射光が反射膜2の裏面からも入射するので異なった偏光軸をもった偏光光も出射面5から出射される。
次に第2の実施の形態の偏光変換素子について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図であり、図4は図3の偏光変換素子の模式的上面図である。偏光変換素子27の透明部材3と、2/λ位相差板6とは第1の実施の形態と同じなので同じ符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の偏光変換素子27は、第1の実施の形態の偏光変換素子7に反射防止膜9と短冊状の反射膜15とを備えた入射側ガラス基板12が追加して設けられている。
入射側ガラス基板12の片面には短冊状の反射膜15が高温成膜により作製され、もう一方の面には反射防止膜9が高温成膜により作製されている。透明部材3内に傾斜して設けられている反射膜2の裏側への入射面4からの入射位置に短冊状の反射膜15が整合するように、入射側ガラス基板12の短冊状の反射膜15の側が、透明部材3の入射面側とUV硬化樹脂にて接着されて接着層22が形成されている。
透明部材3の入射面と、入射側ガラス基板12との接着なので、ガラス基板の屈折率とほぼ同じ1.5程度の屈折率のUV硬化樹脂を使うことによって、境界面における反射ロスが殆ど低減される。
この短冊状の反射膜15が、偏光変換素子27の透明部材3に設けられた反射膜2の裏側に直接入射する光を遮断する位置に配置されるので、偏光変換素子27から主たる偏光光と異なる偏光軸を持った偏光光は出射されない。従って、第1の実施の形態でライトバルブの手前に遮断のために設けられていた偏光板を設ける必要はない。
図4の入射面4、出射面5のいずれの反射防止膜9も、UV硬化樹脂によりブロックが接着されて形成されている透明部材3とは離れた場所で形成することができるので、高温成膜で作製することができる。
次に第3の実施の形態の偏光変換素子について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図であり、図6は図5の偏光変換素子の模式的上面図である。偏光変換素子37の透明部材3と2/λ位相差板6とは第1の実施の形態と同じなので同じ符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の偏光変換素子27では、第1の実施の形態の偏光変換素子7に反射防止膜9と短冊状の反射膜15とを備えた入射側ガラス基板12が追加して設けられていた。第3の実施の形態の偏光変換素子37では、入射側ガラス基板12に代えて、反射防止膜9と短冊状の反射膜15とを備えたフライアイレンズ16が追加して設けられている。
フライアイレンズ16の平面側には短冊状の反射膜15が高温成膜により作製され、もう一方のレンズ側の面には反射防止膜9が高温成膜により作製されている。透明部材3内に傾斜して設けられている反射膜2の裏側の入射面4への投影位置に短冊状の反射膜15が整合するようにフライアイレンズ16の短冊状の反射膜15側が、透明部材3の入射面側とUV硬化樹脂にて接着されている。
この短冊状の反射膜15が、偏光変換素子37の透明部材3に設けられた反射膜2の裏側に直接入射する光を遮断する位置に配置されるので、偏光変換素子37から主たる偏光光と異なる偏光軸を持った偏光光は出射されない。従って、ライトバルブの手前に遮断のための偏光板を設ける必要はない。
図6のフライアイレンズ16側入射面4、ガラス基板8の出射面5に設けられたいずれの反射防止膜9も、UV硬化樹脂によりブロックが接着されている透明部材3とは離れた場所で形成できるので、高温成膜で作製することができる。
さらに、入射側にフライアイレンズを設けることにより、光源の輝度むらを分散させ照射面で均一な照度分布を得ることができる。
次に本発明の第4の実施の形態の投写型表示装置について図面を参照して説明する。図7は、本発明の第4の実施の形態の本発明の偏光変換素子を備えた投写型表示装置の構成を示す模式的構成図である。
投写型表示装置50は、照明光学系60、色分離光学系70、色合成光学系80、投写光学系90の四つのブロックから構成されている。
照明光学系60は、光源61と、楕円リフレクタ62と、出射光を平行化するための第1のインテグレータ64、第2のインテグレータ65と、本願発明の第1〜第3の実施の形態の偏光変換素子67と、フィールドレンズ66とを有する。
光源61から出射して第1のインテグレータ64、第2のインテグレータ65で均一化された無偏光光の光束は偏光変換素子67で直線偏光光となって、色分離光学系70を経由してB液晶パネル84、G液晶パネル85、およびR液晶パネル86に入射する。
照明光学系60に続く色分離光学系70は、照明光学系60からの全光束を赤(R)・緑(G)・青(B)からなる各色光束に分離し、対応するそれぞれの液晶パネルへ入射させるための第1のダイクロイックミラー71、第2のダイクロイックミラー72、第1の反射ミラー73、第2の反射ミラー75、第3の反射ミラー77、および第1のリレーレンズ74、第2のリレーレンズ76を有する。
色分離光学系70に続く色合成光学系80は、色分離光学系70から入射される各色光束を、与えられた画像情報に従って変調するB液晶パネル84、G液晶パネル85、R液晶パネル86と、各液晶部に入射光を集光するB集光レンズ81、G集光レンズ82、R集光レンズ83、および変調された各色光束を合成する色合成プリズム87とを有する。
色合成光学系80に続く投写光学系90は、投射ズームレンズ91を有し、色合成プリズム87で合成されたB、G、Rの合成光をスクリーン上に投影する。
この構成は投写型表示装置の標準的な構成の一例であり、本発明の偏光変換素子を備えた投写型表示装置はこれに限定されるものではなく種々の公知の応用例が可能である。
この投写型表示装置は、上述の第1〜第3の実施の形態の高効率で偏光変換を行う偏光変換素子を備えているので、光源からの入射光を効率よく液晶パネルに入光させることができ、高い光利用効率でスクリーンに投写できる。
本発明の第1の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図である。 図1の偏光変換素子の模式的上面図である。 本発明の第2の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図である。 図3の偏光変換素子の模式的上面図である。 本発明の第3の実施の形態の偏光変換素子の模式的分解斜視図である。 図5の偏光変換素子の模式的上面図である。 本発明の第4の実施の形態の本発明の偏光変換素子を備えた投写型表示装置の構成を示す模式的構成図である。 従来の光源装置の光学上の構成を示す模式的ブロック図である。 従来の偏光変換素子の模式的斜視図である。 従来の偏光変換素子の動作を説明するための模式的断面図である。 λ/2位相差板の機能を説明するための模式的斜視図である。
符号の説明
1、31、51 偏光分離膜
2、22、52 反射膜
3、33、53 透明部材
4 入射面
5 出射面
6、36、56 λ/2位相差板
7、27、37、47、57 偏光変換素子
8、68 ガラス基板
9、39、69 反射防止膜
10 λ/2位相差膜
12 入射側ガラス基板
15 短冊状の反射膜
16 フライアイレンズ
21、22 接着層
40 光源装置
41 発光素子
42 コリメータレンズ
50 投写型表示装置
60 照明光学系
61 光源
62 楕円リフレクタ
63 凸レンズ
64 第1のインテグレータ
65 第2のインテグレータ
66 フィールドレンズ
70 色分離光学系
71 第1のダイクロイックフィルタ
72 第2のダイクロイックフィルタ
73 第1の反射ミラー
74 第1のリレーレンズ
75 第2の反射ミラー
76 第2のリレーレンズ
77 第3の反射ミラー
80 色合成光学系
81 B集光レンズ
82 G集光レンズ
83 R集光レンズ
84 B液晶パネル
85 G液晶パネル
86 R液晶パネル
87 色合成プリズム
90 投写光学系
91 投射ズームレンズ

Claims (5)

  1. 平板状に構成された透明部材とλ/2位相差膜とを備え、前記透明部材には、いずれも厚み方向に対して傾斜して配置されていて、入射光束を反射並びに透過によってそれぞれ第1の偏光光並びに第2の偏光光の2種類の直線偏光光に分離する偏光分離膜と、前記偏光分離膜による反射光を前記偏光分離膜の透過光の進行方向へ反射させる反射膜との組み合わせが複数形成されており、前記λ/2位相差膜は前記透明部材の前記偏光分離膜の透過光が出射される側に接して、前記偏光分離膜からの透過光あるいは前記反射膜からの反射光に対応した位置に設けられている偏光変換素子であって、
    さらに透明基板からなるλ/2位相差板を有し、
    前記λ/2位相差膜は、前記透明部材と前記λ/2位相差板との間にあり、
    前記λ/2位相差板の光出射側には反射防止膜が形成されていることを特徴とする偏光変換素子。
  2. 請求項1に記載の偏光変換素子において、
    前記λ/2位相差膜は、前記λ/2位相差板に成膜されていることを特徴とする偏光変換素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の偏光変換素子において、
    前記透明部材の入射光の入射側の面に接着された平行平板ガラス基板であって、
    前記透明部材に設けられた複数の前記反射膜の裏面に対向する該透明部材の入射面のそれぞれの位置に対応するように、該入射面と対向する面側に短冊状の反射膜が形成され、反対側の面は反射防止膜が形成された平行平板ガラス基板を有する、偏光変換素子。
  4. 請求項1または請求項2に記載の偏光変換素子において、
    前記透明部材の入射光の入射側の面に、平面側が接着されたフライアイレンズであって、
    前記透明部材に設けられた複数の前記反射膜の裏側に対向する該透明部材の入射面のそれぞれの位置に対応するように、該入射面と対向するフライアイレンズの平面側に短冊状の反射膜が形成され、反対のレンズ側に反射防止膜が形成されたフライアイレンズを有する、偏光変換素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の偏光変換素子を備えたことを特徴とする投写型表示装置。
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