以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明を適用した電子カメラの実施の形態の構成例を示す斜視図である。本実施の形態の電子カメラにおいては、被写体を撮影する場合において、被写体に向けられる面が面X1とされ、ユーザ側に向けられる面が面X2とされている。面X1の上端部には、被写体の撮影範囲の確認に用いられるファインダ2、被写体の光画像を取り込む撮影レンズ3、及び被写体を照明する光を発光する発光部(ストロボ)4が設けられている。
さらに、面X1には、ストロボ4を発光させて撮影を行うときに、ストロボ4を発光させる前に発光させて赤目を軽減する赤目軽減ランプ15、CCD20(図4)の動作を停止させているときに測光を行う測光素子16、および、CCD20の動作を停止させているときに測色を行う測色素子17が設けられている。
一方、面X1に対向する面X2の上端部(面X1のファインダ2、操作レンズ3、発光部4が形成されている上端部に対応する位置)には、上記ファインダ2、及びこの電子カメラ1に記録されている音声を出力するスピーカ5が設けられている。また、面X2に形成されているLCD6及び操作キー7は、ファインダ2、撮影レンズ3、発光部4及びスピーカ5よりも、鉛直下側に形成されている。LCD6の表面上には、後述するペン型指示装置の接触操作により、指示された位置に対応する位置データを出力する、いわゆるタッチタブレット6A(指示手段、移動手段、選択手段)が配置されている。
このタッチタブレット6Aは、ガラス、樹脂等の透明な材料によって構成されており、ユーザは、タッチタブレット6Aの内側に形成されているLCD6に表示される画像を、タッチタブレット6Aを介して観察することができる。
操作キー7は、LCD6に記録データを再生表示する場合などに操作されるキーであり、ユーザによる操作(入力)を検知し、CPU39(図6:停止手段、付加手段、読み出し手段、設定手段、付加手段)に供給するようになされている。
操作キー7のうちのメニューキー7Aは、LCD6上にメニュー画面を表示する場合に操作されるキーである。実行キー7B(選択手段)は、ユーザによって選択された記録情報を再生する場合に操作されるキーである。
クリアキー7Cは、記録した情報を削除する場合に操作されるキーである。キャンセルキー7Dは、記録情報の再生処理を中断する場合に操作されるキーである。スクロールキー7Eは、LCD6に記録情報の一覧が表示されている場合において、画面を上下方向にスクロールさせるときに操作されるキーである。
面X2には、LCD6を使用していないときに保護する、摺動自在なLCDカバー14が設けられている。LCDカバー14は、鉛直上方向に移動させた場合、図3に示すように、LCD6及びタッチタブレット6Aを覆うようになされている。また、LCDカバー14を鉛直下方向に移動した場合、LCD6及びタッチタブレット6Aが現れるとともに、LCDカバー14の腕部14Aによって、面Y2に配置された電源スイッチ11(後述)がオン状態に切り換えられるようになされている。
この電子カメラ1の上面である面Zには、音声を集音するマイクロホン8、及び図示せぬイヤホンが接続されるイヤホンジャック9が設けられている。
左側面(面Y1)には、被写体を撮像するときに操作されるレリーズスイッチ10、撮影時の連写モードを切り換えるときに操作される連写モード切り換えスイッチ13、および、外部のプリンタに接続するためのプリンタ接続端子18が設けられている。このレリーズスイッチ10、連写モード切り換えスイッチ13、および、プリンタ接続端子18は、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3及び発光部4よりも鉛直下側に配置されている。
一方、面Y1に対向する面Y2(右側面)には、音声を録音するときに操作される録音スイッチ12と、電源スイッチ11が設けられている。この録音スイッチ12及び電源スイッチ11は、上記レリーズスイッチ10及び連写モード切り換えスイッチ13と同様に、面X1の上端部に設けられているファインダ2、撮影レンズ3及び発光部4よりも鉛直下側に配置されている。また、録音スイッチ12は、面Y1のレリーズスイッチ10とほぼ同じ高さに形成されており、左右どちらの手で持っても、違和感のないように構成されている。
なお、録音スイッチ12とレリーズスイッチ10の高さを、あえて異ならせることにより、一方のスイッチを押す場合に、この押圧力によるモーメントを打ち消すために反対側の側面を指で保持したとき、誤ってこの反対側の側面に設けられたスイッチが押されてしまわないようにしてもよい。
上記連写モード切り換えスイッチ13は、ユーザがレリーズスイッチ10を押して被写体を撮影するとき、被写体を1コマだけ撮影するのか、または、所定の複数コマ撮影するのかを設定する場合に用いられる。例えば、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「S」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Sモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、1コマだけ撮影が行われるようになされている。
また、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「L」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Lモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に8コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、低速連写モードになる)。
さらに、連写モード切り換えスイッチ13の指針が「H」と印刷された位置に切り換えられている(すなわち、Hモードに切り換えられている)場合において、レリーズスイッチ10が押されると、レリーズスイッチ10の押されている期間中、1秒間に30コマの撮影が行われるようになされている(すなわち、高速連写モードになる)。
次に、電子カメラ1の内部の構成について説明する。図4は、図1及び図2に示す電子カメラの内部の構成例を示す斜視図である。CCD20は、撮影レンズ3の後段(面X2側)に設けられており、撮影レンズ3を介して結像する被写体の光画像を電気信号に光電変換するようになされている。
ファインダ内表示素子26は、ファインダ2の視野内に配置され、ファインダ2を介して被写体を視ているユーザに対して、各種機能の設定状態などを表示するようになされている。
LCD6の鉛直下側には、円柱形状の4本のバッテリ(単3の乾電池)21が縦に並べられており、このバッテリ21に蓄積されている電力が各部に供給される。さらに、LCD6の鉛直下側には、バッテリ21とともに、発光部4に光を発光させるための電荷を蓄積しているコンデンサ22が配置されている。
回路基板23には、この電子カメラ1の各部を制御する、種々の制御回路が形成されている。また、回路基板23と、LCD6及びバッテリ21の間には、挿抜可能なメモリカード24が設けられており、この電子カメラ1に入力される各種の情報が、それぞれ、メモリカード24の予め設定されている領域に記録される。
さらに、電源スイッチ11に隣接して配置されているLCDスイッチ25は、その突起部が押圧されている間のみオン状態となるスイッチであり、LCDカバー14を鉛直下方向に移動させた場合、図5(a)に示すように、LCDカバー14の腕部14Aによって、電源スイッチ11とともにオン状態に切り換えられるようになされている。
なお、LCDカバー14が鉛直上方向に位置する場合、電源スイッチ11は、LCDスイッチ25とは独立に、ユーザによって操作される。例えば、LCDカバー14が閉じられ、電子カメラ1が使用されていない場合、図5(b)に示すように、電源スイッチ11及びLCDスイッチ25がオフ状態になっている。この状態において、ユーザが電源スイッチ11を図5(c)に示すように、オン状態に切り換えると、電源スイッチ11はオン状態となるが、LCDスイッチ25は、オフ状態のままである。一方、図5(b)に示すように、電源スイッチ11及びLCDスイッチ25がオフ状態になっているとき、LCDカバー14が開かれると、図5(a)に示すように、電源スイッチ11及びLCDスイッチ25がオン状態となる。そして、この後、LCDカバー14を閉じると、LCDスイッチ25だけが、図5(c)に示すように、オフ状態となる。
なお、本実施の形態においては、メモリカード24は挿抜可能とされているが、回路基板23上にメモリを設け、そのメモリに各種情報を記録可能とするようにしてもよい。また、メモリ(メモリカード24)に記録されている各種情報を、図示せぬインタフェースを介して外部のパーソナルコンピュータに出力することができるようにしてもよい。
次に、本実施の形態の電子カメラ1の内部の電気的構成を、図6のブロック図を参照して説明する。複数の画素を備えているCCD20は、各画素に結像した光画像を画像信号(電気信号)に光電変換するようになされている。デジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)33は、CCD20にCCD水平駆動パルスを供給するとともに、CCD駆動回路34を制御し、CCD20にCCD垂直駆動パルスを供給させるようになされている。
画像処理部31は、CPU39に制御され、CCD20が光電変換した画像信号を所定のタイミングでサンプリングし、そのサンプリングした信号を、所定のレベルに増幅するようになされている。アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路という)32は、画像処理部31でサンプリングした画像信号をデジタル化してDSP33に供給するようになされている。
DSP33は、バッファメモリ36およびメモリカード24に接続されるデータバスを制御し、A/D変換回路32より供給された画像データをバッファメモリ36に一旦記憶させた後、バッファメモリ36に記憶した画像データを読み出し、その画像データを、メモリカード24に記録するようになされている。
また、DSP33は、A/D変換回路32より供給された画像データをフレームメモリ35(第1の出力手段、第2の出力手段)に記憶させ、LCD6に表示させるとともに、メモリカード24から撮影画像データを読み出し、その撮影画像データを伸張した後、伸張後の画像データをフレームメモリ35に記憶させ、LCD6に表示させるようになされている。
さらに、DSP33は、電子カメラ1の起動時において、CCD20の露光レベルが適正な値になるまで、露光時間(露出値)を調節しながら、CCD20を繰り返し動作させるようになされている。このとき、DSP33が、最初に、測光回路51を動作させ、測光素子16により検出された受光レベルに対応して、CCD20の露光時間の初期値を算出するようにしてもよい。このようにすることにより、CCD20の露光時間の調節を短時間で行うことができる。
この他、DSP33は、メモリカード24への記録、伸張後の画像データのバッファメモリ36への記憶などにおけるデータ入出力のタイミング管理を行うようになされている。
バッファメモリ36は、メモリカード24に対するデータの入出力の速度と、CPU39やDSP33などにおける処理速度の違いを緩和するために利用される。
マイクロホン8は、音声情報を入力し(音声を集音し)、その音声情報をA/DおよびD/A変換回路42に供給するようになされている。
A/DおよびD/A変換回路42は、マイクロホン8により検出された音声に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換した後、そのデジタル信号をCPU39に出力するとともに、CPU39より供給された音声データをアナログ化し、アナログ化した音声信号をスピーカ5に出力するようになされている。
測光素子16は、被写体およびその周囲の光量を測定し、その測定結果を測光回路51に出力するようになされている。
測光回路51は、測光素子16より供給された測光結果であるアナログ信号に対して所定の処理を施した後、デジタル信号に変換し、そのデジタル信号をCPU39に出力するようになされている。
測色素子17は、被写体およびその周囲の色温度を測定し、その測定結果を測色回路52に出力するようになされている。
測色回路52は、測色素子17より供給された測色結果であるアナログ信号に対して所定の処理を施した後、デジタル信号に変換し、そのデジタル信号をCPU39に出力するようになされている。
タイマ45は、時計回路を内蔵し、現在の時刻に対応するデータをCPU39に出力するようになされている。
絞り駆動回路53は、絞り54の開口径を所定の値に設定するようになされている。
絞り54は、撮影レンズ3とCCD20の間に配置され、撮影レンズ3からCCD20に入射する光の開口を変更するようになされている。
CPU39は、LCDスイッチ25からの信号に応じて、LCDカバー14が開いているときにおいては、測光回路51および測色回路52の動作を停止させ、LCDカバー14が閉じているときにおいては、測光回路51および測色回路52を動作させるとともに、レリーズスイッチ10が半押し状態(第1の操作を行った状態)になるまで、CCD20の動作(例えば電子シャッタ動作)を停止させるようになされている。
CPU39は、CCD20の動作を停止させているとき、測光回路51および測色回路52を制御し、測光素子16の測光結果を受け取るとともに、測色素子17の測色結果を受け取るようになされている。
そして、CPU39は、所定のテーブルを参照して、測色回路52より供給された色温度に対応するホワイトバランス調整値を算出し、そのホワイトバランス調整値を画像処理部31に供給するようになされている。
即ち、LCDカバー14が閉じているときにおいては、LCD6が電子ビューファインダとして使用されないので、CCD20の動作を停止させるようにする。CCD20は多くの電力を消費するので、このようにCCD20の動作を停止させることにより、バッテリ21の電力を節約することができる。
また、CPU39は、LCDカバー14が閉じているとき、レリーズスイッチ10が操作されるまで(レリーズスイッチ10が半押し状態になるまで)、画像処理部31が各種処理を行わないように、画像処理部31を制御するようになされている。
さらに、CPU39は、LCDカバー14が閉じているとき、レリーズスイッチ10が操作されるまで(レリーズスイッチ10が半押し状態になるまで)、絞り駆動回路53が絞り54の開口径を変更などの動作を行わないように、絞り駆動回路53を制御するようになされている。
CPU39は、ストロボ駆動回路37を制御して、ストロボ4を適宜発光させるようになされている他、赤目軽減ランプ駆動回路38を制御して、ストロボ4を発光させる前に、赤目軽減ランプ15を適宜発光させるようになされている。
なお、CPU39は、LCDカバー14が開いているとき(即ち、電子ビューファインダが利用されているとき)においては、ストロボ4を発光させないようにする。このようにすることにより、電子ビューファインダに表示されている画像の状態で、被写体を撮影することができる。
CPU39は、タイマ45より供給される日時データに従って、撮影した日時の情報を画像データのヘッダ情報として、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録するようになされている(すなわち、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録される撮影画像データには、撮影日時のデータが付随している)。
また、CPU39は、デジタル化された音声情報を圧縮した後、デジタル化及び圧縮化された音声データを一旦、バッファメモリ36に記憶させた後、メモリカード24の所定の領域(音声記録領域)に記録するようになされている。また、このとき、メモリカード24の音声記録領域には、録音日時のデータが音声データのヘッダ情報として記録されるようになされている。
CPU39は、レンズ駆動回路30を制御し、撮影レンズ3を移動させることにより、オートフォーカス動作を行う他、絞り駆動回路53を制御して、撮影レンズ3とCCD20の間に配置されている絞り54の開口径を変更させるようになされている。
さらに、CPU39は、ファインダ内表示回路40を制御して、各種動作における設定などをファインダ内表示素子26に表示させるようになされている。
CPU39は、インタフェース(I/F)48(出力手段、第1の出力手段、第2の出力手段)を介して、所定の外部装置(例えば、後述するプリンタ)と所定のデータの授受を行うようになされている。
また、CPU39は、操作キー7からの信号を受け取り、適宜処理するようになされている。
ユーザの操作するペン(ペン型指示部材)41によってタッチタブレット6Aの所定の位置が押圧されると、CPU39は、タッチタブレット6Aの押圧された位置のX−Y座標を読み取り、その座標データ(後述する線画情報)を、バッファメモリ36に蓄積するようになされている。また、CPU39は、バッファメモリ36に蓄積した線画情報を、線画情報入力日時のヘッダ情報とともに、メモリカード24の線画情報記録領域に記録するようになされている。
次に、本実施の形態の電子カメラ1の各種動作について説明する。最初に、本装置のLCD6における電子ビューファインダ動作について説明する。
ユーザがレリーズスイッチ10を半押し状態にすると、DSP33は、CPU39より供給される、LCDスイッチ25の状態に対応する信号の値から、LCDカバー14が開いているか否かを判断し、LCDカバー14が閉じていると判断した場合、電子ビューファインダ動作を行わない。この場合、DSP33は、レリーズスイッチ10が操作されるまで、処理を停止する。
なお、LCDカバー14が閉じている場合、電子ビューファインダ動作を行わないので、CPU39は、CCD20、画像処理部31、および、絞り駆動回路53の動作を停止させる。そして、CPU39は、CCD20を停止させる代わりに、測光回路51および測色回路52を動作させ、それらの測定結果を、画像処理部31に供給する。画像処理部31は、それらの測定結果の値を、ホワイトバランス制御や輝度値の制御を行うときに利用する。
また、レリーズスイッチ10が操作された場合、CPU39は、CCD20および絞り駆動回路53の動作を行わせる。
一方、LCDカバー14が開いている場合、CCD20は、所定の時間毎に、所定の露光時間で、電子シャッタ動作を行い、撮影レンズ3によって集光された被写体の光画像を光電変換し、その動作で得られた画像信号を画像処理部31に出力する。
画像処理部31は、ホワイトバランス制御および輝度値の制御を行い、その画像信号に対して所定の処理を施した後、画像信号をA/D変換回路32に出力する。なお、CCD20が動作しているときは、画像処理部31は、CPU39により、CCD20の出力を利用して算出された、ホワイトバランス制御および輝度値の制御に利用される調整値を利用する。
そして、A/D変換回路32は、その画像信号(アナログ信号)を、デジタル信号である画像データに変換し、その画像データをDSP33に出力する。
DSP33は、その画像データをフレームメモリ35に出力し、LCD6にその画像データに対応する画像を表示させる。
このように、電子カメラ1においては、LCDカバー14が開いている場合、所定の時間間隔で、CCD20が電子シャッタ動作し、その度に、CCD20から出力された信号を画像データに変換し、その画像データをフレームメモリ35に出力して、LCD6に被写体の画像を絶えず表示させることで、電子ビューファインダ動作を行う。
また、上述のように、LCDカバー14が閉じている場合においては、電子ビューファインダ動作を行わず、CCD20、画像処理部31、および、絞り駆動回路53の動作を停止させ、消費電力を節約している。
次に、本装置による被写体の撮影について説明する。
第1に、面Y1に設けられている連写モード切り換えスイッチ13が、Sモード(1コマだけ撮影を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。最初に、図1に示す電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入する。ファインダ2で被写体を確認し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
なお、LCDカバー14が閉じられている場合、CPU39は、レリーズスイッチ10が半押し状態になったとき、CCD20、画像処理部31、および、絞り駆動回路53の動作を再開させて、レリーズスイッチ10が全押し状態(第2の操作を行った状態)になったとき、被写体の撮影処理を開始させる。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、画像処理部31によってサンプリングされる。画像処理部31によってサンプリングされた画像信号は、A/D変換回路32に供給され、そこでデジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、その画像データをバッファメモリ36に一旦出力した後、バッファメモリ36より、その画像データを読み出し、離散的コサイン変換、量子化及びハフマン符号化を組み合わせたJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に従って圧縮し、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録させる。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
なお、連写モード切り換えスイッチ13がSモードに切り換えられている場合においては、1コマの撮影だけが行われ、レリーズスイッチ10が継続して押されても、それ以降の撮影は行われない。また、レリーズスイッチ10が継続して押されると、LCDカバー14が開いている場合、LCD6に、撮影した画像が表示される。
次に、連写モード切り換えスイッチ13がLモード(1秒間に8コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
なお、LCDカバー14が閉じられている場合、CPU39は、レリーズスイッチ10が半押し状態になったとき、CCD20、画像処理部31、および、絞り駆動回路53の動作を再開させて、レリーズスイッチ10が全押し状態になったとき、被写体の撮影処理を開始させる。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、複数の画素を備えるCCD20に結像する。CCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、画像処理部31によって1秒間に8回の割合でサンプリングされる。また、このとき、画像処理部31は、CCD20の全画素の画像電気信号のうち4分の3の画素を間引く。
すなわち、画像処理部31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図7に示すように、2×2画素(4つの画素)を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像信号をサンプリングし、残りの3画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b,c,dが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、各領域の右上の画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c,dが間引かれる。以下、第3回目、第4回目のサンプリング時においては、左下の画素c、右下の画素dが、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、4コマ毎に各画素がサンプリングされる。
画像処理部31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の4分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでデジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、デジタル化された画像信号をバッファメモリ36に一旦出力した後、その画像信号を読み出し、JPEG方式に従って圧縮した後、デジタル化及び圧縮処理された撮影画像データを、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。このとき、メモリカード24の撮影画像記録領域には、撮影日時のデータが、撮影画像データのヘッダ情報として記録される。
さらに、連写モード切り換えスイッチ13がHモード(1秒間に30コマの連写を行うモード)に切り換えられている場合について説明する。電源スイッチ11を「ON」と印刷されている側に切り換えて電子カメラ1に電源を投入し、面Y1に設けられているレリーズスイッチ10を押すと、被写体の撮影処理が開始される。
なお、LCDカバー14が閉じられている場合、CPU39は、レリーズスイッチ10が半押し状態になったとき、CCD20、画像処理部31、および、絞り駆動回路53の動作を再開させて、レリーズスイッチ10が全押し状態になったとき、被写体の撮影処理を開始させる。
ファインダ2で観察される被写体の光画像が撮影レンズ3によって集光され、CCD20に結像する。複数の画素を備えるCCD20に結像した被写体の光画像は、各画素で画像信号に光電変換され、画像処理部31によって1秒間に30回の割合でサンプリングされる。また、このとき、画像処理部31は、CCD20の全画素の画像電気信号のうち9分の8の画素を間引く。
すなわち、画像処理部31は、マトリクス状に配列されているCCD20の画素を、図8に示すように、3×3画素を1つとする領域に分割し、その1つの領域から、所定の位置に配置されている1画素の画像電気信号を、1秒間に30回の割合でサンプリングし、残りの8画素を間引く。
例えば、第1回目のサンプリング時(1コマ目)においては、各領域の左上の画素aがサンプリングされ、その他の画素b乃至iが間引かれる。第2回目のサンプリング時(2コマ目)においては、画素aの右側に配置されている画素bがサンプリングされ、その他の画素a,c乃至iが間引かれる。以下、第3回目以降のサンプリング時においては、画素c、画素d・・・が、それぞれ、サンプリングされ、その他の画素が間引かれる。つまり、9コマ毎に各画素がサンプリングされる。
画像処理部31によってサンプリングされた画像信号(CCD20の全画素中の9分の1の画素の画像信号)は、A/D変換回路32に供給され、そこでデジタル化されてDSP33に出力される。
DSP33は、デジタル化された画像信号をバッファメモリ36に一旦出力した後、その画像信号を読み出し、JPEG方式に従って圧縮した後、デジタル化及び圧縮処理された撮影画像データを、撮影日時のヘッダ情報を付随して、メモリカード24の撮影画像記録領域に記録する。
なお、必要に応じて、ストロボ4を動作させ、被写体に光を照射させることもできる。ただし、LCDカバー14が開いているとき、即ち、LCD6が電子ビューファインダ動作を行っているとき、CPU39は、ストロボ4を、発光させないように制御する。
次に、タッチタブレット6Aから2次元の情報(ペン入力情報)を入力する場合の動作について説明する。
タッチタブレット6Aがペン41のペン先で押圧されると、接触した箇所のX−Y座標が、CPU39に入力される。このX−Y座標は、バッファメモリ36に記憶される。また、フレームメモリ35における上記X−Y座標の各点に対応した箇所にデータを書き込み、LCD6における上記X−Y座標に、ペン41の接触に対応した線画を表示させることができる。
上述したように、タッチタブレット6Aは、透明部材によって構成されているので、ユーザは、LCD6上に表示される点(ペン41のペン先で押圧された位置の点)を観察することができ、あたかもLCD6上に直接ペン入力をしたかのように感じることができる。また、ペン41をタッチタブレット6A上で移動させると、LCD6上には、ペン41の移動に伴う線が表示される。さらに、ペン41をタッチタブレット6A上で断続的に移動させると、LCD6上には、ペン41の移動に伴う破線が表示される。以上のようにして、ユーザは、タッチタブレット6A(LCD6)に所望の文字、図形等の線画情報を入力する。
また、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン41によって線画情報が入力されると、この線画情報が、撮影画像情報とともに、フレームメモリ35で合成され、LCD6上に同時に表示される。
なお、ユーザは、図示せぬ色選択スイッチを操作することによって、LCD6上に表示される線画の色を、黒、白、赤、青等の色から選択することができる。
ペン41によるタッチタブレット6Aへの線画情報の入力後、操作キー7の実行キー7Bが押されると、バッファメモリ36に蓄積されている線画情報が、入力日時のヘッダ情報とともにメモリカード24に供給され、メモリカード24の線画情報記録領域に記録される。
なお、メモリカード24に記録される線画情報は、圧縮処理の施された情報である。タッチタブレット6Aに入力された線画情報は空間周波数成分の高い情報を多く含んでいるので、上記撮影画像の圧縮に用いられるJPEG方式によって圧縮処理を行うと、圧縮効率が悪く情報量が小さくならず、圧縮及び伸張に必要とされる時間が長くなってしまう。さらに、JPEG方式による圧縮は、非可逆圧縮であるので、情報量の少ない線画情報の圧縮には適していない(伸張してLCD6上に表示した場合、情報の欠落に伴うギャザ、にじみが際だってしまうため)。
そこで、本実施の形態においては、ファックス等において用いられるランレングス法によって、線画情報を圧縮するようにしている。ランレングス法とは、線画画面を水平方向に走査し、黒、白、赤、青等の各色の情報(点)の継続する長さ、及び無情報(ペン入力のない部分)の継続する長さを符号化することにより、線画情報を圧縮する方法である。
このランレングス法を用いることにより、線画情報を最小に圧縮することができ、また、圧縮された線画情報を伸張した場合においても、情報の欠落を抑制することが可能になる。なお、線画情報は、その情報量が比較的少ない場合には、圧縮しないようにすることもできる。
また、上述したように、LCD6上に撮影画像が表示されている場合において、ペン入力を行うと、撮影画像データとペン入力の線画情報がフレームメモリ35で合成され、撮影画像と線画の合成画像がLCD6上に表示される。その一方で、メモリカード24においては、撮影画像データは、撮影画像記録領域に記録され、線画情報は、線画情報記録領域に記録される。このように、2つの情報が、各々異なる領域に記録されるので、ユーザは、撮影画像と線画の合成画像から、いずれか一方の画像(例えば線画)を削除することができ、さらに、各々の画像情報を個別の圧縮方法で圧縮することもできる。
メモリカード24の音声記録領域、撮影画像記録領域、または線画情報記録領域にデータを記録した場合、図9に示すように、LCD6に所定の表示が行われる。
図9に示すLCD6の表示画面上においては、情報を記録した時点の年月日(記録年月日)(この場合、1995年8月25日)が画面の下端部に表示され、その記録年月日に記録された情報の記録時刻が画面の最も左側に表示されている。
記録時刻の右側には、サムネイル画像が表示されている。このサムネイル画像は、メモリカード24に記録された撮影画像データの各画像データのビットマップデータを間引いて(縮小して)作成されたものである。この表示のある情報は、撮影画像情報を含む情報である。つまり、「10時16分」と「10時21分」に記録(入力)された情報には、撮影画像情報が含まれており、「10時05分」、「10時28分」、「10時54分」、「13時10分」に記録された情報には、画像情報が含まれていない。
また、メモ記号「*」は、線画情報として所定のメモが記録されていることを表している。
サムネイル画像の表示領域の右側には、音声情報バーが表示され、録音時間の長さに対応する長さのバー(線)が表示される(音声情報が入力されていない場合は、表示されない)。
ユーザは、図9に示すLCD6の所望の情報の表示ラインのいずれかの部分を、ペン41のペン先で押圧して再生する情報を選択指定し、図2に示す実行キー7Bをペン41のペン先で押圧することにより、選択した情報を再生する。
例えば、図9に示す「10時05分」の表示されているラインがペン41によって押圧されると、CPU39は、選択された録音日時(10時05分)に対応する音声データをメモリカード24から読み出し、その音声データを伸張した後、A/DおよびD/A変換回路42に供給する。A/DおよびD/A変換回路42は、供給された音声データをアナログ化した後、スピーカ5を介して再生する。
メモリカード24に記録した撮影画像データを再生する場合、ユーザは、所望のサムネイル画像を、ペン41のペン先で押圧することによりその情報を選択し、実行キー7Bを押して選択した情報を再生させる。
CPU39は、選択された撮影日時に対応する撮影画像データをメモリカード24から読み出すように、DSP33に指示する。DSP33は、メモリカード24より読み出された撮影画像データ(圧縮されている撮影画像データ)を伸張し、この撮影画像データをビットマップデータとしてフレームメモリ35に蓄積させ、LCD6に表示させる。
Sモードで撮影された画像は、LCD6上に、静止画像として表示される。この静止画像は、CCD20の全ての画素の画像信号を再生したものであることはいうまでもない。
Lモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に8コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の4分の1である。
通常、人間の目は、静止画像の解像度の劣化に対しては敏感に反応するため、静止画像の画素を間引くことは、ユーザに画質の劣化として捉えられてしまう。しかしながら、撮影時の連写速度が上がり、Lモードにおいて1秒間に8コマ撮影され、この画像が1秒間に8コマの速さで再生された場合においては、各コマの画素数がCCD20の画素数の4分の1になるが、人間の目は1秒間に8コマの画像を観察するので、1秒間に人間の目に入る情報量は、静止画像の場合に比べて2倍になる。
すなわち、Sモードで撮影された画像の1コマの画素数を1とすると、Lモードで撮影された画像の1コマの画素数は1/4となる。Sモードで撮影された画像(静止画像)がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は1(=(画素数1)×(コマ数1))となる。一方、Lモードで撮影された画像がLCD6に表示された場合、1秒間に人間の目に入る情報量は2(=(画素数1/4)×(コマ数8))となる(すなわち、人間の目には、静止画像の2倍の情報が入る)。従って、1コマ中の画素の数を4分の1にしても、再生時において、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなく再生画像を観察することができる。
さらに、本実施の形態においては、各コマ毎に異なる画素をサンプリングし、そのサンプリングした画素をLCD6に表示するようにしているので、人間の目に残像効果が起こり、1コマ当たり4分の3画素を間引いたとしても、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるLモードで撮影された画像を観察することができる。
また、Hモードで撮影された画像は、LCD6上において、1秒間に30コマの割合で連続して表示される。このとき、各コマに表示される画素数は、CCD20の全画素数の9分の1であるが、Lモードの場合と同様の理由で、ユーザは、画質の劣化をさほど気にすることなくLCD6に表示されるHモードで撮影された画像を観察することができる。
本実施の形態においては、Lモード及びHモードで被写体を撮像する場合、画像処理部31が、再生時における画質の劣化が気にならない程度にCCD20の画素を間引くようにしているので、DSP33の負荷を低減することができ、DSP33を、低速度、低電力で作動させることができる。また、このことにより、装置の低コスト化及び低消費電力化が可能になる。
ところで、本実施の形態の電子カメラ1は、図10に示すように外部のプリンタ100をプリンタ接続端子18を介して接続し、撮影した画像を記録用紙に印刷させることが可能である。
図11は、図10に示すプリンタ100の構成例を示すブロック図である。この図において、CPU102は、ROM103に格納されているプログラムに従って、種々の処理を行うようになされている。RAM104は、CPU102が所定の処理を行う場合に、演算途中のデータやプログラムなどを一時的に格納するようになされている。IF(Interface)106は、CPU102が外部の機器とデータを授受する場合に、必要に応じてデータのフォーマットを変換するようになされている。バス105は、CPU102、ROM103、RAM104、および、IF106を相互に接続し、これらの間でデータを伝送するようになされている。
IF106には、外部の電子カメラ1と、印刷部107が接続されている。
印刷部107は、電子カメラ1から送信され、CPU102により所定の処理が施された画像データを記録用紙に印刷するようになされている。
次に、本実施の形態の電子カメラ1にプリンタ100を接続して、撮影画像を印刷する場合に実行される処理の一例について図12を参照して説明する。
図12に示す処理は、メニューキー7Aが押圧されることにより表示されるメニュー画面(図13参照)において、選択項目「PRINT OUT」(印刷モード)が選択された場合に実行される処理である。なお、図13に示すメニュー画面では、選択項目として「RECORDING」(記録モード)、「PLAY BACK」(再生モード)、「SLIDE SHOW」(スライドショーモード)、「SET UP」(セットアップモード)、および、「PRINT OUT」(印刷モード)が表示されており、これらの中から所望のモードを選択することにより、目的の処理を行うことが可能とされている。
図12に示す処理が実行されると、ステップS1において、電子カメラ1のCPU39は、印刷する画像群の最初の画像のIDを格納する変数st、最後の画像のIDを格納する変数enのそれぞれを値0に初期設定する。
ステップS2では、CPU39は、タッチタブレット6Aがクリックされた回数をカウントする変数clを値0に初期設定する。そして、ステップS3に進む。
ステップS3では、画像リスト(図16を参照して後述する)がLCD6に表示される。そして、ステップS4に進む。
ステップS4では、CPU39は、実行キー7Bが押圧されたか否かを判定する。その結果、実行キー7Bが押圧された(YES)と判定した場合には、ステップS5に進み、印刷処理(後述する)を実行し、処理を終了する(エンド)。また、実行キー7Bが押圧されていない(NO)と判定した場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、CPU39は、図16に示す画像リストにおいて、所定のサムネイル画像がペン41によりクリック(1回押圧)されたか否かを判定する。その結果、所定のサムネイル画像がクリックされていない(NO)と判定した場合には、ステップS4に戻り、前述の場合と同様の処理を繰り返す。また、所定のサムネイル画像がペン41によりクリックされた(YES)と判定した場合には、ステップS7に進む。
ステップS7では、クリックされた回数をカウントする変数clの値が1だけインクリメントされ、ステップS8に進む。
ステップS8では、変数clの値が7であるか否かが判定される。その結果、変数clの値が7ではない(NO)と判定された場合には、ステップS10の処理に進む。また、変数clの値が7である(YES)と判定された場合には、ステップS9に進む。
ステップS9においては、変数clに値1が代入され、ステップS10に進む。
ステップS10では、表示処理が実行される。なお、この処理は、サブルーチンとなっており、その詳細は、図14を参照して後述する。
ステップS10の処理が終了すると、ステップS4に戻り、前述の場合と同様の処理が繰り返される。
次に、図14を参照して、図12のステップS10に示す表示処理の詳細について説明する。
この処理は、図12のステップS10の処理が実行された場合に呼び出されて実行される。この処理が実行されると、ステップS30において、CPU39は、変数clの値が1であるか否か(サムネイル画像が1回クリックされたか否か)を判定する。その結果、変数clの値が1ではない(NO)と判定した場合には、ステップS32に進む。また、変数clの値が1である(YES)と判定した場合には、ステップS31に進む。
ステップS31では、印刷する画像群の最初と最後の画像のIDを、変数stと変数enにそれぞれ代入する。そして、ステップS41に進む。
ステップS41では、変数clおよびst,enの値に応じて、LCD6に表示されている画像リストが更新されることになる。なお、その詳細については、後述する。
いま、メモリカード24には、図15に示すように、ユーザ名を示す「YASUO」と「TAKAKO」の2つのディレクトリが形成されており、それぞれのディレクトリには、2人のユーザが各々撮影した画像が記録されているとする。なお、この図において、「○」は単写画像を示し、また「△」は連写画像を示している。また、撮影画像のIDとしては、例えば、ディレクトリ「YASUO」に格納されている撮影画像には、1乃至99の値が撮影順に割り当てられ、また、ディレクトリ「TAKAKO」に格納されている画像には、101乃至199の値が撮影順に割り当てられる。
そして、LCD6に撮影画像のリストとして、例えば、ディレクトリ「YASUO」に格納されている、3月2日に撮影された画像が図16に示すように表示されているとする。即ち、この図の例では、6時01分に撮影された画像と、9時36分に連写された3枚の画像と、10時10分および10時15分に撮影された画像が表示されている。なお、6時01分のサムネイル画像の右隣りに表示されている「済」の文字のマークは、この画像が以前に印刷されたことがある(印刷済みである)ことを示している。また、9時36分に撮影された3枚のサムネイル画像の左隣りに表示されている「C」の文字のマークは、これらが連写画像であることを示している。
このような撮影画像のリストにおいて、例えば、9時36分に撮影された連写画像の2枚目の画像が、ペン41によりクリックされたとすると、図12のステップS6において、所定のサムネイル画像がクリックされた(YES)と判定され、ステップS7において、変数clの値が1だけインクリメントされてcl=1とされ、ステップS8を経た後、ステップS10に進む。
ステップS10の処理が実行されると、図14の処理が呼び出され、ステップS30において、cl=1であることからステップS31に進む。ステップS31では、指定された画像のIDが、変数stとenにそれぞれ代入される。即ち、クリックされた画像のIDが、変数stとenにそれぞれ代入されることになる。
ステップS41では、変数st,en,clの値に応じて、画像リストが更新される。いま、cl=1であり、また、変数st,enには、9時36分の連写画像の2枚目の画像のIDが格納されている。従って、このような例では、図16に示すように、指定されたサムネイル画像のみの表示色が変更されることになる。そして、ステップS4の処理に復帰(リターン)する。
続いて、同一のサムネイル画像上において、クリックが再度なされたとすると、ステップS7において、変数clの値が1だけインクリメントされてcl=2とされる。その結果、図14の処理では、ステップS32において、YESと判定され、ステップS33に進む。
ステップS33では、変数st,enに、最初に指定された画像(即ち、図16の9時36分に連写された2枚目の画像)が属する連写画像の最初と最後の画像(9時36分に連写された1枚目と第3枚目の画像)のIDがそれぞれ代入され、ステップS41に進む。
ステップS41では、図17に示すように、連写画像のサムネイルの表示色が変更される。
同様にして、再度クリックがなされた場合には、ステップS34においてYESと判定され、ステップS35において、最初に指定された画像が属しているイベントの最初と最後のIDが、変数st,enにそれぞれ格納され、ステップS41に進む。
なお、イベントは、ある画像とその直前の画像の撮影時間の差に応じて生成される。即ち、直前の画像との撮影時間の差が所定の時間内(例えば、1時間以内)である場合には、これらは同一のイベントとされる。例えば、図16の例では、9時36分、10時10分、および、10時15分に撮影された画像は、直前に撮影された画像との時間差がそれぞれ1時間以内であるので、全て同一のイベントに属しているものと見なされる。また、6時01分に撮影された画像と、その直後に撮影された画像(9時36分に撮影された画像)とは、1時間以上の時間差があるため、別のイベントに属しているものとされる。
いま、9時36分の連写画像と、10時10分および10時15分に撮影された画像が同一のイベントに属しているとすると、ステップS41の処理では、図18に示すように、連写画像と10時10分および10時15分の画像(同一イベントの画像)の表示色が変更されることになる。
更に、続けてクリックがなされた場合には、ステップS36において、YESと判定され、変数stには、最初に指定された画像の撮影日における最初の画像(6時01分に撮影された画像)のIDが代入され、また、変数enには、同日の最後に撮影された画像(10時15分に撮影された画像)のIDが代入される。そして、ステップS41に進む。
ステップS41では、図19に示すように、3月2日に撮影されたサムネイル画像の表示色が全て変更されることになる。
続いて、クリックがなされると、ステップS7において、cl=5とされるので、ステップS38では、YESと判定されて、ステップS39に進む。
ステップS39では、変数st,enに対して、ディレクトリの最初の画像のIDと、最後の画像のIDとがそれぞれ代入され、ステップS41に進む。
ステップS41では、(en−st+1)が演算され、ディレクトリ「YASUO」に格納されている画像の枚数が算出される。そして、画像の枚数が1画面に表示可能な枚数よりも多い場合には、例えば、図20に示すように、画像の枚数が表示される。即ち、この表示例では、ディレクトリ「YASUO」には、合計14枚の画像が格納されていることが示されている。
更にクリックがなされると、ステップS7において、cl=6とされ、ステップS38では、NOと判定されるので、ステップS40に進む。
ステップS40では、メモリカード24に格納されている全ての画像のIDの中で、最小と最大のものを変数st,enに対してそれぞれ格納し、ステップS41に進む。
ステップS41では、図21に示すように、メモリカード24に存在する全てのディレクトリと、それぞれのディレクトリに格納されている画像の枚数、および、その合計枚数が表示される。この表示例では、ディレクトリ「YASUO」には10枚の画像が、また、ディレクトリ「TAKAKO」には4枚の画像が格納されており、合計で14枚の画像が格納されていることが示されている。
更にクリックがなされた場合には、cl=7となり、ステップS8でYESと判定され、ステップS9でcl=1とされるので、図16の表示に戻ることになる。
従って、以上の実施の形態の動作を要約すると、メモリカード24(記録手段)に記録されている画像は、画像が記録された日時やイベント(属性情報)などに応じた階層構造を有している。即ち、最上部の階層はディレクトリ毎に分類された階層であり、これは、例えば、各ユーザ毎に割り当てられている。また、その下の階層は、記録日毎に分類された階層である。更にその下の階層は、イベント毎に分類された階層であり、前述のように直前の画像との撮影の時間差を参照して決定される。また、その下の階層は、連写画像毎に分類された階層とされている。
そして、所定のサムネイル画像上において、ペン41(移動手段)によりクリックがなされると、クリックの回数に応じて、印刷の対象となる階層が上部に遷移するとともに、その階層に含まれている全ての画像の表示色が逐次変更されていくことになる。
ここで、所定の階層が表示された場合において、実行キー7Bが押圧されると、ステップS4において、YESと判定され、ステップS5に進み、所望の画像の印刷処理が実行されることになる。
続いて、図22と図23を参照して、ステップS5の処理の詳細について説明する。
この処理が実行されると、ステップS60において、CPU39は、変数st,enの値が共に0であるか否か(クリックされずに実行キー7Bが押圧されたか否か)を判定する。その結果、st,enの値が共に0である(YES)と判定した場合には、ステップS61に進む。
ステップS61では、指定された画像を縮小して1枚の記録用紙に印刷するインデックスプリント処理が実行される。なお、この処理の詳細は、図23を参照して後述する。
ステップS60において、変数st,enの値が共に0ではない(NO)と判定された場合には、ステップS62に進む。
ステップS62では、変数iに変数stの値、即ち、印刷する最初の画像のIDを代入し、ステップS63に進む。
ステップS63では、CPU39は、変数iの値に1を加算したIDを有する画像をメモリカード24から読み出し、伸長処理を施した後、LCD6に表示させる。その結果、LCD6には、次に印刷される画像が表示されることになる。なお、変数iの値に1を加算した値が、変数enの値よりも大きい場合には、標示処理を行わないようにする。
ステップS64では、CPU39は、変数iの値をIDとして有する画像をメモリカード24から読み出し、伸長処理を施した後、インタフェース48を介してプリンタ100に対して出力する。
プリンタ100は、IF106により、電子カメラ1から出力された画像データを受信し、RAM104に一旦格納した後、印刷部107に出力する。その結果、画像データに対応する画像が、記録用紙に印刷されることになる。
いま、ある画像が印刷中であり、LCD6に図24に示すような画像が表示されているとすると、前述の画像の印刷が終了すると、LCD6に表示されている画像が続いて印刷されることになる。図25は、図24に示す画像が、記録用紙200に対して印刷された場合の印刷例を示す図である。
なお、次に印刷される画像が印刷済み画像(印刷済み情報が付加された画像)である場合には、図26に示すように、画面の一部に印刷済みの画像であることを示す「済」の文字のマークが表示される。
ステップS65では、印刷が終了した画像(ID=iの画像)に対して、印刷済み情報を付加する。印刷済み情報は、例えば、各画像のヘッダの所定のビットに格納され、このビットが“1”の状態とされた場合には、印刷済みであることを示す。なお、このようにして、印刷済み情報が付加された画像をリスト表示した場合には、図16の6時01分に撮影された画像と同様に、印刷済みを示すマークが表示されることになる。
なお、複数の画像が1枚の記録用紙に記録されるインデックスプリント(後述するステップS61におけるプリント)を実行した場合には、印刷済み情報は付加されない。
ステップS66では、CPU39は、キャンセルキー7Dが押圧されたか否かを判定する。その結果、キャンセルキー7Dが押圧されていない(NO)と判定した場合には、ステップS68に進む。また、キャンセルキー7Dが押圧された(YES)と判定した場合にはステップS67に進む。
ステップS66において、YESと判定された場合には、ステップS67に進み、変数iの値が1だけインクリメントされ、ステップS68に進む。
ステップS68でも、変数iの値が1だけインクリメントされ、ステップS69に進む。
ステップS69では、変数iの値が変数enの値よりも大きいか否かが判定され、その結果、iの値がenの値よりも大きい(YES)と判定された場合には処理を終了する(エンド)。また、iの値がenの値以下である(NO)と判定された場合には、ステップS63に戻り、前述の場合と同様の処理を繰り返す。
以上のような処理によれば、変数st,enの値が共に0である場合には、後述するインデックスプリントが行われ、また、それ以外の場合には、変数st,enにより指定されるIDを有する画像群がプリントアウトされることになる。なお、その際、次にプリントアウトされる画像がLCD6に表示されるので、プリントアウト前にその画像を確認することが可能となるとともに、その画像が不要である場合には、キャンセルキー7Dを押圧することにより、その印刷をキャンセルすることができる。
次に、図23を参照して、ステップS61に示す、インデックスプリント処理の詳細について説明する。
この処理が実行されると、ステップS80において、CPU39は、印刷形態の入力を受ける。即ち、1枚の記録用紙に1イベントずつ印刷するか、または、1枚に全ての画像を印刷するかの何れかをユーザに選択させる。なお、この区別としては、実行キー7Bがシングルクリックされた場合には、全ての画像を1枚の記録用紙に印刷し、また、実行キー7Bがダブルクリックされた場合には、1イベントを1枚の記録用紙に記録するようにする。
ステップS81では、CPU39は、ステップS80において、イベント毎の表示が指定されたか否かを判定する。その結果、イベント毎の表示が指定されていない(NO)と判定した場合には、ステップS83に進み、メモリカード24に記録されている全ての画像を読み出し、伸長処理を施した後、画像の枚数と記録用紙のサイズに応じて各画像を間引きなどにより縮小し、1枚の画像に合成して、プリンタ100に対して出力する。その結果、例えば、図27に示すような画像が印刷されることになる。
なお、この間引き処理により作成される画像は、例えば、サムネイル画像を流用するようにしてもよい。また、全ての画像が1枚の記録用紙に収まらない場合には、複数の記録用紙に分けて印刷してもよい。
また、ステップS81において、イベント毎の印刷が指定された(YES)と判定した場合には、ステップS82に進む。
ステップS82では、変数iが1に初期設定される。そして、ステップS84に進む。
ステップS84では、CPU39は、第i番目のイベントに属する画像群をメモリカード24から読み出し、伸長処理を施した後、画像の枚数と記録用紙のサイズに応じて、画素を間引いて画像を縮小し、合成して1枚の画像にする。そして、インタフェース48を介して、プリンタ100に対して出力する。
その結果、プリンタ100は、各イベントを1枚の記録用紙に収まるように印刷することになる。
ステップS85では、変数iの値を1だけインクリメントし、ステップS86に進む。
ステップS86では、CPU39は、第i番目のイベントが存在するか否かを判定する。その結果、第i番目のイベントが存在する(YES)と判定した場合には、ステップS84に戻り、前述の場合と同様の処理を繰り返す。また、第i番目のイベントが存在しない(NO)と判定した場合には、元の処理へ復帰(リターン)する。
以上の処理によれば、クリックを行う回数に応じて、上部の階層が印刷の対象として選択され、その階層以下に含まれている全ての画像が印刷されることになるので、画像の相互の関連を反映させて、印刷処理を行うことが可能となる。
なお、以上の実施の形態では、画像リストを最初に表示し、クリックの回数に応じて、上部の階層を逐次表示するようにしたが、例えば、上部の階層を指定してから次第に下部の階層に遷移するようにしてもよい。図28乃至図31は、そのような形式の表示例を示す図である。
図28は、図13のメニュー画面において、選択項目「PRINT OUT」が選択された場合の表示例である。この例では、ディレクトリ「YASUO」と「TAKAKO」をそれぞれ示すファイルフォルダ300,301が表示されている。
このような表示画面において、例えば、ファイルフォルダ300(YASUO)上において、ペン41によりダブルクリック(タッチタブレット6Aが2回連続して押圧されること)がなされたとすると、図29に示すような画面が続いて表示されることになる。
この表示例では、3月1日、3月2日、および、4月1日に撮影された画像が格納されているファイルフォルダ303乃至305が表示されている。また、図の右上には、図28の画面に復帰する場合に操作されるリターンボタン302が表示されている。
続いて、図29の表示画面において、3月2日のファイルフォルダ304上においてダブルクリックがなされた場合には、図30に示すように、3月2日に含まれているイベント1,2に対するファイルフォルダ306,307が表示される。なお、この図において、リターンボタン302は、図29の画面に復帰する場合に操作される。
図30の表示画面において、イベント2に対応するファイルフォルダ307上においてダブルクリックがなされた場合には、図31に示す画面が表示されることになる。この画面では、イベント2に含まれている画像に対応するサムネイル画像が表示されている。この例では、9時36分に撮影された連写画像と、10時10分および10時15分に撮影された画像に対応するサムネイル画像が表示されている。
以上のような表示において、ユーザが所定の階層(図28乃至図31の何れか)において、所定のファイルフォルダまたはサムネイル上をシングルクリックし、実行キー7Bを押圧すると、指定されたファイルフォルダに含まれている全ての画像が印刷されることになる。例えば、図30の表示画面において、ファイルフォルダ307上において、シングルクリックがなされた後、実行キー7Bが押圧されると、図31に示す全ての撮影画像がインタフェース48から逐次出力されて印刷されることになる。
なお、以上の実施の形態の表示例は、ほんの一例であり、本発明はこれらの表示例のみに限定されるものではないことは勿論である。
また、以上の実施の形態においては、画像のIDが小さい順に印刷されるようにしたが、例えば、撮影日時や更新日時に応じて印刷がなされるようにしてもよい。
最後に、図12、図14、図22、図23に示す制御プログラムは、メモリカード24に記憶されている。なお、これらのプログラムは、予めメモリカード24に記憶された状態で使用者に供給されてもよいし、メモリカード24にコピー可能なようにCD−ROM(Compact Disc-ROM)などに記憶された状態で使用者に供給されてもよい。