JP2008116108A - カバーガスの供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロロケトンを含むカバーガスをマグネシウムの溶解炉に供給して、マグネシウム溶湯の酸化、燃焼を防止する際に、カバーガスに必要かつ十分量のフロロケトンを含有させることで、十分な酸化燃焼防止効果が得られ、しかもコストの上昇を抑えることが出来るようにする。
【解決手段】溶解炉1内の雰囲気中の水分濃度を求め、カバーガス中のフロロケトン濃度をこの水分濃度の1/50〜1/5とする。水分濃度は、溶解炉内の雰囲気中の酸素濃度を計測し、この酸素濃度と溶解炉1外の大気中の水分量とに基づいて算出するか、溶解炉内の雰囲気中の不活性ガス濃度を計測し、この不活性ガス濃度と溶解炉外の大気中の水分量とに基づいて算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、マグネシウムまたはマグネシウム合金(以下、本発明ではまとめてマグネシウムと総称する。)の溶湯表面の酸化、燃焼防止を目的として使用されるカバーガスの供給方法に関する。
本出願人は、特開2004−276116号公報、特開2005−171374号公報において、上述のカバーガスとしてフロロケトンと炭酸ガスとからなるガスを提案している。この先願発明では、フロロケトンの地球温暖化係数が従来から使用されている六フッ化イオウに比べて低い点で優れており、その実用化が期待されている。
しかしながら、フロロケトンは六フッ化イオウに比べてまだ価格が高く、カバーガス中でのその濃度を低くして使用することにならざるを得ない。
このため、フロロケトンを含むカバーガスにあっては、マグネシウム溶湯の酸化燃焼防止効果が低くなるケースを生じることがある。
特開2004−276116号公報 特開2005−171374号公報
よって、本発明における課題は、フロロケトンを含むカバーガスをマグネシウムの溶解炉に供給して、マグネシウム溶湯の酸化、燃焼を防止する際に、カバーガスに必要かつ十分量のフロロケトンを含有させることで、十分な酸化燃焼防止効果が得られ、しかもコストの上昇を抑えることが出来るようにすることにある。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる課題は、溶解炉内にフロロケトンが含まれるカバーガスを供給して、溶解炉内のマグネシウム溶湯の酸化、燃焼を防止する方法であって、
溶解炉内の雰囲気中の水分濃度を求め、カバーガス中のフロロケトン濃度をこの水分濃度の1/50〜1/5とすることを特徴とするカバーガスの供給方法である。
請求項2にかかる発明は、カバーガスには、酸素以外のガスが添加されており、溶解炉内の雰囲気中の酸素濃度を計測し、この酸素濃度と溶解炉外の大気中の水分量とに基づいて溶解炉内の水分濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のカバーガスの供給方法である。
請求項3にかかる発明は、カバーガスには、不活性ガスが添加されており、
溶解炉内の雰囲気中の不活性ガス濃度を計測し、この不活性ガス濃度と溶解炉外の大気中の水分量とに基づいて溶解炉内の水分濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のカバーガスの供給方法である。
請求項4にかかる発明は、フロロケトン濃度が50〜14000ppm(体積)以上である請求項1ないし3のいずれかに記載のカバーガスの供給方法である。
本発明によれば、カバーガス中のフロロケトン濃度を必要でかつ十分な量とすることができ、過剰にフロロケトンを使用することがなく、無駄なコストの上昇が抑えられ、しかもマグネシウム溶湯の酸化燃焼防止効果を確実に得ることができる。
フロロケトンによるマグネシウム溶湯の酸化燃焼防止効果は、溶湯表面においてフロロケトンとマグネシウムが反応して生じるフィルム状の保護膜が溶湯表面を被覆し、溶湯が酸素から遮断され、溶湯の燃焼、蒸発が防止されることで発揮されるものである。
酸素が存在すると、次の激しい酸化反応が生じる。
Mg+1/2O→MgO−143.7kcal/molMgO
また、マグネシウムの燃焼において、水が存在すると、マグネシウムと水とが反応して、熱と水素とが生成し、発生した水素が空気中の酸素と反応して爆発を起こすことがある。このため、水分の混入が多くなれば水分との反応により燃焼しやすくなるため、保護膜による防燃効果を高める必要がある。
Mg+HO→MgO+H−75kcal/molMgO
Mg+2HO→Mg(OH)+H−82kcalMg(OH)
以上により、溶解炉内のマグネシウム溶湯表面の雰囲気に溶解炉外から混入する空気が多くなり、前記雰囲気内の水分量が多くなると、溶湯の燃焼の可能性が高くなる。このため、フロロケトンによる酸化燃焼防止効果が大きくなるように、前記雰囲気中におけるフロロケトン量を増やす必要がある。
カバーガスの酸化燃焼防止効果は、マグネシウム溶湯表面に生じるドロスの量によって評価できる。ドロスとは、マグネシウム等の溶融金属の表面が空気と接触することで、酸化、窒化されて生成する金属酸化物、金属窒化物などの混合物である。カバーガスによる前記保護膜が形成されれば、溶湯は空気から遮断され、ドロスを生じることがない。
このため、本発明ではドロスの発生量を観察し、その発生量で酸化燃焼防止効果を判定することとした。
以上の事情により、フロロケトンを含むカバーガスによる酸化燃焼防止効果を十分に得るためには、溶解炉内に侵入する大気中の水分量を考慮して、カバーガス中のフロロケトン濃度を定める必要がある。
カバーガスを溶解炉に供給する方法として、予めボンベにフロロケトンを炭酸ガス等により希釈充填し供給するとともに、必要な濃度にするためにさらに炭酸ガス等により希釈する方法と、フロロケトンのみ充填された容器からフロロケトンを供給するとともに他のガスで希釈して供給する方法がある。しかし、本発明はいずれの供給方法でもよく、以下の説明において示す混合ガスは、溶解炉内でのガスの状態を示す。
本発明でのフロロケトンを含むカバーガスとして、フロロケトン以外に希釈ガスとして、炭酸ガス、アルゴン、窒素などの非酸化性ガスが添加され、さらには、この非酸化性ガスと少量の空気との混合ガスが希釈ガスとして添加されることがある。希釈ガスとして好ましいものは炭酸ガスであり、希釈ガス中に占める炭酸ガスの割合は、体積比で25%〜100%であることが好ましい。
本発明で使用されるフロロケトンとしては、パーフロロケトン、水素化フロロケトンおよびその混合物から選ばれた1種以上のものが用いられる。
パーフロロケトンには、炭素数が5〜9のものが好ましく、具体的には、CFCFC(O)CF(CF、(CFCFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF、CFCFC(O)CFCFCF、CFC(O)CF(CF、およびパーフロロシクロヘキサノンからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。すなわち、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい
水素化フロロケトンとしては、炭素数が4〜7であるものが好ましく、具体的には、HCFCFC(O)CF(CF、CFC(O)CHC(O)CF、CC(O)CF(CF、CFCFC(O)CH、(CFCFC(O)CH、CFCFC(O)CHF、CFCFC(O)CHF、CFCFC(O)CHCF、CFCFC(O)CHCH、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHCHF、CFCFC(O)CHFCH、CFCFC(O)CHFCHF、CFCFC(O)CHFCHF、CFCFC(O)CFCH、CFCFC(O)CFCHF、CFCFC(O)CFCHF、(CFCFC(O)CHF、(CFCFC(O)CHF、CFCF(CHF)C(O)CHF、CFCF(CHF)C(O)CHF、およびCFCF(CHF)C(O)CFからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。すなわち、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも特に、ペンタフロロエチル−ヘプタフロロプロピルケトン、すなわちC(CO)C(例えばCFCFC(O)CF(CF、CFCFC(O)CFCFCF)を用いるのが好ましい。
フロロケトンの分子量は、250以上、好ましくは300以上とするのが好ましい。1分子のフロロケトンに含まれるカルボニル基の数は、1が好ましい。
本発明では、溶解炉内の雰囲気中の水分濃度を求める必要がある。この水分濃度の決定方法には2種類がある。
第1の方法は、フロロケトンを含むカバーガスに酸素以外のガス、例えば炭酸ガス、アルゴン、窒素などが含まれる場合に適用される方法で、溶解炉内の雰囲気中の酸素濃度を計測する酸素センサーを設置して、この酸素センサーで計測された酸素濃度から水分濃度を算出する方法である。
この場合、溶解炉内に酸素が存在することは、溶解炉外から大気が内部に侵入していることを意味し、その酸素濃度が大気の侵入度合を示すことになる。大気中の酸素濃度は20.9体積%であるから、溶解炉内の酸素濃度が10.5体積%であると、溶解炉内の雰囲気の半分が大気に置換されていると見なされる。
すなわち、測定された酸素濃度(体積%)を20.9体積%で除した値が溶解炉への大気の混入率となる。
一方、大気中の単位体積中の水分濃度は、その時の相対湿度と温度とから換算表などから求められる。
そして、前記混入率に大気の単位体積中の水分濃度を乗じることで、溶解炉内の雰囲気中の水分濃度が算出される。
これを数式で表すと、以下の式(1)となる。
溶解炉内水分濃度(体積ppm)=a÷20.9×b・・・・(1)
a:溶解炉内酸素濃度(体積%)で、マグネシウム溶湯が良好に酸化燃焼防止されている状態の酸素濃度である。
b:大気中の単位体積中の水分濃度(体積ppm)
第2の方法は、フロロケトンを含むカバーガスにアルゴン、炭酸ガスなどの空気の主成分である酸素、窒素以外のガスが添加されて含まれる場合に適用される方法で、溶解炉内の雰囲気中のアルゴン、炭酸ガス等の不活性ガス濃度を計測するセンサーを設置して、このセンサーで計測された不活性ガス濃度から水分濃度を算出する方法である。
この場合、溶解炉内の雰囲気中の不活性ガス濃度が100体積%未満であれば、溶解炉外から大気が内部に侵入して不活性ガスが空気で希釈されていることを意味し、その不活性ガス濃度が大気の侵入度合を示すことになって、大気の混入率となる。
また、大気中の単位体積中の水分濃度は、第1の方法と同様に、その時の相対湿度と温度とから換算表などから求められる。
そして、前記混入率に大気の単位体積中の水分濃度を乗じることで、溶解炉内の雰囲気中の水分濃度が算出される。
これを数式で表すと、以下の式(2)となる。
溶解炉内水分濃度(体積ppm)=(100−c)÷100×b・・・・(2)
c:溶解炉内不活性ガス濃度(体積%)で、マグネシウム溶湯が良好に酸化燃焼防止されている状態の不活性ガス濃度である。
b:大気中の単位体積中の水分濃度(体積ppm)
以上のようにして、溶解炉内の雰囲気中の水分濃度が算出されたならば、その水分濃度の1/50〜1/5をカバーガス中のフロロケトン濃度とする。後述する実験によれば、フロロケトン濃度を水分濃度の少なくとも1/50とすれば、ドロスの生成が少なく、マグネシウム溶湯の酸化燃焼防止効果が得られることが確認できた。また、フロロケトン濃度を水分濃度の1/5を越えると、かかる効果を得る上で過剰となり、コストの上昇を招く。
なお、溶解炉内への大気の混入が少なく、このため溶解炉内の水分濃度がかなり低くなる場合、計算上フロロケトン濃度が50ppm以下となることが予想されるが、この場合でもフロロケトン濃度を50ppm以上とする必要があり、50ppm未満では酸化燃焼防止効果が十分に得られない。
以下、具体例を示す。
(例1)
図1に示した溶解炉を使用した。図1において、符号1は溶解炉を示し、この溶解炉1内にはるつぼ2が配置され、加熱されるようになっている。るつぼ2内には、加熱されて生成したマグネシウム溶湯3が満たされるように構成されている。
また、溶解炉1の蓋4を貫通してカバーガスノズル5が設けられており、ここからるつぼ2内のマグネシウム溶湯3に向けてフロロケトンを含むカバーガスが供給されるようになっている。この例では、るつぼ2として内径150mmのものを用い、マグネシウム合金(AZ91D)を入れ、溶解炉1内で加熱し溶解した。ノズル5と溶湯3表面との距離は150mmとした。
加熱開始から所定の溶湯温度(650℃)になるまでのカバーガス供給条件は、フロロケトン濃度100〜600ppm、希釈ガス:炭酸ガス、カバーガス流量4L/分であった。
溶湯温度が650℃に到達後、カバーガスを供給した状態で溶解炉内に外気を導入し炉内の水分濃度を上昇させた。
なお、水分濃度は溶解炉内の酸素濃度を測定して侵入空気量を推算して算出した。
溶解炉内が所定の水分濃度になるよう外気の導入量を調整しながら20分間静置して溶解炉内を目視で観察し、溶湯表面のドロス量を比較した。
ドロス量「多」は、酸化物等であるドロスが成長していく現象が起きていることを示す。ドロス量「少」は、保護膜が表面を覆い、発火等がないことを示す。
比較評価は天候条件が異なる複数日に行い、このときの気温は20〜30℃、湿度は35〜63%であった。
その結果を表1、図2に示す。
Figure 2008116108
表1、図2により、フロロケトン濃度を水分量の50分の1以上とすることにより、ドロスの発生を抑えることができ、防燃効果が得られることを確認することができた。図2に示した直線は、フロロケトン濃度と水分濃度との比が1/50であるラインである。よって、フロロケトン濃度を水分濃度の1/50以上であれば、マグネシウム溶湯表面でのドロスの発生が少なく、酸化燃焼防止効果が得られることがわかる。
なお、フロロケトン濃度の上限値を確認するために、開放された溶解炉にフロロケトンを供給し、防燃効果を評価した。外気の水分量7%においてフロロケトン濃度が1.4%でフッ化水素(HF)は検出されることはなく、1.4%を越えると、フッ化水素が徐々に発生した。フッ化水素が発生することは、フロロケトンが過剰であり、その過剰分が加熱分解して生成したものである。
そのため、フロロケトン濃度を水分量の1/5以下にすることが好ましいことが判明した。
この例での溶解炉内水分濃度を求める計算を14260ppmのものを例として以下に示す。
気温31℃、相対湿度61%の環境において、空気中に含まれる水分濃度は27115体積ppmである。このとき炉内の酸素濃度が11体積%の場合、空気中に20.9体積%の酸素が含まれていることから、11/20.9=0.526が混入率となる。よって、27115×0.526=14260体積ppmの水分が溶解炉内に存在すると考えられる。
(例2)
次に、例1において、溶解炉に配置するノズルの最適化の検討を行った。
フロロケトンを炭酸ガスで希釈し200ppmとしたカバーガス10L/分を図1の溶解炉内に供給した。溶解炉の溶湯面積は0.4m、溶湯温度は630℃であった。このとき、ノズル本数および溶湯面とノズル先端の距離を変化させ、ドロス発生量を目視で比較し、その結果を表2に示す。
Figure 2008116108
ノズルが1本の場合、溶湯面にカバーガスが供給されない部分が生じ、当該部分でドロスが多く発生したと推定される。また、距離50mmでは、ノズルから噴出するカバーガスが直射する部分のみドロスの発生が少なかったものの、その範囲から外れるとドロスが多く発生していた。距離250mmでは直射する部分を含め全体的にドロスが多く発生していた。
一般に、ノズルの先端部から溶湯表面までの距離は100〜200mmであり、溶湯表面積0.2m当たりに1本のノズルを等間隔に設けることが好ましいことが判る。
(例3)
例1に示するつぼ2にマグネシウム合金(AZ91D)を入れ加熱し溶解した。加熱開始から溶融温度(650℃)になるまでのカバーガス供給条件は、炭酸ガスにフロロケトン濃度140ppmを混入させ、流量4リットル/分とした。 溶解温度が650℃に到達後、炭酸ガスの一部を窒素に変更し、濃度変更後、20分放置し溶湯表面のドロスの状況を目視にて確認した。その結果を表3に示す。なお、ノズルは1本であり、ノズル先端から溶湯表面までの距離は150mmとした。
Figure 2008116108
また、窒素の替わりに空気で希釈して同様の実験を行い、炉蓋4の開放から発火までの時間を測定した。フロロケトンの濃度を50、100、150、200ppmとして測定した。その結果を表4、図3に示す。なお炭酸ガス濃度100%は、希釈ガスが炭酸ガスのみであることを示す。
Figure 2008116108
この結果、炭酸ガス濃度1%では炉蓋4の開放直後から発火することが確認された。炭酸ガス濃度が高いほど発火時間を長くすることができ、希釈ガスに炭酸ガスを添加する効果があることが判る。
発火時間は長いに越したことはないが、実使用上8秒以上を維持できればよく、その場合、希釈する炭酸ガス濃度は25%以上である必要がある。カバーガスとして好ましいフロロケトンの濃度は50ppm以上必要となる。
本発明において用いられるマグネシウムの溶解炉の例を示す概略構成図である。 例1の結果を示す図表である。 例3の結果を示す図表である。
符号の説明
1・・溶解炉、2・・るつぼ、3・・マグネシウム溶湯、4・・蓋、5・・カバーガスノズル

Claims (4)

  1. 溶解炉内にフロロケトンが含まれるカバーガスを供給して、溶解炉内のマグネシウム溶湯の酸化、燃焼を防止する方法であって、
    溶解炉内の雰囲気中の水分濃度を求め、カバーガス中のフロロケトン濃度をこの水分濃度の1/50〜1/5とすることを特徴とするカバーガスの供給方法。
  2. カバーガスには、酸素以外のガスが添加されており、
    溶解炉内の雰囲気中の酸素濃度を計測し、この酸素濃度と溶解炉外の大気中の水分量とに基づいて溶解炉内の水分濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のカバーガスの供給方法。
  3. カバーガスには、不活性ガスが添加されており、
    溶解炉内の雰囲気中の不活性ガス濃度を計測し、この不活性ガス濃度と溶解炉外の大気中の水分量とに基づいて溶解炉内の水分濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のカバーガスの供給方法。
  4. フロロケトン濃度が50〜14000ppm(体積)以上である請求項1ないし3のいずれかに記載のカバーガスの供給方法。
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