JP2008119597A - 濾過装置 - Google Patents

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俊祐 山崎
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昇 竹村
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修次 植木
Yukirou Kadomoto
之郎 門元
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大士 佐藤
Sukeyuki Tanaka
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Nobuyuki Hashimoto
暢之 橋本
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Abstract

【課題】濾過筒の上下で均等に圧力損失を生じさせて均一な濾過を可能にし、濾布の目詰まりも濾過筒の上下で均等に発生させて洗浄時間や洗浄水量を削減でき、濾過水量を多量に得られる濾過装置の提供。
【解決手段】濾液室103と濾過室102に区画された濾過槽1の濾過室102に、上部開口を有する支持体300とその外周を被覆する濾布301からなる多数の濾過筒3が吊り下げられ、濾過室102の原水が上向流しながら濾過されて濾過筒3内を上昇して濾液室103に集水される濾過装置において、濾過室102内を上向流する原水の流れに直交する方向に整流板4を設け、整流板4は下方より第1整流板4A及び第2整流板4Bの少なくとも2枚を間隔をあけて並設し、整流板4には濾過筒3を通せる貫通孔400を有し、貫通孔400の内面と濾過筒3の外面との間に間隙を有し、下方に位置する第1整流板4Aの間隙の大きさは、上方に位置する第2整流板4Bの間隙より大きくなるように貫通孔400を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、濾過装置に関し、詳しくは、均一な濾過が可能となる濾過装置に関する。
従来の濾過装置は、図4に示すようなものが知られている。該濾過装置は、濾過槽50内を仕切板51によって濾液室52と濾過室53に区画し、濾過室53内に、支持体54の外周に濾布55を被覆し、上端を開放し下端を閉鎖した多数の袋状濾布モジュール(濾過筒)56を配設した構造である。この従来の濾過装置は複数の濾過筒を吊り下げた方式であり、濾過室53に入った原水は、濾過筒56内を透過して、濾液となり、濾液室52内に流れるようになっている。
特公平7−53206 特開2006−15296
濾過装置においては、濾過室53内に入った原水は、濾過筒56内を透過する際に濾過筒の全面から透過しようとするが、複数の濾過筒を吊り下げた濾過装置では、濾過筒の上部の濾過水量が多くなり、下部の濾過筒からの濾過水量が少なくなる現象が起こることがわかった。この現象は、図4に示すように、濾過筒上部Fにおける圧力損失をΔP、濾過筒下部Fにおける圧力損失をΔPとすると、ΔP<ΔPであるため生じるものと推定される。
従って、濾布の目詰まりが濾過筒の上部で多くなり、洗浄によって回復しづらくなり、洗浄時間も長くなり、一部の目詰まりであるにもかかわらず全体的な洗浄時間を長くするれば洗浄水量も増加し、最終的に得られる濾過水量も減少する問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、本発明の課題は、濾過筒の上下で均等に圧力損失を生じさせて均一な濾過を可能にし、更に濾布の目詰まりも濾過筒の上下で均等に発生させて洗浄時間や洗浄水量を削減でき、濾過水量を多量に得られる濾過装置を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載により明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
濾過槽内を仕切板により濾液室と濾過室に区画し、濾過室内に、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該支持体の外周を被覆する袋状の濾布とからなる多数の濾過筒を吊り下げて配設し、前記濾過室に入った原水が該濾過室内を上向流しながら、濾布により濾過され濾液となって濾過筒内を上昇して濾液室内に集水される濾過装置において、
前記濾過室内を上向流する原水の流れに直交する方向に整流板を設け、該整流板は下方より第1整流板及び第2整流板の少なくとも2枚を間隔をあけて並設し、
前記整流板には前記濾過筒を通せる貫通孔を有しており、該貫通孔の内面と濾過筒の外面との間に間隙を有しており、
下方に位置する第1整流板の間隙の大きさは、上方に位置する第2整流板の間隙の大きさより大きくなるように前記貫通孔を形成することを特徴とする濾過装置。
(請求項2)
前記整流板が、下方より順に、第1整流板、第2整流板及び第3整流板からなり、
各整流板の間隙の大きさx1、x2、x3、濾過筒の外径Lとした時、第1整流板、第2整流板及び第3整流板の間隙の大きさは、第1整流板の間隙x1=L×(0.10〜0.15);第2整流板の間隙x2=L×(0.07〜0.09);第3整流板の間隙x3=L×(0.04〜0.06)の式で表わされる範囲であることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。
本発明によると、濾過筒の上下で均等に圧力損失を生じさせて均一な濾過を可能にし、更に濾布の目詰まりも濾過筒の上下で均等に発生させて洗浄時間や洗浄水量を削減でき、濾過水量を多量に得られる濾過装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の濾過装置の一例を示す概略断面図、図2は要部拡大図、図3(A)は図1の整流板部分における横断面図、図3(B)は図3(A)の矢印部分の拡大図である。
図において、1は濾過槽本体100と蓋体101とからなる濾過槽であり、円筒竪型に形成されることが好ましい。
濾過槽1は仕切板2により濾過室102と濾液室103に区画されている。濾過室102には原液導入口104が設けられ、濾液室103には濾液排出口105が設けられている。原液導入口104には原水導入管106及び空気導入管107が接続されている。濾液排出口105には濾液排出管108及び空気導入管109が接続されている。
原水は、例えば、バラスト水(海水や淡水)などが挙げられる。バラスト水として海水を原水とする場合に、濾過対象となる物質としては、動物性プランクトン、植物性プランクトン、微生物、Si、Al,Feなどの無機物、その他、懸濁物質(SS)などがある。
3は仕切板2に吊り下げられた濾過筒であり、該濾過筒3は多孔製の円筒形の支持体300と該支持体300の外周に被覆され袋状に形成された濾布301によって構成され、濾過筒3の上部は濾液室103に濾液を送液可能なように開口している。
支持体300は上部開口302を有する樹脂製円筒形であり、好ましくはポリエチレン製のものが好ましい。支持体の表面は網目状に形成されてもよいし、あるいは多孔状に形成されてもよい。支持体表面の開口率は40%〜70%の範囲が好ましく、より好ましくは45%〜65%の範囲が好ましく、更に好ましくは50%〜65%の範囲が好ましい。
濾布301は例えばポリエステル極細繊維で織られ、表面を一定方向に立毛させた緻密層を有し、下層部は粗い地組織を有する2層構造のものを好ましく用いることができる。濾過時には緻密層で原水中の粒子を捕捉しやすく、且つ洗浄時には捕捉された粒子を容易に離脱させることができるからである。またポリエステルは疎水性で繊維が膨潤しにくいので好ましい。濾布301を袋状にするには、通常の縫製法でよい。
濾過筒3は、図2に示されるように、支持体300が仕切板2に上方から押し込まれ、該支持体300上部の鍔付き頭部303の外周に嵌着されたOリング304の摩擦力によって仕切板2に固定されている。上部開口302はこの鍔付き頭部303に設けられており、また、濾布301は、結線バンド305によって鍔付き頭部303の外周に固定されている。
本態様では、濾過室102内に、9本の濾過筒3、3、・・が吊り下げて配設されており、3段の整流板4が設けられ、下方より第1整流板4A、第2整流板4B及び第3整流板4Cと称する。
整流板は濾過室102内を上向流する原水の流れに直交する方向(水平方向)に設けられている。従って、3段の整流板4A、4B、4Cは互いに平行に設けられる。3段の整流板4A、4B、4Cを所定高さに固定する手段は特に限定されず、例えば図示しない3点支持部を濾過室102内壁に水平に設け、該3点支持部上に整流板を載置し、弾性リング部材によって上部を支持するようにすることもできる。
複数の整流板の間隔は、濾過筒3の最下端から最上端までの間に等間隔に配置されることが整流効果を発揮する上で好ましい。なお、図示の例では3枚(3段)の整流板を用いているが、枚数はこれに限定されない。
整流板の厚みは特に限定されないが、1mm〜20mmの範囲が好ましく、より好ましくは、3mm〜5mmの範囲である。整流板の材質は、金属製や樹脂製のいずれでも良いが、製作の容易性やコストなどを考慮すると、PE、PP、PVCなどの樹脂製が好ましい。
整流板4には貫通孔400を有しており、濾過筒3を通過させている。貫通孔400の内面と濾過筒3の外面との間には間隙401が形成されている。
本発明では、一つの整流板内では、上記間隙401は実質的に同じであるが、異なった整流板同士ではこの間隙の大きさは異なっており、上方に位置する第2整流板4Bの間隙401の大きさは、下方に位置する第1整流板4Aの間隙401の大きさより小さく形成され、更に第3整流板4Cの間隙401の大きさは、下方に位置する第2整流板4Bの間隙401の大きさより小さく形成される点が特徴である。このように上方に行くに従って整流板の間隙の大きさを小さくすることが特徴である。
原水が原水導入管106から原液導入口104を経由して濾過室102に導入されると、濾過室102内を上向流する。
本発明では、間隙401の大きさを変化させた整流板4が存在するので、従来のように上向流(上昇水流)する原水が直ぐに仕切板2に至ることはない。
更に整流板4に設けた間隙の存在により、第1整流板40Aを設けた付近での濾過筒3での圧力損失と、第2整流板4Bを設けた付近での濾過筒3での圧力損失と、第3整流板4Cを設けた付近での濾過筒3での圧力損失は、それぞれ近づくようになる。つまりいずれの整流板付近での濾過しやすさは均一になり、濾過筒の上下方向で見れば、上方でも下方でも均一な濾過を可能にする。
また本発明では、濾布301の目詰まりが生じた場合には、濾布301の洗浄を行うが、かかる洗浄を行う場合は、清浄な洗浄液である濾液を濾液排出口105及び濾液排出管108を介して導入する。また濾液と共に空気も導入する。空気は空気導入管109から導入する。濾液と空気が濾液室103に導入されると、その濾液と空気は濾過筒3の上部開口302から下方に向かって送られ、濾布301を内側から押圧するように作用する。かかる押圧によって濾布301の各目は膨張し、目詰まりした夾雑物は濾布301から分離され、濾過室102内に排出される。
濾過室102には下方より空気導入管107を介して空気が導入され、濾布の表面を気泡で衝撃を与えることも好ましい。洗浄効果が上昇するからである。
かかる濾布洗浄は、従来では、濾過筒上部のみの目詰まりに対して高頻度で行わざるを得なかったが、目詰まりが一部分に集中すると、その部分における洗浄による回復が困難になってしまう問題がある。この問題は不均一濾過が引き起こしていたものであるが、本発明では、均一な濾過が実現できるので、濾布の目詰まりも濾過筒の上下方向で均等に発生させることができる。従って、洗浄による回復度合いも増し、洗浄時間を減少したり、洗浄水量を減少できる効果がある。またその結果として洗浄水として使用される濾液の量が減少するだけでも濾過水量が増加する。
本発明の好ましい態様としては、各整流板の間隙401の大きさx1、x2、x3、濾過筒の外径Lとした時、第1整流板、第2整流板及び第3整流板の間隙の大きさは、第1整流板の間隙x1=L×(0.10〜0.15);第2整流板の間隙x2=L×(0.07〜0.09);第3整流板の間隙x3=L×(0.04〜0.06)の式で表わされる範囲である。
例えば濾過筒3の外径L=24mmである場合の例として以下の態様が好ましい例として挙げられる。
第1整流板の間隙はx1=24×(0.10〜0.15)=2.40〜3.60mmであり、この場合の貫通孔400の内径M1は、28.8〜31.20mmである。
第2整流板の間隙はx2=24×(0.07〜0.09)=1.68〜2.16mmであり、この場合の貫通孔400の内径M2は、27.36〜28.32mmである。
第3整流板の間隙はx3=24×(0.04〜0.06)=0.96〜1.44mmであり、この場合の貫通孔400の内径M3は、25.92〜26.88mmである。
以上の態様では、整流板を水平に配置したが、濾過装置が横型である場合には、整流板は縦方向に配置される。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例1
図1に示す濾過装置において、24mmφの濾過筒を4本、整流板3を等間隔に水平に配置した。濾布は「繊維便覧 第3版 繊維学会編、丸善株式会社 P.893に記載の回転ドラム式濾過器に用いているPタイプ」を使用した。
各整流板での間隙は
第1整流板の間隙x1=2.4mm(濾過筒外径の10%)
第2整流板の間隙x2=1.92mm(濾過筒外径の8%)
第3整流板の間隙x3=1.44mm(濾過筒外径の6%)
とした。
上記の濾過装置において、原水90m/日を濾過槽に供給し、濾過を行った。
第1整流板の入口部位と濾過筒上端間での圧力損失ΔP1、第2整流板の入口部位と濾過筒上端間での圧力損失ΔP2、第3整流板の入口部位と濾過筒上端間での圧力損失ΔP3を測定した。
その結果、圧力損失ΔP1、ΔP2、ΔP3の変動率は、10%以内であり、濾過が濾過筒の上下方向で均一に実施できた。また濾布の目詰まりも濾過筒の上下方向で同じように進行することがわかった。
比較のために、整流板を使用しないで、同様に実験を行い、図4に示す位置、即ち濾過筒上部Fにおける圧力損失ΔP、濾過筒下部Fにおける圧力損失をΔPを測定したら、ΔP<ΔPであることが確認され、濾布の目詰まりが濾過筒の上部で多くなることを確認できた。
更に濾液と空気を用いて、洗浄を行ったが、目詰まりの激しい上部では回復しづらい現象が生じた。
本発明の濾過装置の一例を示す概略断面図 要部拡大図 (A)は図1の整流板部分における横断面図、(B)は(A)の矢印部分の拡大図 従来例を示す図
符号の説明
1:濾過槽
100:濾過槽本体
101:蓋体
102:濾過室
103:濾液室
104:原液導入口
105:濾液排出口
106:原水配管
107:空気導入管
108:濾液排出管
109:空気導入管
2:仕切板
3:濾過筒
300:支持体
301:濾布
302:上部開口
303:鍔付き頭部
304:Oリング
305:結線バンド
4:整流板
4A:第1整流板
4B:第2整流板
4C:第3整流板
400:貫通孔
401:間隙

Claims (2)

  1. 濾過槽内を仕切板により濾液室と濾過室に区画し、濾過室内に、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該支持体の外周を被覆する袋状の濾布とからなる多数の濾過筒を吊り下げて配設し、前記濾過室に入った原水が該濾過室内を上向流しながら、濾布により濾過され濾液となって濾過筒内を上昇して濾液室内に集水される濾過装置において、
    前記濾過室内を上向流する原水の流れに直交する方向に整流板を設け、該整流板は下方より第1整流板及び第2整流板の少なくとも2枚を間隔をあけて並設し、
    前記整流板には前記濾過筒を通せる貫通孔を有しており、該貫通孔の内面と濾過筒の外面との間に間隙を有しており、
    下方に位置する第1整流板の間隙の大きさは、上方に位置する第2整流板の間隙の大きさより大きくなるように前記貫通孔を形成することを特徴とする濾過装置。
  2. 前記整流板が、下方より順に、第1整流板、第2整流板及び第3整流板からなり、
    各整流板の間隙の大きさx1、x2、x3、濾過筒の外径Lとした時、第1整流板、第2整流板及び第3整流板の間隙の大きさは、第1整流板の間隙x1=L×(0.10〜0.15);第2整流板の間隙x2=L×(0.07〜0.09);第3整流板の間隙x3=L×(0.04〜0.06)の式で表わされる範囲であることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。
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JP2014512959A (ja) * 2011-05-06 2014-05-29 モス ハイドロ エーエス 濾過装置

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