JP2008121210A - 木造家屋における冷暖房システム - Google Patents

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JP2008121210A JP2006303568A JP2006303568A JP2008121210A JP 2008121210 A JP2008121210 A JP 2008121210A JP 2006303568 A JP2006303568 A JP 2006303568A JP 2006303568 A JP2006303568 A JP 2006303568A JP 2008121210 A JP2008121210 A JP 2008121210A
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Abstract

【課題】効果的な冷暖房効果を与えることができる木造家屋における冷暖房システムを提供する。
【解決手段】木造家屋の床下空間に暖房手段としての温水パイプを設けると共に、屋根裏空間に冷房手段としてのエアコンを設け、断熱材による断熱層を外壁と内壁との間に配するに際して内壁と断熱層との間に通気層を形成し、この通気層の下端を前記暖房手段を設けた床下空間と連通させると共にその上端を前記冷房手段を設けた屋根裏空間に連通させる。暖房時、温水パイプからの暖気は床暖房に用いられると共に、この暖気が通気層を介して壁内を上昇して壁暖房が行われるので、室内空間の垂直温度分布が実質的に一定になる。冷房時は、エアコンからの冷気を部屋に送り込むことで該居室の冷房が行われると共に、この冷気が通気層を介して壁内を下降して壁冷房が行われるので、室内温度の垂直温度分布が実質的に一定になる。
【選択図】図1

Description

本発明は木造家屋における冷暖房システムに関する。
木造家屋においては、冷房用にエアコン、扇風機、冷風ファンなどが用いられ、暖房用にエアコン、電気式・温水式などの床暖房、灯油・ガス・電気などを熱源とするファンヒーター(FFファンヒーターを含む)やストーブ、こたつ、電気カーペットなどが用いられている。
また、外壁通気工法と呼ばれるものが広く普及している。この外壁通気工法による木造家屋構造は、図3および図4に示すように、グラスウールなどの断熱材を充填した断熱層1を、外壁2との間に通気層4のための隙間を配して、外壁2と内壁3との間に介在させた壁構造を有しており、通気層4は外壁2の下端および上端(軒裏6)で開口している。このような家屋構造によれば、夏季に外気により外壁2が暖められても、通気層4を上昇する空気によって遮断され、断熱層1はごく僅かな輻射熱を受けるだけとなるので、室内温度の過度の上昇を防ぐことができる。
しかしながら、前述のような冷暖房機器を季節に応じて室内に設置することは簡便な方策ではあるが、室内の見栄えを悪くすると共に室内スペースを犠牲にし、不要な季節には収納スペースを必要とする。エアコンは冷暖房に共用することができるが、特に寒冷地の冬期などではエアコンだけでは十分な暖房効果を得ることができず、且つ、コスト高となる。
また、いずれの冷暖房手段を用いるとしても、室内において暖められた空気は室内空間を上昇し、冷まされた空気は室内空間を下降していくので、室内空間の垂直温度分布を一定にすることは不可能である。これは、階段ホールやリビングルームなどを1〜2階に亘る吹き抜け空間とした場合には特に顕著となり、場合によっては床上付近と天井付近とで10℃以上もの温度差が生じてしまう
外壁通気工法は前述の作用を介して夏季の遮熱には有効であるが、室内温度の急激な上昇を抑えることはできても、冷房効果を与えるものではない。また、冬期は通気層4を上昇する空気自体も低温となっているので、通気層4による保温効果を期待することはできず、断熱層1の断熱材が持つ保温作用に止まり、暖房にはほとんど働かない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、特に寒冷地、とりわけ一年の間の寒暖の差が激しい山形地方などにおいても効果的な冷暖房効果を与えることができる木造家屋における冷暖房システムを提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る発明は、木造家屋の床下空間に暖房手段を設けると共に屋根裏空間に冷房手段を設け、断熱材による断熱層を外壁と内壁との間に配するに際して内壁と断熱層との間に通気層を形成し、この通気層の下端を前記暖房手段を設けた床下空間と連通させると共にその上端を前記冷房手段を設けた屋根裏空間に連通させ、必要に応じて暖房手段による暖気を通気層を介して壁内を上昇させ、または冷房手段による冷気を通気層を介して壁内を下降させることにより、室内空間の垂直温度分布を実質的に一定にした冷暖房を可能にしたことを特徴とする、木造家屋における冷暖房システムである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の木造家屋における冷暖房システムにおいて、前記暖房手段が床下空間に通した温水パイプであって、該温水パイプからの暖気で床暖房を行うと共に暖気を通気層に上昇させて壁暖房を行うことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の木造家屋における冷暖房システムにおいて、前記冷房手段が屋根裏空間に設置したエアコンであって、該エアコンからの冷気を必要な部屋に送り込んで該部屋の冷房を行うと共に冷気を通気層に下降させて壁冷房を行うことを特徴とする。
本発明によれば、木造家屋の床下空間に暖房手段を設けると共に屋根裏空間に冷房手段を設け、断熱材による断熱層を外壁と内壁との間に配するに際して内壁と断熱層との間に通気層を形成し、この通気層の下端を前記暖房手段を設けた床下空間と連通させると共にその上端を前記冷房手段を設けた屋根裏空間に連通させた構成としているので、暖房時には、温水パイプからの暖気が床暖房に用いられると共に、この暖気が通気層を介して壁内を上昇して壁暖房が行われ、冷房時には、エアコンからの冷気が居室に送り込まれて各居室の冷房が行われると共に、この冷気が通気層を介して壁内を下降して壁冷房が行われるので、いずれの場合も室内温度の垂直温度分布を実質的に一定にすることができる。
したがって、特に寒冷地、とりわけ一年の間の寒暖の差が激しい山形地方などにおいても効果的な冷暖房効果を与えることができる。
以下、図3を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。図3において、符号10は木造家屋、11は基礎、12は床、13は屋根、14は軒裏を示す。
この木造家屋10の壁構造は、外壁15と内壁16との間にグラスウール、ロックウールなどの断熱材よりなる断熱層17を設けているが、外壁通気工法の壁構造とは異なり、内壁16と断熱層17との間に通気層18が形成され、その下端は床下空間19に通じており、その上端は屋根裏空間20に通じている。
床下空間19には暖房手段としての温水パイプ21が設置されている。温水パイプ21は従来の温水式床暖房に用いられるものと同様であって良く、ガスボイラーなどの熱源(図示せず)によって熱せられた温水を循環させることができる。この温水は、室内に設置したパネルヒーター22にも供給される。
屋根裏空間20には冷房手段としてのエアコン23が設置されている。エアコン23は冷気を直接屋根裏空間20に放出すると共に、配管24を介してリビングルームや寝室、書斎などの冷房を必要とする部屋に冷気を送り込むことができるようになっている。
以上のように構成された木造家屋における冷暖房システムの作用について説明すると、冬季などにおいて暖房を必要とする場合は、前記ガスボイラーなどの熱源をONにして床下空間19の温水パイプ21に温水を循環させる。温水パイプ21からの暖気によって床12が暖められ、伝導熱および輻射熱によって室内を効果的に暖房する。必要に応じてパネルヒーター22による暖房も行われる。さらに、床下空間19は壁内の通気層18に連通しているので、温水パイプ21からの暖気は、矢印Aで示されるように床下空間19から通気層18に入り込み、通気層18内を天井に向けて上昇していく。これにより壁暖房の作用が発揮されるので、床から天井までの垂直温度分布がほぼ一定となって、室内全体を満遍なく且つ均一に暖房することができる。
一方、夏季などにおいて冷房を必要とする場合は、屋根裏空間20に設置したエアコン23をONにする。エアコン23からの冷気は配管24を介して部屋に送り込まれて該部屋を冷房するが、同時に、屋根裏空間20にも冷気が放出される。そして、前述のように屋根裏空間20は壁内の通気層18に連通しているので、エアコン23から屋根裏空間20に放出された冷気は、矢印Bで示されるように屋根裏空間20から通気層18に入り込み、通気層18内を床下空間19に向けて下降していく。これにより壁冷房の作用が発揮されるので、床から天井までの垂直温度分布がほぼ一定となって、室内全体を満遍なく且つ均一に冷房することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、暖房時には暖気が床下空間19から通気層18を伝って上昇して壁暖房の作用が発揮され、冷房時には冷気が屋根裏空間20から通気層18を伝って下降して壁冷房の作用が発揮されるので、いずれの場合も床から天井までの垂直温度分布がほぼ一定となって、室内全体を満遍なく且つ均一に冷暖房することができる。このため、1〜2階に亘る吹き抜け空間においても垂直温度分布をほぼ一定とした効果的な冷暖房を行うことが可能となる。
この本発明の効果を実証するため、1〜2階吹き抜けの階段ホールにおいて床上10cmから36cmおきに温度センサーを16点設置して測定すると共に、比較のために一般的な在来工法住宅(天井および壁にグラスウール100mm、床にポリエチレンフォーム25mmの断熱材を使用、暖房にはFFヒーターを使用)においても同様の温度測定を行ったところ、図2のグラフに示す結果が得られた。すなわち、在来工法住宅の場合は床付近と天井付近との間に10℃以上の温度差が生じたのに対し、本発明によれば、床から天井に至る6m近い高さ範囲においてほぼ一定の温度分布が得られた。
以上に本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲によって規定される発明の範囲内において様々な変更・変形が可能である。たとえば、本発明では壁構造として内壁と断熱材との間に通気層を設けることが必須であるが、さらに外壁と断熱材との間にも通気層を設けて従来技術と同様の外壁通気工法を同時に採用した木造家屋構造としても良い。
本発明の木造家屋構造における冷暖房システムの好適な一実施形態を概略的に示すと共にその作用を示す説明図である。 本発明の木造家屋構造における冷暖房システムの優れた効果を在来工法住宅と比較して示すグラフである。 従来技術による外壁通気工法の説明図である。 その壁構造断面図である。
符号の説明
1 断熱層
2 外壁
3 内壁
4 通気層
5 軒裏
10 木造住宅構造
11 基礎
12 床
13 屋根
14 軒裏
15 外壁
16 内壁
17 断熱層
18 通気層
19 床下空間
20 屋根裏空間
21 温水パイプ
22 パネルヒーター
23 エアコン
24 配管
A 暖気の流れ
B 冷気の流れ

Claims (3)

  1. 木造家屋の床下空間に暖房手段を設けると共に屋根裏空間に冷房手段を設け、断熱材による断熱層を外壁と内壁との間に配するに際して内壁と断熱層との間に通気層を形成し、この通気層の下端を前記暖房手段を設けた床下空間と連通させると共にその上端を前記冷房手段を設けた屋根裏空間に連通させ、必要に応じて暖房手段による暖気を通気層を介して壁内を上昇させ、または冷房手段による冷気を通気層を介して壁内を下降させることにより、室内空間の垂直温度分布を実質的に一定にした冷暖房を可能にしたことを特徴とする、木造家屋における冷暖房システム。
  2. 前記暖房手段が床下空間に通した温水パイプであって、該温水パイプからの暖気で床暖房を行うと共に暖気を通気層に上昇させて壁暖房を行うことを特徴とする、請求項1記載の木造家屋における冷暖房システム。
  3. 前記冷房手段が屋根裏空間に設置したエアコンであって、該エアコンからの冷気を必要な部屋に送り込んで該部屋の冷房を行うと共に冷気を通気層に下降させて壁冷房を行うことを特徴とする、請求項1または2記載の木造家屋における冷暖房システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102563755A (zh) * 2011-12-15 2012-07-11 广州汇安科技有限公司 地板下送风节能空调系统及其控制方法

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