JP2008128683A - 寿命試験の設計・判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】寿命判断の基準となる打切り時間、寿命差、試験個数等の値を定める設計過程S1と、試験結果から試験対象品の寿命、有為性、寿命差等の解釈項目の判定を行う判定過程S3とを含む。設計過程では、試験対象品に対応する所定のワイブル分布に従ったワイブル乱数を、試験個数と見立てた個数だけ発生させる手順S11、およびそのワイブル乱数を分析する手順S12を繰り返すS13。この繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めS14、確率分布を基に上記設計内容を定めるS15。判定過程では、試験結果に応じてワイブル乱数を試験個数分発生させる手順S31、およびその発生させたワイブル乱数を分析する手順S32を繰り返すS33。この繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めS34、その確率分布を基に判定を行う。
【選択図】 図1
Description
図78に、従来から行われてきた寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈の手順を、打切り試験と加速試験ごとに示す。
また、現在、寿命試験において経験的に判断されているものの詳細を、表1に示す。
しかし、従来、このような打切り試験の継続で試験対象品の寿命水準を試算する適切な方法がなかった。
上記のように、従来は、試験個数を決める設計を熟練者が経験的に行っており、また信頼性の確保できる試験個数を定めるには、長い時間がかかっていた。
従来より、算出寿命の有為差判定は信頼幅という概念を使って行われてきた。しかし、この判定方法には、次のようにいくつかの問題がある。
1) L10寿命におけるメディアンランクの信頼水準の分布(図中Aの分布)を求める。ここで、この分布はF値表とファイサー(Fisher)の近似式を用いて求める。
2) L10寿命におけるメディアンランクの信頼水準の分布とワイブルスロープからL10のばらつき頻度の分布(図中Bの分布)を求める。
3) このばらつき分布f(x)を使って、図中の式の積分を取り、寿命倍率nが同じ寿命分布から発生する頻度を調べる。これは寿命比のばらつき分布である。
4) 3)の分布の累積確率分布を作成し、そのグラフから90%以上の確率で有意差有と判定できる寿命倍率を計算する。
また、従来は、有為差有りと判定を行っても、少なくともどの程度の寿命差があると言えるのかを、定量的に示す適切な方法がなかった。
この発明の他の目的は、打切り時間の適切な見積もりが、簡単で迅速に行え、かつ信頼性の高いものにできて、打切り試験の結果の信頼性を向上させることができ、熟練者でなくても、適切な打切り時間の見積もりが行える方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、打切り試験において、少なくとも一部の試験対象品が破損することなく試験を継続している未破損時間から試験対象品のロットの寿命水準を、簡単かつ迅速に試算することができ、かつ信頼性の高いものとでき、熟練者でなくても寿命水準を試算することのできる方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、加速試験において高度な信頼性の算出寿命を得るための必要試験個数を、簡単かつ迅速に試算することができ、かつ信頼性の高いものとでき、熟練者でなくても必要試験個数を試算することのできる方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、加速試験において、2つのロット間での有為差有無の判定を定量的に適切に行える方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、加速試験において、有為差があると判定される場合に、少なくともどの程度の寿命差があると言えるのかを、簡単かつ迅速に試算することができ、かつ定量的に求められて信頼性の高いものとでき、熟練者でなくても必要な寿命差を適切に試算することのできる方法を提供することである。
上記設計過程(S1)では、試験対象品に対応する所定のワイブル分布に従ったワイブル乱数を、試験個数と見立てた個数だけ発生させる過程(S11)、およびそのワイブル乱数を分析する手順(S12)を繰り返し(S13)、このワイブル乱数の発生および分析の繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めて(S14)、その確率分布を基に上記所定の設計対象項目の値を定める(S15)。
上記判定過程(S3)では、試験結果に応じてワイブル乱数を試験個数分発生させる過程(S31)、およびその発生させたワイブル乱数を分析する手順(S32)を繰り返し(S33)、このワイブル乱数の発生および分析の繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めて(S34)、その確率分布を基に上記解釈項目の判定を行う(S35)。
すなわち、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を所定の使用環境条件におき、目標時間である打切り時間まで破損することなく試験が継続すれば、要求寿命を満足すると判断する打切り試験において、
判定基準となる上記打切り時間を見積もる設計過程(S1)、および実際の寿命試験の後、上記の見積もった打切り時間後に少なくとも一部の試験対象品が破損することなく試験を継続している未破損時間から試験対象品のロットの寿命を判定する判定過程(S3)を含む、寿命試験の設計・判定方法とする。
に従うワイブル分布を、上記入力情報におけるワイブルスロープの値、要求寿命の信頼度、および要求寿命の値を用いて特定する手順である。この明細書で言う「ワイブル分布」は、いずれも上記の式によって示される分布を言う。
乱数分析手順(B23)は、上記乱数発生手順(B22)で発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する手順である。
累積分布の演算手順(B25)は、上記繰り返し手順(B24)の各回おける、発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順である。
対応時間読み取り手順(B26)は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、全数未破損時の打切り時間とする手順である。
なお、この明細書において、上記打切り時間は、時間の単位に限らず、軸受を回転させて行う試験等のように繰り返して負荷を与える試験の場合、回転数等の負荷回数によって表現された値であっても良い。以下の説明で言う「時間」は、いずれも上記のように負荷回数によって表現された値であっても良い。
軸受等の機械部品の寿命は、ワイブル分布に従うとされている。ワイブル分布は、ワイブルスロープm、尺度因子α、最小寿命γの3つのパラメータを持っており、ワイブルスロープmによって指数分布、対数正規分布、正規分布を表現できる万能分布として知られている。量産される軸受等では、ワイブルスロープは実績値が既知である場合が多く、この発明方法において、ワイブルスロープには、試験対象となる機械部品の実績値を用いることが好ましい。実績値がない場合は、適宜の方法で見積もったワイブルスロープを用いてもよい。最小寿命γは、種々の規格、例えばISO等によって計算方法が定められており、そのように定められたいずれかの計算方法を用いることが好ましい。尺度因子αは、ワイブルスロープの値、要求寿命の信頼度、要求寿命の値、および上記最小寿命γから一義的に決定される演算式があり、その演算式を用いて特定しても良い。
この乱数発生手順および上記乱数分析手順を、信頼性を得るために満足できるとして設定される回数である設定回数だけ繰り返し、その繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算すると、その累積分布は、信頼性に対応した寿命の分布となる。
そこで、上記対応時間読み取り手順として、上記累積分布において、上記入力情報のうちの要求寿命の信頼度に対応する時間を読み取ることで、その読み取った値が全数未破損時の打切り時間として適切な値となる。例えば、信頼度が90%の寿命であるL10寿命では、上記累積確率が0.9の時間を読み取ることで、読み取られた時間がL10寿命の全数未破損時の打切り時間となる。
このようにして得られた寿命と未破損時間以上にある確率の関係は、どのような寿命分布であれば、上記未破損時間まで未破損である確率が高いかということを示している。したがって、その発生確率が、100%から所定信頼度を減算した値(L10寿命であれば、100%から90%を引いた10%)となる寿命を読み取って試験対象品のロットの寿命と定めることができる。
このように、種々の寿命のワイブル乱数を試験個数だけ発生させ、破損個数分を除いた残存乱数により、どのような寿命分布であれば、上記未破損時間まで未破損である確率が高いかという確率分布を求めるようにしたため、未破損時間から試験対象品の寿命水準を高い信頼度で求めることができる。また、上記の処理はコンピュータシミュレーションとし、コンピュータに対し、入力情報として、試験対象品のワイブルスロープの値、試験対象品の試験個数、未破損の試験対象品の個数である未破損個数または破損個数、および未破損時間を入力するだけで、寿命水準が出力されるようにしたため、熟練を要することなく、簡単に、かつ迅速に、未破損時間から寿命水準を求めることができる。
上記累積分布を演算する手順(B23)は、上記繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうち、最も短い乱数から上記i個を除く残存ワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順(B23′)とし、
上記打切り時間とする手順(B27)は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、i個破損時の打切り時間とする手順(B27′)としても良い。
すなわち、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を使用環境よりも厳しい所定の環境条件におき、破損が発生した時間から寿命を算出する加速試験において、
試験対象品の2つのロット間で有為差有りと判断できる必要試験個数を見積もる設計過程(S1)と、試験対象品の2つのロットの寿命から、有為差有無の判定、および少なくとも断定できる、倍率による寿命差を算出する判定過程(S3)とを含む。
上記寿命は、例えばL10寿命(90%の信頼度の寿命)や、L50寿命(50%の信頼度の寿命)等の所定信頼度の寿命である。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を仮試験個数分発生させる第1乱数発生手順(図39のJ21)と、
この第1乱数発生手順(J21)と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる第2乱数発生手順(J22)と、
第1乱数発生手順(J21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(J22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する寿命比算出手順(J23)と、
これら第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および寿命比算出手順(J23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順(J24)と、
上記仮試験個数を繰り返しの都度変えて、上記第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および累積確率分布の作成までの手順である累積確率分布作成手順(J24)を、上記仮試験個数が設定最小個数から設定最大個数まで変わる範囲で繰り返し、試験個数と必要寿命差の関係を示すグラフを作成する個数・寿命差関係グラフ作成手順(J25)と、
この手順(J25)で作成された試験個数と必要寿命差の関係のグラフから、上記入力情報の寿命差に対応する個数を読み取って必要試験個数と定める必要試験個数読み取り手順(J26)と、
この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる必要試験個数出力手順(J27)と、
を含む。
また、寿命比算出手順(J23)において、乱数発生手順(J21,J22)で発生させた設定個数の乱数から寿命を求める所定の寿命計算方法は、加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。加速試験においては、破損の発生した時間からワイブルプロットで寿命を求めることが行われており、このような破損時間から寿命を求める計算方法を、上記寿命比算出手順(J23)における寿命計算方法として用いる。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮設定寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順(図57のN21)と、
第1乱数発生手順(N21)と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順(N22)と、
第1乱数発生手順(N21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(N22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する寿命比算出手順(N22)と、
これら第1乱数発生手順(N21),第2乱数発生手順(N22),および寿命比算出手順(N23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成して累積確率分布から、設定信頼幅内の最大の寿命比を読み取る累積確率分布分析手順(N24)と、
上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比が上記累積確率分布分析手順(N24)で得た最大寿命比を超える場合に有為差有りと判定し、最大寿命比以内の場合に有為差無しと判定する有為差有無判定手順(N25)とを含む。
個数・寿命差関係グラフ作成手順では、試験個数を順次増やして、有意差を判断できる寿命差を上述と同様な手順で算出し、試験個数と必要寿命差のグラフを作成する。このグラフから、ワイブルスロープが入力情報の値となる試験における試験個数と有為差を判断する必要寿命差が分かる。
したがって、上記有為差有無判定手順(N25)として、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比が上記累積確率分布分析手順(N24)で得た最大寿命比を超える場合に有為差有りと判定し、最大寿命比以内の場合に有為差無しと判定することで、定量的に適切に有為差有無を判定することができる。
この倍率変更繰り返し手順で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成し、このグラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取ると、その読み取った値が少なくとも断定できる寿命差となる。
この倍率変更繰り返し手順(N26)で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する寿命倍率関係グラフ作成手順(N27)と、
上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする有為寿命差読み取り手順(N28)と、
上記有為差有無判定手順(N25)で判定した結果および上記有為寿命差読み取り手順(N28)で読み取った、少なくとも断定できる寿命差を表示装置に表示させる結果出力手順(N29)と、を含む過程としても良い。
この寿命試験の設計・判定方法は、打切り試験に適用される場合と、加速試験に適用ささる場合とに大別される。
図1(B)に示すように、上記設計過程(S1)では、試験対象品に対応する所定のワイブル分布に従ったワイブル乱数を、試験個数と見立てた個数だけ発生させる手順(S11)、およびそのワイブル乱数を分析する手順(S12)を繰り返し(S13)、このワイブル乱数の発生および分析の繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めて(S14)、その確率分布を基に上記所定の設計対象項目の値を決定する(S15)。
そのため、簡単に、コンピュータシミュレーションにより、寿命判断の基準となる基準時間、寿命差、または試験個数等の設計が行え、また寿命試験を行った結果を元に、コンピュータシミュレーションにより、試験対象品の寿命、有為性、寿命差等を求めることができる。このように、コンピュータシミュレーションが行えるため、寿命試験の設計と試験結果の解釈を、誰もが経験によらず正確に行うことができる。
ワイブルスロープ見積もりプログラム71は、補助的に用いるものであり、また打切り試験用のプログラム群81と加速試験用のプログラム群82とを同じコンピュータ1に記憶させる場合、いずれかのプログラム群81,82に設けられる。
これら個々のプログラム(6,19,88,71,21,31,41,71,51)については、一部(打切り試験の試験個数の見積もりプログラム88)を除き、後に具体的に流れ図等と共に説明する。
打切り時間見積もりプログラム6はコンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図6に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
実績値は10個以上の試験で得た結果を用いることが望ましく、より好ましくは20個以上の試験結果である。試験個数は、より多いほど打切り時間が短くできて好ましいが、試験機の台数等で制限される場合があり、納期や種々の状況を考慮して実際に試験に用いる個数を入力する。
理解の容易のため、この具体的処理例を参照し、具体的な数値例を用いて、コンピュータ演算処理過程A2となる打切り演算手順B2の概要を説明する。
図15は、L10寿命が1000時間であるワイブルスロープ1.85の寿命分布を示している。
このように発生させたワイブル乱数は、ワイブルスロープ1.85、L10寿命1000時間の寿命である6個の試験片の寿命試験を行い、寿命データを得ることに対応している。
次に、得られた6個の乱数すべてが何時間以上になるかを調べる(手順B23)。調べたデータは、所定の記憶領域に記憶しておく。
以上の手順(B22,B23)を設定回数(例えば、5000回)繰り返す(手順B24)。なお、ワイブル分布特定手順B21は、乱数発生手順B22に含め、繰り返し毎に特定を行うようにしても良い。
このように、上記累積分布(図16)において、上記入力情報のうちの信頼度(L10寿命の場合は90%)に対応する時間を読み取って、全数未破損時の打切り時間とする(手順B26)。
このように読み取った時間を、全数未破損時の打切り時間として、図14(A)の画面の一部に示したように、表示する(手順B27)。なお、図14はL10寿命が1622時間の場合のデータであり、表示された打切り時間は、L10寿命を1000時間とした場合の打切り時間よりも長い時間となっている。
ワイブル分布は、3つのパラメータを持っており、ワイブルスロープmによって指数分布、対数正規分布、正規分布を表現できる万能分布として知られている。参考として、図17に各種パラメータを変化させた時のワイブル分布の変化を示す。ワイブルスロープmは、分布の形状を支配するパラメータであり、この値が小さいほどばらつきの大きい分布ということができる。尺度因子αは、横軸(寿命)のスケールを変化させるもので、この値が大きいほど寿命は相対的に長くなる。最小寿命γは、寿命分布の横軸(寿命)を単にシフトさせるものである。
1) ワイブルスロープmを実績から決定する。
2) 乱数を発生させたい分布の信頼度(例えばL10寿命であるか、あるいはL50寿 命であるか、及び寿命の値)を決定する。
3) 信頼度から求めたワイブルスロープmから、最小寿命γを所定の数式を使って決定 する。例えば、L10寿命またはL50寿命から求めた尺度因子αから、
最小寿命γを、例えば、以下の2)式を使って決定する。
この式は、1990年制定のISOの最小寿命であり、実験値からの回帰式である。
なお、最小寿命の定め方については、各種の規格(例えばISO)において、時代と共に変更される場合があるが、規格の変更に伴い、実施時の規格に応じた定め方を採用すれば良い。また、最小寿命は、材料試験条件によっても変化するのでより一般的な式で記述するほうが良いとの主張もあり、適宜の値を用いれば良い。
確率密度関数f(x)の変域が図18のように、0からX0 の範囲にあるとみなされるものとし、その変域内でのf(x)の最大値をMとする。RNを区間〔0,1 〕での一様擬似乱数とするとX0 ・RNにより、区間〔0,x0〕での一様擬似乱数xiを発生することができる。同様にして、M・RNにより、区間〔0,M 〕での一様擬似乱数yiを発生することができる。そこで、このようにして発生させた乱数xi,yiがf(xi)> yi となる条件を満足する場合には、乱数xiは与えられた確率密度分布に従うものとして採用し、満足しなければ、その乱数xiを不採用とする。この作業を繰り返し、確率密度分布に従う確率で乱数xiを採用し、確率密度分布に従う乱数の数列を作っていく方法を棄却法という。この方法は、条件に合わない乱数を捨てることになるので乱数発生法としては効率がよくないが、よい一様乱数さえ得られれば原理的に正しい数列が得られる方法である。
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
表示装置の画面に、入力情報として、打切り試験の対象となる、軸受またはその他の機械部品のワイブルスロープの値、試験個数、要求寿命、および要求寿命の信頼度を入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(B1)と、
実行命令の入力に応答して、打切り時間を演算し上記表示装置の画面に出力する打切り時間演算手順(B2)とを含む。
特定されたワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を、上記入力情報における試験個数分だけ発生させる乱数発生手順(B22)と、
この乱数発生手順で発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する乱数分析手順(B23)と、
上記乱数発生手順および上記乱数分析手順を設定回数繰り返す手順(B24)と、
この繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうちの、全てのワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順(B25)と、
この累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、全数未破損時の打切り時間とする手順(B26)と、
読み取った時間を表示装置2の画面に表示する手順(B27)とを含む。
全数打切り時間を経過せずに破損が発生した場合、目標品質を保証するためには、残存試験片の打ち切り時間は初めに設定した全数打切り時間よりも長くなることは容易に推測できる。ここでは、要求品質を満たすための残存軸受の打切り時間を見積もる方法について説明する。
以上の手順B22′,B23′を設定回数(例えば5000回)だけ繰り返す(手順B24′)。
累積分布を演算する手順(B25′)は、繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうち、最も短い乱数から上記i個を除く残存ワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順とする。
打切り時間とする手順B26′は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、i個破損時の打切り時間とする手順とする。
コンピュータ1は、表示装置2の画面に、入力情報として、打切り試験の対象となる、軸受のワイブルスロープの値、試験個数、要求寿命、および要求寿命の信頼度を入力を促す表示を行わせる促し画面出力手段7と、実行命令の入力に応答して、打切り時間を演算し上記表示装置2の画面に出力する打切り時間演算手段8とを含む。
乱数発生手段10は、上記のように特定されたワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を、上記入力情報における試験個数分だけ発生させる手段であり、図6の手順B22で説明した処理を行う。
乱数分析手段11は、乱数発生手段10で発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する手段であり、図6の手順B23で説明した処理を行う。
繰り返し手段12は、乱数発生手段10による上記ワイブル乱数の発生、および乱数分析手段11による演算を設定回数繰り返す繰り返させる手段であり、図6の手順B24で説明した処理を行う。
対応時間読み取り手段14は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、全数未破損時の打切り時間とする手段であり、図6の手順B26で説明した処理を行う。
読取結果出力手段15は、対応時間読み取り手段14で読み取った打切り時間を表示装置2に出力させる手段であり、図6の手順B27で説明した処理を行う。
累積分布演算手段13は、上記繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうち、最も短い乱数から上記i個を除く残存ワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算するものとする。
対応時間読み取り手段14は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、i個破損時の打切り時間とするものとする。
図8の 試験中止基準時間見積もりプログラム19はコンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図11に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
次に、得られた6個のワイブル乱数を昇順に並び替え、最も小さい乱数が何時間以上になるかを調べる(D23)。以上の手順D22,D23を設定回数(例えば、5000回)回繰り返す(D24)。
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
表示装置の画面に、入力情報として、打切り試験の対象となる、軸受またはその他の機械部品のワイブルスロープの値、試験個数、要求寿命、および要求寿命の信頼度を入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(D1)と、
実行命令の入力に応答して、打切り時間を演算し上記表示装置の画面に出力する打切り時間演算手順(D2)とを含む。
特定されたワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を、上記入力情報における試験個数分だけ発生させる乱数発生手順(D22)と、
この乱数発生手順で発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する乱数分析手順(D23)と、
上記乱数発生手順および上記乱数分析手順を設定回数繰り返す手順(D24)と、
この繰り返し手順(D24)の各回おける、発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順(D25)と、
この累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、1個破損時の打切り時間とする手順(D26)と、
この読み取った時間を表示装置2の画面に表示する手順D27)とを含む。
図11の手順と異なる手順は次の事項であり、その他の図11の手順と同じである。図12の例では、乱数分析手順D22′は、上記乱数発生手順D22′で発生させたワイブル乱数のうち、最も短い乱数からi個(iは、上記試験個数未満の零を含む任意の整数)を除く残存ワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する手順とする。
対応時間読み取り手順D26′は、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する値を読み取って、i+1個破損時の打切り時間とする手順とする。
コンピュータ1は、表示装置2の画面に、入力情報として、打切り試験の対象となる、軸受またはその他の機械部品のワイブルスロープの値、試験個数、要求寿命の信頼度の選択、および選択された信頼度における要求寿命の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手段7と、実行命令の入力に応答して、試験中止基準時間を演算し演算結果を表示装置2の画面に表示させる試験中止基準時間演算手段18を含む。
この実施形態では、コンピュータ1のハードウェアおよび促し画面出力手段7が、打切り時間見積もり装置と兼用される。
乱数発生手段10Aは、上記のように特定されたワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を、上記入力情報における試験個数分だけ発生させる手段であり、図11の手順D22で説明した処理を行う。
乱数分析手段11Aは、乱数発生手順10Aで発生させたワイブル乱数のうちの最も短いワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する手段であり、図11の手順D23Dで説明した処理を行う。
繰り返し手段12Aは、乱数発生手順10Aおよび乱数分析手順11Aの処理を設定回数繰り返させる手段であり、図11の手順D24で説明した処理を行う。
対応時間読み取り手段14Aは、上記累積分布において、上記入力情報のうちの、100%から信頼度を減算した値に対応する時間を読み取って、1個破損時の試験中止基準時間とする手段であり、図11の手順D27で説明した処理を行う。
累積分布演算手段13Aは、繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうち、最も短い乱数から上記i個を除く残存ワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算するものとする。
対応時間読取手段14Aは、上記累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、i+1個破損時の打切り時間とするものとする。
上記のように全数打切り時間を表示装置2の画面に出力させた後、軸受の納期が全数打切り時間よりも長いことを確認する。ここで、全数打ち切り時間より短い時間で破損が生じた場合、より長い試験が必要になるので、複数個破損時打切り時間と納期の関係も留意したほうがよい。次に、1個目の試験中止基準を見て、この1個目の試験中止基準以下の時間で破損が発生すると、試験を中止したほうが良いという判断基準も確認する。以上の検討が終了次第、試験は実施すればよい。
図21に目標品質による全数打切り時間と試験中止基準(1個破損時)の計算結果の変化を示す。打切り時間と試験中止時間は、目標品質が大きくなるにつれて、線形に長くなることが分かる。
図22に試験個数による全数打切り時間と試験中止基準(1個破損時)の計算結果の変化を示す。打切り時間と試験中止時間は、試験個数が多くなるにつれて、指数関数的に短くなることが分かる。これは、試験個数が多くなると、打切り時間が短くても目標品質を保証できるためである。また、試験中止時間が短くなる理由は、試験個数が多くなると、1個短寿命品が出ても他の試験片が長寿命であれば、目標品質を保証できる可能性が出てくるためである。
図23にワイブルスロープによる全数打切り時間と試験中止基準(1個破損時)の計算結果の変化を示す。打切り時間は、ワイブルスロープが大きくなるにつれて指数関数的に短くなり、試験中止時間はワイブルスロープが大きくなるにつれて長くなることが分かる。これは、同じL10寿命であればワイブルスロープが大きいほど寿命分布が全体的に短寿命側に分布するためである。また、試験中止時間が長くなる理由は、ワイブルスロープが大きくなると、短寿命側の寿命の発生頻度が小さくなり、短寿命が発生する可能性が少なくなるためである。
(1)L10寿命が短くなる試験条件を採用すること、
(2)試験個数をできるだけ多くすること、
(3)ワイブルスロープが大きくなる試験条件(寿命がそろう試験条件)で試験を実施することが重要になるといえる。
今、納期は2100時間であるので、1860時間の全数打切り時間は設計上問題ない値になる。
この実施形態の寿命打切り試験からの寿命見積もり方法は、例えば、一つのロットの軸受の中から一部の軸受を抜き取って打切り寿命試験を行い、そのロットの寿命を確認する試験等に適用される。
寿命見積もりプログラム21は、コンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図28および図29に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は後に説明する。
実績値は10個以上の試験で得た結果を用いることが望ましく、より好ましくは20個以上の試験結果である。
試験は破損が発生することなく継続し、全数打切り時間が1860時間を経過したので目標品質を保証できるという結果が得られた。試験を終了してもよいが、試験機を他の調査で今すぐ使用するという状況ではないので、その製品の寿命水準を把握しておくという目的で更に試験を継続するということになった。
以上が全数打切り試験の途中結果から寿命を算出する方法である。
図29の流れ図において、具体例を示す注釈部分を参照して説明する。基本的な手順は、図30と共に前述した全数打切り試験結果から寿命を見積もる手順と同様である。
なお、全数未破損時の打切り時間、一部破損時の打切り時間、および試験中止基準時間は、適宜の方法で見積もることができるが、ここでは説明を省略する。
まず、現在の全数未破損時間である3000時間よりも、適宜の設定割合、例えば1/10倍(=300時間)のL10寿命を持つワイブル分布(ワイブルスロープは実績から設定して1.85)から乱数を6個発生する(手順G21)。
次に、得られた6個の乱数を昇順に並び替え、最も小さな乱数以外の5個のデータが3000時間以上になるかどうかを調べる(手順G22)。
これらは、ワイブルスロープ1.85、L10寿命300時間の寿命である6個の試験片を寿命試験したときに、一番短寿命である試験片以外の5個の試験片がどのくらいの確率で3000時間未破損になるかを調査していることに対応する。
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
表示装置の画面に、入力情報として、試験対象品のワイブルスロープの値、試験対象品の試験個数、未破損の試験対象品の個数である未破損個数または破損個数、および未破損時間の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(G1)と、
実行命令に応答して、寿命を演算し上記表示装置の画面に表示させる寿命演算手順(G2)とを含む。
未破損時間対する設定割合の寿命を持つワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を試験個数分発生させ、上記ワイブル分布には上記入力情報のワイブルスロープの値を用いる乱数発生手順(G21)と、
発生した試験個数分のワイブル乱数のうち、破損個数分の乱数を短いものから順に除いた残りの乱数が未破損時間以上になるか否かを調べる乱数分析手順(G22)と、
上記乱数発生手順(G1)および上記乱数分析手順(G22)を設定回数繰り返し、この繰り返しの各回おける上記乱数分析手順で調べた未破損時間以上にある確率を調べる設定割合寿命充足調査手順(G23)と、
この設定割合寿命充足調査手順(G23)を、破損時間よりも短い所定の最短寿命から次第に長い所定の最長寿命まで、繰り返し毎に、上記設定割合を順次変更した寿命を持つワイブル分布に対して繰り返す異寿命充足調査手順(G24)と、
この異寿命充足調査手順(G24)により得られた寿命と未破損時間以上にある確率の関係から、その発生確率が、100%から所定信頼度を減算した値となる寿命を読み取って試験対象品のロットの寿命と定める寿命読み取り手順(G25)と、
寿命出力手順(G26)とを含む。
コンピュータ1は、表示装置2の画面に、入力情報として、試験対象品のワイブルスロープの値、試験対象品の試験個数、未破損の試験対象品の個数である未破損個数または破損個数、および未破損時間の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手段7Eと、
実行命令の入力に応答して、寿命を見積もる演算を行いその演算結果を上記表示の画面に出力する寿命見積もり演算手段22とを備える。
乱数発生手段23は、ワイブル分布特定部23aと、乱数発生部23bとからなる。ワイブル分布特定部23aは、図29の手順G211で説明した処理を行い、乱数発生部23bは、図29の手順G212Dで説明した処理を行う。
必要試験個数見積もりプログラム31は、コンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図38および図39に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
なお、この必要試験個数見積もり装置およびプログラムでは、計算が終了すると、例えば、試験個数と有為差有りと判断できる必要寿命差との関係を示すグラフ(例えば図42)を初めに出力し、この状態で所定の入力を行うことで、図41の計算結果の表示が、上記グラフ上に重ねて表示されるようにしてある。上記所定の入力は、例えば上記必要試験個数見積もりプログラムが複数のシートをブックとして持つ表計算ソフトウェアである場合、シートを選択する入力とされる。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順J21〜G27を説明する。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(J22)。
次に、得られた1組のL10寿命とL50寿命の寿命比をそれぞれ算出する。すなわちL10寿命同士の寿命比、およびL50寿命同士の寿命比を算出する(J23)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
上記表示装置の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、および何倍であれば有為差有りと判断するかの倍数で示される寿命差の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(J1)と、
実行命令に応答して必要試験個数を演算し上記表示装置の画面に表示させる必要試験個数演算手順(J2)とを含む。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を仮試験個数分発生させる第1乱数発生手順(J21)と、
この第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる第2乱数発生手順(J22)と、
第1乱数発生手順(J21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(J22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する寿命比算出手順(J23)と、
これら第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および寿命比算出手順(J23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順(J24)と、
上記仮試験個数を繰り返しの都度変えて、上記第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および累積確率分布の作成までの手順である累積確率分布作成手順(J24)を、上記仮試験個数が設定最小個数から設定最大個数まで変わる範囲で繰り返し、試験個数と必要寿命差の関係を示すグラフを作成する個数・寿命差関係グラフ作成手順(J25)と、
この手順で作成された試験個数と必要寿命差の関係のグラフから、上記入力情報の寿命差に対応する個数を読み取って必要試験個数と定める必要試験個数読み取り手順(J26)と、
この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる必要試験個数出力手順(J27)とを含む。
また、寿命比較算出手順J23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。加速試験においては、破損の発生した時間からワイブルプロットで寿命を求めることが行われており、このような破損時間から寿命を求める計算方法を、上記寿命比算出手順における寿命計算方法として用いる。
(1) 寿命試験を実施する。
(2) 得られたデータ(破損した時間あるいは破損した負荷回数)を昇順に並び替える。
(3) これらデータを図76のグラフ(ワイブル確率紙)にプロットする(縦軸:累積破損確率、横軸:寿命)。
(4) 図76の紙にプロットしたデータの最適直線を最小二乗法で引く。このとき、L10 寿命以下の位置に最小寿命があるということになるので、L10 寿命の値を10分割し(何分割でも良いがフィッティングでの計算時間が妥当な時間になるように設定する)、累積確率0 %の位置にプロットを加える。10通りの最適曲線で最もデータがフィットする最適直線を採用する。
(5) そうすると、ワイブルスロープがこの線の傾き、最小寿命は、L10 寿命の値を10分割のいずれかの値、L10 寿命(ワイブルスロープが累積確率10%交わる寿命)と尺度因子αの関係からαを決定できる。
演算処理装置であるコンピュータ1と、このコンピュータ1の出力を画面に表示する表示装置2と、上記コンピュータ1に入力を行う入力手段3とを備える。
第2乱数発生手段34は、第1乱数発生手段33と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる手段であり、手順J22につき説明した処理を行う。
寿命比算出手段35は、第1乱数発生手段33で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手段34で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する手段であり、手順J23につき説明した処理を行う。
必要試験個数出力手段39は、この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる手段であり、手順J27につき説明した処理を行う。
必要寿命差見積もりプログラム41は、図48および図49に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順L21〜L26を説明する。
まず、そのワイブル分布に従って1ロット目の試験個数n1である3個の乱数を発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を算出する(L21)。算出方法は、従来の加速試験の結果からの寿命算出に用いられている適宜の方法を使用する。なお、L10寿命だけ、またはL50寿命だけを演算しても良いが、この実施形態では、L10寿命とL50寿命のそれぞれについて必要寿命差を計算するために、L10寿命とL50寿命の両方を算出している。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から、第2ロット目の試験個数n2である3個の乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(L22)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める(L25)。
上記の具体例では、(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要寿命差は、2.57倍である。(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要寿命差は、2.57倍(1/0.39=2.57)である。
上記表示装置の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、並びに比較する水準1および水準2の2つのロットの各試験個数の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(L1)と、
実行命令に応答して必要な寿命差を演算し上記表示装置の画面に表示させる必要寿命差演算手順(L2)とを含む。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順(L21)と、
第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順(L22)と、
第1乱数発生手順(L21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(L22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)となる寿命比を算出する寿命比算出手順(L23)と、
これら第1乱数発生手順(L21),第2乱数発生手順(L22),および寿命比算出手順(L23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順(L24)と、
上記累積確率分布から設定信頼幅内の最大および最小の寿命比を読み取り、最小の寿命比は逆数で表して、それぞれ、
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める必要寿命差読み取り手順(L25) と、
この読み取った必要寿命差を表示装置に出力させる必要寿命差出力手順(L26)と、を含む。
また、寿命比較算出手順L23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、前述と同様に、加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。
第2乱数発生手段44は、第1乱数発生手段43と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる手段であり、手順L22で説明した処理を行う。
寿命比算出手段45は、第1乱数発生手段43で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と、第2乱数発生手段44で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)となる寿命比を算出する手段であり、手順L23で説明した処理を行う。
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める手段であり、手順L25で説明した処理を行う。
必要寿命差出力手段48は、この読み取った必要寿命差を表示装置2に出力させる手段であり、手順L26で説明した処理を行う。
有為差有無判定・有為寿命差見積もりプログラム51は、図56および図57に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
入力画面2aは、同図の例では複数の画面に切り替えて表示される。入力画面のうち、第1の画面(図58(A)では、L10寿命とL50寿命とのいずれで有為差を検定するかを選択させる表示が行われる。この画面に対して、ラジオボタン等からなる表示部分を選択することで、L10寿命とL50寿命とのいずれかが選択できる。
第2の画面(図58(B))では、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値の入力を促す表示、および入力を記入する記入用表示が行われる。オペレータは、この記入用表示に、該当する値を入力する。
第2の画面(図58(C))では、比較する水準1および水準2の2つのロットの各試験個数n1,n2の入力、および試験結果の寿命を促す表示が行われ、その個数および寿命を入力する記入用表示が行われる。オペレータは、この記入用表示に対して該当する情報を入力する。
有為差がある場合は、同図(B)のように、有為差ありという表示と、少なくとも断定できる寿命差(倍率)が表示される。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順N21〜N29を説明する。
まず、そのワイブル分布に従って1ロット目の試験個数n1である3個の乱数を発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を算出する(N21)。算出方法は、従来の加速試験の結果からの寿命算出に用いられている適宜の方法を使用する。なお、L10寿命だけ、またはL50寿命だけを演算しても良いが、この実施形態では、L10寿命とL50寿命のそれぞれについて必要寿命差を計算するために、L10寿命とL50寿命の両方を算出している。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から、第2ロット目の試験個数n2である3個の乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(N22)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
手順N26では、寿命分布が異なるワイブル分布との組み合わせで、上述と同様の計算を行う。具体的には、ワイブル分布と寿命が1.1 、1.2 …50倍異なるワイブル分布の組み合わせで計算を行う。このようにして計算を行うと、組み合わせが1.1 、1.2 …50倍と変化するごとに、寿命差が1.1 、1.2 …50倍を中心にしてばらつくはずである。
この定めた寿命差の値は、有為差有りという表示と共に、表示装置2の出力画面2b(図59(A))に出力する(N29)。
以上が2ロットの寿命から少なくともいえる寿命差を算出する手順である。
上記表示装置(2)の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、比較する水準1,水準2の2つのロットの各試験個数および試験結果の寿命の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(N1)と、
実行命令に応答して上記有為差有無の判定および少なくとも断定できる寿命差の演算を行いその演算結果を上記表示装置の画面に出力する有為差判定・有為寿命差演算手順(N2)とを含む。
上記入力情報のワイブルスロープの値および仮設定寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順(N21)と、
第1乱数発生手順(N21)と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順(N22)と、
第1乱数発生手順(N21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(N22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する寿命比算出手順(N23)と、
これら第1乱数発生手順(N21),第2乱数発生手順(N22),および寿命比算出手順(N23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成して累積確率分布から、設定信頼幅内の最大の寿命比を読み取る累積確率分布分析手順(N24)と、
上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比が上記累積確率分布分析手順で得た最大寿命比を超える場合に有為差有りと判定し最大寿命比以内の場合に有為差無しと判定する有為差有無判定手順(N25)とを備える。
この倍率変更繰り返し手順(N26)で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する寿命倍率関係グラフ作成手順(N27)と、
上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする有為寿命差読み取り手順(28)と、
上記有為差有無判定手順(N28)で判定した結果および上記有為寿命差読み取り手順で読み取った、少なくとも断定できる寿命差を表示装置に表示させる結果出力手順(29)と、を含む。
また、寿命比較算出手順N23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、前述と同様に加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。
第2乱数発生手段54は、第1乱数発生手段53と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる手段であり、手順N22で説明した処理を行う。
寿命比算出手段55は、第1乱数発生手段53で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と、第2乱数発生手段54で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する手段であり、手順N23で説明した処理を行う。
寿命倍率関係グラフ作成手段59は、倍率変更繰り返し手段58で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する手段であり、手順N27で説明した処理を行う。
有為寿命差読み取り手段60は、上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする手段であり、手順N28で説明した処理を行う。
必要試験個数見積もりプログラム31は、コンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図38および図39に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
なお、この必要試験個数見積もり装置およびプログラムでは、計算が終了すると、例えば、試験個数と有為差有りと判断できる必要寿命差との関係を示すグラフ(例えば図42)を初めに出力し、この状態で所定の入力を行うことで、図41の計算結果の表示が、上記グラフ上に重ねて表示されるようにしてある。上記所定の入力は、例えば上記必要試験個数見積もりプログラムが複数のシートをブックとして持つ表計算ソフトウェアである場合、シートを選択する入力とされる。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順J21〜G27を説明する。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(J22)。
次に、得られた1組のL10寿命とL50寿命の寿命比をそれぞれ算出する。すなわちL10寿命同士の寿命比、およびL50寿命同士の寿命比を算出する(J23)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
コンピュータで実行可能なプログラムであって、
上記表示装置の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、および何倍であれば有為差有りと判断するかの倍数で示される寿命差の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(J1)と、
実行命令に応答して必要試験個数を演算し上記表示装置の画面に表示させる必要試験個数演算手順(J2)とを含む。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を仮試験個数分発生させる第1乱数発生手順(J21)と、
この第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる第2乱数発生手順(J22)と、
第1乱数発生手順(J21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(J22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する寿命比算出手順(J23)と、
これら第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および寿命比算出手順(J23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順(J24)と、
上記仮試験個数を繰り返しの都度変えて、上記第1乱数発生手順(J21),第2乱数発生手順(J22),および累積確率分布の作成までの手順である累積確率分布作成手順(J24)を、上記仮試験個数が設定最小個数から設定最大個数まで変わる範囲で繰り返し、試験個数と必要寿命差の関係を示すグラフを作成する個数・寿命差関係グラフ作成手順(J25)と、
この手順で作成された試験個数と必要寿命差の関係のグラフから、上記入力情報の寿命差に対応する個数を読み取って必要試験個数と定める必要試験個数読み取り手順(J26)と、
この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる必要試験個数出力手順(J27)とを含む。
また、寿命比較算出手順J23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。加速試験においては、破損の発生した時間からワイブルプロットで寿命を求めることが行われており、このような破損時間から寿命を求める計算方法を、上記寿命比算出手順における寿命計算方法として用いる。
(1) 寿命試験を実施する。
(2) 得られたデータ(破損した時間あるいは破損した負荷回数)を昇順に並び替える。
(3) これらデータを図76のグラフ(ワイブル確率紙)にプロットする(縦軸:累積破損確率、横軸:寿命)。
(4) 図76の紙にプロットしたデータの最適直線を最小二乗法で引く。このとき、L10 寿命以下の位置に最小寿命があるということになるので、L10 寿命の値を10分割し(何分割でも良いがフィッティングでの計算時間が妥当な時間になるように設定する)、累積確率0 %の位置にプロットを加える。10通りの最適曲線で最もデータがフィットする最適直線を採用する。
(5) そうすると、ワイブルスロープがこの線の傾き、最小寿命は、L10 寿命の値を10分割のいずれかの値、L10 寿命(ワイブルスロープが累積確率10%交わる寿命)と尺度因子αの関係からαを決定できる。
演算処理装置であるコンピュータ1と、このコンピュータ1の出力を画面に表示する表示装置2と、上記コンピュータ1に入力を行う入力手段3とを備える。
第2乱数発生手段34は、第1乱数発生手段33と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる手段であり、手順J22につき説明した処理を行う。
寿命比算出手段35は、第1乱数発生手段33で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手段34で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する手段であり、手順J23につき説明した処理を行う。
必要試験個数出力手段39は、この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる手段であり、手順J27につき説明した処理を行う。
必要寿命差見積もりプログラム41は、図48および図49に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順L21〜L26を説明する。
まず、そのワイブル分布に従って1ロット目の試験個数n1である3個の乱数を発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を算出する(L21)。算出方法は、従来の加速試験の結果からの寿命算出に用いられている適宜の方法を使用する。なお、L10寿命だけ、またはL50寿命だけを演算しても良いが、この実施形態では、L10寿命とL50寿命のそれぞれについて必要寿命差を計算するために、L10寿命とL50寿命の両方を算出している。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から、第2ロット目の試験個数n2である3個の乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(L22)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める(L25)。
上記の具体例では、(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要寿命差は、2.57倍である。(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要寿命差は、2.57倍(1/0.39=2.57)である。
上記表示装置の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、並びに比較する水準1および水準2の2つのロットの各試験個数の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(L1)と、
実行命令に応答して必要な寿命差を演算し上記表示装置の画面に表示させる必要寿命差演算手順(L2)とを含む。
試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順(L21)と、
第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順(L22)と、
第1乱数発生手順(L21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(L22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)となる寿命比を算出する寿命比算出手順(L23)と、
これら第1乱数発生手順(L21),第2乱数発生手順(L22),および寿命比算出手順(L23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順(L24)と、
上記累積確率分布から設定信頼幅内の最大および最小の寿命比を読み取り、最小の寿命比は逆数で表して、それぞれ、
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める必要寿命差読み取り手順(L25) と、
この読み取った必要寿命差を表示装置に出力させる必要寿命差出力手順(L26)と、を含む。
また、寿命比較算出手順L23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、前述と同様に、加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。
第2乱数発生手段44は、第1乱数発生手段43と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる手段であり、手順L22で説明した処理を行う。
寿命比算出手段45は、第1乱数発生手段43で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と、第2乱数発生手段44で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)となる寿命比を算出する手段であり、手順L23で説明した処理を行う。
(第2水準の寿命)/(第1水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
(第1水準の寿命)/(第2水準の寿命)の場合の必要な寿命差、
として定める手段であり、手順L25で説明した処理を行う。
必要寿命差出力手段48は、この読み取った必要寿命差を表示装置2に出力させる手段であり、手順L26で説明した処理を行う。
有為差有無判定・有為寿命差見積もりプログラム51は、図56および図57に流れ図で示す手順を備えるものである。同図の内容は、後に説明する。
入力画面2aは、同図の例では複数の画面に切り替えて表示される。入力画面のうち、第1の画面(図58(A)では、L10寿命とL50寿命とのいずれで有為差を検定するかを選択させる表示が行われる。この画面に対して、ラジオボタン等からなる表示部分を選択することで、L10寿命とL50寿命とのいずれかが選択できる。
第2の画面(図58(B))では、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値の入力を促す表示、および入力を記入する記入用表示が行われる。オペレータは、この記入用表示に、該当する値を入力する。
第2の画面(図58(C))では、比較する水準1および水準2の2つのロットの各試験個数n1,n2の入力、および試験結果の寿命を促す表示が行われ、その個数および寿命を入力する記入用表示が行われる。オペレータは、この記入用表示に対して該当する情報を入力する。
有為差がある場合は、同図(B)のように、有為差ありという表示と、少なくとも断定できる寿命差(倍率)が表示される。
理解の容易のため、具体的数値を上げ、同図の具体的処理例を参照して、各手順N21〜N29を説明する。
まず、そのワイブル分布に従って1ロット目の試験個数n1である3個の乱数を発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を算出する(N21)。算出方法は、従来の加速試験の結果からの寿命算出に用いられている適宜の方法を使用する。なお、L10寿命だけ、またはL50寿命だけを演算しても良いが、この実施形態では、L10寿命とL50寿命のそれぞれについて必要寿命差を計算するために、L10寿命とL50寿命の両方を算出している。
次に、同じL10寿命を持つワイブル分布から、第2ロット目の試験個数n2である3個の乱数を3個発生させ、その3個のデータからL10寿命とL50寿命を上記と同じ方法で算出する(N22)。
これらは、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとり、寿命試験を行った結果、どの程度の寿命差が出るのかを設定回数(1000回)確認することに対応している。
この結果は、同じ寿命分布を持つロットから3個の試験片を2組抜きとって寿命比較を行っても、90%のものは0.39〜2.57倍の間で寿命比がばらついてしまうことを示している。逆にいうと、ばらつき内の最大値である2.57倍以上の寿命差があれば、そのロット間の寿命分布が異なっている可能性が高いということになるので、2ロットの比較試験で試験個数がそれぞれ3個の場合、有為差を判断できる寿命差は2.57倍以上であるといえる。
手順N26では、寿命分布が異なるワイブル分布との組み合わせで、上述と同様の計算を行う。具体的には、ワイブル分布と寿命が1.1 、1.2 …50倍異なるワイブル分布の組み合わせで計算を行う。このようにして計算を行うと、組み合わせが1.1 、1.2 …50倍と変化するごとに、寿命差が1.1 、1.2 …50倍を中心にしてばらつくはずである。
この定めた寿命差の値は、有為差有りという表示と共に、表示装置2の出力画面2b(図59(A))に出力する(N29)。
以上が2ロットの寿命から少なくともいえる寿命差を算出する手順である。
上記表示装置(2)の画面に、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、比較する水準1,水準2の2つのロットの各試験個数および試験結果の寿命の入力を促す表示を行わせる促し画面出力手順(N1)と、
実行命令に応答して上記有為差有無の判定および少なくとも断定できる寿命差の演算を行いその演算結果を上記表示装置の画面に出力する有為差判定・有為寿命差演算手順(N2)とを含む。
上記入力情報のワイブルスロープの値および仮設定寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順(N21)と、
第1乱数発生手順(N21)と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順(N22)と、
第1乱数発生手順(N21)で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順(N22)で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する寿命比算出手順(N23)と、
これら第1乱数発生手順(N21),第2乱数発生手順(N22),および寿命比算出手順(N23)を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成して累積確率分布から、設定信頼幅内の最大の寿命比を読み取る累積確率分布分析手順(N24)と、
上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比が上記累積確率分布分析手順で得た最大寿命比を超える場合に有為差有りと判定し最大寿命比以内の場合に有為差無しと判定する有為差有無判定手順(N25)とを備える。
この倍率変更繰り返し手順(N26)で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する寿命倍率関係グラフ作成手順(N27)と、
上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする有為寿命差読み取り手順(28)と、
上記有為差有無判定手順(N28)で判定した結果および上記有為寿命差読み取り手順で読み取った、少なくとも断定できる寿命差を表示装置に表示させる結果出力手順(29)と、を含む。
また、寿命比較算出手順N23において、発生したワイブル乱数からのL10寿命を求める演算は、前述と同様に加速試験において従来から用いられている中の適宜の寿命計算方法を用いれば良い。
第2乱数発生手段54は、第1乱数発生手段53と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる手段であり、手順N22で説明した処理を行う。
寿命比算出手段55は、第1乱数発生手段53で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と、第2乱数発生手段54で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する手段であり、手順N23で説明した処理を行う。
寿命倍率関係グラフ作成手段59は、倍率変更繰り返し手段58で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する手段であり、手順N27で説明した処理を行う。
有為寿命差読み取り手段60は、上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする手段であり、手順N28で説明した処理を行う。
この入力画面2aでは、図68(A)のように、何回目(図では試験水準○○と称す)の試験であるかの入力を行う画面と、その試験毎の試験個数およびワイブルスロープの値を入力する画面(図68(B))とが表示される。
ここで、ワイブルスロープは、最小寿命を考慮してワイブルプロットした結果を入力することが好ましい。
オペレータは、以上の点に注意して、上記試験回数、試験毎の試験個数およびワイブルスロープの値を入力し、入力画面上の計算開始ボタン(図示せず)を指定することなどで実行命令を入力すると、ワイブルスロープ見積もりプログラム71の実行による計算が開始される。
比較データ72aは、後に図71,図72と共に説明するデータ作成方法で得たデータである。図67の横軸は、上記データ作成方法における乱数を発生させたワイブル分布であり、縦軸がワイブルスロープのばらつきである。この比較データ72aは、対比に用いる場合、縦軸が実際の試験結果のワイブルスロープの値を対応させる値を示し、横軸がその試験結果のワイブルスロープの場合のばらつきの範囲を示すことになる。
ワイブルスロープ見積もり手順Q2は、入力情報における各回の試験毎の、試験個数とワイブルスロープの値を上記比較データ群72と比較して、試験個数に対応する比較データから試験結果のワイブルスロープに対応するワイブルスロープのばらつきの上限値および下限値を読み取る手順である。
絞り込み手順Q22は、この読み取った試験毎のワイブルスロープのばらつきの上限値と下限値間の重複範囲を求めて、その重複範囲の上限値と下限値とを、試験結果から見積られるワイブルスロープの範囲として定める絞り込む手順である。
結果出力手順Q23は、上記絞り込み手順Q22で得られたワイブルスロープの範囲を表示装置2の画面に、図69のように出力する手順である。
図70(B)に、ワイブルスロープの各試験結果毎の絞込みの結果を示す。ここまでの手順が、図66のばらつき読み取り手順である。
このように、試験結果毎のワイブルスロープの範囲が重なる範囲を選択し、試験結果から見積られるワイブルスロープの範囲として定める手順が、図66の絞り込み手順Q22である。
図73(B)に図73(A)の下限値の値を試験個数で微分し、微分値の最大値で規格化した結果を示す。その微分値は試験片が10個で約80%まで低下し、試験個数が20個で約90%まで低下することが分かる。これは、試験個数を10個以上に増やせば、ワイブルスロープが真の値に近づいていく度合いが小さくなることを示している。したがって、ワイブルスロープを求める必要試験個数はおおよそ10個以上、望ましくは20個以上が目安となる。
この傾向は、ワイブルスロープが小さな試験でも同じであった。参考までに、図73(C)にワイブルスロープを1.85にした場合の図73(B)と同様の図を示す。図73(B)と同様に、微分値は試験片が10個で約80%まで低下し、試験個数が20個で約90%まで低下することが分かる。
図72(D)に示したグラフが、図67に示した比較データ群72のグラフであり、このグラフを用いれば、上記のように実績からワイブルスロープの範囲を絞り込むことができる。図71ではこの絞り込み手順をR5で示している。
この方法は、上記比較データ群72を作成する過程として、
設定ワイブルスロープを持つ設定寿命のワイブル分布を求め、このワイブル分布に従った乱数を仮の試験個数分だけ発生させる乱数発生手順(R1)と、
この発生させた乱数をワイブルプロットとしてワイブルスロープを求めるワイブルスロープ算出手順(R2)と、
上記乱数発生手順およびワイブルスロープ算出手順を設定回数繰り返し、各繰り返し過程で得られたワイブルスロープの確率分布と累積確率分布を作成し、その作成された累積確率分布から所定の信頼区間のワイブルスロープの上限値および下限値を読み取るワイブルスロープ範囲算出手順(R3)と、
上記仮の試験個数および設定ワイブルスロープを順次変化させて、上記乱数発生手順、ワイブルスロープ算出手順、およびワイブルスロープ範囲算出手順を繰り返し、試験個数毎に、ワイブルスロープ別に所定の確率で起こり得る可能性があるワイブルスロープの範囲を求めるばらつき範囲演算手順(R4)と、
このばらつき範囲演算手順(R4)で得られた計算結果を使って、試験個数毎に、横軸を乱数を発生したワイブル分布のワイブルスロープ、縦軸をワイブルスロープのばらつきとして、上記所定の確率で起こり得る可能性があるワイブルスロープの範囲の上限値および下限値のグラフを作成し、このグラフにおける縦軸の値を、上記比較データにおける試験結果のワイブルスロープの値、横軸の値を、所定の確率で取り得る可能性があるワイブルスロープの値とするグラフ作成手順(R5)と、を含む。
促し画面表示手段74は、表示装置2の画面に、入力情報として、各回の試験毎の試験個数とワイブルスロープの値を入力することを促す表示を行う手段であり、図65の促し画面出力手順Q1につき説明した処理を行う。
ばらつき読み取り手段75は、上記入力情報における各回の試験毎の、試験個数とワイブルスロープの値を上記比較データ群72と比較して、試験個数に対応する比較データ72aから試験結果のワイブルスロープに対応するワイブルスロープのばらつきの上限値および下限値を読み取る手段であり、図66のばらつき読み取り手順Q21につき説明した処理を行う。
絞り込み手段76は、この読み取った試験毎のワイブルスロープのばらつきの上限値と下限値間の重複範囲を求めて、その重複範囲の上限値と下限値とを、試験結果から見積られるワイブルスロープの範囲として定める手段であり、図66の絞り込み手順Q22につき説明した処理を行う。
結果出力手段77は、上記絞り込み手段76で得られたワイブルスロープの範囲を表示装置2の画面に出力する手段であり、図66の結果出力手順Q23につき説明した処理を行う。
2…表示装置
3…入力装置
6…打切り時間見積もりプログラム
7,7E,7F,7K,7M,…促し画面出力手段
8…打切り時間演算手段
9,9A…ワイブル分布特定手段
10,10A…乱数発生手段
11,11A…乱数分析手段
12,12A…繰り返し手段
13,13A…累積分布演算手段
14,14A…対応時間読み取り手段
15,15A…読取結果出力手段
19…試験中止基準時間見積もりプログラム
22…寿命見積もり演算手段
23……乱数発生手段
24…乱数分析手段
25…設定割合寿命調査手段
26…異寿命充足調査手段
27…寿命読み取り手段
28…読取結果出力手段
31…必要試験個数見積もり演算プログラム
32…必要試験個数演算手段
33…第1乱数発生手段
34…第2乱数発生手段
35…寿命比算出手段
36…累積分布作成手段
37…個数・寿命差グラフ作成手段
38…必要試験個数読み取り手段
39…読取結果出力手段
41…必要寿命差見積もり演算プログラム
42…必要寿命差演算手段
43…第1乱数発生手段
44…第2乱数発生手段
45…寿命比算出手段
46…累積分布作成手段
47…必要試験個数読み取り手段
48…読取結果出力手段
51…有為差有無判定・有為寿命差見積もりプログラム
52…有為差有無判定・有為寿命差見積もり手段
53…第1乱数発生手段
54…第2乱数発生手段
55…寿命比算出手段
56…累積分布作成手段
57…有為差有無判定手段
58…倍率変更繰り返し手段
59…結果出力手段
71…ワイブルスロープ見積もり方法プログラム
72…比較データ群
72a…個数毎の比較データ
73…演算処理部
74…促し画面出力手段
75…ばらつき読み取り手段
76…絞り込み手段
77…結果出力手段
Claims (6)
- 軸受等の機械部品またはその試験片からなる試験対象品を、所定の環境条件においた状態を続ける寿命試験において、寿命判断の基準となる基準時間、寿命差、または試験個数である所定の設計対象項目の値を定める設計過程と、寿命試験を行った結果から試験対象品の寿命、または有為性、または寿命差である解釈項目の判定を行う判定過程とを含む寿命試験の設計・判定方法であって、
上記設計過程は、試験対象品に対応する所定のワイブル分布に従ったワイブル乱数を、試験個数と見立てた個数だけ発生させてそのワイブル乱数を分析する手順を繰り返し、このワイブル乱数の発生および分析の繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めて、その確率分布を基に上記所定の設計対象項目の値を定める過程であり、
上記判定過程は、試験結果に応じてワイブル乱数を試験個数分発生させ、その発生させたワイブル乱数を分析する手順を繰り返し、このワイブル乱数の発生および分析の繰り返しによって得られた所定事項の確率分布を求めて、その確率分布を基に上記解釈項目の判定を行う過程である、
寿命試験の設計・判定方法。 - 請求項1において、上記寿命試験は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を所定の使用環境条件におき、目標時間である打切り時間まで破損することなく試験が継続すれば、要求寿命を満足すると判断する打切り試験であって、
上記設計過程で定める設計対象項目が、上記打ち切り時間であり、上記判定過程で行う判定が、上記の見積もった打切り時間後に少なくとも一部の試験対象品が破損することなく試験を継続している未破損時間から求められる試験対象品のロットの寿命である、
寿命試験の設計・判定方法。 - 請求項1において、上記寿命試験は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を使用環境よりも厳しい所定の環境条件におき、破損が発生した時間から寿命を算出する加速試験であり、
上記設計過程で定める設計対象項目が、試験対象品の2つのロット間で有為差有りと判断できる必要試験個数であり、上記判定過程で行う判定が、試験対象品の2つのロットの寿命から有為差が有るか無いかを判定する有為差有無の判定である、
寿命試験の設計・判定方法。 - 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を所定の使用環境条件におき、目標時間である打切り時間まで破損することなく試験が継続すれば、要求寿命を満足すると判断する打切り試験において、
判定基準となる上記打切り時間を見積もる設計過程、および実際の寿命試験の後、上記の見積もった打切り時間後に少なくとも一部の試験対象品が破損することなく試験を継続している未破損時間から試験対象品のロットの寿命を判定する判定過程を含む、寿命試験の設計・判定方法であって、
この打切り時間を見積もる設計過程は、コンピュータに対し、入力情報として、試験対象品のワイブルスロープの値、試験個数、要求寿命、および要求寿命の信頼度を入力する入力過程と、上記コンピュータに、打切り時間を演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、
上記コンピュータ演算処理過程は、ワイブル分布を、上記入力情報におけるワイブルスロープの値、要求寿命の信頼度、および要求寿命の値を用いて特定するワイブル分布特定手順と、特定されたワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を、上記入力情報における試験個数分だけ発生させる乱数発生手順と、この乱数発生手順で発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上であるかを演算する乱数分析手順と、上記乱数発生手順および上記乱数分析手順を設定回数繰り返す手順と、この繰り返し手順の各回おける、発生させたワイブル乱数のうちの全てのワイブル乱数が何時間以上になる確率が高いかを累積確率で表す累積分布を演算する手順と、この累積分布において、上記入力情報のうちの信頼度に対応する時間を読み取って、全数未破損時の打切り時間とする対応時間読み取り手順と、を実行する過程であり、
上記判定過程は、コンピュータに対し、入力情報として、試験対象品のワイブルスロープの値、試験対象品の試験個数、未破損の試験対象品の個数である未破損個数または破損個数、および未破損時間を入力する入力過程と、上記コンピュータに、寿命を演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、
上記コンピュータ演算処理過程は、未破損時間対する設定割合の寿命を持つワイブル分布に従った乱数であるワイブル乱数を試験個数分発生させ、上記ワイブル分布には上記入力情報のワイブルスロープの値を用いる乱数発生手順と、発生した試験個数分のワイブル乱数のうち、破損個数分の乱数を短いものから順に除いた残りの乱数が未破損時間以上になるか否かを調べる乱数分析手順と、上記乱数発生手順および上記乱数分析手順を設定回数繰り返し、この繰り返しの各回おける上記乱数分析手順で調べた未破損時間以上にある確率を調べる設定割合寿命充足調査手順と、この設定割合寿命充足調査手順を、破損時間よりも短い所定の最短寿命から次第に長い所定の最長寿命まで、繰り返し毎に、上記設定割合を順次変更した寿命を持つワイブル分布に対して繰り返す異寿命充足調査手順と、この異寿命充足調査手順により得られた寿命と未破損時間以上にある確率の関係から、その発生確率が、100%から所定信頼度を減算した値となる寿命を読み取って試験対象品のロットの寿命と定める寿命読み取り手順と、を実行する過程である、
ことを特徴とする寿命試験の設計・判定方法。 - 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品を使用環境よりも厳しい所定の環境条件におき、破損が発生した時間から寿命を算出する加速試験において、
試験対象品の2つのロット間で有為差有りと判断できる必要試験個数を見積もる設計過程と、試験対象品の2つのロットの寿命から、有為差有無の判定、および少なくとも断定できる、倍率による寿命差を算出する判定過程とを含む寿命試験の設計・判定方法であって、
上記設計過程は、コンピュータに対し、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、および何倍であれば有為差有りと判断するかの倍数で示される寿命差を入力する過程と、上記コンピュータに、必要試験個数を演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、
上記コンピュータ演算処理過程は、試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮に定めた寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を仮試験個数分発生させる第1乱数発生手順と、この第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を上記仮試験個数分発生させる第2乱数発生手順と、第1乱数発生手順で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命との1組の寿命比を算出する寿命比算出手順と、これら第1乱数発生手順,第2乱数発生手順,および寿命比算出手順を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成する累積確率分布作成手順と、上記仮試験個数を繰り返しの都度変えて、上記第1乱数発生手順,第2乱数発生手順,および累積確率分布の作成までの手順である累積確率分布作成手順を、上記仮試験個数が設定最小個数から設定最大個数まで変わる範囲で繰り返し、試験個数と必要寿命差の関係を示すグラフを作成する個数・寿命差関係グラフ作成手順と、この手順で作成された試験個数と必要寿命差の関係のグラフから、上記入力情報の寿命差に対応する個数を読み取って必要試験個数と定める必要試験個数読み取り手順と、この読み取った必要試験個数を表示装置に出力させる必要試験個数出力手順と、を実行する過程であり、
上記判定過程は、コンピュータに対し、入力情報として、試験対象品の持つワイブル分布のワイブルスロープの値、比較する水準1,水準2の2つのロットの各試験個数および試験結果の寿命を入力する過程と、上記コンピュータに、上記有為差有無の判定、および少なくとも断定できる寿命差を演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、
このコンピュータ演算処理過程は、試験対象品の上記入力情報のワイブルスロープの値および仮設定寿命から定まるワイブル分布に従った乱数を水準1のロットの試験個数分発生させる第1乱数発生手順と、第1乱数発生手順と同じワイブル分布に従った乱数を水準2のロットの試験個数分発生させる第2乱数発生手順と、第1乱数発生手順で発生させた設定個数の乱数から所定の寿命計算方法で求まる寿命と第2乱数発生手順で発生させた設定個数の乱数から上記所定の寿命計算方法で求まる寿命とから、1組の水準1,水準2の寿命の寿命比を算出する寿命比算出手順と、これら第1乱数発生手順,第2乱数発生手順,および寿命比算出手順を設定回数繰り返し、上記設定回数の組数の寿命比を求め、この寿命比の確率分布と累積確率分布を作成して累積確率分布から、設定信頼幅内の最大の寿命比を読み取る累積確率分布分析手順と、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比が上記累積確率分布分析手順で得た最大寿命比を超える場合に有為差有りと判定し、最大寿命比以内の場合に有為差無しと判定する有為差有無判定手順と、を実行する過程である、
寿命試験の設計・判定方法。 - 請求項5において、上記判定過程における上記コンピュータ演算処理過程は、有為差有無判定手順で有為差有りとした場合に実行され、上記ワイブル分布を仮設定寿命が異なる設定倍率となるワイブル分布に繰り返し毎に順次変えて、上記累積確率分布分析手順を、上記設定倍率が設定最小倍率から設定最大倍率となるまで繰り返す倍率変更繰り返し手順と、この倍率変更繰り返し手順で得られた、繰り返し変更した設定倍率と上記信頼幅内の最大の寿命比の関係を示すグラフである寿命倍率関係グラフを作成する寿命倍率関係グラフ作成手順と、上記寿命倍率関係グラフから、上記入力情報における水準1,水準2の寿命の寿命比に対応する上記設定倍率の値を読み取り、その読み取った値を少なくとも断定できる寿命差とする有為寿命差読み取り手順と、上記有為差有無判定手順で判定した結果および上記有為寿命差読み取り手順で読み取った、少なくとも断定できる寿命差を表示装置に表示させる結果出力手順と、を実行する過程を含む、寿命試験の設計・判定方法。
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