JP2002055815A - ソフトウェア開発支援装置、および記録媒体 - Google Patents

ソフトウェア開発支援装置、および記録媒体

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JP2002055815A
JP2002055815A JP2000239592A JP2000239592A JP2002055815A JP 2002055815 A JP2002055815 A JP 2002055815A JP 2000239592 A JP2000239592 A JP 2000239592A JP 2000239592 A JP2000239592 A JP 2000239592A JP 2002055815 A JP2002055815 A JP 2002055815A
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software
test
mathematical model
reliability
software development
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Takatsugu Fujiwara
隆次 藤原
Shigeru Yamada
茂 山田
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Fujitsu Ltd
Fujitsu Peripherals Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Fujitsu Peripherals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専門的知識を持たないユーザでも、観測デー
タに最も適した数理モデルに基づいて、ソフトウェアの
品質・信頼性を容易に評価できるソフトウェア開発支援
装置を提供する。 【解決手段】 開発テスト中にあるソフトウェアの品質
・信頼性を、複数の数理モデルに基づいて評価する機能
を備えたソフトウェア開発支援装置であって、CPU1
1は、数理モデルの種類に応じてソフトウェアの開発テ
スト中に得られる観測データから推定曲線を生成する。
さらにCPU11は、生成した推定曲線に基づいてソフ
トウェアの現状況を判断し、その判断結果を推定曲線の
グラフとともにコメント形式でモニタ2の画面上に表示
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開発テスト中にあ
るソフトウェアの品質・信頼性を評価する機能を備えた
ソフトウェア開発支援装置、およびその機能を実現する
ためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステムの浸透は著
しく、ユーザの使用目的に応じて多種多様な分野でコン
ピュータシステムが利用されている。それに伴い、ソフ
トウェアの需要も急速に増加し、これらコンピュータシ
ステムおよびソフトウェアは、日々大規模化、複雑化、
多様化の一途を辿っている。
【0003】一方、ソフトウェアの開発においては、ソ
フトウェア開発支援用のCASE(Computer Assisted
Software Engineering)ツールが利用され、このCAS
Eツールも、アプリケーションソフトウェアとして今日
多くの種類が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ソフトウェ
アの品質・信頼性を定量的に評価できるCASEツール
は、今日においてほとんど無く、そのような定量的評価
を可能としたCASEツールであっても、ソフトウェア
の開発に携わるユーザに高度な専門的知識を要したり、
予測精度の悪いものが殆どであった。
【0005】具体的に言うと、CASEツールは、予め
組み込まれた各数理モデルを用いて、ソフトウェアの開
発テスト中に得られる観測データから推定値を求め、評
価尺度として一つのグラフを生成して画面上などに描画
する。そのため、ユーザは、観測データに最も適した数
理モデルを複数の数理モデルから選択しなければなら
ず、数理モデルの選択にユーザの専門的知識が必要とさ
れた。
【0006】また、評価尺度をグラフ化するだけでは、
ユーザが高度な専門的知識を駆使してグラフから付随す
る情報を読み取らなければならず、結局のところ、ユー
ザが最終的にグラフを見て評価しなければならなかっ
た。つまり、ソフトウェアの品質・信頼性を評価するた
めには、CASEツールを利用することによっても専門
家の判断が必ず必要とされた。これでは、一般的なソフ
トウェア開発の流れに対して非効率的・非現実的であ
り、実際の運用上、一般のテスト担当者あるいはテスト
管理者が使用できるレベルとは言えなかった。
【0007】一方、ユーザによる複数の数理モデルの選
択操作を無くすために、数理モデルを1つだけ組み込ん
だCASEツールも考えられる。ところが、CASEツ
ールは、ソフトウェア開発上、多種多様なケースに適用
できなければ無意味であることから、複数の数理モデル
を備える必要があった。
【0008】
【発明の開示】本発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、専門的知識を持たないユーザで
も、観測データに最も適した数理モデルに基づいて、ソ
フトウェアの品質・信頼性を容易に評価できる、ソフト
ウェア開発支援装置、およびその装置を制御するための
プログラムを記録した記録媒体を提供することを、その
課題とする。
【0009】上記課題を解決するため、本発明では、次
の技術的手段を講じている。
【0010】すなわち、本発明の第1の側面によれば、
開発テスト中にあるソフトウェアの品質・信頼性を、複
数の数理モデルに基づいて評価する機能を備えたソフト
ウェア開発支援装置であって、数理モデルの種類に応じ
て、ソフトウェアの開発テスト中に得られる観測データ
から推定曲線を生成する推定曲線生成手段と、推定曲線
生成手段により生成された推定曲線に基づいて、ソフト
ウェアの現状況を判断する現状況判断手段と、現状況判
断手段による判断結果をユーザに提示する提示手段とを
有することを特徴とする、ソフトウェア開発支援装置が
提供される。
【0011】本発明の第2の側面によれば、開発テスト
中にあるソフトウェアの品質・信頼性を、複数の数理モ
デルに基づいて評価する機能を備えたソフトウェア開発
支援装置であって、ソフトウェアの開発テスト中に得ら
れる観測データに対して、複数の数理モデルの適合性を
評価し、最も適した数理モデルの種類を選定する最適数
理モデル選定手段を有することを特徴とする、ソフトウ
ェア開発支援装置が提供される。
【0012】好ましい実施の形態によれば、最適数理モ
デル選定手段により選定された数理モデルの種類に応じ
て、観測データから推定曲線を生成する推定曲線生成手
段と、この推定曲線生成手段により生成された推定曲線
に基づいて、ソフトウェアの現状況を判断する現状況判
断手段と、この現状況判断手段による判断結果をユーザ
に提示する提示手段とを有する。
【0013】他の好ましい実施の形態によれば、提示手
段は、推定曲線を描画出力するとともに、現状況判断手
段による判断結果を文書形式により出力する。
【0014】本発明の第3の側面によれば、開発テスト
中にあるソフトウェアの品質・信頼性を、複数の数理モ
デルに基づいて評価する機能を備えたソフトウェア開発
支援装置を制御するためのプログラムを記録した記録媒
体であって、数理モデルの種類に応じて、ソフトウェア
の開発テスト中に得られる観測データから推定曲線を生
成するための推定曲線生成プログラムと、推定曲線生成
プログラムに基づいて生成された推定曲線に基づいて、
ソフトウェアの現状況を判断するための現状況判断プロ
グラムと、現状況判断プログラムに基づいて得られた判
断結果をユーザに提示するための提示プログラムとを含
むプログラムが記録されていることを特徴とする、記録
媒体が提供される。
【0015】本発明の第4の側面によれば、開発テスト
中にあるソフトウェアの品質・信頼性を、複数の数理モ
デルに基づいて評価する機能を備えたソフトウェア開発
支援装置を制御するためのプログラムを記録した記録媒
体であって、ソフトウェアの開発テスト中に得られる観
測データに対して、複数の数理モデルごとに適合性を評
価し、最も適した数理モデルの種類を選定するための最
適数理モデル選定プログラムを含むプログラムが記録さ
れていることを特徴とする、記録媒体が提供される。
【0016】本発明によれば、観測データから生成され
た推定曲線に基づいて、開発テスト中にあるソフトウェ
アの現状況が装置自体によって判断され、その判断結果
がユーザに対して提示されるので、専門的知識を持たな
いユーザでも、提示内容に応じてソフトウェアの品質・
信頼性を容易に評価することができる。
【0017】また、観測データに対して最も適した数理
モデルの種類を装置自体が選定するので、専門的知識を
持たないユーザでも、観測データに最も適した数理モデ
ルに基づいてソフトウェアの品質・信頼性を評価するこ
とができる。
【0018】本発明のその他の特徴および利点について
は、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明ら
かになるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施形態に係るソフト
ウェア開発支援装置のブロック図であって、この図に示
すように、ソフトウェア開発支援装置は、コンピュータ
本体1、提示手段としてのモニタ2およびプリンタ3、
ならびに入力操作装置4を備えている。
【0021】コンピュータ本体1は、ソフトウェア開発
テスト用のマシン、あるいは実際に開発したソフトウェ
アを実行するマシンであって、一般的なワークステーシ
ョンやパーソナルコンピュータと同様に、CPU11、
ROM12、RAM13、ハードディスク装置14、C
D−ROMドライブ15、およびインターフェース回路
16などを備えている。これらCPU11、ROM1
2、RAM13、ハードディスク装置14、CD−RO
Mドライブ15、およびインターフェース回路16は、
バス線17により相互に接続されている。バス線17に
は、データバス、アドレスバス、および制御信号線が含
まれる。
【0022】CPU11は、装置全体を制御する。RO
M12は、装置全体の基本的動作を制御するためのプロ
グラムを記憶している。RAM13は、CPU11に対
して各種のデータや情報を記憶するためのワークエリア
を提供する。ハードディスク装置14には、各種のアプ
リケーションソフトウェアやファイルデータが保存され
ている。ハードディスク装置14に保存されているソフ
トウェアには、ソフトウェア開発支援用のCASEツー
ルが含まれるほか、開発対象となるソフトウェアが含ま
れる。CD−ROMドライブ15は、CD−ROMから
データを読み出す。CASEツールなどのアプリケーシ
ョンソフトウェアは、たとえばCD−ROMに記録され
た状態で提供され、CD−ROMドライブ15を介して
ハードディスク装置14にインストールされた後、CP
U11により実行される。
【0023】モニタ2は、CRTディスプレイや液晶デ
ィスプレイであって、CPU11の制御に応じて各種の
情報を表示する。プリンタ3は、インクジェットプリン
タやレーザプリンタであって、CPU11の制御に応じ
て各種の情報を印刷する。入力操作装置4は、キーボー
ドやマウスであって、ユーザの手操作に応じた信号をC
PU11に伝える。なお、モニタ2、プリンタ3、およ
び入力操作装置4は、コンピュータ本体1とインターフ
ェース回路16を介して接続されている。
【0024】要点について言うと、本装置は、開発テス
ト段階にあるソフトウェアの品質・信頼性、ならびにテ
スト進捗度管理を、CASEツールを用いて定量的に評
価するものである。
【0025】CASEツールには、複数の数理モデルが
予め組み込まれている。CPU11は、数理モデルの種
類に応じてソフトウェアの開発テスト中に得られる観測
データから評価尺度としての推定曲線を生成する。この
推定曲線は、モニタ2あるいはプリンタ3によって描画
出力される。各数理モデルには、各種の推定曲線が用意
されており、これら数理モデルおよび推定曲線は、それ
ぞれ任意に選択することができる。
【0026】図2は、モニタの表示例を説明するための
説明図であって、この図に一例として示すように、モニ
タ2の画面上には、プロットされた観測データとともに
推定曲線を描くためのグラフ領域21が表示される。ま
た、その際には、ソフトウェア開発のプロジェクト名2
2のほか、プルダウンメニュー形式で数理モデルの種類
を示して任意に選択できる選択可能欄23と、同じくプ
ルダウンメニュー形式で推定曲線の種類を示して選択で
きる選択可能欄24とが表示される。
【0027】ここで、推定曲線生成手段として推定曲線
を生成したCPU11は、その推定曲線と観測データと
に基づいて、開発テスト中のソフトウェアの現状況を判
断する。つまり、CPU11は、現状況判断手段として
ソフトウェアの現状況を判断した結果を、符号25の領
域に示すように、コメント形式で表示させる。これによ
り、ユーザは、コメントの内容に応じた処置を施すこと
ができる。
【0028】一方、数理モデルは、選択可能欄23でプ
ルダウンメニュー形式により任意に選択できるが、一般
のユーザにとっては、どれが観測データに最も適してい
るのか判断し難い。そのため、CPU11は、最適数理
モデル選定手段として、観測データに対する全ての数理
モデルについての適合性を、後述する適合性評価基準値
に基づいて評価し、その評価結果に基づいて最も適した
数理モデルの種類を選定する。こうして選定された数理
モデルは、選択可能欄23に表示されて自動的に適用さ
れる。つまり、ユーザは、どの数理モデルを選択すれば
良いか分からない場合であっても、最適な数理モデルを
選択できる。なお、図2は、モニタ2の表示例を示す
が、プリンタ3により印刷される用紙上でも、同様の内
容が示される。
【0029】次に、ソフトウェアの品質・信頼性、およ
びテスト進捗度管理を定量的に評価するための各種の推
定曲線について、図面を参照して説明する。
【0030】図3は、評価尺度としての信頼度成長曲線
を説明するための説明図である。この信頼度成長曲線C
1は、ソフトウェアのテスト時間と、観測データとして
現時点までに発見された累積障害数との関係を示したも
のであって、テストの進行とともに発見される総期待障
害数の時間的傾向および変化を捉えることができる。こ
の図において、CPU11により推定された信頼度成長
曲線C1が現時点で得られた観測データS1より下側に
描画されるようになったとき、今後発見される障害数
は、収束状態にあると判断できる。逆に、現時点で信頼
度成長曲線C1の傾き(図3に記号θで示し、以下「接
線角」と言う)があるのに対し、その後の任意の期間中
に障害が発見されないとき、ソフトウェアをテストする
ために用いられるテストデータの品質が悪いと判断する
ことができ、テストデータを再検討し直すなどの早急な
対策が必要とされる。
【0031】図4は、評価尺度としての強度関数を説明
するための説明図である。この強度関数とは、任意のテ
スト時間に発見される障害数を便宜的に瞬間障害発見率
C2と呼び、その単位を件数として表したものである。
この瞬間障害発見率C2は、後述するテスト空間理論に
基づくテスト空間拡大率と組み合わせて管理・判断する
ことが望ましい。しかし、全てのケースにおいて、これ
らの評価尺度を組み合わせて管理・判断することは不可
能である。そのため、ここでは瞬間障害発見率C2のみ
に基づいて判断する場合について説明する。
【0032】テスト工程の約95%終了時には、瞬間障
害発見率C2が0件であることが理想的であるが、殆ど
のケースにおいて0件にならない。そこで、プロジェク
ト開始時には、本プロジェクトの開発規模およびソフト
ウェアの使用目的からテスト工程終了時の瞬間障害発見
率を予め設定しておく。これにより、設定値以上であれ
ば、ソフトウェアの品質は未達成状態であり、設定値以
下であれば、ソフトウェアの品質は達成状態であると判
断できる。
【0033】図5は、評価尺度としてのソフトウェア信
頼度を説明するための説明図である。このソフトウェア
信頼度C3は、任意のテスト区間において、ソフトウェ
アが期待通りに動作しない障害が発生しない確率を示
す。このソフトウェア信頼度C3についても、プロジェ
クト開始時には、本プロジェクトの開発規模およびソフ
トウェアの使用目的からテスト工程終了時のソフトウェ
ア信頼度、あるいは出荷後1年間で顧客から指摘される
障害率を予め設定しておく。出荷後1年間で顧客から指
摘される障害率としては、テスト中のソフトウェアに関
して現在までに発見された障害数、残存障害数、現在ま
でのテスト時間、およびソフトウェアのライフサイクル
(寿命)に基づいて計算した値が採用される。これによ
り、設定値以上であれば、ソフトウェア信頼度は達成状
態であり、設定値以下であれば、ソフトウェア信頼度は
未達成状態であると判断できる。
【0034】図6は、評価尺度としてのテスト進捗度を
説明するための説明図である。このテスト進捗度とは、
統計的品質管理の一手法である管理図法から導かれ、ソ
フトウェアをテストする状況の良好さや、テスト工程の
安定性を判断するための指標として用いられる。具体的
には、この図に示すように、中心線C41ならびに上限
および下限を示す2本の管理限界線C42,C43から
なる管理図全体からテスト進捗度が判断され、プロット
された観測データS2が中心線C41に沿って管理限界
線C42,C43内に収まっていれば、テスト進捗度が
良好であると判断できる。逆に、プロットされた観測デ
ータS2が管理限界線C42,C43外に出ていれば、
テスト工程に何らかの異常が発生したと判断し、原因究
明とともに適切な処置を施すべき警告が必要とされる。
【0035】次に、テスト空間理論およびその評価尺度
について説明する。
【0036】ソフトウェア開発者は、一旦開発したソフ
トウェアをテストするために多種多様なテストデータを
用い、ソフトウェア内に潜在する障害の発見、およびソ
フトウェアの修正を行う。このとき、入力されたテスト
データから影響を受けるテストパスの集合体がソフトウ
ェア内部に発生する。この集合体を総称してテスト空間
と呼ぶ。ソフトウェア内部におけるテスト空間の占有率
は、入力したテストデータの項目数増加とともに拡大
し、それに伴って発見される障害数も増加する。そし
て、テスト空間の占有率は、最終的にソフトウェア全体
にまで拡大するものと推測される。
【0037】図7は、評価尺度としてのテスト空間占有
率を説明するための説明図である。このテスト空間占有
率C5は、任意のテスト時刻tにおいてテスト空間内に
潜在する総障害数を示し、ソフトウェア内部におけるテ
スト空間の占有率を表す。また、テスト空間占有率C5
は、少なくともテスト工程の約95%終了時において、
100%になっていなければならない。これにより、ソ
フトウェア内部におけるテスト空間占有率C5が100
%未満であれば、テスト未実施のモジュールあるいは機
能があると判断でき、テストデータを再検討し直すなど
の対策を施すべき警告が必要とされる。逆に、テスト空
間占有率C5が100%であれば、テスト可能領域がソ
フトウェアシステム全体に拡大したとみなされ、ソフト
ウェアに対するテストが安定して進捗していると判断で
きる。なお、テスト空間占有率C5は、本来割合を意味
する用語であるが、便宜的に単位を件数として用いられ
る。
【0038】図8は、評価尺度としてのテスト空間拡大
率を説明するための説明図である。このテスト空間拡大
率C6とは、テスト時間の経過とともにテストデータ設
計者の習熟性(スキル/ソフトウェア構造に対する理解
度)が向上する結果、それに応じて増加するテストデー
タ設計者により発見される可能性のある総障害数を示
す。つまり、テスト空間拡大率C6とは、任意のテスト
時刻tにおいてテストデータ設計者によって障害が発見
可能となる領域の拡大率を表す。なお、テスト空間拡大
率C6も、本来割合を意味する用語であるが、便宜的に
単位を件数として用いられる。
【0039】さらに、テスト空間拡大率C6は、前述し
た瞬間障害発見率C2と必ず組み合わせて管理・判断さ
れる。つまり、テスト空間拡大率C6も、テスト工程の
約95%終了時において、0件であることが理想的であ
るが、殆どのケースにおいて0件にならない。そこで、
瞬間障害発見率C2と同様に、プロジェクト開始時にお
いては、本プロジェクトの開発規模およびソフトウェア
の使用目的からテスト工程終了時のテスト空間拡大率を
予め設定しておく。このとき、テスト空間拡大率C6の
設定値は、瞬間障害発見率C2の設定値より小さく設定
しなければならない。このテスト空間拡大率C6と瞬間
障害発見率C2との関係により、以下に示す判断ができ
る。
【0040】A.テスト空間拡大率>瞬間障害発見率:
この場合、任意のテスト時刻tにおいて発見される障害
数よりも、発見可能な障害数の方が多いために、テスト
中のソフトウェアの信頼度は成長過程にあると判断でき
る。
【0041】B.テスト空間拡大率<瞬間障害発見率:
この場合、任意のテスト時刻tにおいて発見される障害
数は、発見可能な障害数よりも多くなることを示すた
め、このままテストを継続すると、ソフトウェア内に潜
在する障害数が減少することになり、テスト中のソフト
ウェアの信頼度は、収束状態に遷移しつつあると判断で
きる。
【0042】C.テスト空間拡大率<テスト空間拡大率
の設定値、かつ、瞬間障害発見率<障害発見率の設定
値:この場合、目標とする各々の設定値よりも小さい値
となるために、テスト空間拡大率C6および瞬間障害発
見率C2に基づく評価では、ソフトウェアの品質・信頼
性が目標に達成したと判断できる。
【0043】以上のように、各々の推定曲線による評価
尺度を基準として、テスト中のソフトウェアの品質・信
頼性、ならびにテスト進捗度管理の状況を判断すること
ができる。
【0044】次に、本実施形態に係るソフトウェア開発
支援装置の動作について、図面を参照して説明する。
【0045】図9は、図3の信頼度成長曲線に基づく情
報の取得処理についてのフローチャートである。なお、
信頼度成長曲線C1に基づく情報取得処理を実行させる
際には、推定曲線の選択可能欄24において信頼度成長
曲線C1が選択指定される。
【0046】信頼度成長曲線C1が選択指定されると、
CPU11は、入力値としてソフトウェアの品質・信頼
性を評価する直前の推定値を所定の演算式に基づいて算
出する(S10)。この演算式は、信頼度成長曲線C1
を求める式である。信頼度成長曲線C1は、モニタ2の
画面上に既に表示されているとしても良いし、後に表示
されるとしても良い。
【0047】次に、CPU10は、S10にて算出した
推定値と評価時に得られた観測データの値とを比較する
(S11)。
【0048】観測データの値よりも推定値が大きい場合
(S11:NO)、CPU11は、モニタ2の画面上に
「本評価尺度では、現在の品質は不十分」というコメン
トを信頼度成長曲線C1のグラフとともに表示させ(S
12)、この処理を終える。
【0049】一方、S11において、観測データの値よ
りも推定値が小さい場合(S11:YES)、CPU1
1は、任意のテスト期間中に発見された障害数が横ばい
状態であるか否かを判断する(S13)。
【0050】横ばい状態の場合(S13:YES)、C
PU11は、モニタ2の画面上に「テスト進捗が異常:
テストデータの見直しが必要」というコメントを信頼度
成長曲線C1のグラフとともに表示させ(S14)、こ
の処理を終える。
【0051】横ばい状態でない場合(S13:NO)、
CPU11は、任意のテスト期間中に信頼度成長曲線C
1の接線角θが基準角度以上となるか否かを判断する
(S15)。
【0052】接線角θが基準角度以上の場合(S15:
YES)、CPU11は、モニタ2の画面上に「本評価
尺度では、現在の品質は安定状態に遷移しつつある状
態」というコメントを信頼度成長曲線C1のグラフとと
もに表示させ(S16)、この処理を終える。
【0053】一方、接線角θが基準角度未満の場合(S
15:NO)、CPU11は、モニタ2の画面上に「本
評価尺度では、現在の品質は安定状態」というコメント
を信頼度成長曲線C1のグラフとともに表示させ(S1
7)、この処理を終える。
【0054】次に、図10は、図4の瞬間障害発見率
(強度関数)に基づく情報の取得処理についてのフロー
チャートである。なお、瞬間障害発見率C2に基づく情
報取得処理を実行させる際には、推定曲線の選択可能欄
24において瞬間障害発見率C2が選択指定される。
【0055】瞬間障害発見率C2が選択指定されると、
CPU11は、入力値としてソフトウェアの品質・信頼
性評価時の推定値を所定の演算式に基づいて算出する
(S20)。この演算式は、瞬間障害発見率C2として
の強度関数を求める式である。瞬間障害発見率C2は、
モニタ2の画面上に既に表示されているとしても良い
し、後に表示されるとしても良い。
【0056】次に、CPU11は、S20にて算出した
推定値とプロジェクト開始前に設定された値とを比較
し、設定値より推定値の方が大きいか否か(S21)、
さらに、設定値より推定値の方が小さいかあるいは等し
いか(S22)、を判断する。
【0057】設定値よりも推定値が大きい場合(S2
1:YES)、CPU11は、モニタ2の画面上に「本
評価尺度では、現在の品質は未達成状態」というコメン
トを瞬間障害発見率C2のグラフとともに表示させ(S
23)、この処理を終える。
【0058】その一方、設定値よりも推定値が小さい場
合(S21:NO,S22:YES)、CPU11は、
モニタ2の画面上に「本評価尺度では、現在の品質は達
成状態」というコメントを瞬間障害発見率C2のグラフ
とともに表示させ(S24)、この処理を終える。
【0059】さらに、推定値が設定値と等しくなる場合
(S22:NO)、CPU11は、モニタ2の画面上に
「本評価尺度では、現在の品質は安定状態に遷移しつつ
ある状態」というコメントを瞬間障害発見率C2のグラ
フとともに表示させ(S25)、この処理を終える。
【0060】なお、評価尺度としてテスト空間拡大率C
6を使用できる数理モデルが適用され、瞬間障害発見率
C2に基づいてソフトウェアの品質・信頼性を評価する
場合には、これら瞬間障害発見率C2とテスト空間拡大
率C6とを組み合わせて判断することが望ましい。
【0061】そこで、瞬間障害発見率C2およびテスト
空間拡大率C6の両評価尺度に基づいて、情報を取得す
る処理についてのフローチャートを図11に示す。
【0062】この場合、CPU11は、入力値として、
瞬間障害発見率C2に基づく推定値のほか、テスト空間
拡大率C6に基づく推定値を算出する(S30)。
【0063】次に、CPU11は、S30にて算出した
瞬間障害発見率C2の推定値と、その瞬間障害発見率C
2の設定値とを比較し(S31)、さらに、S30にて
算出したテスト空間拡大率C6の推定値と、そのテスト
空間拡大率C6の設定値とを比較する(S32)。
【0064】瞬間障害発見率C2の設定値よりも瞬間障
害発見率C2の推定値の方が大きい場合(S31:YE
S)、あるいはその逆の場合であっても(S31:N
O)、テスト空間拡大率C6の設定値よりもテスト空間
拡大率C6の推定値の方が大きい場合(S32:YE
S)、CPU11は、「本評価尺度では、現在の品質は
未達成状態」というコメントをグラフとともに表示させ
(S33)、この処理を終える。
【0065】一方、テスト空間拡大率C6の設定値より
もテスト空間拡大率C6の推定値の方が小さい場合(S
32:NO)、さらにCPU11は、これら瞬間障害発
見率C2およびテスト空間拡大率C6それぞれの設定値
と推定値とを各々比較する(S34)。
【0066】これら瞬間障害発見率C2およびテスト空
間拡大率C6のうち、いずれかの評価尺度において設定
値と推定値とが等しい場合(S34:NO)、CPU1
1は、「本評価尺度では、現在の品質は安定状態に遷移
しつつある状態」というコメントをグラフとともに表示
させ(S35)、この処理を終える。
【0067】さらに、これら瞬間障害発見率C2および
テスト空間拡大率C6それぞれの推定値がそれぞれの設
定値よりも小さい場合(S34:YES)、CPU11
は、瞬間障害発見率C2の推定値とテスト空間拡大率C
6の推定値とを比較する(S36)。
【0068】瞬間障害発見率C2の推定値よりもテスト
空間拡大率C5の推定値が大きい場合(S36:N
O)、CPU11は、S35に進んで「本評価尺度で
は、現在の品質は安定状態に遷移しつつある状態」とい
うコメントをグラフとともに表示させる。
【0069】一方、瞬間障害発見率C2の推定値よりも
テスト空間拡大率C5の推定値が小さい場合(S36:
YES)、CPU11は、「本評価尺度では、現在の品
質は達成状態」というコメントをグラフとともに表示さ
せ(S37)、この処理を終える。
【0070】次に、図12は、図5のソフトウェア信頼
度に基づく情報の取得処理についてのフローチャートで
ある。なお、ソフトウェア信頼度C3に基づく情報取得
処理を実行させる際には、推定曲線の選択可能欄24に
おいてソフトウェア信頼度C3が選択指定される。
【0071】ソフトウェア信頼度C3が選択指定される
と、CPU11は、入力値としてソフトウェアの品質・
信頼性評価時から任意の値をインクリメントした時点で
のソフトウェア信頼度C3に基づく推定値を算出する
(S40)。たとえば、図5では、品質・信頼性評価時
がテスト開始37日目(グラフ左端)であることが示さ
れ、その日から任意の日数として1日を加えた38日目
の推定値が一例として示される。
【0072】次に、CPU11は、S40にて算出した
推定値とプロジェクト開始前に設定した値とを比較し、
設定値より推定値の方が小さいか否か(S41)、さら
に、設定値より推定値の方が大きいかあるいは等しいか
(S42)、を判断する。
【0073】設定値よりも推定値が小さい場合(S4
1:YES)、CPU11は、「本評価尺度では、現在
の品質は未達成状態」というコメントをソフトウェア信
頼度C3のグラフとともに表示させ(S43)、この処
理を終える。
【0074】その一方、設定値よりも推定値が大きい場
合(S41:NO,S42:YES)、CPU11は、
「本評価尺度では、現在の品質は達成状態」というコメ
ントをソフトウェア信頼度C3のグラフとともに表示さ
せ(S44)、この処理を終える。
【0075】さらに、推定値が設定値と等しくなる場合
(S42:NO)、CPU11は、モニタ2の画面上に
「本評価尺度では、現在の品質は安定状態に遷移しつつ
ある状態」というコメントをソフトウェア信頼度C3の
グラフとともに表示させ(S45)、この処理を終え
る。
【0076】次に、図13は、図6のテスト進捗度に基
づく情報の取得処理についてのフローチャートである。
なお、テスト進捗度に基づく情報取得処理を実行させる
際には、推定曲線の選択可能欄24においてテスト進捗
度が選択指定される。
【0077】テスト進捗度が選択指定されると、まずC
PU11は、テスト開始から任意の時点における未知パ
ラメータを推定する(S50)。この未知パラメータに
ついては後述する。
【0078】そして、CPU11は、入力値として、テ
スト進捗度の管理図による管理限界線C42,C43か
ら、評価時における管理限界の上限値および下限値を算
出する(S51)。
【0079】次に、CPU11は、S51にて算出した
管理限界の上限値および下限値のそれぞれと、観測デー
タの値とを比較する(S52,S53)。つまり、観測
データが上下の管理限界線C42,C43内にプロット
されたか否か(S52)、さらには観測データが下限の
管理限界線C43よりも下方にプロットされたか否か
(S53)、を判断する。
【0080】観測データが上下の管理限界線C42,C
43内にプロットされた場合(S52:YES)、CP
U11は、「安定してテストが進捗中」というコメント
をテスト進捗度の管理図とともに表示させ(S54)、
この処理を終える。
【0081】その一方、観測データが管理限界線C4
2,C43内にプロットされず(S52:NO)、下限
の管理限界線C43よりも下方にプロットされた場合
(S53:YES)、CPU11は、「テスト進捗が異
常:テストデータの見直しが必要」というコメントをテ
スト進捗度の管理図とともに表示させ(S55)、この
処理を終える。
【0082】観測データが上限の管理限界線C42より
も上方にプロットされた場合(S53:NO)、CPU
11は、「テスト進捗が異常:テスト中のロジックの見
直しが必要」というコメントをテスト進捗度の管理図と
ともに表示させ(S56)、この処理を終える。
【0083】次に、図14は、図7のテスト空間占有率
に基づく情報の取得処理についてのフローチャートであ
る。なお、テスト空間占有率C5に基づく情報取得処理
を実行させる際には、推定曲線の選択可能欄24におい
てテスト空間占有率C5が選択指定される。
【0084】テスト空間占有率C5が選択指定される
と、CPU11は、入力値として、ソフトウェアの品質
・信頼性評価時のテスト空間内に潜在する障害数の推定
値(テスト空間内障害推定値)と、ソフトウェア内に潜
在する総障害数の推定値(ソフトウェア内障害推定値)
とを算出し、テスト空間内に潜在する障害数がソフトウ
ェア内に潜在する障害数に占める割合(テスト空間占有
率)を算出する(S60)。
【0085】次に、CPU11は、S60にて算出した
テスト空間占有率が95%よりも小さいか否かを判断し
(S61)、小さくない場合(S61:NO)、さらに
CPU11は、テスト空間占有率が100%、つまりテ
スト空間内障害推定値がソフトウェア内障害推定値と等
しいか否かを判断する(S62)。
【0086】テスト空間占有率が95%よりも小さい場
合(S61:YES)、CPU11は、「本評価尺度で
は、現在の品質は未達成状態」というコメントをテスト
空間占有率C5のグラフとともに表示させ(S63)、
この処理を終える。
【0087】テスト空間占有率が100%に達した場合
(S62:YES)、CPU11は、「本評価尺度で
は、現在の品質は達成状態」というコメントをテスト空
間占有率C5のグラフとともに表示させ(S64)、こ
の処理を終える。
【0088】テスト空間占有率が95%より大きく、1
00%に達していない場合(S62:NO)、CPU1
1は、「本評価尺度では、現在の品質は安定状態に遷移
しつつある状態」というコメントをテスト空間占有率C
5のグラフとともに表示させ(S65)、この処理を終
える。
【0089】以上説明したように、テスト中のソフトウ
ェアの品質・信頼性評価、およびテスト進捗度管理に有
益な各種の評価尺度が用意され、CPU11によって評
価尺度としてのグラフから必要な付随情報が読み取ら
れ、その結果が文書によるコメントとして画面上に表示
されるので、専門的知識を持たないユーザであっても、
テスト中にあるソフトウェアの現状況を容易に認識・把
握することができる。
【0090】次に、複数の数理モデルの中から、分析す
べきデータとしてテスト中に得られる観測データに最も
適した数理モデルを選択する処理について、図15のフ
ローチャートを参照して説明する。
【0091】まず、CPU11は、テスト中のソフトウ
ェアシステム全体から得られた観測データを読み込む
(S70)。
【0092】次に、CPU11は、数理モデルごとに偏
差二乗和を算出する(S71)。ここで、偏差二乗和と
は、各数理モデルに従属する推定曲線から求めた推定値
と、実際に得られた観測データの値との差分について平
方した総和であり、観測データに対して数理モデルが適
しているか否かを判断するための一つの適合性評価基準
値である。
【0093】さらに、CPU11は、算出した偏差二乗
和の小さい順に数理モデルの種類を順位付けてRAM1
3などに格納する(S72)。
【0094】そして、CPU11は、偏差二乗和の算出
処理を既に実行し終えた数理モデルの現実行数が、予め
組み込まれた数理モデルの組込数より少ないか否かを判
断する(S73)。
【0095】数理モデルの現実行数が組込数より少ない
場合(S73:YES)、CPU11は、再びS71に
戻り、未了の数理モデルについて偏差二乗和を算出す
る。
【0096】一方、数理モデルの現実行数が組込数に達
すると(S73:NO)、CPU11は、全数理モデル
から求めた偏差二乗和に基づいて、この偏差二乗和が最
も小さい数理モデルを、分析すべき観測データに最も適
した数理モデルとして決定し(S74)、この処理を終
える。こうして決定された数理モデルは、選択可能欄2
3に自動的に表示され、その数理モデルに基づいてCP
U11により推定曲線が生成され、ユーザが数理モデル
の選択に迷うことはない。
【0097】なお、確率則を仮定した数理モデルの中か
ら最適な数理モデルを決定する場合、図16のフローチ
ャートに示す処理に沿って最適数理モデルを決定するこ
とが望ましい。
【0098】つまり、確率則を仮定した数理モデルに関
し、CPU11は、先の図15に示すS70〜S72と
同様に、観測データに基づいて偏差二乗和を算出するの
に加え(S80〜S82)、数理モデルごとに対数尤度
関数値を算出し(S83)、算出した対数尤度関数値の
大きい順に数理モデルの種類を順位付けてRAM13な
どに格納する(S84)。
【0099】ここで、対数尤度関数値とは、確率則を仮
定した数理モデルに関し、未知パラメータの推定に用い
る確率密度関数に基づいて算出される値であって、この
対数尤度関数値が最大となるように未知パラメータが推
定される。つまり、CASEツールに組み込まれている
確率則を仮定した数理モデルについて対数尤度関数値を
算出し、最も大きい対数尤度関数値となる数理モデル
を、分析すべき観測データに最も適した数理モデルとし
て決定できるのである。したがって、対数尤度関数値
は、観測データに対して確率則を仮定した数理モデルが
適しているか否かを判断するための一つの適合性評価基
準値として用いられる。
【0100】そして、CPU11は、先の図15に示す
S73と同様に、偏差二乗和および対数尤度関数値の算
出処理を既に実行し終えた数理モデルの現実行数が、予
め組み込まれた数理モデルの組込数より少ないか否かを
判断する(S85)。
【0101】数理モデルの現実行数が組込数より少ない
場合(S85:YES)、CPU11は、再びS81に
戻るが、数理モデルの現実行数が組込数に達すると(S
85:NO)、CPU11は、確率則を仮定した全数理
モデルから求めた偏差二乗和および対数尤度関数値に基
づいて、偏差二乗和が最小値を示す数理モデルと、対数
尤度関数値が最大値を示す数理モデルとが互いに一致す
るか否かを判断する(S86)。
【0102】S86において、偏差二乗和が最小値と対
数尤度関数値が最大値を示す数理モデルが一致する場合
(S86:YES)、CPU11は、該当する数理モデ
ルを最適数理モデルとして決定するが(S87)、偏差
二乗和が最小値と対数尤度関数値が最大値を示す数理モ
デルが互いに一致しない場合(S86:NO)、CPU
11は、対数尤度関数値が最大値を示す数理モデルを優
先させ、その数理モデルを最適数理モデルとして決定す
る(S88)。このように、偏差二乗和と対数尤度関数
値とを比較することにより、さらに高い精度で最適な数
理モデルを決定することができる。
【0103】これにより、従来の煩わしい操作および専
門的知識は不要になり、専門家以外のユーザでも、簡単
にテスト中のソフトウェアの品質・信頼性およびテスト
進捗度管理を定量的に評価することが可能になり、描画
された評価尺度としての各グラフに潜む付随情報をコメ
ントから読み取ることができる。
【0104】したがって、本実施形態によれば、各々の
評価尺度ごとにCASEツール自体が判断し、その判断
結果がコメントとしてグラフとともに表示あるいは印刷
されるので、専門的知識を持たないテスト担当者あるい
はテスト管理者でもグラフに付随する情報を容易により
深く読み取ることができる。
【0105】また、従来のCASEツールに組み込まれ
た数理モデルは、決定論的傾向曲線モデルが殆どであっ
た。しかし、決定論的傾向曲線モデルでは、前述したソ
フトウェアの品質・信頼性およびテスト進捗度管理につ
いて定量的に評価できない。なぜなら、決定論的傾向曲
線モデルは、傾向曲線の収束値をソフトウェア内に潜在
する総障害数として回帰分析により求めるため、テスト
時間と発見された累積障害数との関係について確率則を
仮定しないためである。これにより、決定論的傾向曲線
モデルの特性上、確率則を仮定する数理モデルに比べて
推定精度が非常に悪くなる。場合によっては、1桁以上
悪くなる場合も見受けられる。
【0106】一方、本実施形態によれば、確率則を仮定
する複数の数理モデルが組み込まれ、前述した各種の評
価尺度を用いることができるため、多くの情報を得るこ
とができる。さらに、確率則を仮定した複数の数理モデ
ルから、ケース・バイ・ケースによって適合性の高い数
理モデルを選択することができるため、より精度の高い
予測が可能になる。
【0107】また、従来のCASEツールでは、観測デ
ータに最も適した数理モデルを選択する際、専門的知識
を必要とする判断が要求されるために、専門家でなけれ
ば最適な数理モデルを選択することができなかった。そ
の点、本実施形態によれば、分析する観測データへの適
合性の良さをCASEツール自体が適合性評価基準値に
基づいて判断することにより、専門的知識を持たないテ
スト担当者あるいはテスト管理者でも、容易に最適な数
理モデルを選択することができる。
【0108】さらに、本実施形態によれば、各々の評価
尺度に基づく判断を総合的に行い、テスト中のソフトウ
ェアの品質・信頼性評価およびテスト進捗度の状況を総
合的に判断する機能が実現される。これにより、テスト
担当者あるいはテスト管理者が、テスト中のソフトウェ
アの現状を容易に把握することができる。
【0109】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。
【0110】開発対象となるソフトウェアとしては、1
台のコンピュータによって運用されるものに限らず、L
ANなどのネットワーク全体を統括するために運用され
るものでも良く、したがって、開発対象となるソフトウ
ェアと、それを開発するためのCASEツールとは、別
々のコンピュータ上で動作させるようにしても良い。
【0111】観測データは、ユーザの入力操作によって
逐次入力されるとしても良いし、自動計測により取得さ
れるものとしても良い。
【0112】ソフトウェアの現状況を判断した結果は、
コメント形式で表示あるいは印刷されるが、たとえば分
かり易い図式や音声などの別の表現形式としても良い。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、観測データから生成さ
れた推定曲線に基づいて、開発テスト中にあるソフトウ
ェアの現状況がソフトウェア開発支援装置自体によって
判断され、その判断結果がユーザに対してコメント形式
で提示されるので、専門的知識を持たないユーザでも、
コメント内容に応じてソフトウェアの品質・信頼性なら
びにテスト進捗度管理について容易に評価することがで
きる。
【0114】また、観測データに対して最も適した数理
モデルの種類をソフトウェア開発支援装置自体が決定す
るので、専門的知識を持たないユーザでも、観測データ
に最も適した数理モデルの選択に迷うことなく、ソフト
ウェアの品質・信頼性ならびにテスト進捗度管理につい
て評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るソフトウェア開発支
援装置のブロック図である。
【図2】モニタの表示例を説明するための説明図であ
る。
【図3】評価尺度としての信頼度成長曲線を説明するた
めの説明図である。
【図4】評価尺度としての強度関数を説明するための説
明図である。
【図5】評価尺度としてのソフトウェア信頼度を説明す
るための説明図である。
【図6】評価尺度としてのテスト進捗度を説明するため
の説明図である。
【図7】評価尺度としてのテスト空間占有率を説明する
ための説明図である。
【図8】評価尺度としてのテスト空間拡大率を説明する
ための説明図である。
【図9】図3の信頼度成長曲線に基づく情報の取得処理
についてのフローチャートである。
【図10】図4の瞬間障害発見率(強度関数)に基づく
情報の取得処理についてのフローチャートである。
【図11】瞬間障害発見率およびテスト空間拡大率の両
評価尺度に基づいて、情報を取得する処理についてのフ
ローチャートである。
【図12】図5のソフトウェア信頼度に基づく情報の取
得処理についてのフローチャートである。
【図13】図6のテスト進捗度に基づく情報の取得処理
についてのフローチャートである。
【図14】図7のテスト空間占有率に基づく情報の取得
処理についてのフローチャートである。
【図15】観測データに最も適した数理モデルを選択す
る処理についてのフローチャートである。
【図16】確率則を仮定した数理モデルの中から最適な
数理モデルを決定する場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1 コンピュータ本体 2 モニタ 3 プリンタ 4 入力操作装置 11 CPU 12 ROM 13 RAM 14 ハードディスク装置 15 CD−ROMドライブ 16 インターフェース回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 隆次 兵庫県加東郡社町佐保35番 富士通周辺機 株式会社内 (72)発明者 山田 茂 鳥取県鳥取市湖山町西1丁目570 Fターム(参考) 5B042 MA14 MC28 MC30 5B076 EC09 EC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開発テスト中にあるソフトウェアの品質
    ・信頼性を、複数の数理モデルに基づいて評価する機能
    を備えたソフトウェア開発支援装置であって、 上記数理モデルの種類に応じて、上記ソフトウェアの開
    発テスト中に得られる観測データから推定曲線を生成す
    る推定曲線生成手段と、 上記推定曲線生成手段により生成された上記推定曲線に
    基づいて、上記ソフトウェアの現状況を判断する現状況
    判断手段と、 上記現状況判断手段による判断結果をユーザに提示する
    提示手段と、 を有することを特徴とする、ソフトウェア開発支援装
    置。
  2. 【請求項2】 開発テスト中にあるソフトウェアの品質
    ・信頼性を、複数の数理モデルに基づいて評価する機能
    を備えたソフトウェア開発支援装置であって、 上記ソフトウェアの開発テスト中に得られる観測データ
    に対して、上記複数の数理モデルの適合性を評価し、最
    も適した数理モデルの種類を選定する最適数理モデル選
    定手段を有することを特徴とする、ソフトウェア開発支
    援装置。
  3. 【請求項3】 上記最適数理モデル選定手段により選定
    された上記数理モデルの種類に応じて、上記観測データ
    から推定曲線を生成する推定曲線生成手段と、 この推定曲線生成手段により生成された上記推定曲線に
    基づいて、上記ソフトウェアの現状況を判断する現状況
    判断手段と、 この現状況判断手段による判断結果をユーザに提示する
    提示手段とを有する、請求項2に記載のソフトウェア開
    発支援装置。
  4. 【請求項4】 上記提示手段は、上記推定曲線を描画出
    力するとともに、上記現状況判断手段による判断結果を
    文書形式により出力する、請求項1または3に記載のソ
    フトウェア開発支援装置。
  5. 【請求項5】 開発テスト中にあるソフトウェアの品質
    ・信頼性を、複数の数理モデルに基づいて評価する機能
    を備えたソフトウェア開発支援装置を制御するためのプ
    ログラムを記録した記録媒体であって、 上記数理モデルの種類に応じて、上記ソフトウェアの開
    発テスト中に得られる観測データから推定曲線を生成す
    るための推定曲線生成プログラムと、 上記推定曲線生成プログラムに基づいて生成された上記
    推定曲線に基づいて、上記ソフトウェアの現状況を判断
    するための現状況判断プログラムと、 上記現状況判断プログラムに基づいて得られた判断結果
    をユーザに提示するための提示プログラムと、 を含むプログラムが記録されていることを特徴とする、
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 開発テスト中にあるソフトウェアの品質
    ・信頼性を、複数の数理モデルに基づいて評価する機能
    を備えたソフトウェア開発支援装置を制御するためのプ
    ログラムを記録した記録媒体であって、 上記ソフトウェアの開発テスト中に得られる観測データ
    に対して、上記複数の数理モデルの適合性を評価し、最
    も適した数理モデルの種類を選定するための最適数理モ
    デル選定プログラムを含むプログラムが記録されている
    ことを特徴とする、記録媒体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023139822A1 (ja) * 2022-01-18 2023-07-27 三菱電機株式会社 アーキテクチャ寿命推定装置及びアーキテクチャ寿命推定方法

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