JP2008123790A - 亜鉛アルカリ電池およびそのゲル状亜鉛負極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無水銀且つ鉛無添加の亜鉛アルカリ電池において、ゲル状亜鉛負極の流動性を改善して電池製造の生産性を向上させる。
【解決手段】少なくとも負極金属作用物質としての無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末と、アルカリ電解液と、アルカリ電解液の粘性を増加させる増粘剤とからなる亜鉛アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の製造方法であって、上記亜鉛合金粉末、増粘剤およびアルカリ電解液を混合した後、減圧下に攪拌して脱気し、次に気体を吹き込みながら攪拌を行って気体の含有率を調節するか、あるいは必要によりさらにこれを減圧下で攪拌して気体の含有率を調節することを特徴とし、かかる製造方法により該気体含有率を体積率で1〜20%の範囲とすることによつて、放電容量を低下させることなく負極の流動性を改善し、生産上を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも負極金属作用物質としての無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末と、アルカリ電解液と、アルカリ電解液の粘性を増加させる増粘剤とからなる亜鉛アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の製造方法であって、上記亜鉛合金粉末、増粘剤およびアルカリ電解液を混合した後、減圧下に攪拌して脱気し、次に気体を吹き込みながら攪拌を行って気体の含有率を調節するか、あるいは必要によりさらにこれを減圧下で攪拌して気体の含有率を調節することを特徴とし、かかる製造方法により該気体含有率を体積率で1〜20%の範囲とすることによつて、放電容量を低下させることなく負極の流動性を改善し、生産上を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は無汞化亜鉛合金粉末を負極金属作用物質として用いる亜鉛アルカリ電池およびそのゲル状亜鉛負極の製造方法に関する。
環境問題に配慮し、電池から有害金属元素を排除する試みが行われてきたが、水銀を排除した場合には負極作用物質である亜鉛粉末の流動性が低下し、電池製造の際の負極の充填作業性が悪くなるという弊害が生じており、これを改良するために種々の試みがなされている。例えば、無汞化亜鉛粉末の嵩密度と電解液比率とをそれぞれ特定範囲のものとした無汞化空気亜鉛電池が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−162869号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、解決しようとする問題点は、無水銀且つ鉛無添加の亜鉛アルカリ電池において、ゲル状亜鉛負極の流動性を改善することであり、それにより、電池製造の際の生産性を向上させ、かつ負極性能を改善することである。
前記課題を解決するために本発明は、少なくとも負極金属作用物質としての無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末と、アルカリ電解液と、アルカリ電解液の粘性を増加させる増粘剤とからなる亜鉛アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の製造方法において、上記亜鉛合金粉末、増粘剤およびアルカリ電解液を混合した後、減圧下に攪拌して脱気し、次に気体を吹き込みながら攪拌を行って気体の含有率を調節するか、あるいは必要によりさらにこれを減圧下で攪拌して気体の含有率を調節することを特徴とする。このようにすることによって、負極の流動性が改善されて生産性が向上し、かつ負極性能も改善することができる。
また、本発明は上記により製造したゲル状亜鉛負極を有する亜鉛アルカリ電池に関する。
また、本発明は上記により製造したゲル状亜鉛負極を有する亜鉛アルカリ電池に関する。
上記において、ゲル状亜鉛負極中の気体の体積比率とは、以下の算出方法により求めた値である。すなわち、負極の各構成材料の配合質量と密度から各材料の体積が算出され、それらを加算すると理論体積が求められる。次ぎに、実際に調製した負極の密度測定結果と配合質量から実際の体積を求める。この実際の体積値と前出の理論体積値との差が気体の体積値なので、これを実際の体積で割れば負極中の気体の体積比率が求められる。
ゲル状亜鉛負極中の気体の体積比率は1〜20%が好ましい。なお、従来のゲル状亜鉛負極では、気体含有率は0.3%〜0.5%程度であった。また、吹き込む気体は空気または不活性気体が使用可能である。
また、本発明においては、亜鉛合金粉末として以下のものを使用することが好ましい。すなわち、無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末10gをKOH33wt%水溶液10g中に浸漬して60℃雰囲気に置いた場合の、24時間〜72時間後のガス発生速度が90(μl/g・day)以下である亜鉛合金粉末が好ましい。かかる亜鉛合金粉末を使用することにより、電池使用前の水素ガス発生が低減し、実用上膨れや漏液の問題が解消される。これはボタン形アルカリ電池の場合に特によい。上記のガス発生速度は30(μl/g・day)以下の場合さらに望ましい。
また、負極中に酸化インジウム,水酸化インジウム、酸化ビスマスから選択される少なくとも1種類を亜鉛合金粉末の質量に対して100〜1000ppm添加することにより、電池が使用されて一時休止状態になった場合の水素ガス発生を抑制し、実用上膨れや漏液の問題の無い亜鉛アルカリ電池とすることができる。
本発明によれば無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末を有する負極でありながら、その流動性が改善され、電池製造の際の充填作業性が良好となる。さらに電池内部での水素ガス発生を長期間にわたり抑制して電池膨れや漏液などを防ぎ、安全で環境にやさしい高性能な亜鉛アルカリ電池を提供することができる。
以下、本発明のゲル状亜鉛負極の製造方法および該ゲル状亜鉛負極を装填した無水銀且つ鉛無添加の亜鉛アルカリ電池の最良の実施形態について説明する。
(実施例1)
図1は本実施例の亜鉛アルカリ電池の断面図である。図中、1は正極容器、2は正極容器の底部に設けられた空気孔、3は空気拡散紙、4は撥水膜、5は正極集電体、6は正極触媒層、7はセパレータ、8は撥水層、10はゲル状亜鉛負極、11は負極容器、12は絶縁性ガスケットである。
(実施例1)
図1は本実施例の亜鉛アルカリ電池の断面図である。図中、1は正極容器、2は正極容器の底部に設けられた空気孔、3は空気拡散紙、4は撥水膜、5は正極集電体、6は正極触媒層、7はセパレータ、8は撥水層、10はゲル状亜鉛負極、11は負極容器、12は絶縁性ガスケットである。
次に本実施例におけるゲル状亜鉛負極の製造方法を説明する。
電解液の増粘作用を持つゲル化剤としてのポリアクリル酸の微粉末9.0重量部に無機インヒビターとしての酸化インジウム(In2O3)1.0重量部を均一になるまで混合・攪拌した。次いで、Biを127ppm、Inを503ppm、Alを33ppm含有する無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末200重量部と、前記ポリアクリル酸と酸化インジウムとの混合物1.0重量部とを混合・攪拌し、亜鉛粉末混合物を作成した。
電解液の増粘作用を持つゲル化剤としてのポリアクリル酸の微粉末9.0重量部に無機インヒビターとしての酸化インジウム(In2O3)1.0重量部を均一になるまで混合・攪拌した。次いで、Biを127ppm、Inを503ppm、Alを33ppm含有する無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末200重量部と、前記ポリアクリル酸と酸化インジウムとの混合物1.0重量部とを混合・攪拌し、亜鉛粉末混合物を作成した。
次に、ガラス製のセパラブルフラスコに、この作成した亜鉛粉末混合物と、酸化亜鉛(ZnO)1%を添加した水酸化カリウム(KOH)30%水溶液からなるアルカリ電解液52重量部とを入れ、均一になるように混合した後、真空度−1.013×105Paに保ちながら攪拌羽にて2時間攪拌を行い、ゲル状亜鉛負極の脱気をした。次にガラス製のセパラブルフラスコ内を大気圧に戻した後、ドライエアを吹き込みながら攪拌羽にて攪拌を行い、ゲル状亜鉛負極が体積率で1.6%の気体含有率になるようサンプリングしながら調整した。なおこの場合、ドライエアを吹き込みながら攪拌する工程である程度の気体含有率とした後、再度減圧下で攪拌して所定の気体含有率に調整してもよい。
また、上記亜鉛合金粉末は、平均粒径205μmで粒径75μm〜300μmの粒子が85重量%以上を占める粒度分布を有し、該亜鉛合金粉末10gをKOH33wt%水溶液10g中に浸漬して60℃雰囲気に置いた場合の24時間後〜72時間後の間のガス発生速度が 87.5(μl/g・day)の粉末である。
こうして得られたゲル状亜鉛負極を、負極容器11に充填する。この負極容器は錫無電解置換めっきを施した集電体も兼ねる負極容器で、予めシール剤を塗布して絶縁性封口ガスケット12と一体化したものである。充填後、空気極が収められた正極缶と一体化して勘合し、図1に示すPR44形電池を作製した。
(実施例2)
減圧下の混合・攪拌およびドライエアの吹き込みを実施例1と同様に行い、サンプリングしながら気体含有率を10.2%に調整した。それ以外は、実施例1と同様にして気体含有率10.2%のゲル状亜鉛負極を製造し、これを負極容器11に充填して図1に示すPR44形電池を作製した。
減圧下の混合・攪拌およびドライエアの吹き込みを実施例1と同様に行い、サンプリングしながら気体含有率を10.2%に調整した。それ以外は、実施例1と同様にして気体含有率10.2%のゲル状亜鉛負極を製造し、これを負極容器11に充填して図1に示すPR44形電池を作製した。
(実施例3)
実施例1および2と同様にしてドライエアを吹き込んだ後、再度減圧下で混合・攪拌してサンプリングしながら気体含有率を調整し、18.8%のゲル状亜鉛負極を製造した。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
実施例1および2と同様にしてドライエアを吹き込んだ後、再度減圧下で混合・攪拌してサンプリングしながら気体含有率を調整し、18.8%のゲル状亜鉛負極を製造した。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
(比較例1)
上記各実施例と同様にして、気体含有率0.5%のゲル状亜鉛負極を製造した。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
上記各実施例と同様にして、気体含有率0.5%のゲル状亜鉛負極を製造した。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
(比較例2)
上記各実施例と同様にして、気体含有率22.1%のゲル状の亜鉛負極とした。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
上記各実施例と同様にして、気体含有率22.1%のゲル状の亜鉛負極とした。それ以外は実施例1と同様にして図1に示すPR44形電池を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜2の各PR44形空気亜鉛電池について、生産設備使用による約2000個の電池作製時の負極重量不良発生率,放電特性(250Ω定抵抗放電・1.0Vまでの放電容量、n=20の平均値)、および45℃93%RHに60日貯蔵後の漏液数の調査(n=50)を行った。その結果を下記表1に示す。
上記表1より本実施例のように、負極体積中の気体の体積比率が約1〜20%の範囲内であれば充填作業での不良発生率が少なく、諸特性も良好な電池とすることができることがわかる。充填作業での不良発生率が少ないのは、負極中に適度な気体を均一混合させることにより亜鉛粉末間の摩擦抵抗を低減させると同時に器壁との摩擦抵抗も軽減され、充填時に摩擦が少なく速やかに負極が流動するためであると考えられる。
一方、負極中の気体の体積比率が少ない比較例1では、他の例よりも明らかに不良率が高くなり、負極の流動性が悪くなることの弊害が現れていると考えられる。
一方、負極中の気体の体積比率が少ない比較例1では、他の例よりも明らかに不良率が高くなり、負極の流動性が悪くなることの弊害が現れていると考えられる。
また、逆に気体の体積比率が多くなり過ぎると密度が低下し、限定された体積内に所定の質量を充填することが不可能になってしまい、充填量を減少せざるを得なくなる。比較例2では所定量が充填出来ず、実際に約4%の負極質量減となってしまったため、放電容量が減少している。
なお、上記各実施例で負極中に混合された気体は空気であるが、気体の種類は諸特性に悪影響が無い限り特に限定されるものではなく、例えば窒素等の不活性気体でも構わない。
なお、上記各実施例で負極中に混合された気体は空気であるが、気体の種類は諸特性に悪影響が無い限り特に限定されるものではなく、例えば窒素等の不活性気体でも構わない。
1…正極容器、2…空気孔、3…空気拡散紙、4…撥水膜、5…正極集電体、6…正極触媒層、7…セパレータ、8…撥水層、9…正極組立体、10…ゲル状亜鉛負極、11…負極容器、12…絶縁性封口ガスケット、13…シールテープ。
Claims (4)
- 少なくとも負極金属作用物質としての無水銀且つ鉛無添加の亜鉛合金粉末と、アルカリ電解液と、アルカリ電解液の粘性を増加させる増粘剤とからなる亜鉛アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の製造方法において、上記亜鉛合金粉末、増粘剤およびアルカリ電解液を混合した後、減圧下に攪拌して脱気し、次に気体を吹き込みながら攪拌を行って気体の含有率を調節するか、あるいは必要によりさらにこれを減圧下で攪拌して気体の含有率を調節することを特徴とする前記ゲル状亜鉛負極の製造方法。
- 気体の含有率が体積率で1〜20%である請求項1記載のゲル状亜鉛負極の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法により製造されたゲル状亜鉛負極を有する亜鉛アルカリ電池。
- 気体の含有率が体積率で1〜20%である請求項3記載の亜鉛アルカリ電池。
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JP2006305327A JP2008123790A (ja) | 2006-11-10 | 2006-11-10 | 亜鉛アルカリ電池およびそのゲル状亜鉛負極の製造方法 |
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CN105514348A (zh) * | 2016-01-18 | 2016-04-20 | 方倩 | 一种锌空气电池用锌电极的制备方法 |
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2006
- 2006-11-10 JP JP2006305327A patent/JP2008123790A/ja active Pending
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