JP2008120217A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造により低コスト化を達成しながら、空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の暖房や冷房の補完を行う。
【解決手段】空調ケース2内に上流の送風機3側から下流の吹き出し口14,15,16,17側に向かって順に、エバポレータ5、エアミックスドア6、ヒータコア7、を配置し、エバポレータ5とヒータコア7を通過する温風通路8と、エバポレータ5を通過しヒータコア7をバイパスする冷風バイパス通路9と、温風と冷風とが合流するエアミックスチャンバー10と、が形成された空調ユニット1Aにおいて、エバポレータ5とヒータコア7のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により蓄熱フィルター18を設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調ケース内に上流の送風機側から下流の吹き出し口側に向かって順に、冷房用熱交換器、エアミックスドア、暖房用熱交換器、を配置した車両用空気調和装置に関する。
従来、蒸発器への蓄冷機能の付加と蒸発器の小型化との両立を図ることを目的とし、エバポレータ(冷房用熱交換器)の冷媒通路の外側に蓄冷材の収容スペースを2重管構造のチューブにより構成し、エバポレータに冷媒が供給されなくなったとき、蓄冷材が熱を奪うように設定した車両用空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、エンジン冷却水が暖房及び蓄熱をするのに十分な熱量を持ってから蓄熱することを目的とし、空調ケースの内部に配置されるヒータコアと水冷エンジンの冷却水路を結ぶエンジン冷却水回路の途中位置に蓄熱材を設定した蓄熱装置を設け、かつ、蓄熱装置をバイパスするバイパス冷却水路を設けた車両用空気調和装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−205777号公報 特開平10−86645号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている従来の車両用空気調和装置にあっては、エバポレータの冷媒通路の外側に蓄冷材の収容スペースを2重管構造のチューブにより構成するものであるため、既存のエバポレータに代え、新たに設計変更したエバポレータを用意する必要があるし、構造的にも複雑となり、コストが高くなる、という問題があった。
また、上記特許文献2に記載されている従来の車両用空気調和装置にあっては、エンジン冷却水回路(温水回路)とは別に、蓄熱回路と蓄熱装置を設け、エンジン停止時にポンプ及び電磁弁を使って蓄熱装置の温水をヒータコアに送り放熱させるものであるため、構造が複雑で、占有スペースも大きく必要であり、コストが高くなると共に、配管経路により蓄えた潜熱の一部を損失してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、スペース占有を最小限に抑え、簡単な構造により低コスト化を達成しながら、空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の暖房や冷房の補完を行うことができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、空調ケース内に上流の送風機側から下流の吹き出し口側に向かって順に、冷房用熱交換器、エアミックスドア、暖房用熱交換器、を配置し、前記冷房用熱交換器と前記暖房用熱交換器を通過する温風通路と、前記冷房用熱交換器を通過し前記暖房用熱交換器をバイパスする冷風バイパス通路と、温風と冷風とが合流するエアミックスチャンバーと、が形成された車両用空気調和装置において、
前記冷房用熱交換器と前記暖房用熱交換器のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により蓄熱フィルターを設定し、
前記蓄熱フィルターは、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有することを特徴とする。
よって、本発明の車両用空気調和装置にあっては、冷房用熱交換器と暖房用熱交換器のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱(「温熱の蓄熱」と「冷熱の蓄熱」)を行う潜熱蓄熱材を含有する蓄熱フィルターが設定される。
すなわち、蓄熱フィルターは、従来技術のように、エバポレータに蓄冷材の収容スペースを構成するものでもないし、また、蓄熱回路と蓄熱装置を設けるものでもない。したがって、例えば、既存の空調ケース内に既存の熱交換器を用いたままで、蓄熱フィルターを設定できるというように、スペース占有が最小限に抑えられるし、簡単な構造により低コスト化も達成される。
例えば、暖房用熱交換器へ熱交換媒体が供給されているとき、蓄熱フィルターに含有する潜熱蓄熱材が、固相から液相への相変化を伴って吸収した熱エネルギー(潜熱)を、暖房用空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、液相から固相への相変化を伴って放出することで蓄熱フィルターを通過する風に熱を与え、熱交換媒体の供給停止後、所定時間だけ車室内の暖房を補完する。
例えば、冷房用熱交換器へ熱交換媒体が供給されているとき、蓄熱フィルターに含有する潜熱蓄熱材が、液相から固相への相変化を伴って放出した熱エネルギー(潜熱)を、冷房用空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、固相から液相への相変化を伴って吸収することで蓄熱フィルターを通過する風から熱を奪い、熱交換媒体の供給停止後、所定時間だけ車室内の冷房を補完する。
この結果、スペース占有を最小限に抑え、簡単な構造により低コスト化を達成しながら、空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の暖房や冷房の補完を行うことができる。
以下、本発明の車両用空気調和装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例6に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の前後席の温度調整を行う空調ユニット1A(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図、図2は実施例1の空調ユニット1Aに設定された温熱用蓄熱フィルター18を示す図で、(a)は温熱用蓄熱フィルター18の斜視図を示し、(b)は温熱用蓄熱フィルター18の断面図を示す。
実施例1における空調ユニット1Aは、図1に示すように、空調ケース2と、送風機3と、クリーンフィルタ4と、エバポレータ5(冷却用熱交換器)と、エアミックスドア6と、ヒータコア7(暖房用熱交換器)と、温風通路8と、冷風バイパス通路9と、エアミックスチャンバー10と、ベントドア11と、デフドア12と、フットドア13と、ベント吹き出し口14と、デフ吹き出し口15と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、を備えている。
実施例1における空調ユニット1Aは、空調ケース2内に上流の送風機3側から下流の吹き出し口14,15,16,17側に向かって順に、エバポレータ5、エアミックスドア6、ヒータコア7を配置している。
前記エバポレータ5は、送風機3及びクリーンフィルタ4を介して通過する内気または外気を冷却する熱交換器であり、冷媒入口5aと冷媒出口5bを有する。
前記エアミックスドア6は、前記エバポレータ5の後流位置に配置され、エバポレータ5を経過した冷風と、ヒータコア7を経過した温風と、の混合割合をドア開度により制御する。このエアミックスドア6としては、冷風バイパス通路9を塞ぐフルホット位置(図1の実線に示す位置)からヒータコア7の上流側を塞ぐフルクール位置(図1の仮想線に示す位置)までのストローク域でスライド移動可能なスライド式ドアを採用している。
前記ヒータコア7は、前記エバポレータ5及び前記エアミックスドア6の下流位置に配置され、通過する風を暖める熱交換器であり、エンジン冷却水入口7aとエンジン冷却水出口7bを有する。
前記空調ケース2内には、図1に示すように、エバポレータ5とヒータコア7を通過する温風通路8と、エバポレータ5を通過しヒータコア7をバイパスする冷風バイパス通路9と、温風通路8からの温風と冷風バイパス通路9からの冷風が合流するエアミックスチャンバー10と、が形成される。
前記エアミックスチャンバー10の下流側には、ベント吹き出し口14の位置に配置され、ベントモード等で開くベントドア11と、デフ吹き出し口15の位置に配置され、デフモード等で開くデフドア12と、車幅方向に延びるフット吹き出し口16,16の上流位置に配置され、フットモード等で開くフットドア13と、が配置される。
なお、フット吹き出し口16,16は、前席左右の運転者と助手席乗員の足元に向かって一対配置され(図5参照)、該フット吹き出し口16,16と並列中央位置には、後席への図外のリアフットダクトが連結されるリアフット吹き出し口17が配置される。
前記ヒータコア7の後流側通路内には、風の流れに直交する配置により温熱用蓄熱フィルター18(蓄熱フィルター)を設定している。実施例1では、図1に示すように、温熱用蓄熱フィルター18を、ヒータコア7の熱交換面の直後の位置に設定している。
前記温熱用蓄熱フィルター18は、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材のうち、固相から液相への相変化を伴って吸収した熱エネルギー(潜熱)を、ヒータコア7へエンジン冷却水(熱交換媒体)の供給が停止された後、液相から固相への相変化を伴って放出する「温熱の蓄熱」を行う潜熱蓄熱材を含有させたものである。
前記温熱用蓄熱フィルター18の構成を詳しく述べると、図2(b)に示すように、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセル18aを潜熱蓄熱材とし、メッシュ状の不織布をつづら折りにすることで断面形状を三角波形としてフィルター基材18bとし、このフィルター基材18bにパラフィン封入カプセル18aを織り込んで捕捉した蓄熱カプセル入りフィルターとしている。
ここで、潜熱蓄熱材として、パラフィン系素材を用いた理由は、融解点(融解温度)や凝固点(凝固温度)による相変化温度を設定するに際し、炭素鎖数に対応し広範な温度域(−50℃〜80℃)をカバーすることができるし、蓄熱量(溶融潜熱)も130〜250kJ/kg程度であり、他の素材に比べて高いことによる。
また、前記パラフィン封入カプセル18aの液相・固相の相変化温度は、50℃〜70℃に設定している。
例えば、実施例1のように、エンジン冷却水をヒータコア7に循環させる空調ユニット1Aの場合には、相変化温度は、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上が好ましい。その理由は、エンジン冷却水温は冬季等では80℃に満たないケースもあり、かつ、暖かいと感じられる吹き出し温度は30℃であるため、吹き出し温度30℃以上を得るのに必要な相変化温度は、上記のように、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上(50℃〜70℃)の温度になることによる。
次に、作用を説明する。
実施例1の空調ユニット1Aでは、図1に示すように、エバポレータ5とヒータコア7のうち、一方のヒータコア7の後流側通路内であって、ヒータコア7の熱交換面の直後の位置に、風の流れに直交する配置により固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により「温熱の蓄熱」を行う潜熱蓄熱材を含有する温熱用蓄熱フィルター18が設定される。以下、[低コスト化作用]と[車室内暖房の補完作用]について説明する。
[低コスト化作用]
例えば、特開平10−86645号公報に記載されている従来の車両用空気調和装置は、ヒータコアに流通させる熱交換媒体を潜熱により加熱させるという点に着目し、エンジン冷却水回路(温水回路)とは別に、蓄熱回路と蓄熱装置を設け、寒冷地での発進時やエンジン停止時、ポンプ及び電磁弁を使って蓄熱装置の温水をヒータコアに送り放熱させるものである。このため、エンジン冷却水回路に蓄熱回路と蓄熱装置を追加設定する必要があり、構造が複雑になると共に、占有スペースも大きく必要であり、コストが高くなる。また、配管経路により蓄熱装置にて蓄えた潜熱の一部を損失してしまう。
これに対し、実施例1の空調ユニット1Aでは、ヒータコア7の直後位置から吹き出し口に至る空調ケース2内の送風を潜熱により加熱させるという点に着目し、ヒータコア7の後流側通路内に、潜熱蓄熱材を含有する温熱用蓄熱フィルター18を設定する構成を採用した。このように、潜熱による加熱対象を、熱交換媒体ではなく、ケース内を流れる送風そのものとしたため、従来技術のように、蓄熱回路と蓄熱装置を設ける必要がない。
したがって、図1に示すように、既存の空調ケース2内に既存のエバポレータ5やヒータコア7を用いたままで、温熱用蓄熱フィルター18を設定できるというように、スペース占有が最小限に抑えられるし、簡単な構造により低コスト化も達成される。
[車室内暖房の補完作用]
例えば、温熱用蓄熱フィルター18が設定されていない空調ユニットを想定した場合、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、循環ポンプの停止により、エンジン冷却水のヒータコア内流通も停止する。したがって、ヒータコア内のエンジン冷却水に蓄えられているだけの熱エネルギー(顕熱)がエンジン停止時の残留熱エネルギーであるが、エバポレータを経過した冷風によりヒータコアの残留熱が奪われることで、エンジン停止時から短時間のうちに顕熱分の熱エネルギーは消費され、吹き出し温度がエンジン停止直後から急激に低下する。ちなみに、温熱用蓄熱フィルター無しの場合、図3の点線特性に示すように、エンジン停止直後から吹き出し温度が急激に低下し、約30秒程度で70℃あった吹き出し温度が30℃まで低下してしまう。
これに対し、実施例1の空調ユニット1Aの場合、温熱用蓄熱フィルター18がヒータコア7の直後位置に設定されている。このため、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、循環ポンプの停止により、ヒータコア7内のエンジン冷却水に蓄えられているだけの熱エネルギー(顕熱)については、エンジン停止直後から短時間にて消費する。しかし、ヒータコア7へエンジン冷却水が供給されているとき、温熱用蓄熱フィルター18に含有するパラフィン封入カプセル18a内のパラフィンが固相から液相への相変化を伴って熱エネルギー(潜熱)を吸収する。そして、ヒータコア7へエンジン冷却水の供給が停止された後、パラフィン封入カプセル18a内のパラフィンが液相から固相への相変化を伴って潜熱を放出することで、温熱用蓄熱フィルター18を通過する風に熱を与える。このため、エンジン冷却水の供給停止後、所定時間だけ車室内の暖房を補完することができる。例えば、図1に示すように、フットドア13を開としている場合には、前席左右と後席の乗員の足元位置に温風を送り続けることができることになる。
ここで、「顕熱」とは、通常の固体や液体が相変化なしに蓄えた熱エネルギーのことであり、一方、「潜熱」とは、水が氷になるような液体・固体間の相変化に伴い放出あるいは吸収される熱エネルギーのことをいう。そして、一般に、潜熱を用いることで、顕熱の場合よりも桁違いに大きい熱量を蓄えることができる。例えば、水の場合、1℃の変化の顕熱は、4.18J/gであるのに対し、0℃の水が凍って0℃の氷になるときの潜熱は、334J/gに達する。
したがって、温熱用蓄熱フィルター18を設定した実施例1の場合、図3の実線特性に示すように、エンジン停止直後から相変化温度までは吹き出し温度が低下するが、相変化温度に達した後は、パラフィン封入カプセル18aに蓄えられた潜熱により吹き出し温度の低下が抑えられる。ちなみに、温熱用蓄熱フィルター18を設定した場合、図3の実線特性と点線特性との間のハッチング領域が潜熱効果をあらわし、エンジン停止時に70℃あった吹き出し温度が30℃まで低下するのに2分程度要することになる。これを言い換えると、エンジン停止後、2分間だけは、車室内暖房の補完を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の空調ユニット1Aにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 空調ケース2内に上流の送風機3側から下流の吹き出し口14,15,16,17側に向かって順に、エバポレータ5、エアミックスドア6、ヒータコア7、を配置し、前記エバポレータ5と前記ヒータコア7を通過する温風通路8と、前記エバポレータ5を通過し前記ヒータコア7をバイパスする冷風バイパス通路9と、温風と冷風とが合流するエアミックスチャンバー10と、が形成された空調ユニット1Aにおいて、前記エバポレータ5と前記ヒータコア7のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により蓄熱フィルターを設定し、前記蓄熱フィルターは、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有するため、スペース占有を最小限に抑え、簡単な構造により低コスト化を達成しながら、空調作動時にフィルター機能を発揮しながら、熱交換器へ熱交換媒体の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の暖房や冷房の補完を行うことができる。
(2) 前記蓄熱フィルターは、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセル18aを潜熱蓄熱材としたため、マイクロカプセル化によりパラフィンの持つ揮発性を抑えることができると共に、相変化温度を炭素数に対応する広範な温度域から高い自由度により設定することができる。
(3) 前記蓄熱フィルターは、フィルター基材18bとして断面波形の不織布を用い、該フィルター基材18bにパラフィン封入カプセル18aを捕捉して構成したため、断面波形としたことにより蓄熱フィルターでの集熱面積および放熱面積を広く確保することができると共に、不織布を採用したことによりパラフィン封入カプセル18aの高い捕捉効果と、送風に含まれる塵埃を除去する高いフィルター効果を発揮することができる。
(4) 前記蓄熱フィルターは、温熱の蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有させた温熱用蓄熱フィルター18であり、前記潜熱蓄熱材の液相・固相の相変化温度を、50℃〜70℃に設定したため、暖かいと感じられる吹き出し温度を確保しつつ、ヒータコア7へエンジン冷却水の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の暖房補完を行うことができる。
(5) 前記温熱用蓄熱フィルター18は、前記ヒータコア7の熱交換面の直後の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したため、固相から液相への相変化を伴う熱エネルギーの吸収と、液相から固相への相変化を伴う熱エネルギーの放出を、応答性の高いヒータコア7の直後温度の変化に対応して効果的に行うことができる。
実施例2は、温熱用蓄熱フィルター18をフットドア13の直後の位置に設定した例である。
まず、構成を説明する。
図4は実施例2の前後席の温度調整を行う空調ユニット1B(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
実施例2の空調ユニット1Bは、図4に示すように、空調ケース2と、送風機3と、クリーンフィルタ4と、エバポレータ5と、エアミックスドア6と、ヒータコア7と、温風通路8と、冷風バイパス通路9と、エアミックスチャンバー10と、ベントドア11と、デフドア12と、フットドア13と、ベント吹き出し口14と、デフ吹き出し口15と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、温熱用蓄熱フィルター18と、を備えている。
前記温熱用蓄熱フィルター18は、図4に示すように、フットドア13の直後の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付し、説明を省略する。
次に、実施例2の空調ユニット1Bにおける車室内暖房の補完作用を説明する。
実施例2の空調ユニット1Bの場合、温熱用蓄熱フィルター18がフットドア13の直後の位置に設定されている。このため、フットモード等のようにフットドア13を開くモードの選択時であって、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、実施例1の場合と同様に、顕熱作用と潜熱作用の併合作用により、温熱用蓄熱フィルター18を風が通過する際、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17に導かれる風に熱が与えられる。このため、エンジン冷却水の供給停止後、所定時間だけ前席左右と後席の乗員の足元位置に温風を送り続けることができることになる。
次に、効果を説明する。
実施例2の空調ユニット1Bにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記温熱用蓄熱フィルター18は、フットドア13の直後の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したため、ヒータコア7へエンジン冷却水の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ前席左右と後席の乗員の足元位置に温風を送り続けることができる。
実施例3は、温熱用蓄熱フィルター18,18を前席左右のフット吹き出し口16,16の位置に設定した例である。
まず、構成を説明する。
図5は実施例3の前後席の温度調整を行う空調ユニット1C(車両用空気調和装置の一例)を示す正面図である。
実施例3の空調ユニット1Cは、図5に示すように、空調ケース2と、送風機3と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、温熱用蓄熱フィルター18と、リアフットダクト19と、を備えている。
前記温熱用蓄熱フィルター18,18は、図5に示すように、前席左右のフット吹き出し口16,16の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、実施例3の空調ユニット1Cにおける車室内暖房の補完作用を説明する。
実施例3の空調ユニット1Cの場合、温熱用蓄熱フィルター18,18が前席左右のフット吹き出し口16,16の位置に設定されている。このため、フットモード等のようにフットドア13を開くモードの選択時であって、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、実施例1の場合と同様に、顕熱作用と潜熱作用の併合作用により、温熱用蓄熱フィルター18,18を風が通過する際、フット吹き出し口16,16に導かれる風に熱が与えられる。このため、エンジン冷却水の供給停止後、所定時間だけ前席左右の乗員の足元位置に温風を送り続けることができることになる。
次に、効果を説明する。
実施例3の空調ユニット1Cにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記温熱用蓄熱フィルター18は、前席左右のフット吹き出し口16,16の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したため、ヒータコア7へエンジン冷却水の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ前席左右の乗員の足元位置に温風を送り続けることができる。
実施例4は、冷熱の蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有させた冷熱用蓄熱フィルター20を用い、この冷熱用蓄熱フィルターを、エバポレータ5の熱交換面の直後の位置に設定した例である。
まず、構成を説明する。
図6は実施例4の前後席の温度調整を行う空調ユニット1D(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
実施例4の空調ユニット1Dは、図6に示すように、空調ケース2と、送風機3と、クリーンフィルタ4と、エバポレータ5と、エアミックスドア6と、ヒータコア7と、温風通路8と、冷風バイパス通路9と、エアミックスチャンバー10と、ベントドア11と、デフドア12と、フットドア13と、ベント吹き出し口14と、デフ吹き出し口15と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、冷熱用蓄熱フィルター20と、を備えている。
前記冷熱用蓄熱フィルター20は、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材のうち、液相から固相への相変化を伴って放出した熱エネルギー(潜熱)を、エバポレータ5へ冷媒(熱交換媒体)の供給が停止された後、固相から液相への相変化を伴って吸収する「冷熱の蓄熱」を行う潜熱蓄熱材を含有させたものである。
前記冷熱用蓄熱フィルター20の構成は、図2(a),(b)に示す温熱用蓄熱フィルター18と同様に、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセル18aを潜熱蓄熱材とし、メッシュ状の不織布をつづら折りにすることで断面形状を三角波形としてフィルター基材18bとし、このフィルター基材18bにパラフィン封入カプセル18aを織り込んで捕捉した蓄熱カプセル入りフィルターとしている。
ここで、潜熱蓄熱材として、パラフィン系素材を用いた理由は、融解点(融解温度)や凝固点(凝固温度)による相変化温度を設定するに際し、炭素鎖数に対応し広範な温度域(−50℃〜80℃)をカバーすることができるし、蓄熱量(溶融潜熱)も130〜250kJ/kg程度であり、他の素材に比べて高いことによる。
また、前記パラフィン封入カプセル18aの液相・固相の相変化温度は、2℃〜7℃に設定している。
例えば、実施例4のように、冷媒をエバポレータ5に循環させる空調ユニット1Dの場合には、相変化温度は、4℃〜5℃程度が好ましい。その理由は、夏季等で涼しいと感じられる吹き出し温度は10℃程度であるため、吹き出し温度10℃程度を得るのに必要な相変化温度は、4℃〜5℃に前後温度を含めた2℃〜7℃の温度になることによる。
前記冷熱用蓄熱フィルター20は、図6に示すように、エバポレータ5の熱交換面の直後の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定している。
なお、図6に符号を付した他の構成は、実施例1の図1と同様であるので、説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例4の空調ユニット1Dの場合、冷熱用蓄熱フィルター20がエバポレータ5の直後位置に設定されている。このため、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、コンプレッサの停止により、エバポレータ5内の冷媒に蓄えられているだけの熱エネルギー(顕熱)については、エンジン停止直後から短時間にて消費する。しかし、エバポレータ5へ冷媒が供給されているとき、冷熱用蓄熱フィルター20に含有するパラフィン封入カプセル18a内のパラフィンが液相から固相への相変化を伴って熱エネルギー(潜熱)を放出する。そして、エバポレータ5へ冷媒の供給が停止された後、パラフィン封入カプセル18a内のパラフィンが固相から液相への相変化を伴って潜熱を吸収することで、冷熱用蓄熱フィルター20を通過する風から熱を奪う。このため、冷媒の供給停止後、所定時間だけ車室内の冷房を補完することができる。例えば、図6に示すように、ベントドア11を開としている場合には、前席左右の乗員の顔面位置に冷風を送り続けることができることになる。
したがって、冷熱用蓄熱フィルター20を設定した実施例4の場合、エンジン停止直後から相変化温度になるまでは吹き出し温度が上昇するが、相変化温度に達した後は、パラフィン封入カプセル18aに蓄えられた潜熱により吹き出し温度の上昇が抑えられる。したがって、冷熱用蓄熱フィルター20を設定した場合、エンジン停止後、所定時間だけ、車室内冷房の補完を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の空調ユニット1Dにあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
(8) 前記蓄熱フィルターは、冷熱の蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有させた冷熱用蓄熱フィルター20であり、前記潜熱蓄熱材の液相・固相の相変化温度を、2℃〜7℃に設定したため、乗員が涼しいと感じる吹き出し温度を確保しつつ、エバポレータ5へ冷媒の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ車室内の冷房補完を行うことができる。
(9) 前記冷熱用蓄熱フィルター20は、前記エバポレータ5の熱交換面の直後の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したため、液相から固相への相変化を伴う熱エネルギーの放出と、固相から液相への相変化を伴う熱エネルギーの吸収を、応答性の高いエバポレータ5の直後温度の変化に対応して効果的に行うことができる。
実施例5は、冷熱用蓄熱フィルター20をベント吹き出し口14の位置に設定した例である。
まず、構成を説明する。
図7は実施例5の前後席の温度調整を行う空調ユニット1E(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
実施例5の空調ユニット1Eは、図7に示すように、空調ケース2と、送風機3と、クリーンフィルタ4と、エバポレータ5と、エアミックスドア6と、ヒータコア7と、温風通路8と、冷風バイパス通路9と、エアミックスチャンバー10と、ベントドア11と、デフドア12と、フットドア13と、ベント吹き出し口14と、デフ吹き出し口15と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、冷熱用蓄熱フィルター20と、デフダクト21と、ベントダクト22と、ベントグリル23と、を備えている。
前記冷熱用蓄熱フィルター20は、図7に示すように、ベント吹き出し口14の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、実施例5の空調ユニット1Eにおける車室内冷房の補完作用を説明する。
実施例5の空調ユニット1Eの場合、冷熱用蓄熱フィルター20がベント吹き出し口14の位置に設定されている。このため、ベントモード等のようにベントドア11を開くモードの選択時であって、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、実施例4の場合と同様に、顕熱作用と潜熱作用の併合作用により、冷熱用蓄熱フィルター20を風が通過する際、ベント吹き出し口14に導かれる風から熱が奪われる。このため、エバポレータ5への冷媒の供給停止後、所定時間だけ前席左右の乗員の上半身位置に、ベントダクト22及びベントグリル23を経過し、冷風を送り続けることができることになる。
次に、効果を説明する。
実施例5の空調ユニット1Eにあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果、及び、実施例4の(8)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記冷熱用蓄熱フィルター20は、ベント吹き出し口14の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したため、エバポレータ5へ冷媒の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ前席左右の乗員の上半身位置に冷風を送り続けることができる。
実施例6は、温熱用蓄熱フィルター18をデフ吹き出し口15の位置に設定すると共に、冷熱用蓄熱フィルター20をベント吹き出し口14の位置に設定した例である。
まず、構成を説明する。
図8は実施例6の前後席の温度調整を行う空調ユニット1F(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
実施例6の空調ユニット1Fは、図8に示すように、空調ケース2と、送風機3と、クリーンフィルタ4と、エバポレータ5と、エアミックスドア6と、ヒータコア7と、温風通路8と、冷風バイパス通路9と、エアミックスチャンバー10と、ベントドア11と、デフドア12と、フットドア13と、ベント吹き出し口14と、デフ吹き出し口15と、フット吹き出し口16と、リアフット吹き出し口17と、温熱用蓄熱フィルター18と、冷熱用蓄熱フィルター20と、デフダクト21と、ベントダクト22と、ベントグリル23と、を備えている。
前記温熱用蓄熱フィルター18は、図8に示すように、デフ吹き出し口15の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定している。
前記冷熱用蓄熱フィルター20は、図8に示すように、ベント吹き出し口14の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、実施例6の空調ユニット1Fにおける車室内冷房及び車室内暖房の補完作用を説明する。
実施例6の空調ユニット1Fの場合、冷熱用蓄熱フィルター20がベント吹き出し口14の位置に設定されている。このため、ベントモード等のようにベントドア11を開くモードの選択時であって、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、実施例4の場合と同様に、顕熱作用と潜熱作用の併合作用により、冷熱用蓄熱フィルター20を風が通過する際、ベント吹き出し口14に導かれる風から熱が奪われる。このため、エバポレータ5への冷媒の供給停止後、所定時間だけ前席左右の乗員の上半身位置に、ベントダクト22及びベントグリル23を経過し、冷風を送り続けることができることになる。
実施例6の空調ユニット1Fの場合、温熱用蓄熱フィルター18がデフ吹き出し口15の位置に設定されている。このため、デフモードやデフ/フットモード等のようにデフドア12を開くモードの選択時であって、エンジンを一時的に停止させるアイドルストップ時、実施例1の場合と同様に、顕熱作用と潜熱作用の併合作用により、温熱用蓄熱フィルター18を風が通過する際、デフ吹き出し口15に導かれる風に熱が与えられる。このため、エンジン冷却水の供給停止後、所定時間だけ図外のフロントウインドウに向けて温風を送り続けることができることになる。
次に、効果を説明する。
実施例6の空調ユニット1Fにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果、及び、実施例4の(8)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 温熱用蓄熱フィルター18は、デフ吹き出し口15の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定し、前記冷熱用蓄熱フィルター20は、ベント吹き出し口14の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したため、ヒータコア7へエンジン冷却水の供給が停止された後、所定時間だけフロントウインドウに向けて温風を送り続けることができると共に、エバポレータ5へ冷媒の供給が停止された後、潜熱を有効に利用して所定時間だけ前席左右の乗員の上半身位置に冷風を送り続けることができる。
以上、本発明の車両用空気調和装置を実施例1〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1ではヒータコアの直後位置、実施例2ではフットドアの直後位置、実施例3ではフット吹き出し口の位置、実施例4ではエバポレータ直後位置、実施例5ではベント吹き出し口の位置、実施例6ではデフ吹き出し口の位置及びベント吹き出し口の位置、にそれぞれ蓄熱フィルターを設定する例を示した。しかしながら、熱交換器であるエバポレータ及びヒータコアの後流側通路内に蓄熱フィルターを設定するものであれば実施例1〜実施例6の設定態様に限られることはない。要するに、冷房用熱交換器と暖房用熱交換器のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により蓄熱フィルターを設定するものであれば本発明に含まれる。
実施例1では、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材として、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルを用いる例を示したが、潜熱蓄熱材としては、パラフィン系素材に限られるものではなく、例えば、ポリエチレングリコール(温熱蓄熱向き)、無機塩・水和物/水溶液(温熱蓄熱、冷熱蓄熱)、水和物スラリー(冷熱蓄熱限定)等をカプセル化やパッケージ化したものであれば使用可能である。
実施例1〜6では、前後席の温度調整を行う空調ユニットへの適用例を示したが、前席のみに温度調整を行う空調ユニットや前席側と後席側を独立に温度調整を行う空調ユニットへも適用することができる。
実施例1の前後席に温度調整を行う空調ユニット1A(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。 実施例1の空調ユニット1Aに設定された温熱用蓄熱フィルター18を示す図で、(a)は温熱用蓄熱フィルター18の斜視図を示し、(b)は温熱用蓄熱フィルター18の断面図を示す。 実施例1の空調ユニット1Aにおける蓄熱フィルター無しでのエンジン停止後の吹き出し温度特性と蓄熱フィルター付きでのエンジン停止後の吹き出し温度特性の比較を示す図である。 実施例2の前後席に温度調整を行う空調ユニット1B(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。 実施例3の前後席に温度調整を行う空調ユニット1C(車両用空気調和装置の一例)を示す正面図である。 実施例4の前後席に温度調整を行う空調ユニット1D(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。 実施例5の前後席に温度調整を行う空調ユニット1E(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。 実施例6の前後席に温度調整を行う空調ユニット1F(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
符号の説明
1A、1B、1C、1D、1E、1F 空調ユニット
2 空調ケース
3 送風機
4 クリーンフィルタ
5 エバポレータ(冷却用熱交換器)
6 エアミックスドア
7 ヒータコア(暖房用熱交換器)
8 温風通路
9 冷風バイパス通路
10 エアミックスチャンバー
11 ベントドア
12 デフドア
13 フットドア
14 ベント吹き出し口
15 デフ吹き出し口
16 フット吹き出し口
17 リアフット吹き出し口
18 温熱用蓄熱フィルター(蓄熱フィルター)
18a パラフィン封入カプセル(潜熱蓄熱材)
18b フィルター基材
20 冷熱用蓄熱フィルター(蓄熱フィルター)
21 デフダクト
22 ベントダクト
23 ベントグリル

Claims (11)

  1. 空調ケース内に上流の送風機側から下流の吹き出し口側に向かって順に、冷房用熱交換器、エアミックスドア、暖房用熱交換器、を配置し、前記冷房用熱交換器と前記暖房用熱交換器を通過する温風通路と、前記冷房用熱交換器を通過し前記暖房用熱交換器をバイパスする冷風バイパス通路と、温風と冷風とが合流するエアミックスチャンバーと、が形成された車両用空気調和装置において、
    前記冷房用熱交換器と前記暖房用熱交換器のうち、少なくとも一方の熱交換器の後流側通路内に、風の流れに直交する配置により蓄熱フィルターを設定し、
    前記蓄熱フィルターは、固相・液相の相変化を伴って放出あるいは吸収される潜熱により蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1に記載された車両用空気調和装置において、
    前記蓄熱フィルターは、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルを潜熱蓄熱材としたことを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された車両用空気調和装置において、
    前記蓄熱フィルターは、フィルター基材として断面波形の不織布を用い、該フィルター基材にパラフィン封入カプセルを捕捉して構成したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された車両用空気調和装置において、
    前記蓄熱フィルターは、温熱の蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有させた温熱用蓄熱フィルターであり、前記潜熱蓄熱材の液相・固相の相変化温度を、50℃〜70℃に設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 請求項4に記載された車両用空気調和装置において、
    前記温熱用蓄熱フィルターは、前記暖房用熱交換器の熱交換面の直後の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 請求項4に記載された車両用空気調和装置において、
    前記温熱用蓄熱フィルターは、フットドアの直後の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  7. 請求項4に記載された車両用空気調和装置において、
    前記温熱用蓄熱フィルターは、前席左右のフット吹き出し口の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  8. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された車両用空気調和装置において、
    前記蓄熱フィルターは、冷熱の蓄熱を行う潜熱蓄熱材を含有させた冷熱用蓄熱フィルターであり、前記潜熱蓄熱材の液相・固相の相変化温度を、2℃〜7℃に設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  9. 請求項8に記載された車両用空気調和装置において、
    前記冷熱用蓄熱フィルターは、前記冷房用熱交換器の熱交換面の直後の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  10. 請求項8に記載された車両用空気調和装置において、
    前記冷熱用蓄熱フィルターは、ベント吹き出し口の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  11. 請求項4及び請求項8に記載された車両用空気調和装置において、
    前記温熱用蓄熱フィルターは、デフ吹き出し口の位置であって、温風の流れに直交する配置により設定し
    前記冷熱用蓄熱フィルターは、ベント吹き出し口の位置であって、冷風の流れに直交する配置により設定したことを特徴とする車両用空気調和装置。
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