JP2008123362A - 特許の経済価値を評価するためのシステム、方法及びプログラム - Google Patents

特許の経済価値を評価するためのシステム、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】個別の特許及び特許群全体に対して、定性的にも定量的にも信頼性の高い評価を可能とする手段を提供する。
【解決手段】複数の特許の経済的価値を評価する指標を流動的要素と固定的要素との2つに分類し、数値化して、評価するシステム乃至方法であって、解析対象である特許群の各特許毎に、各要素の評価点数を計算し、それら各要素を2本の軸にとった仮想座標平面上で、各特許を、2つの要素の各評価点数に相当する座標に対応づけ、各軸を、数値の大小に応じて少なくとも2以上の区分に分けるとともに、上記仮想座標平面を、それら第1、第2軸の各区分によって規定される複数の解析領域に分割し、任意の一の解析領域に属する特許のうち、収入の実績があるものを選び出し、一の解析領域から選び出された特許の収入実績の平均値を計算し、この平均値を、当該一の解析領域に属する特許の個数で乗じて、この解析領域全体からの収益期待値を計算する。
【選択図】図1

Description

この発明は、特許の経済価値を評価するためのシステム、方法及びプログラムに関する。
オックスフォード大学教授のロバート・ピットスケリーは、特許の価値評価のための既知の方法として、次のものを紹介している(特許文献3に掲げる非特許文献1)。
(1)コスト基準法 出願費用・研究開発費・特許対価などの特許取得費を考慮する。
(2)市場取引基準法 類似特許の例を参考に特許の売買金額やライセンス料を決定する。
(3)計画的キャッシュフロー法 特許を利用する製品から得られる事業全体のキャッシュフロー(利益)を推定し、利益獲得への特許の貢献率で利益額を按分する。この方法に関連して、利益を一定率で割り引き(ディスカウント)する現在の利益とするDCF法、出願後の各段階のリスクを考慮する改良型DCF法、その各段階の選択肢を決定木に展開し、各肢毎にDCF法を用いる決定木分析法、決定木の分岐を2つとし、隣同士の分岐点からの枝が結合して次の分岐点に入る二項モデル基準法がある。
(4)ブラックショールズ法 金融オプションの価格決定モデルのブラック・ショールズ式を利用している。
これらの手法は、基本的には株券などの金融商品の評価方法を特許に援用しただけに過ぎず、その評価は、取得コストを除くと、短期間での収益率や利益の期待値など相対的なものが主である。他方、特許権には、権利客体たる技術的思想としての重要度など絶対的な価値が存在する。
これに対して、特許の技術的側面を含めた評価方法も提案されている。
個々の特許の評価方法として、例えば特許明細書の内容から学術研究用語を抽出して学術研究用語情報とし、これを、学術論文等からなる学術研究関連情報を用いて分析し、出願内容の注目度を予測する方法がある(特許文献1)。学術的注目度以外の要素を含む技術の総合的評価として、特許庁のHPでは次の表1の評価指標を提案している(非特許文献2)。こうした評価指標の用い方として、事業化力、技術力(発明の技術的性格、代替技術との技術的優位性、発明の実証度合い)、権利力、社会適合力、総合力を並列的に配列し、段階評価や点数で格付けする方法がある(特許文献2)。
Figure 2008123362
更に多数の特許群の評価方法として、また特許発明の先願性をグラフの縦軸に、占有率を横軸にとってグラフ上の各区分に属する特許の数をカウントする方法がある(特許文献3)。
特開2004−310722号 特開2005−174313号 特開2003−281358号 Pitkethy,R.H.(1999),"The Valuation of Patents; A review of patent valuation methods with consideration of option based methods and the potential for further research", WP05/99, OIPRC Electronic Journal of Intellectual Property Rights 特許庁HP>広報の広場>「特許評価指標(技術移転版)」について 特許庁編 平成12年12月
個々の特許の経済的価値を評価する際に、特許文献1の方法は、学術的注目度という一つの指標で評価するもの、非特許文献2は、複数の指標を個別的に評価するもの、特許文献2は、技術力を含む複数の評価項目を並列的に格付けするものに過ぎず、特許全体に対する良質な総合的評価を得ることが難しい。特許文献3の方法は、2つの項目をグラフの縦軸と横軸に割り当ててグラフ上の各部分に配分するので、2つの項目間の優劣の傾向を理解し易いが、2項目毎に評価するのは面倒であり、さりとて3つ以上の軸を用いるのは分析結果を視覚的に理解しにくい。
また個々の特許の経済性評価とは別に、多数の特許を保有する企業では、それらの特許群の価値を評価できるようにすることが望ましい。例えば年金の納付の是非を判断する際に、保有特許には価値の低いものが多いのでこれらを処分しようという方針をたてたとしても、どれだけの特許を処分すれば、保有する特許の平均的価値がどれだけになるのかが客観的に判らないと、木を見て森を見ずという様子となり、過剰に特許を放棄したり、或いはその逆となる可能性がある。しかし、前述の各文献ではこうした要請に十分に応えることができない。
そこで本発明は、複数の特許の経済性の指標を、技術的側面を含む固定的(絶対的)要素と、経済環境に左右される流動的(相対的)要素とに分けて、各要素毎に個別評価をしたうえで二次元空間に反映させ、更にクラスター分析を用いることで、個別の特許及び特許群全体に対して、定性的にも定量的にも信頼性の高い評価を可能とするシステム、方法、或いはプログラムとを提案することを目的とする。
第1の手段は、特許の経済価値の評価システムであり、
複数の特許の経済的価値を評価する指標を、経済環境に左右される流動的要素と、権利客体自体或いは権利の成立前後の手続又は処理に依存する固定的要素との2つに分類し、
それぞれの指標を数値化して評価するように設けた特許の経済価値の評価システムであって、
少なくとも入力部2と、記憶部4と、演算処理部6と、画面表示部8と出力部10とを含み、
記憶部4は、少なくとも各特許の評価指標及び収益実績に関するデータを記憶する機能を有し、
更に演算処理部6は、
入力部2から入力された情報に基づいて、少なくとも各特許の流動的要素及び固定的要素の評価点数を計算する機能と、
上記流動的要素を第1軸に、また固定的要素を第2軸にとった仮想座標平面を生成するとともに、この仮想座標平面を複数の解析領域に分割する機能と、
上記仮想座標平面上で、各特許を、その流動的要素及び固定的要素の各評価点数に相当する座標に対応づける機能と、
上記画面表示部に対して仮想座標平面上に各特許の評価点をプロットした画像の情報を出力する機能と、
各解析領域に属する特許のうち収入実績のあるものを抽出して、その収入実績の平均値を決定する機能と、
その平均値に当該解析領域に属する特許の個数を乗じて、この解析領域全体の収益期待値を計算する機能と、
全ての解析領域の収益期待値を合計して出力する機能とを有している。
本手段は、個々の特許を多角的に評価することと、多数の特許のグループの価値を評価することとを目的としている。前者のために、評価指標を流動的要素と固定的要素とに分け、各要素を軸とする仮想座標平面の上に、特許を表す評価点を展開している。後者のために、その座標平面を複数の解析領域部分に分けて、各解析領域部分に属する特許のサンプルから平均的な収入実績の平均値を求め、これから当該解析領域に属する全ての特許の価値を推定し、この推定額の総計を計算している。
「特許」とは、本願特許請求の範囲の解釈上において、実用新案登録を含むものとする。尚、必要により、特許法により付与された特許権を狭義の特許と呼び、実用新案登録と区別するものとする。また出願中の権利状態(特許を受ける権利・実用新案登録を受ける権利)については、ライセンス料や実施収益が見込める案件の数が少ないという問題があるが、理論的にはこれを包含することが可能である。
「流動的要素」とは、社会環境に応じて不確定的に変化していく要素であり、これに対して、「固定的要素」とは、権利に固有の要素であって、権利客体そのもの、或いは権利の形成・存続段階の手続や処理に依存する要素である。前者の例として、実施の活用状況や実施予定、或いは事情面での貢献度などがある。どの程度の実施を見込めるのかは社会の需要次第であるからである。後者の例として、権利としての技術支配力(権利化状況・存続期間・発明の技術的性格)や技術としての完成度などがある。具体的には、次の表2に掲げる如くである。尚、固定的要素は不変的要素をいうのではない。例えば権利の残存期間は減少していくが、確定的に減っていくので固定的要素に分類する。また、技術の完成度は、実施可能なアイディアという程度から、法的規制(建築基準法など)などもクリアした実証レベル、実施済という如くレベルアップしていくが、逆にレベルダウンすることはまずないので、固定的要素と扱う。権利固有の属性であって、ある程度の予測可能性のある評価指数は固定的要素としてよい。
Figure 2008123362
評価指標は、最初から数値であってそのまま用いる場合を除いて、適当な換算テーブルを利用して数値化される。その際には、流動的要素又は固定的要素毎に、数値が大きくなる(或いは小さくなる)程に経済性が大となるように調整する。
「仮想座標平面」とは、2軸により座標を特定することができる平面である。「仮想」というのは、現実のグラフなどを用いる必要がないということである。仮想座標平面の各軸−流動的要素の軸及び固定的要素の軸−に割り当てられる評価指数は、後述の如くそれぞれ2以上とすることが望ましいが、一つずつでも良い。この座標平面は、複数の解析領域に分割される。
「解析領域」とは、クラスター分析を行うための範囲であって、各特許の評価点が分散する仮想座標平面のエリアを複数のエリア部分に分割したときの各部分をいう。好ましくは各軸に平行な1又は2以上の線(通常は直線)によって複数の解析領域に区分される。例えば流動的要素の軸及び固定的要素の各軸を、それぞれ評価が高い・低いで2分割した場合、(流動的評価、固定的評価)=(高、高)、(高、低)、(低、高)、(低、低)の4つの集団(クラスター)ができる。表2のような指標で評価した場合、一般的に(高、高)のクラスターは、権利が有用でかつ良く活用されているもの、(低、低)は有用ではなく、これからの活用も期待できないものである。(高、低)のクラスターは、活用はされているが、存続期間が短いなど様々な理由で今後の大幅な利潤を期待し難い。(低、高)のクラスターは、権利として有用であるが、いまだ十分に活用されていないものである。
「収入実績」とは、特許のライセンス料(実施料)や実施収益、売買対価などをいう。もっとも企業が自社保有の特許群の解析を行うときには、権利の移動を伴わないライセンス料及び自己の実施収益を用いることが望ましい。またこれら二者のうち自己の実施収益は収益のうち特許の寄与率の次第で収入実績が変わってしまうので、利益額が明快なライセンス料を用いると良い。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
流動的要素及び固定的要素として、それぞれ種類の異なる2以上の指標を用いて、それぞれの評価点を要素ごとに合算して評価することを特徴としている。
本手段では、流動的要素及び固定的要素として、それぞれ種類の異なる2以上の指標を用いることで評価の信頼度を高めるようにしている。評価の指数は、存続期間のように客観的に決定することができるものもあるが、評価者の主観の強い要素もあり、一種類の指標のみで判断すると、信頼性にかける可能性がある。そこで複数の要素を加点するようにしている。
第3の手段は、第1の手段を有し、かつ上記流動的要素の一つとして、現実の実施の実績を採用している。
本手段では、流動的要素の優先順位として実施の実績を一番に挙げている。現在確実に利益をあげていることを重視するからである。
第4の手段は、第2の手段を有し、かつ上記固定的要素の一つとして、実施化に向けての技術の完成度を採用したことを特徴としている。
本手段では、固定的要素の優先順位として技術の完成度を一番に挙げている。客観的に評価し易い項目であり、かつ実施につながり易いからである。
第5の手段は、特許の経済価値評価方法であり、
複数の特許の経済的価値を評価する指標を、経済環境に左右される流動的要素と、権利客体自体或いは権利の成立前後の手続又は処理に依存する固定的要素との2つに分類し、
それぞれの指標を数値化して、評価する特許の経済価値評価方法であって、
解析対象である特許群の各特許毎に、流動的要素の評価点数、及び固定的要素の評価点数をそれぞれ計算する過程と、
上述の流動的要素を第1軸に、固定的要素を第2軸にとった仮想座標平面上で、各特許を、その流動的要素及び固定的要素の各評価点数に相当する座標に対応づける過程と、
上記第1軸及び第2軸を、数値の大小に応じて少なくとも2以上の区分に分けるとともに、上記仮想座標平面を、それら第1、第2軸の各区分によって規定される複数の解析領域に分割しておき、任意の一の解析領域に属する特許のうち、収入の実績があるものを選び出す過程と、
当該一の解析領域から選び出された特許の収入実績の平均値を計算する過程と、
その平均値を、当該一の解析領域に属する特許の個数で乗じて、この解析領域全体からの収益期待値を計算する過程とを含む。
本手段は、特許の経済価値の評価方法であり、第1の手段と同じ内容のことを方法の発明として表現し直したものである。従って第1の手段の説明は本手段の発明に援用することができる。評価点数の計算するときには、後述の評価テーブルを利用すると良い。
第6の手段は、第1の手段の方法を実施するためのプログラムであって、
コンピュータを、前記各過程を実行するための手段として機能させることを特徴としている。
第1の手段、第5の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○評価指標を固定的要素と流動的要素とに分けたから、各特許の評価のうちの両要素の割合を直感的に認識することができ、個々の特許に対して信頼度の高い分析が可能となる。
○仮想座標平面上の各解析領域部分毎に実施料のサンプルをとり、その平均値に算出して、各解析領域部分に属する全ての特許の価値を小計し、更に解析対象である特許群全体の価値を総計することができるから、特許群全体の評価を合理的かつ迅速に行うことができる。
○各指標を数値化するから、個別特許及び特許群全体に対して定量的な分析が可能となる。
○固定性・流動性という対立概念のどちらが優るかで評価指標を分けたから、どのような評価指標も採用することができ、汎用性が高い。
第2の手段に係る発明によれば、各要素毎に、複数の指標の評価を総合するから、一つの指標の特異性を薄めて信頼性のある評価が得られる。
第3の手段に係る発明によれば、上記流動的要素の一つとして、現実の実施の実績を採用したから、経済的価値の面で信頼性の高い評価が得られる。
第4の手段に係る発明によれば、上記固定的要素の一つとして、実施化に向けての技術の完成度を採用したから、実施の可能性の高い技術を高く評価することができる。
第1の手段又は第6の手段に係る発明によれば、本発明の手法を実施するためのシステム又はプログラムとして構成したから、技術移転を通常の業務とする者であれば、各方面の専門家のアドバイスを得なくても一人で的確な評価をすることができる。
図1から図3は、本発明に係る特許の経済価値を評価する方法及びこの方法を実施するためのシステムの説明図である。説明の都合上、まずシステムから説明する。
このシステムは、図1に示す如く入力部2と、記憶部4と、演算処理部6と、画面表示部8と、出力部10とで構成されている。このシステム全体は、コンピュータ及びその出入力手段として構成することができる。
入力部2は、評価のためのデータや指令の入力に用いられる。
記憶部4は、評価に用いる数式や画像情報など最初から書き込まれた基本情報と、入力部2を介して入力された分析用の各種データとを記憶する。分析用のデータとしては、各特許の評価指標及び収益実績に関する情報と、特許の発生年月日、出願年月日、請求項の数などの書記的事項とを含める。特許請求の範囲を含む出願書類の内容も取り出せるようにしておくと良い。記憶部は、データバンクとして、収入実績のある特許とそうでない特許、狭義の特許と実用新案登録、設定登録を経た権利と出願中の権利などを区別して抽出する機能を有する。
演算処理部6は、システム全体を統括するものである。演算処理部の機能のうち、方法・手順に関する事項は、後述の評価方法とともに解説するものとし、ここでは物としての側面を中心に当該機能を簡単に説明する。
演算処理部の基本的な機能は、各特許の流動的要素の評価点数を計算することと、流動的要素を第1軸にかつ固定的要素を第2軸に設定した仮想座標平面を形成してこの平面を適当な解析領域に分割することと、各解析領域を単位として特許全体の経済的価値に関してクラスター分析を行うことである。具体的な内容については、方法の発明の説明と併せて解説する。尚、分析の度に全てのデータを打ち込むとすると手間がかかるので、権利の発生時又は分析時に入力したデータを記憶部に保存し、分析のたびに変更したデータのみを更新することができるように設けると良い。また特許の残存期間は、記憶部に記録された出願日から自動計算することができるようにすると良い。又分割個数は適宜変更できるように設けると良い。
画像表示部8は、演算処理部で形成される画像データに従って画像を表示する。
出力部10は、プリンターなどで形成することができる。また画像表示部と出力部とを兼用することもできる。
次にこのシステムを用いた評価の方法について段階を追って説明する。
(1)流動的要素及び固定的要素を計算する過程
次の表3に固定的要素に係る指標(P1〜P4)及び流動的要素に係る指標(E1〜E3)についての換算テーブルを示している。何れの指標でも点数が高いものほど有用性が高いことを前提としている。権利化状況において無効審判・異議申立ありとは無効審判や異議申立てを経て権利が生き残っているという意味である。異議などを経たものが経ていないものより点数が高いのは、より厳格な審理を経ており、権利の信頼性が高いからである。この表は、狭義の特許のみを対象としているが、更に実用新案登録を対象とする場合、無審査で権利になったものを、審査を経て権利になったものと区別して更に低い点数(例えば1点)を割り当てることも可能である。
Figure 2008123362
この表に従って、各特許に関して流動的要素の指数を計算して、適当な加算式、例えば数式1に代入して評価点を求める。同式中15で割ったのは、E1〜E3の全てに最高点をとったときに丁度100点となるようにするためである。同様に固定的要素の指数を計算して、数式2に代入して評価点を求める。尚、各式中のE1〜E3、P1〜P4にそれぞれ重み係数をつけても良い。
[数式1]評価点={(E1+E2+E3)/15}×100
[数式2]評価点={(P1+P2+P3+P4)/20}×100
(2)仮想座標平面を生成するとともに分割する過程
次に図2に示す如く縦軸に流動的要素を、かつ横軸に固定的要素をそれぞれとった仮想座標平面を生成する。図形の作成には一般的な図面作成ソフト(CAD)を使用すれば足りる。図示例では、表3の配点の関係とで座標表面のうち第1象限だけの図形となっているが、これに限るものでないことはいうまでもない。
次にこの仮想座標平面を複数の解析領域に分割する。図示例では、縦軸の上に、20〜60と60〜100の2つの区分をとり、また横軸の上に30〜60と60〜100との二つの区分をとり、それぞれの区分に対応する4つの領域A、B、C、Dに分けている。この図示例では、流動的要素の軸で20を、固定的要素の軸では30を、それぞれ解析領域の最低点ラインとしている。これは、各要素の全ての指標に関して表3の最低点をとったときの点数である。
(3)仮想座標平面上で、各特許の評価点を対応付けて、出力する過程
ここで上記座標平面の各解析領域において、各特許の評価点を、その流動的要素及び固定的要素に対応する座標に対応付ける(プロットする)。そしてこのプロットを含む座標平面の図形を画面表示部8に出力し、その画像を観察することで、分析対象である特許群のおおよその傾向を把握することができる。
図3は、座標平面に特許の評価点をプロットした図形の一事例である。特許の評価点は離散的な数であるため、単にプロットすると点が重なり合って評価点の分布状況がよく分からない。そこで図示例では各座標点上に分配する特許の個数とこの個数に比例した半径の円を表示している。
前述の通り、領域Aに属する特許のクラスターは、有用な権利であって十分活用されており、領域Bのそれは有用であるが十分活用されておらず、領域Cのそれは活用はされているが、将来的な期待度は低い。領域Dのそれは有用ではなくかつ活用されていないものである。
(4)各解析領域毎に収入実績の平均値を決定し、各領域の特許の利益期待値を計算し、総計する過程
まず各解析領域AからD毎に、各領域に属する特許のうち収入実績、特に実施料収入のあるものを抽出して、その実施料収入の平均値(I,I,I, I)を算出する。
その平均値に当該解析領域に属する特許の個数(n, n, n, n)を乗じて、この解析領域全体の収益期待値を計算する。この作業を各領域ごとに繰り返し、最終的に全ての解析領域の収益期待値を合計して出力する。即ち、[収益期待値の合計]=I×n+ I×n+I×n+I×nとなる。
この収益期待値を特許群全体の経済的価値と考える。このシステムの用い方であるが、例えば年金納付をするか否かを決めるときに、一応年金納付を維持するか否か判断した後に、保有特許のうち権利放棄分を除いたものについて、このシステムで経済的価値を試算し、その金額が所望の値より低いときには更に権利放棄の候補を探すという使い方ができる。
尚、上記の評価方法を実行するためのプログラムとして、コンピュータを、上記各過程を実行する手段として機能させることもできる。
図4は、各解析領域を更に小領域(図では4つに)分割した例である。特に領域Aは実施料収入が大きいため、特許の数が多いときには再分割して解析することでより的確な分析をすることができる。即ち、領域AをA1、A2、A3、A4に分割したときには、[領域Aの収益期待値]=Ia1×Na1+Ia2×Na2+Ia3×Na3+Ia4×na4である。
本発明に係る特許の経済価値の評価システムの構成図である。 本発明に係る特許の経済価値の評価方法の一段階の説明図である。 本発明に係る特許の経済価値の評価方法の他の一段階の説明図である。 本発明に係る特許の経済価値の評価方法の実施例の説明図である。
符号の説明
2…入力部 4…記憶部 6…演算処理部 8…画面表示部 10…出力部

Claims (6)

  1. 複数の特許の経済的価値を評価する指標を、経済環境に左右される流動的要素と、権利客体自体或いは権利の成立前後の手続又は処理に依存する固定的要素との2つに分類し、
    それぞれの指標を数値化して評価するように設けた特許の経済価値の評価システムであって、
    少なくとも入力部2と、記憶部4と、演算処理部6と、画面表示部8と、出力部10とを含み、
    記憶部4は、少なくとも各特許の評価指標及び収益実績に関するデータを記憶する機能を有し、
    更に演算処理部6は、
    入力部2から入力された情報に基づいて、少なくとも各特許の流動的要素及び固定的要素の評価点数を計算する機能と、
    上記流動的要素を第1軸に、また固定的要素を第2軸にとった仮想座標平面を生成するとともに、この仮想座標平面を複数の解析領域に分割する機能と、
    上記仮想座標平面上で、各特許を、その流動的要素及び固定的要素の各評価点数に相当する座標に対応づける機能と、
    上記画面表示部に対して仮想座標平面上に各特許の評価点をプロットした画像の情報を出力する機能と、
    各解析領域に属する特許のうち収入実績のあるものを抽出して、その収入実績の平均値を決定する機能と、
    その平均値に当該解析領域に属する特許の個数を乗じて、この解析領域全体の収益期待値を計算する機能と、
    全ての解析領域の収益期待値を合計して出力する機能とを有することを特徴とする、特許の経済価値の評価システム。
  2. 流動的要素及び固定的要素として、それぞれ種類の異なる2以上の指標を用いて、それぞれの評価点を要素ごとに合算して評価することを特徴とする、請求項1記載の特許の経済価値の評価システム。
  3. 上記流動的要素の一つとして、現実の実施の実績を採用したことを特徴とする、請求項1記載の特許の経済価値の評価システム。
  4. 上記固定的要素の一つとして、実施化に向けての技術の完成度を採用したことを特徴とする、請求項1記載の特許の経済価値の評価システム。
  5. 複数の特許の経済的価値を評価する指標を、経済環境に左右される流動的要素と、権利客体自体或いは権利の成立前後の手続又は処理に依存する固定的要素との2つに分類し、
    それぞれの指標を数値化して、評価する特許の経済価値評価方法であって、
    解析対象である特許群の各特許毎に、流動的要素の評価点数、及び固定的要素の評価点数をそれぞれ計算する過程と、
    上述の流動的要素を第1軸に、固定的要素を第2軸にとった仮想座標平面上で、各特許を、その流動的要素及び固定的要素の各評価点数に相当する座標に対応づける過程と、
    上記第1軸及び第2軸を、数値の大小に応じて少なくとも2以上の区分に分けるとともに、上記仮想座標平面を、それら第1、第2軸の各区分によって規定される複数の解析領域に分割する過程と、
    任意の一の解析領域に属する特許のうち、収入の実績があるものを選び出す過程と、
    当該一の解析領域から選び出された特許の収入実績の平均値を計算する過程と、
    その平均値を、当該一の解析領域に属する特許の個数で乗じて、この解析領域全体からの収益期待値を計算する過程とを含む、特許の経済価値評価方法。
  6. 請求項5に記載の方法を実施するためのプログラムであって、
    コンピュータを、前記各過程を実行するための手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
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