JP2008120746A - ペプチドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ACE阻害活性を有するペプチドの製造を容易化する。
【解決手段】脱水ケーキX3に対して水熱反応処理を行う水熱反応処理工程と、該水熱反応処理工程にて得られる水熱反応処理液X4からACE(アンジオテンシンI変換酵素)阻害活性を有するペプチドを分離する分離工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペプチドの製造方法に関するものであり、特に、ACE(アンジオテンシンI変換酵素)阻害活性を有するペプチドの製造方法に関するものである。
馬鈴薯澱粉製造工場等から排出される蛋白質を含む廃液は、様々な方法による水処理を行った後に河川に放流されているが、近年、この廃液中に含まれる蛋白質を利用することによって、廃液中の蛋白質を有効利用するとともに廃液の処理コストを低減させる試みがなされている。
例えば、非特許文献1には、馬鈴薯澱粉製造工場から排出される廃液であるデカンタ汁液に含まれる蛋白質から、ACE阻害活性を有するペプチドを製造する方法が提案されている。この非特許文献1によって提案された方法によれば、まず、廃液を濃縮することによって析出された残渣をろ過後に熱風乾燥する。そして、乾燥された残渣に蒸留水を加え、攪拌後NaOHを用いてpH6.5に調整し、加熱殺菌後(95℃達温)70℃まで冷却し、アマノAD(天野製薬製)を添加し1時間攪拌する。続いて、55℃に温度を調整しアルカラーゼ(登録商標)0.6Lを添加し4時間攪拌し、さらに50℃に温度を調整しフレーバーザイムL(ノボノルディスク製)を添加し20時間攪拌しながら加水分解を行う。反応終了後98℃で30分間酵素の加熱失活を行い、放冷後イオン交換樹脂を用いて精製、さらにろ過を行い、電気透析により脱塩し、凍結乾燥してペプチドを精製している。そして、この精製されたペプチドからACE阻害活性を有するペプチドを分離することによって、ACE阻害活性を有するペプチドを製造する。
「ばれいしょ澱粉工場廃液からの新規機能性食材の開発(平成12年度)」 研究開発課 三野宮利江 大庭潔、コスモ食品株式会社 宮坂春生、帯広畜産大学地域共同研究センター 宮本啓二
しかしながら、非特許文献1にて提案されている方法では、上述のように何段階もの酵素添加、精製過程を経ることによって、ペプチドが生成されている。このため、製造工程が複雑であり、また各段階における品質管理が難しい。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ACE阻害活性を有するペプチドの製造を容易化することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、蛋白質を含む原料液あるいは該原料液に対する所定の処理によって得られる脱水ケーキに対して水熱反応処理を行う水熱反応処理工程と、該水熱反応処理工程にて得られる水熱反応処理液からACE(アンジオテンシンI変換酵素)阻害活性を有するペプチドを分離する分離工程と、を有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、原料液あるいは原料液に対する所定の処理によって得られる脱水ケーキに対して水熱反応処理を行うことによって水熱反応処理液が生成され、この水熱反応処理液からACE阻害活性を有するペプチドが分離される。
また、本発明においては、上記脱水ケーキが、上記原料液に対する加熱処理を行う加熱処理工程と、該加熱処理工程によって得られる固形分を含む固相を取り出す固液分離工程とによって得られるという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記加熱処理工程において、上記原料液を100〜110℃に加熱するという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記加熱処理工程において、上記原料液のpHを5.0〜5.5に調整するという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記水熱反応処理工程において、処理温度が160℃〜230℃、処理時間が10〜15分にて上記水熱反応処理を行うという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記脱水ケーキに対する乾燥処理を行うことによって乾燥ケーキを得る乾燥工程と、該乾燥工程にて得られた上記乾燥ケーキに加水することによって上記脱水ケーキに戻す加水工程とを有し、該加水工程によって戻された上記脱水ケーキに対して上記水熱反応処理を行うという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記原料液が、馬鈴薯のデカンタ汁液であるという構成を採用することができる。
本発明によれば、亜臨界状態あるいは超臨界状態の水を用いる水熱反応処理にて原料液あるいは脱水ケーキを水熱反応処理する。原料液あるいは脱水ケーキには蛋白質が含まれるため、当該蛋白質が水熱反応処理によって低分子化され、この結果ペプチドが生成される。つまり、水熱反応処理によって得られる水熱反応処理液にはペプチドが含まれることとなる。そして、水熱反応処理液からACE阻害活性を有するペプチドが分離される。
このように、本発明によれば、原料液あるいは脱水ケーキからペプチドを生成するために、何段階もの酵素添加、精製過程を経る必要がなく、水熱反応処理のみを行えば良い。したがって、ACE阻害活性を有するペプチドの製造を容易化することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るペプチドの製造方法の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のペプチドの製造方法を用いてACE阻害活性を有するペプチドを製造するためのペプチド製造装置S1の概略構成を示したフロー図である。なお、本実施形態においては、原料液として馬鈴薯澱粉製造工場から排出される廃液である馬鈴薯のデカンタ汁液(ポテトジュース)を用いるものとする。
この図に示すように、ペプチド製造装置S1は、脱蛋白装置1、水熱装置2、遠心分離機3、分離・精製装置4、ICリアクタ5及び活性汚泥処理設備6を備えている。
脱蛋白装置1は、供給されるデカンタ汁液X1を加熱することによって、デカンタ汁液X1に含まれる凝固性蛋白質を凝固させるものである。また、脱蛋白装置1は、固相と液相とを分離する分離機を有しており、液相である分離液X2と、凝固した蛋白質を含む固相である脱水ケーキX3とに分離して別々に排出するものである。
水熱装置2は、脱蛋白装置1から排出された脱水ケーキX3を水熱反応処理するものであり、亜臨界水あるいは超臨界水によって脱水ケーキX3に含まれる蛋白質を低分子化することによって液状のペプチドを生成するものである。そして、水熱装置2は、供給される脱水ケーキX3を水熱処理することによって得られた、ペプチドを含む水熱反応処理液X4を排出する。
遠心分離機3は、水熱装置2から排出された水熱反応処理液X4中に含まれる残渣脱水ケーキX5を除去するものである。そして、遠心分離機3は、除去した残渣脱水ケーキX5と水熱反応処理液X4とを別々に排出する。
分離・精製装置4は、遠心分離機3から排出された水熱反応処理液X4から、ACE阻害活性を有するペプチドを分離して精製するものである。そして、分離・精製装置4からは、ACE阻害活性を有するペプチドPが排出される。
ICリアクタ5は、分離液X2が脱蛋白装置1から供給され、馬鈴薯澱粉製造工場における製造過程において生成される2次デカンタ汁液X6(澱粉を加水した後に固液分離することによって得られる液相成分)及び馬鈴薯澱粉製造工場における製造過程において生成される製造処理水X7が馬鈴薯澱粉製造工場から供給される。そして、ICリアクタ5は、供給される分離液X2、2次デカンタ汁液X6及び製造処理水X7をメタン発酵するものである。ICリアクタは、供給される分離液X2、2次デカンタ汁液X6及び製造処理水X7をメタン発酵することによって得られたメタンガスGを蒸気に変換して脱蛋白装置1に戻すとともに、処理液X8を活性汚泥処理設備6に供給する。
活性汚泥処理設備6は、ICリアクタ5から供給される処理液X8に対して好気性処理を行うことによって河川等に放流可能な放流水X9を生成し、この生成した放流水X9を外部に放流するものである。
次に、このように構成されたペプチド製造装置S1を用いた本実施形態のペプチドの製造方法について説明する。
まず、馬鈴薯澱粉製造工場から排出されたデカンタ汁液X1は、脱蛋白装置1に供給される。脱蛋白装置1においては、デカンタ汁液X1に対する加熱処理が行われる(加熱処理工程)。また、脱蛋白装置1においては、加熱処理後のデカンタ汁液X1を液相である分離液X2と、加熱処理によって凝固した蛋白質を含む固相成分である脱水ケーキX3とが分離される(固液分離工程)。そして、分離液X2と脱水ケーキX3とは、別々に脱蛋白装置1から排出される。
すなわち、脱水ケーキX3は、デカンタ汁液X1に対する加熱処理と、加熱処理によって得られる固形分である凝固蛋白質を含む固相を取り出す固液分離とによって得られるものである。
なお、脱蛋白装置1におけるデカンタ汁液X1の加熱処理においては、デカンタ汁液X1を100〜110℃に加熱することが好ましい。この温度域でデカンタ汁液X1を加熱することによって、デカンタ汁液X1に含まれる凝固性蛋白の凝固を促進させることができる。また、凝固した蛋白質の分解が進み、後の工程である水熱反応処理を行った後のACE阻害活性を有するペプチドの収率を向上させることが可能となる。
また、脱蛋白装置1におけるデカンタ汁液X1の加熱処理において、塩酸等を用いてデカンタ汁液X1のpHを5.0〜5.5に調整することが好ましい。この範囲にデカンタ汁液X1のpHを調整することによって、デカンタ汁液X1に含まれる凝固性蛋白の凝固をより促進させることが可能となる。
また、上記範囲にデカンタ汁液X1のpHを調整することによって、分離液X2と脱水ケーキX3との分離効率を向上させることができ、分離液X2に残存する固形分量を減少させ、かつ、脱水ケーキX3の含水率を減少させることが可能となる。
また、脱蛋白装置1におけるデカンタ汁液X1の加熱処理において、処理時間は、10〜15分が好ましい。
分離液X2は、ICリアクタ5に供給され、馬鈴薯澱粉製造工場からICリアクタ5に供給される2次デカンタ汁液X6と製造処理水X7とともにメタン発酵される。この結果生成されるメタンガスGは、蒸気に変換されて脱蛋白装置1に供給され、脱蛋白装置1におけるデカンタ汁液X1の加熱処理に利用される。一方、メタン発酵の結果生成される処理液X8は、活性汚泥処理設備6において好気性処理が行われた後、放流水X9として外部の河川等に放流される。
脱蛋白装置1から排出される脱水ケーキX3は、適度に加水された後に水熱装置2に供給される。水熱装置2においては、脱水ケーキX3に含まれる蛋白質が低分子化されて液状化される。この結果、液状のペプチドを含む水熱反応処理液X4が生成される。そして、水熱反応処理液X4が水熱装置2から排出される。
なお、水熱装置2における水熱反応処理においては、処理温度が160℃〜230℃、処理時間が10〜15分であることが好ましい。また、処理圧力は、上記処理温度において、水が亜臨界状態あるいは超臨界状態に保たれる圧力に設定される(例えば、3MPa付近)。このような処理温度及び処理時間とすることによって、ACE阻害活性を有するペプチドの収率を向上させることができる。
続いて、水熱反応処理液X4は、遠心分離機3に供給され、自らが含む残渣脱水ケーキX5を除去された後に、分離・精製装置4に供給される。
なお、残渣脱水ケーキX5は、例えば、乾燥された後にコンポスト10に供給され、コンポスト10において堆肥化されて再利用される。
分離・精製装置4に水熱反応処理液X4が供給されると、分離・精製装置4において水熱反応処理液X4からACE阻害活性を有するペプチドPが分離・精製される(分離工程)。
具体的には、水熱反応処理液X4から70%エタノールで抽出した抽出物を湯温約40℃でロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮する。この濃縮された抽出物中、アミノ酸類やペプチド類を他成分と分離させるため、室温において、まず強酸型のイオン交換樹脂に保持させ、十分水洗後、2規定のアンモニア水でペプチド類を溶出させた。その後、ACE阻害活性のあるペプチドを精製するために、繰り返しセルロースカラムクロマトグラフィを行うことによって、ACE阻害活性を有するペプチドPのみを分離及び精製する。
このような本実施形態のペプチドの製造方法によれば、亜臨界状態あるいは超臨界状態の水を用いる水熱反応処理にて適度に加水された脱水ケーキX3を水熱反応処理する。脱水ケーキX3には蛋白質が含まれるため、当該蛋白質が水熱反応処理によって低分子化され、この結果ペプチドが生成される。つまり、水熱反応処理によって得られる水熱反応処理液X4にはペプチドが含まれることとなる。そして、水熱反応処理液X4からACE阻害活性を有するペプチドが分離される。
このように、本実施形態のペプチドの製造方法によれば、脱水ケーキX3からペプチドを生成するために、何段階もの酵素添加、精製過程を経る必要がなく、水熱反応処理のみを行えば良い。したがって、ACE阻害活性を有するペプチドの製造を容易化することが可能となり、製造工程の簡略化及び設備コストの低減が図れる。
また、本実施形態のペプチドの製造方法によれば、脱蛋白装置1において、デカンタ汁液X1を加熱処理している。このような加熱処理をすることによって、凝固した蛋白質の分解が進み、後の工程である水熱反応処理を行った後のACE阻害活性を有するペプチドの収率を向上させることが可能となる。
図2は、本実施形態のペプチドの製造方法を検証するための実験データを示すグラフであり、縦軸がACE阻害活性率を示している。なお、本実験においては、脱水ケーキX3を試料A、脱水ケーキX3を220℃で水熱反応処理することによって得られた水熱反応処理液を試料B、脱水ケーキX3を270℃で水熱反応処理することによって得られた水熱反応処理液を試料Cとして用いている。そして、各試料を約70%のエタノールにて約1ヶ月間常温にて抽出することで得た粗抽出物を、それぞれ最終濃度が1000ppmとなるようにメタノールに溶解したものを測定サンプルとした。そして、各測定サンプルを、ACEがHis−Lue残基を認識し切断することを利用した測定方法にて測定し、この測定結果から各試料のACE阻害活性率を算出した。具体的には、本測定方法では、基質にHip(馬尿酸)−His−Lueを用いて、単位時間内に遊離した馬尿酸量を測定し、測定サンプルによるACE阻害の程度を決定する方法を用いている。なお、測定サンプルのACE阻害活性が高いほど、馬尿酸量は、コントロールに対して減少する。
実際の実験操作は、基質溶液250μlに測定サンプル20μlを加え、37℃で5分間保温したものに、同じく保温しておいたACE100μlを加え、37℃にて30分間の酵素反応を行った。反応は3%リン酸750μlを加えて停止させた。この液中に遊離している馬尿酸量を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にて定量し、コントロールに対する試料のACE阻害活性率を算出した。なお、コントロールは測定サンプルの代わりにメタノールを用いた。また、HPLCの条件は、H0:10mM KHPO(pH3.0)=1:1(v/v),Flow rate=0.5ml/min,ODS column(φ4.6mm×250mm)である。
図2に示すように、本実験では、試料A(脱水ケーキX3)のACE阻害活性率が72.6%、試料B(脱水ケーキX3を220℃で水熱反応処理することによって得られた水熱反応処理液)のACE阻害活性率が96.4%、試料C(脱水ケーキX3を270℃で水熱反応処理することによって得られた水熱反応処理液)のACE阻害活性率が64.1%であった。
本実験から、脱蛋白装置1においてデカンタ汁液X1を加熱処理することによって得られた脱水ケーキX3に対して、さらに220℃の水熱反応処理を行うことによってACE阻害活性を有するペプチドの収率が向上することが分かった。また、脱水ケーキX3に対する水熱反応処理における処理温度は、270℃よりも220℃であることが好ましいことが分かった。
また、図3は、デカンタ汁液X1と、分離液X2とに含まれる成分を分析した結果を示す円グラフであり、(a)がデカンタ汁液X1の成分を示し、(b)が分離液X2の成分を示している。
この図に示すように、デカンタ汁液X1には、ペプチド由来の窒素が23%、蛋白質由来の窒素が53%含まれており、分離液X2には、ペプチド由来の窒素が44%、蛋白質由来の窒素が13%含まれている。
このため、脱蛋白装置1における加熱処理の前後において、蛋白質が分解されてペプチドに変化していることが分かる。よって、デカンタ汁液X1に対する加熱処理を行うことによって、AEC阻害活性を有するペプチドを含むペプチドの収率が向上していることが分かる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図4は、本実施形態のペプチドの製造方法を用いてACE阻害活性を有するペプチドを製造するためのペプチド製造装置S2の概略構成を示したフロー図である。
この図に示すように、ペプチド製造装置S2は、脱蛋白装置1と水熱装置2との間に乾燥装置7が設置されている。この乾燥装置7は、脱蛋白装置1から排出される脱水ケーキX3を乾燥処理することによって乾燥ケーキX10として排出するものである。
このようなペプチド製造装置S2におけるペプチドの製造方法では、乾燥装置7によって脱水ケーキX3が乾燥処理され(乾燥工程)、これによって得られた乾燥ケーキX10が加水され(加水工程)、これによって脱水ケーキに戻されたものが水熱装置2に供給される。
脱水ケーキX3を一度乾燥させて乾燥ケーキX10とすることによって、長期保存が可能となるとともに、減容により運搬が容易となる。このため本実施形態のペプチドの製造方法によれば、上記第1実施形態のペプチドの製造方法と同様の効果を奏するとともに、乾燥ケーキX10を長期保存あるいは運搬し、必要に応じて加水して脱水ケーキX3に戻してから水熱反応処理を行うことが可能となる。
このため、例えば、年間を通してデカンタ汁液X1を入手することができず、一時期にしか入手できないような場合であっても、乾燥ケーキX10として保存しておくことにより、年間を通してACE阻害活性を有するペプチドを製造することが可能となる。
また、水熱装置2がデカンタ汁液X1を入手可能な場所から遠く離れているような場合であっても、乾燥ケーキX10を運搬してから脱水ケーキX3に戻すことによって、低コストで水熱装置2に脱水ケーキX3を供給することが可能となる。
なお、図4に示すように、ペプチド製造装置S2においてはICリアクタ5によって得られたメタンガスGが蒸気に変換されて乾燥装置7に供給され、乾燥装置7における脱水ケーキX3の乾燥処理に利用されている。
以上、図面を参照しながら本発明に係るペプチドの製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、ACE阻害活性を有するペプチドの収率を向上させるために、デカンタ汁液X1を加熱処理することによって得られた脱水ケーキX3を水熱反応処理する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、デカンタ汁液X1に対して直接、水熱反応処理を行っても良い。
また、上記実施形態においては、デカンタ汁液X1を原料液として用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、馬鈴薯以外の他の食品由来の蛋白質を含む原料液全般を原料液として用いることができる。
また、上記第1実施形態において、脱蛋白装置1が水熱装置を備え、該水熱装置を用いてデカンタ汁液X1を加熱処理する構成を採用することもできる。
本発明の第1実施形態のペプチドの製造方法を用いてACE阻害活性を有するペプチドを製造するためのペプチド製造装置の概略構成を示したフロー図である。 本発明の第1実施形態のペプチドの製造方法を検証するための実験データを示すグラフである。 本発明の第1実施形態のペプチドの製造方法における、デカンタ汁液と、分離液とに含まれる成分を分析した結果を示す円グラフである。 本発明の第2実施形態のペプチドの製造方法を用いてACE阻害活性を有するペプチドを製造するためのペプチド製造装置の概略構成を示したフロー図である。
符号の説明
S1,S2……ペプチド製造装置、1……脱蛋白装置、2……水熱装置、3……遠心分離機、4……分離・精製装置、5……ICリアクタ、6……活性汚泥処理設備、7……乾燥装置、P……ACE阻害活性を有するペプチド、X1……デカンタ汁液(原料液)、X2……分離液、X3……脱水ケーキ、X4……水熱反応処理液、X5……残渣脱水ケーキ、X6……2次デカンタ汁液、X7……製造処理水、X8……処理液、X9……放流水、X10……乾燥ケーキ

Claims (7)

  1. 蛋白質を含む原料液あるいは該原料液に対する所定の処理によって得られる脱水ケーキに対して水熱反応処理を行う水熱反応処理工程と、
    該水熱反応処理工程にて得られる水熱反応処理液からACE(アンジオテンシンI変換酵素)阻害活性を有するペプチドを分離する分離工程と、
    を有することを特徴とするペプチドの製造方法。
  2. 前記脱水ケーキは、前記原料液に対する加熱処理を行う加熱処理工程と、該加熱処理工程によって得られる固形分を含む固相を取り出す固液分離工程とによって得られることを特徴とする請求項1記載のペプチドの製造方法。
  3. 前記加熱処理工程において、前記原料液を100〜110℃に加熱することを特徴とする請求項2記載のペプチドの製造方法。
  4. 前記加熱処理工程において、前記原料液のpHを5.0〜5.5に調整することを特徴とする請求項2または3記載のペプチドの製造方法。
  5. 前記水熱反応処理工程において、処理温度が160℃〜230℃、処理時間が10〜15分にて前記水熱反応処理を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のペプチドの製造方法。
  6. 前記脱水ケーキに対する乾燥処理を行うことによって乾燥ケーキを得る乾燥工程と、該乾燥工程にて得られた前記乾燥ケーキに加水することによって前記脱水ケーキに戻す加水工程とを有し、該加水工程によって戻された前記脱水ケーキに対して前記水熱反応処理を行うことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のペプチドの製造方法。
  7. 前記原料液は、馬鈴薯のデカンタ汁液であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のペプチドの製造方法。
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