JP2008116482A - 鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置 - Google Patents

鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置 Download PDF

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一晴 鹿子嶋
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Abstract

【課題】異形レンズが適用された読み取り装置において、色ずれを抑制できる鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】一次元状の撮像領域を有する撮像素子に原稿像を結像するための複数のレンズ201〜206を保持する光学ユニット10。前記複数のレンズ201〜206は、少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含む複数のグループに分けられている。第1の鏡胴101は、第1のグループのレンズ201を保持する。第2の鏡胴102は、第2のグループのレンズ202〜206を保持する。前記第1の鏡胴101及び前記第2の鏡胴102は、互いに固定される際に、前記複数のレンズ201〜206の光軸に対して垂直な平面においてスライドさせられることにより互いの位置関係を調整できる構造を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置に関し、より特定的には、一次元状の撮像領域を有する撮像素子に原稿像を結像するための複数のレンズを保持する鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置に関する。
デジタルカラー複写機やカラースキャナ等の読み取り装置には、撮像素子として一次元の読み取り領域を有するラインリニアセンサが設けられると共に、ラインリニアセンサに画像を結像させるための読み取りレンズが設けられる。従来、この読み取りレンズには、ラインリニアセンサの読み取り領域が一次元であるにもかかわらず、光学特性の問題により、特許文献1及び特許文献2に示すように、光軸回りに回転対称な丸形のレンズが採用されていた。以下に、説明する。
レンズ及びレンズを保持する玉枠については、一般的に、丸形のレンズ及び玉枠の方が、丸形以外のレンズ及び玉枠よりも精度良く加工できる。また、レンズ及び玉枠に偏芯や組み込み時のガタツキが発生して光学特性が劣化したとしても、レンズ及び玉枠が丸形を有しているので、レンズ及び玉枠を回転させることにより、偏芯やガタツキによる光学特性の劣化を補うようにレンズ及び玉枠を配置することができる。そのため、レンズ及び玉枠は、丸形であることが好ましかった。
ところで、近年、デジタルカラー複写機やカラースキャナ等の読み取り装置において、小型化の要求が高まっている。そのため、前記のような丸形のレンズではなく、一次元の読み取り領域に対応する部分以外の部分を取り除いた異形レンズの採用が考えられている。しかしながら、異形レンズは、光軸周りに回転対称な形状ではないため、前記のような偏芯やガタツキが発生している場合には、レンズを回転させることにより光学特性の劣化を補うことができない。その結果、レンズの通過時において光が分散してしまい、ラインリニアセンサにおいて色ずれが発生してしまう。
特開2000−241693号公報 特開平11−191830号公報
そこで、本発明の目的は、異形レンズが適用された読み取り装置において、色ずれを抑制できる鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置を提供することである。
本発明は、一次元状の撮像領域を有する撮像素子に原稿像を結像するための複数のレンズを保持する鏡胴において、前記複数のレンズは、少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含む複数のグループに分けられており、第1のグループのレンズを保持する第1の鏡胴と、第2のグループのレンズを保持する第2の鏡胴と、を備え、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、互いに固定される際に、前記複数のレンズの光軸に対して垂直な平面においてスライドさせられることにより互いの位置関係を調整できる構造を有すること、を特徴とする。
本発明によれば、第1の鏡胴と第2の鏡胴とをスライドさせて位置合わせを行うことにより、色ずれを補正することができる。
本発明において、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、前記撮像領域の延在方向に対して垂直であって、かつ、前記複数のレンズの光軸に対して垂直である副走査方向にスライド可能な構造を有することが好ましい。これは、主走査方向における色ずれについては、メモリを用いて画像処理を行うことで比較的容易に補正することができるのに対して、副走査方向における色ずれは画像処理を行う際に、大容量のメモリが必要となりコストがかかるためである。
本発明において、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴のそれぞれには、孔が形成されており、前記第1の鏡胴と前記第2の鏡胴とは、前記孔を貫通する棒状部材により互いに固定され、前記第1の鏡胴に形成された孔又は前記第2の鏡胴に形成された孔のいずれか一方は、他方よりも副走査方向における幅が広い形状を有することが好ましい。これにより、第1の鏡胴の孔と第2の鏡胴の孔とを連通させて棒状部材を挿入した場合でも、副走査方向に第1の鏡胴と第2の鏡胴とをスライドさせて、これらの位置関係を調整できる。
本発明において、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴のそれぞれは、前記複数のレンズの光軸に対して垂直な平面部を有し、前記孔は、前記平面部を貫通するように形成されていることが好ましい。また、本発明において、前記第1の鏡胴の平面部と前記第2の鏡胴の平面部との間には、所定の厚さを有するスペーサーが配置されていることが好ましい。スペーサーを配置することにより、第1の鏡胴と第2の鏡胴との間隔を調整することが可能となる。その結果、レンズの光学特性を最適なものに近づけることが可能となる。
本発明において、前記スペーサーは、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴よりも摩擦係数が小さな材料により作製されていることが好ましい。これにより、第1の鏡胴と第2の鏡胴とを容易にスライドさせることができるようになる。
本発明において、前記第1の鏡胴又は前記第2の鏡胴のいずれか一方には、前記副走査方向に延びる溝が形成されており、前記第1の鏡胴又は前記第2の鏡胴のいずれか他方には、前記溝と嵌合すべき凸部が形成されていることが好ましい。このように、溝と凸部とからなるガイド機構が設けられることにより、スライド方向を副走査方向にのみ限定できるようになる。
本発明において、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、前記撮像領域の延在方向に対して平行な主走査方向にスライド可能な構造を有していてもよい。
本発明において、前記複数のレンズは、前記撮像領域の延在方向に長手方向を有することが好ましい。これにより、レンズの不要な部分がなくなるので、鏡胴をコンパクト化できる。
本発明において、前記複数のレンズにより構成されるレンズ系全体の焦点距離の絶対値の逆数に対する前記第1の鏡胴が保持するレンズにより構成されるレンズ系の焦点距離の絶対値の逆数の比の値が2以下であることが好ましい。これにより、レンズの色ずれの感度を適切な感度にすることができる。その結果、第2の鏡胴に対する第1の鏡胴のスライド量と色ずれの変化量とが適正なものとなり、色ずれの補正を行いやすくなる。
本発明に係る鏡胴は、原稿読み取り装置に適用できる。より詳細には、原稿読み取り装置は、前記鏡胴を備え、前記撮像素子は、前記一次元状の撮像領域の延在方向と直交する方向に原稿を走査して前記原稿像を読み取る。また、前記原稿読み取り装置は、複写機等の画像形成装置に対して適用できる。
以下に、本発明の実施形態に係る鏡胴、原稿読み取り装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。
(画像形成装置の概要)
図1は、本実施形態に係る鏡胴が搭載された画像読み取り装置の構成図である。該画像読み取り装置は、キャビネット1、プラテンガラス2、プラテンカバー3、ランプ4、リフレクタ5、第1のミラー6、第2のミラー7、第3のミラー8、光束規制板9、光学ユニット10及び撮像素子11を備える。
キャビネット1は各種光学部材を格納する筐体である。プラテンガラス2は、キャビネット1の上部開口に、原稿を載置するために取り付けられる。このプラテンガラス2に対しては、読み取るべき画像を下向きにして原稿(不図示)がセットされる。プラテンカバー3は、原稿の画像を読み取る際にプラテンガラス2の上に被せられ、原稿をプラテンガラス2に密着させる働きをする。
ランプ4は、キャビネット1の内部に設けられ、プラテンガラス2上にセットされた原稿(被読み取り物)に光を照射する。リフレクタ5は、このランプ4から発せられた光を効率良く原稿面に集光する。第1のミラー6は、原稿からの反射光を側方に反射させる。第2のミラー7は、この第1のミラー6からの反射光を下方に反射させる。第3のミラー8は、この第2のミラー7からの反射光を側方に反射させる。
ランプ4、リフレクタ5及び第1のミラー6は、図1に示すように1つの筐体に搭載され、図中矢印方向に速度Vで移動するようになっている。一方、第2のミラー7及び第3のミラー8は、図1に示すように1つの筐体に搭載され、図中矢印方向に速度V/2で移動するようになっている。これにより、移動中における原稿面と撮像素子11との間の光の経路の長さが一定となる。
光束規制板9は、第3のミラー8と光学ユニット10との間に配置される。光学ユニット10は、内部に複数のレンズを有しており、原稿からの反射光によって得られる光学像を撮像素子11に結像させる。撮像素子11は、一次元状の撮像領域を有し、光学ユニット10によって結像された光学像を撮像領域が延びる方向と直交する方向に走査して原稿像を読み取るCCD等のラインセンサ(読み取り手段)である。
以上のように構成された画像読み取り装置において、原稿の画像が読み取られる場合には、ランプ4から発せられかつリフレクタ5によって集光された光が原稿に照射され、これによって得られた原稿からの光学像(反射光)が第1のミラー6、第2のミラー7及び第3のミラー8によって順次反射される。そして、第3のミラー8で反射された光学像は光束規制板9を透過し光学ユニット10内のレンズに入射し、この光学ユニット10内のレンズを透過した後、撮像素子11上で結像される。撮像素子11は、各々の画素ごとに入射光の強さに応じて光電変換を行い、これによって原稿画像に対応した画像信号(RGB信号)を生成する。
(光学ユニットについて)
図2は、光学ユニット10の外観斜視図である。図3(a)は、光学ユニット10に含まれるレンズを、副走査方向から見たときの図である。図3(b)は、光学ユニット10に含まれるレンズを、主走査方向から見たときの図である。ここで、主走査方向とは、撮像素子11の撮像領域が延びる方向と平行な方向を指し、副走査方向とは、光学ユニット10に含まれるレンズの光軸と主走査方向とに垂直な方向を指す。具体的には、主走査方向及び副走査方向は、図2及び図3に示す矢印の方向である。
光学ユニット10は、図2及び図3に示すように、第1の鏡胴101、第2の鏡胴102及び第1〜第6のレンズ201〜206を含む。第1〜第6のレンズ201〜206は、図3に示すように、物体側から像側に向かって、第1のレンズ201、第2のレンズ202、第3のレンズ203、第4のレンズ204、第5のレンズ205、第6のレンズ206の順に配置され、ダブルガウスレンズを採用している。更に、図2に示すように、第1〜第6のレンズ201〜206は、主走査方向に長手方向を有しており、丸形のレンズの上下がカットされた形状を有する。
第1〜第6のレンズ201〜206は、第1のグループ200aと第2のグループ200bとの2つのグループに分けられている。より詳細には、第1のレンズ201は、第1のグループ200aに属しており、第2〜第6のレンズ202〜206は、第2のグループ200bに属している。
第1の鏡胴101は、第1のグループ200aに属するレンズ(第1のレンズ201)を保持する。第2の鏡胴102は、第2のグループ200bに属するレンズ(第2〜第6のレンズ202〜206)を保持する。そして、第1の鏡胴101及び第2の鏡胴102は、互いに固定される際に、第1の鏡胴101が副走査方向にスライドさせられることにより互いの位置関係を調整できる構造を有する。以下に、この構造について詳細に説明する。
第1の鏡胴101の主走査方向の両脇には、平面部22a,bが形成されている。この平面部22a,bは、第1〜第6のレンズ201〜206の光軸に対して垂直な平面を有している。平面部22a,bには、これらを貫通する孔23a,bが形成されている。
同様に、第2の鏡胴102の主走査方向の両脇には、平面部27a,bが形成されている。この平面部27a,bは、第1〜第6のレンズ201〜206の光軸に対して垂直な平面を有している。平面部27a,bには、これらを貫通する孔28a,bが形成されている。孔23a,bは、孔28a,bよりも副走査方向に大きな開口を有する。
更に、第1の鏡胴101の第2の鏡胴102と対向する側の面において、第1のレンズ201を挟むように、副走査方向に延びる溝21a,bが形成される。第2の鏡胴102の第1の鏡胴101と対向する側の面において、第2のレンズ202を挟むように、副走査方向に延びる凸条26a,bが形成される。凸条26a,bは、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とを固定する際に溝21a,bに嵌合するように、溝21a,bに一致する位置に形成される。このように、凸条26a,bを溝21a,bに嵌合することにより、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とは、副走査方向にのみスライド可能となる。
第2の鏡胴102の副走査方向の両脇には、取り付け部29a,bが設けられている。取り付け部29a,bとキャビネット1とが螺子により固定されることにより、光学ユニット10がキャビネット1に取り付けられる。
以上のように構成された光学ユニット10を組み立てる際には、作製者は、凸条26a,bを溝21a,bに嵌合させ、更に、孔23a,bと孔28a,bとを連通させる。この後、第1〜第6のレンズ201〜206にテスト用の光を入射させて、色ずれの有無を確認しながら、副走査方向に第1の鏡胴101又は第2の鏡胴102をスライドさせて、色ずれが発生しないようにこれらを位置合わせする。最後に、孔23a,bと孔28a,bを貫通する螺子等の棒状部材により、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とを固定する。
なお、図2に示すように、第1の鏡胴101の平面部22a,bと第2の鏡胴102の平面部27a,bとの間には、第1の鏡胴101及び第2の鏡胴102の摩擦係数よりも小さな摩擦係数を有する材料(PET、フッ素樹脂シート等)で作製されたスペーサー30a,bが設けられることが好ましい。これにより、第1のレンズ201と第2のレンズ202との間隔を所望の間隔に調節することが可能となり、最適な光学特性を得ることが可能となる。なお、レンズ間隔の詳細については、後述する。更に、スペーサー30a,bが滑りやすい材料により作製されることにより、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102との間の滑りがよくなり、容易に第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とを位置合わせすることが可能となる。
(コンピュータシミュレーションの結果及び考察について)
以上の構成を有する光学ユニット10について、前記効果を明確なものとするために、本願発明者は、以下に示すシミュレーションを行った。シミュレーションに用いるモデルとしては、図3に示すようなプラテンガラス2、第1〜第6のレンズ201〜206及び撮像素子11の保護ガラス210からなるレンズ系を用いた。なお、プラテンガラス2、第1〜第6のレンズ201〜206及び保護ガラス210の各面には、a〜oの記号が付されている。
まず、本シミュレーションに用いたモデルの条件は、表1に示す通りである。
Figure 2008116482
f=100mm、λ=546.07nm、Fno=5、m=−0.2203、Y=152.5mm、ω=15.7°
前記記号の意味は、以下の通りである。
f:焦点距離 λ:基準波長(e線) Fno:Fナンバー m:倍率 Y物体高 ω:半画角 R:曲率半径 D:面間隔 Nd:d線の屈折率 νd:アッベ数
また、第1の鏡胴101が保持するレンズにより構成されるレンズ系の焦点距離の逆数をφ1とし、レンズ系全体の焦点距離の逆数をφtとしたとき、以下の数値に設定されている。
|φ1|=0.0151
|φt|=0.01
|φ1|/|φt|=1.51
以上のようなモデルにおいて、第1の鏡胴101を第2の鏡胴102に対して副走査方向にスライドさせたときの色ずれ量の変化量について、コンピュータによるシミュレーションを行った。図4は、該シミュレーションの結果を示すグラフである。縦軸は副走査方向の色ずれ量の変化量を示し、横軸は第2の鏡胴102に対する第1の鏡胴101の副走査方向へのずらし量を示す。より詳細には、図4は、横軸に示す量だけ第1の鏡胴101を第2の鏡胴102に対してずらした場合に、縦軸に示す量だけ色ずれ量が変化することを示す。色ずれ量は、650nmの波長の光と450nmの波長の光の照射位置の差を指す。
図4に示すように、第1の鏡胴101を第2の鏡胴102に対して副走査方向にスライドさせることにより、色ずれ量を制御できることが理解できる。従って、図2に示す光学ユニット10において、副走査方向の上方向に色ずれが発生している場合には、下方向に第1の鏡胴101を移動させ、副走査方向の下方向に色ずれが発生している場合には、上方向に第1の鏡胴101を移動させることにより、色ずれを抑制できる。
次に、本願発明者は、副走査方向の色ずれの感度について検討を行った。その結果、本願発明者は、副走査方向の色ずれの感度の観点から、第1〜第6のレンズ201〜206により構成されるレンズ系の焦点距離の絶対値の逆数(パワー)に対する第1のレンズ201の焦点距離の絶対値の逆数(パワー)の比の値が2以下であることが好ましいことを発見した。これは、2つのパワーの比の値が2より大きくなると、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102との副走査方向のずれ量を少し変化させるだけで色ずれ量が大きく変化してしまい(すなわち、色ずれの感度がよくなりすぎて)調整が困難になるためである。なお、下限については、色ずれの感度が低下するだけであるので、特に制限はない。
ここで、本願発明者は、表1に示す条件のモデルにおいて、色ずれの感度が妥当であるか否かについて検討を行った。まず、本実施形態に係る光学ユニット10は、画素ピッチが9.325μmの3ラインセンサを使った読み取り線密度が600dpiのカラースキャナに用いられることを想定している。このような光学ユニット10において、画像処理による副走査方向の色ずれ補正を行わない場合には、画素ピッチに対する色ずれの発生量の割合を、1/10〜1/5程度に抑えておくことが好ましい。
前記のように、画素ピッチに対する色ずれの発生量の割合を抑制するためには、第1の鏡胴101を変化させる最小幅に対する色ずれ量の割合を、画素ピッチの1/10よりも小さくしておく必要がある。ここで、本実施形態に係る光学ユニット10では、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とをずらすことが可能な最小幅は、約0.01mmである。図4のグラフによれば、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とのずれが0.01mmのときには、色ずれ量は約0.5μmとなっている。前記の通り、画素ピッチは9.325μmであるので、画素ピッチに対する色ずれの発生量の割合は約1/19となる。そのため、表1の条件のモデルでは、画素ピッチに対する色ずれの発生量の割合を、1/10〜1/5程度に抑えることができていることが理解できる。すなわち、本実施形態に係るモデルが色ずれの感度の観点から妥当であることが理解できる。
(スペーサーの役割について)
本実施形態に係る光学ユニット10では、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102との間にスペーサー30a,bが設けられている。このスペーサー30a,bは、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102との滑りをよくする役割を果たすと共に、第1のレンズ201と第2のレンズ202との間隔を調整する役割を果たす。以下に、このレンズの間隔の調整について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、第1の鏡胴101及び第2の鏡胴102の、光軸と主走査方向とを含む面における断面構造図である。図6は、図5の間隔Aを変化させたときに生じる像面湾曲量を示したグラフである。横軸は、間隔Aの変化量を示し、縦軸は、像面湾曲量を示す。なお、シミュレーションに用いたモデルは、前記表1の条件のモデルである。
像面湾曲の補正を行う際には、図5の光学ユニット10において、第3のレンズ203と第4のレンズ204との間隔Aを調整する。より詳細には、図5の第2の鏡胴102と第3のレンズ203との間のBの位置に、スペーサー(図示せず)を挿入して、第3のレンズ203と第4のレンズ204との間隔Aを調整する。このように、第3のレンズ203と第4のレンズ204との間隔Aを調整することにより、図6に示すように、像面湾曲量を変化させることができる。
ところで、図5のBの位置にスペーサーを挿入した場合、第1のレンズ201と第2のレンズ202との間隔Cが狭くなってしまう。その結果、光学ユニット10の光学特性が所望の光学特性から外れてしまう。そこで、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102との間にスペーサー30a,bを挿入して、第1のレンズ201と第2のレンズ202との間隔Cを所望の間隔にしている。すなわち、スペーサー30a,bは、第1のレンズ201と第2のレンズ202との間隔Cを所望の間隔に維持し、光学ユニット10全体の光学特性を所望の特性にする役割を果たす。
(その他の実施形態)
なお、前記実施形態では、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とは、副走査方向にのみスライドできるものとしたが、スライドできる方向はこれに限らない。例えば、第1の鏡胴101と第2の鏡胴102とは、主走査方向にスライドできるものであってもよい。この場合、溝21a,b及び凸条26a,bは、主走査方向に延びるように形成される必要がある。更に、孔28a,bは、孔23a,bよりも主走査方向に大きな開口を有する必要がある。
但し、前記スライドできる方向は、主走査方向よりも、副走査方向であることが好ましい。これは、主走査方向における色ずれについては、メモリを用いて画像処理を行うことで比較的容易に補正することができるのに対して、副走査方向における色ずれは画像処理を行う際に、大容量のメモリが必要となりコストがかかるためである。
なお、光学ユニット10は、原稿読み取り装置及び該原稿読み取り装置を備えた画像形成装置に対して適用することができる。
また、光学ユニット10では、6枚のレンズを2つのグループに分けていたが、レンズの枚数及びグループ数はこれに限らない。
本実施形態に係る鏡胴が搭載された画像読み取り装置の構成図である。 光学ユニットの外観斜視図である。 図3(a)は、光学ユニットに含まれるレンズを、副走査方向から見たときの図である。図3(b)は、光学ユニットに含まれるレンズを、主走査方向から見たときの図である。 第2の鏡胴に対する第1の鏡胴の副走査方向へのずらし量と副走査方向の色ずれ量の変化量との関係を示したグラフである。 第1の鏡胴及び第2の鏡胴の、光軸と主走査方向とを含む面における断面構造図である。 第3のレンズと第4のレンズとの間隔を変化させたときに生じる像面湾曲量を示したグラフである。
符号の説明
10 光学ユニット
11 撮像素子
21a,b 溝
22a,b,27a,b 平面部
23a,b,28a,b 孔
26a,b 凸条
29a,b 取り付け部
30a,b スペーサー
101 第1の鏡胴
102 第2の鏡胴
200a 第1のグループ
200b 第2のグループ
201 第1のレンズ
202 第2のレンズ
203 第3のレンズ
204 第4のレンズ
205 第5のレンズ
206 第6のレンズ

Claims (12)

  1. 一次元状の撮像領域を有する撮像素子に原稿像を結像するための複数のレンズを保持する鏡胴において、
    前記複数のレンズは、少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含む複数のグループに分けられており、
    第1のグループのレンズを保持する第1の鏡胴と、
    第2のグループのレンズを保持する第2の鏡胴と、
    を備え、
    前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、互いに固定される際に、前記複数のレンズの光軸に対して垂直な平面においてスライドさせられることにより互いの位置関係を調整できる構造を有すること、
    を特徴とする鏡胴。
  2. 前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、前記撮像領域の延在方向に対して垂直であって、かつ、前記複数のレンズの光軸に対して垂直である副走査方向にスライド可能な構造を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の鏡胴。
  3. 前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴のそれぞれには、孔が形成されており、
    前記第1の鏡胴と前記第2の鏡胴とは、前記孔を貫通する棒状部材により互いに固定され、
    前記第1の鏡胴に形成された孔又は前記第2の鏡胴に形成された孔のいずれか一方は、他方よりも副走査方向における幅が広い形状を有すること、
    を特徴とする請求項2に記載の鏡胴。
  4. 前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴のそれぞれは、前記複数のレンズの光軸に対して垂直な平面部を有し、
    前記孔は、前記平面部を貫通するように形成されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の鏡胴。
  5. 前記第1の鏡胴の平面部と前記第2の鏡胴の平面部との間には、所定の厚さを有するスペーサーが配置されていること、
    を特徴とする請求項4に記載の鏡胴。
  6. 前記スペーサーは、前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴よりも摩擦係数が小さな材料により作製されていること、
    を特徴とする請求項5に記載の鏡胴。
  7. 前記第1の鏡胴又は前記第2の鏡胴のいずれか一方には、前記副走査方向に延びる溝が形成されており、
    前記第1の鏡胴又は前記第2の鏡胴のいずれか他方には、前記溝と嵌合すべき凸部が形成されていること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の鏡胴。
  8. 前記第1の鏡胴及び前記第2の鏡胴は、前記撮像領域の延在方向に対して平行な主走査方向にスライド可能な構造を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の鏡胴。
  9. 前記複数のレンズは、前記撮像領域の延在方向に長手方向を有すること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の鏡胴。
  10. 前記複数のレンズにより構成されるレンズ系全体の焦点距離の絶対値の逆数に対する前記第1の鏡胴が保持するレンズにより構成されるレンズ系の焦点距離の絶対値の逆数の比の値が2以下であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の鏡胴。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の鏡胴を備えた原稿読み取り装置であって、
    前記撮像素子は、前記一次元状の撮像領域の延在方向と直交する方向に原稿を走査して前記原稿像を読み取ること、
    を特徴とする原稿読み取り装置。
  12. 請求項11に記載の原稿読み取り装置を備えること、
    を特徴とする画像形成装置。
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