JP2008112981A - レーザ照射装置およびレーザ照射方法 - Google Patents

レーザ照射装置およびレーザ照射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ照射を行う際に、レーザ光の長軸方向の端部領域におけるエネルギー強度分布の低い領域の、エネルギー強度分布を高くするレーザ照射装置およびレーザ照射方法の提供を目的とする。
【解決手段】レーザ光を照射面に照射させる際に、レーザ発振器から発振されたレーザ光を、光学素子を介して一方向に集光する。光学素子を通過し、一方向に集光されたレーザ光を、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過させることにより、照射面においてレーザの長軸方向の端部領域にエネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ照射装置およびレーザ照射方法に関する。
近年、ガラス基板上に形成された半導体膜(例えば非晶質半導体膜)にレーザ光を照射し、半導体膜を結晶化させるレーザ結晶化法が広く研究されている。
半導体膜を結晶化させるのは、半導体膜を結晶化させることにより、キャリアの移動度が高くなるためである。結晶化させた半導体膜は、例えば薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)に利用されている。ガラス基板上に形成した半導体膜を結晶化した場合、この半導体膜を用いて画素用のTFTおよび駆動回路用のTFTを形成することにより、アクティブマトリクス型の表示装置(例えば液晶表示装置や有機EL表示装置)を作製することができる。
半導体膜を結晶化させる方法には、レーザ結晶化法以外に、ファーネスアニール炉を用いた熱アニール法や、瞬間熱アニール法(RTA法)がある。しかし、これらの方法は600℃以上の高温処理が必要である。このため、基板として、高温処理に耐えることができる石英基板を用いる必要があり、製造コストが上昇する。これに対し、レーザ結晶化法は半導体膜にのみ熱を吸収させることができるため、基板の温度をそれほど上昇させずに半導体膜を結晶化させることができる。このため、基板として、ガラスやプラスチックなどの耐熱性が低い材料を使用することができる。これにより、安価で大面積に容易に加工できるガラス基板を用いることができ、アクティブマトリクス型の表示装置の生産効率が著しく向上する。
レーザ結晶化法として、パルスレーザであるエキシマレーザを用いた方法が従来からある。エキシマレーザは、波長が紫外域に属しているため、シリコンに効率よく吸収され、シリコンに選択的に熱を与えることができる。エキシマレーザを用いる場合、例えばレーザ発振器から射出される矩形状のレーザ光(例えば10mm×30mm)を、光学系によって線状の断面(例えば数百μm×300mm)を持つレーザ光に加工する。そして、線状に加工されたレーザ光を、半導体膜に対して相対的に走査させながら照射することにより、半導体膜の全体を順次結晶化させる。レーザ光を走査する方向を、レーザ光に対して垂直な方向にすることで、結晶化効率が高くなる。
これに対し、最近は、CW(連続発振)レーザや、発振周波数(繰り返し周波数)が10MHz以上のパルスレーザを、線状のレーザ光に加工して、半導体膜に対して相対的に走査させながら照射することにより、エキシマレーザを用いて結晶化された半導体膜と比較して、結晶の粒径が非常に大きい領域(大粒径結晶領域ともいう)を有する半導体膜を製造する技術が開発された。TFTを作製する際に、この大粒径結晶領域をTFTのチャネル領域に使用すると、チャネル方向には結晶粒界がほとんど存在しなくなるため、キャリア(電子または正孔)に対するエネルギー障壁が低くなる。この結果、移動度が数百cm/VsのTFTの作製が可能になる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−191546号公報
しかしながら、一般に、半導体膜を結晶化する際に用いるCW(連続発振)レーザや、発振周波数(繰り返し周波数)が10MHz以上のパルスレーザの、長軸方向のエネルギー強度分布はガウス分布型となり、均一なエネルギー強度分布を有していない。つまり、レーザ光の長軸方向の両端部に、エネルギー強度分布の低い領域が形成されている。そのため、該レーザ光を用いて半導体膜を結晶化した場合、大粒径結晶領域の形成と同時に、レーザ光の長軸方向の端部領域におけるエネルギー強度分布の低い領域では、粒径の比較的小さい結晶粒(以下、小粒径結晶と記す)のみが形成されることになる。
ここで図15に、レーザ光を用いて半導体膜を結晶化する際の、半導体膜表面の模式図を示す。図15(A)は、レーザ照射に用いるレーザ光1501を、半導体膜に照射した際の照射跡を示している。図15(B)は、レーザ光1501の、断面A―A’におけるエネルギー強度分布1502を示している。一般に、TEM00モード(シングル横モード)発振のレーザ発振器から射出されたレーザ光は、図15(B)の1502で示すガウス分布型のエネルギー強度分布を有しており、均一なエネルギー強度分布を有していない。なお、図15(B)は、縦軸にエネルギー強度を示し、強度(Y)は照射した際に大粒径結晶を得ることができるしきい値であり、強度(X)は結晶性領域が形成されるしきい値である。
図15(A)において、レーザ光1501の長軸方向における中央付近の領域1503は、大粒径結晶を得ることができるしきい値(Y)より高いエネルギー強度のレーザ光が照射されて、大粒径結晶領域が形成される。このとき、レーザ光の長軸方向における端部付近の領域1504に照射されるレーザ光は、結晶性領域が形成されるしきい値(X)よりはエネルギー強度が高く、しきい値(Y)よりはエネルギー強度が低い。したがって、レーザ光の長軸方向における端部付近の領域1504には、部分的に溶融しきれない領域が残り、中央付近の領域に形成されるような大粒径結晶ではなく、小粒径結晶のみが形成されることになる。
このようにして形成された小粒径結晶領域、すなわちレーザ光の長軸方向における端部付近の領域は、表面凹凸の激しい結晶粒の集まりになっているため、半導体素子を形成しても高い特性を得ることができない。また、これを避けるためには、大粒径結晶領域に半導体素子を形成する必要があるため、レイアウト上の制約を受けることは明らかである。したがって、レーザ光が照射された領域全体において、小粒径結晶領域が形成されないように制御することが求められる。
そこで、本発明では上記の問題を鑑み、レーザ光の長軸方向の端部領域のエネルギー強度分布を高くすることにより、レーザ光の長軸方向の端部領域においても、大粒径結晶領域を形成することができるレーザ照射装置およびレーザ照射方法の提供を課題とする。
なお本明細書においては、レーザ光を長く伸ばした方向を、レーザ光の長軸方向または長手方向と呼ぶことにし、短い方の軸の方向を、レーザ光の短軸方向または幅方向と呼ぶことにする。
本発明のレーザ照射装置に関する構成の1つは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、を有し、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とする。
本発明のレーザ照射装置に関する構成の1つは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、を有し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と照射面との距離をLμm、レーザ発振器から発振されるレーザ光の波長をλμmとしたとき、0.5<Lλ<100を満たす位置にレーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段が配置され、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とする。
本発明のレーザ照射装置に関する構成の1つは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、を有し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と前記照射面との距離をLμmとしたとき、1<L<200を満たす位置にレーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段が配置され、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とする。
本発明のレーザ照射方法に関する構成の1つは、レーザ発振器からレーザ光が発振され、レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射することを特徴とする。
本発明のレーザ照射方法に関する構成の1つは、レーザ発振器からレーザ光が発振され、レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と照射面との距離をLμm、レーザ発振器から発振されるレーザ光の波長をλμmとしたとき、0.5<Lλ<100を満たす位置にレーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を配置することを特徴とする。
本発明のレーザ照射方法に関する構成の1つは、レーザ発振器からレーザ光が発振され、レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射し、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と照射面との距離をLμmとしたとき、1<L<200を満たす位置にレーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を配置することを特徴とする。
本発明において、レーザ発振器には、連続発振のレーザ発振器またはパルス発振のレーザ発振器いずれも用いることができ、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、もしくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種を用いることを特徴とする。
特に、単結晶もしくは多結晶(セラミック)のYVO、YAG、GdVO、YLFなどの干渉性の高いレーザが、本発明の実施に適している。干渉性が高いレーザが適している理由は、レーザ光の長軸方向の端部領域において、非常に急峻なエネルギー強度分布を形成するのに適しているからである。
パルス発振のレーザ発振器においては、通常、数十〜数百Hzの周波数帯を用いるが、発振周波数(繰り返し周波数)が10MHz以上のパルスレーザを用いてもよい。
発振周波数が高いパルスレーザを用いると、次のような利点がある。レーザ光を半導体膜に照射してから、半導体膜が完全に固化するまでの時間は、数十〜数百nsecといわれている。
発振周波数が低いパルスレーザでは、半導体膜がレーザ光によって溶融して固化した後に、次のパルスが照射されることになる。したがって、それぞれのパルスが照射された後、再結晶時に、結晶粒は中心対称的に放射状に成長する。そして、隣り合う結晶粒の境界に粒界が形成されるため、半導体膜の表面には凹凸が生じる。
一方、発振周波数が高いパルスレーザを用いると、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。したがって、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができる。その結果、レーザ光の走査方向に向かって、連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜を形成することができる。
また、パルス発振のレーザの特徴の1つとして、発振周波数を高くすることにより、1つのパルスあたりのピーク出力を大きくすることができることが挙げられる。そのため、平均出力が比較的低いものでも、レーザ光の第2高調波への変換効率を大幅に上げることができる。これにより、容易に大出力の高調波を得ることが可能となるため、生産性を大きく向上させることができる。
単結晶を媒体としたレーザ発振器を用いた場合では、レーザ光は照射面において、長軸方向の長さが0.5〜1mm、短軸方向の長さが20μm以下、好ましくは10μm以下になるように整形する。また、レーザ光の短軸方向に走査する。その結果、1つの結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を、レーザ光照射領域の全面に形成することができる。このようにして、CW(連続発振)レーザと同程度の結晶粒を得ることができる。そして、レーザ光の走査方向に沿って長く伸びた結晶粒を形成することで、少なくともTFTのキャリアの移動方向には、結晶粒界がほとんど存在しない半導体膜の形成が可能になる。
また、多結晶を媒体としたレーザ発振器を用いた場合では、非常に出力が高いレーザ光を射出することが可能である。このような場合には、レーザ光の大きさを、大きくすることが可能である。レーザ光の短軸の長さは1mm以下にし、レーザ光の長軸の幅は、半導体膜を良好にレーザ照射できる程度に調節すればよい。
本発明において、光学素子には、ホログラフィック光学素子、バイナリー光学素子などの回折光学素子やシリンドリカルレンズを用いることが可能である。
また、本発明を用いて形成した結晶性半導体膜より、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、このTFTを用いて作製した半導体装置として、代表的にはCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、メモリ、IC、RFID素子、画素、ドライバ回路などを挙げることができる。さらに、これらの半導体装置を組み込んで、テレビ、コンピュータ、携帯型の情報処理端末などの、さまざまな電子機器を形成することが可能である。
本発明のレーザ照射装置およびレーザ照射方法を用いることにより、前記照射面におけるレーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成することができる。そのため、本発明を用いて、非晶質半導体膜表面にレーザ光を照射することにより、レーザ光が照射された領域全体に対して大粒径結晶を形成することができ、良好にレーザ照射を行うことができる。
また、レーザ光の長軸方向の端部領域において形成されていた表面凹凸の粗い結晶粒領域(小粒径結晶領域)が形成されなくなり、後工程において結晶化半導体膜上に薄膜を成膜した際のカバレッジが良くなる。また、レーザ光が照射された領域全体を、半導体素子形成に用いることができるため、回路設計のルールが緩和される。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細をさまざまに変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には、同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明のレーザ照射装置およびレーザ照射方法の一例について示す。
図1に示すレーザ照射装置は、レーザ発振器101と、光学素子102と、スリット103を有している。本実施の形態では、レーザ発振器から射出されたレーザ光の、長軸方向における端部領域を遮光する手段として、スリット103を用いる場合について説明する。
本実施の形態において使用するレーザ発振器101は、特に制限されることがなく、連続発振のレーザ発振器またはパルス発振のレーザ発振器のいずれも用いることができ、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、もしくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち、1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち、一種または複数種から発振されるレーザを用いることができる。なお、好ましくは、干渉性の高い単結晶もしくは多結晶(セラミック)のYVO、YAG、GdVO、YLFなどレーザが適している。このようなものを用いると、レーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域が形成されるからである。
レーザ発振器101から発振されたレーザ光は、光学素子102に入射する。本実施の形態において、光学素子102として、シリンドリカルレンズを用いる場合を説明する。なお、シリンドリカルレンズは、レーザ光を一方向に集光するように作用し、レーザ光の断面形状を照射面に対して線状に整形する。
光学素子102を通過したレーザ光の長軸方向の端部領域の光は、シリンドリカルレンズと照射面との間に配置したスリット103を通ることにより、遮光される。スリット103により遮光されなかったレーザ光が照射面104に照射される。
照射面104に照射されるレーザ光の、長軸方向におけるエネルギー強度分布を、図2(A)に示す。図2(A)に示すように、レーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域が形成される。これは、スリット103を用いて、レーザ光の長軸方向の端部領域を遮光することにより、レーザ干渉性に起因する、回折と呼ばれる現象が起こるためである。スリット103を用いて、レーザ光の長軸方向において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成することにより、レーザ光の端部領域でのエネルギー強度分布の低下を防ぐことができる。そのため、レーザ光を照射した領域全面に、十分なエネルギー強度を有するレーザ光を照射することができる。
この場合のレーザ光の長軸方向の端部領域におけるエネルギー強度分布は、スリット103を配置しない場合と比べて、3割強増加する。
また、スリット103を用いることにより、レーザ光の長軸方向の端部領域のエネルギー強度分布を、レーザ光の長軸方向の中央部領域のエネルギー強度分布より高くすることができる。そのため、基板にレーザ光を照射した際に、レーザ光の照射領域の境界より外側に熱が拡散しても、境界領域における基板表面の温度の低下を防ぐことができる。よって、このようなレーザ光を非晶質半導体膜表面に照射することにより、レーザ光の照射領域の端部付近において、小粒径結晶領域が形成されることを防ぐことができる。したがって、半導体膜表面のレーザ照射した領域全体に、大粒径結晶領域を形成することができる。さらに、レーザ光が照射された領域全体を、半導体素子形成に用いることができるため、回路設計のルールが緩和される。
また、レーザ光のエネルギー強度分布を全体的に大きくし、レーザ光の長軸方向の端部領域におけるエネルギー強度分布を更に大きくすることにより、表面凹凸が少ない微結晶粒を形成できる。また、アブレーション加工(レーザ光を照射した部分、つまり、レーザ光を吸収した部分の分子結合が切断されて、該部分が光分解し、気化する現象を用いた加工)を行うこともできる。これにより、レーザ光の長軸方向の端部領域において形成されていた、表面凹凸の粗い結晶粒領域(小粒径結晶領域)が形成されなくなり、後工程において、結晶化半導体膜上に薄膜を成膜した際のカバレッジが良くなる。前記端部領域の幅は数μm以内と非常に狭いため、レーザ光が照射された領域のほぼ全域を半導体素子形成に用いることができ、回路設計のルールが緩和される。
本実施の形態では、シリンドリカルレンズを用いてレーザ光を整形しているが、レーザ光を一方向に集光させる(レーザ光の断面を線状または矩形状に整形する)光学素子であれば特に制限されることはない。例えば、回折光学素子を用いてもよい。回折光学素子の代表例としては、ホログラフィック光学素子、バイナリー光学素子などがあげられる。回折光学素子は、ディフラクティブオプティクス、またはディフラクティブオプティクスエレメントとも呼ばれ、光の回折を利用してスペクトルを得る素子である。そして、この回折光学素子を用いることにより、レーザ発振器から射出されたレーザ光のエネルギー強度分布が均一な線状または矩形状のレーザ光に形成することができる。
回折光学素子により、レーザ光のエネルギー強度分布が均一となった、線状または矩形状のレーザ光を、本実施の形態で用いたスリットに通過させると、図2(B)に示すように、照射面におけるレーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成することができる。
また、シリンドリカルレンズの凸面は、入射側、射出側のいずれか一方に凸面が形成されているものでも、両側に凸面が形成されているものでもよい。ただし、低収差、精度の面で入射側に凸面が形成されているものを使用することが好ましい。
スリット103は、照射面104から距離L[μm]離れた位置に配置する。レーザ発振器101から発振されたレーザ光の波長をλ[μm]としたとき、スリット103を0.5<Lλ<100を満たす位置に配置すると、結晶の成長方向と、結晶化する位置を制御することができる。これにより、結晶化する方向を一定にすることができ、半導体膜表面に大粒径結晶領域を形成し、かつ結晶化された膜表面を平坦化することができる。
本実施の形態において使用するスリット103については、特に制限されることはない。レーザ光がスリットを通過した際に、レーザ光の長軸方向の端部領域を遮光できる構造、あるいは形状のものを使用することができる。例えば、図1で示すような板状のスリット103や、開口部が矩形状となるようなスリットを用いて遮光する。スリット103は、レーザ光の種類やエネルギーに応じてその位置を調整することができ、スリット103の開口部の大きさを調整することができる。本発明のレーザ照射装置では、スリット103は、開口部がビームスポット105の走査方向と平行となるように設置されており、スリットの開口部の幅は走査範囲において一定とする。これにより、レーザ光の長軸方向の端部領域を遮光することができ、同時にビームスポット105の長軸方向の長さを調整することができる。
また、反射ミラーを用いてスリットを形成することもできる。反射ミラーを用いることにより、熱が吸収されず、スリットの変形を防ぐことができる。そのため、安定したレーザ光を得ることができる。反射ミラーは、図1(B)に示すように、レーザ光が入射する方向に反射面を傾けて配置するとよい。また、反射ミラーにより反射されたレーザ光は、ダンパーを用いて吸収させることが好ましい。
本実施の形態のレーザ照射装置およびレーザ照射方法を用いることにより、レーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成することができる。そのため、レーザ光が照射された領域全体に対して、大粒径結晶を形成することができ、良好にレーザ照射することができる。例えば、半導体膜を結晶化する際に、本実施の形態で示したレーザ照射装置およびレーザ照射方法を用いることにより、レーザ光が照射された領域全体に対して、大粒径結晶領域を形成することができ、半導体膜全面に対して良好に結晶化を行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したレーザ照射装置またはレーザ照射方法を用いた、TFTの作製方法に関して、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態ではトップゲート型(順スタガ型)TFTの作製方法を記載しているが、トップゲート型TFTに限らず、ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTなどでも同様に本発明を用いることができる。
図5(A)に示すように、絶縁表面を有する基板500上に、下地膜501を形成する。本実施の形態では、基板500として、ガラス基板を用いる。なお、ここで用いる基板には、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミックス基板、ステンレス基板などを用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリルなどに代表される合成樹脂を原料とする基板は、一般的に他の基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、本工程の処理に耐え得るのであれば用いることができる。
下地膜501は、基板500に含まれるナトリウムなどのアルカリ金属や、アルカリ土類金属が、半導体中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。そのため、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、半導体中への拡散を抑えることのできる、酸化珪素や窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。また、下地膜501は、単層または積層構造のいずれでもよい。本実施の形態では、プラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)を用いて、窒化酸化珪素膜を10〜400nmの膜厚になるように成膜する。
基板500として、ガラス基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が、多少なりとも含まれている基板を用いる場合には、不純物の拡散を防ぐために下地膜を設けることは有効である。しかし、石英基板など、不純物の拡散がさほど問題にならない基板を用いる場合には、必ずしも下地膜501を設ける必要はない。
次いで、下地膜501上に、非晶質半導体膜502を形成する。非晶質半導体膜502は、スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法などにより、25〜100nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。ここで用いる非晶質半導体膜には、シリコンやシリコンゲルマニウム(SiGe)などを用いることができる。なお、ここではシリコンを用いる。シリコンゲルマニウム(SiGe)を用いる場合、ゲルマニウムの濃度は、0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
続いて図5(B)に示すように、非晶質半導体膜502に、レーザ光503を照射して結晶化を行う。
ここで、レーザ照射に用いるレーザ照射装置およびレーザ照射方法の一例を、図3を用いて説明する。図3に示すレーザ照射装置は、レーザ発振器101、光学素子102、スリット103、ミラー302、吸着ステージ306、X軸ステージ307およびY軸ステージ308を有している。レーザ発振器101、光学素子102、スリット103としては、図1に示したものと同様のものを用いることができる。なお、必ずしもミラー302を設ける必要はなく、必要がなければ設けなくてもよい。
本実施の形態では、吸着ステージ306上に、半導体膜305が成膜された基板が設けられている。なお、該基板は、絶縁物質を材料としている。また、半導体膜305としては、非晶質半導体膜を用いればよい。ただし、微結晶半導体膜や結晶性半導体膜を用いることもできる。X軸ステージ307およびY軸ステージ308を用いて、半導体膜305の表面に沿って、吸着ステージ306をX軸またはY軸方向に走査することによって、半導体膜305の全面にレーザ光を照射することができる。よって、半導体膜305の全面を、良好に結晶化することができる。
本実施の形態では、X軸ステージ307およびY軸ステージ308を用いて、半導体膜305が成膜された基板を動かす構成となっている。なお、レーザ光の走査は、被処理物である基板を固定して、レーザ光の照射位置を移動させる照射系移動型、レーザ光の照射位置を固定して、基板を移動させる被処理物移動型、または上記2つの方法を組み合わせた方法を用いることができる。
本実施の形態では、レーザ光503として、CW(連続発振)レーザ(Nd:YVOレーザ、第2高調波(波長532nm))を用いる。特に第2高調波に限定する必要はないが、第2高調波はエネルギー効率の点で、さらに高次の高調波より優れている。
CW(連続発振)レーザを半導体膜に照射すると、連続的に半導体膜にエネルギーが与えられるため、一度半導体膜を溶融状態にすると、溶融状態を継続させることができる。さらに、CW(連続発振)レーザ光を走査することによって、半導体膜の固液界面を移動させ、この移動の方向に沿って一方向に長い結晶粒を形成することができる。
ここで挙げたレーザ光に限らず、実施の形態1で示したCW(連続発振)レーザ、または発振周波数が10MHzを超えるパルスレーザも用いることができる。
図3において使用するスリット103は、レーザ光のエネルギー強度分布の、最も高い値を100%とすると、レーザ光のエネルギー強度分布の、最も高い値の60%以上、好ましくは80%以上のところでレーザ光を遮光するように、スリット103の開口部の大きさを調節するとよい。レーザ光のエネルギー強度分布の、最も高い値の80%以上のところでレーザ光を遮光すると、レーザ光の長軸方向の端部領域におけるエネルギー強度分布を、レーザ光の長軸方向の中央部におけるエネルギー強度分布よりも高くすることができる。その結果、半導体表面のレーザ照射した領域全体に、大粒径結晶を形成することができる。また、表面凹凸の少ない微結晶粒を形成することや、アブレーション加工することもできる。
本実施の形態において、半導体膜の結晶化に、Nd:YVOレーザの第2高調波(波長532nm)を用いる。そのため、レーザ光の長軸方向に結晶成長をさせるためには、スリットと照射面との距離Lを1〜200μm、好ましくは3〜100μm、より好ましくは10〜50μm、さらにより好ましくは30〜50μmとするのがよい。この場合、レーザ光の波長λは、532nmには限定されない。例えば、YLFレーザの第2高調波のように、波長527nmの場合にも、上記の距離Lの適正範囲は当てはまる。また、回折現象はレーザ光の波長に依存しており、同様の回折像が得られるレーザ光の波長λと、距離Lの間には反比例の関係がある。したがって、上記の例より大きく波長の異なるレーザ光を使用する場合は、0.5<Lλ<100を満たす距離Lの適正範囲を適宜計算し用いるとよい。
レーザ発振器から射出されたレーザ光は、光学素子によってレーザ光を一方向に集光され、レーザ光の断面形状が照射面に対して線状に整形される。その後、光学素子102と半導体膜305との間に配置された、スリット103を通り、半導体膜305に照射される。
本実施の形態のレーザ照射装置を用いることにより、レーザ光の長軸方向の端部領域において、エネルギー強度分布が急峻に高くなる領域を形成することができる。このレーザ光を、非晶質半導体膜に走査することによって、レーザ光の長軸方向の両端部に、横方向に連続的に成長した結晶粒が形成されるだけではなく、隣接したレーザ照射領域の境界において、小粒径結晶領域や凹凸の形成を抑制することが可能になる。このようにして、半導体膜にレーザ光を照射することにより、半導体膜305全面に対して、良好にレーザ照射される。その結果、この半導体膜によって作製される半導体装置の特性を、良好かつ均一にすることができる。
図1および図3では、板状のスリットを用いた場合を説明したが、これに限定されず、図4に示すように、開口部が円形状もしくは楕円形状となるような、スリット403を用いてもよい。図4に示すレーザ照射装置は、レーザ発振器101、光学素子102、スリット403、ミラー302、吸着ステージ306、X軸ステージ307およびY軸ステージ308を有しており、レーザ発振器101、光学素子102、ミラー302、吸着ステージ306、X軸ステージ307およびY軸ステージ308としては、図3に示すものと同様なものを用いることができる。
その後、図5(C)に示すように、レーザ照射によって形成された結晶性半導体膜505を所定の形状にエッチングし、島状の半導体膜506を形成する。さらに、この島状の半導体膜506を覆うように、ゲート絶縁膜507を形成する。
ゲート絶縁膜507は、少なくとも酸素または窒素を含む絶縁膜であればよく、単層でも複層でもよい。その際の成膜方法は、プラズマCVD法やスパッタ法を用いることができる。本実施の形態では、プラズマCVD法で窒化酸化珪素(SiN(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))と、酸化窒素珪素(SiO(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))を連続成膜して、合計膜厚が115nmになるように形成する。なお、チャネル長の長さが1μm以下であるようなTFT(サブミクロンTFTともいう)を形成する場合、ゲート絶縁膜は10〜50nmの厚さで形成することが望ましい。
次に、ゲート絶縁膜507上に導電膜を形成し、所定の形状にエッチングすることで、ゲート電極508を形成する。ゲート絶縁膜507上に形成する導電膜の材料は、導電性を有する膜であればよく、本実施の形態では、タングステンと窒化タンタルの積層膜を用いている。ただし、Al(アルミニウム)とMo(モリブデン)を用いてMo、Al、Moの順に積層した導電膜や、Ti(チタン)とAlを用いてTi、Al、Tiの順に積層した導電膜を用いてもよい。また、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)から選ばれた元素、またはこれらの元素を主成分とする合成材料または化合物材料を用いることもできる。さらには、これらの材料の積層物を用いることもできる。
そして、この導電膜をパターン加工するための、レジストマスクを形成する。まず、導電膜上に、フォトレジストをスピンコーティング法などにより塗布し、露光する。次に、フォトレジストに対して、加熱処理(プリベーク)を行う。プリベークの温度は50〜120℃とし、後に行われるポストベークより低い温度で行う。本実施の形態では、加熱温度は90℃、加熱時間は90秒とする。
次に、フォトレジストに現像液を滴下するか、あるいはスプレーノズルから現像液をスプレーすることによって、露光されたレジストを現像する。
その後、現像されたフォトレジストを125℃、180秒で加熱処理(ポストベーク)を行い、レジストマスク中に残っている水分などを除去し、同時に熱に対する安定性を高める。以上の工程によって、レジストマスクが形成される。このレジストマスクを基に、導電膜を所定の形状にエッチングして、ゲート電極508を形成する。
このほかの方法として、所定の場所に材料を吐出することが可能な印刷法や、インクジェット法に代表される液滴吐出法により、ゲート電極508を、直接ゲート絶縁膜507上に形成してもよい。
吐出する材料は、導電体材料を溶媒に溶解または分散させたものを用いる。導電膜となる材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)などの金属から少なくとも一種類、またはこれらの金属の合金を含むものである。溶媒は、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶剤などを用いることができる。
組成物の粘度は0.3Pa・s以下とする。これは、乾燥を防止し、吐出口から組成物を円滑に吐出するためである。なお、用いる溶媒や用途に合わせて、組成物の粘度や表面張力は適宜調整するとよい。
そして、ゲート電極508またはゲート電極508を形成する際に用いたレジストをマスクとして用い、島状の半導体膜506に、n型またはp型の導電性を付与する不純物を選択的に添加することによって、ソース領域509、ドレイン領域510、LDD領域511などを形成する。上記の工程によって、図5(D)に示すように、Nチャネル型TFT512および513と、Pチャネル型TFT514を同一基板上に形成することができる。
続いて、Nチャネル型TFT512および513と、Pチャネル型TFT514の保護膜として、絶縁膜515を形成する。この絶縁膜515は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を、単層または積層構造で100〜200nmの厚さに形成する。窒化酸化珪素膜と酸化窒化珪素膜を組み合わせる場合では、ガスを切り替えることによって、連続成膜をすることが可能である。本実施の形態では、プラズマCVD法により、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を形成する。絶縁膜515を設けることにより、酸素や空気中の水分をはじめ、各種イオン性の不純物の侵入を阻止するブロッキング作用を得ることができる。
次いで、さらに絶縁膜516を形成する。ここでは、SOG(Spin On Glass)法またはスピンコート法によって塗布されたポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル、シロキサンなどの有機樹脂膜を用いることができる。また、無機層間絶縁膜(窒化珪素、酸化珪素などの珪素を含む絶縁膜)、low−k(低誘電率)材料などを用いることができる。絶縁膜516は、ガラス基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化する意味合いが強いため、平坦性に優れた膜が好ましい。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基は、水素を少なくとも含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)またはフルオロ基のいずれかの材料である。
さらに、フォトリソグラフィ法を用いてゲート絶縁膜507、絶縁膜515および絶縁膜516をパターン加工して、ソース領域509、ドレイン領域510に達するコンタクトホールを形成する。
次に、導電性材料を用いて導電膜を形成し、この導電膜をパターン加工することによって配線517を形成する。その後、保護膜として絶縁膜518を形成すると、図5(D)に示すようなTFTが完成する。
本実施の形態のレーザ照射装置を用いて作製した結晶性半導体膜によりTFTを作製することによって、TFTの性能を大幅に向上させることが可能になる。例えば、チャネル形成領域に含まれる、結晶粒界の数を少なくすることができるため、単結晶半導体を用いたTFTと同等またはそれ以上の、電界効果移動度(モビリティ)を得ることが可能である。また、オン電流値(TFTがオンの状態にあるときに流れるドレイン電流の値)、オフ電流値(TFTがオフの状態にあるときに流れるドレイン電流の値)、しきい値電圧、S値および電界効果移動度のばらつきを低減させることが可能になる。このような効果があるため、TFTの電気的特性は向上し、TFTを用いた半導体装置の動作特性および信頼性が向上する。特に、レーザ光の移動方向には粒界がほとんどないため、この方向に沿ってTFTのチャネル形成領域を形成すると、TFT特性の向上につながり好ましい。
本発明のレーザ照射方法を用いた半導体装置の作製方法は、上述したTFTの作製工程に限定されない。レーザ光による結晶化の前に、触媒元素を用いた結晶化工程を設けてもよい。その触媒元素としては、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)および金(Au)といった元素を用いることができる。
触媒元素を添加し、加熱処理を行って結晶化を促進した後に、レーザ照射してもよいし、加熱処理の工程を省略してもよい。また、加熱処理を行った後、その温度を保ちつつレーザ処理を行ってもよい。
本実施の形態では、半導体膜の結晶化に本発明のレーザ照射装置を用いた例を示したが、半導体膜にドーピングした不純物元素の活性化を行うために、本発明のレーザ照射装置を用いてもよい。また、本発明を用いた半導体装置の作製方法は、集積回路や半導体表示装置の作製方法にも用いることができる。
本発明を用いると、半導体膜に対して均一にレーザ照射される。したがって、本発明の方法によって形成された半導体膜を用いて作製した、全てのTFTは特性が良好であり、個々のTFTの特性は均一である。
また、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で示した、レーザ照射装置またはレーザ照射方法を用いた、半導体装置の作製方法に関して、図面を参照して説明する。
図6(A)に示すように、スパッタ法を用いて、ガラス基板でなる基板601上に、剥離層602を形成する。剥離層602は、スパッタ法、減圧CVD法、プラズマCVD法などを用いて形成することができる。本実施の形態では、膜厚50nm程度の非晶質シリコンを減圧CVD法で形成し、剥離層602として用いる。なお、剥離層602はシリコンに限定されず、エッチングにより選択的に除去できる材料(例えば、W、Moなど)で形成すればよい。剥離層602の膜厚は、50〜60nmとするのが望ましい。
次いで、剥離層602上に、下地絶縁膜603を形成する。下地絶縁膜603は、基板601中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また、下地絶縁膜603は、後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。下地絶縁膜603は、単層であっても、複数の絶縁膜を積層したものであってもよい。よって、アルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素(SiON)、酸素を含む窒化珪素(SiNO)などの絶縁膜を用いて形成する。
次に、下地絶縁膜603上に、非晶質半導体膜604を形成する。非晶質半導体膜604は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法などにより、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
そして、実施の形態2と同様に、非晶質半導体膜604に対して、レーザ光を照射して結晶化を行う。
上述したレーザ照射方法を用いることによって、非晶質半導体膜604を均一に結晶化することができる。
なお、剥離層602、下地絶縁膜603および非晶質半導体膜604は、連続して形成することができる。
その後、図6(B)に示すように、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜604a〜604dを形成し、当該半導体膜604a〜604dを覆うように、ゲート絶縁膜605を形成する。ゲート絶縁膜605は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒素を含む酸化珪素または酸素を含む窒化珪素を含む膜を、単層または積層させて形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜605を形成した後、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状の結晶質半導体膜604a〜604dを水素化する工程を行ってもよい。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行ってもよい。
半導体膜に対し、CW(連続発振)レーザ光もしくは10MHz以上の周波数で発振するパルスレーザ光を照射しながら、一方向に走査して結晶化させて得られた結晶質半導体膜604a〜604dは、その光の走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高いTFTを得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜605上に、第1の導電膜と、第2の導電膜とを積層する。ここでは、第1の導電膜は、プラズマCVD法やスパッタ法などにより、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)などから選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。または、リンなどの不純物元素をドーピングした、多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と、第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜と、タングステン膜、窒化タングステン膜と、タングステン膜、窒化モリブデン膜と、モリブデン膜などが挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜と、アルミニウム膜と、モリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて、レジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、結晶質半導体膜604a〜604dの上方に、ゲート電極607を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜604a〜604dに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加する。n型を付与する不純物元素は、15族に属する元素を用いればよく、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。
次に、ゲート絶縁膜605とゲート電極607を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタ法などにより、珪素、珪素の酸化物または珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極607の側面に接する絶縁膜608(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜608は、後にLDD(Lightly Doped Drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
次に、図6(C)に示すように、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極607および絶縁膜608をマスクとして用いて、結晶質半導体膜604a〜604dにn型を付与する不純物元素を添加して、第1のn型不純物領域606a(LDD領域ともよぶ)と、第2のn型不純物領域606bと、チャネル領域606cとを形成する。ただし、第1のn型不純物領域606aが含む不純物元素の濃度は、第2のn型不純物領域606bの不純物元素の濃度よりも低い。
続いて、図6(D)に示すように、ゲート電極607、絶縁膜608などを覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成することによって、薄膜トランジスタ630a〜630dを形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法などにより、珪素の酸化物や珪素の窒化物などの無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシなどの有機材料や、シロキサン材料などにより、単層または積層で形成する。例えば、絶縁膜が2層構造の場合、1層目の絶縁膜609として窒化酸化珪素膜で形成し、2層目の絶縁膜610として酸化窒化珪素膜で形成することができる。
絶縁膜609、610を形成する前、または絶縁膜609、610のうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復、半導体膜に添加された不純物元素の活性化および半導体膜の水素化を目的とした、加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜609、610などをエッチングして、第2のn型不純物領域606bを露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成し、当該導電膜を選択的にエッチングして導電膜631を形成する。なお、導電膜を形成する前に、コンタクトホールにおいて露出した、結晶質半導体膜604a〜604dの表面にシリサイドを形成してもよい。
導電膜631は、CVD法やスパッタリング法などにより、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)およびシリコン(Si)から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料、もしくは化合物材料で、単層または積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分とし、ニッケルを含む材料、または、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方または両方とを含む合金材料に相当する。導電膜631は、例えば、バリア膜と、アルミニウムシリコン(Al−Si)膜と、バリア膜の積層構造、バリア膜と、アルミニウムシリコン(Al−Si)膜と、窒化チタン膜と、バリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、またはモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムや、アルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜631を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムや、アルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、図7(A)に示すように、導電膜631を覆うように絶縁膜611を形成し、当該絶縁膜611上に、導電膜631と電気的に接続するように、導電膜612を形成する。絶縁膜611は、CVD法、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法またはスクリーン印刷法などを用いて、無機材料または有機材料により、単層または積層で形成する。また、絶縁膜611は、好適には、0.75〜3μmの厚さで形成する。また、導電膜612は、上述した導電膜631の場合で示した、いずれかの材料を用いることができる。
次に、図7(B)に示すように、導電膜612上に、導電膜613を形成する。導電膜613は、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法、スクリーン印刷法などを用いて、導電性材料により形成する。導電膜613は、好ましくは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料、もしくは化合物材料で、単層または積層で形成する。ここでは、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを導電膜612上に形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って導電膜613とする。また、導電膜612上に、導電膜613を形成した後に、電気的な接続を向上させるために、導電膜613および導電膜612の重なっている領域に、レーザ光を照射してもよい。なお、絶縁膜611および導電膜612を設けずに、導電膜631上に、選択的に導電膜613を設けることも可能である。
次に、図7(C)に示すように、導電膜612および613を覆うように絶縁膜614を形成し、フォトリソグラフィ法により絶縁膜614を選択的にエッチングして、導電膜613を露出させる開口部615を形成する。絶縁膜614は、CVD法、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法またはスクリーン印刷法などを用いて、無機材料または有機材料により、単層または積層で形成する。
次に、薄膜トランジスタ630a〜630dなどを含む層632(以下、層632と記す)を、基板601から剥離する。図8(A)に示すように、レーザ光(例えばUV光)を照射することによって、開口部616を形成後、物理的な力を用いて、基板601から層632を剥離することができる。また、基板601から層632を剥離する前に、開口部616にエッチング剤を導入して、剥離層602を除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体または液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として、三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、層632は、基板601から剥離された状態となる。なお、剥離層602は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え、剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層602を除去した後にも、基板601上に層632を保持しておくことが可能となる。また、層632が剥離された基板601は、コストの削減のために、再利用することが好ましい。
また、図8(B)に示すように、レーザ光の照射により、絶縁膜をエッチングして開口部616を形成した後に、層632の一方の面(絶縁膜614の露出した面)を、第1のシート材617に貼り合わせて基板601から完全に剥離することもできる。第1のシート材617としては、例えば、熱を加えることによって、粘着力が弱まる熱剥離テープを用いることができる。
次に、図9(A)に示すように、層632の他方の面(剥離した面)に、第2のシート材618を設け、その後、加熱処理と、加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材618を貼り合わせる。また、第2のシート材618を設けると同時に、または設けた後に、第1のシート材617を剥離する。第2のシート材618としては、ホットメルトフィルムなどを用いることができる。また、第1のシート材617として熱剥離テープを用いた場合には、第2のシート材618を貼り合わせる際に加えた熱を利用して剥離することができる。
また、第2のシート材618として、静電気などを防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、および帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルムなどが挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここで、帯電防止可能な材料としては、金属、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ、架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料などを用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付ける、練り込む、あるいは塗布することによって、帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムを設けることによって、半導体装置を商品として取り扱う際に、外部からの静電気などによって、半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
次に、図9(B)に示すように、開口部615を覆うように導電膜619を形成することによって、素子群633を形成する。なお、導電膜619の形成前または形成後に、導電膜612および613にレーザ光を照射することによって、電気的な接続を向上させてもよい。
次に、図10(A)に示すように、レーザ光を、素子群633に選択的に照射することによって、複数の素子群に分断する。
次に、図10(B)に示すように、アンテナとして機能する導電膜622が形成された基板621に、素子群633を圧着させる。具体的には、基板621上に形成された、アンテナとして機能する導電膜622と、素子群633の導電膜619とが、電気的に接続するように貼り合わせて設ける。ここでは、接着性を有する樹脂623を用いて、基板621と素子群633とを接着する。また、樹脂623に含まれる導電性粒子624を用いて、導電膜622と導電膜619とを電気的に接続する。
本実施の形態で示した作製方法を用いることにより、特性にばらつきがなく、信頼性の高い半導体装置を作製することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法も上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で示した作製方法を用いて得られた、半導体装置の使用形態の一例について説明する。具体的には、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して、図面を参照して以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は、利用の形態によっては、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
半導体装置80は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87、記憶回路88およびアンテナ89を有している(図11(A))。高周波回路81は、アンテナ89より、信号を受信する回路である。また、高周波回路81は、データ変調回路86より受信した信号を、アンテナ89から出力する回路でもある。電源回路82は、受信信号から電源電位を生成する回路である。リセット回路83は、リセット信号を生成する回路である。クロック発生回路84は、アンテナ89から入力された受信信号を基に、各種クロック信号を生成する回路である。データ復調回路85は、受信信号を復調して、制御回路87に出力する回路である。データ変調回路86は、制御回路87から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路87としては、例えば、コード抽出回路91、コード判定回路92、CRC判定回路93および出力ユニット回路94が設けられている。コード抽出回路91は、制御回路87に送られてきた命令に含まれる、複数のコードをそれぞれ抽出する回路である。コード判定回路92は、抽出されたコードと、リファレンスに相当するコードとを、比較して命令の内容を判定する回路である。CRC判定回路93は、判定されたコードに基づいて、送信エラーなどの有無を検出する回路である。
次に、上述した半導体装置の、動作の一例について説明する。まず、アンテナ89により、無線信号が受信される。無線信号は、高周波回路81を介して電源回路82に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは、半導体装置80が有する、各回路に供給される。また、高周波回路81を介して、データ復調回路85に送られた信号は、復調される(以下、復調信号と記す)。復調信号は、クロック発生回路84を通り、制御回路87に送られる。さらに、高周波回路81を介して、リセット回路83を通った信号も、制御回路87に送られる。制御回路87に送られた信号は、コード抽出回路91、コード判定回路92およびCRC判定回路93などによって解析される。そして、解析された信号に従って、記憶回路88内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導体装置の情報は、出力ユニット回路94を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置80の情報は、データ変調回路86を通って、アンテナ89により無線信号に載せて送信される。なお、半導体装置80を構成する複数の回路においては、低電源電位(以下、VSSと記す)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。
このように、リーダ/ライタから半導体装置80に信号を送り、当該半導体装置80から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータを読み取ることが可能となる。
また、半導体装置80は、電源(バッテリー)を搭載せず、電磁波により、各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して、電磁波と電源(バッテリー)により、各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
実施の形態3で示した作製方法を用いることにより、折り曲げることが可能な半導体装置を作製することができる。そのため、曲面を有する物体に、半導体装置を貼り付けて設けることが可能となる。また、実施の形態3で示した作製方法を用いることにより、特性にばらつきがなく、信頼性の高い半導体装置を作製することができる。
次に、可撓性を有し、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の、使用形態の一例について説明する。図11(B)に示すように、表示部1110を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ1100が設けられている。また、商品1120の側面には、半導体装置1130が設けられている。半導体装置1130に、リーダ/ライタ1100をかざすと、表示部1110に、品物の原材料、原産地、生産工程ごとの検査結果、流通過程の履歴、さらに商品の説明などの、商品1120に関する情報が表示される。また、図11(C)に示すように、商品1160をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ1140と、商品1160に設けられた半導体装置1150を用いて、該商品1160を検品することができる。
このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、実施の形態3で示した作製方法を用いることにより、曲面を有する物体に本発明を用いて作製した半導体装置を貼り付けた場合であっても、半導体装置に含まれるトランジスタなどの損傷を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することが可能となる。
また、上述した非接触データの入出力が可能である半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式などを用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、またはらせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯など)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮して、アンテナとして機能する導電層の長さなどの形状を、適宜設定すればよい。
図12(A)〜(D)は、さまざまな形状のアンテナを持つ半導体装置を示している。これらの半導体装置は、基板1201、アンテナ1202およびICチップ1203を有している。
アンテナとして機能する導電膜を、線状に形成すると、例えば、図12(A)に示すような、ダイポールアンテナとなる。アンテナとして機能する導電膜を、平坦な形状に形成すると、例えば、図12(B)に示すような、パッチアンテナとなる。また、アンテナとして機能する導電膜を、図12(C)および図12(D)に示すような、リボン型の形状などに形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は、線状に限られず、電磁波の波長を考慮して、曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。なお、アンテナとして機能する導電膜をどのような形状に設けた場合であっても、上記実施の形態で示したように、素子群を貼り合わせて設ける際に、素子群に加わる圧力をモニタリングして、素子群に過度の圧力が加わらないように制御することにより、素子群の破損などを防止することができる。
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法などを用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料、もしくは化合物材料で、単層構造または積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いて、アンテナとして機能する導電膜を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電性粒子を、有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷する。導電性粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)などのいずれか1つ以上の金属粒子や、ハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた、1つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に、焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば、粒径1nm以上100nm以下の粒子)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより、ペーストを硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや、鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや、鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、上述した材料以外にも、セラミックや、フェライトなどをアンテナに適用してもよい。他にも、マイクロ波帯において誘電率および透磁率が負となる材料(メタマテリアル)を、アンテナに適用することも可能である。
また、電磁結合方式または電磁誘導方式を適用する場合であって、アンテナを備えた半導体装置を、金属に接して設ける場合には、当該半導体装置と金属との間に、透磁率を備えた磁性材料を設けることが好ましい。アンテナを備えた半導体装置を、金属に接して設ける場合には、磁界の変化に伴い金属に渦電流が流れ、当該渦電流により発生する反磁界によって、磁界の変化が弱められて通信距離が低下する。そのため、半導体装置と金属との間に、透磁率を備えた材料を設けることにより、金属の渦電流を抑制し、通信距離の低下を抑制することができる。なお、磁性材料としては、高い透磁率を有し、高周波損失の少ないフェライトや、金属薄膜を用いることができる。
なお、上述した以外にも、可撓性を有する半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で、対象物の履歴などの情報を明確にし、生産、管理などに役立てる商品であれば、どのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類および電子機器などに設けて使用することができる。これらの例に関して、図13を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コインなどを含む。図13(A)は有価証券類であり、小切手、証券、約束手形などを指す。図13(B)は証書類であり、運転免許証、住民票などを指す。図13(C)は無記名債券類であり、切手、おこめ券、各種ギフト券などを指す。図13(D)は包装用容器類であり、お弁当などの包装紙、ペットボトルなどを指す。図13(E)は書籍類であり、書物、本などを指す。図13(F)は記録媒体であり、DVDソフト、ビデオテープなどを指す。図13(G)は乗物類であり、自転車などの車両、船舶などを指す。図13(H)は身の回り品であり、鞄、眼鏡などを指す。食品類とは、食料品、飲料などを指す。衣類とは、衣服、履物などを指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具などを指す。生活用品類とは、家具、照明器具などを指す。薬品類とは、医薬品、農薬などを指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機などを指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類などに図13に示す、半導体装置20を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器などに半導体装置20を設けることにより、検品システムや、レンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類などに半導体装置20を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置20の設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器などに半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また、乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物などの生き物に、半導体装置を埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜などの生き物に、センサーを備えた半導体装置を埋め込むことによって、生まれた年、性別または種類などはもちろん、現在の体温などの健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法も、上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。
(実施の形態5)
本発明を実施して得られたTFTを組み込むことによって、さまざまな電子機器を作製することができる。具体例を図14に示す。
図14(A)は表示装置であり、筐体1401、支持台1402、表示部1403、スピーカー部1404、ビデオ入力端子1405などを含む。本発明を用いて形成されたTFTは、駆動ICや表示部1403などに用いることができる。なお、表示装置には液晶表示装置、発光表示装置などがあり、用途別にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。具体的には、ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、反射型プロジェクターなどを挙げることができる。
図14(B)はコンピュータであり、筐体1411、表示部1412、キーボード1413、外部接続ポート1414、ポインティングデバイス1415などを含む。本発明を用いて形成されたTFTは、表示部1412の画素部だけではなく、表示用の駆動IC、本体内部のCPU、メモリなどの半導体装置にも適用が可能である。
また、図14(C)は携帯電話であり、携帯用の情報処理端末の1つの代表例である。この携帯電話は筐体1421、表示部1422、操作キー1423などを含む。本発明を用いて形成されたTFTは、表示部1422の画素部だけではなく、表示用の駆動IC、メモリ、音声処理回路などに用いることができる。
上記の携帯電話を初めとして、PDA(Personal Digital Assistants、情報携帯端末)、デジタルカメラ、小型ゲーム機などの電子機器に、本発明を用いて形成したTFTを用いることもできる。例えば、CPU、メモリ、センサーなどの機能回路を形成することや、これらの電子機器の画素部や、表示用の駆動ICにも適用することが可能である。
また、図14(D)および(E)はデジタルカメラである。なお、図14(E)は、図14(D)の裏側を示す図である。このデジタルカメラは、筐体1431、表示部1432、レンズ1433、操作キー1434、シャッターボタン1435などを有する。本発明を用いて形成されたTFTは、表示部1432の画素部、表示部1432を駆動する駆動IC、メモリなどに用いることができる。
図14(F)はデジタルビデオカメラである。このデジタルビデオカメラは、本体1441、表示部1442、筐体1443、外部接続ポート1444、リモコン受信部1445、受像部1446、バッテリー1447、音声入力部1448、操作キー1449、接眼部1450などを有する。本発明を用いて形成されたTFTは、表示部1442の画素部、表示部1442を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置などに用いることができる。
この他にも、ナビゲーションシステム、音響再生装置、記録媒体を備えた画像再生装置などに、本発明を用いて形成したTFTを用いることが可能である。これらの表示部の画素部や、表示部を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置、センサー部などの用途に、本発明を用いて形成されたTFTを用いることができる。
以上のように、本発明により作製されたTFTの適用範囲は極めて広く、本発明により作製されたTFTをあらゆる分野の電子機器に用いることができる。なお、これらの電子機器に使われる表示装置は、大きさや強度、または使用目的に応じて、ガラス基板だけでなく、耐熱性の合成樹脂基板を用いることも可能である。それによって、よりいっそうの軽量化を図ることができる。
本発明のレーザ照射装置の一例を説明する図 レーザ光の長軸方向におけるエネルギー強度分布を示す図 本発明のレーザ照射装置の一例を説明する図 本発明のレーザ照射装置の一例を説明する図 本発明のレーザ照射装置を用いた結晶性半導体膜の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いて作製した半導体装置の使用形態の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いて作製した半導体装置の使用形態の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いて作製した半導体装置の使用形態の一例を示す図 本発明のレーザ照射装置を用いて作製した電子機器の一例を示す図 レーザの形状、レーザ照射跡およびエネルギー強度の分布を示す図
符号の説明
101 レーザ発振器
102 光学素子
103 スリット
104 照射面
105 ビームスポット

Claims (15)

  1. レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、
    前記光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、
    を有し、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とするレーザ照射装置。
  2. レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、
    前記光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、
    を有し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と前記照射面との距離をLμm、前記レーザ発振器から発振される前記レーザ光の波長をλμmとしたとき、0.5<Lλ<100を満たす位置に前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段が配置され、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とするレーザ照射装置。
  3. レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ光を一方向に集光させる光学素子と、
    前記光学素子と照射面との間に配置された、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と、
    を有し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と前記照射面との距離をLμmとしたとき、1<L<200を満たす位置に前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段が配置され、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、
    前記照射面におけるエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記レーザ発振器は、連続発振のレーザまたは発振周波数が10MHz以上のパルスレーザを発振することを特徴とするレーザ照射装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記レーザ発振器は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、もしくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種を用いることを特徴とするレーザ照射装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記光学素子は、シリンドリカルレンズまたは回折光学素子であることを特徴とするレーザ照射装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段として、反射ミラーを用いることを特徴とするレーザ照射装置。
  8. レーザ発振器からレーザ光が発振され、
    前記レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、
    前記光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射することを特徴とするレーザ照射方法。
  9. レーザ発振器からレーザ光が発振され、
    前記レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、
    前記光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と前記照射面との距離をLμm、前記レーザ発振器から発振される前記レーザ光の波長をλμmとしたとき、0.5<Lλ<100を満たす位置に前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を配置することを特徴とするレーザ照射方法。
  10. レーザ発振器からレーザ光が発振され、
    前記レーザ発振器から射出されたレーザ光は光学素子を通過し、
    前記光学素子を通過したレーザ光は、レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過することによって、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、エネルギー強度分布はレーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いレーザ光を照射面に照射し、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段と前記照射面との距離をLμmとしたとき、1<L<200を満たす位置に前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を配置することを特徴とするレーザ照射方法。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記レーザ発振器は、連続発振のレーザまたは発振周波数が10MHz以上のパルスレーザであることを特徴とするレーザ照射方法。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれか一項において、
    前記レーザ発振器は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、もしくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種を用いることを特徴とするレーザ照射方法。
  13. 請求項8乃至請求項12のいずれか一項において、
    前記光学素子は、シリンドリカルレンズまたは回折光学素子であることを特徴とするレーザ照射方法。
  14. 請求項8乃至請求項13のいずれか一項において、
    前記レーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段として、反射ミラーを用いることを特徴とするレーザ照射方法。
  15. 基板上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜に対し、レーザ光を相対的に走査させながら照射し、
    前記レーザ光は、光学素子およびレーザ光の長軸方向における端部領域を遮光する手段を通過し、
    前記レーザ光のエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の端部領域において急峻に高くなり、
    前記レーザ光のエネルギー強度分布は、レーザ光の長軸方向の中央部領域よりレーザ光の長軸方向の端部領域の方が高いことを特徴とする半導体装置の作製方法。
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