JP2008115545A - 河川流量平準化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】増水時には、増水した水の一部を河川などの流路の両側の陸地部中に埋設した埋設パイプ内と埋設パイプを通して陸地部中の砂礫層や土砂層に大量の水を浸透して地下ダムとして保水することで河川流量のピークを抑え、また、渇水時には、陸地部中の砂礫層や土砂層に保水されていた地下水を埋設パイプを通して少しずつ河川流路に戻すことで、河川の流量を確保する河川流量平準化方法を提供することである。
【解決手段】河川などの流路1の両側の陸地部3の地中に、下側部に多数の孔7を設けた埋設パイプ4の開口した一方端を河川の渇水時の水位面6より下方の水際線2近傍に設置するとともに、開口または閉じた他方端を後傾させた状態で適宜間隔で所要本数の埋設パイプ4を埋設するとともに、各埋設パイプ4の下方に樋状体5を敷設する。
【選択図】図7

Description

本発明は、運河や水路を含む河川などの流路の両側の陸地部の地中に下側部に多数の孔を設けた埋設パイプを埋設することにより、当該河川などの流路および下流河川の渇水時と増水時の水量を調節する地下ダム的機能による河川流量平準化方法に関するものである。
近年、河川の流域の都市化や開発による耕作地の減少のため流域の保水機能が低下し、集中豪雨で降った雨水が以前に増して早く河川に流出するようになってきている。これは、集中豪雨による雨水と共に市街地の排水路の完備による集中排水が、河川流量のピークを一時的に上昇させて治水安全度を低下させると共に、農業用水、生活飲料用水、工業用水として、有効利用されることなく海に流出させる事態を招いており、水資源確保の点からも問題となっている。また、世界的な規模で発生している異常気象により、世界中の多くの国で異常出水と異常渇水が偏在して頻発し、この異常出水と異常渇水に対する有効な対策が求められている。
河川の流量調整として、河川の上流域にダム、河川の流域や隣接する地域に遊水池などを建設することが行われている。しかし、このような従来の河川の流量調整は、地表水の貯留であるため、土地利用上の制約(貯水量を大きくするにはより広大な面積を必要とする等)があり、調整容量の絶対量に自ずと限界がある。また、ダムは放流管理の運用が難しく、下流河川の破堤などの災害が起こった場合は、その運用法についていつも厳しい批判に晒されるほか、近年は公共事業削減の要請から建設が難しくなっている。また、土地の保水性又は排水性を改良するために、地面に溝を掘った開渠や、地中に管・パイプを埋設したり、また、地中に溝状または層状部を形成し、そこに砂利を敷設して排水溝または排水層を形成した暗渠による排水が行われている。この暗渠排水管は、孔あきパイプを地中に埋設し、降雨時の余剰な地下浸透水をパイプ内に導入し、導入した余剰水をパイプの端部から排水することで地盤が湿地化するのを防ぐもので、地中が吸収しきれないような余剰の水分を地中から排除することにより地中の水分を適度に保つようにするものである。
従来、降雨時に土壌中の余剰の地下浸透水を、土壌中に埋設したパイプ内に保水し、この保水した水分を乾燥時に土壌中に放出することで撒水の手間を軽減するものとして、下記の特許文献1に示す保水パイプが提案されている。図8は従来の保水パイプの一部切欠側面図で、保水パイプ30は、透水性パイプ本体31と内部に内蔵された吸水性材料35とからなっている。これは、透水性パイプ本体31の管壁を長さ方向に延伸されたポリエチレン等の細幅偏平糸条物32を、多数条微少間隔毎に縦横に配設して、交差部分を互いに溶着してなる無数の小孔33を有する帯状ネットからなる透水性材料を螺旋状に巻回してパイプ状としたものである。管壁の外周面に沿って合成樹脂によって成形した長尺の補強条体34を螺旋状に巻回して融着し一体的に接合して構成している。透水性パイプ本体31の内部には、吸水性合成樹脂ポリマーからなる吸水性材料35を適宜スポンジ状物に抱接させて内蔵している。
保水パイプの内部に吸水性材料を内蔵しているので、この保水パイプを土壌中に埋設しておくことで降雨時に土壌中に浸透した余剰の地中浸透水が、保水パイプの周壁を通してパイプ内部に入り込み、該透水性パイプ本体内の吸水性材料に短時間で保水する。そして、降雨のない乾期には、一旦保水パイプの内部の吸水性材料に保水した水を透水性パイプ本体内から土壌中に放出して土壌中に適度な水分を補給すると云うものである。
上記保水パイプは、土壌中に吸水性材料を内蔵した保水パイプを埋設し、降雨期で土壌中に水分が比較的多いときには、土壌中に浸透した余剰の地中浸透水を保水パイプ内の吸水性材料が吸水保水し、また、降雨量が比較的少なく土壌中に水分が比較的少ない、いわゆる乾燥気味にあるときには、パイプ内の吸水性材料に保水した水分を土壌中に放出することにより土中の水分調整を行うと云う保水機能でパイプ−土壌中の間の水の行き来により土中水の増減(土壌の乾湿)を制御している。しかしながら、この保水パイプは、パイプ内に内蔵された吸水性材料の量で完結した系であるため、この吸水性材料から保水・放出により調整できる水量は、パイプ内の容積が上限であり、それ以上の水量を調節することはできない。また、図示されていないが、全周面に多数の孔があいたコンクリート製パイプやコルゲートパイプを土壌中に埋設して土壌中の水を排水する管暗渠による排水方法があるが、埋設されたパイプ4上方の土壌中の土粒子が水とともにパイプ内に入る際にパイプの孔の目詰まりを生じてしまい、排水の効率を悪化させると云う欠点があった。
特開平7−170866号公報
そこで、本発明は、前記課題によりなされたもので、運河や水路を含む河川などの流路の両側の陸地部の地中に、下側部に多数の孔を設けた埋設パイプの開口した一方端を河川の渇水時の水位面より下方の水際線近傍に設置するとともに、閉じた他方端を後傾させた状態で適宜間隔埋設するとともに、該埋設パイプの下方に樋状体を敷設することにより、増水時には、増水した水の一部を埋設パイプ内と埋設パイプを通して陸地部の地中の砂礫層や土砂層に保水して当該河川などの流路およびその下流河川の流量のピークを抑えることができ、また、渇水時には、陸地部中の砂礫層や土砂層に保水されていた地下水を埋設パイプを通して少しずつ河川などの流路に戻し、当該河川の流量を確保する河川流量平準化方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
河川などの流路の両側の陸地部の地中に、下側部に多数の孔を設けた埋設パイプの開口した一方端を流路の渇水時の水位面より下方の水際線近傍に設置するとともに、開口または閉じた他方端を後傾させた状態で適宜間隔で所要本数の埋設パイプを埋設するとともに、各埋設パイプの下方に樋状体を敷設したことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、下記の効果を奏する。
イ)複数本の埋設パイプが河川などの流路の両側の陸地部中に長く伸びて設置された地下ダム構造であるため、陸地部中で水の調節量を大きく確保することができる。
ロ)埋設パイプの下には樋状体を配置しているので、地中の土壌のかなりの容積において飽和状態を作ることができる。飽和状態では不飽和状態に比べて透水係数が大きいため、浸透流の流量を大きくすることができる。
ハ)埋設パイプの一方端を渇水時の河川の水位面より下方の水際線近傍に設置して埋設パイプ内を常に満管状態にすることで埋設パイプ内の水の流れを安定させ、多くの水量を確保することができると共に、埋設パイプの周囲の土壌を透水係数が大きい飽和状態にすることができる。
ニ)増水時には、河川などの流路の上昇した水位のエネルギーを利用して、増水した水の一部を埋設パイプ内と埋設パイプを通して河川などの流路の両側の陸地部の地中の砂礫層や土砂層に保水して河川流量のピークを抑えることができる。
ホ)少雨期等の渇水時には、陸地部の地中の砂礫層や土砂層に保水されていた地下水を埋設パイプを通して少しずつ河川などの流路に戻し、河川の流量を確保することができる。
ヘ)ダム湖に流入する河川、或いはその支流に埋設パイプを配置することにより、集中豪雨や台風時の短時間の雨水の流入によるダム湖水位の急激な上昇を抑え、豪雨時のダムの放流管理と云う面倒な作業を最小限に抑えることができ、また、埋設パイプを通して河川などの流路に戻すことにより、少雨期などの渇水時にも一定以上の水準のダム貯水量を確保することができる。
河川などの流路の両側の陸地部の地中に、下側部に多数の孔を設けた埋設パイプの開口した一方端を河川の渇水時の水位面より下方の水際線近傍に設置するとともに、開口または閉じた他方端を後傾させた状態で適宜間隔埋設するとともに、該埋設パイプの下方に樋状体を敷設して埋設パイプ周辺の地中を水で飽和した状態にすることにより、河川の両側の陸地部の地中の水の浸透流を利用して河川の増水時や渇水時の流量を平準化することが可能となった。
以下、本発明の実施の態様を図1〜7により説明する。図1は、本発明の河川などの流路に埋設パイプを配置した埋設パイプ配置横断模式図で、図2は、本発明の河川などの流路に埋設パイプを配置した埋設パイプ配置平面模式図で、図3は、図1の部分拡大配置横断模式図で、図4は、埋設パイプと樋状体との配置図で、図5は、本発明の通常時の水の流れを示す模式図で、図6は、本発明の渇水時の水の流れを示す模式図で、図7は、本発明の増水時の水の流れを示す模式図である。
図1の符号1は河川などの流路であり、符号2は、河川などの流路1の渇水時の水際線である。符号3は堤防や河岸などの陸地部である。符号4は渇水時の河川の水位面6より下方の陸地部の地中に埋設された埋設パイプで、埋設パイプ4の流路側の一方端は開口し、他方端は開口または閉じられている。埋設パイプの流路側の一方端に石礫などの被りを設けて埋設パイプ内への異物の侵入を防ぐようにしても良い。他方端を開口とするか閉じさせるかは、流路の水位変動や調節流量などにより適宜選択する。埋設パイプ4の下側部には、多数の孔7、7、・が全長に亘って設けられている。この開口した埋設パイプ4の一方端を渇水時の河川などの流路1の水位面6より下方の水際線2の近傍に設置し、開口または閉じられた他方端を該開口位置から後傾した状態で陸地部3の地中に埋設敷設する。埋設された埋設パイプ4の下には、埋設パイプ4を抱持する立上り縁を有する樋状体5が埋設パイプに沿って略平行に設置されている。
図2及び3に示すように、本発明で河川などの流路1の両岸の陸地部3に埋設される埋設パイプ4は、直径が1mで、長さ100〜200mで、30m〜50m程度の間隔で陸地部3の地中に10本程度埋設し、埋設パイプ4の下側部には、4〜5cmの径の孔7が2〜3mの間隔で埋設パイプ4の下側の全長に設けている。埋設パイプ4の孔7、7、・をパイプの上側部或いは全周に配置した場合には、埋設パイプ4の上方の陸地部3の地中の水が埋設パイプ4に浸透流入する際に地中の土粒子が水とともに埋設パイプ4内に入ってしまい埋設パイプ4の孔の目詰まりを生じる。本発明では、埋設する埋設パイプ4の下側部に孔7、7、・を配置することで、埋設パイプ4の上方の土粒子の埋設パイプ4内への侵入を抑え、埋設パイプ4内と孔7、7、・の目詰まりを防止することができる。
埋設された埋設パイプ4の下に埋設パイプ4を抱持する立上り縁を有する樋状体5を長さ方向に敷設することにより、埋設パイプ周辺の樋状体5より上方の地中を飽和状態にすることができる。したがって、渇水時には樋状体5で陸地部3中の水を受け、この樋状体5の上に貯った水は埋設パイプ4の下側部に設けた孔7、7、・を通って埋設パイプ4内に入り河川などの流路1の方に流れる。また、増水時には河川などの流路1から埋設パイプ4内に流れ込む水が埋設パイプ4の下側部に設けた孔7、7、・を経て樋状体5に流れ、樋状体5の両側縁の立上り縁から溢れて埋設パイプ4周辺の陸地部3中に保水される。
埋設パイプ4は、開口した埋設パイプ4の一方端を渇水時の河川などの流路1の水位面6より下方の水際線2近傍に設置すると共に、埋設パイプ4の他方端を後傾した状態で陸地部3中に埋設され、この埋設パイプ4と埋設パイプ4の下側部に設けた多数の孔7、7、・を通って河川などの流路1からの水が河川流路1両側の陸地部3に供給され、そこに保水されたり、それと逆に陸地部3中の水が、河川などの流路1に流れ出たりする。
また、埋設パイプ4は渇水時の地下水位面11以下に埋設されているので、したがって、埋設パイプ4周辺の陸地部3の地中は、常に水が土粒子間を十分に満たしている状態、いわゆる飽和湿潤状態である。さらに、埋設パイプ4の下に、受け皿として立上り縁を有する樋状体5を埋設パイプ4に沿って設置することにより、陸地部3の地中では水が飽和状態で樋状体5の上に溜まる。これにより、樋状体5の両側縁の立上り縁から溢れる流れが生じ、埋設パイプ4の周辺の土壌をより飽和の状態とすることができる。このように、埋設パイプ4の周辺の土壌を飽和状態にすることにより、浸透流速を大きくすることができ、河川などの流路と埋設パイプ周辺の土壌との間の水のやり取りを大規模に行なうことができる。
次に、本発明の河川流量平準化方法を図5、6、7により河川流域の通常時、渇水時および増水時のそれぞれについて、河川などの流路の水位と陸地部中の水位の状態に応じた水の流れが生じる。すなわち、河川流路の水位が通常時に比べて高いとき(増水時)や低いとき(渇水時)、あるいは上昇中や下降中において、流路の水位と陸地部中の水位との関係が通常時と比べて変化する。このため、河川などの流路の水位と陸地部中の水位の状態に応じた流れの状態を説明する。ここで、通常時とは、降雨終了から1週間から2週間以上位経った後の状態を云い、また、渇水時とは、長期間にわたって降雨量が少量であるか、または皆無に近い状態が継続し、このような状態が1、2ヶ月以上継続している河川の状態を云い、そして、増水時とは、河川流域に短期の集中豪雨や長期にわたる降雨などがあり、降雨時と降雨終了から1、2日から10日間位までの河川の状態を云う。
(通常時)
図5の符号8は、河川流域に降雨があり、降雨終了から1ないし2週間程度以上位経った後の通常時の河川の水位面を示しており、また、符号10は、陸地部3中の通常時の地下水位面を示している。図3と同様、埋設パイプ4の流路側の一方端は開口し、他方端は開口かまたは閉じられ、埋設パイプ4の下側部に多数の孔7、7、・が全長に亘って設けられている。開口した埋設パイプ4の一方端は渇水時の河川などの流路1の水位面6より下方の水際線2近傍に設置され、開放または閉じられた他方端は該開口位置から後傾した状態で陸地部3中に埋設敷設され、埋設された埋設パイプ4の下には、埋設パイプ4を抱持する立上り縁を有する樋状体5が埋設パイプ4に沿って平行に設置されている。
陸地部3の地中の通常時の地下水位面10は、河川などの流路1の水際から離れるにしたがって低くなっている。従って、通常時の河川の水位面8の方が、陸地部3中の通常時の地下水位面10より高いので、河川などの流路1の水は、河川流路側の開口した埋設パイプ4の一方端から埋設パイプ4内に入って埋設パイプ4内を満管状態にし、埋設パイプ4周辺の地中を飽和状態にし、地中に水を浸透させる。したがって、埋設パイプ4内の水の流れの流量は、河川流路1に近いほど大きく、これから遠ざかるほど小さい。そして、埋設パイプ4の径が一定なので、埋設パイプ4内の水流の流速は、河川などの流路1に近いほど速く、これから遠ざかるほど遅くなる。この状態では、埋設パイプ4内には図5の矢印で示すように河川などの流路1から遠方に向かう流れが生じている。図5の状態では、埋設パイプ4内の水のエネルギーは周囲の陸地部3中の水のエネルギー(陸地部3中の地下水位面10に略等しい)より高く、このため、埋設パイプ4の下側部に形成した孔7、7、・を通して埋設パイプ4の周囲の地中に浸出して、樋状体5の上に一旦貯め、その水位のエネルギーの差で周辺の陸地部3中の土壌に浸透して膨潤状態とし保水する。
(渇水時)
図6に示すように、少雨期等の渇水時またはまとまって降った降雨が終わって数日間(一般には一週間程度)の河川流路の水位面6の低下時には、河川流路の水位面6は水位変動の小さい陸地部3中の地下水位面11より低下しており、陸地部3中の水は、図6の矢印で示すように埋設パイプ4の下側部に形成した孔7、7、・を通して埋設パイプ4を経由して河川などの流路1に向かって流れる。この状態では、埋設パイプ4内の水のエネルギーは周囲の陸地部3中の水のエネルギーより低く、このため陸地部3中の水は、埋設パイプ4の下側部に設けた孔7、7、・を通って埋設パイプ4に流れ込み、流れ込んだ埋設パイプ4内の水は、河川などの流路1に向かって流れる。このときも埋設パイプ4の上部周辺の地中は飽和状態あるいはそれに近い状態となっており、一定の浸透流量が確保される。
この状態では、図6に示すように、陸地部3中の地下水位面11は河川などの流路1に近いほど低い。埋設パイプ4内の水の流量は河川流路1に近いほど大きく、河川などの流路1から遠いほど小さい。これは埋設パイプ4の下側部に設けた孔7、7、・から流入してくる水を順次集めるからであり、このため、埋設パイプ4の径が同じであると、埋設パイプ4内の水の流速は河川流路1に近いほど速い。この状態では、樋状体5から溢れて周囲の地中に浸透していく水は無いか、あっても極めて少ない。渇水期で河川流域の水位が下がると、陸地部3中の地下水位面11の方が河川流域の水位よりも高いので、陸地部3の地中に存在している水が埋設パイプ4を通って河川流域の方に流れ出す。このように、渇水時には、地中の水は、陸地部3中の埋設パイプ4を通して河川流路1に流れ込み、渇水時に減少している河川などの流路1に供給されるので、この埋設パイプ4を埋設した河川などの流路1の下流における水不足を補うことができる。
(増水時)
図7に示すように、河川などの流路の上流や河川などの流路の周辺に短期または長期の集中豪雨や長期にわたる降雨などがあり、降雨時と降雨終了から1、2日から10日間位までの増水時では、陸地部3中の地下水位面12は、河川などの流路1に近いほど高く、陸地部3中の地下水位面12の勾配は、図5に示した通常時における陸地部3中の地下水位面10の勾配に比べて急である。また、増水時の河川の水位面9は陸地部3中の地下水位面12より高いので、河川などの流路1からの水は、河川などの流路1から埋設パイプ4の内を通り埋設パイプ4の下側部に設けた孔7、7、・を通って陸地部3中に浸透していき、このとき、埋設パイプ4内を河川などの流路1から陸地部3中に浸透していく水の量は通常時より多く、したがって、河川などの流路1が上流や河川流路の周辺に短期の集中豪雨や長期にわたる降雨で増水時の河川の水位面9が上がって堤防の崩壊や堤防を越えて陸地部3に溢れる恐れがあるような場合でも、河川などの流路1の増水した水を埋設パイプ4を経て陸地部3中に浸透させることにより、大量の水を溜めることができる。また、埋設パイプ4自体がある程度の量の水を溜めることができる。
本発明の河川などの流路に埋設パイプを配置した埋設パイプ配置横断模式図である。 本発明の河川などの流路に埋設パイプを配置した埋設パイプ配置平面模式図である。 図1の部分拡大配置横断模式図である。 埋設パイプと樋状体との配置図である。 本発明の通常時の水の流れを示す模式図である。 本発明の渇水時の水の流れを示す模式図である。 本発明の増水時の水の流れを示す模式図である。 従来の保水パイプの一部切欠側面図である。
符号の説明
1 河川などの流路
2 渇水時の水際線
3 陸地部
4 埋設管
5 樋状体
6 渇水時の河川の水位面
7 孔
8 通常時の河川の水位面
9 増水時の河川の水位面
10 通常時の地下水位面
11 渇水時の地下水位面
12 増水時の地下水位面
30 保水パイプ
31 透水性パイプ本体
32 細幅偏平糸条物
33 小孔
34 長尺の補強条体
35 吸水性材料

Claims (1)

  1. 河川などの流路の両側の陸地部の地中に、下側部に多数の孔を設けた埋設パイプの開口した一方端を渇水時の河川の水位面より下方の水際線近傍に設置するとともに、開口または閉じた他方端を後傾させた状態で適宜間隔に所要本数の埋設パイプを埋設するとともに、各埋設パイプの下方に樋状体を敷設したことを特徴とする河川流量平準化方法。
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