JP2008119668A - 触媒構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層カーボンナノチューブを基板上に概ね高さ均等で形状の直線性と基板上での垂直配向性とが共に高く、高密度に成長させることができる触媒構造を提供すること。
【解決手段】基板表面に、カーボンナノチューブを成長させる触媒作用を有する複数の触媒微粒子が、基板上からの高さと比較してその平面径が大きくなった扁平な形状で分布した触媒構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上にカーボンナノチューブ等のカーボンナノファイバを成長させる触媒作用を有する複数の触媒微粒子が分布した触媒構造に関するものである。本発明は、この触媒構造のうち、特にカーボンナノファイバのうち多層カーボンナノチューブの成長に適した触媒構造に関するものである。
カーボンナノファイバのうちカーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、一層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。この多層カーボンナノチューブは、電界電子放出能と耐久性に優れていることから、たとえば大画面のフィールドエミッションディスプレイ用の電子源材料として有用視されている。また、多層カーボンナノチューブは耐食性が高いため、燃料電池の触媒電極層等の耐食性が要求される用途にも適している。このように多層カーボンナノチューブは、今後の用途が期待されている物質である。
このような多層カーボンナノチューブを基板上に成長させる製造方法の一つに、基板上に触媒膜を成膜し、熱処理して触媒膜を複数の触媒微粒子からなる触媒構造を得ると共に、この触媒構造上の触媒微粒子にカーボンを含むガスを作用させて触媒微粒子を成長起点として多層カーボンナノチューブを成長させる方法がある。
この触媒構造には、触媒微粒子が熱処理中に基板中に拡散して作製されないことを防止するため、基板上にカーボンファイバの成長に対する触媒作用を持たないアルミニウム等の下地膜を成膜し、この下地膜の上に鉄等の触媒膜を成膜して多層カーボンナノチューブを成長させるものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の触媒構造を用いて多層カーボンナノチューブを成長させる場合、多層カーボンナノチューブを触媒構造上に高さ均等で形状の直線性、基板上での垂直配向性共に高く高密度に成長できるよう制御することは難しく、そのため電子源材料として優れた多層カーボンナノチューブを高効率で製造できる触媒構造の実現が要求されている。
また、上記多層カーボンナノチューブ以外のカーボンナノファイバにおいても、同様のことか要求される場合がある。
特開2001−303250
本発明により解決する課題は、形状の直線性と基板表面上での垂直配向性とが共に高く、多層カーボンナノチューブ等のカーボンナノファイバを高密度に成長させるよう制御することができる触媒構造を提供することである。
本発明に係る触媒構造は、基板表面に、カーボンナノファイバを成長させる触媒作用を有する複数の触媒微粒子が、0.007以上、0.15以下のアスペクト比を持つ扁平な形状をなして分布していることを特徴とするものである。
上記アスペクト比はより好ましくは0.01以上、0.10以下である。
上記アスペクト比が0.007未満である場合は、カーボンナノファイバの合成密度の低密度化を引き起こしてしまう。また、上記アスペクト比が0.15超である場合は、基板上の触媒膜の微粒子化が不十分となり、カーボンナノファイバの成長に必要な触媒機能を有さない微粒子が生成されてしまうようになる。
上記基板は特に限定されるものではない。
触媒微粒子の平面形状は円形に近似し、上記近似した円の直径を上記平面方向の直径(平面径)とすることができる。
触媒微粒子の平面形状を円形に近似しない場合、最大平面径と最小平面径との中間を平面径とすることができる。
上記アスペクト比は、例えば、触媒微粒子それぞれのアスペクト比であってもよいし、これらのアスペクト比を平均した平均アスペクト比であってもよい。また、単位面積当たりの触媒微粒子の全個数ではなく所定個数を取り出し、その所定個数の触媒微粒子に対して求めた個々のアスペクト比あるいは平均したアスペクト比でもよい。
触媒微粒子のサイズはnmオーダーであり、基板表面上の触媒微粒子のアスペクト比の測定は、多数個の触媒微粒子のうち、2以上の所定数の触媒微粒子個々に実施し、その測定の結果、概ね、個々の触媒微粒子のアスペクト比あるいは触媒微粒子全体の平均のアスペクト比が上記範囲にあればよく、一部に上記アスペクト比の範囲外の触媒微粒子が存在していても、本発明の触媒構造に含むことができる。
好ましくは上記複数の触媒微粒子の高さが概ね0.5nm以上、10nm以下、より好ましくは、0.5nm以上、5nm以下である。
好ましくは上記複数の触媒微粒子の平面径が概ね5nm以上、70nm以下、より好ましくは10nm以上、50nm以下の範囲である。
好ましくは上記触媒微粒子は下地膜を介在して基板表面上に分布している。
上記カーボンナノファイバには、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノバンブ、グラファイトナノファイバ、等を例示することができる。
本発明の触媒構造によれば、アスペクト比が0.007以上、0.15以下である扁平な形状を有する触媒微粒子を設けた触媒構造であるので、アセチレンガス等のカーボン系ガス雰囲気下で所定時間、高温加熱した場合、その触媒微粒子が扁平した形状から球状ないしは楕円状等、幅、高さが共に大きい触媒微粒子に変形してグラファイトナノファイバの成長起点となる結果、多層グラファイトナノファイバをその形状の直線性と、基板表面に対する垂直配向性とを共に高くして基板上に高密度かつ高さ概ね均等に成長させることができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る触媒構造を詳細に説明する。
図1は実施の形態に係る触媒構造の一部の模式的な側面図であり、図1(b)は同触媒構造の一部の平面図である。これらの模式図に示す触媒構造は、基板1と、この基板1上の下地膜2と、この下地膜2上の複数の触媒微粒子41,42,…,4nとから構成されている。触媒微粒子41,42,…,4nを総称するときは触媒微粒子4と言うことがある。触媒微粒子41,42,…,4nそれぞれは、基板1上からの高さ(h1,h2,…,hn)がほぼ均等であり、かつ、該高さ(h1,h2,…,hn)と比較して基板表面に沿う平面方向の直径である平面径(d1,d2,…,dn)が大きい扁平した形状を有する。触媒微粒子41,42,…,4nの平面径(d1,d2,…,dn)には、図1(b)で示すように最大平面径(d1max,d2max,…,dnmax)と最小平面径(d1min,d2min,…,dnmin)とがあるが、実施の形態では平面径(d1,d2,…,dn)をそれらの平均の平面径で説明する。
ここで、各触媒微粒子41,42,…,4nは、それぞれのアスペクト比(r1,r2,…,rn)をr1=h1/d1,r2=h2/d2,…,rn=hn/dnで表し、各触媒微粒子41,42,…,4nそれぞれのアスペクト比(r1,r2,…,rn)が概ね、0.007以上、0.15以下で分布している。
また、上記アスペクト比は、触媒構造を単位面積毎に分割し、単位面積毎のアスペクト比であってもよいし、触媒構造全体のアスペクト比であってもよい。
上記各触媒微粒子41,42,…,4nは上面が平坦になった扁平形状に限定されず、上面が全体として凹んだ形状あるいは膨らんだ形状あるいは凹凸の有る形状も含むものであり、また、その高さ(h1,h2,…,hn)は最大高さ、最小高さ、あるいは平均高さをとってもよい。
また、上記アスペクト比は、好ましくは0.01以上、0.10以下である。
図2を参照して上記触媒構造の製造例と該触媒構造を用いた多層カーボンナノチューブの製造例とを説明する。
まず図2(a)で示すように基板1上に上記触媒作用が無い金属例えばアルミニウムからなる下地膜2と触媒作用が有る金属例えば鉄からなる触媒膜3とをこの順で電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等により成膜した後、アセチレンガス(C22)雰囲気下で所定温度例えば700℃、所定時間例えば10分間加熱することにより、図2(b)で示すように図1と同様の触媒構造を得ることができる。
実施の形態の触媒構造と従来の触媒構造とを図3を参照して比較説明する。図3(a)は基板1の下地膜2上に実施の形態の触媒微粒子4と、従来の触媒微粒子4aとが配置されている状態を示す。これらを上記図2で説明した製造条件すなわち例えばアセチレンガス(C22)雰囲気下で所定温度例えば700℃、所定時間例えば10分間加熱すると、図3(b)で示すように実施の形態では触媒微粒子4が扁平形状から球形状になり、その高さ寸法、横幅寸法が共に大きくなるのに対して、従来の触媒微粒子4aは高さ寸法、横幅寸法が共に大きく変化するようなことはない。そのため、実施の形態の触媒微粒子4上には多層カーボンナノチューブ5が成長することができるのに対して従来の触媒微粒子4a上には多層カーボンナノチューブ5は成長せず単層多層カーボンナノチューブ5aが成長する。
図4(a)(b)(c)は基板をシリコン基板とし、下地膜をアルミニウム膜とし、触媒膜を鉄膜とし、これらをこの順で電子ビーム蒸着し、導入ガスがそれぞれアセチレンガス、ヘリウムガス、水素ガスで700℃、10分間加熱して製造された各触媒構造のAFM(原子間力顕微鏡)写真を示す。上記AFM画像の測定装置は、エスエスアイ・ナノテクノロジー株式会社製SPA465である。測定条件としては使用探針SI−DF40Pを用いてDFMモードにて行った。
図4(a)はカーボンを含むガスの代表例としてアセチレンガスによる触媒構造のAFM写真である。このAFM写真は実施の形態の触媒構造であり、このAFM写真からこの触媒構造では触媒微粒子4がほぼ一定の配置間隔で高さもほぼ均等に配置していることが分かる。触媒微粒子4の分布密度は6.9×1010(個/cm2)である。
図4(b)は非反応性のガスの代表例としてヘリウムガスによる触媒構造の例であり、実施の形態の触媒構造と比較するための第1の比較触媒構造である。このAFM写真からこの第1の比較触媒構造では触媒微粒子4の発生個数は少なく、かつ、一部に触媒作用が無く高さが周囲の触媒微粒子より異常に高い微粒子が数個示されている。この第1の比較触媒構造では触媒微粒子4の分布密度は5nm以下の微粒子では5.0×1010(個/cm2)であり、30nm以下の微粒子では6.2×1010(個/cm2)であった。
図4(c)は還元性のあるガスの代表例として水素ガスによる触媒構造の例であり、実施の形態の触媒構造と比較するための第2の比較触媒構造である。このAFM写真からこの第2の比較触媒構造では触媒微粒子4の発生個数は少なく、かつ、一部に触媒作用が無く高さが周囲の触媒微粒子より異常に高い微粒子が数個示されている。この第2の比較触媒構造では触媒微粒子4の分布密度は5nm以下の微粒子では1.0×1010(個/cm2)であり、30nm以下の微粒子では1.4×1010(個/cm2)であった。
図4(a)ないし(c)を比較して見た場合、図4(a)の実施の形態の触媒構造ではアセチレンガス雰囲気下で高温加熱したため、アセチレンガスが含むカーボンが触媒膜表面に付着反応して触媒微粒子4が扁平した形状になったと考えられる。
図4(b)の第1の比較触媒構造では反応性が無いヘリウムガス雰囲気下で高温加熱したため、触媒膜表面での反応は無く触媒膜は図4(b)のような触媒微粒子4の形状になったと考えられる。
図4(c)の第2の比較触媒構造では還元性が有る水素ガス雰囲気下で高温加熱したため、触媒膜表面は還元され触媒膜は図4(c)のような触媒微粒子4の形状になったと考えられる。
上記各触媒構造それぞれに対して700℃、アセチレンガス雰囲気下、200Pa、10分間で熱CVDを実施して多層カーボンナノチューブを成長させた場合をそれぞれ図5、図6および図7で説明する。
図5(a)は、図4(a)の実施の形態の触媒構造の触媒微粒子4の高さ分布を示し、図5(b)は実施の形態の触媒構造により成長した多層カーボンナノチューブ5の倍率20k(kは1000)のSEM(走査型電子顕微鏡)写真、図5(c)は倍率100kのSEM写真を示す。実施の形態の触媒構造では触媒微粒子4の高さ分布は2nmないし6nmである。分布幅は狭くなっている。
この触媒微粒子4により成長した多層カーボンナノチューブ5は図5(b)のSEM写真で形状の直線性が高く、かつ、その基板表面に対して垂直に配向する垂直配向性も高いことが示されている。図5(b)のSEM写真中では垂直配向性が悪い多層カーボンナノチューブ5が見られるがこれは写真撮影時に際して垂直配向性が悪くなったものであり実施の形態から除外されるものである。
さらに図5(b)のSEM写真を拡大した図5(c)のSEM写真のいずれでも多層カーボンナノチューブ5は形状の直線性、垂直配向性が共に高く維持されていることが示されている。図5(c)のSEM写真中でも垂直配向性が悪い多層カーボンナノチューブ5が見られるがこれは写真撮影時に際して垂直配向性が悪くなったものであり実施の形態から除外されるものである。
この実施の形態の触媒構造の触媒微粒子4により成長した多層カーボンナノチューブ5の成長密度は6.0×1010(本/cm2)というように高密度であった。すなわち、実施の形態の触媒構造により成長した多層カーボンナノチューブ5は形状の直線性、垂直配向性が共に高い多層カーボンナノチューブ5となっている。
図6(a)は、図4(b)のヘリウムガスによる第1の比較触媒構造の触媒微粒子4の高さ分布を示す。この第1の比較触媒構造では触媒微粒子4の高さ分布は2nmないし15nm以上であり、高さのばらつきがきわめて大きい。この第1の比較触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブは図6(b)の倍率20kのSEM写真、さらにその拡大である図6(c)の倍率100kのSEM写真のいずれでも形状の直線性、垂直配向性が共に悪いことが示されている。この第1の比較触媒構造の触媒微粒子4により成長した多層カーボンナノチューブの成長密度は、3.2×109(本/cm2)であった。
図7(a)は、図4(c)の水素ガスによる第2の比較触媒構造の触媒微粒子の高さ分布を示す。この第2の比較触媒構造では触媒微粒子の高さ分布は2nmないし15nm以上であり、高さのばらつきがきわめて大きい。この第2の比較触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブは図7(b)の倍率20kのSEM写真、さらにその拡大である図7(c)の倍率100kのSEM写真のいずれでも形状の直線性、垂直配向性が共に悪いことが示されている。この第2の比較触媒構造の触媒微粒子4により成長した多層カーボンナノチューブの成長密度は、1.4×109(本/cm2)であった。
多層カーボンナノチューブ5の形状の直線性は、最小二乗法による直線近似式(y=ax+b)で決めることができる。ここで、aは傾き、bは切片であり、これらは実験データから求めることができる。この場合、ばらつき誤差の2乗の和が最小となるよう直線を当てはめる。なお、実験条件を変えて得られた様々なyの値の変化のうち、どれだけの割合がy=ax+bの直線式で説明できているかを表す指標(決定係数)R2があり、このR2の値が1に近づくほど多層カーボンナノチューブ5の形状がより直線性を有するようになる。
垂直配向性(V)は、多層カーボンナノチューブ5の下部基端の位置と上部先端位置との基板表面に沿う水平方向差(Q)を多層カーボンナノチューブ5の上記下部基端から上部先端までの基板表面からの高さ寸法(P)で割った値で与えられる。
形状の直線性の指標の場合、低倍率観察で垂直方向に成長していることが確認されている多層カーボンナノチューブを対象とし、その直線性が十分に確認できる倍率(例えば30K)に拡大したSEM写真上の垂直方向1μmの範囲において、90%以上の多層カーボンナノチューブが、R2が、0.970以上、1.0以下、好ましくは0.980超、1.0以下の条件を満たす場合、その多層カーボンナノチューブは形状の直線性を有すると判定することができる。ここで、R2とは、最小二乗法による直線近似式(y=ax+b)における決定係数である。
垂直配向性の指標の場合、形状の直線性と同様、低倍率観察で垂直方向に成長していることが確認されている多層カーボンナノチューブを対象とし、その垂直配向性が十分に確認できる倍率(例えば30K)に拡大したSEM写真上の垂直方向1μmの範囲において、90%以上の多層カーボンナノチューブが、垂直配向性を示すVが8以上、好ましくは9超の条件を満たす場合、その多層カーボンナノチューブは垂直配向性を有すると判定することができる。
実施の形態の触媒構造により製造した多層カーボンナノチューブ5の形状の直線性、垂直配向性は、共に極めて高くその配置密度は超高密度となった。このように形状の直線性、垂直配向性が高く、高密度に成長した多層カーボンナノチューブは高耐熱性、高純度の耐久性に優れた多層カーボンナノチューブとなる。
図8に実施の形態の触媒構造により成長した多層カーボンナノチューブ5の断面構造をTEM(透過型電子顕微鏡)写真を示す。このTEM写真で示すようにこの多層カーボンナノチューブ5の例は最内層の内径が6nm程度であり、最外層の外径は14nm程度の多層カーボンナノチューブである。
実施の形態の触媒構造により成長した図8で示す多層カーボンナノチューブ5は図9のTG(ThermoGravimetry)曲線で示すように高結晶性の多層カーボンナノチューブである。
図9に関して、熱分析測定に用いた装置はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のEXSTAR6000 TG/DTAであり、熱分析測定条件は空気100ml/分雰囲気下、10℃/分にて900℃まで昇温後10分間保持する。
一般にカーボンは結晶性が低いと加熱に弱く、結晶性が高いと加熱に強くなる。図9において横軸は温度(T:℃)、縦軸は熱重量変化(TG:%)である。これは温度を上昇させつつ空気雰囲気下で多層カーボンナノチューブ5の重量変化を測定している。図9でAは従来の多層カーボンナノチューブのTG曲線であり、Bは本発明の多層カーボンナノチューブのTG曲線である。従来の多層カーボンナノチューブは結晶性が低いため、TG曲線Aで示すように温度が450℃付近から分解開始し、630℃付近で分解終了した。さらに従来の多層カーボンナノチューブでは残渣C(629.1℃でTG=6.7%)残った。これは従来の多層カーボンナノチューブが低純度であることを示している。
これに対して本発明の多層カーボンナノチューブ5は、TG曲線Bで示すように温度が600℃付近から分解開始し、760〜780℃付近で分解終了して残渣(768.3℃でTG=−0.2%)が残らなかった。これは本発明の多層カーボンナノチューブ5が加熱に強く高結晶性であることを示している。また、分解終了して残渣が残らなかったことから高純度であることを示している。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1(a)は本発明の実施の形態に係る触媒構造の一部の模式的側面図であり、図1(b)は同触媒構造の一部の模式的平面図である。 図2(a)(b)は図1で示す触媒構造の製造とこの触媒構造を用いた多層カーボンナノチューブの製造を説明するための図である。 図3(a)〜(c)は実施の形態の触媒構造と従来の触媒構造それぞれで多層カーボンナノチューブを成長させる場合の比較説明に用いる図である。 図4(a)はアセチレンガス雰囲気下で製造した実施の形態に係る触媒構造のAFM写真、図4(b)はヘリウムガス雰囲気下で製造した触媒構造のAFM写真、図4(c)は水素ガス雰囲気下で製造した触媒構造のAFM写真である。 図5(a)は図4(a)の触媒構造の触媒微粒子の高さ分布を示す図、図5(b)は図4(a)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率20kのSEM写真、図5(c)は、図4(a)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率100kのSEM写真である。 図6(a)は図4(b)の触媒構造の触媒微粒子の高さ分布を示す図、図6(b)は図4(b)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率20kのSEM写真、図6(c)は、図4(b)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率100kのSEM写真である。 図7(a)は図4(c)の触媒構造の触媒微粒子の高さ分布を示す図、図7(b)は図4(c)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率20kのSEM写真、図7(c)は、図4(c)の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブの倍率100kのSEM写真である。 図8は実施の形態の触媒構造上で成長した多層カーボンナノチューブのTEM写真である。 図9は従来の多層カーボンナノチューブと実施の形態の多層カーボンナノチューブそれぞれのTG曲線を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 下地膜
3 触媒膜
4,41,42,4n 触媒微粒子
5,51,52,5n 多層カーボンナノチューブ

Claims (4)

  1. 基板表面に、カーボンナノファイバを成長させる触媒作用を有する複数の触媒微粒子が、その基板表面からの高さを基板表面に沿う平面方向の直径で割った値であるアスペクト比0.007以上、0.15以下で規定される扁平な形状をなして分布している、ことを特徴とする触媒構造。
  2. 上記触媒微粒子の基板表面からの高さが概ね0.5nm以上、10nm以下の範囲である、ことを特徴とする請求項1に記載の触媒構造。
  3. 上記触媒微粒子の基板表面に沿う平面方向の直径が概ね5nm以上、70nm以下の範囲である、ことを特徴とする請求項1に記載の触媒構造。
  4. 上記触媒微粒子は下地膜を介在して基板表面上に分布している、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の触媒構造。
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