JP2008117567A - 画像表示装置及びスペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示装置の製作プロセスで受ける熱より劣化しにくいスペーサと、そのスペーサを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】電子源を備えたカソード基板と、電子源から放出された電子を受けて発光する蛍光体を備えたアノード基板と、カソード基板とアノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサを有する画像表示装置において、スペーサを、ガラス基材の側面に、半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体からなる複合金属酸化物よりなる皮膜を備えたもので構成する。この複合金属酸化物皮膜を備えたスペーサは、画像表示装置の製作プロセスの過程で加熱されても、ガラス成分が揮発する等の劣化が少なく、良好な画像が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置とそれに使用されるスペーサに関する。
近年、情報処理装置或いはテレビジョン放送の高画質化に伴い、高輝度、高精細の特性を有すると共に軽量、省スペース化が図れることから、平面型画像表示装置(FPD:Flat Panel Display)への関心が高まっている。この平面型画像表示装置の代表的なものが液晶表示装置やプラズマ表示装置であり、また、最近注目されているフィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display、以下、FEDと称する)である。
FEDは冷陰極素子の電子放出素子をマトリックス状に配置した電子源を有する自発光型の表示装置である。電子放出素子としては、表面伝導型放出素子(SED型)、電界放出型素子(FE型)、金属/絶縁膜/金属型放出素子(MIM型)などが知られている。また、FE型では、モリブデン等の金属やシリコン等の半導体物質で作られたスピント型や、カーボンナノチューブを電子源とするCNT型などが知られている。
FEDでは、電子源が形成された背面側のカソードパネルと、電子源から放出された電子によって励起されて発光する蛍光体が形成された前面側のアノードパネルとの間に空間を設けて、この空間を真空雰囲気に保つ必要がある。真空に保たれた空間部が大気圧に耐えられるようにするために、通常、2つのパネル間にスペーサと呼ばれる支持部材が配置される。
FEDは、通常、電子源とアノードとの間の電位差が数〜数十kV程度となるように、アノードに電圧が印加される。この印加電圧が高いほど、パネルの高輝度化と長寿命化が図れるが、一方でスペーサが帯電しやすくなる。スペーサが帯電すると、カソードからアノードに飛行する電子ビームがスペーサ側に引き寄せられる、或いは、反発してスペーサから遠ざかるという現象が起こる。この結果、明るさが変わり、スペーサの影が画面に表示されるようになって、画質が悪くなるという問題が生じる。また、放電が起こりやすくなり、カソードや他の構造部品が破壊される恐れがある。また、スペーサ材料として比抵抗が10Ωcm程度の電子伝導性のガラス材料を用いる方法もある。このような電子伝導性のガラスとして、V−W−P−O系のガラスが用いられている。このガラスを用いる場合、V,W,Pといったガラスの構成元素がパネル作製の加熱プロセス等によって、パネル内に飛散してスペーサ近傍の電子源上に付着し、カソードの特性を劣化させる、いわゆるエミッション劣化が観測される。
スペーサの帯電やエミッション劣化を防ぐために、ガラス基材の表面に半導電性膜を形成したもの(例えば、特許文献1参照)、或いは、ガラス基材の表面に高抵抗膜を形成したもの(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。特許文献1には、半導電性膜の材料として、酸化錫,シリコンやゲルマニウム等の4族半導体,ガリウムや砒素等の化合物半導体,酸化ニッケルや酸化亜鉛等の酸化物半導体が記載されている。また、特許文献2には、高抵抗膜の材料として、NiO膜,Fe膜,ZnO膜,Cr膜等が記載されている。
特開平7−282743号公報 特許第3302298号公報
前記のように、ガラス基材の表面に帯電防止用の皮膜を形成することは、スペーサの影が画面に映る等の問題を抑制するのに有効である。しかし、従来検討されている薄膜材料は、画像表示装置の製作プロセスの過程で受ける加熱により劣化しやすいことがわかった。この薄膜の劣化により、エミッション劣化等が抑制できないという問題が生じる。
本発明の目的は、画像表示装置の製作プロセスの過程で加わる熱により劣化しにくいスペーサと、そのスペーサを備えた画像表示装置を提供することにある。
本発明は、電子源を備えたカソード基板と、前記電子源から放出された電子を受けて発光する蛍光体を備えたアノード基板と、前記カソード基板と前記アノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサを有する画像表示装置において、前記スペーサがガラス基材の側面に複合金属酸化物よりなる皮膜を有するものからなり、前記複合金属酸化物が半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体からなることを特徴とする。
また、本発明は、ガラス基材の側面に半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体よりなる複合金属酸化物にて形成された皮膜を有することを特徴とする画像表示装置用スペーサにある。
本発明により、画像表示装置の製作プロセスの過程で加わる熱により劣化しにくいスペーサを提供することができた。
以下、本発明のスペーサをMIM型FEDに適用した場合について説明するが、本発明はMIM型に限定されるものではない。
図1に、本実施例に係るスペーサの断面の模式図を示す。図2に、MIM型FEDの斜視図を示し、図3に図2のA−A線方向における断面の一部を示す。
前面パネル210は、パネルの基材であるアノード基板211の内面側に遮光膜であるブラックマトリックス212と蛍光体層213を有している。また、背面パネル220は、パネルの基材であるカソード基板221の内面側に電極222とエミッタである電子源223を有している。
前面パネル210に形成されたブラックマトリックス212と背面パネル220に形成された電極222との間には、多数のスペーサ110が配置されている。これらのスペーサは接着用フリット114を介して前面パネルに接着され、接着用フリット115を介して背面パネルに接着されている。接着用フリットには、スペーサに微小電流が流れることから、通常、導電性のものが用いられる。
アノード基板211とカソード基板221の内周縁部には封止枠230が設けられ、この封止枠はアノード基板及びカソード基板に接着剤により接着され、これによって、背面パネルと前面パネルとの間に空間部分が形成されて、この空間部分が表示領域となる。前面パネルと背面パネルの間隔は通常、3〜5mm程度であり、また、空間部分は通常、10−5〜10−7Torrの圧力の真空雰囲気に保持される。
このように構成されたFEDにおいて、背面パネル220と前面パネル210の間に数〜数十kV程度の加速電圧を印加すると、エミッタである電子源から電子が出射され、加速電圧によって蛍光体213に衝突し、これを励起して所定周波数の光を前面パネル210の外部に出射する。これにより、画像が表示される。
スペーサ110は、図1に示すようにガラス基材111の側面に複合金属酸化物皮膜112を有する。本実施例では、スペーサの端面に接着用フリットへの導通を考慮して金属膜113を形成している。
以下、FED製作プロセスの過程で受ける熱によりスペーサが劣化した場合の問題とその対策に関して、実験結果を踏まえて説明する。
ここでは、スペーサのガラス基材にV−W−Mo−P−Ba−O系の電子伝導性ガラスを用いた。導電性ガラスを用いたのは、基材に電流が流れるようになり、耐電圧が高くでき、明るい画質にできるからである。
パネルの製造過程で加わる熱により、スペーサのガラス基材からV,W,Mo等のガラス成分の一部が揮発し、カソード上に堆積する。これにより、スペーサ近傍のエミッタの発光効率が変化し、所謂エミッション劣化が生ずる。ガラス成分の揮発を抑制するには、基材の表面に揮発抑制用の皮膜を形成することが有効である。一方で、この皮膜には、スペーサの帯電防止機能も要求されるので、皮膜材料の選定は極めて重要である。
ガラス基材表面に形成される皮膜には、エミッタである電子源から放出される電子や、アノードや他の構成部材からの反射電子や二次電子が照射される。このため、皮膜は、照射される電子による帯電を抑制し、電子線の軌道を曲げないように低抵抗であることが要求される。しかし、抵抗が低すぎると、アノード基板とカソード基板の間に印加される電圧により流れる電流の消費量を多く、また、熱暴走の危険性が生じやすくなる。従って、適切な抵抗値に調整する必要があり、1×1010〜1×1013の範囲が好ましい。熱暴走とは、アノード基板とカソード基板の間に流れるスペーサ電流によってスペーサが発熱して高温状態となり、それによってスペーサ自身の抵抗値が低下して更に大電流が流れて高温となり、この結果、更に抵抗が下がる現象を繰り返すことで、スペーサ自体が自己の軟化温度より高温となり、溶断する現象である。
また、皮膜は、パネル製造プロセスで加わる460℃程度の温度の熱によって特性が変化しないことが必要である。
以上述べた諸性質を考慮して皮膜材料の検討を行い、Feなどの半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と、Gaなどの絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体からなる複合酸化物が非常に好ましいことを見出した。
表1に、検討を行った各種皮膜材料について、組成(mol%)、膜厚、加熱前の表面抵抗、460℃で2時間熱処理した後の表面抵抗、この加熱処理後の外観における膜ムラの有無、熱暴走が生じる電圧、エミッション劣化の有無、ビーム偏向量及び試作した17インチパネルにおける消費電力量を示した。
Figure 2008117567
ここでは皮膜をスパッタリング法にて成膜したが、成膜の方法はスプレー法、ディップ法、ゾルゲル法、ダイス法、スピンコート法などのように溶液を介した塗布焼成方法を用いても良い。
本実施例で行ったスパッタリングによる成膜の方法を、FeとGaよりなる複合金属酸化物皮膜を例にとって説明する。FeとGaを所望の皮膜組成となるように混合し、ホットプレス法を用いて焼結して製作した152.4mmφ×5mmtの寸法のターゲットを用いて成膜を行った。成膜ガスには5体積%のOを含有するArガスを用いた。電源にはrfマグネトロン電源を用い、前記ターゲットに対して700W程度の高電圧を印加した。成膜前の成膜室内の真空圧力は4.0×10Paとした。
成膜後の組成を分析するために、ポリイミドフィルム上に皮膜を約200nmの厚さに形成し、ICP分光分析法を用いて組成分析を行った。この組成分析結果を皮膜組成として記載した。なお、組成はモル%で記載している。
V−W−Mo−P−Ba−O系電子伝導性ガラス基材に、皮膜材料を上記のスパッタリング条件で50nmの厚さに形成した。基材のサイズは110mm×3mm×0.15mmとし、110mm×3mmの部分に成膜を行った。皮膜のスパッタレートは組成によって異なるので、各組成ごとにレートを計算しながら成膜した。片面の成膜終了後に一旦、試料を大気中に取り出し、上下面を入れ替えた後に裏面の成膜を行った。このようにしてスペーサの両面に同条件の成膜を行った。
また、成膜完了後、アノード基板、カソード基板との接合部分となるスペーサの両端面(110×0.15mm部分)に金属膜としてCrを約100nmの厚さに形成した。
表面抵抗値は、スペーサ基板上に皮膜をスパッタリングで形成した直後(as−depo)と、460℃で2時間加熱処理した後について測定した。電極間距離は30mmとし、この電極間に1kVの高電圧を印加して表面抵抗を測定した。測定はいずれの場合も室温で行った。また、加熱後、皮膜の状態変化による膜ムラが生じていないかを調べるために、目視及び光学顕微鏡を用いて膜ムラの有無を観察した。
次に、作製したスペーサをMIM型FED構造内に搭載して図2、図3に示すFEDパネルを作製し、熱暴走の有無、エミッション劣化、消費電力を検討した。熱暴走が見られた場合には、表1の「熱暴走が生じる電圧(kV)」欄に、その現象が生じる電圧を記載し、見られない場合には「見られず」と記載した。本検討では、アノード、カソード間の最大電圧を12kVとし、12kVで熱暴走が見られない場合に「見られず」と記載した。
また、エミッション劣化は、スペーサが形成されているゲート電極の直近である1行目に配列したエミッタと、そのエミッタから2〜3行目に形成されたエミッタ及びスペーサから20行目に形成されたエミッタからのエミッション電流値を同時に検出し、この20行目に形成されたエミッタからのエミッション電流値を100%としたときの1〜3行目に形成されたエミッタからのエミッション電流値を相対値で計測して、エミッション電流値の減少が見られた場合には減少量を相対値で記載した。またエミッション電流の低下が1%以下の場合には「見られず」と記載した。
エミッション劣化が5%を超えると、劣化によって蛍光体の発光がスペーサ近傍のみ低下するため、スペーサに沿って暗い帯が観測されるようになるので好ましくない。エミッション劣化が5%以下であれば、人間の目には暗い帯が観測されないので問題はない。
更に、スペーサが形成されたゲート電極の直近にある一行目に配列したエミッタにおけるビーム偏向量を評価した。ビーム偏向は、スペーサの電気抵抗値が高く、かつ二次電子放出係数が1より大きい場合、或いは小さい場合に正電荷や負電荷がスペーサ表面に蓄積され、この表面に蓄積された電荷にエミッション電流が例えば正電荷の場合には吸引され、負電荷の場合には反発されて、エミッタの直上に形成されたアノード基板上の蛍光体の中心からずれた位置に電子線が照射されて生じる現象である。ビーム偏向が生じると、蛍光体が発光しない領域が生成するため、スペーサに沿ってライン状の黒い帯が観測されるようになるので好ましくない。ビーム偏向のずれ量を、拡大鏡を用いて定量的に評価し、ずれ量の数値を記載した。ビーム偏向が20μm以下の場合には、人間の目には、ずれによる黒い帯は観測されないので好ましい。
表1には、17インチパネル全体の消費電力をWで表示した。実験に使用したMIM型FEDパネルは、17インチパネルに6行分のスペーサを形成し、各行に長さ110mmのスペーサが約15mmのギャップを設けて3本形成されている。従って、パネル一枚あたりのスペーサ搭載数は18本になる。この消費電力が20W以上の場合には一枚のパネルで消費する電力が大きなるので好ましくない。消費電力は20W未満であることが好ましい
No.1〜46は本発明による皮膜である。No.47〜58は比較例による皮膜である。本実施例では、半導体的特性を持つ金属酸化物として三価の価数を有するFe,Cr,Mn、Ni、V、Rh、Mo、Ruを選択した。また、絶縁的特性を有する金属酸化物として、上記の半導性酸化物と同様に三価の価数を有するAl、Gaを選択した。絶縁金属酸化物を半導性酸化物に含有させて固溶体を形成させた。No.1〜5とNo.32〜44はFeとGaによる複合金属酸化物皮膜である。No.6〜8とNo.45及びNo.46はCrとGaによる複合金属酸化物皮膜である。No.9〜13はFeとAlによる複合金属酸化物皮膜、No.14〜16はMnとGaによる複合金属酸化物皮膜、No.17〜19はNiとGaによる複合金属酸化物皮膜、No.20〜22はVとGaによる複合金属酸化物皮膜である。また、No.23〜25はRhとGaによる複合金属酸化物皮膜、No.26〜28はMoとGaによる複合金属酸化物皮膜、No.29〜31はRuとGaによる複合金属酸化物皮膜である。
本発明による皮膜には、いずれもエミッション劣化は見られず、また、熱暴走も見られなかった。また、本発明による皮膜は、加熱前と加熱後での表面抵抗値の変化が少なく、加熱後の表面抵抗値は一部の皮膜を除いて、いずれも1×1010〜1×1013Ω/□の範囲に収まっていることが分かった。
酸化物換算のモル比でCrが90%、Gaが10%よりなるNo.45の複合金属酸化物皮膜には、表面抵抗が1×1010よりも小さく、消費電力が20Wよりも若干大きいという現象が見られた。また、酸化物換算のモル比でCrが10%、Gaが90%よりなるNo.46の複合金属酸化物皮膜及びFeが10%、Gaが90%よりなるNo.44の複合金属酸化物皮膜には、ビーム偏向量が大きくなるという現象が見られた。これらから、複合金属酸化物の組成は、酸化物換算のモル比でFe,Cr,Mn、Ni、V、Rh、MoまたはRuが20〜80%、Ga又はAlが80〜20%とするのが好ましいことが分かった。Fe等の半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物が20mol%未満であると、抵抗が高くなり、ビーム偏向が大きくなる傾向がある。また、80mol%を超えると抵抗が低くなり、消費電力が大きくなり、高電圧印加により熱暴走が生じやすくなる傾向がある。
皮膜の厚さが大きいNo.41とNo.42の皮膜には、加熱後の膜ムラが若干見られた。膜ムラは画質低下の原因の一つである。皮膜の厚さが厚すぎても、また、薄すぎても膜ムラは生じやすくなることから、膜厚は10nm以上、200nm以下の範囲にするのが好ましい。
No.47〜56はFe,Cr,Mn,Ni,V,Rh,Mo,Ru単相の皮膜であるが、これらの皮膜の表面抵抗値はいずれも10Ω/□台であった。このため、熱暴走が印加電圧4〜9kVで生じたほか、消費電力量も20W以上となり、好ましくなかった。
No.57,58は、FeまたはCrにSiOを含有させたものであるが、固溶体にはなっていない。この皮膜は、成膜直後のas−depo時の表面抵抗値に対して460℃で2時間熱処理後の表面抵抗値が約2桁低下していることが分かった。また、この皮膜の外観を見ると膜のムラが観察された。更に、この皮膜を形成したスペーサを搭載したパネルではエミッション劣化が10〜20%と大きく、好ましくない結果となった。
No.2とNo.47の皮膜をそれぞれ透明なガラス基板上に形成して加熱した場合の加熱前後の分光透過率曲線を、No.47については図4に示し、No.2については図5に示す。分光透過率曲線の測定は、(株)日立製作所製の分光光度計(U4100)を用いて行った。図4に示すNo.47のFe皮膜を有するものは、加熱前の分光透過率曲線に対して加熱後の曲線が大きく変化していた。一方、図5に示すNo.2のFeとGaよりなる複合金属酸化物皮膜を有するものは、加熱前後で分光透過率曲線の変化はほとんど見られなかった。
以上のように、Fe,Crなどの半導性金属酸化物材料に、Al,Gaなどの絶縁金属酸化物材料を添加して作製した複合金属酸化物では、抵抗値も適切で、ガラス基材成分の揮発によるエミッション劣化のない優れたスペーサを得ることができた。
Fe−Ga系皮膜とFe−SiO系皮膜で、その効果に違いが生ずる原因を解明するために、透過型電子顕微鏡を用いて、これらの皮膜のナノ構造を解析した。その結果、加熱前後のナノ構造を比較すると、Fe−Ga系皮膜の場合では、加熱前後のいずれの場合もそれぞれの偏析など構造の不均一性が観測されず、FeとGaが複合化し、GaがFe中に固溶して固溶体を形成しており、粒径約5〜10nmのナノ結晶を形成していることが確認された。
一方、Fe−SiO系皮膜の場合には、加熱前のas−depoの状態では均一なナノ結晶粒子を形成していたが、Fe粒子にSiOが粒界相成分として偏析していることが確認された。そして、460℃で加熱することによってSiOの偏析がより顕著となり、FeとSiOが分離して存在していることが確認された。
Fe−Ga系皮膜の場合は、Gaを形成するGaイオンがFe中のFeと同じく価数が三価であり、かつイオン半径が非常に近いことが特徴であり、両者はそれぞれの結晶格子中に固溶しやすく、固溶体を形成しやすい。一方、SiOは良好な絶縁体物質であるにもかかわらず、Siイオンが4価であること、並びにイオン半径がFeイオンと大きく異なることから、固溶体が形成されない。スパッタリングでは熱力学的に不安定な状態で膜が形成されるため、as−depo状態ではFe結晶中にSiOが多少固溶するが、加熱処理によってSiOがFeの結晶格子中から排出され、SiOが粒界部分に偏析するものと考えられる。このため、膜のムラが生じ、加熱による抵抗変化が生じる。
以上より、スペーサのガラス基材上に形成される複合金属酸化物皮膜としては、半導性を有する金属酸化物と、絶縁性を有する金属酸化物の固溶体であることが好ましい。さらに好ましくは、上記半導性を有する金属酸化物に存在する陽イオンと、絶縁性を有する金属酸化物に存在する陽イオンの価数が等しいことが好ましい。より好ましくは、これらのイオン半径比が固溶体を形成できる程度に近い値を有していることが好ましい。
本実施例では、三価の金属酸化物であるFe等の酸化物に着目し、優れた効果を有することを確認したが、例えばZnOやCoOなどの二価、四価の固溶体を形成する金属酸化物同士であっても良い。
次に、スペーサのガラス基材に形成される複合金属酸化物皮膜の膜厚についての検討結果について説明する。表1のNo.32〜42は、酸化物換算のモル比でFeが70%、Gaが30%の複合金属酸化物皮膜の膜厚を変化させた場合の特性を示している。
No.32〜38は、膜厚を10nm〜200nmとした場合の例であるが、いずれの場合も、表面抵抗値、加熱後の膜ムラ、熱暴走、エミッション劣化、ビーム偏向、消費電力の全ての項目において問題が見られず良好であった。
No.41,42は膜厚が300nm、500nmと厚い場合であるが、この場合には、加熱後に膜ムラが若干生じた。この膜ムラは、SiOを混合した場合と異なり、膜厚が厚いために、皮膜と基材との間の応力による膜剥離、または加熱による粒成長による膜ムラであった。
以上より、形成される複合金属酸化物皮膜の膜厚は200nm以下であることが好ましい。複合金属酸化物皮膜の膜厚が200nmを超えると、加熱後に膜ムラが生じるようになり好ましくない。本実験では皮膜の厚さが5nm、7nmのNo.39,40には問題は認められなかったが、複合金属酸化物皮膜の膜厚が10nm未満になるとガラス成分の揮発の抑制が不十分となる傾向があるので、膜厚の最小値は10nmであることが好ましい。
以上、Fe,Cr,Ni,V,Rh,Mo,Ruと、Gaとの組合せによる複合金属酸化物皮膜及びFeとAlの複合金属酸化物皮膜は、パネル製作プロセスで加わる熱による影響を受けにくいことが実証された。この組合せは一例であって、例えば、CrとAlとの複合金属酸化物も有効である。
本発明によるスペーサの構成を示した断面図である。 MIN型FEDの外観を示した斜視図である。 図2のA−A線方向の一部分を示した断面図である。 ガラス基板上にFe皮膜を形成して加熱した場合の、加熱前後の分光透過率曲線を示す図である。 ガラス基板上にFeとGaよりなる複合金属酸化物皮膜を形成して加熱した場合の、加熱前後の分光透過率曲線を示す図である。
符号の説明
110…スペーサ、111…ガラス基材、112…複合金属酸化物皮膜、113…金属膜、114…接着用フリット、115…接着用フリット、210…前面パネル、211…アノード基板、212…ブラックマトリックス、213…蛍光体、220…背面パネル、221…カソード基板、222…電極、223…電子源、230…封止枠。

Claims (19)

  1. 電子源を備えたカソード基板と、前記電子源から放出された電子を受けて発光する蛍光体を備えたアノード基板と、前記カソード基板と前記アノード基板の間に配置され両基板を支持するスペーサを具備する画像表示装置において、前記スペーサがガラス基材の側面に複合金属酸化物よりなる皮膜を有するものからなり、前記複合金属酸化物が半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体からなることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物が鉄、クロム、マンガン、ニッケル、バナジウム、ロジウム、モリブデン及びルテニウムから選ばれた三価の陽イオンを含有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物がアルミニウム及びガリウムから選ばれた三価の陽イオンを含有することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  4. 前記複合金属酸化物を形成している元素が鉄、クロム、マンガン、ニッケル、バナジウム、ロジウム、モリブデン及びルテニウムから選ばれた1種と、アルミニウム及びガリウムから選ばれた1種よりなることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  5. 前記複合金属酸化物を形成している元素が鉄とガリウムよりなることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  6. 前記複合金属酸化物を形成している元素が鉄とガリウムよりなり、FeとGaの酸化物換算のモル%でFe:20%〜80%、Ga:80%〜20%を含有することを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。
  7. 前記複合金属酸化物よりなる皮膜の表面抵抗値が1×1010Ω/□以上、1×1013Ω/□以下であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  8. 前記複合金属酸化物を形成している元素がクロムとガリウム、鉄とアルミニウム、マンガンとガリウム、ニッケルとガリウム、バナジウムとガリウム、ロジウムとガリウム、モリブデンとガリウム、ルテニウムとガリウムのいずれかよりなることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  9. 前記複合金属酸化物よりなる皮膜の膜厚が10nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1記載の平面型画像表示装置。
  10. 前記スペーサのガラス基材が導電性ガラスよりなることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  11. 画像表示装置の背面パネルと前面パネルの間に配置されるスペーサであって、ガラス基材の側面に半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物と絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物の固溶体よりなる複合金属酸化物で形成された皮膜を有することを特徴とする画像表示装置用スペーサ。
  12. 前記半導体的な電気伝導性を有する金属酸化物が鉄、クロム、マンガン、ニッケル、バナジウム、ロジウム、モリブデン及びルテニウムから選ばれた三価の陽イオンを含有することを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  13. 前記絶縁体的な電気伝導性を有する金属酸化物がアルミニウム及びガリウムから選ばれる三価の陽イオンを含有することを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  14. 前記複合金属酸化物を形成している元素が鉄とガリウムよりなることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  15. 前記鉄とガリウムを、FeとGaの酸化物換算のモル%でFe:20%〜80%、Ga:80%〜20%にて含有することを特徴とする請求項14記載の画像表示装置用スペーサ。
  16. 前記複合金属酸化物よりなる皮膜の表面抵抗値が1×1010Ω/□以上、1×1013Ω/□以下であることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  17. 前記複合金属酸化物よりなる皮膜の膜厚が10nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  18. 前記ガラス基材が導電性ガラスよりなることを請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
  19. 前記複合金属酸化物を形成している元素がクロムとガリウム、鉄とアルミニウム、マンガンとガリウム、ニッケルとガリウム、バナジウムとガリウム、ロジウムとガリウム、モリブデンとガリウム、ルテニウムとガリウムのいずれかよりなることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置用スペーサ。
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