JP2008118745A - コギングが発生しない永久磁石式発電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】この永久磁石式発電機は,永久磁石片を保持する円筒状スリーブを透磁性金属板と非透磁性金属板とで形成し,円筒状スリーブの形状を機械的にコギングの発生を防止する形状に構成して常に所定の一定電圧を発電する。
【解決手段】この永久磁石式発電機は,ロータ3を構成する永久磁石部材5の外周面27に嵌合して永久磁石部材5を保持する円筒状スリーブ16を有している。円筒状スリーブ16は,長手方向に延びる永久磁石片19に対して回転方向に傾斜して短冊状に延びる複数の透磁性金属板20と,透磁性金属板20間の長手方向に傾斜して短冊状に延びて透磁性金属板20に接合された非透磁性金属板21とから構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】この永久磁石式発電機は,ロータ3を構成する永久磁石部材5の外周面27に嵌合して永久磁石部材5を保持する円筒状スリーブ16を有している。円筒状スリーブ16は,長手方向に延びる永久磁石片19に対して回転方向に傾斜して短冊状に延びる複数の透磁性金属板20と,透磁性金属板20間の長手方向に傾斜して短冊状に延びて透磁性金属板20に接合された非透磁性金属板21とから構成されている。
【選択図】図3
Description
この発明は,ハウジングに取り付けられたステータ,ステータに対して回転する永久磁石部材を備えたロータ,及びステータに対して回転移動して空隙を増減して磁束を制御する磁束制御機構から成る永久磁石式発電機に関する。
従来,永久磁石式発電機は,ロータに永久磁石を用いるので,構造が簡単で大きな発電電力を得ることができ,近年,それを組み込んだシステムが自動車用発電機,風力発電機等として利用されることが多くなってきた。永久磁石式発電機は,例えば,発電した電力を電動機に送る場合に,電圧が変動してもその機能が十分に発揮できるが,この電力を各種の電気機器を駆動しているバッテリの電圧に合わせる場合に,電圧変動を一定の電圧に揃える操作をしなければならない。永久磁石式発電機は,風力等で発電した電圧を一定にするためには,スイッチングレギュレタ等を用いて電力を切り刻む操作をしなければならないが,大電流をオン・オフするためには大型のパワートランジスタを要し,装置が大型になり,冷却ロスが大きくなり,高価になったり,また,発電電圧を一定にするために,電流を切り刻む時に,発生するリプルは電波障害の引き金になり,そのノイズ対策が極めて大変である。
従来,永久磁石式発電機として,永久磁石部材を保持する保持パイプを透磁性金属板と非透磁性金属板とで構成し,透磁性金属板によって磁束を集合させて磁束の漏れを抑制するものが知られている。該永久磁石式発電機は,ロータ,巻線を備えたステータ及び磁束を制御する磁束制御リングを有している。ロータは,回転軸,透磁性部材,外周面が円弧面に形成された永久磁石部材及び永久磁石部材に嵌合固定された保持パイプを有している。保持パイプは,透磁性金属板と非透磁性金属板とが周方向に交互に順次長手方向に接合されて配設され,非透磁性金属板は隣接して配置された永久磁石片の隣接境界部にそれぞれ位置されている(例えば,特許文献1参照)。
また,本発明者が開発したコギング防止装置を備えたは発電・電動機が知られている。該発電・電動機は,簡単で安価な機械的装置によってコギングの発生を防止し,電動機と発電機との機能を発揮し,常に所定の一定電圧を発電するものであり,ロータの永久磁石部材の外周面に設けた補強部材は,円弧状磁性板材と非磁性材とを周方向に交互に配設して構成し,補強部材の端部に磁性材でなる磁力漏洩リングを接離可能に配設し,ロータの回転速度に応答して磁力漏洩リングを補強部材に対して接離させてコギングの発生を防止するものである(例えば,特許文献2参照)。
特開2004−242369号公報
特開2006−6023号公報
ところで,従来の磁束制御リングを組み込んだ永久磁石式発電機は,永久磁石をロータに固定するために取り付けているSUS304等の非透磁性材の保持パイプが永久磁石部材と磁束制御リングとの間に介在することによって空隙が存在し,磁路空隙が磁路通路として大きな抵抗となり,磁束密度が著しく小さくなり,また,永久磁石の磁束が大きいにもかかわらず,この磁力により発電できる高圧な発電電圧を得るための巻線数を増大させる必要があり,そのコイルを収容できるスペースが小さいことである。更に,従来の永久磁石式発電機は,磁束制御を行うためには,ステータのステータコアを構成する櫛部の内側の歯部と,磁束制御リングの外側に設けられた歯部との間隔が十分に揃わなければならないことであり,また,磁束の永久磁石式発電機のステータの櫛部間のスロット部の形状では,内側に開口しており,外側には全周を取り囲む磁路を形成する円筒部が存在し,櫛部間に巻線を巻き上げる時に,巻線の締め付け力によって櫛部に変形をもたらし,スロット部即ち櫛部間の間隔がずれてしまい,磁束制御を行うため,磁束制御リングをステータに対して移動させる時に,磁束制御の効果が十分に確保できないことである。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,ロータとステータとの間にステータに回転移動するリング状の磁束制御籠を組み込み,ロータを構成する永久磁石片と該永久磁石片間の非磁性材とから成る永久磁石部材を保持する円筒状スリーブを,透磁性金属板とその間の非透磁性金属板から形成し,前記永久磁石片に対して前記透磁性金属板を回転方向に傾斜させ,それによって前記透磁性金属板による前記永久磁石片の磁束の集合状態を回転方向に傾斜させて磁束を経時的に緩やかに磁束制御籠へ流してコギングの発生を防止すると共に,磁束制御籠による磁束制御の効果を十分に確保し,発電電圧を所定の一定電圧に制御することを特徴とする永久磁石式発電機を提供することである。
この発明は,ハウジングに回転可能に支持された回転軸に設けられたロータ,前記ロータの外周側で前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置した櫛部に巻き上げられた巻線を備えたステータ,及び前記櫛部に対応する歯部を備えて前記ロータと前記ステータとの間で前記ステータに対して相対移動して磁束を制御する磁束制御籠を有し,前記ロータは,前記回転軸の周方向に隔置して長手方向にストレートに延びて配設された複数の永久磁石片と前記永久磁石片間に配置された非磁性材とを備えた永久磁石部材,及び前記永久磁石部材の外周面に嵌合して前記永久磁石部材を保持する円筒状スリーブを有する永久磁石式発電機において,
前記円筒状スリーブは,複数の透磁性金属板と前記透磁性金属板間に位置して前記透磁性金属板の長手方向両側で固着された非透磁性金属板とから構成され,前記透磁性金属板は長手方向に延びる前記永久磁石片の外面に対して回転方向に傾斜して短冊状に延びており,前記非透磁性金属板は前記透磁性金属板間の長手方向に傾斜して短冊状に延びていることを特徴とするコギングが発生しない永久磁石式発電機に関する。
前記円筒状スリーブは,複数の透磁性金属板と前記透磁性金属板間に位置して前記透磁性金属板の長手方向両側で固着された非透磁性金属板とから構成され,前記透磁性金属板は長手方向に延びる前記永久磁石片の外面に対して回転方向に傾斜して短冊状に延びており,前記非透磁性金属板は前記透磁性金属板間の長手方向に傾斜して短冊状に延びていることを特徴とするコギングが発生しない永久磁石式発電機に関する。
また,この永久磁石式発電機では,前記永久磁石部材の前記永久磁石片間は,前記永久磁石片の周方向全幅の20%〜30%の周方向幅の隙間に設定されているものである。
また,前記円筒状スリーブの前記非透磁性金属板は,前記永久磁石片の長手方向外面に対して傾斜して一端側が前記永久磁石片に接触し,他端側が前記永久磁石片間の隙間の中間から隣接する前記永久磁石片に接触しているものである。
また,前記円筒状スリーブは,前記永久磁石部材の外周面に対して圧入によって取り付けられている。
また,この永久磁石式発電機では,前記円筒状スリーブを構成する前記透磁性金属板と前記非透磁性金属板は,交互に配設して互いに溶接によって接合されているものである。更に,前記円筒状スリーブの前記非透磁性金属板の幅は,前記永久磁石片間の隙間の120〜150%に形成されている。従って,前記円筒状スリーブの前記透磁性金属板は,前記永久磁石片の幅より小さくなり,前記永久磁石片に対して適正な磁束集合部を構成することになる。
この永久磁石式発電機は,上記のように構成されているので,永久磁石片からの磁力が円筒状スリーブの透磁性金属板を通って磁束制御籠の櫛部の歯部を通り,永久磁石部材の円弧部の真中部分に対応するステータの櫛部に磁力が集中することになる。この時,永久磁石片による磁力の引っ張りに合わせて前記透磁性金属板が永久磁石片に対して回転方向に傾斜しているので,透磁性金属板の回転方向後流側端部が傾斜磁路の流れ部に形成され,磁束が透磁性金属板の傾斜部を通って経時的に緩やかに磁束制御籠へと流れ,磁束制御籠に磁路空隙が制御されてステータへの磁束の流れをスムーズにし,コギングの発生を防止することができる。永久磁石式発電機が風力発電機を構成する場合には,低速時,中速時及び高速時に応答して,磁束制御籠をステータに対して回転移動させて磁束制御籠とステータとの間に磁路空隙を作り,その空隙量を制御して予め決められた所定の一定電圧を得るように制御すると共に,円筒状スリーブの磁束集合を透磁性金属板の傾斜によって経時にスムーズに流すことによって極低速時の回転変動であるコギングを防止することができる。即ち,回転軸の回転速度に応答して円筒状スリーブの透磁性金属板が傾斜しているので,ロータの回転に伴う透磁性金属板の回転移動によってステータ側に流れる磁力が制御されると共に,磁束制御籠を移動させてステータとの磁路空隙を増減させてステータを通る磁束を制御して予め決められた所定の一定電圧を発電させることができる。また,この永久磁石式発電機は,例えば,微風であってロータが回転可能であるが起動トルクが大きく起動できない状態では,透磁性金属板の傾斜部を通じて磁力を逃がして永久磁石の吸着力が発生しないように即ちコギングが発生しないようにロータをスムーズに回転させることができる。
以下,図面を参照して,この発明による永久磁石式発電機の実施例を説明する。この永久磁石式発電機は,永久磁石部材5を保持する円筒状スリーブ16の構成を特殊な形状に構成することによってコギングの発生を防止し,特に,風力発電機に適用して好ましいものである。この永久磁石式発電機は,図1及び図2に示すように,ステータ4が取り付けられたハウジング1,ハウジング1に一対の軸受13を介して回転可能にそれぞれ支持された回転軸2,回転軸2に固定された永久磁石部材5から成るロータ3,ロータ3の外周側に配置され且つハウジング1に固定されたステータ4,ステータ4とロータ3との間に配設してステータ4に対して相対移動可能に取り付けられたリング状の磁束制御籠7,及び磁束制御籠7をロータ3の回転速度に対応させてステータ4に対して相対移動させるアクチュエータ25から構成されている。図1では,ステータコア15のアウタステータコア即ち円筒部材のリング状継鉄部材17は,ハウジング1の一部を構成してヨークを構成している。また,回転軸2には,その一端部に,風車等の駆動源からの駆動力が入力する入力歯車47が固定されている。
この永久磁石式発電機は,ロータ3を構成する回転軸2の両端が軸受13でハウジング1に回転可能に支持されている。ロータ3は,回転軸2の外周に取り付けられた冷却用の通風孔28を備えた透磁部材6,透磁性部材6の外周面に配置された永久磁石部材5,及び永久磁石部材5の外周面27に固定された円筒状スリーブ16を備えている。ロータ3は,回転軸2の一端に形成されたねじ40に押さえ板41を介して固定ナット42が螺入されて一端が固定され,回転軸2の他端はスペーサ46と押さえ板45を介して軸受13で固定されている。回転軸2の一端には,軸受13がスペーサ43を介して一端に形成されたねじ49にナット44が螺入して固定されている。回転軸2の他端には,ロータ3を回転駆動する入力歯車47が配置され,入力歯車47は回転軸2の他端に形成されたねじ49にナット48が螺入して固定されている。また,磁束制御籠7とロータ3との間には,相対回転を可能にするように可及的に小さい隙間22が形成されている。また,この永久磁石式発電機では,ロータ3の透磁性部材6とハウジング1には,冷却風が流れる通風孔28,37が形成されている。永久磁石片19は,外周面27が円弧面に形成され,永久磁石片19間の隙間に相当する領域に非磁性材35を介在させて周方向の複数個配設されている。透磁性部材6は,例えば,透磁材と非磁性材が周方向に交互に配置して軸方向に延びて円筒状に形成されている。
ステータ4は,例えば,周方向に所定間隔のスロット部11を形成するように隔置されたインナステータコアである櫛状円筒部材30とアウタステータコアであるリング状継鉄部17とから成る薄板積層形のステータコア15,及びステータコア15に巻き上げられた巻線14から構成されている。櫛状円筒部材30は,例えば,内側櫛部32と外側櫛部33とから成る櫛部10と,内側櫛部32と外側櫛部33との間にあって櫛部10を連繋するブリッジ部31から構成されている。実施例では,内側櫛部32は,外側櫛部33に対応した状態で形成されているが,それに限るものではなく,例えば,図示していないが,隣接する2本の外側櫛部33に跨がって1本が集合する状態に形成し,言い換えれば,スロット部11に対応した位置に形成してブリッジ部31で連結するように構成することができる。巻線14は,櫛部10における外側櫛部33間に形成されたスロット部11に位置して外側櫛部33に巻き上げられ,巻線14を成形固定するためスロット部11内に非磁性材36が充填されている。巻線14は,例えば,ステータ4のステータコア15の櫛部10に巻き上げられた巻数の多い多巻き巻線38と,櫛部10に巻き上げられた巻数の少ない少巻き巻線39とから構成されている。ステータコア15におけるスロット部11と櫛部10との内周側には,磁束制御籠7が接触状態に且つステータ4に対して揺動回転可能に配置されている。磁束制御籠7は,例えば,ハウジング1に軸受(図示せず)を介して回転又は揺動自在に取り付けられている。ステータ4を構成するステータコア15は,例えば,巻線14の占積率をアップさせるため,内側櫛部32と外側櫛部33を持つようにブリッジ部31で互いに接続された櫛状円筒部材30に形成され,櫛状円筒部材30の櫛部10間に外側の開口即ち外開きの外側開口53から巻線14を巻き上げた後に,櫛状円筒部材30のインナステータコアの外周面に外筒部材でなるリング状継鉄部材17のアウタステータコアを嵌合して構成されている。
この永久磁石式発電機は,特に,永久磁石片19を保持する円筒状スリーブ16の構造に特徴を有している。この永久磁石式発電機は,ロータ3の永久磁石部材5の永久磁石片19を保持する円筒状スリーブ16の透磁性金属板20を回転方向に傾斜させて構成すると共に,ステータ4を構成するステータコア15の櫛部10を流れる磁束を制御するためのリング状の磁束制御籠7が設けられている。円筒状スリーブ16は,図3の(B)に一部が展開図で示されているように,長手方向に延びる永久磁石片19の外面に対して回転方向に傾斜して長手方向に短冊状に延びる複数の透磁性金属板20と,透磁性金属板20間に傾斜して長手方向に短冊状に延びて透磁性金属板20に接合された非透磁性金属板21とから構成されている。即ち,円筒状スリーブ16は,透磁性金属板20と非透磁性金属板21とが両側部で周方向に交互に順次長手方向に互いに接合されると共に,長手方向に永久磁石片19に対して傾斜状態に延びて配設されている。また,円筒状スリーブ16の非透磁性金属板21の幅は,永久磁石片19間の隙間,言い換えれば,永久磁石片19間に位置する非磁性材35の120〜150%に形成されている。即ち,円筒状スリーブ16の非透磁性金属板21の幅は永久磁石片19間の非磁性材35より幅が大きく,言い換えれば,円筒状スリーブ16の透磁性金属板20の幅は永久磁石片19の幅より小さく,透磁性金属板20が永久磁石片19の磁束を集合させるのに適正な幅に設定されることになる。従って,円筒状スリーブ16の非透磁性金属板21は,永久磁石片19の長手方向外面に対して一端が傾斜して接触しており,具体的には,永久磁石片19の長手方向外面に対して傾斜して一端側が永久磁石片19に三角状に接触し,他端側が永久磁石片間の隙間に位置する非磁性材35の中間から隣接する永久磁石片19に三角状に接触しているものである。また,円筒状スリーブ16は,永久磁石部材5の外周面27に対して圧入によって取り付けられている。円筒状スリーブ16を構成する透磁性金属板20と非透磁性金属板21とは,交互に配設して互いに溶接によって接合されている。
円筒状スリーブ16について,透磁性金属板20の幅は,非透磁性金属板21の幅の実質的に2倍の大きさに形成され,言い換えれば,透磁性金属板20は,永久磁石片19の円周方向幅の65〜85%を被覆即ちカバーしている。透磁性金属板20は,フェライト,マルテンサイト系ステンレススチール又は炭素鋼から作製されている。また,非透磁性金属板21は,オーステナイト系ステンレススチールから作製されている。円筒状スリーブ16は,透磁性金属板20と非透磁性金属板21とが交互に配設して溶着部34で互いに溶接によって接合され,透磁性金属板20と非透磁性金属板21とが交互に周方向に位置するように板部材18に形成され,次いで,板部材18を円筒状に成形して作製されている。また,1つの永久磁石片19の円弧面の外周面27が対応する透磁性金属板20には,ステータ4の櫛部10が3個程度対応して位置し,永久磁石部材5の磁束が透磁性金属板20に集まる構造に構成されている。
この永久磁石式発電機は,ステータ4とロータ3との間でステータ4に対して相対回転移動即ち揺動可能に配置された磁束密度を調整して電圧を制御する磁束制御籠7,磁束制御籠7をステータ4に対してロッド26を介して揺動させるアクチュエータ25,及びロータ3の回転速度に応答して磁束制御籠7の揺動量を制御するコントローラ(図示せず)を有する。磁束制御籠7は,外周側がステータ4の櫛部10と同数であって凹部12で隔置され且つ櫛部10に接触可能な透磁性突起部である透磁部即ち歯部8と,内周側で歯部8を互いに連繋する円筒部9とから構成されたリング状連続体に形成されている。また,磁束制御籠7は,図4及び図5に示すように,ステータ4の櫛部10側に位置する周方向に順次配列された歯部8と,ロータ3側に位置して歯部8が一体に構成された連続体の円筒部9とから形成されている。櫛部10には周方向両端に実質的に45°のチャンファ51が施され,また,歯部8には周方向両端に実質的に45°のチャンファ50が施されている。磁束制御籠7は,透磁性の珪素鋼板,ニッケル−鉄系合金板の板材を積層して構成され,板材は樹脂材又はセラミックス材の絶縁部材によって接着されている。また,磁束制御籠7の歯部8は,周方向に隔置して配置され且つステータ4の櫛部10間のスロット部11の幅より小さい幅を有する概略断面四角形状に形成され,歯部8の外面23が櫛部10の内面24に対向状態に接触可能に構成されている。また,ステータコア15の櫛部10には,その内周端面の角部にチャンファ51が形成されており,また,磁束制御籠7の歯部8には,その外周端面の角部にチャンファ50が形成されている。更に,磁束制御籠7は,歯部8と円筒部9との境界における磁束の流れをスムースにするため,歯部8に形成された凹部12の角部がR部に形成されている。磁束制御籠7の歯部8は,ロータ3側の内側部が周方向に幅広になる張り出し部となるR部に形成されている。従って,磁束制御籠7の円筒部9は,永久磁石部材5からの磁束の流れをスムーズにして磁束の漏れを低減する集磁部として機能する。
コントローラは,磁束制御籠7のステータ4に対する揺動によって,歯部8の外面23と,櫛部10の内面24との対向面積即ち接触面積との量を制御するように構成されている。コントローラの指令によってアクチュエータ25を作動してロッド26のピニオン29に螺合した磁束制御籠7に設けたラックが揺動し,磁束制御籠7がステータ4に対して相対揺動すると,歯部8の外面23と櫛部10の内面24との密接状態は調整され,磁束制御籠7の歯部8からステータコア15の櫛部10へ流れる磁束が制御されることになる。例えば,コントローラは,ロータ3の低速時には,図4に示すように,アクチュエータ25を作動して歯部8と櫛部10との合口が整合状態になる制御を行い,また,ロータ3の高速時には,図5に示すように,アクチュエータ25を作動して歯部8を櫛部10間のスロット部11へと移動させ,櫛部10との対向面積を低減させる制御を行う。また,コントローラは,ロータ3のステータ4に対する回転速度,即ち,周波数fとステータ4の櫛部10を流れる磁束φとの積(=f×φ)が一定になるように,アクチュエータ25によって磁束制御籠7を揺動させて予め決められた所定の一定の電圧を発電させる制御を行う。コントローラの制御によって磁束制御籠7が移動して磁束制御籠7の歯部8がステータコア15の櫛部10間に位置した状態では,図5に示すように,櫛部10のチャンファ51と歯部8のチャンファ50との間には,高精度に隙間Sが形成されことになり,ロータ3からステータ4へ流れる磁束は最も抑制される状態になる。従って,このような磁束制御形の発電機で,電圧を一定にし,インバータを用いて駆動に必要な周波数の電流を作ることにより,直接,永久磁石式電動機を作動させた方が効率的であることが多い。
この発明による永久磁石式発電機は,例えば,風力発電機として使用して好ましく,発電された電力は,各種機器の駆動,電灯,照明等の一般消費電力として,或いは電子機器等で消費するのに適用できる。
1 ハウジング
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 永久磁石部材
7 磁束制御籠
8 歯部
10 櫛部
14 巻線
16 円筒状スリーブ
19 永久磁石片
20 透磁性金属板
21 非透磁性金属板
27 外周面
34 溶着部
35 非磁性材
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 永久磁石部材
7 磁束制御籠
8 歯部
10 櫛部
14 巻線
16 円筒状スリーブ
19 永久磁石片
20 透磁性金属板
21 非透磁性金属板
27 外周面
34 溶着部
35 非磁性材
Claims (6)
- ハウジングに回転可能に支持された回転軸に設けられたロータ,前記ロータの外周側で前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置した櫛部に巻き上げられた巻線を備えたステータ,及び前記櫛部に対応する歯部を備えて前記ロータと前記ステータとの間で前記ステータに対して相対移動して磁束を制御する磁束制御籠を有し,前記ロータは,前記回転軸の周方向に隔置して長手方向にストレートに延びて配設された複数の永久磁石片と前記永久磁石片間に配置された非磁性材とを備えた永久磁石部材,及び前記永久磁石部材の外周面に嵌合して前記永久磁石部材を保持する円筒状スリーブを有する永久磁石式発電機において,
前記円筒状スリーブは,複数の透磁性金属板と前記透磁性金属板間に位置して前記透磁性金属板の長手方向両側で固着された非透磁性金属板とから構成され,
前記透磁性金属板は長手方向に延びる前記永久磁石片の外面に対して回転方向に傾斜して短冊状に延びており,前記非透磁性金属板は前記透磁性金属板間の長手方向に傾斜して短冊状に延びていることを特徴とするコギングが発生しない永久磁石式発電機。 - 前記永久磁石部材の前記永久磁石片間は,前記永久磁石片の周方向全幅の20%〜30%の周方向幅の隙間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式発電機。
- 前記円筒状スリーブの前記非透磁性金属板は,前記永久磁石片の長手方向外面に対して傾斜して一端側が前記永久磁石片に接触し,他端側が前記永久磁石片間の隙間の中間から隣接する前記永久磁石片に接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式発電機。
- 前記円筒状スリーブは,前記永久磁石部材の外周面に対して圧入によって取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機。
- 前記円筒状スリーブを構成する前記透磁性金属板と前記非透磁性金属板とは,交互に配設して互いに溶接によって接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機。
- 前記円筒状スリーブの前記非透磁性金属板の幅は,前記永久磁石片間の隙間の120〜150%に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011130661A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | General Electric Co <Ge> | 二重反転可能発電機 |
-
2006
- 2006-11-01 JP JP2006297780A patent/JP2008118745A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011130661A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | General Electric Co <Ge> | 二重反転可能発電機 |
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A521 | Written amendment |
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