JP2008121473A - 酸素センサの劣化検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素センサの劣化を検出する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に搭載された触媒の下流側に搭載される酸素センサの劣化検出装置において、まず、酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素過多の状態を示すリーン出力となるように、又は、酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素不足の状態を示すリッチ出力となるように、空燃比を制御する。酸素センサの出力が前記リーン出力となった後、目標空燃比をリッチ目標空燃比に設定して空燃比のリッチ制御を実行し、又は、酸素センサの出力が前記リッチ出力となった後、目標空燃比をリーン目標空燃比に設定して空燃比のリーン制御を実行する。リッチ制御開始から、酸素センサの出力がリッチ出力となる前までの第1変化期間の間、又は、リーン制御開始から、酸素センサの出力がリーン出力となる前までの第2変化期間の間に、酸素センサの出力を検出し、検出された前記酸素センサの出力に基づいて、酸素センサの劣化の有無を判定する。
【選択図】図4

Description

この発明は、酸素センサの劣化検出装置に関する。更に具体的には、内燃機関の排気通路に搭載され、排気ガス空燃比に応じて出力を変化させる酸素センサの劣化検出装置に関するものである。
従来、例えば、特開2004−324471号には、排気通路に搭載された酸素センサの出力に基づいて、空燃比が理論空燃比よりもリッチであることが検出されたときには燃料噴射量が減量補正され、空燃比が理論空燃比よりもリーンであることが検出されたときには燃料噴射量が増量補正されることで、理論空燃比になるように空燃比のフィードバック制御を行うシステムが開示されている。また、このシステムでは、このような空燃比フィードバック制御中に、酸素センサの劣化の検出が行われる。
具体的に、酸素センサの劣化有無の判定が実行される場合、まず、所定の劣化判定の前提条件が成立し、かつ、上記の空燃比のフィードバック制御が行われている状態で、酸素センサの出力がリッチ側に反転してからリーン側に反転するまでのリッチ期間あるいはリーン側に反転してからリッチ側に反転するまでのリーン期間が反転周期として検出される。その後、反転周期の平均値が求められ、この値が予め定められた規定値以上となっている場合に、酸素センサに劣化有りと判定される。
また、空燃比のフィードバック制御において用いられる空燃比補正係数が、燃料増量側又は減量側に大きくずれている場合、所定のタイミングで空燃比補正係数がリセットされる。この場合、空燃比はリッチ又はリーン側に一度偏ることとなり、再び空燃比補正係数が学習されて空燃比のフィードバック制御が再開されるまでの間、上記のリッチ期間又はリーン期間は増加し、反転周期が大きくなる。従って、このような状況で検出された反転周期に基づいて酸素センサの劣化の判定が行われた場合には、誤判定が行われる場合がある。従って、上記従来技術のシステムでは、空燃比補正係数がリセットされた時期のリッチ期間及びリーン期間と、この期間に連続する複数の期間の間、酸素センサの劣化判定を禁止している。
特開2004−324471号公報
上記従来技術のシステムによれば、酸素センサの反転周期に基づいて、酸素センサの劣化の判定を行うことができる。しかし、酸素センサの経時劣化や加工のバラツキにより酸素センサの気密性にバラツキが生じているような場合、酸素センサの排気側電極側への酸素リーク量が増加する。このような場合、排気側電極周囲の排気ガスの酸素濃度は、実際の排気ガスの酸素濃度よりも高くなる。その結果、例えば、酸素センサの出力は排気ガスがよりリッチな状態でリーン側に反転するなど、酸素センサの出力にズレが生じることとなる。このような酸素センサの出力ズレは、必ずしも反転周期を長くするものではない。従って、酸素センサの気密性低下のような劣化状態は、反転周期が所定の判定値より長いか否かに基づいて検出することは困難である。
従って、この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、反転周期の検出に基づく手法とは異なる他の手法で、酸素センサの劣化の有無を検出する酸素センサの劣化検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路に搭載された触媒の下流側に搭載される酸素センサの劣化検出装置であって、
前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素過多の状態を示すリーン出力となるように、又は、前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素不足の状態を示すリッチ出力となるように、空燃比を制御する第1空燃比制御手段と、
前記酸素センサの出力が前記リーン出力となった後、目標空燃比をリッチ目標空燃比に設定して空燃比のリッチ制御を実行し、又は、前記酸素センサの出力が前記リッチ出力となった後、目標空燃比をリーン目標空燃比に設定して空燃比のリーン制御を実行する第2空燃比制御手段と、
前記リッチ制御開始から、前記酸素センサの出力が前記リッチ出力となる前までの第1変化期間の間、又は、前記リーン制御開始から、前記酸素センサの出力が前記リーン出力となる前までの第2変化期間の間に、前記酸素センサの出力を検出する変化出力検出手段と、
前記変化出力検出手段により検出された前記酸素センサの出力に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無を判定する劣化判定手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1空燃比制御手段は、前記酸素センサの出力が前記リーン出力となるようにする場合は、前記内燃機関への燃料の供給を停止して燃料カット運転を実施することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記第1変化期間に前記触媒から放出される酸素量、又は、前記第2変化期間に前記触媒に吸蔵される酸素量を、酸素吸蔵量として検出する酸素吸蔵量検出手段と、
前記酸素吸蔵量に応じて、前記触媒の劣化を判定する触媒劣化判定手段と、
を更に備えることを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、
前記第2空燃比制御手段による前記リッチ制御開始又は前記リーン制御開始から、連続して前記リッチ制御又は前記リッチ制御が行われている間の経過時間が、基準時間以上となっているか否かを判定する経過時間判定手段を備え、
前記変化出力検出手段は、前記経過時間が前記基準時間以上となっていることが認められた場合に、前記第1変化期間又は前記第2変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする。
第5の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、
前記第2空燃比制御手段による前記リッチ制御開始の後、前記酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも小さく、前記リーン出力よりも大きな、所定のリーン側基準値以上であるか否かを判定するセンサ出力判定手段を備え、
前記変化出力検出手段は、前記酸素センサの出力が前記リーン側基準値以上であることが認められた場合に、前記第1変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする。
第6の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、
前記第2空燃比制御手段による前記リーン制御開始の後、前記酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも大きく、前記リッチ出力よりも小さな、所定のリッチ側基準値以上であるか否かを判定するセンサ出力判定手段を備え、
前記変化出力検出手段は、前記酸素センサの出力が前記リッチ側基準値以上であることが認められた場合に、前記第2変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明において、
前記変化出力検出手段は、前記第1変化期間及び前記第2変化期間のいずれかの期間に、前記酸素センサの出力を繰り返し検出し、
前記酸素センサの出力平均値を演算する演算手段を更に備え、
前記劣化判定手段は、前記出力平均値に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無の判定を行うことを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明において、前記第1変化期間又は前記第2変化期間の間に検出された前記酸素センサの出力に応じて、前記リーン出力及び前記リッチ出力を設定する出力設定手段、を更に備えることを特徴とする。
第9の発明は、内燃機関の排気通路に搭載される酸素センサの劣化検出装置であって、
前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素過多の状態を示すリーン出力となるように、又は、前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素不足の状態を示すリッチ出力となるように、空燃比を制御する第1空燃比制御手段と、
前記酸素センサの出力が前記リーン出力又はリッチ出力となった後、目標空燃比を理論空燃比に設定して理論空燃比制御を実行する第2空燃比制御手段と、
前記理論空燃比制御中に、前記酸素センサの出力を検出する理論空燃比出力検出手段と、
前記理論空燃比出力検出手段により検出された前記酸素センサの出力に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無を判定する劣化判定手段と、
を備えることを特徴とする酸素センサの劣化検出装置。
第1の発明によれば、触媒下流側に配置された酸素センサの出力がリーン出力となった後リッチ制御を開始して、リッチ制御開始から酸素センサの出力がリッチ出力となる前までの第1変化期間の間、あるいは、酸素センサの出力がリッチ出力となった後リーン制御を開始し、リーン制御開始から酸素センサの出力がリーン出力となる前までの第2変化期間の間に検出される酸素センサの出力に基づいて、酸素センサの劣化の有無が判定される。
ここで、触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチ、又はその逆に変化する過渡的な状態にある場合、触媒下流に排出される排気ガスは、リーン又はリッチな空燃比の状態から、触媒による浄化作用により理論空燃比近傍に一度安定する。このような過渡的な変化の中では、触媒下流に搭載された酸素センサの出力は、理論空燃比に対応する論理的な出力よりもリーン又はリッチ側に偏った出力に安定する。また、酸素センサのガスシール部等にリークが発生している場合、酸素センサ周囲の排気ガスの酸素濃度は増加する。このため、触媒下流側の排気ガスが理論空燃比近傍にある間に酸素センサが発する出力の安定値は、排気ガス中の酸素濃度の増加分に応じてリーン側にずれたものとなる。従って、第1の発明のように、排気ガスの空燃比がリーン又はリッチな状態から過渡的に変化する中での、酸素センサの出力を検出することで、酸素センサの劣化によるリークの発生を検出することができる。
第2の発明によれば、第1空燃比制御手段は、酸素センサの出力がリーン出力となるようにする場合、内燃機関への燃料の供給を停止して燃料カット運転を実施する。このように燃料カットの状態から排気ガスの空燃比を変化させることで、その変化の開始時の空燃比の状態を正確に把握することができ、より確実に酸素センサの出力変化を検出して酸素劣化の有無を判定することができる。
第3の発明によれば、酸素センサの出力がリーンを示しリッチ制御を開始した後、リッチ出力となる前までの第1変化期間又は、酸素センサの出力がリッチを示しリーン制御を開始した後リーン出力となる前までの第2変化期間の間に、触媒から放出又は吸蔵される酸素量を酸素吸蔵量として検出し、これに応じて、触媒の劣化を判定することができる。従って、酸素吸蔵量の検出による触媒の劣化判定を行いつつ、触媒の劣化判定の制御時に検出される酸素センサの出力に基づいて酸素センサの劣化判定を行うことができる。
第4の発明によれば、第2空燃比制御手段によるリーン制御開始又はリッチ制御開始からの経過時間が、基準時間以上となった場合の酸素センサの出力に基づいて劣化判定が行われる。従って、触媒下流の排気ガスが理論空燃比近傍に安定して浄化されるようになってからの酸素センサの出力に基づいて、正確に酸素センサの劣化の有無を判定することができる。
第5の発明によれば、第2空燃比制御手段によるリッチ制御開始の後、酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも小さく、リーン出力よりも大きな、所定のリーン側基準値以上であることが認められた場合の、第1変化期間における酸素センサの出力に基づいて、劣化判定が行われる。従って、触媒が排気ガスを安定して浄化して触媒下流側に排出される排気ガスが理論空燃比近傍に安定するようになってからの酸素センサの出力に基づいて、正確に酸素センサの劣化の有無を判定することができる。
第6の発明によれば、第2空燃比制御手段によるリーン制御開始の後、酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも小さく、リッチ出力よりも小さな、所定のリッチ側基準値以上であることが認められた場合の、第2変化期間における酸素センサの出力に基づいて、劣化判定が行われる。従って、触媒が排気ガスを安定して浄化して触媒下流側に排出される排気ガスが理論空燃比近傍に安定するようになってからの酸素センサの出力に基づいて、正確に酸素センサの劣化の有無を判定することができる。
第7の発明によれば、変化出力検出手段は、第1変化期間又は第2変化期間の間に酸素センサの出力を繰り返し検出し、検出された酸素センサの出力平均値に基づいて酸素センサの劣化有無の判定を行う。従って、より正確に酸素センサの劣化の有無の判定を行うことができる。
第8の発明によれば、第1変化期間又は第2変化期間の間に検出された酸素センサの出力に応じて、リーン出力及びリッチ出力を設定する。従って、酸素センサにリークが発生しているような場合にもそれによる酸素センサの出力ズレを補正し、触媒下流側に排出される排気ガスがリーン又はリッチに変化したことをより正確に検出することができる。
第9の発明によれば、酸素センサの出力がリーン出力又はリッチ出力となった後、理論空燃比制御を開始して、理論空燃比制御の間に検出される酸素センサの出力に基づいて、酸素センサの劣化の有無が判定される。
ここで、上記のように排気ガスの空燃比がリーン又はリッチな状態から、排気ガスが理論空燃比近傍に変化する過渡的な状態にある場合、排気ガスが理論空燃比付近になると、酸素センサの出力は、理論空燃比に対応する論理的な出力よりもリーン又はリッチ側に偏った出力となる。また、酸素センサのガスシール部に漏れが発生している場合、酸素センサ周囲の排気ガスの酸素濃度は実際の排気ガスよりも高い状態となっているため、理論空燃比付近に対応する出力は、その酸素濃度の増加分に応じてリーン側にずれたものとなる。従って、第9の発明のように、リーン又はリッチな状態から理論空燃比近傍に変化するように制御した場合の酸素センサの出力に基づいて、酸素センサに生じたリークを検出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のハードウェア構成]
図1は、この発明の実施の形態1の酸素センサの劣化検出装置が搭載されたシステムの構成を説明するための模式図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。図1においては、1の気筒の断面のみを表しているが、内燃機関10は実際には複数の気筒を備えている。内燃機関10の各気筒の吸気ポートには吸気管12が接続されている。吸気管12には、燃料噴射弁14が設けられている。
内燃機関10の各気筒の排気ポートには、排気管16が接続されている。排気管16には、三元触媒を内蔵する触媒18が設置されている。触媒18の上流側に空燃比センサ20が配置されている。空燃比センサ20は、広い空燃比領域に渡って空燃比に対応した出力電圧を発生するセンサである。また、触媒18の下流において、排気管16には酸素センサ22が配置されている。酸素センサ22は、その出力値が理論空燃比付近でステップ状に変化するセンサである。
このシステムは、実施の形態1の酸素センサの劣化検出装置としてのECU(Electronic Control Unit)24を備えている。ECU24の入力ポートには、空燃比センサ20及び酸素センサ22、水温センサ(図示せず)、その他の各種センサが接続され、これらのセンサの出力に応じて現在の内燃機関10の運転状態等に関する情報が検出される。一方、ECU24の出力ポートからは種々の制御信号が発せられて、例えば燃料噴射弁からの燃料噴射時間の制御等、種々の必要な制御が実行される。
図2は、実施の形態1のシステムに搭載されている酸素センサ22について説明するための模式図であり、図2(a)は酸素センサ22全体を表し、図2(b)は酸素センサのセンサ素子部分を拡大して表している。図2(a)、(b)に示すように、酸素センサ22はセンサ素子30を備える。センサ素子30は一端が閉じられた管状の構造を有している。図2(b)に示すように、管状構造の外側表面は多孔質保護層32により覆われている。多孔質保護層32の内側には排気側電極34が設けられている。排気側電極34は、多孔質保護層32を通過した排気ガスに晒される状態となっている。排気側電極34の内側には固体電解質層36が設けられている。固体電解質層36の内側、即ち固体電解質層36の排気側電極34とは反対側の面には、大気側電極38が設けられている。センサ素子30の内側には、大気室40が形成されている。大気室40内には大気が導かれる構造となっている。したがって、大気側電極38は大気に晒されている。大気室40内には、ヒータ42が設置されている。
このように構成されたセンサ素子30は、図2(a)に示すように、排気管16内において、カバー44に覆われている。カバー44にはその内部に排気ガスを導くための複数の通気穴(図示せず)が設けられている。カバー44は、ハウジング46により排気管16内に固定されている。より具体的には、ハウジング46は、排気管16側に配置される部分においてカバー44と係合し、カバー44上縁部をかしめた状態で排気管16内に保持している。カバー44およびハウジング46内にはセンサ素子30およびヒータ42が固定されて支持されている。
センサ素子30の固体電解質層36とハウジング46との接続部は、ガスシール部52により密閉されている。具体的にガスシール部52は、金属パッキン54、固体電解質層36とハウジング46との隙間充填されたタルク材56、タルク材56上部の絶縁ガラス58、及び絶縁ガラス58上部のかしめ用金属リング60等により構成されている。このように構成されたガスシール部52及びハウジング46によって、大気側と排気ガス側とが遮断され、大気と排気ガスとのリークが防止されている。
[酸素センサ劣化による出力の変化について]
図3は、この実施の形態1の酸素センサ22の出力(起電力)特性を表す図である。図3において、横軸は空燃比を表し、縦軸はセンサ出力[V]を表している。図3の実線(a)は、初期(新品)のバラツキのない酸素センサ22の出力、換言すると酸素センサ22の理論的に演算される出力を示す。点線(b)は、初期の酸素センサ22の出力として許容されるバラツキの上限及び下限側の出力を示す。更に、一点鎖線(c)は経時劣化によりガスシール部52からの大気のリーク量が増加している酸素センサ22の出力を表している。図3に示すように、酸素センサ22は、排気ガス空燃比がリーンからリッチ又はその逆に変化する場合に、理論空燃比近傍において出力を急変させ、リーン側の出力とリッチ側の出力とを反転させる特性を有する。
上記のように酸素センサ22において、大気とカバー44内の排気ガスとは、ガスシール部52により遮断されている。しかし、酸素センサ22の使用年数が増加するにつれて、ガスシール部52に劣化が発生しその劣化が進行する。その結果、ガスシール部52での密閉性が低下し、排気ガス中への大気のリーク量が増加することとなる。大気の排気ガス側へのリーク量が上昇すると、排気ガス中の酸素濃度が増加する。従って、図3の一点鎖線(c)に示すように、酸素センサ22は、より空燃比がリッチな段階で、空燃比がリーンであることを示す出力を発するようになる。つまり、酸素センサ22の出力は、特に理論空燃比近傍の出力急変点付近において、初期のバラツキの範囲を越えてリーン側にずれることとなる。
実施の形態1のシステムにおいて、酸素センサ22は触媒18の下流側に設置されている。従って、酸素センサ22が検出する排気ガスは、理論空燃比近傍に浄化された状態となっている。このため、排気ガス側への大気のリーク量は微量であっても、排気ガス中の酸素濃度変化に大きく影響することとなり、酸素センサ22の出力ズレを生じることとなる。このような酸素センサ22に生じるリークによる出力ズレは、空燃比制御をより正確に行う上では好ましいものではなく、酸素センサ22のリークによる出力ズレは早い段階で検出されることが好ましい。
上記のように酸素センサ22のリークによる出力ズレは、酸素センサ22の出力の急変点付近(理論空燃比近傍)で大きく現れる。従って、出力急変点付近(理論空燃比近傍)において酸素センサ22の出力を検出して、この出力と、実際の空燃比に対応する初期の酸素センサの出力との出力ズレを求めることで、酸素センサ22にリークが発生していることを検出することも考えられる。しかし、出力急変点付近の酸素センサ22の出力は、僅かな排気ガスの空燃比の変化に対して大きく変化する。従って、出力急変点付近で検出された酸素センサ22の出力が、実際の空燃比に対応する出力からずれているか否かを検出するためには、実際の空燃比を厳密に推定する必要であるため、精度の高い空燃比制御が要求される。しかし、内燃機関10の運転中に、触媒18下流側のごく僅かな排気ガス空燃比の変化まで制御することは困難である。従って、出力急変点付近の酸素センサ22の出力ズレから、リークによる出力ズレがあるか否かを判断することは困難である。
[酸素センサの劣化検出について]
ところで、触媒18は、HC、CO等の未燃成分を含むリッチな排気ガス中に酸素を放出し、また、NOx等を含むリーンな排気ガス中の過剰酸素を吸蔵することで、排気ガスの浄化を図る。例えば、内燃機関10への燃料供給を停止した燃料カット運転中の場合、触媒18に排気ガスが流入すると排気ガス中の酸素が触媒18に吸蔵される。この状態が長期に渡って継続されると、やがて、酸素吸蔵容量一杯に酸素を吸蔵し、もはや酸素を吸蔵できない状態、すなわち、最大酸素吸蔵状態となる。燃料カット運転が開始し触媒18が最大酸素吸蔵状態に達すると、触媒18下流には、酸素過多のリーンな排気ガスが排出され、酸素センサ22には、リーンな排気ガスが供給される。
このような状態で、内燃機関10の燃料噴射が開始される場合、空燃比制御の目標値は理論空燃比よりもリッチなリッチ目標空燃比に設定される。これにより触媒18にはリッチな排気ガスが流入し、触媒18に吸蔵した酸素が放出されることで排気ガスが再び浄化される状態となる。このように排気ガスが浄化されている間、触媒18の下流側には理論空燃比近傍の排気ガスが排出される。従って、酸素センサ22には、理論空燃比近傍の排気ガスが流入する。
図4は、実施の形態1において、上記のように排気ガスの空燃比が変化する場合の酸素センサ22の出力を表す図である。図4において、横軸は経過時間を表し、縦軸は酸素センサ22の出力を表している。触媒18に流入する排気ガスがリーンからリッチに徐変する過渡的な変化の下においては、図4に示すように、酸素センサ22の出力は以下のような特性をもって変化する。
(1) 内燃機関10の燃料カット運転中、触媒18が最大酸素吸蔵状態に達すると、酸素センサ22の出力はリーン判定値Lotgt以下のリーン出力の出力を示す。
(2) その後、リッチ目標空燃比への制御が開始されると、触媒18の浄化作用により排気ガスが理論空燃比近傍に保たれるが、この間、酸素センサ22の出力は、初期(新品)のバラツキのない酸素センサ22が理論空燃比に対して示す出力、つまり理論的に演算される出力(基準出力)(以下、「初期中央値」)を示さず、リーン出力よりも僅かに大きなリーン段差出力を定常的に示す。
(3) その後、触媒18が最小酸素吸蔵状態に達してリッチな排気ガスの浄化ができない状態となると、酸素センサ22の出力は急変してリッチ判定値Hitgt以上のリッチ出力を示す。
上記のように、触媒18下流に排出される排気ガスが理論空燃比近傍に維持されている間、酸素センサ22が初期中央値より小さなリーン段差出力となるのは、その直前のリーンな排気ガスの影響を受けているためであると考えられる。つまり、このリーン段差出力は初期中央値よりもリーン側に偏っているものの、過渡的な変化の中で触媒18下流の排気ガス空燃比が理論空燃比に安定して維持されるようになったときに酸素センサ22が定常的に発する出力であり、排気ガス中の酸素濃度に応じた起電力であると考えられる。
ここで、酸素センサ22の劣化によりガスシール部52からのリークが発生している場合、排気ガスが理論空燃比近傍に浄化されていても、その浄化された排気ガスに大気が混入することとなる。従って、酸素センサ22に検出対象となる排気ガスは、理論空燃比よりも酸素濃度の高いリーンな状態となる。このため、酸素センサ22の出力は、理論空燃比に応じたリーン段差出力とならず、酸素の混入量に応じて図4の一点鎖線(b)に示すように、リーン段差出力よりも小さな出力を発することとなる。
従って、これを利用して、触媒18下流の排気ガスがリーンな状態が維持された後、空燃比がリッチに変化する過程のなかで、排気ガスが触媒18に浄化されて理論空燃比近傍に安定している場合において発せられる酸素センサ22のリーン段差出力を検出することで、酸素センサ22の劣化に伴うガスシール部52の気密性の低下を検出することができる。
具体的に、酸素センサ22の劣化の有無を判定においては、より正確に大気のリークに起因するリーン段差出力の低下を検出するため、以下の条件A〜Dの成立を判定開始の条件とする。
(条件A) 内燃機関10の燃料カット運転が規定時間Tf/c以上継続していること。
(条件B) 内燃機関10の燃料カット運転の後、空燃比目標値が所定のリッチ目標空燃比A/Frich(例えば13.5程度)に設定されて、空燃比のリッチ制御が実行されること。
(条件C) アイドル運転状態であること。
(条件D) 吸入空気量が所定の範囲内(例えば、吸入空気量Ga≦5[g/s]以下)であること。
酸素センサ22の劣化検出は、触媒18下流の排気ガス空燃比がリーンからリッチに変化する場合の過渡的な出力変化を検出することで行われる。触媒18の下流に排出される排気ガスがリーンになるためには、触媒18に十分にリーンな排気ガスが供給されて最大酸素吸蔵状態に達していることが必要となる。このため、条件Aのように、触媒18が燃料カット時の排気ガスにより最大酸素吸蔵状態に達しうる規定時間Tf/cが設定され、この規定時間Tf/cの経過が、酸素センサ22の劣化判定の条件とされる。
条件Aが満たされた状態では、触媒18は酸素を吸蔵できず、リーン空燃比の排気ガスを浄化することができない。このため燃料噴射開始にあたり触媒18の浄化性能を回復させるため、触媒18に吸蔵された酸素を放出させる必要がある。従って、目標空燃比はリッチ側の値であるリッチ目標空燃比A/Frichに設定され、リッチな排気ガス浄化により触媒18の酸素が放出される。このように、リッチ目標空燃比A/Frichに制御され、触媒18の酸素放出により排気ガスが浄化されると、触媒下流側には理論空燃比近傍の排気ガスが排出される。従って、酸素センサ22に供給される排気ガスは、リーンから、理論空燃比近傍に一旦安定することとなり、このタイミングでリーン段差出力を確実に検出することができる。従って、条件Bが設定される。
また、酸素センサ22近傍の排気ガス量が十分に大きくなると、排気管16内の圧力が高くなる。この場合、例え、ガスシール部52の気密性が低下してリークが発生するような状態になっていても、大気側から排気ガス側にリークする大気の量は微量となる。この場合、排気ガス量は十分に大きいため、僅かなリーク量ではその影響は小さなものとなるため、ガスシール部52からのリークは検出されにくいものとなる。このため、条件C、条件Dを検出条件とすることで、排気ガス流量がある程度小さくなるような条件にし、より確実に、ガスシール部52からのリークによるリーン段差出力への影響を検出できる状態としている。
以上のような条件A〜Dの下で、リーン段差出力が所定の回数繰り返し検出され、その平均値が求められる。この出力平均値VOXSAVEがリーン側の基準出力よりも小さい場合に、酸素センサ22の劣化有りと判定される。あるいは、例えば、実施の形態1においては、ECU24には図5に示すようなマップが記憶されている。酸素センサ22のリーク判定後、求められた出力平均値VOXSAVEに応じて、酸素センサ22のリッチ判定値Hitgtと、リーン判定値Lotgtを設定し、記憶する。それにより、酸素センサ22の出力がリッチ判定値Hitgtに達した場合にリッチ判定をおこない、リーン判定値Lotgtに達した場合にリーン判定を行う。このマップでは、リーク量が多い場合、即ち、リーン段差出力平均値VOXSAVEが小さい場合程、酸素センサ22の各判定値が小さくなるように設定される。これにより酸素のリーク分を相殺して、触媒18下流側の排気ガスがリッチ、あるいはリーンとなっていることを正しく検出することができる。また、例えば、出力平均値VOXSAVEに対する判定値であるリーン側の基準出力をある程度小さく設定し、より大きなリークのみを検出することとして、故障の判断を行い酸素センサ22の使用を中止することもできる。
図6は、この発明の実施の形態1においてECU24が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図6のルーチンでは、まず、前提条件が成立しているか否が判定される(ステップS102)。ここでは、内燃機関10が十分に暖機し、酸素センサ22が活性温度に達していること、酸素センサ22の故障が検出されていないこと、触媒18の所定レベル以上の劣化が検出されていないことなど、通常、内燃機関10を正常に運転し、触媒18や酸素センサ22を正常に機能させるために要求される条件等が整っているか否かが判定される。
次に、実行条件の成立が認められるか否かが判定される。具体的に、まず、条件C、Dが成立しているか否かが判定される(S104)。即ち、内燃機関10がアイドル運転状態であり、吸入空気量Gaが基準範囲内(ここでは、吸入空気量Ga≦5[g/s]以下)であるか否かが判定される。この条件の成立により、酸素センサ22のガスシール部52からのリークの影響が検出されやすい運転状態であるか否かが確認される。次に、現在燃料カット運転中であるか否かが判定される(S106)。これにより、排気ガスがリーンな状態となる運転条件となっているか否かが確認される。ステップS102、S104及びS106の条件の成立が認められない場合には、酸素センサ22の劣化有無の判定が適切に行われる条件が成立していないため、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS106において、燃料カット運転中であることが認められると、次に、燃料カット運転の継続時間が、規定時間Tf/c以上となっているか否かが判定される(S108)。この条件の成立が認められない場合には、S108において燃料カット運転の継続時間が規定時間Tf/c以上であることが認められるまで、ステップS106の燃料カット中であるか否かの確認と継続時間の判定が繰り返し実行される。この間、燃料カット運転でなくなったことが認められると、ステップS106の条件が不成立となり、今回の処理が終了する。
一方、ステップS108の条件の成立により、上記条件Aの成立、即ち燃料カット運転が規定時間Tf/c以上継続していることが認められる。これにより、触媒18が最大酸素吸蔵状態に達し、触媒18下流側にはリーンな排気ガスが流出する状態となっていることが確認される。
ステップS108において、燃料カット運転の継続時間が規定時間Tf/c以上となったことが認められた場合、次に、空燃比の制御目標値をリッチ目標空燃比A/Frichとして、リッチ制御が開始される(S110)。これにより、触媒18に流入する排気ガスがリッチになり、触媒18下流側に排出される排気ガスは、リーンな状態から理論空燃比に変化する状態となる。
次に、リッチ制御開始後、所定の基準時間Trichが経過したか否かが判定される(S112)。ここではリッチ制御開始後、触媒18下流に排出される排気ガスが理論空燃比になるまでの間のタイムラグ等を考慮して、酸素センサ22の出力がリーン段差出力になるまでの間、酸素センサ22の出力が検出されないようにしている。従って、ステップS112において所定の基準時間Trichの経過が認められない場合には、ステップS112において基準時間Trichの経過が認められるまでの間、リッチ制御が続けられた状態で維持される。
一方、ステップS112において、基準時間Trichの経過が認められると、酸素センサ22の出力が検出される(S114)。このとき、酸素センサ22の出力は、酸素センサ22に劣化が発生していない場合、触媒18で浄化された理論空燃比近傍の排気ガスに応じたものとなるが、リーンな状態から過渡的に変化する状態での出力となっているため、直前のリーン空燃比に影響を受けたリーン段差出力となる(図4参照)。
次に、酸素センサ22の出力のモニターが完了したか否かが判定される(S116)。具体的には、後述するステップにおいて、リーン段差出力の平均値を演算するため、所定の回数、酸素センサ22のリーン段差出力が検出されたか否かが判定される。リーン段差出力の検出回数は、予め定められてECU24に記憶されている。ステップS116において、モニターの完了が認められない場合には、モニター完了が認められるまで、ステップS114に戻り、必要なタイミングで酸素センサ22の出力が繰り返し検出される。
ステップS116において酸素センサ22の出力のモニター完了が認められると、次にリーン段差出力の出力平均値VOXSAVEが演算される(S118)。その後、リーン段差出力の出力平均値VOXSAVEに基づいて、マップに従って、理論空燃比に対応する酸素センサ22の出力である中央値a、及び空燃比制御において用いられる酸素センサ22のリーン判定値Lotgt、リッチ判定値Hitgtが設定され(S120)、この中央値a、リーン判定値Lotgt及びリッチ判定値Hitgtが、ECU24に記憶される(S122)。その結果、新たに設定された酸素センサ22の判定値に応じて、触媒18下流側に流出する排気ガスがリーンとなっているか、リッチとなっているかが判定される。
以上説明したように、実施の形態1によれば、酸素センサ22の劣化の有無を、燃料カット運転から、通常の燃料噴射運転に移行する過程のなかで、確実に判定することができる。
なお、例えば、実施の形態1において、燃料カット運転を行うことで、この発明の「第1空燃比制御手段」が実現し、その後、リッチ制御を行うことで「第2制御手段」が実現する。また、図6のステップS114が実行されることで、この発明の「変化出力検出手段」が実現し、ステップS120〜S122が実行されることで「劣化判定手段」が実現し、ステップS110が実行されることで「経過時間判定手段」が実現し、ステップS118が実行されることで「演算手段」が実現し、ステップS120が実行されることで「出力設定手段」が実現する。
なお、実施の形態1では、燃料カット運転から、燃料噴射運転に移行する場合に、酸素センサ22の劣化判定を行う場合について説明した。しかし、酸素センサ22の劣化判定は、必ずしもこのタイミングで行うものに限らず、例えば、目標空燃比をリーン側からリッチ側の空燃比に切り替えるような空燃比制御において、適用することができる。この場合にも、目標空燃比がリーン側に制御されてから十分に時間が経過するように条件を設定すればよい。これにより、触媒18下流側の排気ガスが一度リーンになり、その後リッチ側に制御されることで触媒18下流側の排気ガスは理論空燃比近傍に安定する。従って、燃料カット運転の場合と同様に、リーン制御における目標空燃比やその制御時間、リッチ制御における目標空燃比とその制御時間等を予め実験等により求めて設定しておけば、同様の制御を実行することができる。
また、この発明は、触媒18上流の排気ガスの空燃比がリーンからリッチに変化する場合に限るものでもない。空燃比が十分にリッチ側にされた後、リーン目標空燃比に制御されると、触媒18の浄化作用により触媒18下流の排気ガスはしばらくの間、理論空燃比近傍に安定する。この間、酸素センサ22はリッチ出力よりも僅かに小さいリッチ段差出力を定常的に発する。このリッチ段差出力の値は、排気ガスの酸素濃度に応じたものであり、従って、大気のリークによって、排気ガスに大気が混入している場合にはリッチ段差出力は小さくなる。従って、リーンからリッチに変化する場合と同様に、リッチからリーンに変化する場合にも、触媒18下流に排出される排気ガスが理論空燃比近傍に安定した段階でリッチ段差出力の出力平均値を求めることで、酸素センサ22の劣化検出を行うことができる。
ただし、リッチ側からリーン側への変化を検出する場合、燃料カット時のように、目標空燃比の値を明確に定め、上記の実行条件A〜Dのような安定してリークを検出できるような条件を定めることは困難である。このため、燃料リッチの場合、そのリッチな度合いを特定することが困難であり、また、それに対する酸素リークの影響を特定することは困難となる。従って、より正確な劣化判定のためには、リーンからリッチへの空燃比変化時の劣化検出を行うことがより望ましい。
また、上記の実行条件B〜Dについても、この発明を限定するものではない。条件A〜Dは、より高い精度で劣化の判定を行うために設定された条件である。しかしながら、例えば、条件Bのリッチ目標空燃比は13.5程度と例示したが、この値に限定されるものではなく、触媒18の浄化性能や、あるいは燃料の性状等を考慮して適切な空燃比に設定することができる。ただし、リーン段差出力を検出する場合には、リーン側からリッチ側の目標空燃比への切り替えが必要であり、リッチ段差出力を検出する場合には、リッチ側からリーン側への目標空燃比の切り替えが必要となる。これについては、後述の実施の形態2についても同様である。
また、アイドル運転状態であること(条件C)や吸入空気量が所定の範囲内であること(条件D)を条件とする場合について説明したが、この発明はこの条件に限定されるものではない。これらの条件はより高い精度で大気のリークを検出するために設定したものであるが、他の条件の設定により気密性低下による大気のリークを検出しやすい状態としてもよく、あるいは、そのような条件が特別に設定されているものでなくてもよい。これについては、後述の実施の形態2についても同様である。
また、実施の形態1では、リッチ制御開始後、基準時間Tf/c経過が認められた後、リーン段差出力の検出を開始する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、リッチ制御開始後、直ちにリーン段差出力の検出を行うものであってもよい。また、例えば、リッチ制御開始後直ちに、酸素センサ22の出力を検出し、出力がリーン側基準値Vlean以上(初期中央値>Vlean>Lotgt)以上となったか否かを判定し、出力が、リーン側基準値Vlean以上となったことが認められた場合に、リーン段差出力を検出するようにすることもできる。なお、このような制御において、リッチ制御開始後に検出される酸素センサ22の出力が、リーン側基準値Vrich以上であるか否かが判定されることで、この発明の「センサ出力判定手段」が実現する。また、リッチ側からリーン側に空燃比を変化させる場合も同様である。つまり、リーン制御開始後、酸素センサ22の出力がリッチ側基準値(初期中央値<Vrich<Hitgt)以下となったか否かを判定し、出力が、リッチ側基準値Vrich以下となったことが認められた場合に、リッチ段差出力を検出すればよい。なお、このような制御において、リーン制御開始後に検出される酸素センサ22の出力が、リッチ側基準値Vrich以下であるか否かが判定されることで、この発明の「センサ出力判定手段」が実現する。これについては、実施の形態2についても同様である。
また、実施の形態1では、リーン段差出力を、所定の回数繰り返し検出し、その出力平均値に基づいて、劣化判定、あるいは判定値Lotgt、Hitgtを設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、リーン段差出力(又はリッチ段差出力)の検出時間を設定して、その検出時間の間、繰り返し検出するようにしてもよい。あるいは、リーン段差出力として検出されるべき出力の上限を、例えば、リークの発生していない初期の酸素センサ22のリーン段差出力よりも僅かに大きな値に設定し、この値よりもリーン段差出力が小さくなっている場合に、リーン段差出力の検出を繰り返し、検出された出力に基づいて、出力平均値を求めるものとしてもよい。同様に、リッチ段差出力を検出する場合にも、リッチ段差出力として検出されるべき出力の下限を設定して、繰り返し出力を検出するものとしてもよい。またこの発明は、このように出力平均値VOXSAVEを求めるものに限らず、リーン段差出力(又はリッチ段差出力)の一度の検出値に基づいて、劣化判定あるいは判定値Lotgt、Hitgtの設定を行うこととしてもよい。これについては実施の形態2についても同様である。
また、実施の形態1においては、リーン段差出力後に出力平均値VOXSAVEを求めて、劣化検出を行う場合や、リーン判定値Lotgt、リッチ判定値Hitgtの設定を行う場合について説明した。しかし、この発明において、リーン段差出力(又はリッチ段差出力)に基づくリークの検出時において行う処理は、実施の形態1に説明したものに限るものではなく、他の処理を行うこととしてもよい。これについては実施の形態2についても同様である。
また、実施の形態1においては、酸素センサ22が触媒18下流側に配置されている場合の制御について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、酸素センサ22が例えば触媒18上流側に配置されている場合にも適用することができる。しかしながら、リーン段差出力(又はリッチ段差出力)は、酸素センサ22の出力がリーン出力(又はリッチ出力)となった後で、一度、理論空燃比近傍に安定した状態で検出される必要がある。従って、酸素センサ22が触媒18の上流側に配置される場合には、リーン出力(又はリッチ出力)が発せられた後、一定時間、空燃比を理論空燃比に制御して、この状態において、酸素センサ22の出力を検出すればよい。なお、この制御の場合、理論空燃比に制御することで、この発明の「第2空燃比制御手段」が実現し、このときの酸素センサ22の出力を検出することで「理論空燃比出力検出手段」が実現する。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは、実施の形態1のシステムと同様の構成を有している。実施の形態2のシステムは、触媒18の劣化判定中に酸素センサ22の劣化判定を行う点を除き、実施の形態1と同様の制御を行う。
[触媒の劣化判定制御について]
上記のように触媒18は、HC、CO等の未燃成分を含むリッチな排気ガス中に酸素を放出し、また、NOx等を含むリーンな排気ガス中の過剰酸素を吸蔵することで、排気ガスの浄化を図る。従って、触媒18の浄化能力は、最大限放出あるいは吸蔵することができる酸素量である酸素吸蔵容量により決定される。つまり、触媒18の浄化能力は、その酸素吸蔵容量が減少するにつれて低下することとなる。そこでこのシステムでは、酸素吸蔵容量を検出し、その検出値に基づいて触媒18の劣化判定を行う制御が実行される。
具体的に、まず、酸素吸蔵容量検出中は、内燃機関10に供給される混合気の空燃比がリッチ目標空燃比又はリーン目標空燃比になるように強制的に制御される。以下、酸素吸蔵容量検出の際に行われる混合気の空燃比の制御を「空燃比強制制御」と称することとする。
空燃比強制制御中、内燃機関10の目標空燃比がリッチ目標空燃比A/Frichに設定されている間は、触媒18には、HCやCOなどの未燃成分を含む酸素不足の排気ガスが供給される。このような排気ガスが供給されると、触媒18は吸蔵している酸素を放出して、HCやCOを酸化することで排気ガスを浄化しようとする。そして、長期に渡ってその状態が継続されると、やがて触媒18は全ての酸素を放出して、もはやHCやCOを酸化できない状態、すなわち、最小酸素吸蔵状態となる。
触媒18が最小酸素吸蔵状態に達すると、触媒18の内部では排気ガスが浄化されなくなる。このため触媒18の下流側にリッチな排気ガスが流出し始める。その結果、酸素センサ22の出力は、リッチ判定値Hitgtより大きなリッチ出力となる。従って、酸素センサ22の出力を観察することで、触媒18が最小酸素吸蔵状態に達した時期が判断される。
酸素センサ22の出力がリッチ出力を発し、最小酸素吸蔵状態が検出されると、内燃機関10の目標空燃比は強制的にリーン目標空燃比A/Fleanに切り替えられる。空燃比がリーンに制御されると、触媒18にリーンな排気ガスが流入し始める。リーンな排気ガスが流入している間、触媒18は排気ガス中の過剰な酸素を吸蔵して、NOxを還元することでその浄化を図る。この状態が長期に渡って継続されると、やがて、酸素吸蔵容量一杯に酸素を吸蔵し、もはやNOxを還元できない状態、すなわち、最大酸素吸蔵状態となる。
この状態となると、以後、触媒18の下流側には、リーンな排気ガスが流出し始め、酸素センサ22の出力はリーン判定値Lotgtより小さなリーン出力となる。従って、酸素センサ22の出力を観察することで、触媒18の下流に酸素過多な排気ガスが流れる時期、すなわち、触媒18が最大酸素吸蔵状態に達した時期が判断される。
酸素センサ22の出力が、リーン出力を発し最大酸素吸蔵状態が検出されると、内燃機関10の目標空燃比は、再び、強制的にリッチ目標空燃比に切り替えられる。触媒18は、吸蔵した酸素を放出することで流入するリッチな排気ガスを酸化させ、その後、最小酸素吸蔵状態に達する。
上記の処理の結果、触媒18が酸素を放出しきった状態(最小酸素吸蔵状態)と、酸素吸蔵容量一杯に酸素を吸蔵した状態(最大酸素吸蔵状態)とが繰り返し実現される。この最小酸素吸蔵状態と最大酸素吸蔵状態とから、最小酸素吸蔵状態から最大酸素吸蔵状態へ状態が変化する過程(酸素吸蔵期間)の酸素吸蔵量、及び、最大酸素吸蔵状態から最小酸素吸蔵状態へ状態が変化する過程(酸素放出期間)の酸素吸蔵量が求められる。なお、以下、酸素が吸蔵される場合を正、酸素が放出される場合を負として、それらの酸素量を何れの場合も酸吸蔵量と称する。その後、酸素吸蔵容量が所定の判定値より大きいか否かに基づいて、触媒18が正常であるか、あるいは、劣化しているかが判断される。
[空燃比強制制御実行時の酸素センサの劣化検出]
ところで、上記のような触媒18の劣化判定時の空燃比強制制御時に、空燃比がリーン制御され触媒18が最大酸素吸蔵状態に達すると、触媒18下流側に排出される排気ガスはリーンとなる。酸素センサ22がリーン出力を発すると、目標空燃比がリッチ目標空燃比A/Frichに強制的に切り替えられ、リッチ制御が開始される。このとき触媒18は最大酸素吸蔵状態となっているため、リッチな排気ガスが触媒18内に流入すると、吸蔵された酸素が放出され排気ガスが浄化される。従って、触媒18下流側の排気ガスは理論空燃比近傍に一旦安定する。
このように、空燃比強制制御中、酸素センサ22側に流れる排気ガスは、リーンな状態から、一度、理論空燃比近傍に安定し、触媒18が最小酸素吸蔵状態になった後でリッチに変化する。従って、酸素センサ22に到達する排気ガスは、実施の形態1のように、燃料カット運転から目標空燃比をリッチ目標空燃比に切り替えた場合と同様の挙動を示す(図4参照)。つまり、排気ガスがリーンな状態を示している間、酸素センサ22出力はリーン出力(≦Lotgt)側に振れるが、その後、リッチ制御に切り替えられた後、排気ガスが理論空燃比近傍に保たれると、リーン判定値Lotgtよりも僅かに大きなリーン段差出力を発する。その後、排気ガスがリッチな状態に達すると酸素センサ22の出力は急変してリッチ出力を示す。
また、上述したように、酸素センサ22の劣化によるリークが発生している場合、排気ガスが理論空燃比近傍に浄化されていても、その浄化された排気ガスに大気が混入することとなるため、酸素センサ22は理論空燃比よりもリーンな排気ガス空燃比に応じた出力を発することとなる。つまり、リーン段差出力が、正常な酸素センサ22のリーン段差出力よりも小さなものとなる。
従って、触媒18が最大酸素吸蔵状態に達した後、最小酸素吸蔵状態に達するまでの過程で、酸素センサ22のリーン段差出力を検出することで、実施の形態1のシステムと同様に酸素センサ22の劣化検出を行うことができる。
具体的な、酸素センサ22の劣化の有無を判定は、実施の形態1と同様の制御に行うことができる。ただし、触媒18の劣化判定中に劣化判定を行うため、上記の条件A〜Dに代えて、下記の条件a〜dの成立が必要とされる。
(条件a) 内燃機関10の触媒劣化判定のための空燃比強制制御中であること。
(条件b) 触媒18が、最大酸素吸蔵状態に達し、空燃比目標値がリッチ側に切り替えられたこと。
(条件c) アイドル運転状態であること。
(条件d) 吸入空気量が所定の範囲内(例えば、吸入空気量Ga≦5[g/s]以下)であること。
このような条件の下で、リーン段差出力が、触媒18の劣化判定中に繰り返し検出され、その出力平均値VOXSAVEが求められる。このリーン段差出力の出力平均値VOXSAVEが、基準の出力よりも小さい場合に、酸素センサ22の劣化の判定を行う。また、実施の形態2においても、ECU24には図5に示すマップが記憶されている。酸素センサ22のリーク判定後、リーク段差出力平均値VOXASAVEに応じて、酸素センサ22のリッチ側のリッチ判定値Hitgtと、リーン側のリーン判定値Lotgtとが設定され、記憶される。それにより、酸素センサ22の出力がリッチ判定値に達したか否かに基づいてリッチ判定が行われ、リーン判定値に達したか否かに基づいてリーン判定が行われる。このマップでは、リーク量が多い場合、即ち、リーン段差出力の平均値が小さい場合程、酸素センサ22のリッチ、リーン判定値が小さくなるように設定される。従って、酸素のリーク分を相殺して、触媒18下流側の排気ガスがリッチ、あるいはリーンとなっていることを正しく検出することができる。
以上説明したように、この実施の形態2においては触媒18の劣化判定と、酸素センサ22の劣化判定を同時に行うことができる。内燃機関10から排出される排気ガスは、まず触媒18で浄化される。従って、常に適正な排気ガスの浄化能力を発揮させるためには、特に、触媒18の劣化を速やかに検知することが必要となる。また、上記のように空燃比強制制御においてリッチまたはリーンを切り替える時期は、酸素センサ22の出力に基づいて判断される。従って、酸素センサ22の出力にズレが発生すると、より長い時間に渡って、リッチあるいはリーンに偏った排気ガスが排気間16の下流側にそのまま排出されることになる。このため、空燃比強制制御時におけるリッチ又はリーンへのズレを早い段階で検出できることが望ましい。この点、実施の形態2によれば、両者を共に実現することができ、排気ガスエミッションを低減することができる。
なお、実施の形態2において、最小酸素吸蔵状態と最大酸素吸蔵状態とを繰り返し実現し、最小酸素吸蔵状態から最大酸素吸蔵状態へ状態が変化する過程(酸素吸蔵期間)の酸素吸蔵量、又は最大酸素吸蔵状態から最小酸素吸蔵状態へ状態が変化する過程(酸素放出期間)の酸素吸蔵量を検出することで、この発明の「酸素吸蔵量検出手段」が実現し、この酸素吸蔵量に基づいて触媒18の劣化を判定することで「触媒劣化手段」が実現する。
また、実施の形態2において、最大酸素吸蔵状態からリッチ制御を行う過程で検出されるリーン段差出力に基づいて、酸素センサ22の劣化を検出する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、最小酸素吸蔵状態からリーン制御を行う過程で検出されるリッチ段差出力に基づいて、酸素センサ22の劣化を検出するようにしてもよい。
また、触媒18の劣化検出においては、最小酸素吸蔵状態と最大酸素吸蔵状態が繰り返し実現される。従って、最大酸素吸蔵状態から最小酸素吸蔵状態に変化する過程において毎回、1又は2以上のリーン段差出力を検出して、その出力平均値を演算することとしてもよく、一度の変化の過程においてのみ、複数回、リーン段差出力を検出して、この出力平均値を演算することとしてもよい。リッチ段差出力を検出する場合についても同様である。
この発明の実施の形態1における空燃比センサを説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における空燃比センサについて説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における空燃比センサの出力特性について説明するための図である。 この発明の実施の形態1における空燃比センサの出力特性について説明するための図である。 この発明の実施の形態1において設定される酸素センサの出力と空燃比制御目標値との関係を定めた図である。 この発明の実施の形態1においてECUが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気管
14 燃料噴射弁
16 排気管
18 触媒
20 空燃比センサ
22 酸素センサ
24 ECU
30 センサ素子
32 多孔質保護層
34 排気側電極
36 固体電解質層
38 大気側電極
40 大気室
42 ヒータ
44 カバー
46 ハウジング
52 ガスシール部
54 金属パッキン
56 タルク材
58 絶縁ガラス
60 かしめ用金属リング

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に搭載された触媒の下流側に搭載される酸素センサの劣化検出装置であって、
    前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素過多の状態を示すリーン出力となるように、又は、前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素不足の状態を示すリッチ出力となるように、空燃比を制御する第1空燃比制御手段と、
    前記酸素センサの出力が前記リーン出力となった後、目標空燃比をリッチ目標空燃比に設定して空燃比のリッチ制御を実行し、又は、前記酸素センサの出力が前記リッチ出力となった後、目標空燃比をリーン目標空燃比に設定して空燃比のリーン制御を実行する第2空燃比制御手段と、
    前記リッチ制御開始から、前記酸素センサの出力が前記リッチ出力となる前までの第1変化期間の間、又は、前記リーン制御開始から、前記酸素センサの出力が前記リーン出力となる前までの第2変化期間の間に、前記酸素センサの出力を検出する変化出力検出手段と、
    前記変化出力検出手段により検出された前記酸素センサの出力に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無を判定する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする酸素センサの劣化検出装置。
  2. 前記第1空燃比制御手段は、前記酸素センサの出力が前記リーン出力となるようにする場合は、前記内燃機関への燃料の供給を停止して燃料カット運転を実施することを特徴とする請求項1に記載の酸素センサの劣化装置。
  3. 前記第1変化期間に前記触媒から放出される酸素量、又は、前記第2変化期間に前記触媒に吸蔵される酸素量を、酸素吸蔵量として検出する酸素吸蔵量検出手段と、
    前記酸素吸蔵量に応じて、前記触媒の劣化を判定する触媒劣化判定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサの劣化検出装置。
  4. 前記第2空燃比制御手段による前記リッチ制御開始又は前記リーン制御開始から、連続して前記リッチ制御又は前記リッチ制御が行われている間の経過時間が、基準時間以上となっているか否かを判定する経過時間判定手段を備え、
    前記変化出力検出手段は、前記経過時間が前記基準時間以上となっていることが認められた場合に、前記第1変化期間又は前記第2変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の酸素センサの劣化検出装置。
  5. 前記第2空燃比制御手段による前記リッチ制御開始の後、前記酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも小さく、前記リーン出力よりも大きな、所定のリーン側基準値以上であるか否かを判定するセンサ出力判定手段を備え、
    前記変化出力検出手段は、前記酸素センサの出力が前記リーン側基準値以上であることが認められた場合に、前記第1変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の酸素センサの劣化検出装置。
  6. 前記第2空燃比制御手段による前記リーン制御開始の後、前記酸素センサの出力が、理論空燃比に対応するセンサ出力である基準出力よりも大きく、前記リッチ出力よりも小さな、所定のリッチ側基準値以上であるか否かを判定するセンサ出力判定手段を備え、
    前記変化出力検出手段は、前記酸素センサの出力が前記リッチ側基準値以上であることが認められた場合に、前記第2変化期間における前記酸素センサの出力の検出を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の酸素センサの劣化検出装置。
  7. 前記変化出力検出手段は、前記第1変化期間及び前記第2変化期間のいずれかの期間に、前記酸素センサの出力を繰り返し検出し、
    前記酸素センサの出力平均値を演算する演算手段を更に備え、
    前記劣化判定手段は、前記出力平均値に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無の判定を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の酸素センサの劣化検出装置。
  8. 前記第1変化期間又は前記第2変化期間の間に検出された前記酸素センサの出力に応じて、前記リーン出力及び前記リッチ出力を設定する出力設定手段、を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の酸素センサの劣化検出装置。
  9. 内燃機関の排気通路に搭載される酸素センサの劣化検出装置であって、
    前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素過多の状態を示すリーン出力となるように、又は、前記酸素センサの出力が、排気ガスの空燃比が酸素不足の状態を示すリッチ出力となるように、空燃比を制御する第1空燃比制御手段と、
    前記酸素センサの出力が前記リーン出力又はリッチ出力となった後、目標空燃比を理論空燃比に設定して理論空燃比制御を実行する第2空燃比制御手段と、
    前記理論空燃比制御中に、前記酸素センサの出力を検出する理論空燃比出力検出手段と、
    前記理論空燃比出力検出手段により検出された前記酸素センサの出力に基づいて、前記酸素センサの劣化の有無を判定する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする酸素センサの劣化検出装置。
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