JP2008124425A - 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品 - Google Patents

熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2008124425A
JP2008124425A JP2007144153A JP2007144153A JP2008124425A JP 2008124425 A JP2008124425 A JP 2008124425A JP 2007144153 A JP2007144153 A JP 2007144153A JP 2007144153 A JP2007144153 A JP 2007144153A JP 2008124425 A JP2008124425 A JP 2008124425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermosetting resin
resin paste
wiring board
weight
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007144153A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5130788B2 (ja
Inventor
Tomohiro Hirata
知広 平田
Susumu Kaneko
進 金子
Munemaru Sakayori
宗丸 酒寄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2007144153A priority Critical patent/JP5130788B2/ja
Publication of JP2008124425A publication Critical patent/JP2008124425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5130788B2 publication Critical patent/JP5130788B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品を提供する。
【解決手段】配線板に使用する熱硬化性樹脂ペーストは、(A)熱硬化性樹脂100重量部と、(B)配線板の配線間距離の1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部と、及び(C)トリアジンチオール系誘導体1〜50重量部とを含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品に関する。
近年、電子機器の小型化、薄型化、高速化への対応から、FPC、TAB及びCOFといったフレキシブル配線板の配線ピッチはより一層ファイン化してきている。配線間の絶縁信頼性を維持するために配線上には、通常、絶縁性の熱硬化性樹脂ペーストが塗布、硬化されている。
例えば、特許文献1には、可溶性のポリイミドシロキサン、エポキシ樹脂及びタルクを含有する組成物が開示されており、この組成物は、耐熱性、密着性、耐薬品性及び貯蔵安定性に優れ、フレキシブル配線板上にスクリーン印刷等で保護膜として形成されている。また、特許文献2には、配線を形成した芳香族ポリイミドフィルム基板上に、共重合ポリイミドシロキサン及びエポキシ樹脂を含む塗布膜を加熱乾燥して形成したフレキシブル配線板が開示されている。
特開平7−304950号公報 特開平8−333455号公報
しかしながら、40μmピッチ以下のファインピッチ配線となった場合、従来の熱硬化性樹脂ペーストを用いても、高温高湿条件下で配線に電圧を印加すると配線間の絶縁性が低下し、長時間に亘って絶縁信頼性を維持できないという問題点があった。
本発明は、以上のような従来の課題を解決するためになされたものであって、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、さらに、耐熱性、電気的特性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品を提供することを目的とする。
本発明による熱硬化性樹脂ペーストは、配線板に使用する熱硬化性樹脂ペーストであって、(A)熱硬化性樹脂100重量部と、(B)前記配線板の配線間距離の1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部と、及び(C)トリアジンチオール系誘導体1〜50重量部とを含有することを特徴とする。
また、本発明による熱硬化性樹脂ペーストにあっては、前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における引張り弾性率が、25℃で0.1〜1.0GPaであることを特徴とする。
また、本発明による熱硬化性樹脂ペーストにあっては、前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における引張り伸び率が、25℃で20%以上であることを特徴とする。
また、本発明による熱硬化性樹脂ペーストにあっては、前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における5%熱重量減少温度が、250℃以上であることを特徴とする。
また、本発明によるフレキシブル配線板にあっては、前記熱硬化性樹脂ペーストを保護膜として用いたことを特徴とする。
また、本発明による電子部品にあっては、前記フレキシブル基板を用いてなることを特徴とする。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストは、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れるものである。また、本発明の熱硬化性樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板は、上記の優れた特性を兼ね備えており、このフレキシブル配線板を搭載することにより、信頼性の高い電子部品を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明による熱硬化性樹脂ペースト及びフレキシブル配線板を実施の形態により詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[熱硬化性樹脂ペースト]
本発明による熱硬化性樹脂ペーストは、(A)成分として熱硬化性樹脂100重量部と、(B)成分として配線板の配線間距離の1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部と、及び(C)成分としてトリアジンチオール系誘導体1〜50重量部とを含有する。以下、各成分について説明する。
〔(A)成分〕
本発明における熱硬化性樹脂ペーストの(A)成分として用いられる熱硬化性樹脂は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂であれば、特に制限なく使用できる。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリブタジエン、水添加ポリブタジエン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリテトラフルオロ樹脂、ポリシリコーン、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用できる。これらの熱硬化性樹脂の中で、可撓化及び低弾性率化の観点から、ポリカーボネート骨格及びウレタン結合を有する樹脂が好ましい。また、耐熱性、電気特性、耐湿性、耐溶剤性及び耐薬品性に優れたイミド結合を含む樹脂が好ましい。
本発明に使用されるイミド結合を含む熱硬化性樹脂は、イミド結合を成分として含有し、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/又は酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸と、イソシアネート化合物又はアミン化合物を反応させて得られる。
酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体(以下、(a)成分とする)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(I)及び(II)で示す化合物を使用することができる。耐熱性、コスト面等を考慮すれば、トリメリット酸無水物が特に好ましい。
Figure 2008124425
Figure 2008124425
但し、一般式(I)及び(II)において、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−、又は−O−を示す。
酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸(以下、(a’)成分とする)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(III)
Figure 2008124425
(式中、Yは、下記一般式(IV)から選ばれた4価の基を示す。)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2008124425
また、これらの他に必要に応じて、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)などを使用することができる。
イソシアネート化合物(以下、(b)成分とする)としては、例えば、下記一般式(V):
Figure 2008124425
(式中、複数個のRは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基であり、Xは、二価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立に1〜20の整数である。)で示される「ポリカーボネート骨格及びウレタン結合を有する化合物」を用いることができる。
上記一般式(V)で示される「ポリカーボネート骨格及びウレタン結合を有する化合物」は、下記一般式(VI)で表されるカーボネートジオール類と、下記一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物とを無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させることにより得られる。
Figure 2008124425
(式中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、mは、1〜20の整数である。)
Figure 2008124425
(式中、Xは、二価の有機基である。)
上記一般式(VI)で示されるカーボネートジオール類としては、例えば、α,ω−ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−ペンタメチレンカーボネート)ジオール等が挙げられ、市販されているものとしては、ダイセル化学(株)製の商品名「PLACCEL CD−205,205PL,205HL,210,210PL,210HL,220,220PL,220HL」等が挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記一般式(VII)中のXで示される二価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、又は非置換若しくはメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されているフェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、より好ましくは1〜18である。ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイル基等の芳香族環を2つ有する基も好ましいものとして挙げられる。
また、上記一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジエチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメトキシジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4、4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−[2,2ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルメキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを使用してもよい。さらに、経日変化を避けるために、必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、アルコール、フェノール、オキシム等があるが、特に制限なく使用できる。
上記の一般式(VI)で表されるカーボネートジオール類と一般式(VII)で表されるジイソシアネートとの配合量は、水酸基数とイソシアネート基数の比率が、イソシアネート基/水酸基=1.01以上、すなわちイソシアネート基が水酸基より過剰となるように配合することが好ましい。反応は、無溶媒あるいは有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件などにより適宜選択することができる。
このようにして得られるジイソシアネートの数平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、1,000〜9,500であることがより好ましく、1,500〜9,000であることが特に好ましい。数平均分子量が500未満であると、反り性が悪化する傾向があり、10,000を超えると、ジイソシアネートの反応性が低下し、ポリイミド樹脂化することが困難となる傾向がある。なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
本発明においては、さらに上記のイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物を用いることが、耐熱性の点で好ましい。このようなポリイソシアネート成分としては、特に制限はなく、例えば、一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物又は3価以上のポリイソシアネート化合物(以下、(c)成分とする)を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(c)成分のポリイソシアネート化合物としては、その総量の50〜100重量%が芳香族ポリイソシアネートであることが好ましく、耐熱性、溶解性、機械特性、コスト面などのバランスを考慮すれば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
本発明における上記一般式(VI)で表されるカーボネートジオール類と上記一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物とを無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させることにより得られたジイソシアネート((b)成分)と、上記一般式(VII)で表されるジイソシアネート化合物又は3価以上のポリイソシアネート類((c)成分)の配合割合は、(b)成分/(c)成分の当量比で0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。この当量比が0.1/0.9未満では、低弾性率化できず、反り性及び密着性が低下する傾向があり、0.9/0.1を超えると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向がある。
また、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体((a)成分)及び/又は酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸((a’)成分)の配合割合は、(b)成分と(c)成分中のイソシアネート基の総数に対する(a)成分及び/又は(a’)成分のカルボキシル基及び/又は酸無水物基の総数の比が0.6〜1.4となるようにすることが好ましく、0.7〜1.3となるようにすることがより好ましく、0.8〜1.2となるようにすることが特に好ましい。この比が0.6未満又は1.4を超えると、ポリイミド結合を含む樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。
本発明のイミド結合を含む樹脂の製造方法における反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことができる。上記非含窒素系極性溶媒としては、エーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、エステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。また、生成する樹脂を溶解する溶剤を選択して使用するのが好ましい。さらに、樹脂の合成後、そのままペーストの溶媒として好適なものを使用することが好ましい。
高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、溶媒としてγ−ブチロラクトンが最も好ましい。溶媒の使用量は、生成するイミド結合を含む樹脂の0.8〜5.0倍(重量比)とすることが好ましい。0.8倍未満では、合成時の粘度が高すぎて、攪拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。
反応温度は、80〜210℃とすることが好ましく、100〜190℃とすることがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。80℃未満では反応時間が長くなり過ぎ、210℃を超えると反応中に三次元化反応が生じてゲル化が起こり易い。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。また、必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、錫、亜鉛、チタニウム、コバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行ってもよい。
このようにして得られた熱硬化性樹脂の数平均分子量は、4,000〜40,000であることが好ましく、5,000〜38,000であることがより好ましく、6,000〜36,000であることが特に好ましい。数平均分子量が4,000未満であると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向があり、40,000を超えると、非含窒素系極性溶媒に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい。また、作業性に劣る傾向がある。
また、合成終了後に樹脂末端のイソシアネート基を、アルコール類、ラクタム類、オキシム類等のブロック剤でブロックすることもできる。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストには、硬化性を向上させるために、各種エポキシ樹脂を添加することもできる。エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製の商品名「エピコート828」等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製の商品名「YDF−170」等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製の商品名「エピコート152」、「エピコート154」、日本化薬(株)製の商品名「EPPN−201」、ダウケミカル社製の商品名「DEN−438」等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製の商品名「EOCN−125S」、「EOCN−103S」、「EOCN−104S」等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製の商品名「Epon1031S」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名「アラルダイト0163」、ナガセ化成(株)製の商品名「デナコールEX−611」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」、「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」、「デナコールEX−421」、「デナコールEX−411」、「デナコールEX−321」等の多官能エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製の商品名「エピコート604」、東都化成(株)製の商品名「YH434」、三菱ガス化学(株)製の商品名「TETRAD−X」、「TERRAD−C」、日本化薬(株)製の商品名「GAN」、住友化学(株)製の商品名「ELM−120」等のアミン型エポキシ樹脂、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名「アラルダイトPT810」等の複素環含有エポキシ樹脂、UCC社製の「ERL4234」、「ERL4299」、「ERL4221」、「ERL4206」等の脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。これらのエポキシ樹脂のうち、1分子中にエポキシ基を3個以上有するアミン型エポキシ樹脂は、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性の向上の点で特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストに用いられるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、イミド結合を含む樹脂全量に対して0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシル、メチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することができる。
本発明におけるエポキシ樹脂の使用量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜45重量部、さらに好ましくは3〜40重量部である。エポキシ樹脂の配合量が1重量部未満では、硬化性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性が低下する傾向にあり、50重量部を超えると、耐熱性及び粘度安定性が低下する傾向にある。
エポキシ樹脂の添加方法としては、添加するエポキシ樹脂を予めイミド結合を含む熱硬化性樹脂に含まれる溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加してもよく、また、直接添加してもよい。
〔(B)成分〕
本発明における(B)成分として用いられる無機微粒子は、フレキシブル配線板の配線間距離の1/2未満の平均粒子径をもち、上述した(A)成分の熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂溶液中に分散してペーストを形成するものであれば、特に制限なく使用できる。無機微粒子の平均粒子径がフレキシブル配線板の配線間距離の1/2を超えると、高温高湿条件下で配線に電圧を印加した際、配線間の絶縁性が低下し、長時間にわたって絶縁信頼性を維持できない傾向がある。なお、一般的に、平均粒子径はレーザー回折法によって測定した値である。
(B)成分である無機微粒子としては、平均粒子径50μm以下、最大粒子径100μm以下の粒子径をもつものが好ましく用いられる。平均粒子径が50μmを超えると、後述するチキソトロピー係数が1.1以上のペーストが得られにくくなり、最大粒子径が100μmを超えると、熱硬化性樹脂ペーストの塗膜の外観、密着性が不十分となる傾向がある。平均粒子径は、より好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは1μm以下であり、最大粒子径はより好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、特に好ましくは40μm以下である。
このような無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化珪素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al/5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO−Al)、イットリア含有ジルコニア(Y−ZrO)、珪酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、水酸化アルミニウム〔Al(OH)〕、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)〕、有機ベントナイト、カーボン(C)、ハイドロタルサイトなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を使用することもできる。
熱硬化性樹脂の溶液に無機微粒子を分散させる方法としては、通常、塗料分野で行われているロール練り、ミキサー混合などが適用され、十分な分散が行われる方法であれば分散方法は問わない。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(B)成分として用いる無機微粒子の配合量は、(A)成分である熱硬化性樹脂100重量部に対して10〜500重量部の範囲とするのが好ましく、20〜200重量部とすることがより好ましく、30〜150重量部とすることが特に好ましい。無機微粒子の配合量が10重量部未満である場合、印刷後のペーストの流れ出しが大きくなるとともに膜厚が薄膜化する傾向がある。一方、無機微粒子の配合量が500重量部を超える場合、ペーストの粘度及びチキソトロピー係数が高くなり、ペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。
〔(C)成分〕
本発明における(C)成分として用いられるトリアジンチオール系誘導体は、硬化性及び高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を向上させる誘導体であれば、特に制限なく使用できる。トリアジンチオール系誘導体としては、例えば、下記一般式(VIII)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2008124425
(式中、Rは、−SH及び−N(R)を示す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
上記一般式(VIII)で表される化合物としては、例えば、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの化合物の市販品としては、三協化成(株)製の商品名「ジスネットF」(2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン)、「ジスネットDB」(2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン)、「ジスネットAF」(2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン)、「サンチオールN−1」、「サンチオールN−W」、「サンアルガ1907」などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。これらのトリアジンチオール系誘導体のうち、1分子中にチオール基を2個以上有する誘導体は、耐マイグレーション性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性の向上の点で特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(C)成分として用いるトリアジンチオール系誘導体の使用量は、(A)成分である熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜45重量部、さらに好ましくは3〜40重量部である。トリアジンチオール系誘導体の配合量が1重量部未満では、硬化性、耐マイグレーション性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性が低下する傾向にあり、50重量部を超えると、耐熱性、耐折性及び粘度安定性が低下する傾向にある。
トリアジンチオール系誘導体の添加方法としては、添加するトリアジンチオール系誘導体を、予め熱硬化性樹脂に含まれる溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加してもよく、また、直接添加してもよい。
[その他の添加成分]
本発明の熱硬化性樹脂ペーストには、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるために、必要に応じて消泡剤、レベリング剤等の界面活性剤類、染料又は顔料等の着色剤類、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、無機イオン交換体などを添加することもできる。
本発明による熱硬化性樹脂ペーストを硬化膜としたものの引張り弾性率は、25℃で0.1〜1.0GPaであることが好ましい。引張り弾性率が25℃で1.0GPaを超えると反り性、柔軟性が低下する傾向がある。また、引張り弾性率が0.1GPa未満であると、硬化膜の硬度が低下する、タック性が大きくなる等の傾向がある。
また、熱硬化性樹脂ペーストを硬化膜としたものの引張り伸び率は、25℃で20%未満であると柔軟性が低下し耐折性が低下する傾向があるので、引張り伸び率は20%以上であることが好ましい。
さらに、熱硬化性樹脂を硬化膜としたものの5%熱重量減少温度は、250℃以上であることが好ましい。5%熱重量減少温度が250℃未満であると、リジッド配線板、ICチップ、電子部品又はLCDパネルとの接続時にかかる熱により、硬化膜が変形、分解する可能性がある。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストにおいて、回転型粘度計での粘度が25℃で0.5Pa・s〜500Pa・s、チキソトロピー係数が1.1以上であるのが好ましい。粘度が0.5Pa・s未満であると、印刷後のペーストの流れ出しが大きくなると共に膜厚が薄膜化する傾向がある。一方、粘度が500Pa・sを超えるとペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。また、チキソトロピー係数が1.1未満であると、ペーストの糸引きが増加すると共に印刷後のペーストの流れ出しが大きくなり、膜厚も薄膜化する傾向がある。
ここで、熱硬化性樹脂ペーストの粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数10rpmの粘度として表される。また熱硬化性樹脂ペーストのチキソトロピ−係数(TI値)は、E型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数1rpmと10rpmのペーストのみかけ粘度、η1とη10の比η1/η10として表される。
[フレキシブル配線板]
本発明によるフレキシブル配線板は、上述した熱硬化性樹脂ペーストを用いて製造される。例えば、COF実装用途に用いられるフレキシブル配線板(COF基材)は、導体回路パターンの形成されたポリイミドフィルム上に、マザーボードであるリジッド配線板、ドライバIC、電子部品又は液晶パネルと接続される配線パターン部分を除いた箇所に、上述した熱硬化性樹脂ペースト(ソルダレジスト層)を形成し、所定の熱硬化処理を行なって製造される。本発明による熱硬化性樹脂ペーストは、フレキシブル配線板の保護膜として好ましく使用できる。フレキシブル配線板に形成される配線間距離、すなわち、配線間の間隔は、例えば5〜50μm程度である。
[電子部品]
本発明による電子部品は、上述したフレキシブル配線板を用いた各種の電子部品を含む。近年、市場に急速に普及してきたプラズマ、液晶などの薄型テレビ、デジタルビデオカメラ、DVDレコーダー、携帯音響プレーヤーなどのいわゆるデジタル家電の分野において、小型化、薄型化、高機能化への対応の必要性から、狭い空間に高密度に実装される電子部品として、好ましく使用できる。また、携帯電話、携帯音楽、画像再生機器など、各種の携帯用電子機器に搭載される電子部品としても、好ましく使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、油水分離器付き冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた5リットルの四つ口フラスコに、(b)成分として「PLACCEL CD−220」(ダイセル化学(株)製 1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオールの商品名)1000.0g(0.50モル)及び4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.27g(1.00モル)と、γ−ブチロラクトン833.51gを仕込み、140℃まで昇温した。140℃で5時間反応させ、ジイソシアネート[一般式(V)において、Rがすべてヘキサメチレン基であり、Xがジフェニルメタン基であり、m=13、n=1であるジイソシアネート]を得た。さらに、この反応液に(a’)成分として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物358.29g(1.00モル)、(c)成分として4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート125.14g(0.50モル)及びγ−ブチロラクトン584.97gを仕込み、160℃まで昇温した後、7時間反応させて、数平均分子量が30,000の熱硬化性樹脂を得た。得られた熱硬化性樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、粘度65Pa・s、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂溶液を得た。なお、(b)成分/(c)成分のモル比は、0.5/0.5である。
得られたポリイミド樹脂溶液1000gに、(B)成分としてシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、商品名「アエロジル380」、平均粒子径0.2μm以下)20g及び「B−30」(堺化学工業(株)製商品名、平均粒子径0.3μm、硫酸バリウム粒子)600gとγ−ブチロラクトン900gを加え、まず粗混練し、次いで高速3本ロールを用いて3回混練を繰り返して本混練を行い、均一に微粒子が分散したポリイミド樹脂ペーストを得た。このポリイミド樹脂ペーストの樹脂分100重量部に対して、「YH−434」(東都化成(株)製アミン型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量約120、エポキシ基4個/分子)10重量部を加えた後、さらに、(C)成分として「ジスネットDB」(三協化成(株)製のトリアジンジチオール系誘導体の商品名)10重量部を加え、γ−ブチロラクトンで希釈して、粘度32Pa・s、TI値(チキソトロピ−係数)2.0、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
(実施例2)
実施例1において、(B)成分である「B−30」、600gの代わりに、「B−2」(堺化学工業(株)製商品名、平均粒子径2μm、硫酸バリウム粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度29Pa・s、TI値1.8、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
(実施例3)
実施例1において、(B)成分である「B−30」、600gの代わりに、「SG−2000」(日本タルク(株)製商品名、平均粒子径5μm、タルク粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度30Pa・s、TI値2.0、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
(比較例1)
実施例1において、(C)成分である「ジスネットDB」(三協化成(株)製のトリアジンジチオール系誘導体の商品名)を0重量部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度28Pa・s、TI値1.7、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
(比較例2)
実施例1において、(B)成分である「B−30」、600gの代わりに、「BA」(堺化学工業(株)製商品名、平均粒子径8μm、硫酸バリウム粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度34Pa・s、TI値2.0、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
(比較例3)
実施例1において、(B)成分である「B−30」、600gの代わりに、「SSS」(日本タルク(株)製商品名、平均粒子径12μm、タルク粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度30Pa・s、TI値1.8、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたポリイミド樹脂ペーストの特性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
評価方法
(1)反り性
厚さ38μmのポリイミドフィルムと厚さ12μmのCuからなる2層フレキシブル基材をSnメッキし、縦35mm、横20mmの大きさに裁断した。この基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)について、塗布面を下にして定盤上に置き、反り高さを評価した。
(2)封止材に対する密着性
(1)の反り性で用いた基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)上に、エポキシ系封止材〔日立化成工業(株)製、商品名:「CEL−C−5020」〕を0.06gポッティングし、空気雰囲気下、120℃で120分、さらに150℃で120分加熱した。得られた試験片は、封止材側が外側になるように折り曲げ、剥離のモードを下記の基準で評価した。
○:基材/塗膜の界面剥離
△:塗膜/封止材の界面剥離
×:全く接着せず
(3)耐マイグレーション性
厚さ38μmのポリイミドフィルムと厚さ8μmのCu櫛歯電極の配線ピッチが30μmピッチ(配線間長さ15μm)の2層フレキシブル基材をSnメッキした。この基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱した。得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)の配線に85℃/85%RH環境下で60Vまたは100Vの電圧を印加し、1000時間後の絶縁抵抗値について下記の基準で評価した。
○:絶縁抵抗10以上
△:絶縁抵抗10以上
×:絶縁抵抗10未満
(4)引張り弾性率及び伸び率
得られたポリイミド樹脂ペーストを90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分又は160℃で60分加熱し、膜厚約30μm、幅10mm、長さ60mmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜を用いてチャック間長さ20mm、引張り速度5mm/分の条件で引張り試験を行い、引張り弾性率及び引張り伸び率を求めた。
(5)5%重量減少温度
得られたポリイミド樹脂ペーストを90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分又は160℃で60分加熱し、膜厚約30μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜を用いて、空気雰囲気中、10℃/分の昇温速度にてTG−DTA法により、5%重量減少温度を測定した。以上の結果を表1に示す。
Figure 2008124425
表1より、本発明の熱硬化性樹脂ペーストは、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れ、また、本発明の熱硬化性樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板は、優れた特性を兼ね備えたフレキシブル配線板であることがわかる。
以上のように、本発明によれば、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、さらに、耐熱性、電気的特性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペーストを提供することができる。従って、本発明は、このような熱硬化性樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板、及びこのフレキシブル配線板を搭載した各種の小型電子機器や携帯用電子機器等の電子部品に適している。

Claims (6)

  1. 配線板に使用する熱硬化性樹脂ペーストであって、(A)熱硬化性樹脂100重量部と、(B)前記配線板の配線間距離の1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部と、及び(C)トリアジンチオール系誘導体1〜50重量部とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂ペースト。
  2. 前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における引張り弾性率は、25℃で0.1〜1.0GPaであることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂ペースト。
  3. 前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における引張り伸び率は、25℃で20%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性樹脂ペースト。
  4. 前記熱硬化性樹脂ペーストの硬化膜における5%熱重量減少温度は、250℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂ペースト。
  5. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂ペーストを保護膜として用いたことを特徴とするフレキシブル配線板。
  6. 請求項5に記載のフレキシブル基板を用いてなることを特徴とする電子部品。
JP2007144153A 2006-10-20 2007-05-30 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品 Active JP5130788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007144153A JP5130788B2 (ja) 2006-10-20 2007-05-30 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006286233 2006-10-20
JP2006286233 2006-10-20
JP2007144153A JP5130788B2 (ja) 2006-10-20 2007-05-30 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008124425A true JP2008124425A (ja) 2008-05-29
JP5130788B2 JP5130788B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=39508814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007144153A Active JP5130788B2 (ja) 2006-10-20 2007-05-30 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5130788B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024005021A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 富士フイルム株式会社 組成物、転写フィルム、積層体の製造方法、積層体、半導体パッケージの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10242635A (ja) * 1997-02-25 1998-09-11 Hitachi Chem Co Ltd 金属ベース基板の製造方法
JP2001251049A (ja) * 2000-03-03 2001-09-14 Mitsui Chemicals Inc 金属ベース配線板の製造方法
JP2001251050A (ja) * 2000-03-06 2001-09-14 Mitsui Chemicals Inc 金属ベース配線板の製造方法
JP2003198105A (ja) * 2001-12-28 2003-07-11 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板
JP2003327925A (ja) * 2002-05-13 2003-11-19 Hitachi Chem Co Ltd 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10242635A (ja) * 1997-02-25 1998-09-11 Hitachi Chem Co Ltd 金属ベース基板の製造方法
JP2001251049A (ja) * 2000-03-03 2001-09-14 Mitsui Chemicals Inc 金属ベース配線板の製造方法
JP2001251050A (ja) * 2000-03-06 2001-09-14 Mitsui Chemicals Inc 金属ベース配線板の製造方法
JP2003198105A (ja) * 2001-12-28 2003-07-11 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板
JP2003327925A (ja) * 2002-05-13 2003-11-19 Hitachi Chem Co Ltd 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024005021A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 富士フイルム株式会社 組成物、転写フィルム、積層体の製造方法、積層体、半導体パッケージの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5130788B2 (ja) 2013-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5239335B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料
JP2003198105A (ja) 樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板
JP2004137370A (ja) ポリアミドイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP2001302795A (ja) ポリアミドイミド樹脂組成物及び被膜形成材
JP2008101123A (ja) 変性ポリイミド系樹脂組成物、それからなるペースト及びそれらから得られる電子部品
JP2010031182A (ja) 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料
JP5526778B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料
JP2008297388A (ja) 変性ポリイミド系樹脂組成物、該組成物を含有するペースト及び該ペーストから得られる電子部品
JP2009096915A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたフレキシブル基板及び電子部品
JP2003138015A (ja) ポリアミドイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP2009185242A (ja) 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料
JPH11246760A (ja) ポリアミドイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP2003335944A (ja) ポリイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP5130788B2 (ja) 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板及び電子部品
JP2011148862A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、フレキシブル配線板の保護膜の形成方法及びフレキシブル配線板
JP2008297536A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたフレキシブル基板及び電子部品
JPWO2008047866A1 (ja) 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料
JP4937555B2 (ja) ソルダーレジスト樹脂組成物、その製造方法及びその硬化物
JP2005002192A (ja) ポリイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP2005154502A (ja) ポリイミド樹脂ペースト及び被膜形成材料
KR102233604B1 (ko) 폴리카보네이트이미드 수지 및 이것을 이용한 페이스트
JP2010235638A (ja) 樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル配線板の保護膜の製造方法
JP4895073B2 (ja) 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板
JP2003335943A (ja) ポリアミドイミド樹脂ペースト及びそれを含む被膜形成材料
JP2000095997A (ja) ポリアミドイミド樹脂ペースト及び被膜形成材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100430

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5130788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S801 Written request for registration of abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311801