JP2008122790A - 偏光板の製造方法、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

偏光板の製造方法、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚さが異なる透明保護フィルムを偏光子の両面に貼り合わせて偏光板を製造する方法であって、カールを抑えることができる偏光板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 偏光子の片面に透明保護フィルム(A)、もう一方の片面に透明保護フィルム(B)をそれぞれ接着剤により貼り合せる偏光板の製造方法であって、偏光子は水分率が15〜30重量%であり、透明保護フィルム(A)および透明保護フィルム(B)は同質材料であって、透明保護フィルム(A)の厚さは透明保護フィルム(B)の厚さよりも厚く、かつ、透明保護フィルム(A)の水分率は透明保護フィルム(B)の水分率よりも大きい、ことを特徴とする偏光板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板の製造方法に関する。また本発明は当該製造方法により得られた偏光板に関する。当該偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(以下、LCDと略す)、エレクトロミネッセンス表示装置(以下、ELDと略す)等のフラットパネルディスプレー、PDP等の画像表示装置を形成しうる。
フラットパネルディスプレー用偏光板、特にLCDに使用されている偏光板は、一般に、主にポリビニルアルコール系フィルムを原材料としている。また、偏光板は、LCDとして十分な光学特性を得るため、ヨウ素等の二色性材料を含有したポリビニルアルコール系フィルムを延伸し、これに透明保護フィルムを貼り合せて作製したものが好ましく用いられている。前記ポリビニルアルコール系偏光子は延伸により作製されるため、収縮し易い。またポリビニルアルコール系フィルムは親水性ポリマーを使用していることから、特に加湿条件下においては非常に変形し易い。またポリビニルアルコール系フィルムはフィルム自体の機械的強度が弱いため、フィルムが裂けたりする問題がある。そのため、偏光子の両面または片面には透明保護フィルムを貼り合わせて、強度を補った偏光板が用いられている。前記偏光板は、偏光子と透明保護フィルムを接着剤により貼り合わせることにより製造されている。トリアセチルセルロースとポリビニルアルコール系偏光子との接着には、主に水溶液である、ポリビニルアルコール系接着剤が用いられている。
一般的な偏光板の製造方法では、偏光子の両面に、物性、厚さ等の特性が等しい透明保護フィルムを貼り合わせている。この態様では、偏光子を中心に略線対称に透明保護フィルムが配置されているので、偏光子に収縮が生じたとしても、何れかの方向にカールが生じることはない。一方、近年では、偏光子の両面に貼り合わせる透明保護フィルムとして、物性や厚さが異なるものを用いる構成の偏光板が増えている。この場合、偏光子の両側の透明保護フィルムの物性や厚さが異なる場合には、偏光子の両側が非対称になるため、偏光板の製造工程において、片側にカールする不具合がある。特に、偏光子の両面に同時に非対称の透明保護フィルムを貼り合せて偏光板を製造する場合にはカールが生じる。カールした偏光板は、これを液晶セルに貼り合せる際に、気泡を噛み込むなどの問題がある。LCDの機能向上、輝度向上、サイズの拡大に伴って、それに用いられている偏光板にもハンドリングの要求が高くなっており、偏光板においてもカールを抑制することが望まれる。
一般に、フィルムを貼り合せる際のカールの制御は、当該フィルムを貼り合せる際の張力のバランスにより行う。しかし、偏光板の製造方法では、偏光子および透明保護フィルムを水に浸漬して製造するため水分の出入りが激しいこと、水分の出入りによってフィルムの膨張・収縮が起こるため、特に透明保護フィルムの厚みが異なる場合は、張力の制御のみでカールを制御するのは困難である。また、偏光板のカールを制御する方法としては、偏光板の一方の面にはセパレータで保護された粘着剤層が設けられ、もう一方の面には表面保護フィルムを剥離可能に設けることが多いことから、当該表面保護フィルムを設ける際の張力を調整することでもカールの制御を行うことができる。しかし、かかる方法でカールを制御したとしても、当該偏光板自体のカールは制御されていないため、当該偏光板を液晶セルに貼り合わせた際に、偏光板がカールしようとする力によって、パネルに応力が掛かり易い。
偏光子の両面に同時に非対称の透明保護フィルムを貼り合せて偏光板を製造する際に生じるカールを抑制する方法として、偏光子の片面に、透明保護フィルムを、貼り合わせ後の状態がフラットになるように張力を制御して貼り合わせた後に、もう一方の1枚の面に透明保護フィルムを、貼り合わせ後の状態がフラットになるように張力を制御して貼り合わせて偏光板を製造する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、水分の出入りによるフィルムの膨張・収縮が多いため、カールを十分に調整できない可能性がある。
特開2004−117482号公報
本発明は、厚さが異なる透明保護フィルムを偏光子の両面に貼り合わせて偏光板を製造する方法であって、カールを抑えることができる偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は当該製造方法により得られた偏光板を提供することを目的とする。また当該偏光板を積層した光学フィルム、さらには当該偏光板、光学フィルムを用いたLCD、ELD等の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板の製造方法により前記目的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
すなわち本発明は、偏光子の片面に透明保護フィルム(A)、もう一方の片面に透明保護フィルム(B)をそれぞれ接着剤により貼り合せる偏光板の製造方法であって、
偏光子は水分率が15〜30重量%であり、
透明保護フィルム(A)および透明保護フィルム(B)は同質材料であって、透明保護フィルム(A)の厚さは透明保護フィルム(B)の厚さよりも厚く、かつ、透明保護フィルム(A)の水分率は透明保護フィルム(B)の水分率よりも大きい、ことを特徴とする偏光板の製造方法、に関する。
前記偏光板の製造方法において、透明保護フィルム(A)の厚さと透明保護フィルム(B)の厚さの差が20μm以上であることが好ましい。
前記偏光板の製造方法において、透明保護フィルム(A)の水分率と透明保護フィルム(B)の水分率の差が0.5重量%以上であることが好ましい。
前記偏光板の製造方法において、透明保護フィルム(A)および/または透明保護フィルム(B)は面内位相差30nm以上を有し、位相差フィルムを兼ねたものを用いることができる。
前記偏光板の製造方法において、透明保護フィルム(A)および透明保護フィルム(B)としては、トリアセチルセルロースをベース材料とするものが好適に用いられる。
また本発明は、前記製造方法により得られた偏光板、に関する。
また本発明は、前記偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする光学フィルム、に関する。
また本発明は、前記偏光板または光学フィルムが用いられていることを特徴とする画像表示装置、に関する。
本発明の偏光板の製造方法では、偏光子の両面に貼り合わされる透明保護フィルムとして同質材料であって、厚さが異なるものを用いている。偏光板の製造方法において、偏光子は水分を含んだ状態で透明保護フィルムと貼り合わされ、また偏光子と透明保護フィルムの貼り合せには接着剤が用いられる。前記貼り合わせの後には、加熱、乾燥が施されて、この際に、偏光子は水分の除去とともに収縮する。この際、透明保護フィルムも収縮する。しかし、同質材料であっても透明保護フィルムの厚さが相違する場合には、薄い方の透明保護フィルムの方の収縮が大きいこと、また薄い側の透明保護フィルムは強度が弱いことから、薄い側の透明保護フィルムが偏光子の収縮に屈すると考えられる。
そこで、上記本発明の偏光板の製造方法では、透明保護フィルムとして同質材料であって、厚さが異なるものを用いるにあたって、偏光子の水分率を所定範囲に制御するとともに、透明保護フィルムの厚さの厚い方の透明保護フィルムの水分率が、厚さの薄い方の透明保護フィルムの水分率よりも大きくなるように、それぞれの水分率を調整して用いることにより、加熱、乾燥後における、両側の透明保護フィルムの収縮が略等しくなるように制御している。このように本発明では、偏光子の水分率を所定範囲に制御するとともに、厚さの相違に従って、透明保護フィルムの水分率を制御することにより、得られる偏光板にカールが発生することを抑えることができる。
また本発明の偏光板の製造方法において、透明保護フィルムとして、位相差を有するフィルムを用いる場合には、透明保護フィルムは位相差フィルムを兼ねることができる。かかる位相差フィルム等を、透明保護フィルムとして用いる場合には、カールを制御できることに加えて、適宜に位相差を調整して、視角補償等の光学特性を向上させることができる。
本発明の製造方法で用いる偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
ポリビニルアルコール系フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂を、水または有機溶媒に溶解した原液を流延成膜する流延法、キャスト法、押出法等の任意の方法で成膜されたものを適宜使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は100〜5000程度が好ましく、1400〜4000がより好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素等で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、以下の方法により作成できる。
染色工程においては、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素が添加された20〜70℃程度の染色浴に1〜20分間程度浸漬し、ヨウ素を吸着させる。染色浴中のヨウ素濃度は、通常水100重量部あたり0.005〜1重量部程度である。染色浴中には、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を0.02〜20重量部程度、好ましくは2〜10重量部添加してもよい。これら添加物は、染色効率を高める上で特に好ましい。また水溶媒以外に、水と相溶性のある有機溶媒が少量含有されていてもよい。
またポリビニルアルコール系フィルムは、ヨウ素または二色性染料含有水溶液中で染色させる前に、水浴等で20〜60℃程度で0.1〜10分間程度膨潤処理されていてもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。
染色処理したポリビニルアルコール系フィルムは、必要に応じて架橋することができる。架橋処理を行う架橋水溶液の組成は、通常水100重量部あたりホウ酸、ホウ砂、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の架橋剤を単独又は混合して1〜10重量部程度である。架橋剤の濃度は、光学特性とポリビニルアルコール系フィルムに発生する延伸力により生じる偏光板収縮のバランスを考慮して決定される。
架橋浴中には、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を0.05〜15重量%、好ましくは0.5〜8重量%添加してもよい。これら添加剤は、偏光子の面内の均一な特性を得る点で特に好ましい。水溶液の温度は通常20〜70℃程度、好ましくは40〜60℃の範囲である。浸漬時間は、特に限定されないが、通常1秒〜15分間程度、好ましくは5秒〜10分間である。水溶媒以外に、水と相溶性のある有機溶媒が少量含有されていてもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムの総延伸倍率は元長の3〜7倍程度、好ましくは5〜7倍である。総延伸倍率が7倍を超える場合はフィルムが破断しやすくなる。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色または架橋しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。延伸方法や延伸回数等は、特に制限されるものではなく、いずれか一工程でのみ行ってもよい。また、同一工程で複数回行ってもよい。
またヨウ素吸着配向処理を施したポリビニルアルコール系フィルムには、さらに水温10〜60℃程度、好ましくは30〜40℃程度、濃度0.1〜10質量%のヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液に1秒〜1分間浸漬する工程を設けることができる。ヨウ化物水溶液中には、硫酸亜鉛、塩化亜鉛物等の助剤を添加してもよい。また、ヨウ素吸着配向処理を施したポリビニルアルコール系フィルムには、水洗工程を設けることができる。また、20〜80℃程度で1分〜10分間程度の乾燥工程を設けることができる。
前記偏光子は、水分率が15〜30重量%のものを用いる。かかる範囲の水分率の偏光子を用いることで、厚さが異なる透明保護フィルムを用いた場合にも、偏光板のカールを抑えることができる。前記水分率は低くなると、偏光子が裂けやすくなる傾向があり、一方、水分率が多くなると、カールを抑制できなくなる傾向がある。かかる観点から、前記水分率は、15〜28重量%が好ましく、20〜25重量%であることがより好ましい。
前記偏光子の水分率の調整は、偏光子の作製にあたり、原反フィルムに各工程において各浴に浸漬する時間と最終的な乾燥工程における乾燥温度と乾燥時間により行うことができる。
本発明では、偏光子の片面に透明保護フィルム(A)を設け、もう一方の片面には、透明保護フィルム(A)と同質材料の透明保護フィルム(B)を設ける。透明保護フィルムを形成する、透明ポリマーまたはフィルム材料としては、適宜な透明材料を用いうるが、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。前記透明保護フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。これらのフィルムは位相差が小さく、光弾性係数が小さいため偏光板の歪みによるムラなどの不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に優れる。
透明保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーからなるセルロース系透明保護フィルムが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。
前記透明保護フィルム(A)、(B)は、同質材料であって、透明保護フィルム(A)の厚さは透明保護フィルム(B)の厚さよりも厚く、かつ、透明保護フィルム(A)の水分率は透明保護フィルム(B)の水分率よりも大きいものを用いる。透明保護フィルム(A)、(B)の水分率として、前記関係を満足するものを用いることで、厚さが異なる透明保護フィルムを用いた場合にも、偏光板のカールを抑えることができる。
透明保護フィルム(A)、(B)の厚さは、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μmの範囲、好ましくは20〜100μmの範囲のなかで、前記関係を満足するように選択される。透明保護フィルム(A)の厚さと透明保護フィルム(B)の厚さの差は、20μm以上になる場合に、本発明は好適に適用され、厚さの差が大きいにも拘らず、偏光板のカールを抑えることができる。前記厚さの差は、20〜80μmであるのが好ましく、さらには30〜50μmであるのが好ましい。あまりに厚さの差が大きくなると、カールを抑えるうえで好ましくない。
透明保護フィルム(A)の厚さは、通常、20〜100μmであるのが好ましく、さらには40〜90μmであるのが好ましい。一方、透明保護フィルム(B)の厚さは、通常、20〜80μmであるのが好ましく、さらには20〜50μmであるのが好ましい。
透明保護フィルム(A)、(B)の水分率は、適宜に調整されるが、0.1〜4重量%の範囲、好ましくは0.1〜3重量%の範囲のなかで、前記関係を満足するように選択するのが好ましい。また、透明保護フィルム(A)の水分率と透明保護フィルム(B)の水分率の差が、0.5重量%以上であるのが、偏光板のカールを抑えるうえで好ましい。前記水分率の差は、0.5〜4重量%であるのがより好ましく、さらには1〜3重量%であるのが好ましく、さらには1.2〜2重量%であるのが好ましい。水分率の差が小さい場合には、カール低減硬化は小さく、大きい場合にはフィルム走行性が悪化して好ましくない。
透明保護フィルム(A)の水分率は、通常、0.1〜4重量%であるのが好ましく、さらには1〜4重量%であるのが好ましい。一方、透明保護フィルム(B)の水分率は、通常、0.1〜4重量%であるのが好ましく、さらには0.1〜2重量%であるのが好ましい。
前記透明保護フィルム(A)、(B)の水分率の調整は、透明保護フィルムを偏光子に貼り合せる際の張力のバランス、フィルムの種類、これらの組み合わせによって調整される。前記透明保護フィルム(A)、(B)の水分率の調整は、例えば、透明保護フィルムの作製にあたり、乾燥温度、風量、時間、周辺湿度などにより水分量を制御することができ、また、後述するアルカリ処理(ケン化処理)における浸漬時間とその後の乾燥温度と乾燥時間により行うことができる。
また、透明保護フィルム(A)の厚さと透明保護フィルム(B)の厚さの比(A/B)が、1.5〜4の範囲であるのが好ましく、さらには1.6〜2.5の範囲であるのが好ましい。また、透明保護フィルム(A)の水分率と透明保護フィルム(B)の水分率の比(A/B)が、1.5〜30の範囲であるのが好ましく、さらには5〜15の範囲であるのが好ましい。
透明保護フィルムの偏光子と接着する面には、易接着処理を施すことができる。易接着処理としては、プラズマ処理、コロナ処理等のドライ処理、アルカリ処理等の化学処理、ポリオール樹脂、ポリカルボン酸樹脂、ポリエステル樹脂等の各種の易接着材料により易接着剤層を形成するコーティング処理等があげられる。これらのなかでも、アルカリ処理(ケン化処理)等の化学処理が好適である。例えば、アルカリ処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属を溶解した、濃度5〜15重量%程度のアルカリ水溶液に、40〜80℃で、10〜60秒間、透明保護フィルムを浸漬することによい行うことができる。アルカリ処理は、透明保護フィルムの材質が、セルロース系材料の場合に好適である。
透明保護フィルム(A)、(B)としては、通常、実質的に位相差を有しないものが用いられる。なお、面内位相差は、Re=(nx‐ny)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nyはnxに直交する方向の屈折率、dはフィルム厚さである)で表される。実質的に位相差を有しないものを用いる場合、面内位相差は30nm未満、さらには10nm以下、さらには3nm以下であるのが好ましい。また、できるだけ色付きがないものを用いる点からは、Rth=(nx‐nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚さである)で表されるフィルム厚さ方向の位相差値が−90nm〜+75nmである透明保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚さ方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、透明保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚さ方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
一方、透明保護フィルム(A)、(B)は、位相差を有するものを用いることにより位相差フィルムとして用いることができる。透明保護フィルム(B)は、透明保護フィルム(A)よりも厚さが薄いことから、本発明で得られた偏光板を液晶セルに配置する場合には、透明保護フィルム(B)側を、通常、液晶セル側に配置する。この場合、透明保護フィルム(B)として、位相差を有するものを用いることにより、光学特性を向上させることができる。前記面内位相差は、30nm以上、さらには30〜400nm程度のものが適宜に選択して用いられる。特に面内位相差は、40〜60nmであるものが好適である。一方、厚さ方向位相差は、75〜600nm、さらには100〜300nmであるものを用いることができる。特に厚み方向位相差は、130〜150nmであるものが好適である。
透明保護フィルム(A)、(B)が位相差フィルムを兼ねる場合にも、透明保護フィルム(B)は透明保護フィルム(A)と同質材料であるが、透明保護フィルム(B)に位相差を付与する手段としては、例えば、調製したフィルムに延伸処理を施すことにより位相差を付与する方法、フィルムの調製時に、ポリマー材料の他に添加剤を加えることにより調製したフィルムに位相差を付与する方法等があげられる。
前記偏光子と前記透明保護フィルム(A)、(B)との貼り合わせには、通常、接着剤が用いられる。接着剤としては、通常、水系接着剤が用いられる。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系接着剤が好適に用いられる。水系接着剤には、適宜に架橋剤を含有させることができる。
前記接着剤(例えば、ポリビニルアルコール系接着剤,架橋剤を含有する場合を含む)は、通常、水溶液として用いられる。水溶液濃度は特に制限はないが、塗布性や放置安定性等を考慮すれば、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%程度である。
なお、前記接着剤には、さらにシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、各種粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などの安定剤等を配合することもできる。
本発明の偏光板の製造方法では、前記偏光子と、透明保護フィルム(A)、(B)とを接着剤により貼り合せるが、接着剤の塗布は、前記偏光子、透明保護フィルムのいずれの側に行ってもよく、また両者に行ってもよい。塗布操作は特に制限されず、ロール法、噴霧法、浸漬法等の各種手段を採用できる。前記接着剤の塗布は、乾燥後に形成される接着剤層の厚さが、30〜200nm程度になるように行なうのが好ましい。前記接着剤層の厚さは、さらに好ましくは40〜100nmである。また、偏光子と、透明保護フィルムとの貼り合わせにあたっては、フィルムに張力をかけることができるが、張力はフィルムに歪を架けるので極力低い方が好ましい。
接着剤を塗布した後は、偏光子と透明保護フィルムをロールラミネーター等により貼り合わせる。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。乾燥温度は、5〜150℃程度、好ましくは30〜120℃で、120秒間以上、さらには300秒間以上である。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。これらの層は、透明保護フィルム(A)において設けるのが好ましい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜70重量部程度であり、5〜50重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行なうことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の透明保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。上記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組み合わせで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組み合わせとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いうる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、偏光板は上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行ないうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗布方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行ないうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
(偏光子および透明保護フィルムの水分率)
偏光子または透明保護フィルムを、100×100mmの大きさに切り出して、このサンプルの初期重量を測定した。続いて、このサンプルを120℃で2時間乾燥し、乾燥重量を測定して、下記式により水分率を測定した。水分率(重量%)={(初期重量−乾燥重量)/初期重量}×100。重量の測定はそれぞれ3回ずつ行い、その平均値を用いた。
実施例1
(偏光子の作製)
厚さ75μm、初期の原反幅3100mmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製,VF‐PS7500)を、60秒間、30℃の純水に浸漬しながら、3.5倍まで延伸した。次いで、30℃のヨウ素水溶液中(重量比:純水/ヨウ素/ヨウ化カリウム=100/0.01/1)中で、単体透過率が42.8±0.1%の範囲になるように80秒間染色した。次いで、3重量%のホウ酸および2重量%ヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬し、さらに4重量%のホウ酸および3重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中で5.8倍まで延伸した後、3.5重量%のヨウ化カリウム水溶液に浸漬し、水気を拭き取った後、張力を保ったまま40℃で2分間乾燥させて、厚さ28μmの偏光子を得た。得られた偏光子の水分率は、23%であった。
(接着剤)
ポリビニルアルコール系樹脂(完全ケン化)を30℃の温度条件下に純水に溶解し、固形分濃度3%に調整した水溶液を調製した。これを接着剤として用いた。
(透明保護フィルム)
透明保護フィルム(A)として、厚さ80μm、幅1330mmのケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムを用いた。透明保護フィルム(A)の水分率は3.2重量%に調整した。
透明保護フィルム(B)として、厚さ40μm、幅1330mmのケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムを用いた。透明保護フィルム(B)の水分率は2.4重量%に調整した。
前記透明保護フィルム(A)、(B)の水分率は、ケン化処理(60℃,10重量%の水酸化ナトリウム水溶液,30秒間浸漬)後に、温度を制御して、30秒間加熱乾燥することにより調整した。
(偏光板の作製)
前記水分率の偏光子の両面に、前記水分率の透明保護フィルム(A)、(B)を、上記ポリビニルアルコール系接着剤を乾燥後の接着剤層の厚さが50nmとなるように塗布した後、張力をかけずに貼り合わせ、その後、75℃で4分間乾燥して偏光板を作成した。
実施例2〜9、比較例1〜4
実施例1において、透明保護フィルム(A)、(B)の厚さ若しくは水分率、または偏光子の水分率を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
(評価)
実施例および比較例で得られた偏光板について、下記評価を行った、結果を表1に示す。
(カール量)
作成した偏光板を、流れ方向に平行にA4サイズ(流れ方向が長辺)にカットし、温度23℃、湿度60%R.H.の環境下に水平板上に置き1時間静置した後のカール量を定規で測定した。偏光板のサイズが大きくなるに伴い、自重が重くなるため、カール量は小さくなる。従って、カール量が、A4サイズで±10mmに入れば、それよりも大きいサイズでもカール量は10mmを超えることはない。現在のTV用の偏光板として主流である32インチサイズのカール要求値が±10mmであるので、この値を基準とし、カール量を判断できる。
カール量は、偏光板の辺部と水平板との距離が最大となる箇所の長さをカール量(mm)とした。なお、透明保護フィルム(A)の側にカールし、透明保護フィルム(B)の側が凸状になる場合を(+)カール、透明保護フィルム(B)の側にカールし、透明保護フィルム(A)の側が凸状になる場合を(−)カール、とした。
Figure 2008122790
表1に示すように、実施例では、カール量が±10mmであり、32インチサイズのカール要求値を満足できる。

Claims (8)

  1. 偏光子の片面に透明保護フィルム(A)、もう一方の片面に透明保護フィルム(B)をそれぞれ接着剤により貼り合せる偏光板の製造方法であって、
    偏光子は水分率が15〜30重量%であり、
    透明保護フィルム(A)および透明保護フィルム(B)は同質材料であって、透明保護フィルム(A)の厚さは透明保護フィルム(B)の厚さよりも厚く、かつ、透明保護フィルム(A)の水分率は透明保護フィルム(B)の水分率よりも大きい、ことを特徴とする偏光板の製造方法。
  2. 透明保護フィルム(A)の厚さと透明保護フィルム(B)の厚さの差が20μm以上であることを特徴とする請求項1記載の偏光板の製造方法。
  3. 透明保護フィルム(A)の水分率と透明保護フィルム(B)の水分率の差が0.5重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板の製造方法。
  4. 透明保護フィルム(A)および/または透明保護フィルム(B)が、面内位相差30nm以上を有し、位相差フィルムを兼ねていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  5. 透明保護フィルム(A)および透明保護フィルム(B)は、トリアセチルセルロースをベース材料としていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた偏光板。
  7. 請求項6記載の偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする光学フィルム。
  8. 請求項6記載の偏光板または請求項7記載の光学フィルムが用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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