JP2008126447A - 射出成形用金型及び熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定側金型意匠面に鏡面磨きを施すなど、表面粗さが非常に細かく設定された金型を用いて行なう射出成形において、成形品が固定側金型に張り付くことがなく離型性に優れている。
【解決手段】#8000番以上に鏡面仕上げされた鏡面コア4aを有する固定側金型4と、離型用プレート5と、可動側金型6と、離型用プレート5と可動側金型6とを脱着自在に接続するパーティングロック7と、離型用プレート5を接合位置と離間位置との間で変位自在に係止可能な係止手段4bとを備え、キャビティ6aは、本体キャビティ部6bと、ツバ部形成キャビティ部6cとを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂成形体を成形するための射出成形用金型と熱可塑性樹脂成形体の製造方法とに関する。
一般に、車両用灯具や施設照明などの照明部材(以下、単に照明部品という。)としては、樹脂成形体の表面にアルミニウムや銀などの金属膜が形成された反射鏡が使用されている。これらの反射鏡の製造においては、従来、金属膜形成面を平滑にして金属膜の密着性を高めるために樹脂成形品に下塗りが施されていたが、下塗りを施してから金属膜を形成するまでに埃や塵などの異物が付着して不良品が発生する場合があり、近年これらの不良品を低減することに対する要求が高まっている。
そこで、下塗りを施すことなく、直接に金属、酸化物、窒化物から選択される膜を樹脂成形品に形成する工法の検討が進められているが、このように下塗りを施さない場合は、金属等の膜を成形した際に、樹脂成形品の表面凹凸が表面外観として現われるため、この樹脂成形品の表面凹凸を極力防止する必要がある。特にポリエステル樹脂のように金型表面の粗さの転写が良い樹脂組成物を用いて射出成形を行なう際には、用いる金型の表面粗さを非常に細かくする必要がある。
しかしながら、金型の表面を磨き、表面粗さを非常に細かくした金型は、樹脂との密着性が高まり、成形品が離型し難くなる。特に、固定側金型のコア部を磨く場合は、コア部に射出成形品が張り付きをおこし、製品が取得できないという問題があった。離型性の向上方法として、金型表面処理を行なう技術(特許文献1)が提示されているが、表面処理した場合には表面状態が変化する可能性がある。また、このような技術でも、深絞り形状を有する形状では離型性が不十分であるという課題があった。
また離型剤を用いて離型性を向上させる方法も知られているが、離型剤を用いた場合には、金属膜の密着性が低下するという課題があった。
特開2002−225088
本発明は、このような従来の問題を改善することを目的としてなされたものであって、固定側金型意匠面に鏡面磨きを施すなど、表面粗さが非常に細かく設定された金型を用いて行なう射出成形において、成形品が固定側金型に張り付くことがない離型性に優れた射出成形用金型と熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することである。
本発明の第1は、樹脂成形体を成形するための射出成形用金型であって、#8000番以上に鏡面仕上げされた鏡面コアを有する固定側金型と、前記固定側金型のパーティング面に対向して配置され、前記鏡面コアを通過させる離型用プレートと、前記離型用プレートのパーティング面に対向して配置されるキャビティを有する可動側金型と、前記離型用プレートと可動側金型とを脱着自在に接続するパーティングロックと、前記離型用プレートを固定側金型に接合する接合位置と固定側金型から一定の距離に離間した離間位置との間で変位自在に係止可能な係止手段と、を備え、前記キャビティは、樹脂成形体本体を形成するための本体キャビティ部を有し、前記離型用プレートと可動側金型のいずれかもしくは両方が、離型用プレートのパーティング面に前記樹脂成形体本体にツバ部を形成するために設けられるツバ部形成キャビティ部を有している。
また、本発明の第2は、上記に記載の射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂組成物を射出成形することを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法である。
本発明によれば、樹脂成形体を成形するための射出成形において、成形品が固定側金型への張り付きを起こすことなく、良好な射出成形をおこなえる射出成形用金型及び熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る射出成形用金型1(図2)によって成形される樹脂成形体2の構成を示す説明図であり、(a)は、樹脂成形体2の平面図、(b)は、樹脂成形体2の断面図をそれぞれ示している。
図1を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る射出成形用金型1(図2)は、熱可塑性樹脂組成物を射出形成して樹脂成形体2を成形するための金型である。
図1に示す樹脂成形体2は、熱可塑性樹脂組成物として熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を射出成形用金型1を用いて射出成形したものであり、金型からの抜き勾配を有するように深絞り形状に形成されている。
また、この樹脂成形体2は、樹脂成形体2本体の外縁部に形成されるツバ状のツバ部2aを備えており、このツバ部2aは、樹脂成形体2本体の外縁部において後述する固定側金型4と可動側金型6のパーティング面(図4)に概略平行に形成されている。
次に、図2を参照して、射出成形用金型1の構成を詳述する。図2は本発明の実施の形態に係る射出成形用金型1の概略の構成を示す断面図であり、図3は、パーティングロック7が、可動側金型6と離型用プレート5とを接合状態に接続した状態で、可動側金型6が、固定側金型4から分離姿勢になった状態を示す断面図である。また、図4は、固定側金型4に設けられたロッド4cの先端の拡径部4dが離型用プレート5を係止し、パーティングロック7が、可動側金型6と離型用プレート5とを分離した状態を示す断面図である。
なお、前記離型用プレートとしては一般的なスリープレートの射出成形用金型が有する、ランナーストリッパープレート等が用いられる。
図2〜図4を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る射出成形用金型1は、上述の熱可塑性樹脂組成物を射出形成して樹脂成形体2(図1)を成形するための金型であって、固定側金型4と、固定側金型のパーティング面に対向して配置され、前記鏡面コアを通過させる離型用プレート5と、可動側金型6と、離型用プレート5と可動側金型6とを着脱自在に接続するパーティングロック7とを備えている。
上記固定側金型4は、図4に示すように、高光沢意匠面として研磨材を用いて鏡面仕上げが施された鏡面コア4aを有している。鏡面コア4aに使用される最終研磨は#8000番以上であり、好ましくは、#10000番以上である。また、さらに好ましくは#14000番以上の研磨が望ましい。研磨の程度が#8000番以下では、金型の加工目や研磨時の磨き目など、表面凹凸が残り、樹脂成形体2に金属膜を形成した際の表面光沢が不十分になる。
上記離型用プレート5は、離型用プレートを固定側金型4に接合する接合位置(図2)と固定側金型4から一定の距離に離間した離間位置(図4)との間で変位自在に係止手段4bに係止された部材である。
すなわち、この離型用プレート5は、係止手段4bとして、固定側金型4に設けられ、挿通孔5aに摺動自在に挿入される棒状のロッド4cと、ロッド4cの先端に設けられた拡径部4dとを備え、可動側金型6に押圧されて固定側金型4と可動側金型6とに接合され、樹脂成形体2本体の外縁部に形成されるツバ部2aの固定側金型4の側の面を成形可能な接合位置(図2)と、ロッド4cの先端に設けられた拡径部4dに係止される離間位置(図4)との間で変位可能に構成されている。
上記可動側金型6は、離型用プレート5を固定側金型4に接合させて樹脂成形体2を射出成形することができる接合姿勢(図2)と、固定側金型4と離型用プレート5とから分離されて樹脂成形体2本体を可動側金型6本体から分離することができる分離姿勢(図4)との間で姿勢変更可能に構成された金型である。
この可動側金型6は、離型用プレート5のパーティング面に対向して配置されるキャビティ6aを有し、このキャビティ6aは、樹脂成形体2本体を形成するための本体キャビティ部6bと、ツバ部2aを形成するために本体キャビティ部6bの周囲に設けられるツバ部形成キャビティ部6cとを有している。
ここで、固定側金型4の鏡面コア4aと本体キャビティ部6bとは、深絞り形状の成形体を成形するような形状に形成されている。
また、ツバ部形成キャビティ部6cは、樹脂成形体2本体の外縁部において固定側金型4と可動側金型6のパーティング面(図4)に概略平行なツバ状のツバ部2aを形成するように構成されている。
なお、このツバ部形成キャビティ部6cは、離型用プレート5又は可動側金型6に設けられても、離型用プレート5と可動側金型6の両方に設けられても良い。
上記パーティングロック7は、離型用プレート5と可動側金型6とを脱着可能に接続する機構である。このパーティングロック7は、本実施形態では、図略の機械的機構により離型用プレート5と可動側金型6とを脱着させる機械式パーティングロック7aと、一定の摩擦抵抗以内では接続状態になり、この一定の摩擦抵抗を超えた場合には離脱するように構成された摩擦抵抗式パーティングロック7bとが併用されている。
そして、離型用プレート5が、可動側金型6に押圧されて固定側金型4と可動側金型6とに接合された状態から、樹脂成形体2の射出成形後、可動側金型6の退避にともなってロッド4cの先端に設けられた拡径部4dに係止されるまでは、このパーティングロック7は、可動側金型6と離型用プレート5とを接合状態に接続する。
また、可動側金型6がさらに退避して、ロッド4cの先端の拡径部4dが離型用プレート5を係止した状態では、パーティングロック7は、可動側金型6と離型用プレート5とを分離し、離型用プレート5がツバ部2aの挟持を解除して、樹脂成形体2本体を可動側金型6本体から分離できるように構成されている。
なお、これら固定側金型4、離型用プレート5、および可動側金型6の製作に用いられる鋼材は特に制約はなく、例えば、SUS420J2等のステンレス鋼、SKD11等の合金工具鋼、SKH151等のハイス鋼、S55C、SMS440等の構造用炭素鋼、アルミ合金、ベリリウム鋼等の非鉄金属が上げられる。固定側金型4は、鏡面仕上げを施すため、できれば組織目が細かいプリハードン鋼が好ましい。
そして、本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、以下のとおりである。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、上記射出成形用金型1を搭載した射出成形機を用いて熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物を射出成形するものである。
具体的には、上記射出成形用金型1を搭載した射出成形機において、射出成形機のシリンダーにおいて、予め設定した容積の溶融樹脂が計量される。
そして、射出成形用金型1が型締めされた状態、すなわち、図2に示す状態で、パーティングロック7が、可動側金型6と離型用プレート5とを接続し、接合姿勢になった状態で溶融樹脂が射出される。射出により射出成形用金型1に流入した溶融樹脂は、所定の時間金型内で冷却されて固化して樹脂成形体2が形成される。そして、冷却工程の後、パーティングロック7が可動側金型6と離型用プレート5とを接続した状態で型開して、可動側金型6が退避し、ツバ部2aが離型用プレート5と可動側金型6とにより挟持されて樹脂成形体2本体が固定側金型4から分離される。このとき、型開きの初期においては、樹脂成形体2がツバ部2aにより挟持されているために、型開力により、鏡面コア4aから樹脂成形体2が、可動側金型6側に引っ張られて、鏡面コア4aから離される。このような、型開力を用いることにより、椀状、または、箱状等の深絞り形状の樹脂成形体で、その椀または箱の内部を細かく磨かれた高い鏡面を有する鏡面コア4aで形成する場合においても、鏡面コア4aに密着した離型性の悪い樹脂成形体を容易に離型することができる。
そして、さらに可動側金型6が退避すると、離型用プレート5がロッド4cの先端に設けられた拡径部4dに係止され、さらに型開が進行すると、パーティングロック7が解除され、可動側金型6と離型用プレート5とが分離して、ツバ部2aの挟持を解除される。そして、樹脂成形体2は、可動側金型6のキャビティ6b及びツバ部形成キャビティ6cに設けられた図略のエジェクタピン等により突き出されて、可動側金型6からも離型される。
ここで、本発明に用いられる樹脂は特に制限されず、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、芳香族ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂など従来公知の樹脂が用いられ得る。中でも耐熱性の観点から、熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましい。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ネオペンチルテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレート等、またはこれらの共重合ポリエステルを挙げることができる。それらは単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
そして、上記ポリエステル樹脂の中では、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂、または、これらの樹脂とビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加化合物またはポリテトラメチレングリコールとの共重合体が、取扱性、剛性、結晶性、耐熱性および表面性の点から好ましい。なお、ポリエステル樹脂の耐熱性または弾性率を著しく低下させない程度の少量であるならば、ポリアルキレンイソフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどを混合して用いても差し支えない。
また、本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、成形工程における成形流動性および最終製品の諸物性を考慮して選択され、低すぎても高すぎても好ましくなく適した分子量を設定する必要がある。すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、フェノール/テトラクロロエタン(5/5重量比)混合溶媒を用い25℃にて測定した対数粘度が、0.3〜2.0dl/gが好ましく、0.35〜1.9dl/gがより好ましく、0.4〜1.8dl/gが更に好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂の対数粘度が0.3dl/g未満である場合には、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形品の機械的特性が低い場合があり、2.0dl/gを超える場合には成形時の流動性が劣る等の加工性に問題が生じる場合がある。
また、本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂は、耐熱性や寸法精度や薄膜との密着性を高める目的から、無機化合物を加えることができる。
また、本発明で用いられる無機化合物は特に限定されないが、例えば、膨潤性雲母、非膨潤性雲母、スメクタイト、タルク、カオリン等のケイ酸塩、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、チタン酸カリウム等のチタン酸塩、タングステン酸ナトリウム等のタングステン酸塩、ウラン酸ナトリウム等のウラン酸塩、バナジン酸カリウム等のバナジン酸塩、モリブデン酸マグネシウム等のモリブデン酸塩、ニオブ酸カリウム等のニオブ酸塩、黒鉛層状化合物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化ケイ素や酸化チタン、アルミナ等の酸化物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩化合物、硫酸カルシウムや硫酸バリウム等の硫酸塩化合物の他、硫化亜鉛、リン酸カルシウムがあげられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明で用いられる無機化合物の好ましい構造は、耐熱性を高め、光沢外観を損なわずに成形収縮率を低減する観点から、アスペクト比が大きく、また、樹脂中に均一に微分散するものである。上記の観点から、膨潤性雲母、非膨潤性雲母、タルク、カオリン、スメクタイトなどの層状ケイ酸塩が好ましく用いられる。
また、上記無機化合物は、樹脂中に均一に微分散させるために、表面処理することができる。表面処理の方法としては特に限定されないが、シラン系化合物、チタン系化合物、アルミナ系化合物、ポリエーテル系化合物、アミン系化合物などが用いられ得る。入手の容易さ、取り扱い性、ポリエステル樹脂への熱劣化の影響の観点から、シラン系化合物、ポリエーテル系化合物が好ましい。
そして、この熱可塑性樹脂組成物は、本実施形態では、特に、数平均等価面積円直径0.5μm以下の層状無機フィラーである膨潤性雲母を1〜15質量%含有する熱可塑性ポリエステル樹脂が採用されている。
以下、具体的な実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。本実施形態では、図1に示した筒形状の製品について成形時の固定側金型4への張り付き状態を観察した。固定側金型4の意匠面部を入れ子方式とし、入れ子は、大同特殊鋼製NAK80を用い製作し、筒形状の内面に#14000番研磨仕上げを施した。最大抜き勾配は、3°、または5°に設定した。
使用した熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(KOLON社製、KP210)に、製造例1で得られた膨潤性雲母を3wt%または5wt%溶融混練して得られたものであり、得られた熱可塑性樹脂組成物は、数平均等価面積円直径0.5μm以下の層状無機フィラーを1〜15質量%含有するものになっている。成形は、日本製鋼所社製(J150E−P)を使用し、シリンダー温度をノズル側から250℃、255℃、240℃、230℃、220℃に設定し、金型温度70℃にて成形し、固定側金型4からの離型性を確認した。
(製造例1)
湿式混合機を用い、純水100重量部に対し、コープケミカル社製のソマシフME100、10部を混合した。ついで、東邦化学社製のビスオール、1.6部を添加して更に15〜30分間混合を続けることによって処理した。その後、乾燥して粉体化した。
(実施例1〜2)
抜き勾配3°に設定した筒状形状の固定側根元にツバ部2aを設置し、ツバ部2aをパーティングロック7で接続した可動側金型6と離型用プレート5で挟み型開き動作を行なった結果、固定側金型4に張り付くことなく、固定側金型4から離型した。
(実施例3〜4)
抜き勾配5°に設定した筒状形状の固定側根元にツバ部2aを設置し、ツバ部2aをパーティングロック7で接続した可動側金型6と離型用プレート5で挟み型開き動作を行なった結果、固定側金型4に張り付くことなく、固定側金型4から離型した。
(比較例1〜2)
抜き勾配3°に設定した筒状形状の固定側根元にツバ部2aを設置し、ツバ部2aの固定側金型4方向に離型用プレート5を設けない金型にて型開き動作を行なった結果、固定側金型4への張り付きが生じ、固定側金型4から離型できなかった。
(比較例3〜4)
抜き勾配5°に設定した筒状形状の固定側根元にツバ部2aを設置し、ツバ部2aの固定側金型4方向に離型用プレート5を設けない金型にて型開き動作を行なった結果、固定側金型4への張り付きが生じ、固定側金型4から離型できなかった。
表1は、以上の結果をまとめたものであり、この表1から、離型用プレート5を備えた本発明にかかる射出成形用金型1は、樹脂成形体2の固定側金型4からの離型性が顕著に良好であることがわかる。
Figure 2008126447
本発明によれば、表面平滑性が非常に高い鏡面コアを固定側金型に有する射出成形用金型で、内面の表面平滑性が高い深絞り形状の樹脂成形体2を成形する際、固定側金型に張り付いて固定残りすることがない、離型性に優れた射出成形を行なうことができる。
このように、本発明の射出成形用金型は、表面平滑性が非常によく、光沢に優れる樹脂成形体2が得られる金型であるので、内面の表面平滑性が高い深絞り形状の樹脂成形体が得られるために、金型転写性が要求される自動車内装部材、電気製品のハウジング部材、各種化粧版はもとより、耐熱と外観が必要とされる自動車や二輪車などの照明灯具や施設照明などの部品を成形する射出成形用金型に好適に使用できる。
本発明の実施の形態に係る射出成形用金型によって成形される樹脂成形体の構成を示す説明図であり、(a)は、樹脂成形体の平面図、(b)は、樹脂成形体の側面図をそれぞれ示している。 本発明の実施の形態に係る射出成形用金型の概略の構成を示す側面図である。 パーティングロックが、可動側金型と離型用プレートとを接合状態に接続した状態で、可動側金型が、固定側金型本体から分離姿勢になった状態を示す側面図である。 固定側金型本体に設けられたロッドの先端の拡径部が離型用プレートを係止し、パーティングロックが、可動側金型と離型用プレートとを分離した状態を示す側面図である。
符号の説明
1 射出成形用金型
2 樹脂成形体
2a ツバ部
4 固定側金型
4a 鏡面コア
4b 係止手段
5 離型用プレート
6 可動側金型
6a キャビティ
6b 本体キャビティ部
6c ツバ部形成キャビティ部
7 パーティングロック
7a 機械式パーティングロック
7b 摩擦抵抗式パーティングロック

Claims (5)

  1. 樹脂成形体を成形するための射出成形用金型であって、
    #8000番以上に鏡面仕上げされた鏡面コアを有する固定側金型と、
    前記固定側金型のパーティング面に対向して配置され、前記鏡面コアを通過させる離型用プレートと、
    前記離型用プレートのパーティング面に対向して配置されるキャビティを有する可動側金型と、
    前記離型用プレートと可動側金型とを脱着自在に接続するパーティングロックと、
    前記離型用プレートを固定側金型に接合する接合位置と固定側金型から一定の距離に離間した離間位置との間で変位自在に係止可能な係止手段と、を備え、
    前記キャビティは、樹脂成形体本体を形成するための本体キャビティ部を有し、
    前記離型用プレートと可動側金型のいずれかもしくは両方が、離型用プレートのパーティング面に前記樹脂成形体本体にツバ部を形成するために設けられるツバ部形成キャビティ部を有していることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記鏡面コア及び前記キャビティが、深絞り形状の成形体を成形するような形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 前記パーティングロックが機械式パーティングロック及び/又は摩擦抵抗式パーティングロックであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の射出成形用金型。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂組成物を射出成形することを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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