JP2008115920A - 作業機械における油圧制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダに供給する専用ポンプの容量制御を、適切に行えるようにする。
【解決手段】専用ポンプの容量制御を行う制御装置に、専用ポンプの目標トルクを演算する目標トルク演算部と、該目標トルク演算部で演算された目標トルクTDEと専用ポンプの吐出圧PEに基づいて専用ポンプの目標ポンプ容量DTを演算する専用ポンプ制御部とを設けると共に、該専用ポンプ制御部に、目標ポンプ容量DTの演算に用いる専用ポンプの吐出圧PEを補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブル91、92を設けた。
【選択図】図14
【解決手段】専用ポンプの容量制御を行う制御装置に、専用ポンプの目標トルクを演算する目標トルク演算部と、該目標トルク演算部で演算された目標トルクTDEと専用ポンプの吐出圧PEに基づいて専用ポンプの目標ポンプ容量DTを演算する専用ポンプ制御部とを設けると共に、該専用ポンプ制御部に、目標ポンプ容量DTの演算に用いる専用ポンプの吐出圧PEを補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブル91、92を設けた。
【選択図】図14
Description
本発明は、昇降する作業部を備えた作業機械において、作業機械の有する位置エネルギーを回収して再利用することができる作業機械における油圧制御システムの技術分野に属するものである。
一般に、油圧ショベルやクレーン等の作業機械は、昇降自在な作業部を備えると共に、該作業部の昇降は、油圧ポンプから圧油供給される油圧シリンダの伸縮作動に基づいて行うように構成されているが、このものにおいて、従来、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から油タンクに排出される油は、作業部の自重による急激な落下を防止するため、油圧シリンダの油供給排出制御を行うコントロールバルブに設けられた絞りによってメータアウト制御されるように構成されている。つまり、地面より上方に位置している作業部は位置エネルギーを有しているが、該位置エネルギーは、前記コントロールバルブの絞りを通過するときに熱エネルギーに変換され、さらに該熱エネルギーはオイルクーラーによって大気中に放出されることになって、無駄なエネルギー損失となる。
そこで、作業部の有する位置エネルギーを回収、再利用するために、作業部昇降用の油圧シリンダに加えて補助油圧シリンダ(アシストシリンダ)を設け、作業部の下降時に、補助油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油をアキュムレータに蓄圧すると共に、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油を補助シリンダの重量保持側油室に供給するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2582310号公報
そこで、作業部の有する位置エネルギーを回収、再利用するために、作業部昇降用の油圧シリンダに加えて補助油圧シリンダ(アシストシリンダ)を設け、作業部の下降時に、補助油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油をアキュムレータに蓄圧すると共に、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油を補助シリンダの重量保持側油室に供給するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかるに、前記特許文献1のものは、作業部の下降時に、補助油圧シリンダからの排出油はアキュムレータに蓄圧されるものの、作業部昇降用油圧シリンダからの排出油はコントロールバルブを経由して油タンクに排出されるようになっており、作業部の有する位置エネルギーの一部しか回収されないことになる。しかも、アキュムレータに蓄圧された圧油を補助油圧シリンダに供給するにあたり、該供給圧油の圧力や流量を制御するための油圧機器が設けられていない。このため、作業部の上昇速度のコントロールが難しく、作業性に劣るという問題がある。
そこで、補助油圧シリンダを設けることなく、作業部の下降時に、作業部昇降用油圧シリンダからの排出油をアキュムレータに蓄圧すると共に、該アキュムレータに蓄圧された圧油を、油圧ポンプを介して作業部昇降用油圧シリンダに供給するように構成することが提唱される。しかるに、この様にアキュムレータに蓄圧された圧油を作業部昇降用油圧シリンダに供給するための油圧ポンプを設けても、該油圧ポンプの吐出流量を適切に制御できなければ、作業部の昇降速度を正確にコントロールすることは依然として難しいという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
そこで、補助油圧シリンダを設けることなく、作業部の下降時に、作業部昇降用油圧シリンダからの排出油をアキュムレータに蓄圧すると共に、該アキュムレータに蓄圧された圧油を、油圧ポンプを介して作業部昇降用油圧シリンダに供給するように構成することが提唱される。しかるに、この様にアキュムレータに蓄圧された圧油を作業部昇降用油圧シリンダに供給するための油圧ポンプを設けても、該油圧ポンプの吐出流量を適切に制御できなければ、作業部の昇降速度を正確にコントロールすることは依然として難しいという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、作業部を昇降せしめる油圧シリンダと、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油を蓄圧するアキュムレータと、作業部の上昇時に前記アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダの重量保持側油室に供給する専用ポンプとを設けてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、前記専用ポンプは、制御装置から出力される制御指令によって専用ポンプの容量を可変せしめる容量可変手段を備える一方、前記制御装置は、作業部の上昇時に、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、専用ポンプの吐出圧と、アキュムレータの蓄圧量とに基づいて専用ポンプの容量制御を行うべく前記容量可変手段に制御指令を出力する構成であることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダの重量保持側油室に供給する専用ポンプの容量制御を、オペレータによる油圧シリンダ用操作具の操作状態と、アキュムレータの蓄圧量と、油圧シリンダの負荷変動に応じて変化する専用ポンプの吐出圧とに対応するように制御できることになり、而して、専用ポンプから圧油供給される油圧シリンダの作動速度を、油圧シリンダの負荷変動やオペレータの操作状態に応じて適切に制御できることになって、操作性に優れる。
請求項2の発明は、制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプの容量は、トルク演算手段で演算された目標トルクを基にして、ポンプ容量制御手段によって専用ポンプの吐出圧に応じた容量となるように演算されることになり、而して、専用ポンプの目標容量を的確に演算することができる。
請求項3の発明は、ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項2に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の積載量の増減等によって油圧シリンダにかかる負荷が変動しても、専用ポンプの容量は、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
請求項4の発明は、油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、アキュムレータの蓄圧量とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項2または3に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業機械全体の消費トルクを抑制するべく許容トルクの値を越えないように減縮された目標トルクを基にして、専用ポンプの容量制御がなされることになって、燃費低減を確実に達成できる。
請求項5の発明は、油圧制御システムは、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油を、アキュムレータおよび専用ポンプの吸入側に供給する回収油路を備えると共に、専用ポンプは、作業部の下降時に、前記回収油路から供給される圧油を吸込んで油圧シリンダの反重量保持側油室に供給するように構成される一方、制御装置は、作業部の下降時に、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、専用ポンプの吐出圧とに基づいて専用ポンプの容量制御を行うべく容量可変手段に制御指令を出力する構成であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時に、油圧シリンダの重量保持側油室から排出された油を吸込んで油圧シリンダの反重量保持側油室に供給する専用ポンプの容量制御を、オペレータによる油圧シリンダ用操作具の操作状態と、油圧シリンダの負荷変動に応じて変化する専用ポンプの吐出圧とに対応するように制御できることになり、而して、作業部の下降時においても、専用ポンプから圧油供給される油圧シリンダの作動速度を、油圧シリンダの負荷変動やオペレータの操作状態に応じて適切に制御できることになって、操作性に優れる。
請求項6の発明は、制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプの容量は、トルク演算手段で演算された目標トルクを基にして、ポンプ容量制御手段によって専用ポンプの吐出圧に応じた容量となるように演算されることになり、而して、作業部の下降時においても、専用ポンプの目標容量を的確に演算することができる。
請求項7の発明は、ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項6に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時においても、作業部に積載される積載量の増減等によって油圧シリンダにかかる負荷が変動しても、専用ポンプの容量は、、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
請求項8の発明は、圧力補正テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側圧力補正テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側圧力補正テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇、下降の各々の特性に対応した専用ポンプの容量制御を行えることになる。
請求項9の発明は、油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時においても、作業機械全体の消費トルクを抑制するべく許容トルクの値を越えないように減縮された目標トルクを基にして、専用ポンプの容量制御がなされることになって、燃費低減を確実に達成できる。
請求項10の発明は、圧力補正テーブルによって設定される圧力補正係数は、油圧シリンダ用操作具の操作量に応じて変化するように設定されることを特徴とする請求項3、7、8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、ブーム用操作レバーの操作量の多少に関わらず、適切な圧力補正係数を得ることができる。
請求項11の発明は、ポンプ容量制御手段は、演算された専用ポンプの目標容量を容量可変手段に対する制御指令値に変換する指令テーブルを有すると共に、該指令テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側指令テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側指令テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇、下降の各々の特性に対応した制御指令値に変換されることになり、而して、上昇、下降の特性の違いに対応した専用ポンプの容量制御を行うことができる。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダの重量保持側油室に供給する専用ポンプの容量制御を、オペレータによる油圧シリンダ用操作具の操作状態と、アキュムレータの蓄圧量と、油圧シリンダの負荷変動に応じて変化する専用ポンプの吐出圧とに対応するように制御できることになり、而して、専用ポンプから圧油供給される油圧シリンダの作動速度を、油圧シリンダの負荷変動やオペレータの操作状態に応じて適切に制御できることになって、操作性に優れる。
請求項2の発明は、制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプの容量は、トルク演算手段で演算された目標トルクを基にして、ポンプ容量制御手段によって専用ポンプの吐出圧に応じた容量となるように演算されることになり、而して、専用ポンプの目標容量を的確に演算することができる。
請求項3の発明は、ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項2に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の積載量の増減等によって油圧シリンダにかかる負荷が変動しても、専用ポンプの容量は、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
請求項4の発明は、油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、アキュムレータの蓄圧量とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項2または3に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業機械全体の消費トルクを抑制するべく許容トルクの値を越えないように減縮された目標トルクを基にして、専用ポンプの容量制御がなされることになって、燃費低減を確実に達成できる。
請求項5の発明は、油圧制御システムは、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油を、アキュムレータおよび専用ポンプの吸入側に供給する回収油路を備えると共に、専用ポンプは、作業部の下降時に、前記回収油路から供給される圧油を吸込んで油圧シリンダの反重量保持側油室に供給するように構成される一方、制御装置は、作業部の下降時に、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、専用ポンプの吐出圧とに基づいて専用ポンプの容量制御を行うべく容量可変手段に制御指令を出力する構成であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時に、油圧シリンダの重量保持側油室から排出された油を吸込んで油圧シリンダの反重量保持側油室に供給する専用ポンプの容量制御を、オペレータによる油圧シリンダ用操作具の操作状態と、油圧シリンダの負荷変動に応じて変化する専用ポンプの吐出圧とに対応するように制御できることになり、而して、作業部の下降時においても、専用ポンプから圧油供給される油圧シリンダの作動速度を、油圧シリンダの負荷変動やオペレータの操作状態に応じて適切に制御できることになって、操作性に優れる。
請求項6の発明は、制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、専用ポンプの容量は、トルク演算手段で演算された目標トルクを基にして、ポンプ容量制御手段によって専用ポンプの吐出圧に応じた容量となるように演算されることになり、而して、作業部の下降時においても、専用ポンプの目標容量を的確に演算することができる。
請求項7の発明は、ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項6に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時においても、作業部に積載される積載量の増減等によって油圧シリンダにかかる負荷が変動しても、専用ポンプの容量は、、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
請求項8の発明は、圧力補正テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側圧力補正テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側圧力補正テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇、下降の各々の特性に対応した専用ポンプの容量制御を行えることになる。
請求項9の発明は、油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の下降時においても、作業機械全体の消費トルクを抑制するべく許容トルクの値を越えないように減縮された目標トルクを基にして、専用ポンプの容量制御がなされることになって、燃費低減を確実に達成できる。
請求項10の発明は、圧力補正テーブルによって設定される圧力補正係数は、油圧シリンダ用操作具の操作量に応じて変化するように設定されることを特徴とする請求項3、7、8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、ブーム用操作レバーの操作量の多少に関わらず、適切な圧力補正係数を得ることができる。
請求項11の発明は、ポンプ容量制御手段は、演算された専用ポンプの目標容量を容量可変手段に対する制御指令値に変換する指令テーブルを有すると共に、該指令テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側指令テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側指令テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、作業部の上昇、下降の各々の特性に対応した制御指令値に変換されることになり、而して、上昇、下降の特性の違いに対応した専用ポンプの容量制御を行うことができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は作業機械の一例である油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロントに装着される作業部4等の各部から構成され、さらに該作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるアーム6、該アーム6の先端部に取付けられるバケット7等から構成されている。
8は前記ブーム5を上下揺動せしめるべく伸縮作動する左右一対のブームシリンダ(本発明の油圧シリンダに相当する)であって、該ブームシリンダ8は、ヘッド側油室8a(本発明の重量保持側油室に相当する)の圧力によって作業部4の重量を保持すると共に、該ヘッド側油室8aへの圧油供給およびロッド側油室(本発明の反重量保持側油室に相当する)8bからの油排出により伸長してブーム5を上昇せしめ、また、ロッド側油室8bへの圧油供給およびヘッド側油室8aからの油排出により縮小してブーム5を下降せしめるように構成されている。そして、該ブーム5の昇降によって作業部4全体が昇降すると共に、ブーム5の上昇に伴い作業部4の有する位置エネルギーが増加するが、該位置エネルギーは、後述する油圧制御システムによってブーム5の下降時に回収される一方、該回収されたエネルギーは、ブーム5の上昇時に利用されるようになっている。
次いで、前記油圧制御システムについて、図2、図3の回路図に基づいて説明するが、これらの図面において、9、10は油圧ショベル1に搭載のエンジンEにポンプドライブギア部Gを介して連結される第一、第二メインポンプであって、これら第一、第二メインポンプ9、10は、油タンク11から作動油を吸込んで第一、第二ポンプ油路12、13に吐出するように構成されている。
ここで、第一、第二メインポンプ9、10は、前記ブームシリンダ8だけでなく、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータ(図示しないが、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)の油圧供給源となる可変容量型の油圧ポンプであって、これら第一、第二メインポンプ9、10は、本発明のメインポンプに相当し、エンジンEから供給されるトルクによって駆動する。尚、図2、図3中、丸付きの数字は結合子記号であって、対応する丸付き数字同士が接続される。
ここで、第一、第二メインポンプ9、10は、前記ブームシリンダ8だけでなく、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータ(図示しないが、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)の油圧供給源となる可変容量型の油圧ポンプであって、これら第一、第二メインポンプ9、10は、本発明のメインポンプに相当し、エンジンEから供給されるトルクによって駆動する。尚、図2、図3中、丸付きの数字は結合子記号であって、対応する丸付き数字同士が接続される。
14、15は前記第一、第二メインポンプ9、10の吐出流量制御を行う第一、第二レギュレータであって、該第一、第二レギュレータ14、15は、後述する制御装置16によって制御されるメインポンプ制御用電磁比例減圧弁17からの制御信号圧を受けて、エンジンから第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクを制御するべく作動すると共に、第一、第二メインポンプ9、10の吐出圧力を受けて定馬力制御を行う。さらに第一、第二レギュレータ14、15は、後述するように第一、第二コントロールバルブ18、19のセンタバイパス弁路18f、19bの開口量に対応してポンプ流量を増減せしめるネガティブコントロール流量制御も行うように構成されている。
一方、前記第一、第二コントロールバルブ18、19は、第一、第二ポンプ油路12、13にそれぞれ接続される方向切換弁であって、これら第一、第二コントロールバルブ18、19は、第一、第二メインポンプ9、10の吐出油をブームシリンダ8に供給するべく作動する。尚、第一、第二メインポンプ9、10は、前述したように、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータの圧油供給源となるため、第一、第二ポンプ油路12、13には他の油圧アクチュエータ用のコントロールバルブも接続されるが、これらについては省略する。
前記第一コントロールバルブ18は、上昇側、下降側パイロットポート18a、18bを備えたスプール弁で構成されており、そして、両パイロットポート18a、18bにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート18aにパイロット圧が入力されることによりスプールが移動して、第一メインポンプ9の圧油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する一方、ロッド側油室8bからシリンダロッド側油路21に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流す上昇側位置Xに切換わる。また、下降側パイロットポート18bにパイロット圧が入力されることにより、前記上昇側位置Xとは反対側にスプールが移動して、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油を、再生用弁路18cを経由してシリンダロッド側油路21からロッド側油室8bに供給する下降側位置Yに切換るように構成されている。尚、前記シリンダヘッド側油路20は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに油を給排するべくヘッド側油室8aに接続される油路であり、シリンダロッド側油路21は、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに油を給排するべくロッド側油室8bに接続される油路である。
ここで、前記下降側位置Yの第一コントロールバルブ18に設けられる再生用弁路18cは、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aとロッド側油室8bとを連通する弁路であって、該再生用弁路18cには、ヘッド側油室8aからロッド側油室8bへの油の流れは許容するが逆方向の流れは阻止するチェック弁18dと、絞り18eとが配されている。而して、前述したように、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのとき、ヘッド側油室8aから排出された油は、再生用弁路18cを介してロッド側油室8bに供給されるが、その流量は、再生用弁路18cに配された絞り18eの開口特性(該絞り18eの開口特性は、第一コントロールバルブ18のスプール移動ストロークに応じて設定される)と、ヘッド側油室8aとロッド側油室8bの差圧とによって変化するようになっている。
一方、第二コントロールバルブ19は、上昇側パイロットポート19aを備えたスプール弁で構成されており、そして、上昇側パイロットポート19aにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート19aにパイロット圧が入力されることによりスプールが移動して、第二メインポンプ10の圧油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する上昇側位置Xに切換るように構成されている。
また、23、24、25は第一上昇側、第一下降側、第二上昇側電磁比例減圧弁であって、これら各電磁比例減圧弁23、24、25は、制御装置16からの制御信号に基づいて、前記第一コントロールバルブ18の上昇側パイロットポート18a、下降側パイロットポート18a、第二コントロールバルブ19の上昇側パイロットポート19aにそれぞれパイロット圧を出力するべく作動するが、該パイロット圧は、制御装置16から出力される制御信号値の増減に対応して増減するように設定されている。そして、これら第一上昇側、第一下降側、第二上昇側電磁比例減圧弁23、24、25から出力されるパイロット圧の圧力の増減に対応して第一、第二コントロールバルブ18、19のスプールの移動ストロークが増減するようになっており、これによって、第一、第二コントロールバルブ18、19からブームシリンダ8への給排流量の増減制御がなされるように構成されている。尚、図2、図3中、26はパイロット油圧源となるパイロットポンプである。
さらに、第一、第二コントロールバルブ18、19には、第一、第二メインポンプ9、10の圧油を第一、第二ネガティブコントロールバルブ27、28を介して油タンク11に流すセンタバイパス弁路18f、19bが形成されている。該センタバイパス弁路18f、19bの開口量は、第一、第二コントロールバルブ18、19が中立位置Nのときに最も大きく、上昇側位置Xに切換わったスプールの移動ストロークが大きくなるほど小さくなるように制御されるが、下降側位置Yの第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fは、スプールの移動ストロークに拠らず大きな開口を維持する特性を有しており、これにより、下降側位置Yの第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fの通過流量は、中立位置Nのときの通過流量から変化しないように設定されている。そして、上記センタバイパス弁路18f、19bの通過流量は、ネガティブコントロール制御信号として前記第一、第二レギュレータ14、15に入力されて、センタバイパス弁路18f、19bの通過流量が少なくなるほど第一、第二メインポンプ9、10の吐出流量が増加する、所謂ネガティブコントロール流量制御が行われるようになっている。ここで、前述したように、第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fの通過流量は、下降側位置Yに切換わっても中立位置Nのときと変化せず、而して、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのときの第一メインポンプ9の吐出流量は、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御されるようになっている。
また、29は前記シリンダヘッド側油路20に配されるドリフト低減弁、30は制御装置16からのON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるドリフト低減弁用電磁切換弁であって、上記ドリフト低減弁29は、前記第一、第二コントロールバルブ18、19および後述する第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8のヘッド側油室8aへの油の流れは常時許容するが、逆方向の流れは、ドリフト低減弁用電磁切換弁30がOFF位置Nのときには阻止し、ON位置Xのときのみ許容するように構成されている。尚、31はシリンダヘッド側油路20に接続されるリリーフ弁であって、該リリーフ弁31によって、シリンダヘッド側油路20の最高圧力が制限されている。
一方、32は専用ポンプであって、このものもポンプドライブギア部Gを介してエンジンEに連結される可変容量型ポンプであるが、該専用ポンプ32は、サクション油路33から供給される油を吸込んで専用ポンプ油路34に吐出すると共に、専用ポンプ32の容量制御は、制御装置16から出力される制御指令に基づいて作動する専用ポンプ用レギュレータ(本発明の容量可変手段に相当する)35によって行われるように構成されている。
ここで、前記サクション油路33は、後述するように、ブーム上昇時にはアキュムレータ36の蓄圧油が供給されるようになっている。而して、専用ポンプ32は、ブーム上昇時にはアキュムレータ36の蓄圧油を吸込んで専用ポンプ油路34に吐出することになるが、該アキュムレータ36の蓄圧油は高圧であって、その圧力は前記専用ポンプ32にトルクを供給することになり、而して、専用ポンプ32には、エンジンEだけでなくアキュムレータ36からもトルクが供給されるようになっている。尚、ブーム上昇時に専用ポンプ32に供給されるトルクは、アキュムレータ36からの供給トルクが殆どであって、エンジンEから専用ポンプ32に供給されるトルクは、極めて少ないことになる。
37は前記専用ポンプ油路34に接続される第三コントロールバルブであって、該第三コントロールバルブ37は、制御装置16からの制御信号に基づいて、専用ポンプ32から吐出される圧油を、ブームシリンダ8に供給するべく作動する。
前記第三コントロールバルブ37について詳細に説明すると、該第三コントロールバルブ37は、制御装置16からの制御信号が入力される第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39の作動に基づいてスプールが移動する方向切換弁であって、両電油変換弁38、39に制御信号が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、第三上昇側電油変換弁38に制御信号が入力されることによりスプールが移動して、専用ポンプ32の吐出油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する一方、ロッド側油室8bからシリンダロッド側油路21に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流す上昇側位置Xに切換わる。また、第三下降側電油変換弁39に制御信号が入力されることにより、前記上昇側位置Xとは反対側にスプールが移動し、該スプールの移動ストロークによって、第一下降側位置Y1または第二下降側位置Y2に切換わるが、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、専用ポンプ32の吐出油をシリンダロッド側油路21を経由してブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給し、また、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37は、専用ポンプ32の吐出油をシリンダロッド側油路21を経由してブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給すると共に、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流すように構成されている。
前記第三コントロールバルブ37のスプールの移動ストロークは、制御装置16から第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に入力される制御信号値によって増減制御されるようになっており、そして該スプールの移動ストロークの増減制御によって、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への給排流量の増減制御がなされるように構成されている。
ここで、前記第三コントロールバルブ37の第一下降側位置Y1、第二下降側位置Y2のスプールの移動ストロークと、専用ポンプ32の吐出油をブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給する供給用弁路37aの開口量、およびヘッド側油室8aからの排出油を油タンクに流す排出用弁路37bの開口量との関係を図4に示すが、該図4に示される如く、第三コントロールバルブ37は、スプールの移動ストロークが増加するに伴って、第一下降側位置Y1から第二下降側位置Y2に切換わると共に、供給用弁路37aの開口量は、スプールの移動ストロークが大きくなるにつれて大きくなる一方、排出用弁路37bは、スプールの移動ストロークが第一下降側位置Y1の範囲内では閉じている(つまり、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流さない)が、第二下降側位置Y2に切換わった以降は、スプールの移動ストロークが大きくなるにつれて開口量が大きくなるように構成されている。
さらに、40は前記シリンダヘッド側油路20から分岐形成される回収油路であって、該回収油路40には、回収用バルブ41が配されていると共に、該回収用バルブ41の下流側で、アキュムレータ油路42と前記サクション油路33とに接続されている。さらに、回収油路40には、シリンダヘッド側油路20からアキュムレータ油路42およびサクション油路33への油の流れは許容するが、逆方向の流れは阻止するチェック弁43が配されている。而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油を、回収油路40を経由して、アキュムレータ油路42およびサクション油路33に供給することができるようになっている。
前記回収用バルブ41は、制御装置16からの制御信号が入力される回収用電油変換弁44の作動に基づいてスプールが移動する開閉弁であって、回収用電油変換弁44に制御信号が入力されていない状態では、回収油路40を閉じる閉位置Nに位置しているが、回収用電油変換弁44に制御信号が入力されることによりスプールが移動して、回収油路40を開く開位置Xに切換わるように構成されている。
前記回収用バルブ41のスプールの移動ストロークは、制御装置16から回収用電油変換弁44に入力される制御信号値によって増減制御されるようになっており、そして、該スプールの移動ストロークの増減制御によって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから回収油路40を経由してアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れる流量の増減制御がなされるように構成されている。
一方、アキュムレータ油路42は、前記回収油路40からアキュムレータチェックバルブ45を経由してアキュムレータ36に至る油路であって、該アキュムレータ油路42の最高圧力は、アキュムレータ油路42に接続されるリリーフ弁46によって制限されている。尚、本実施の形態において、アキュムレータ36は、油圧エネルギー蓄積用として最適なブラダ型のものが用いられているが、これに限定されることなく、例えばピストン型のものであっても良い。
前記アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ36に対する油の給排制御を行うバルブであって、ポペット弁47と、制御装置16から出力されるON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるアキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48とを用いて構成されている。そして、上記ポペット弁47は、回収油路40からアキュムレータ36への油の流れは、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置N、ON位置Xの何れであっても許容するが、アキュムレータ36からサクション油路33への油の流れは、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置Nに位置しているときには阻止し、ON位置Xに位置しているときのみ許容するように構成されている。尚、回収油路40からアキュムレータ36への油の流れは、前述したようにアキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置N、ON位置Xの何れであっても許容されるが、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がON位置Xに位置している状態では、アキュムレータ油路42の圧力がポペット弁47のバネ室47aに導入されないため、殆ど圧力損失のない状態で回収油路40からアキュムレータ油路42に油を流すことができる。
さらに、49は前記サクション油路33から分岐形成されて油タンク11に至る排出油路であって、該排出油路49には、タンクチェックバルブ50が配されている。
前記タンクチェックバルブ50は、ポペット弁51と、制御装置16から出力されるON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるタンクチェックバルブ用電磁切換弁52とを用いて構成されている。上記ポペット弁51は、サクション油路33から油タンク11への油の流れを、タンクチェックバルブ用電磁切換弁52がON位置Xに位置しているときのみ許容し、OFF位置Nに位置しているときには阻止するようになっている。そして、例えば、油圧ショベル1の作業終了時やメンテナンス時等に、前記アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48およびタンクチェックバルブ用電磁切換弁52を共にON位置Xに切換えることにより、アキュムレータ36に蓄圧された圧油を油タンク11に放出することができるようになっている。
一方、前記制御装置16は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図5のブロック図に示すごとく、ブーム用操作レバー(図示しないが、本発明の油圧シリンダ用操作具に相当する)の操作方向および操作量を検出するブーム操作検出手段53、第一メインポンプ9の吐出圧を検出するべく第一ポンプ油路12に接続される第一吐出側圧力センサ54、第二メインポンプ10の吐出圧を検出するべく第二吐出側ポンプ油路13に接続される第二吐出側圧力センサ55、専用ポンプ32の吐出圧を検出するべく専用ポンプ油路34に接続される第三吐出側圧力センサ56、専用ポンプ32の吸入側の圧力を検出するべくサクション油路33に接続される吸入側圧力センサ57、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力を検出するべくシリンダヘッド側油路20に接続されるシリンダヘッド側圧力センサ58、ブームシリンダ8のロッド側油室8bの圧力を検出するべくシリンダロッド側油路21に接続されるシリンダロッド側圧力センサ59、アキュムレータ36の圧力を検出するべくアキュムレータ油路42に接続されるアキュムレータ用圧力センサ60、アキュムレータ36の封入ガス温度を検出するアキュムレータ用温度センサ61、エンジンEの回転数を設定するアクセルダイヤル73等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前述のメインポンプ制御用電磁比例減圧弁17、第一上昇側電磁比例減圧弁23、第一下降側電磁比例減圧弁24、第二上昇側電磁比例減圧弁25、ドリフト低減弁用電磁切換弁30、専用ポンプ用レギュレータ35、第三上昇側電油変換弁38、第三下降側電油変換弁39、回収用電油変換弁44、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48、タンクチェックバルブ用電磁切換弁52等に制御信号を出力する。
尚、前記アクセルダイヤル73は、オペレータがエンジンEの回転数を設定するべく操作するエンジン回転数設定用操作具である。また、本実施の形態において、エンジンEは、電子制御された燃料噴射装置を備えていて、負荷が変動しても前記アクセルダイヤル73で設定されたエンジン回転数を保つように制御される構成になっている。
尚、前記アクセルダイヤル73は、オペレータがエンジンEの回転数を設定するべく操作するエンジン回転数設定用操作具である。また、本実施の形態において、エンジンEは、電子制御された燃料噴射装置を備えていて、負荷が変動しても前記アクセルダイヤル73で設定されたエンジン回転数を保つように制御される構成になっている。
次いで、前記制御装置16に設けられる各種演算部や制御部について説明する。まず、62は蓄圧量演算部であって、該蓄圧量演算部62は、アキュムレータ用圧力センサ60から入力される検出信号に基づいて、現在のアキュムレータ36の蓄圧量を演算する。該演算されるアキュムレータ36の蓄圧量は、本実施の形態では、蓄圧開始設定圧を越えてアキュムレータ36に蓄圧された蓄圧圧力ΔPであって、該蓄圧圧力ΔPは、アキュムレータ36の現時点での圧力(Pa、アキュムレータ用圧力センサ60により検出される)からアキュムレータ36の現時点での蓄圧開始設定圧(Po、摂氏20度におけるプレチャージ圧を現時点での温度に換算した圧力)を減じることにより演算される(ΔP=Pa−Po)。
また、63は要求ポンプ容量演算部であって、該要求ポンプ容量演算部63は、図6のブロック図に示す如く、ブーム操作検出手段53から出力されるブーム用操作レバーの操作信号を入力し、ゲインコントロール64によって要求ポンプ容量DRを演算する。該要求ポンプ容量DRは、ブーム用操作レバーの操作方向および操作量によって要求されるポンプ容量であって、ブーム用操作レバーの操作量の増加に伴い要求ポンプ容量DRの絶対値が増加するように設定されると共に、ブーム上昇側に操作された場合は「正」の値で、また、ブーム下降側に操作された場合は「負」の値で出力されるように設定されている。
さらに、65は分担割合演算部であって、該分担割合演算部65は、図7のブロック図に示す如く、前記蓄圧量演算部62によって演算される蓄圧圧力ΔPと、ブーム5の上昇時における第一メインポンプ9のアシスト割合α(α=「0」〜「1」)との関係を設定したアシストテーブル66を有している。そして、分担割合演算部65は、上記アシストテーブル66に基づいてアシスト割合αを求めるが、該アシスト割合αは、本実施の形態では、蓄圧圧力ΔPが、アキュムレータ36の蓄圧量が充分であるときの圧力として予め設定される高設定圧PHに達しているときには「0」、アキュムレータ36の蓄圧量が殆どないときの圧力として予め設定される低設定圧PL以下の場合には「1」、上記高設定圧PHと低設定圧PLとの間のときは、蓄圧圧力ΔPが減少するにつれてアシスト割合αが高くなるように設定されている。さらに分担割合演算部65は、「1」から前記アシスト割合αを減ずることで、ブーム5の上昇時における専用ポンプ32の供給割合β(β=1−α)を演算する。そして、これらアシストテーブル66に基づいて求められたアシスト割合αおよび供給割合βは、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合に分担割合演算部65から出力されて、後述するように、第一コントロールバルブ18、第三コントロールバルブ37の流量制御、および専用ポンプ32の容量制御に用いられる。一方、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合、分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αおよび供給割合βは、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPに関わらず常に「1」となるように設定されている。
さらに、74は機体持ち上げ動作判断部であって、該機体持ち上げ動作判断部74は、図8のブロック図に示す如く、シリンダロッド側圧力センサ59により検出されるブームシリンダ8のロッド側油室8bの圧力PBR(以下、ロッド側圧力PBRと称する)と、シリンダヘッド側圧力センサ58により検出されるブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力PBH(以下、ヘッド側圧力PBHと称する)とを入力し、これらロッド側圧力PBRとヘッド側圧力PBHとの差圧ΔPB(ΔPB=PBR−PBH)を減算器75で求め、該減算器75で求められた差圧ΔPBに基づいて、判断テーブル76により機体持ち上げ動作時であるか否かを判断する。そして、機体持ち上げ動作時であると判断された場合には、機体持ち上げ動作ONの信号を出力し、また、機体持ち上げ動作時でないと判断された場合には、機体持ち上げ動作OFFの信号を出力する。
ここで、前記機体持ち上げ動作とは、油圧ショベル1において、窪みや軟弱地盤から脱出する場合や、下部走行体2を構成するクローラに泥や砂利が詰まったときにクローラを片方づつ持ち上げて空回りさせるような場合に、バケット7を接地させた状態でブーム5をさらに下降操作(ブームシリンダ8の縮小操作)することでブーム5を機体本体に対して相対的に下降せしめ、これにより機体本体を持ち上げる動作のことである(図9参照)。該機体持ち上げ動作を行うには、機体本体の重量に抗してブーム5の下降操作を行うことになるため、ブームシリンダ8のロッド側圧力PBRからヘッド側圧力PBHを減じた差圧ΔPBが大きくなる。そこで、前記機体持ち上げ動作判断部74の判断テーブル76では、上記差圧ΔPBが予め設定される第一所定圧ΔPB1以下の場合は、機体持ち上げ動作を行っていないと判断して、機体持ち上げ動作OFFの信号を出力する一方、上記差圧ΔPBが予め設定される第二所定圧ΔPB2以上の場合には、機体持ち上げ動作を行っていると判断して、機体持ち上げ動作ON信号を出力する。尚、本実施の形態では、前記差圧ΔPBが第一設定圧ΔPB1と第二設定圧ΔPB2の間は、差圧ΔPBの上昇時にはOFF、差圧ΔPBの下降時にはONとなるように設定されている。
一方、67は第一コントロールバルブ制御部であって、該第一コントロールバルブ制御部67は、図10のブロック図に示す如く、前記分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αと要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRとを入力し、これらアシスト割合αと要求ポンプ容量DRとを乗算器68で乗じて、アシスト用要求ポンプ容量DRαを求める。さらに、第一コントロールバルブ制御部67は、上記アシスト用要求ポンプ容量DRαを、第一上昇側、第一下降側電磁比例減圧弁23、24に対する制御信号値に変換するための第一バルブテーブル69を有しており、該第一バルブテーブル69に基づいて、第一上昇側、第一下降側電磁比例減圧弁23、24に対する制御信号値を求める。そして、第一コントロールバルブ制御部67は、上記制御信号値を、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合は第一上昇側電磁比例減圧弁23に出力し、またブーム下降側に操作された場合は第一下降側電磁比例減圧弁24に出力するように設定されているが、該制御信号値によって第一上昇側電磁比例減圧弁23は、ブーム上昇時における第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量を、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量にするためのパイロット圧を出力するように制御される。
さらに、70は第三コントロールバルブ制御部であって、該第三コントロールバルブ制御部70は、図11のブロック図に示す如く、前記機体持ち上げ動作判断部74から出力される機体持ち上げ動作ON/OFF信号と、前記分担割合演算部65から出力される供給割合βと、要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRとを入力する。そして、まず、第三コントロールバルブ制御部70は、上記供給割合βと要求ポンプ容量DRとを乗算器71で乗じて、供給用要求ポンプ容量DRβを求める。さらに、第三コントロールバルブ制御部70は、上記供給用要求ポンプ容量DRβを、第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に対する制御信号値に変換するための第三バルブテーブル72を有しており、該第三バルブテーブル72に基づいて、第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に対する制御信号値を求めるが、この場合、前記機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作OFFの信号が入力されている場合(前述した機体持ち上げ動作時でない場合、つまり、ブーム上昇時や、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時)は、図11に実線で示される制御信号値に変換される一方、機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ONの信号が入力されている場合は、図11に点線で示される制御信号値に変換されるようになっている。該機体持ち上げ動作ONのときの制御信号値(点線で印される制御信号値)は、要求ポンプ容量DRが「負」の値、つまりブーム下降側に操作された場合のみ設定されているが、その制御信号値は、機体持ち上げ動作OFFのときの制御信号値(実線で示される制御信号値)よりも大きくなるように設定されている。そして、第三コントロールバルブ制御部70は、上記制御信号値を、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合は第三上昇側電油変換弁38に出力し、またブーム下降側に操作された場合は第三下降側電油変換弁39に出力するが、該第三下降側電油変換弁39に出力される制御信号値によって移動する第三コントロールバルブ37のスプールの移動ストロークは、機体持ち上げ動作OFFのときに出力される制御信号値では、ブーム用操作レバーの操作量が最大(フルストローク操作)のときでも第一下降側位置Y1の範囲内の移動ストロークとなる一方、機体持ち上げ動作ONのときの制御信号値では、第二下降側位置Y2の移動ストロークとなるように設定されている。而して、第三コントロールバルブ37は、ブーム下降側に操作された場合に、機体持ち上げ動作OFFの場合は第一下降側位置Y1に切換わり、また、機体持ち上げ動作ONの場合は第二下降側位置Y2に切換わるように構成されている。一方、第三上昇側電油変換弁38は、第三コントロールバルブ制御部70から出力される制御信号値によって、ブーム上昇時における第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量を、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量にするように制御される。
一方、78は専用ポンプ要求トルク演算部であって、該専用ポンプ要求トルク演算部78は、図12のブロック図に示す如く、第三吐出側圧力センサ56により検出される専用ポンプ32の吐出圧PEと、前記要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRと、前記分担割合演算部65から出力される供給割合βとを入力して、これら専用ポンプ32の吐出圧PEと要求ポンプ容量DRと供給割合βとを乗算器79、80で乗じ、さらにトルク演算ブロック81においてトルク換算定数C1を乗じることで、ブーム用操作レバーの操作量およびアキュムレータ36の蓄圧量に応じて現時点の吐出圧で専用ポンプ32の出し得るトルクを演算する。該演算されたトルクは、要求ポンプ容量DRが「負」の値(ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合)であると「負」の値となるため、絶対値化ブロック82で絶対値化して「正」の値にする。そして、該「正」の値のトルクを、専用ポンプ32が要求する専用ポンプ要求トルクTE(TE=PE×DR×β×C1)として出力する。
而して、専用ポンプ要求トルク演算部78は、専用ポンプ32の吐出圧PEと、ブーム用操作レバーの操作状態によって決る要求ポンプ容量DRと、アキュムレータ36の蓄圧量によって決る供給割合βとに基づいて、専用ポンプ要求トルクTEを演算することになるが、ブーム5の下降時には、供給割合βはアキュムレータ36の蓄圧量に関わらず常に「1」となるため、専用ポンプ要求トルクTEは、専用ポンプ32の吐出圧PEとブーム用操作レバーの操作状態とに基づいて演算されることになる。
而して、専用ポンプ要求トルク演算部78は、専用ポンプ32の吐出圧PEと、ブーム用操作レバーの操作状態によって決る要求ポンプ容量DRと、アキュムレータ36の蓄圧量によって決る供給割合βとに基づいて、専用ポンプ要求トルクTEを演算することになるが、ブーム5の下降時には、供給割合βはアキュムレータ36の蓄圧量に関わらず常に「1」となるため、専用ポンプ要求トルクTEは、専用ポンプ32の吐出圧PEとブーム用操作レバーの操作状態とに基づいて演算されることになる。
さらに、83は目標トルク演算部(該目標トルク演算部83および前述の専用ポンプ要求トルク演算部78が本発明のトルク演算手段に相当する)であって、該目標トルク演算部83は、図13のブロック図に示す如く、後述するメインポンプ経時制限トルクTLと、許容トルクTAと、前記専用ポンプ要求トルク演算部78から出力される専用ポンプ要求トルクTEとを入力する。
ここで、上記許容トルクTAは、アクセルダイヤル73によって設定されるエンジン回転数に応じて、エンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる最大のトルク(エンスト防止やオーバーヒート防止等を考慮した上で許容される最大のトルク)であって、例えば図示しないトルクマップ等により予め設定されている。
ここで、上記許容トルクTAは、アクセルダイヤル73によって設定されるエンジン回転数に応じて、エンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる最大のトルク(エンスト防止やオーバーヒート防止等を考慮した上で許容される最大のトルク)であって、例えば図示しないトルクマップ等により予め設定されている。
前記目標トルク演算部83は、まず、入力された許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとを加算器84で加算し、該加算値と許容トルクTAとに基づいて、減縮率演算ブロック85で減縮率γ(γ=TA/(TA+TE))を求める。該減縮率γは、許容トルクTAの値を、許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとの比率に応じて第一、第二メインポンプ9、10と専用ポンプ32とに分配するための値であって、この減縮率γと許容トルクTAとを乗算器86で乗じることによって、第一、第二メインポンプ9、10に分配されるトルクTDM(TDM=γ×TA、以下、メインポンプ分配トルクTDMと称する)が演算され、また、減縮率γと専用ポンプ要求トルクTEとを乗算器87で乗じることによって、専用ポンプ32に分配されるトルクTDE(TDE=γ×TE、以下、専用ポンプ分配トルクTDEと称する)が演算される。そして、上記メインポンプ分配トルクTDMの値は、第一、第二メインポンプ9、10の目標トルクとして、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対する制御信号値に変換されて出力され、さらに該制御信号値が入力されたメインポンプ制御用電磁比例減圧弁17は、第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクをメインポンプ分配トルクTDMにするための制御信号圧を、第一、第二レギュレータ14、15に対して出力するように構成されている。一方、専用ポンプ分配トルクTDEの値は、専用ポンプ32の目標トルクTDE(専用ポンプ目標トルクTDE=専用ポンプ分配トルクTDE)として、後述する専用ポンプ制御部89に出力される。
而して、目標トルク演算部83において、専用ポンプ32の目標トルクTDEが演算されることになるが、この場合、第一メインポンプ9、10への供給トルク(メインポンプ分配トルクTDM)と専用ポンプ目標トルクTDEとを合計したトルクが、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクTAの値と等しくなるように、専用ポンプ要求トルクTEを減縮率γで減縮することで専用ポンプ目標トルクTDEが演算されることになり、これによって、油圧ショベル1全体としての消費トルクを、許容トルクTAの値を越えないように抑制することができるようになっている。
而して、目標トルク演算部83において、専用ポンプ32の目標トルクTDEが演算されることになるが、この場合、第一メインポンプ9、10への供給トルク(メインポンプ分配トルクTDM)と専用ポンプ目標トルクTDEとを合計したトルクが、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクTAの値と等しくなるように、専用ポンプ要求トルクTEを減縮率γで減縮することで専用ポンプ目標トルクTDEが演算されることになり、これによって、油圧ショベル1全体としての消費トルクを、許容トルクTAの値を越えないように抑制することができるようになっている。
尚、前記目標トルク演算部83に入力されるメインポンプ経時制限トルクTLは、第一、第二メインポンプ9、10を圧油供給源とする何れかの油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)用操作具が操作されて第一、第二メインポンプ9、10を作動させる場合に、エンジンEから第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクを時間の経過と共に徐々に上昇させていくために設定される変数であって、目標トルク演算部83は、メインポンプ経時制限トルクTLがメインポンプ分配トルクTDMよりも小さい(TL<TDM)場合は、該メインポンプ経時制限トルクTLを最小選択器88で選択して、第一、第二メインポンプ9、10の目標トルクとして出力する。これにより、第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクは、メインポンプ経時制限トルクTLを越えないように徐々に増加してメインポンプ分配トルクTDMに達するように制御されることになって、第一、第二メインポンプ9、10にかかる負荷が急激に増加してエンジンドロップを引き起してしまうことを回避できるようになっている。
さらに、89は専用ポンプ制御部(本発明のポンプ容量制御手段に相当する)であって、該専用ポンプ制御部89は、図14のブロック図に示す如く、前記目標トルク演算部83から出力される専用ポンプ目標トルクTDEと、第三吐出側圧力センサ56により検出される専用ポンプ32の吐出圧PEと、前記要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRと、機体持ち上げ用要求ポンプ容量DLと、前記機体持ち上げ動作判断部74から出力される機体持ち上げ動作ON/OFF信号とを入力する。
ここで、前記機体持ち上げ用ポンプ容量DLとは、専用ポンプ32の吐出流量を、機体持ち上げ動作を行うのに適切な吐出流量にするべく予め設定されるポンプ容量である。
ここで、前記機体持ち上げ用ポンプ容量DLとは、専用ポンプ32の吐出流量を、機体持ち上げ動作を行うのに適切な吐出流量にするべく予め設定されるポンプ容量である。
前記専用ポンプ制御部89は、まず、入力された要求ポンプ容量DRを、絶対値化ブロック90で絶対値化して「正」の値にした後、上昇側、下降側圧力補正テーブル91、92を用いて、上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDを求める。そして、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側圧力補正係数GUが乗算器93に出力され、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側圧力補正係数GDが乗算器93に出力される。
ここで、前記上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDは、ブームシリンダ8の負荷変動に対応して専用ポンプ32の容量を変化させるべく専用ポンプ32の吐出圧PEの値を補正するために設定される圧力補正係数であって、該上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDは、要求ポンプ容量DRの絶対値、つまりブーム用操作レバーの操作量に応じて変化するように(本実施の形態では、ブーム用操作レバーの操作量が大きくなると上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDが小さくなるように)設定されていると共に、上昇側圧力補正テーブル91と下降側圧力補正テーブル92とでは、要求ポンプ容量DRの絶対値が同じであっても、圧力補正係数の値が異なるように設定されている。つまり、ブーム用操作レバーの操作量が同じであっても、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側圧力補正テーブル91によってブーム上昇に適した上昇側圧力補正係数GUが得られ、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側圧力補正テーブル92によってブーム下降に適した下降側圧力補正係数GDが得られるように構成されている。尚、前記上昇側、下降側圧力補正テーブル91、92は、油圧ショベル1の機種や作動条件等に応じて、適切な上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDを得られるように予め調整されている。
ここで、前記上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDは、ブームシリンダ8の負荷変動に対応して専用ポンプ32の容量を変化させるべく専用ポンプ32の吐出圧PEの値を補正するために設定される圧力補正係数であって、該上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDは、要求ポンプ容量DRの絶対値、つまりブーム用操作レバーの操作量に応じて変化するように(本実施の形態では、ブーム用操作レバーの操作量が大きくなると上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDが小さくなるように)設定されていると共に、上昇側圧力補正テーブル91と下降側圧力補正テーブル92とでは、要求ポンプ容量DRの絶対値が同じであっても、圧力補正係数の値が異なるように設定されている。つまり、ブーム用操作レバーの操作量が同じであっても、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側圧力補正テーブル91によってブーム上昇に適した上昇側圧力補正係数GUが得られ、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側圧力補正テーブル92によってブーム下降に適した下降側圧力補正係数GDが得られるように構成されている。尚、前記上昇側、下降側圧力補正テーブル91、92は、油圧ショベル1の機種や作動条件等に応じて、適切な上昇側、下降側圧力補正係数GU、GDを得られるように予め調整されている。
さらに、専用ポンプ制御部89は、専用ポンプ32の吐出圧PEを前記乗算器93に入力し、該乗算器93において、専用ポンプ32の吐出圧PEと前記上昇側或いは下降側圧力補正係数GU、GDとを乗じることにより、該上昇側或いは下降側圧力補正係数GU、GDによって補正された専用ポンプ補正吐出圧PCEを求め、該専用ポンプ補正吐出圧PCEを容量演算ブロック94に出力する。該容量演算ブロック94は、前記専用ポンプ補正吐出圧PCEと専用ポンプ目標トルクTDEとを入力し、そして、専用ポンプ目標トルクTDEを専用ポンプ補正吐出圧PCEで除した値に容量変換定数C2(該容量変換定数C2は、前記トルク換算定数C1の逆数、つまり、C2=1/C1)を乗じることで、補正ポンプ容量DC(DC=(TDE/PCE)×C2)を演算し、該補正ポンプ容量DCを最小選択器95に出力する。
また、専用ポンプ制御部89は、前記機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ON信号が入力されている場合には、機体持ち上げ用ポンプ容量DLを最小選択器95に出力し、また、機体持ち上げ動作OFF信号が入力されている場合には、前記絶対値化ブロック90で求められた要求ポンプ容量DRの絶対値を、最小選択器95に出力する。
前記最小選択器95は、補正ポンプ容量DCと、要求ポンプ容量DRの絶対値と、機体持ち上げ動作ON信号が入力されている場合には機体持ち上げ用ポンプ容量DLを入力し、これらのうち最小値を選択する。そして、該最小値を専用ポンプ32の目標ポンプ容量(本発明の目標容量に相当する)DTとして出力する。
さらに、専用ポンプ制御部89は、図15のブロック図に示す如く、前記最小選択器95から出力される目標ポンプ容量DTを、上昇側、下降側指令テーブル96、97を用いて、専用ポンプ用レギュレータ35に対する上昇側、下降側の制御指令値に変換する。そして、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側の制御指令値が変化率制限器(Rate limitter)98に出力され、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側の制御指令値が変化率制限器98に出力される。該変化率制限器98は、入力された上昇側或いは下降側の制御指令値を、変化率を制限しながら専用ポンプ用レギュレータ35に出力する。尚、本実施の形態の専用ポンプ用レギュレータ35は、斜板の傾斜角変位によって専用ポンプ32の容量制御を行うように構成されており、而して、前記専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御指令値は、斜板の傾斜角指令値となる。
ここで、前記上昇側、下降側指令テーブル96、97は、目標ポンプ容量DTと専用ポンプ用レギュレータ35に対する上昇側、下降側の制御指令値との関係を設定したテーブルであるが、上昇側指令テーブル96と下降側指令テーブル97とでは、目標ポンプ容量DTの値が同じであっても、制御指令値の値が異なるように設定されている。つまり、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側指令テーブル96によってブーム上昇に適した上昇側制御指令値が得られ、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側指令テーブル97によってブーム下降に適した下降側制御指令値が得られるように構成されている。
ここで、前記上昇側、下降側指令テーブル96、97は、目標ポンプ容量DTと専用ポンプ用レギュレータ35に対する上昇側、下降側の制御指令値との関係を設定したテーブルであるが、上昇側指令テーブル96と下降側指令テーブル97とでは、目標ポンプ容量DTの値が同じであっても、制御指令値の値が異なるように設定されている。つまり、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合は、上昇側指令テーブル96によってブーム上昇に適した上昇側制御指令値が得られ、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合は、下降側指令テーブル97によってブーム下降に適した下降側制御指令値が得られるように構成されている。
尚、制御装置16には、前述した演算部や制御部の他にも、第二コントロールバルブ19や回収バルブ41、ドリフト低減弁29、アキュムレータチェックバルブ45、タンクチェックバルブ50等を制御するための各種制御部(図示せず)が設けられているが、これら制御部における制御については、個別に説明することなく、制御装置16の制御として説明する。
次いで、ブーム用操作レバーの上昇側、下降側の操作に基づく制御装置16の制御について説明する。
まず、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合について説明すると、制御装置16は、前記目標トルク演算部83において実行される制御に基づいて、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10に供給されるトルクが、前述したメインポンプ分配トルクTDMになるように制御信号を出力する。これにより、第一、第二メインポンプ9、10に供給されるトルクは、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる許容トルクTAの値を、許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとの比率に応じて第一、第二メインポンプ9、10に分配したトルク、即ちメインポンプ分配トルクTDMとなるように制御される。
まず、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合について説明すると、制御装置16は、前記目標トルク演算部83において実行される制御に基づいて、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10に供給されるトルクが、前述したメインポンプ分配トルクTDMになるように制御信号を出力する。これにより、第一、第二メインポンプ9、10に供給されるトルクは、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる許容トルクTAの値を、許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとの比率に応じて第一、第二メインポンプ9、10に分配したトルク、即ちメインポンプ分配トルクTDMとなるように制御される。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、第二上昇側電磁比例減圧弁25に対し、ブーム用操作レバーの操作量に応じて設定される制御信号値を出力する。これにより、第二上昇側電磁比例減圧弁25からパイロット圧が出力されて、第二コントロールバルブ19が上昇側位置Xに切換り、而して、第二メインポンプ10の吐出油が、上昇側位置Xの第二コントロールバルブ19を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第二コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、前記第一コントロールバルブ制御部67において実行される制御に基づいて、第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して制御信号を出力する。そして、該第一上昇側電磁比例減圧弁23に出力される制御信号値によって、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量になるように制御される。
つまり、アシスト割合αが「1」の場合は、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換り、而して、第一メインポンプ9の吐出油が、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、アシスト割合αが「1」〜「0」の間(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述したアシスト割合αが「1」の場合と同様に、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換って、第一メインポンプ9の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量、つまりアシスト割合αが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、アシスト割合αが「0」の場合は、制御装置16から第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第一コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、第一メインポンプ9からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないと共に、ネガティブコントロール流量制御によって、第一メインポンプ9の吐出流量は最小となるように制御されるようになっている。
つまり、アシスト割合αが「1」の場合は、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換り、而して、第一メインポンプ9の吐出油が、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、アシスト割合αが「1」〜「0」の間(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述したアシスト割合αが「1」の場合と同様に、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換って、第一メインポンプ9の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量、つまりアシスト割合αが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、アシスト割合αが「0」の場合は、制御装置16から第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第一コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、第一メインポンプ9からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないと共に、ネガティブコントロール流量制御によって、第一メインポンプ9の吐出流量は最小となるように制御されるようになっている。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、専用ポンプ32の容量制御を行うべく専用ポンプ用レギュレータ35に対して制御指令を出力する。この場合、制御装置16は、まず、専用ポンプ要求トルク演算部78において、専用ポンプ吐出圧PEとブーム用操作レバーの操作状態およびアキュムレータ36の蓄圧量に応じて要求される専用ポンプ要求トルクTEを求め、次いで、目標トルク演算部83において、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる許容トルクTAの値を、許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとの比率に応じて専用ポンプ32に分配した専用ポンプ目標トルクTDEを求めると共に、専用ポンプ制御部89において、専用ポンプ32の吐出圧PEを、上昇側圧力補正テーブル91で得られる上昇側圧力補正係数GUにより補正し、さらに該補正された専用ポンプ補正吐出圧PCEと上記専用ポンプ目標トルクTDEとを用いて目標ポンプ容量DTを演算し、該目標ポンプ容量DTを、上昇側指令テーブル96で上昇側の制御指令値に変換した値を、専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御指令値として出力する。これにより専用ポンプ32の容量は、ブーム用操作レバーの操作量およびアキュムレータ36の蓄圧量に対応するだけでなく、ブームシリンダ8の負荷が変動しても、ブーム上昇に適したポンプ流量となるように制御される。尚、供給割合βが「0」の場合(アキュムレータ36の蓄圧量が殆どない場合)、専用ポンプ要求トルクTEは「0」となり、よって、専用ポンプ32の容量は「0」となるように制御される。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三上昇側電油変換弁38に対して制御信号を出力する。そして、該第三上昇側電油変換弁38に出力される制御信号値によって、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量になるように制御される。
つまり、供給割合βが「1」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、而して、専用ポンプ32の吐出油が、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、供給割合βが「1」〜「0」の間(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述した供給割合βが「1」の場合と同様に、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、専用ポンプ32の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量、つまり供給割合βが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、供給割合βが「0」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、専用ポンプ32からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないようになっている。
つまり、供給割合βが「1」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、而して、専用ポンプ32の吐出油が、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、供給割合βが「1」〜「0」の間(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述した供給割合βが「1」の場合と同様に、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、専用ポンプ32の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量、つまり供給割合βが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、供給割合βが「0」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、専用ポンプ32からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないようになっている。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換わるようON信号を出力する。これにより、アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ油路42からサクション油路33への油の流れを許容する状態になる。而して、アキュムレータ36に蓄圧された圧油がサクション油路33を経由して、専用ポンプ32の吸入側に供給される。
また、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16から回収用電油変換弁44に制御信号は出力されず、回収用バルブ41は、回収油路40を閉じる閉位置Nに位置している。これにより、前述した第一、第二、第三コントロールバルブ18、19、37からの供給圧油がアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れてしまうことなく、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるようになっている。
次いで、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合に、前述した制御装置16の制御に基づいて実行されるブームシリンダ8への圧油供給について、アキュムレータ36の蓄圧量別に説明する。
まず、アキュムレータ36の蓄圧量が充分であって蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHに達している場合、供給割合βは「1」、アシスト割合αは「0」となるが、この場合は、前述したように、第二コントロールバルブ19および第三コントロールバルブ37は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給するように制御される一方、第一コントロールバルブ18は中立位置Nに保持される。これにより、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から最大(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)で一ポンプ分の流量と、専用ポンプ32から最大で一ポンプ分の流量とが供給される。
而して、アキュムレータ36の蓄圧量が充分の状態でブーム上昇側に操作された場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と専用ポンプ32から供給される最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになって、作業部4の重量負荷に抗するブーム5の上昇であっても、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができるが、この場合、専用ポンプ32は、アキュムレータ36に蓄圧された高圧の圧油を吸込んで吐出するため、アキュムレータ36からトルク供給されることになり、而して、エンジンEからの供給トルクを殆ど必要としない状態で、ブームシリンダ8への圧油供給を行うことができると共に、前述した専用ポンプ制御部89で行われる制御によって、ブームシリンダ8の負荷変動やブーム用操作レバーの操作状態に関わらず適切なポンプ容量となるように制御されることになる。
これに対し、アキュムレータ36の蓄圧量が殆どなく蓄圧圧力ΔPが低設定圧PL以下の場合、供給割合βは「0」、アシスト割合αは「1」となるが、この場合は、前述したように、第一コントロールバルブ18および第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給するように制御される一方、第三コントロールバルブ37は、中立位置Nに保持される。これにより、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第一メインポンプ9から最大で一ポンプ分の流量と、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量とが供給される。尚、供給割合βが「0」の場合に専用ポンプ32は、前述したように、容量「0」となるように、つまり吐出流量がゼロとなるように制御される。
而して、アキュムレータ36の蓄圧量が殆どない状態でブーム上昇側に操作された場合、専用ポンプ32から圧油供給されない代わりに第一メインポンプ9から圧油供給され、これによりブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と第一メインポンプ9から供給される最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになり、よって、アキュムレータ36に蓄圧されていない状態であっても、アキュムレータ36に充分蓄圧されている場合と同様に、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができる。
また、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHと低設定圧PLの間のとき、供給割合βおよびアシスト割合αは「1」〜「0」の間の値(但し、β=α−1)となるが、この場合、第三コントロールバルブ37は、該三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量が、供給割合βが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少なくなるように制御される。
一方、第一コントロールバルブ18は、該三コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量が、アシスト割合αが低くなるほど(つまり、蓄圧圧力ΔPが増加するほど)ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少なくなるように制御される。
ここで、前記第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量であり、また、第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量であり、しかもアシスト割合αと供給割合βとを足すと「1」となる(α+β=1)ように設定されているから、第三コントロールバルブ37からの供給流量が減少するにつれて第一コントロールバルブ18からの供給流量が増加すると共に、第三コントロールバルブ37からの供給流量と第一コントロールバルブ18からの供給流量とを足すと、ブーム用操作レバーに応じて要求される流量になる。而して、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から足して最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、これにより、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
一方、第一コントロールバルブ18は、該三コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量が、アシスト割合αが低くなるほど(つまり、蓄圧圧力ΔPが増加するほど)ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少なくなるように制御される。
ここで、前記第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量であり、また、第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量であり、しかもアシスト割合αと供給割合βとを足すと「1」となる(α+β=1)ように設定されているから、第三コントロールバルブ37からの供給流量が減少するにつれて第一コントロールバルブ18からの供給流量が増加すると共に、第三コントロールバルブ37からの供給流量と第一コントロールバルブ18からの供給流量とを足すと、ブーム用操作レバーに応じて要求される流量になる。而して、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から足して最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、これにより、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
而して、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHと低設定圧PLの間のときにブーム上昇側に操作された場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から供給される足して最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになり、よって、アキュムレータ36の蓄圧量が変動しても、アキュムレータ36に充分蓄圧されている場合と同様に、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができる。
次に、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合の制御装置16の制御について説明するが、該ブーム下降側の操作は、前述した機体持ち上げ動作を行う場合と、機体持ち上げ動作以外の通常動作を行う場合(ブーム5を空中降下させる場合、あるいは掘削作業や運搬作業を行う場合等)とがある。そして、機体持ち上げ動作時であるか否かの判断は、前記機体持ち上げ動作判断部74において行われ、機体持ち上げ動作時である場合には機体持ち上げ動作ON信号が出力され、また、機体持ち上げ動作時でない場合には機体持ち上げ動作OFF信号が出力されるが、該動作判断部74の判断結果により制御装置16の制御が異なるため、まず、ブーム下降側に操作されたときに機体持ち上げ動作OFF(機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作OFF信号出力)の場合、つまり通常動作の場合について説明する。尚、前述したように、ブーム下降側に操作された場合に分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αおよび供給割合βは、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPに関わらず常に「1」となるように設定されている。
扨、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、第一、第二メインポンプ9、10を圧油供給源とするブームシリンダ8以外の油圧アクチュエータ(走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)用操作具が何れも操作されていないときには、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクを最小まで低減せしめるよう制御信号を出力する。尚、第一、第二メインポンプ9、10を圧油供給源とするブームシリンダ8以外の何れかの油圧アクチュエータ用操作具が操作されている場合は、アクセルダイヤル73で設定されたエンジン回転数に応じたトルクが第一、第二メインポンプ9、10に供給されるように、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対して制御信号を出力する。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第一コントロールバルブ制御部67において実行される制御に基づいて、第一下降側電磁比例減圧弁24に対して制御信号を出力する。これにより、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yに切換り、而して、ブームシリンダ8aのヘッド側油室8aからの排出油が、下降側位置Yの再生用弁路18cを経由してロッド側油室8bに供給されるが、その流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。また、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのときの第一メインポンプ9の吐出流量は、前述したように、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
尚、第二コントロールバルブ19は、ブーム5の下降時には中立位置Nに保持され、而して、ブームシリンダ8に対する油給排を行わないと共に、第二メインポンプ9の吐出流量も、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
尚、第二コントロールバルブ19は、ブーム5の下降時には中立位置Nに保持され、而して、ブームシリンダ8に対する油給排を行わないと共に、第二メインポンプ9の吐出流量も、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、専用ポンプ32の容量制御を行うべく専用ポンプ用レギュレータ35に対して制御指令を出力する。この場合、制御装置16は、まず、専用ポンプ要求トルク演算部78において、専用ポンプ吐出圧PEおよびブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される専用ポンプ要求トルクTEを求め、次いで、目標トルク演算部83において、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給できる許容トルクTAの値を、許容トルクTAと専用ポンプ要求トルクTEとの比率に応じて専用ポンプ32に分配した専用ポンプ目標トルクTDEを求めると共に、専用ポンプ制御部89において、専用ポンプ32の吐出圧PEを、下降側圧力補正テーブル92で得られる下降側圧力補正係数GDにより補正し、さらに該補正された専用ポンプ補正吐出圧PCEと上記専用ポンプ目標トルクTDEとを用いて目標ポンプ容量DTを演算し、該目標ポンプ容量DTを、下降側指令テーブル97で下降側の制御指令値に変換した値を、専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御指令値として出力する。これにより専用ポンプ32の容量は、ブーム用操作レバーの操作量に対応するだけでなく、ブームシリンダ8の負荷が変動しても、ブーム下降に適したポンプ流量となるように制御される。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三下降側電油変換弁39に対して制御信号を出力する。該第三下降側電油変換弁39に対する制御信号は、機体持ち上げ動作OFFの場合は、前述したように、第三コントロールバルブを第一下降側位置Y1に切換える制御信号値であり、而して、専用ポンプ32の吐出油が、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37の供給用弁路37aを経由してシリンダロッド側油路21に流れて、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からロッド側油室8bへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。この場合、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流す排出用弁路37bを閉じており、而して、ヘッド側油室8aの油が第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れることがないようになっている。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、ドリフト低減弁用電磁比例減圧弁30に対し、ON位置Xに切換わるようON信号を出力する。これにより、ドリフト低減弁29は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出を許容する状態になる。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、回収用電油変換弁44に対し、回収用バルブ41を開位置Xに切換えるよう制御信号を出力する。これにより、回収用バルブ41が回収油路40を開く開位置Xに切換り、而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出された油が、回収油路40を経由してアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れて、アキュムレータ36に蓄圧されると共に、専用ポンプ32の吸入側に供給されるようになっているが、該回収油路40の流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。さらにこのとき、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換るようON信号を出力する。これにより、殆ど圧力損失のない状態で回収油路40からアキュムレータ油路42に油を流すことができるようになっている。
而して、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時には、第三コントロールバルブ37を経由する専用ポンプ32からの圧油がブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されることになるが、この場合、上記専用ポンプ32は、ヘッド側油室8aから排出された高圧の圧油を吸込んで吐出するため、該高圧の排出油からトルク供給されることになり、而して、エンジンEからの供給トルクを殆ど必要としない状態で、ブームシリンダ8への圧油供給を行うことができると共に、前述した専用ポンプ制御部89で行われる制御によって、ブームシリンダ8の負荷変動やブーム用操作レバーの操作状態に関わらず適切なポンプ容量となるように制御されることになる。
一方、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出される油は、作業部4の有する位置エネルギーにより高圧となっていると共に、ピストン8cに作用する受圧面積の関係からロッド側油室8bへの供給量に対して略2倍の排出量となるが、該ヘッド側油室8aからの排出油は、回収油路40を経由してサクション油路33およびアキュムレータ油路42に流れる。そして、サクション油路33に流れた油は、専用ポンプ32の吸入側に供給され、該専用ポンプ32からロッド側油室8bに供給される一方、アキュムレータ油路42に供給された圧油はアキュムレータ36に蓄圧されて、前述したように、ブーム5の上昇時に専用ポンプ32からヘッド側油室8aに供給されることになる。而して、作業部4の有する位置エネルギーを、無駄にすることなく回収、再利用できるようになっている。
尚、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時に、ヘッド側油室8aからの排出油のうち一部は、第一コントロールバルブ18の再生用弁路18dを経由してロッド側油室8bに供給される。
尚、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時に、ヘッド側油室8aからの排出油のうち一部は、第一コントロールバルブ18の再生用弁路18dを経由してロッド側油室8bに供給される。
次いで、ブーム下降側に操作されたときに機体持ち上げ動作ON(機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ON信号出力)の場合の制御装置16の制御について説明するが、この場合、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対しては、前述した機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これにより第一、第二メインポンプ9、10への供給トルクは最小となる(ブームシリンダ8以外の油圧アクチュエータが操作されていない場合)。また、ドリフト低減弁用電磁比例減圧弁30に対しても、前述した機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これによりブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出が許容される。さらに、第一下降側電磁比例減圧弁24に対しても、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これにより第一コントロールバルブ18は下降側位置Yに切換わるが、機体持ち上げ動作ONの場合、ブームシリンダ8のロッド側圧力PBRの方がヘッド側圧力PBHよりも高圧であるため、ヘッド側油室8aの油が再生用弁路18cを経由してロッド側油室8bに流れることなく、また、ロッド側油室8bからヘッド側油室8aへの油の流れはチェック弁18dにより阻止されているため、第一コントロールバルブ18によるブームシリンダ8への油給排は行われない。また、第二コントロールバルブ19によるブームシリンダ8への油給排も、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様に行われない。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記専用ポンプ制御部89において実行される制御に基づいて、専用ポンプ用レギュレータ35に対して制御指令を出力する。この場合、専用ポンプ制御部89は、機体持ち上げ用ポンプ容量DLを目標ポンプ容量DTとし、該目標ポンプ容量DTを、下降側指令テーブル97で下降側の制御指令値に変換した値を、専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御指令値として出力する。これにより専用ポンプ32の容量は、機体持ち上げ動作を行うのに適切なポンプ流量となるように制御される。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三下降側電油変換弁39に対して制御信号を出力する。該第三下降側電油変換弁39に対する制御信号は、前述したように、機体持ち上げ動作ONの場合は、第三コントロールバルブを第二下降側位置Y2に切換える制御信号値であり、而して、専用ポンプ32の吐出油が、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37の供給用弁路37aを経由してシリンダロッド側油路21に流れて、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されると共に、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油が、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37の排出用弁路37bを経由して油タンク11に流れる。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、回収用電油変換弁44に対し、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様に、回収用バルブ41を開位置Xに切換えるよう制御信号を出力する。これにより、回収用バルブ41は回収油路40を開く開位置Xに切換わるが、前述したように、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油は第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブを経由して油タンク11に流れるため、機体持ち上げ動作ONの場合は、ヘッド側油室8aからの排出油が回収油路40を経由してアキュムレータ油路42やサクション油路33に供給されることがないようになっている。尚、アキュムレータ油路42やサクション油路33からシリンダヘッド側油路20への油の流れは、チェック弁43により阻止される。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換るようON信号を出力する。これにより、アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ油路42からサクション油路33への油の流れを許容する状態になる。而して、アキュムレータ36に蓄圧された圧油がサクション油路33を経由して、専用ポンプ32の吸入側に供給される。
而して、機体持ち上げ動作時には、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37を経由して、専用ポンプ32からの圧油がブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されることになるが、該専用ポンプ32の容量は、機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御され、よって、ロッド側油室8bに機体持ち上げ動作に適した流量の圧油を供給できることになるが、さらにこの場合、専用ポンプ32は、アキュムレータ36に蓄圧された高圧の圧油を吸込んで吐出するため、エンジンEからの供給トルクを殆ど必要としない状態で、ブームシリンダ8への圧油供給を行うことができる。
一方、機体持ち上げ動作時に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出される油は、第二下動側位置Y2の第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れ、これによりヘッド側油室8aの圧力が低下する。そして、該ヘッド側油室8aの圧力が低下することで、ロッド側圧力PBRとヘッド側圧力PBHとの差圧ΔPBを大きくなって、ブームシリンダ8を縮小せしめるべくピストン8cに働く推力が大きくなる。而して、機体持ち上げ動作を、スムーズに行うことができるようになっている。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1の油圧制御システムは、ブーム5の下降時にブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出された油を蓄圧するアキュムレータ36と、ブーム5の上昇時に前記アキュムレータ36に蓄圧された圧油を吸込んでブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する専用ポンプ32とを備えていると共に、該専用ポンプ32は、ブーム5の下降時(本実施の形態では、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時)に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油を吸込んでブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給するように構成されており、而して、作業部4の有する位置エネルギーを有効に回収、再利用できることになるが、さらにこのものにおいて、前記専用ポンプ32は、制御装置16から出力される制御指令によってポンプ容量を可変せしめる専用ポンプ用レギュレータ35を備えていると共に、前記制御装置16は、ブーム5の上昇時に、ブーム用操作レバーの操作状態(操作方向および操作量)と、専用ポンプ32の吐出圧PEと、アキュムレータ36の蓄圧量(蓄圧圧力ΔP)とに基づいて専用ポンプ32の容量制御を行う一方、ブーム5の下降時に、ブーム用操作レバーの操作状態と、専用ポンプ32の吐出圧PEとに基づいて専用ポンプ32の容量制御を行うことになる。
この結果、制御装置16から出力される制御指令によって、専用ポンプ32の容量を、オペレータによるブーム用操作レバーの操作状態と、ブーム5の下降時に蓄圧されてブーム5の上昇時に利用されるアキュムレータ36の蓄圧量と、ブームシリンダ8の負荷変動に応じて変化する専用ポンプ32の吐出圧PEとに対応するように制御できることになる。而して、専用ポンプ32から圧油供給されるブームシリンダ8の作動速度を、負荷変動や操作状態に応じて適切に制御できることになって、操作性に優れるが、さらに、本実施の形態では、ブーム5の上昇時に、アキュムレータ36の蓄圧量が減少するにつれて専用ポンプ32からブームシリンダ8への供給流量を減少させる一方、第一メインポンプ9からブームシリンダ8への供給流量を増加させる構成となっており、このため、ブーム5の上昇途中で、ブームシリンダ8への圧油供給が専用ポンプ32から第一メインポンプ9に移行する場合があるが、この様な場合であっても、ブーム5の上昇速度が変動してしまうような不具合を回避することができる。
さらに、前記制御装置16は、専用ポンプ32の容量制御を行うにあたり、目標トルク演算部83において専用ポンプ32に供給される目標トルクTDEを演算し、さらに専用ポンプ制御部89において、前記目標トルクTDEと専用ポンプ吐出圧PEとに基づいて専用ポンプ32の目標ポンプ容量DTを演算する構成となっている。而して、専用ポンプ32の容量は、目標トルク演算部83で演算された目標トルクTDEを基にして、専用ポンプ制御部89によって専用ポンプ吐出圧PEに応じた容量となるように演算されることになって、専用ポンプ32の目標ポンプ容量DTを的確に演算することができる。
しかも、前記専用ポンプ制御部89において目標ポンプ容量DTを演算するにあたり、専用ポンプ32の吐出圧PEを補正するための圧力補正係数が設定された上昇側圧力補正テーブル91および下降側圧力補正テーブル92が設けられており、そして、上記圧力補正係数で補正された専用ポンプ補正吐出圧PCEを用いて目標ポンプ容量DTの演算がなされることになる。
この結果、例えばバケット7に積載される土砂量の増減等によってブームシリンダ8にかかる負荷が変動しても、専用ポンプ32の容量は、、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
この結果、例えばバケット7に積載される土砂量の増減等によってブームシリンダ8にかかる負荷が変動しても、専用ポンプ32の容量は、、該負荷変動に対応した容量となるように適切に制御されることになる。
そのうえ、圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルとして、ブーム上昇時に用いる上昇側圧力補正テーブル91と、ブーム下降時に用いる下降側圧力補正テーブル92とが設けられているから、ブーム上昇、ブーム下降の各々の特性に対応した専用ポンプ32の容量制御を行えることになる。
さらに、前記上昇側圧力補正テーブル91、下降側圧力補正テーブル92によって設定される圧力補正係数は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて変化する構成となっているから、ブーム用操作レバーの操作量の多少に関わらず、適切な圧力補正係数を得ることができる。
一方、前記目標ポンプ容量DTの演算に用いられる専用ポンプ32の目標トルクTDEは、目標トルク演算部83において演算されることになるが、該目標トルク演算部83は、第一、第二メインポンプ9、10への供給トルク(メインポンプ分配トルクTDM)と専用ポンプ目標トルクTDE(=専用ポンプ分配トルクTDE)とを合計したトルクが、エンジン回転数に応じてエンジンEから第一、第二メインポンプ9、10に供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクTAの値を越えないように(本実施の形態では、許容トルクTAの値と等しくなるように)、専用ポンプ32が要求する専用ポンプ要求トルクTEを減縮して目標トルクTDEを求めるように構成されている。而して、油圧ショベル1全体の消費トルクを抑えるべく前記許容トルクTAを越えないように減縮された目標トルクTDEを基にして、専用ポンプ32の容量制御がなされることになって、燃費低減を確実に達成できる。
さらに、前記専用ポンプ要求トルクTEは、ブーム5の上昇時には、専用ポンプ吐出圧PEと、ブーム用操作レバーの操作状態と、アキュムレータ36の蓄圧量とに基づいて演算される一方、ブーム5の下降時には、専用ポンプ吐出圧PEと、ブーム用操作レバーの操作状態とに基づいて演算される構成になっているから、ブーム5の上昇時、下降時のそれぞれにおいて、現時点で専用ポンプ32に必要とされる専用ポンプ要求トルクTEを正確に演算することができる。
そのうえ、前記専用ポンプ制御部89において演算された目標ポンプ容量DTは、専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御指令値に変換されて出力されるが、この場合に、ブーム上昇時に用いる上昇側指令テーブル96と、ブーム下降時に用いる下降側指令テーブル97とが設けられており、よって、目標ポンプ容量DTの値が同じであっても、ブーム上昇、ブーム下降の各々の特性に対応した制御指令値に変換されることになり、而して、ブーム上昇、ブーム下降の特性の違いに対応した専用ポンプ32の容量制御を行うことができる。
さらに、本実施の形態において、制御装置16には、機体持ち上げ動作時であるか否かを判断する機体持ち上げ動作判断部74が設けられていると共に、該機体持ち上げ判断部74において機体持ち上げ動作時であると判断された場合に、専用ポンプ32は、アキュムレータ36の蓄圧油をブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給する一方、ヘッド側油室8aからの排出油は油タンク11に流れるように構成されているが、この場合に、前記専用ポンプ32の容量は、専用ポンプ制御部89において、機体持ち上げ動作に適した容量として予め設定される機体持ち上げ用ポンプ容量DLとなるように制御されることになる。この結果、機体持ち上げ動作時には、ブームシリンダ8のロッド側油室8bとヘッド側油室8aとの差圧ΔPBが大きくなると共に、専用ポンプ32は機体持ち上げ動作に適した流量を吐出することになり、而して、機体持ち上げ動作を行うのに必要な推力を確実に得られることになって、機体持ち上げ動作をスムーズに行うことができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、上記実施の形態では、油圧ショベルの制御システムを例にとって説明したが、本発明は、例えばクレーンやロ−ダ等、作業部を昇降せしめる油圧シリンダを備えた各種作業機械の油圧制御システムに実施できる。さらに、上記実施の形態において、専用ポンプは、作業部の上昇時だけでなく、作業部の下降時においても油圧シリンダへの油供給を行う構成となっているが、例えば、作業部の下降時に専用ポンプから油圧シリンダへの油供給を行わない構成の油圧制御システムにおいて、作業部の上昇時における専用ポンプの容量制御に本発明を実施するように構成することも、勿論できる。
4 作業部
8 ブームシリンダ
8a ヘッド側油室
8b ロッド側油室
9 第一メインポンプ
10 第二メインポンプ
16 制御装置
32 専用ポンプ
35 専用ポンプ用レギュレータ
36 アキュムレータ
40 回収回路
78 専用ポンプ要求トルク制御部
83 目標トルク演算部
89 専用ポンプ制御部
91 上昇側圧力補正テーブル
92 下降側圧力補正テーブル
96 上昇側指令テーブル
97 下降側指令テーブル
8 ブームシリンダ
8a ヘッド側油室
8b ロッド側油室
9 第一メインポンプ
10 第二メインポンプ
16 制御装置
32 専用ポンプ
35 専用ポンプ用レギュレータ
36 アキュムレータ
40 回収回路
78 専用ポンプ要求トルク制御部
83 目標トルク演算部
89 専用ポンプ制御部
91 上昇側圧力補正テーブル
92 下降側圧力補正テーブル
96 上昇側指令テーブル
97 下降側指令テーブル
Claims (11)
- 作業部を昇降せしめる油圧シリンダと、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油を蓄圧するアキュムレータと、作業部の上昇時に前記アキュムレータに蓄圧された圧油を吸込んで油圧シリンダの重量保持側油室に供給する専用ポンプとを設けてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、前記専用ポンプは、制御装置から出力される制御指令によって専用ポンプの容量を可変せしめる容量可変手段を備える一方、前記制御装置は、作業部の上昇時に、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、専用ポンプの吐出圧と、アキュムレータの蓄圧量とに基づいて専用ポンプの容量制御を行うべく前記容量可変手段に制御指令を出力する構成であることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
- 制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システム。
- ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項2に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、アキュムレータの蓄圧量とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項2または3に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 油圧制御システムは、作業部の下降時に油圧シリンダの重量保持側油室から排出される油を、アキュムレータおよび専用ポンプの吸入側に供給する回収油路を備えると共に、専用ポンプは、作業部の下降時に、前記回収油路から供給される圧油を吸込んで油圧シリンダの反重量保持側油室に供給するように構成される一方、制御装置は、作業部の下降時に、油圧シリンダ用操作具の操作状態と、専用ポンプの吐出圧とに基づいて専用ポンプの容量制御を行うべく容量可変手段に制御指令を出力する構成であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 制御装置は、専用ポンプに供給される目標トルクを演算するトルク演算手段と、該トルク演算手段で演算された目標トルクと専用ポンプの吐出圧に基づいて専用ポンプの目標容量を演算するポンプ容量制御手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の作業機械における油圧制御システム。
- ポンプ容量制御手段は、油圧シリンダの負荷に応じて専用ポンプの容量を変化させるべく、目標容量の演算に用いる専用ポンプの吐出圧を補正するための圧力補正係数が設定された圧力補正テーブルを有することを特徴とする請求項6に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 圧力補正テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側圧力補正テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側圧力補正テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 油圧制御システムは、エンジンから供給されるトルクにより駆動するメインポンプを備える一方、トルク演算手段は、専用ポンプの吐出圧と、油圧シリンダ用操作具の操作状態とに基づいて専用ポンプが要求する専用ポンプ要求トルクを演算すると共に、前記メインポンプへの供給トルクと専用ポンプの目標トルクとを合計したトルクが、エンジンからメインポンプに供給可能なトルクとして予め設定される許容トルクの値を越えないように、前記演算された専用ポンプ要求トルクを減縮して専用ポンプの目標トルクを求める構成であることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
- 圧力補正テーブルによって設定される圧力補正係数は、油圧シリンダ用操作具の操作量に応じて変化するように設定されることを特徴とする請求項3、7、8の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
- ポンプ容量制御手段は、演算された専用ポンプの目標容量を容量可変手段に対する制御指令値に変換する指令テーブルを有すると共に、該指令テーブルとして、作業部の上昇時に用いる上昇側指令テーブルと、作業部の下降時に用いる下降側指令テーブルとが設けられていることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021042857A (ja) * | 2017-02-17 | 2021-03-18 | ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 | 油圧機械の制御装置 |
-
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