JP4512576B2 - 好気性微生物による排水処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、地域社会、工業界、農場及び廃棄物処理場からの排水を好気性微生物により処理する方法に関する。この方法によって、排水網に排出する前、排水路に流出する前、或いは繰り返し使用する前に、排水の化学的酸素要求量(COD)及び生物化学的酸素要求量(BOD)とアンモニア窒素濃度の両方を低減することができる。
圧倒的多数の有機化合物は、酸素を取り込むことにより、自然界に存在する好気性微生物によって完全に二酸化炭素と水及び細胞構成物質に変換される。このプロセスは、自然に近い形で進行するとともに、比較的少ない負担で実行することができるので、最近の二十年で、好気性微生物による排水処理に関して強化された技術が開発されている。高濃度のバイオマスを培養するために、特別小さい粒状の基質を用いて動作させる最新の生物学的好気性方法が、最も高い体積当りの分解性能を達成している。15°Cで10mg/lしかない、酸素の水に対する小さい溶解度と大きく異なり、工業及びその他の分野からの排水は、非常に多くの酸素を必要としており、その必要量は、業種及び汚れの程度に従って、多くの場合1リットル当り千から万ミリグラムの範囲となる。
好気性排水処理技術のほとんどすべてにおいて、水中に自由に浮遊するか、或いは培養用基質上に固定されている微生物は、閉じた水溜内に保持されている。そのためには、水柱の圧力に対抗して、必要な酸素の持続的な補充を行わなければならず、それには大きな負担が求められる。更に、水の酸素含有量は、温度の上昇と共に更に一層低下することが不利に作用する。工業分野において多くの場合発生するような30〜40°Cの温度では、この範囲において最適な生物活性と酸素供給量との間に特に大きな乖離が生じる。前記の関係は、特に、有機的な負荷が大きく、生物学的に良好に分解可能な水を処理する場合に、反応槽の構造における負担を増大させるとともに、連続的な通気に関するコストを上昇させることとなる。多くの技術では、不十分な通気又は微生物の酸素欠乏によって、分解能力が制限される。
同じ条件では、空気の酸素含有量は、水の酸素含有量よりも約30倍大きい。更に、気相での酸素の運搬は、液相におけるよりも著しく速く行われるので、培養用基質に固定された微生物を閉じた水溜内に保持するのではなく、好気性の生物学的プロセスに必要な酸素を周囲の空気の形で液体フィルムだけで囲まれたバイオマスに直接供給するのが有利である。この原理は、既に長い間周知の散水濾床でも、新しい散水フロー反応槽でも実現されている。両方の技術において、基質は、閉じた水溜内に有るのではなく、その上に処理する排水が流されている。
散水濾床法では、処理する排水は、充填物から成る積層の上に供給され、その積層には、この場合自然に発生する吸引作用によって、外気を取り入れている。散水濾床は、基質を再生処理することなく、比較的低い分解能力で動作している。個々の部材間及び充填物内の孔隙空間は、微生物層自身の一部が剥離するとともに、低いバイオマス濃度が維持される程度の大きさである。長年の経験により、今日国際標準では、個々の大きさが40〜80mmである不揃いな充填物か、或いは空洞の体積が95%までの規則的に形成されたプラスチック充填部材が採用されている(特許文献1)。散水濾床法の利点は、追加負担を必要としない自然による通気である。しかし、決定的な欠点は、最新の生物反応槽と比べて低いバイオマス濃度とその結果としての低い分解能力又は大きな設備容積により生じるものである。別の欠点は、基質の所定の再生処理が行われずに、バイオマス自身が絶えず剥離して、そのため持続的に純水を供給していることである。
特許文献2には、散水濾床設備における排水の嫌気性又は好気性の生物学的な浄化方法が記載されている。再生処理のために、反応槽空間は、完全又は部分的に水で満たされる。タンクの底からは、塞がれた領域に追加のガスを加えることができる。水位の上昇により強制的に引き起こされる充填物の動きは、バイオマスを剥離させることとなる。塞がれた基質領域への空気の追加的な吸入は、塞がれた基質を掻き混ぜることとなる。この場合、反応タンクを濯ぎ水で部分的に満たすように設計しなければならないことが欠点である。費用を追加して、濯ぎ水を供給するためのタンクの追加と装置の追加、反応タンクへの供給及び反応槽タンクからの回収が必要となる。供給するガスには、反応タンク内の水柱の圧力よりも大きな圧力を加えなければならない。
特許文献3では、供給量を調節するために、流動床式反応槽の水溜から循環させることが記載されている。
散水フロー技術では、基質の積層は、同じく塞がれており、処理する排水が流れ落ちて行く。散水濾床とは異なり、特許文献4では、追加的な押込み換気と粒径が10mmより小さい培養用基質により動作している。この方法の散水濾床に対する利点は、基質の表面がより大きくて、人工的な通気が追加されているので、より高い体積当りの分解能力と共により高い微生物濃度を設定することができることである。
排水に溶けている化合物を二酸化炭素と水に生物学的に分解することは、微生物の成長に直接依存するので、生物活性に比例して、過剰なバイオマスが持続的に形成される。そのため、この方法の決定的な難しさは、そのように小さい粒径の積層では、個々の部材間の空間が小さく、成長したバイオマスと排水に含まれる細かい固形物粒子で短時間に満たされてしまう状況である。それによって、排水の上から下への自由な通過と有害物質の除去に必要な逆流による空気が妨害されて、生物学的な分解能力が著しく低下する。
特許文献4により、少なくとも500m3 /m2 ×時の人工的に生成した空気の流れを培養用基質に持続的に通すことによって、この方法の安定した動作が保証されている。この空気の流れによって、一方では、発生したバイオマスにより孔隙空間が閉ざされるのが遅れるか、或いは完全に防止され、他方では、基質内の原水が、エアロゾルの形で均一に分散されることとなる。
実際の動作では、前述した方法により決定的な欠点が生じている。過剰なバイオマスが、絶えず剥がれ落とされて、散水濾床法と同様に、持続的に排出口に到達している。この状況は、純水における有機物の量を増大させることとなり、この場合に必要な純水の低い化学的酸素要求量のために、水域に直接排出する前、或いは複数回使用する前に、この方法を採用することを妨げている。
多くの場合、生物学的なプロセスの排気は、後続の設備で処理しなければならない。そのような設備の負担は、排気量に直接依存する。更に、バイオマスで覆われる個々の基質の間の空隙が小さいために、前記の空気の流れを保証するためのエネルギーコストが大きくなる。化学量論的な割合に関して、生物活性が非常に高い条件下においても、500m3 /m2 ×時を超える前記の値の約50倍の空気量でしか漸く十分なものとはならない。そのため、そのように大きな空気の流れで持続的に動作させるのは非常に不利である。
実際には、排水の有機物の量に従ってバイオマスが成長することにより起こる孔隙空間の閉塞は、そのような空気の流れによって疎らになって遅れるが、長期間防止することができないことが分かっている。多くの用途において、前述した条件下では、固定濾床技術で周知の短絡した流れが起こる。その場合、空気と水にとって有利な経路が出来る一方、基質床の残りの部分は、不十分にしか供給されず、この方法の体積当りの分解能力を大きく低下することとなる。
更に、少なくとも500m3 /m2 ×時の前記の空気の流れでは、基質内の原水が、エアロゾルの形で均一に分散すべきである。しかし、様々に生じる排水の濃度と組成が、非常に広い範囲で変化し、そのため大きく異なる供給速度で動作させなければならないので、この方法の工程では、様々な条件下において、原水の最適な分散を保証することは非常に難しい。
別の欠点は、特に、工業及び廃棄物処理産業からの多くの排水が、周囲環境にエアロゾルの形で流出させることが許されない健康に危険な成分を含有している状況である。そのため、この方法を多くの用途で実施するためには、ガス排出用開口部の後に液滴分離機を追加する必要がある。
水に浸されていない、小さい粒の培養用基質から成る積層により動作する最新の生物反応槽は、従来技術とは異なり、微生物への必要な酸素の持続的な供給を簡単な手法でかつ安価に実現することができる。しかし、バイオフィルムの厚さが大きくなるにつれて、基質床内の自由空間がバイオマスと濾過された細かい固形物で塞がれて、バイオフィルムの下方の細胞層への栄養素と酸素の供給が益々悪くなって行く。それに続いて、下流に向けて流れ落ちて行く排水と上流に向けて流れる空気の自由な通過が大幅に妨害されることとなる。
ドイツ特許公開第3205299号明細書 ドイツ特許公開第3123155号明細書 ドイツ特許第19511159号明細書 欧州特許第0667319号明細書
この発明は、反応槽空間全体内における自由な成分移行を妨害し、体積当りの分解能力を低下させるとともに、方法を不安定にさせる短絡した流れと水の滞留が生じる問題を対象とする。
この発明の課題は、粒状の基質で塞がれていない生物反応槽に関して、体積当りの分解能力が高く、運転コストが低く、操作負担が小さい持続的な動作を保証する方法を開発することである。そのためには、基質に固定された微生物、排水及び空気中の酸素の間の妨げられない接触を安定的に保持する必要がある。過剰なバイオマスによる基質の積層の閉塞と純水の有機物量の増加を確実に排除すべきである。
この課題は、この発明にもとづき、請求項1によって解決される。改善形態の特徴は、従属請求項2〜10に記載されている。処理する排水は、反応槽空間の上部に散布されて、水に浸されていない、厚さが0.1g/cm3 未満で粒径が15mm未満の小さい粒の微生物培養用基質から成る積層を上方から下方に向けて流れ落ちて行く。基質は、その重量が軽いために、変化することの無い緩い濾床の形で存在し、そのため微生物、排水及び逆流する空気間において最適に成分を移行するための前提条件を形成している。
排水は、基質を通過した後、ランダウンタンクに収容され、その一部は循環されて、上方から下方に向けて基質の積層の上に新たに供給される。このようにして、上から下に流れ落ちる水の総量は、未処理排水の供給量の数倍となり、生物学的に活性な基質の積層内への散布を実現している。こうすることによって、原水の種類とその時々の条件に依存することなく、反応槽空間全体の最適な活用を行うことが保証される。排水供給量と排水循環量間の比率は、原水の濃度と生物学的な分解可能性及び浄化の目的に依存する。流れ落ちる排水の速度が、時間及び反応槽の横断面の平方メートル当り3〜15立法メートルの範囲となるように設定される。
処理された排水は、持続的な動作において、未処理の排水が追加される速度と同じ速度で、システムから排出される。
基質の積層は、網目プレート上に載っているか、或いは圧力が加わっていない反応槽空間の下方部分における水溜の表面上に浮遊しており、下流に流れ落ちて行く排水に対して逆方向に、500m3 /m2 ×時未満の人工的に生成した空気の流れが通過して行く。この空気の流れは、積層の下又は下方領域に供給されて、ほぼ圧力が加わっていない反応槽空間の上部における相応の開口部を通って自由に流れ出て行く。この場合、ほぼ圧力が加わっていないということは、反応槽空間が、開口部を介して周囲環境と繋がっており、緩んだ状態の積層内を上昇して流れる空気による非常に低い圧力しか加わっていないことを意味する。この場合、排水処理に関して持続的に必要な空気の流れが、水柱の圧力に対抗して行う必要がないことが非常に有利である。そのため、20〜100m3 /m2 ×時の範囲の空気の流れとそれに対応して非常に少ないエネルギー消費量が、バイオマスに化学量論的に必要な酸素量を供給するのに全く十分なものとなっている。必要に応じて、この少ない空気の流れを簡単に収容して、排気処理に供給することができる。エアロゾルを回収するための液滴分離機は不要である。
安定した動作を保証するために、通常過剰なバイオマスは、生物学的な活性を妨げることとなる前に、基質の表面及び隙間から剥がれ落とされて、システムから取り除かれる。そのために、基質の積層は、数時間から数日の間隔で再生処理される。このことは、個々の基質粒子の間に付着しているバイオマスと排水から濾過された細かい固形物の一部が剥がれ落ちるまで、絶え間なく流れ落ちて行く排水の循環する流れに対して逆方向に下方から上方に向けて、50m3 /m2 ×時を超える人工的に生成した強い空気の流れを基質の積層に通すとともに、基質の積層のメートル単位の高さ当り10ミリバールを超える圧力を加えることにより行う。この再生処理に必要な強い空気の流れは、水柱の圧力に対抗して行う必要がなく、基質の比重が非常に小さいので、最適な再生処理のためには、150〜1,000m3 /m2 ×時の範囲の強さと基質の積層のメートル単位の高さ当り20〜200ミリバールの圧力で全く十分である。別の主要な利点は、追加的な濯ぎ水を蓄えておき、投入する必要が無いことと、再生処理により生じる排水の量が比較的少ないこととである。
それに続いて、排水と剥がれ落とされたバイオマスから成る再生処理による排水が基質の積層から流れ出て、ランダウンタンクに収容され、システムから排出されるまで、強い空気の流れと水の循環は中断される。再生処理による排水を排出した後、排水の供給、循環及び逆流による通気によって、この方法が再び作動される。
運転再開後直ぐに、システム稼働時の所望の目標値を早くも達成することが可能である。そのために、ランダウンタンクには、原水ではなく、持続的な排水処理の間に集めていた処理済みの排水が満たされる。更に、方法のこの工程は、ランダウンタンクの充填が、その時々の排水供給速度に依存するのではなく、数分の時間しかかからないという利点を有する。
この再生処理は、排水の種類とその結果としてのバイオマスの成長速度に依存して、数時間から数週間の間隔で行われ、それぞれ一回以上の強い空気の吹込みから構成される。複数の生物反応槽により稼働する設備では、個々の反応槽間において、時間をずらして再生処理を行うのが有効である。再生処理動作は、完全に自動化することができ、その場合時間により切り換えることによって、或いは基質の積層内での微生物の成長と細かい固形物の分離に応じて増大する圧力に従って作動される。この設定は、二つの再生処理間の時間を決定するか、基質の積層下における臨界的な圧力差を検出することによって、新しく構築された設備の運転開始後に現場で行われる。
この発明の利点は、特に、最適に散布された排水、高濃度の微生物及び過剰な酸素間における妨げられることのない接触と短い成分移行経路とによって、非常に高い生物活性が達成されていることと、その結果としての非常に高い体積当りの分解能力が、規則的な再生処理によって、追加負担無しに安定的に維持されることとである。設備の容積が小さく、技術的な構成が簡単であるために、前述した方法を実施するための設備の投資コストは比較的小さい。個々の方法の工程のエネルギー消費量が少ないために、その他の技術と比べて、経常的な運転コストもメンテナンスの負荷も非常に小さい。
pH値と温度を安定化させるための高い負担、非常に長い運転開始フェーズ及び純水内の有機化合物の残留のために、嫌気性の生物学的方法は、好気性のプロセスに対して決定的な欠点を有する。それにもかかわらず、従来技術にもとづき、化学的酸素要求量が3,000mg/lより高い排水は、その高い酸素要求量のために、有利には、嫌気性の方法による通気が無い形で処理されていた。この発明では、この値の数倍の化学的酸素要求量の排水を、生物学的に好気性で処理することが可能である。
以下では、一つの実施例にもとづき、この発明を詳しく説明する。
一つの企業において、特殊な紙に水ベースのやに・うるし系を染み込ませ、塗ることによって、備品と内部構造物を覆うためのフォイル及び積層体を製造している。100以上の相異なる表面構造を生産する場合、化学的酸素要求量が5,000〜11,500mg/lで0.5〜8m3 /時の量の排水が発生する。既存の混合・均等化タンク内で混合された後、化学的酸素要求量が6,500mg/lの範囲で50m3 /日又は2.1m3 /時の量の排水が発生することとなる。この排水は、生物学的な分解にとって有利な30°Cの温度を有し、更に大きさが2mm未満で、溶けている有機物の量を450mg/lにまで濾過可能な成分を含んでいる。化学的酸素要求量は、都市の排水網に排出する前に800ml/l未満の残留量にまで低減することが求められる。
予備実験により、排水を平均的な速度で所望の残留濃度にまで生物学的に低減することが可能であることが示されている。
混合した原水の分析では、COD/BOD5比率が1.65であることが分かっている。このことは、この高濃度の排水を処理するためには、少なくとも3,455mg/lの酸素を供給しなければならないことを意味する。これは、30°Cの場合に水に溶けている7.7mg/lの酸素濃度の449倍に相当する。
排水処理は、図面に図示されている通り、直径3mで高さ8mのポリエチレン製の円筒形反応槽1内で行われる。反応槽1は、底部領域だけが水で満たされており、鋼鉄と比べて、投資コスト、処理及びメンテナンス負担に関して大きな利点を生み出すので、ポリエチレンを使用することができる。バイオマス用の培養用基質2として、密度が0.03g/cm3 で粒径が5〜10mmの範囲で表面が多孔性である球形の発泡ポリスチレンから成る積層を使用している。原水3は、循環して回っている水と一緒に、反応槽1の頭部から供給されて、複数のそらせ板の形の散布機4によって、基質の積層の上に均一に散布される。
反応槽1の底部領域におけるオーバーフロー原理による排水管5は、処理された排水が、未処理の原水3を供給する速度とちょうど同じ速度で反応槽1から排出されることを保証している。このようにして、反応槽1の底部における自由に溢れ出る高さに従って保持された水溜は、原水3を循環させるための循環ポンプ7に対するランダウンタンク6としての役割を果たす。反応槽空間内における原水の供給と複数回の循環により得られる速度は、6m/時(濾床の横断面の平方メートル当り6立法メートルの水)となる。下流に向かって流れ落ちて行く排水と逆流する形で、換気装置8により、濾床の横断面の平方メートル当り30立法メートルの周囲の空気の流れが持続的に加えられる。この空気は、培養用基質2を通過した後、反応槽1の頭部の空気出口9を介して放出されて、工場内の排気処理設備に供給される。
このバイオマスは、培養用基質2の表面上及び隙間内に密なバイオフィルムの形で成長し、安定化用の細胞外構造と合わせて多くの異なるバクテリアとその他の微生物から構成される。バイオフィルムの厚さが増大するにつれて、個々の基質粒子間の自由空間がバイオマスと濾過された細かい固形物で塞がれて、バイオフィルムの下方の細胞層への栄養素と酸素の供給が益々悪化する。下流に向かって流れ落ちて行く排水と上方に向かって流れる空気の自由な通過が妨げられることにより生物反応槽の体積当りの分解能力が低下するのを防止するために、培養用基質2の自動的な再生処理を36時間毎に行う。この場合、排水の供給を停止した後、送風機11により生成した速度が1,200m3 ×時で圧力が200ミリバールの強い空気の流れを、下方から上方に向かって、網目プレート10上に有る基質2に繰り返し12回通過させ、その結果培養用基質2内に有るバイオマス全体の約20%が剥がれ落とされることとなる。追加の濯ぎ水の供給が不要となる。
循環する流れを停止した後、基質の積層から剥がれ落とされたバイオマスを含む排水は、反応槽の底部のランダウンタンク6に流れて行き、沈降する相と浮遊する相及び綺麗な水に分離するために、そこから再生処理用ポンプ12により、沈殿タンクに送られる。再生処理後に限界値を上回るのを防止するために、通常動作を再開する前に、反応槽1の底部領域のランダウンタンク6には、原水ではなく、後続の溝からの浄化された排水を満たす。再生処理後には、バイオフィルムの下方領域におけるその時まで少量であった活性な細胞が、剥がれ落とされた上方の細胞層の機能を引き継ぎ、その結果性能が急激に低下することはない。
この発明を使用することによって、極めて高い酸素需要、バイオマスの大きな成長及び濾過可能な成分の大部分の濾過にもかかわらず、体積当りの分解能力が非常に高く、水溜への大きなエネルギーを消費する通気を行うことなく、安定して動作する方法を提供することができた。
ここに記述した設備を用いて、前記の条件下において、800mg/l未満の化学的酸素要求量の所要の限界値が安定的に保持される。
この発明による実施例の図
符号の説明
1 反応槽
2 培養用基質
3 原水
4 散布機
5 排水管
6 ランダウンタンク
7 循環ポンプ
8 換気装置
9 空気出口
10 網目プレート
11 送風機
12 再生処理用ポンプ

Claims (9)

  1. 処理する排水を、開口部を介して周囲環境と繋がった、ほぼ圧力が加わっていない反応槽空間の上部に散布して、水に浸されていない、密度が0.1g/cm3 未満で粒径が15mm未満の小さい粒の微生物培養用基質から成る積層内を上方から下方に向けて通過させる排水処理工程と、
    基質の通過後に、排水をランダウンタンクに収容して、その一部を上方から下方に向けて基質の積層上から新たに循環させる循環工程と、
    前記の排水処理工程と循環工程において、流れ落ちる排水に対して逆方向に下方から上方に向けて、500m3 /m2 時未満の速度の人工的に生成した空気の流れを基質の積層に通す工程と、
    前記の排水処理工程と循環工程を停止して、個々の基質粒子の間に付着しているバイオマスと排水から濾過された細かい固形物の一部が剥がれ落ちるまで、流れ落ちて来る排水の循環する流れに対して逆方向に下方から上方に向けて、50m3 /m2 時を超える速度と基質の積層のメートル単位の高さ当り10ミリバールを超える圧力で人工的に生成し空気の流れを基質の積層に通し、その次に、基質の積層から剥がれ落とされたバイオマスを含む排水をランダウンタンクに収容した後、そこから除去することを所定の間隔で行う再生処理工程と、
    を有する好気性微生物による排水処理方法。
  2. 当該の排水処理工程と循環工程時の空気の流れの速度が、20〜100m3 /m2 時の範囲に有ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 当該の再生処理工程空気の流れ速度が150〜1000m3 /m2 の範囲有り、圧力が基質の積層のメートル単位の高さ当り20〜200ミリバールの圧力の範囲ることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 当該の排水処理工程と循環工程時に上方から下方に向けて流れ落ちて行く排水の速度が、3〜15m3 /m2 の範囲にあることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
  5. 当該の基質の積層が、球形の発泡ポリスチレンから構成されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
  6. 当該の再生処理工程後に、ランダウンタンクを再び満たし、そのために、水処理工程時に集めておいた処理済みの排水を使用することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
  7. 基質の積層下における圧力が上昇することにより、当該の再生処理工程を自動的に始動することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
  8. 当該の再生処理工程空気の流れを複数回繰り返し通過させることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一つに記載の方法。
  9. 当該の基質の積層が、水溜の表面上に浮遊していることを特徴とする請求項に記載の方法。
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