JP2008114169A - Vocガスの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排水に伴って流出する栄養剤の量を最少限に抑えることにより、必要最少限の量の栄養剤を補給しながら安定かつ経済的な運転を行うようにしたVOCガスの処理方法を提供すること。
【解決手段】VOCを含む排気ガスaを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽1に導いて生物分解するVOCガスの処理方法において、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて処理槽1の底部の水槽13に落下させ、水槽13内の貯留水cをろ過装置4に導いて固液分離し、分離した固形物dを槽外に排出し、ろ過水eの全量又はその一部を生物処理槽1に返送する。
【選択図】図1
【解決手段】VOCを含む排気ガスaを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽1に導いて生物分解するVOCガスの処理方法において、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて処理槽1の底部の水槽13に落下させ、水槽13内の貯留水cをろ過装置4に導いて固液分離し、分離した固形物dを槽外に排出し、ろ過水eの全量又はその一部を生物処理槽1に返送する。
【選択図】図1
Description
本発明は、VOC(揮発性有機化合物)を含む排気ガスを生物処理する場合に、排水に伴って流出する栄養剤の量を最少限に抑えることにより、必要最少限の量の栄養剤を補給しながら安定かつ経済的な運転を行うようにしたVOCガスの処理方法に関するものである。
従来より、塗装工場、印刷工場、化学工場等では、塗料や接着剤、原料の化学物質に起因して、様々なVOCガスが発生するため、VOCによる悪臭公害や光化学オキシダント生成の防止対策の観点から、これらのガスを排気ガスとして捕集した後、通常、燃焼炉に導いて酸化分解処理が行われている。
しかし、従来の燃焼法では、引火性のあるVOCを扱う工場において火気を使用しなければならず、また助燃用に重油などの燃料を必要とすることから、近年、安全で最もエネルギー効率の良い生物処理の研究が進められている。
生物処理として最も効率的な充填方式では、通常、分解微生物をセラミックやプラスチック等の担体表面に付着させ、これらの担体を所定の高さまで充填し、この充填層に微生物に必要な水分を補給しながら、VOCガスを導くことで生物分解を行う。
生物処理として最も効率的な充填方式では、通常、分解微生物をセラミックやプラスチック等の担体表面に付着させ、これらの担体を所定の高さまで充填し、この充填層に微生物に必要な水分を補給しながら、VOCガスを導くことで生物分解を行う。
一方、微生物量を保持するためには、死滅する微生物以上に増殖させる必要があるが、微生物は炭素源としてのVOC以外に窒素、リン等の微量の栄養源を必要とするため、栄養剤を溶解させた水を散水することで、微生物に供給している。
また、必要以上に微生物が増殖すると、充填した担体の隙間が減少して圧力損失が上昇し、VOCガスが流れにくくなるため、担体から微生物の一部を剥離させる必要がある。
通常、剥離した微生物や担体と担体の間に捕捉された固形物は、散水や担体充填層の洗浄運転を行うことによって底部の水槽へと落下させ、担体の目詰りを防止している。
また、必要以上に微生物が増殖すると、充填した担体の隙間が減少して圧力損失が上昇し、VOCガスが流れにくくなるため、担体から微生物の一部を剥離させる必要がある。
通常、剥離した微生物や担体と担体の間に捕捉された固形物は、散水や担体充填層の洗浄運転を行うことによって底部の水槽へと落下させ、担体の目詰りを防止している。
ところで、微生物の増殖に伴って栄養剤が消費されることから、底部の水槽に栄養剤を補給する必要があるが、水槽内には余剰汚泥状の微生物や固形物が蓄積しているため、これらを排出する目的で、通常は栄養剤に加えて新たな水を補給することにより、オーバーフローさせている。
オーバーフローした排水には、本来排出すべき固形物に加えて栄養剤が含まれるため、栄養剤を無駄に消費することになる。
特に、VOC濃度が高い時には、VOC濃度に比例して栄養剤濃度を高くする必要があることから、上記排水に伴って排出される栄養剤も多くなって、ランニングコストが上昇するという問題点があった。
オーバーフローした排水には、本来排出すべき固形物に加えて栄養剤が含まれるため、栄養剤を無駄に消費することになる。
特に、VOC濃度が高い時には、VOC濃度に比例して栄養剤濃度を高くする必要があることから、上記排水に伴って排出される栄養剤も多くなって、ランニングコストが上昇するという問題点があった。
本発明は、上記従来のVOCガスの処理方法が有する問題点に鑑み、排水に伴って流出する栄養剤の量を最少限に抑えることにより、必要最少限の量の栄養剤を補給しながら安定かつ経済的な運転を行うようにしたVOCガスの処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のVOCガスの処理方法は、VOCを含む排気ガスを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽に導いて、生物分解するVOCガスの処理方法において、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて処理槽底部の水槽に落下させ、該水槽内の貯留水をろ過装置に導いて固液分離し、分離した固形物を槽外に排出し、ろ過水の全量又は一部を生物処理槽に返送することを特徴とする。
この場合において、ろ過装置として、微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いることができる。
本発明のVOCガスの処理方法によれば、VOCを含む排気ガスを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽に導いて、生物分解するVOCガスの処理方法において、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて処理槽底部の水槽に落下させ、該水槽内の貯留水をろ過装置に導いて固液分離し、分離した固形物を槽外に排出し、ろ過水の全量又は一部を生物処理槽に返送することから、栄養剤を無駄に排出することなく、栄養剤の消費によるランニングコストを低減するという効果を有する。
また、ろ過装置として、微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いることにより、微生物を含む固形物と栄養剤を含むろ過水とを好適に固液分離することができる。
以下、本発明のVOCガスの処理方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
本発明のVOCガスの処理方法は、VOCを含む排気ガスaを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽1に導いて生物分解するに際し、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて生物処理槽1の底部の水槽13に落下させ、該水槽13内の貯留水cをろ過装置4に導いて固液分離し、分離した固形物dを槽外に排出し、ろ過水eの全量又はその一部を生物処理槽1に返送する。
具体的には、生物処理槽1の底部の水槽13に落下した余剰汚泥や固形物を含む貯留水cを、攪拌しながら水面付近からオーバーフローさせるか、又は水槽13の適切な位置からポンプで連続あるいは間欠的に引抜いてろ過装置4に導き、ろ過装置4に組込んだ微細孔を有するスクリーン又はろ過膜により固液分離を行い、分離した固形物dを槽外に排出し、栄養剤を含むろ過水eの全量又はその一部を生物処理槽1に返送する。
図1に、本発明のVOCガスの処理方法の一実施例を示す。
塗装工場等のVOC発生源から排気ファン2によって捕集され、排出された排気ガスaは、生物処理槽1へと導かれる。
塗装工場等のVOC発生源から排気ファン2によって捕集され、排出された排気ガスaは、生物処理槽1へと導かれる。
生物処理槽1には、中央部に微生物を付着させた担体を充填した充填層11と、上部にはスプレーノズルを配置した散水管12とが設けられており、底部の水槽13から散水ポンプ3により、水槽13内部の貯留水を散水管12まで送水する配管が配置されている。
微生物付着担体は、セラミックやプラスチック、合成繊維等を様々な形状に加工したもの、あるいは発泡させたものなど、種々のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、微生物の付着量が多く、損耗しにくい材料の担体を用いることが望ましい。
また、充填層11の高さは、担体の重量や通気性、生物付着量等を考慮して所望の高さに設定されるが、一段に限らず、二段、三段に積重ねることも可能である。
微生物付着担体は、セラミックやプラスチック、合成繊維等を様々な形状に加工したもの、あるいは発泡させたものなど、種々のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、微生物の付着量が多く、損耗しにくい材料の担体を用いることが望ましい。
また、充填層11の高さは、担体の重量や通気性、生物付着量等を考慮して所望の高さに設定されるが、一段に限らず、二段、三段に積重ねることも可能である。
一方、生物処理槽1の近傍には、ろ過装置4及びろ過水槽5が設けられている。
ろ過装置4は、微細孔を有するスクリーンやろ過膜を組込んだもので、貯留水cを固形物dとろ過水eとに分離し、固形物dは系外に排出する。
ろ過水eは、下部のろ過水槽5に一時貯留した後、返送ポンプ6により、連続あるいは間欠的に生物処理槽1の底部の水槽13へと返送する。
ろ過装置4は、微細孔を有するスクリーンやろ過膜を組込んだもので、貯留水cを固形物dとろ過水eとに分離し、固形物dは系外に排出する。
ろ過水eは、下部のろ過水槽5に一時貯留した後、返送ポンプ6により、連続あるいは間欠的に生物処理槽1の底部の水槽13へと返送する。
次に、図1を参照して、本実施例の作用について説明する。
排気ファン2により生物処理槽1の充填層11の下部に送気された排気ガスa中のVOCは、充填層11の担体の間隙を流れる間に、担体表面の水分中に徐々に溶解し、続いて担体に付着した微生物により、通常、炭酸ガスと水に分解される。
そのため、充填層11内を上部へと流れるにつれてVOC濃度は低下し、微生物量や接触時間に対応した濃度まで除去されて、処理ガスbとして槽外に排出される。このとき、炭素源としてのVOC以外に、窒素やリン等の微量の栄養源を取込みながら分解微生物が増殖する。
排気ファン2により生物処理槽1の充填層11の下部に送気された排気ガスa中のVOCは、充填層11の担体の間隙を流れる間に、担体表面の水分中に徐々に溶解し、続いて担体に付着した微生物により、通常、炭酸ガスと水に分解される。
そのため、充填層11内を上部へと流れるにつれてVOC濃度は低下し、微生物量や接触時間に対応した濃度まで除去されて、処理ガスbとして槽外に排出される。このとき、炭素源としてのVOC以外に、窒素やリン等の微量の栄養源を取込みながら分解微生物が増殖する。
また、VOCが微生物に取込まれる前に、VOCを水分中に溶解させる必要があることから、担体が常時水に濡れた状態を保つ必要がある。
そこで、1〜3時間程度の間隔で散水ポンプ3を稼動し、栄養剤を含む貯留水cを散水管12から散水する。
貯留水cに含まれる栄養剤は、微生物によるVOCの分解及び微生物の増殖に伴って消費されるため、別の配管から栄養剤及び補給水fを底部の水槽13へと供給する必要がある。
そこで、1〜3時間程度の間隔で散水ポンプ3を稼動し、栄養剤を含む貯留水cを散水管12から散水する。
貯留水cに含まれる栄養剤は、微生物によるVOCの分解及び微生物の増殖に伴って消費されるため、別の配管から栄養剤及び補給水fを底部の水槽13へと供給する必要がある。
一方、分解微生物が担体に十分蔓延した状態からは、増殖した微生物によって担体の間隙が塞がり、圧力損失が上昇して排気ガスが流れにくくなるため、定期的に担体表面の微生物の余剰分を除去することで担体間隙の目詰りを防止する。
そのための方法は、図では省略しているが、担体の充填層11内に機械的な攪拌装置を設けたり、充填層11内にノズルを設けて圧力水を噴射したり、あるいは充填層に底板を設けて水を所定の水位まで満たして溜洗いするなどの構造とする必要がある。
これにより、担体から剥離した微生物や、担体間隙に捕捉された固形物を、底部の水槽13へと落下させる。
そのため、底部の水槽内の固形物濃度は徐々に高くなり、これを放置しておくと、水槽内で有機物が腐敗したり、散水ポンプや散水管、ノズル等が詰まるおそれがあることから、固形物の除去運転を行う。
そのための方法は、図では省略しているが、担体の充填層11内に機械的な攪拌装置を設けたり、充填層11内にノズルを設けて圧力水を噴射したり、あるいは充填層に底板を設けて水を所定の水位まで満たして溜洗いするなどの構造とする必要がある。
これにより、担体から剥離した微生物や、担体間隙に捕捉された固形物を、底部の水槽13へと落下させる。
そのため、底部の水槽内の固形物濃度は徐々に高くなり、これを放置しておくと、水槽内で有機物が腐敗したり、散水ポンプや散水管、ノズル等が詰まるおそれがあることから、固形物の除去運転を行う。
図では省略しているが、底部の水槽13内に攪拌機又はエア攪拌用の散気管を設け、余剰汚泥や固形物を含む貯留水を攪拌しながら水面付近からオーバーフローさせるか、又は水槽13の適切な位置からポンプで連続あるいは間欠的に引抜いてろ過装置4へと導く。
そして、ろ過装置4に組込んだ微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いて、水位差や圧力差により、固液分離を行う。
分離した汚泥等の固形物dは槽外に排出し、栄養剤を含むろ過水eは全量又はその一部を生物処理槽1の底部の水槽13へと返送する。
そして、ろ過装置4に組込んだ微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いて、水位差や圧力差により、固液分離を行う。
分離した汚泥等の固形物dは槽外に排出し、栄養剤を含むろ過水eは全量又はその一部を生物処理槽1の底部の水槽13へと返送する。
以上により、本実施例のVOCガスの処理方法は、生物処理槽1の底部の水槽13に落下した余剰汚泥や固形物を含む貯留水cをろ過装置4に導き、該ろ過装置4により固液分離を行って、分離した固形物dを槽外に排出し、栄養剤を含むろ過水eを生物処理槽1に返送するため、栄養剤を無駄に排出することなく、栄養剤の消費によるランニングコストを低減するという効果を有する。
また、余剰汚泥などの固形物を排出することで、運転中に水槽13内の有機物が腐敗して悪臭を発生する等のトラブルを防止することができ、適切な水分と栄養剤を供給しながら、所望の微生物量を保持して運転できるため、安定した処理性能を維持できるという効果を有する。
また、余剰汚泥などの固形物を排出することで、運転中に水槽13内の有機物が腐敗して悪臭を発生する等のトラブルを防止することができ、適切な水分と栄養剤を供給しながら、所望の微生物量を保持して運転できるため、安定した処理性能を維持できるという効果を有する。
また、ろ過装置4として、微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いることにより、微生物を含む固形物と栄養剤を含むろ過水とを好適に固液分離することができる。
以上、本発明のVOCガスの処理方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明のVOCガスの処理方法は、VOCを含む排気ガスを微生物で処理するに際し、排水に伴って流出する栄養剤の量を最少限に抑えることにより、必要最少限の量の栄養剤を補給しながら安定かつ経済的な運転を行えるという特性を有していることから、微生物によるVOCガスの処理方法の用途に広く好適に用いることができる。
1 生物処理槽
11 充填層
12 散水管
13 底部の水槽
2 排気ファン
3 散水ポンプ
4 ろ過装置
5 ろ過水槽
6 返送ポンプ
a 排気ガス
b 処理ガス
c 貯留水
d 固形物
e ろ過水
f 栄養剤及び補給水
11 充填層
12 散水管
13 底部の水槽
2 排気ファン
3 散水ポンプ
4 ろ過装置
5 ろ過水槽
6 返送ポンプ
a 排気ガス
b 処理ガス
c 貯留水
d 固形物
e ろ過水
f 栄養剤及び補給水
Claims (2)
- VOCを含む排気ガスを捕集し、微生物を付着させた担体を充填した生物処理槽に導いて、生物分解するVOCガスの処理方法において、栄養剤を含む水を微生物に定期的に散水するとともに、過剰に増殖した微生物を担体から剥離させて処理槽底部の水槽に落下させ、該水槽内の貯留水をろ過装置に導いて固液分離し、分離した固形物を槽外に排出し、ろ過水の全量又は一部を生物処理槽に返送することを特徴とするVOCガスの処理方法。
- ろ過装置として、微細孔を有するスクリーン又はろ過膜を用いることを特徴とする請求項1記載のVOCガスの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300354A JP2008114169A (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | Vocガスの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2008114169A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110548389A (zh) * | 2019-03-19 | 2019-12-10 | 邹源 | 撬装式VOCs恶臭气体处理装置 |
-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006300354A patent/JP2008114169A/ja active Pending
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