JP2008113585A - 原発性肝癌肺転移モデルラットの作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒトの臨床に即した肝癌モデルとして、肝癌発癌およびその肺への転移を示すラットモデルの作製方法を提供する。
【解決手段】ラット腹腔内に、ニトロソ化合物20−200mg/kg体重を、複数回投与し、かつ最終投与後から4週間以上のニトロソ化合物を投与しない期間を設けることによる、原発性肝癌肺転移モデルラットの作製方法。ニトロソ化合物は、ジエチルニトロソアミンとすることが望ましい。このモデルラットを用いることにより、抗癌薬や抗癌転移薬の評価を行うことが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、原発性肝癌肺転移モデルラットの作製に関する。
発癌およびその転移に対する治療薬開発などの研究においては、ヒトにおける発癌および転移の過程をできるだけ忠実に反映する動物モデルを作製することが重要である。また、有効な癌の治療薬、治療法を評価し、スクリーニングするにあたっては、多数の薬物、治療法を効率良く評価する必要がある。そのために用いる動物モデルとして、薬剤を投与して発癌する動物モデルの作製が試みられている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
非特許文献1には、ジエチルニトロソアミン(以下、「DEN」ということがある)をラットの腹腔内に反復投与して肝癌を発生させたモデルが報告されている。この文献では、肝臓癌の発生メカニズムを研究することを目的としている。このため、発生した癌の転移は評価していない。従って、休薬期間も短い。
特許文献1には、肝腫瘍を誘発し、高い効率で肺に転移を起こすことのできる肝腫瘍肺転移モデルが開示されている。この文献では、ニトロソ化合物を、単回腹腔投与した場合、飲水投与した場合、あるいは両者を組み合わせた場合における、肝癌の発生率と肺転移率の高さを評価している。この文献の実施例では、DENを単回腹腔投与したラットでは肝癌が発生していない。一方、DENを長期間飲水投与したラットでは、肝癌は発生しているが、肺転移は生じていない。また、この文献には、2種類のニトロソ化合物を用いた場合にのみ、肝癌が発生し、肺転移を生じることが記載されている。
このように、簡単な方法で、肺転移率が高い原発性肝癌を発生するモデルを作成することは困難である。
特開2001−204296号公報 エドアード シファー(Eduardo schiffer)、他9名、「ゲフィティニブ−上皮増殖因子受容体インヒビーター−は、ラット肝中で、肝硬変とともに、肝細胞癌発生を抑制する(Gefitinib, an EGFR Inhibitor, Prevents Hepatocellular Carcinoma Development in the Rat Liver With Cirrhosis)」、ヘパトロジー(Hepatology)、米国、アメリカン アソシエーション フォー ザ スタディ オブ リバー ディジィース(The American Association for the Study of Liver Diseases)、2005年、第41巻、第2号、p.307−314
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、ヒトの臨床に即した肝癌モデルとして、肝癌の発生およびその肺への転移を示すラットモデルを、簡便に作製する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、ラットの腹腔内に、体重1kgあたり20−200mgのニトロソ化合物を複数回投与し、所定の期間休薬期間を設けることで、肝癌の発生およびその肺転移が容易に、しかも再現性よく生ずることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明の原発性肝癌肺転移モデルラットの作製方法は、ラットに、ニトロソ化合物20−200mg/kg体重を、腹腔内に複数回投与し、かつ最終投与後から4週間以上のニトロソ化合物を投与しない期間を設けることによるものである。
ニトロソ化合物は、ジエチルニトロソアミンであれば好ましい。
本発明の方法によって作成された原発性肝癌肺転移モデルラットは、肝癌の発生から肺転移までのヒトにおける発癌および転移の過程を忠実に反映することができる。したがって、このモデルラットを用いれば、抗癌薬または抗癌転移薬を評価することが容易になる。
本発明によれば、簡便かつ短期間に再現性良く肝癌の発生および肺転移を起こすラットモデルの作製が可能となり、肝癌治療薬および治療法の開発に有用なモデルが提供される。
本発明において用いられるラットとしては、一般に動物実験に使用される各種系統のラットが挙げられる。例えば、SDラット、Fisherラット、Wistarラット、Wistar Hannover/Rccラット、Wistar/STラット、Donryuラット等を用いることができる。好ましいのは、環境に対する順応性が高く、長期飼育をしても生存率の高いWistarラットである。
本発明でいう原発性肝癌肺転移とは、肝細胞に由来する腫瘍が一つ以上肝臓内に発生し、かつ肺においても肝細胞に由来する腫瘍塊が一つ以上認められることをいう。腫瘍の有無は、臓器切片をヘマトキシリン−エオジンなどの通常の組織観察に用いられる色素を用いて染色し、顕微鏡を用いて細胞の形態を観察して判断する。
本発明において用いるニトロソ化合物としては、特に限定されず、公知のニトロソ化合物を使用することができる。具体的には、ジメチルニトロソアミン、ジエチルニトロソアミン、ジプロピルニトロソアミン、ジブチルニトロソアミン、ジアミルニトロソアミン、ニトロソピロリジン、ニトロソピペリジン、ニトロソモルフォリン、ニトロソメチルモルフォリン、ニトロソジエタノールアミン、ニトロソオキサゾリジン、ニトロソメチルオキサゾリジン、ニトロソテトラハイドロオコサゾリジン、N−メチル−N‘ニトロ−Nニトロソグアニジンなどが挙げられ、特に好ましくはジエチルニトロソアミンである。
ニトロソ化合物は、注射によりラットの腹腔内に複数回の投与することにより行う。投与方法としては、腹腔内への投与に加えて、経口投与、静脈内投与などの他の方法による投与を組み合わせて行うこともできる。簡便かつ再現性良くモデル動物を作製するためには、腹腔内に複数回投与する方法を単独で行うのが望ましい。
ニトロソ化合物の腹腔内への投与量は、動物に対して毒性が低い量であり、かつ肝癌発生を誘発する量であることが必要である。具体的な投与量としては、1回当たり20−200mg/kg体重であることが好ましく、30−100mg/kg体重であることがさらに好ましい。ニトロソ化合物は、リン酸生理食塩水、生理食塩水など、通常の実験動物への薬物投与に用いられる適当な溶液に溶解して投与すればよい。腹腔内に投与する薬液の容量は、ラット体重1kgあたり0.05〜5mlの範囲であることが好ましく、0.5〜3mlの範囲であることがさらに好ましい。ニトロソ化合物の腹腔内への投与は、適当な間隔をおいて複数回投与する必要がある。その投与間隔は、3〜14日に1回の頻度であることが好ましく、5〜12日に1回の頻度であることがさらに好ましい。また、投与の期間は、4〜20週間の間であればよく、好ましくは8〜14週間の間であればよい。
本発明においては、ニトロソ化合物のラットへの投与が終了した後に、ニトロソ化合物を投与しない期間(休薬期間)をおくことにより、肝癌の発生および肺への転移が誘発される。このニトロソ化合物を投与しない期間は、4週間以上であればよく、好ましくは4〜30週間であり、さらに好ましくは6〜24週間である。
本発明の方法によれば、肺への転移を起こすことなどヒトの原発性肝癌の性状を高く反映したモデルラットを、短期間で簡便かつ再現性良く作製することができる。このようにして作製されたモデルラットは、抗癌薬、抗転移薬、その他腫瘍の治療に関連する各種の薬剤の評価の目的に使用することができる。ここで、抗癌薬または抗転移薬の評価とは、種々の評価対象薬物を本発明のモデルラットに投与して、肝癌あるいはその肺転移巣の大きさ、数などに与える影響、あるいはラットの生存日数に与える影響などを調べることをいう。例えば、薬物の投与によって、腫瘍の大きさの縮小効果、ラット生存日数の延長効果などが認められれば、有効な薬物である可能性が呈示されることになる。本モデルはまた、肝癌などの腫瘍の発生および転移のメカニズムに関する研究、腫瘍および転移の診断に関する研究などにも好適に用いられる。
以下本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<方法>
実験に用いたWistar系雄ラット(日本SLC社)は、6週令で購入し、1ケージに2匹ずつ入れてSPF環境下で1週間飼育して飼育環境に訓化した後に薬物投与を開始した。ジエチルニトロソアミン(DEN)(シグマ社)を50mg/mlの濃度でリン酸生理緩衝液(PBS)に溶解し、ラット体重1kgあたり50mgの量を腹腔内に投与した。この薬物投与を、1週間に1回の頻度で12週間連続して行った。その後、投与を中止し、10〜19週の休薬期間を経過した後に、ラットから肝臓および肺を単離した。具体的には、投与中止後、10週(1匹)、11週(1匹)、15週(2匹)、17週(1匹)、18週(1匹)、19週(1匹)の休薬期間を経過したものを用いた。単離した臓器は、10%ホルマリン/リン酸生理緩衝液中で固定化し、パラフィンブロックに包埋した。これを1μmの厚さの切片にスライスし、ヘマトキシリン−エオジン溶液での染色を行った。
作製した標本は、顕微鏡(オリンパス(株)社、1X71)を用いて観察し、肝臓においては肝癌発生の有無を、肺においては肝癌転移巣の有無を検索し、原発性肝癌の発生率、肺転移の転移率を算出した。
(比較例1)
比較例として、ラット3匹に、DENの代わりに、ラット体重1kgあたり1mlのPBSを、上記実施例1と同様に投与した。PBS投与中止後11週後(PBS投与開始から23週後)に麻酔下で屠殺し、ラットから肝臓および肺を単離し、実施例1と同様の方法により、肝癌の発生および肺転移を調べた。
<結果>
DENを投与した7匹のラットすべて(100%)において原発性の肝癌の発生を認めた。そのうち6匹のラット(86%)において、肺に肝癌転移巣を認め、高効率で肺転移を生じることが見出された。DEN投与後18週齢のラットのみが肺転移を生じていなかった。一方、PBSのみを投与した比較例のラットからは、肝癌の発生、肺転移は認められなかった。

Claims (4)

  1. ラットに、ニトロソ化合物20−200mg/kg体重を、腹腔内に複数回投与し、
    かつ最終投与後から4週間以上のニトロソ化合物を投与しない期間を設けることによる原発性肝癌肺転移モデルラットの作製方法。
  2. ニトロソ化合物がジエチルニトロソアミンである、請求項1に記載の原発性肝癌肺転移モデルラットの作製方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法により作製された原発性肝癌肺転移モデルラット。
  4. 請求項3記載のモデルラットを用いた、抗癌薬または抗癌転移薬の評価方法。
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