JP2008112156A - 画像形成装置およびこれに用いる保護剤バー - Google Patents

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Abstract

【課題】潜像担持体に近接する帯電手段への付着による帯電特性の悪化防止およびクリーニング特性の悪化を未然に防止できる保護剤バーを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体1と、該潜像担持体1を一様帯電可能な帯電手段3を備え、一様帯電された潜像担持体1に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理した後、可視像とされたトナー像を被転写体に転写した後、前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニング装置により除去する手段と、前記潜像担持体1にブラシ22を用いて保護剤を供給する手段を具備した画像形成装置であって、前記保護剤バー21および前記潜像担持体1の両方に該ブラシ22は接触しており、前記保護剤バー21との接触によりブラシ22先端に不定形で付着した保護剤を、ブラシ22の回転により前記潜像担持体1に接触させ供給し、保護剤が基本的に潜像担持体1に不定形で供給されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置およびこれに用いる保護剤バーに関し、さらに詳しくは、一様帯電される潜像担持体の表面での保護層に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、潜像担持体として用いられる感光体に対して帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を施すことにより画像形成が行われる。
感光体には、帯電工程において生じる放電生成物や転写されなかった未転写トナーが存在することがある。このため、感光体は転写工程後、クリーニング工程を実行され、放電生成物や残留トナーを除去されるようになっている。
クリーニング工程に用いられるクリーニング方式としては、安価で機構が簡単でクリーニング性に優れたゴムブレードを用いる方式が一般によく知られている。
しかし、ゴムブレードは感光体に押し当てて感光体表面の残留物を除去するため感光体表面とクリーニングブレード間の摩擦によるストレスが大きく、ゴムブレードの磨耗や特に有機感光体においては感光体表面層の磨耗が生じ、ゴムブレードおよび有機感光体の寿命を短くする。
また、近年、高画質化の要求に対して画像形成に用いられるトナーは小粒径のものが多くなってきている。
小粒径のトナーを用いた画像形成装置では、未転写による残トナーがクリーニングブレードをすり抜けていく割合が多くなり、特に、クリーニングブレードの寸法精度、組み付け精度が十分でなかったり、クリーニングブレードが部分的に震動した場合にトナーのすり抜けは激しくなってしまい高画質の画像形成を妨げていた。
このため、有機感光体の寿命を延ばし長期に渡って高画質を保持するには、摩擦による部材の劣化を低減し、クリーニング性を向上させる必要がある。
摩擦を低減する方法で一般的なものとしては、感光体表面に潤滑剤と供給し、クリーニングブレードによって供給された潤滑剤を均一に均して潤滑剤の皮膜を形成する方法がある。
潤滑剤を用いる場合には、潤滑剤の塗布量が少なすぎると、像担時体の磨耗、傷、ブレード劣化に対して充分な効果を発揮できず、過剰に塗布すると像担時体に余剰な潤滑剤が感光体上に蓄積されていき像流れが生じたり、余剰な潤滑剤が現像剤に混入してしまって現像剤の性能がおちてしまうなどの問題が起こるため、潤滑剤の塗布量を規定しておく必要があった。
従来、潤滑剤の塗布量を制御する構成も提案されている(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1においては、帯電方式が接触帯電とされ、複数色の画像を個々に作成できる作像部を並置して設けたタンデム機でA3縦判をおよそ1250枚に相当する感光体の駆動距離525mとなるまでに潤滑剤を少なくとも0.4g以上塗布する構成が開示されている。
この画像形成装置においては、形成される画像の内容、つまり、トナーの消費量などが殆ど一律などの特定の画像形成を行う上では優れている。
一方、近年、帯電工程においては、直流電圧に交流電圧を重畳して帯電する帯電ローラ等によるいわゆる交流(AC)帯電が用いられるようになってきている。
このAC帯電は、感光体の帯電電位の均一性が高い、オゾンやNOx等の酸化性ガスの発生が少ない、装置を小型化できる等の優れた性能を有している反面、印加する交流電圧の周波数に応じ、1秒間に数百〜数千回もの正負放電が帯電部材と感光体の間で繰り返されるため感光体はこの多数の放電を受けて表面層の劣化が加速される。
このような感光体表面層での劣化の進行を抑制する方法として、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を表面層に塗布して帯電工程を実行する方向が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2000−75752号公報 特開2005−17469号公報
特許文献1に開示された内容では、トナーの消費量などの画像形成条件が一律であるような特定の画像形成時には効果がある反面、多種多様な画像形成を行うと、特に感光体を使用し始めた初期の段階での不具合が多かった。また、潤滑剤の製造ロットによって、消費量を同じにしても、クリーニング性等の特性が変化してしまう問題がある。
一方、特許文献2に開示されているようなに、潤滑剤の塗布を行った上で帯電工程を実行する方法においては、次のような問題が生じる。
感光体に潤滑剤を塗布した場合には、AC帯電のエネルギーはまず潤滑剤に吸収されることで感光体表面には到達しにくくなるので感光体の表面はAC帯電による劣化が抑制され保護されることになる。
しかし、帯電ローラを感光体に近接させた構成を用いて直流電圧に交流電圧を重畳したAC帯電を行うと、感光体表面に形成されている潤滑剤の皮膜がAC帯電を受けることで消失してしまう。
消失する速度は、コロナ放電の場合と比較して非常に速いため潤滑剤による皮膜の形成状況はコロナ放電の場合と大きく異なる。
AC帯電を継続しながら画像形成を行いつつ、潤滑剤を塗布する手段を用いた場合、潤滑剤の供給量にもよるが、潤滑剤が感光体表面に供給され、皮膜を形成し感光体を保護する効果よりも、AC帯電を受けて感光体表面が劣化進行する現象の方が速く起こりやすい。
この問題を回避するため、潤滑剤の供給量を多くすると前述したようにボケ、現像剤の性質の変化などの問題が起こり、一方、潤滑剤の供給量を抑えて、感光体表面に充分な量の潤滑剤が均一に塗られていないとAC帯電を受けて劣化の進行が加速してしまうという問題がある。
特許文献2においては、感光体表面を潤滑剤により保護する点に関しての技術開示はあるものの、前述したような塗布した後の帯電時での潤滑剤の挙動による画像への影響さらにはクリーニング性への影響に関しての検討がなされておらず、潤滑剤の消失を含めて前述したクリーニング特性に関してどのような影響を及ぼすか、未定のままである。
ところで、特許文献2に開示されているように、感光体表面に塗布された潤滑剤、特に、ステアリン酸亜鉛などは、粉状あるいは塊のまま存在することもあり、この場合には、感光体表面の潤滑剤が載っている場所と載っていない場所のムラが生じる。このため、供給された潤滑剤は粉または塊のまま帯電工程を通過し、感光体表面上で潤滑剤が載っている部分は感光体表面の膜が削られないが、潤滑剤が載っていない部分では感光体表面が潤滑剤によって保護されず、表面層の膜削れが起こり、実際の使用条件下で画像形成を行うとトナーの入力や画像部、非画像部の影響による偏磨耗によって画像にスジ等の異常が出てしまう。
さらに、潤滑剤の粉または塊が感光体上に存在する場合には、粉または塊が帯電ローラを通過する際に、帯電ローラに飛翔または移動し帯電ローラ上で溶けて、トナーの外添剤等のトナー成分を巻き込みながら固まり、局所的に潤滑剤が溶けて固まった部分の抵抗が高くなってしまうため、帯電ムラが生じてしまう虞もある。
また、近接帯電方式で交流電圧を印加する場合の初期および経時での状態でのステアリン酸亜鉛の存在状況について、詳細に調べてみると、感光体を使い始める際に感光体表面の潤滑剤の塗布にムラがある場合、潤滑剤が載っている箇所は一旦潤滑剤が形成されたところにAC帯電がかかり、潤滑剤の皮膜が消失するが、再度潤滑剤を供給すると皮膜が再形成される。
一方、塗布ムラのため潤滑剤が載っていない部分にAC帯電がかかり、一旦感光体表面が劣化した部分については、劣化した感光体表面上に潤滑剤を塗布しても潤滑剤が保持されにくいことが本発明者の実験により判明した。
この結果、初期に皮膜が形成されずにAC帯電を受けてしまった部分は潤滑剤が保持されないまま、経時で劣化が進み、初期に潤滑剤の皮膜が形成された部分は潤滑剤の供給があれば皮膜が改めて形成され劣化が進みにくく、初期で潤滑剤の塗布ムラがあると局所的な劣化が進行してしまうことになる。
このような結果から、特許文献2に開示されている方法では、潤滑剤の塗布にムラがある場合や経時で潤滑剤の保持が確保されない場合も発生し、この場合には感光体の劣化や高画質な画像を保持できなくなることが実験により確認できた。
潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いた場合にその供給に際しては、一般的に、ステアリン酸亜鉛の棒にブラシを押し当て、ステアリン酸亜鉛の粉を作り、そのステアリン酸亜鉛の粉を感光体上に落下、付着させ、ブレード等によりステアリン酸亜鉛の粉は粉砕され引き延ばす方法を採用することがある。
ステアリン酸亜鉛の感光体上への存在量をふやすためには、感光体に供給するステアリン酸亜鉛の粒子を大きくあるいは粒子の数を多くすることが一般に考えられ、ステアリン酸亜鉛の棒にブラシを押し当てる力を強くすることが多いが、帯電工程に帯電ローラによるAC帯電を用いた場合、前述したように、帯電ローラにさまざまな物質が付着し、さらにそれらの物質が固着してしまい、帯電ローラの抵抗を部分的に高め、その部分の帯電不良を引き起こす問題が発生しやすかった。
また、帯電ローラへのステアリン酸亜鉛の粉の移動以外にも、ステアリン酸亜鉛の棒にブラシを押し当て、生成されたステアリン酸亜鉛の粉は、現像剤に移動してしまい、現像剤の帯電性が変化してしまい濃度低下の不具合を引き起こすという問題があった。このように、ステアリン酸亜鉛を感光体に供給する場合、ステアリン酸亜鉛の棒にブラシを押し当て、ステアリン酸亜鉛の粉を作り、そのステアリン酸亜鉛の粉を感光体上に落下、付着させるため、この粉が感光体以外の場所へ移動することを回避することができなかった。
塊または粉として存在する感光体上の潤滑剤は、感光体以外の場所に移動してしまうため、感光体に供給された潤滑剤を、塊または粒状の形状を採らずに、不定形または膜状で存在させるために、以下のような方法をとることができる。ここで、不定形とは、特定の形を持たず、粒径や円形度等の指標で形を表現できない状態を示す。
つまり、潤滑剤を感光体に粒または塊で供給した後、プレード等を用いて十分に引き伸ばす方法である。しかし、塊または粒で供給された潤滑剤を引き伸ばすことには限界があり、ブレードと感光体にはわずかな隙間があるため、隙間を粉がすり抜けてしまう。潤滑剤の粉のすり抜けを防ぐためにブレードを感光体に押し当てる力を強くした場合は、感光体の磨耗が加速されてしまう。このように、感光体に潤滑剤を、塊または粒の状態で供給した場合、塊または粒を完全に無くすことはできなかった。
このように、潤滑剤のバーをブラシを用いて粉の状態で感光体に供給する場合、短期的には特に問題ないが、長期に渡って使用した場合、感光体上に存在する潤滑剤の粉が感光体以外の場所に移動し、現像剤の特性変化や帯電ローラの帯電不良が発生してしまい、長期に渡って高画質な出力を維持する事ができなかった。
本発明の目的は、上記従来の感光体保護層を形成する際の問題に鑑み、感光層表面に塗布した保護剤により感光層をAC帯電により生じる劣化から保護しつつ、感光層の摩耗劣化などを確実に防ぎ、さらに、保護剤が他の部分への飛散、特に感光層を有する潜像担持体に近接する帯電手段への付着による帯電特性の悪化防止およびクリーニング特性の悪化を未然に防止できる保護剤バーを備えた画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電可能な帯電手段を備え、一様帯電された潜像担持体に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理した後、可視像とされたトナー像を被転写体に転写した後、前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニング装置により除去する手段と、前記潜像担持体にブラシを用いて保護剤を供給する手段を具備した画像形成装置であって、前記保護剤バーおよび前記潜像担持体の両方に該ブラシは接触しており、前記保護剤バーとの接触によりブラシ先端に不定形で付着した保護剤を、ブラシの回転により前記潜像担持体に接触させ供給し、保護剤が基本的に潜像担持体に不定形で供給されることを特徴としている。
本発明においては、潤滑剤バーにブラシを押し当てブラシの先端で潤滑剤を削ることで潤滑剤の粉を生成して、粉を感光体上に落下させて供給するのではなく、潤滑剤バーに接触させたブラシ先端が潤滑剤を掬い取り、掬い取られた潤滑剤がブラシ先端に不定形で付着した状態でブラシの回転によって感光体に移動し供給されることによって、感光体上に存在する潤滑剤は本質的に不定形となり、潤滑剤が感光体以外の場所に移動する現象が抑制され、現像剤中に潤滑剤が混入したり、帯電ローラに付着物が固着して、帯電不良が発生することを防止する。
ここで前述のように不定形とは、特定の形を持たない状態である。潤滑剤が粉状で供給された場合と不定形で供給された場合の代表的な比較例としてSEM像を図5および図6に示す。
従来のように、潤滑剤バーにブラシを押し当てて、潤滑剤の粉を生成させ感光体に供給する場合には、粉は図5のように特定の形を持ち、粒径や円形度などの指標で形や大きさを表現できたが、粉とは対照的に図6のような状態の場合、潤滑剤は特定の形をもたないため、本報では不定形と表現した。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記潜像担持体の周面で前記帯電手段直下での前記保護剤は、1.5μm以上の保護剤を含む場合にはその保護剤の個数が、1mm2当たり50個以下となるようにされることを特徴としている。
本発明においては、1.5μm以上の保護剤が帯電手段直下に存在していると、保護剤の粒子が帯電手段に用いられ得る帯電ローラに付着し、AC帯電により分解するまで時間がかかり、分解するまでに、トナーに外添されていた粒子を取り込みながら固着し、その部分の帯電手ローラでの抵抗を高くしてしまうため、好ましくない状態を解消することができる。つまり、帯電手段直下における感光体上の粒径が1.5μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.8μm以下のものは、帯電ローラに付着しても、速やかに酸化、分解するため、帯電ローラの抵抗を高くして、異常を引き起こすことは少ないことから、帯電ローラの抵抗を高くするに至らない状態を維持することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記帯電手段は、前記潜像担持体に当接もしくは近接対向する帯電ローラを備え、該帯電ローラに対して直流電圧と交流電圧とを重畳して印加することを特徴としている。
本発明においては、請求項1,2に記載の発明において得られる作用である、ブラシ先端への剤の掬い取りによりブラシ先端に付着することにより不定形で潜像担持体に供給されることで帯電ローラへの飛散が抑制され、帯電ローラにおいてAC帯電が実行された場合においても帯電ローラに飛散した保護剤の消失が速いことから帯電ローラの抵抗を高めてしまうようなことがない。このため、帯電ローラを用いた系ではオゾンやNOxなどの酸化性ガスの発生を抑制しながら潜像担持体に対する帯電特性を安定化することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記潜像担持体には、予め画像形成に先立ち、保護剤が塗布されることを特徴としている。
本発明においては、画像形成に先立ち保護剤が塗布されるようになっているので、各作像工程が稼働している時のように塗布を妨げられることがなく、塗布量をAC帯電に耐えるに十分な量に設定することができ、しかも、潜像担持体表面において保護剤が欠如している部分に対しても十分に補充できることで均一な保護層を形成することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記保護剤は、前記潜像担持体に対する画像形成処理に用いられる帯電手段をはじめとして接触対向する装置が非接触な状態で塗布されることを特徴としている。
本発明においては、請求項4記載の発明と同様な作用を得ることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる保護剤バーであって、表面の鉛筆硬度が5Bより柔らかい硬度に設定されていることを特徴としている。
本発明においては、保護剤バーの表面の硬度が鉛筆硬度5Bよりも硬いと、保護剤はブラシをこすりつけることにより、粒子になりやすく、帯電ローラに付着しやすくなることで帯電ローラ表面での帯電ムラを引き起こしやすくなるのを解消できると共に、仮に粒子にならなかったとしても、硬いブラシを用いなければならなくなるため、感光体に傷が生じやすくなるのを回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の保護剤バーであって、50〜130℃に少なく
とも一つの吸熱ピークを有する材料が用いられることを特徴としている。
本発明においては、画像形成装置中に配設された像担持体近傍で使用されるため、連続使用される場合には、駆動系などの熱源から発生する熱のため、室温より高い温度雰囲気下に曝されることが多い。よって、上記吸熱ピークを用いることで、保護剤バーに用いる組成物の溶融などを防止して保護剤バーの形状維持が行える。
請求項8記載の発明は、請求項6または7に記載の保護剤バーであって、該バー内の保護剤中に両親媒性(親水性と疎水性)の有機物を含有することを特徴としている。
本発明においては、一分子中に親水性を示す構造と親油性(疎水性)を示す構造の両方を有しているため、分子内の親水性部位で像担持体表面の親水部に吸着し、かつ吸着後に当該箇所を疎水化させる作用により、吸湿などを回避できる状態を維持して象担持体表面を保護することができる。つまり、吸着した両親媒性の有機化合物の疎水性構造部分と、疎水性有機化合物が、分子間力等に起因する分子間相互作用により複合化しつつ均質な保護剤層が形成されることが理由として考えられ、これにより像担持体表面を保護できることになる。
像担持体表面に形成された保護剤層は、疎水性の部位を最表面近傍に向けているため、像担持体表面近傍の大気中に多くの親水性の物質が含まれていても、これらを吸着しにくく、例えば湿度が高い使用状態でも、像担持体表面の抵抗を低下させることがなく、静電潜像電荷の散逸を防ぐことができる。また、像担持体表面に保護剤層が形成された後には、帯電工程や転写工程の電気的ストレスは、保護剤層を形成している像担持体保護剤に対して加えられるため、保護剤の分子鎖が切断、酸化、親水化といった作用を受けることとなる。これにより、保護剤は部分的に分解されるが、像担持体への電気的ストレスは激減し、上述の像担持体の劣化が抑制されるため、極めて長期間に渉る像担持体の使用が可能となる。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の保護剤バーであって、両親媒性の有機物のHLB値(界面活性剤の水と油の親和性を示す値:Hydrophile−Lipophile・Balance)が1.0〜6.5に設定されていることを特徴としている。
本発明においては、有機化合物に求められる、潜像担持体表面への吸着と保護剤劣化成分の取り込みによる表面疎水化機能の併合機能を発揮させる条件が得られ、これにより湿度に対して良好な安定した状態を維持することができる。
請求項10記載の発明は、請求項8または9に記載の保護バーであって、両親媒性の有機物が非イオン系界面活性剤であることを特徴としている。
本発明においては、潜像担持体における電気的特性に悪影響を与えないようにすることができる。特に、界面活性剤自身がイオン解離することがなくなるため、使用環境の一つである湿度が大幅に変動した場合でも気中放電などによる電荷のリークを抑制できることで画像品質の低下を防止できる。
請求項11記載の発明は、請求項8乃至10のいずれかに記載の保護剤バーであって、両親媒性の有機物および疎水性の有機物を含有することを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項11に記載の保護剤バーにおいて、疎水性の有機物としてパラフィンを含むことを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項8乃至12のいずれかに記載の保護剤バーにおいて、
疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)との重量比が10/90〜97/3とされていることを特徴としている。
本発明においては、保護剤バーのもろさを解消して保護剤のブラシによる掬い取りおよびブラシ先端への付着による潜像担持体への供給を増長できると共に、潜像担持体のクリーニングに用いられる部材との摺擦抵抗の増加を防止し、さらには、帯電時のエネルギーによって疎水性勇気分解し低温導電性物質となった場合にこの物質を両親媒性有機物により包み込まれやすくすることで導電性を付与できなくすることにより導電性に変異することで潜像電位の変動による画像ぼけが発生するのを防止することができる。
請求項1および2記載の発明によれば、潜像担持体へ基本的に不定形で保護剤を供給することによって、帯電ローラ汚れ等による異常画像が起こらない、長期に渡って高画質画像を出力可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体の帯電電位の均一性が高い、オゾンやNOx等の酸化性ガスの発生が少ない、小型な画像形成装置を提供することができる。
請求項4および5記載の発明によれば、初期の画像が安定していて、また、長期に亘って画像を出力した際も、安定的に高画質画像を出力可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項6記載の発明によれば、帯電手段への保護剤粒子の付着を抑制できると共に潜像担持体への損傷を防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、保護剤バーに用いる組成物の溶融などを防止して保護剤バーの形状維持を可能にすることができる。
請求項8乃至12記載の発明によれば、分子内の親水性部位で像担持体表面の親水部に吸着し、かつ吸着後に当該箇所を疎水化させる作用により、吸湿などを回避できる状態を維持して象担持体表面を保護することが可能となる。
請求項13記載の発明によれば、保護剤バーのもろさを解消してブラシの掬い取りによる粒子の発生を増長できると共に、潜像担持体のクリーニングに用いられる部材との摺擦抵抗の増加を防止できるとともに、潜像担持体表面での電位特性が不用意に変化してしまうのを防止することが可能となる。
以下に図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の保護層形成装置の概略図である。
図1において、像担持体である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、像担持体保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与機構23、保護層形成機構24等から主に構成される。
本発明による像担持体保護剤21は、ブロック状をなす保護剤バーを構成しており、押圧力付与機構23からの押圧力により、例えばブラシ状の保護剤供給部材22に接する。
保護剤供給部材22は、感光体ドラム1と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材表面に保持された像担持体保護剤を、像担持体表面に供給する。
感光体ドラム1の表面に供給された像担持体保護剤は、物質種の選択によっては供給時に十分な保護層にならない場合があるため、より均一な保護層を形成するために、例えばブレード状の部材を持つ保護層形成機構により薄層化され像担持体保護層となる。
保護層が形成された像担持体であり感光体ドラム1は、例えば、図示しない高電圧電源により直流電圧もしくはこれに交流電圧を重畳させた電圧を印加した帯電ローラ3を、接触または近接させ、微小空隙での放電による像担持体の帯電が行われる。この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じる。上述の分解生成物や酸化物、気中放電生成物は、一般に親水性であるか、もしくは親水性基を含んでいる。
本発明の像担持体保護剤は、その組成物として、一分子内に親水性の部分と疎水性の部分を有する両親媒性の有機化合物(B)を含んでいる。また、一方の組成物として、疎水性有機化合物(A)を併せ含んでいる。よって、像担持体表面が電気的ストレスにより親水性となった部分には、両親媒性の有機化合物(B)が吸着することにより、表面を疎水化させると共に、周辺の疎水性有機化合物(A)の存在により、電気的ストレスを像担持体表面へ、直接負荷させることが防止される。
代わりに、像担持体保護剤の一部は、電気的ストレス曝され劣化し、部分的に親水性となるが、余剰に存在する、適度なHLB値を持つ両親媒性の有機化合物(B)と共に逆ミセルに類する形態となって、疎水性有機化合物(A)中に分散するため、像担持体保護層による像担持体保護効果と劣化した像担持体保護剤の除去性を両立させることが可能となる。
この場合のHLB値は、いわゆる川上式である次の式により求められる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
ただし、Mwは親水性部分の分子量、Moは親油基の分子量、logは常用対数
本発明での両親媒性の有機物としては、像担持体表面への吸着と保護剤劣化成分の取り込みによる表面疎水化機能を併せ持つことが重要である。電気的ストレスを受けて劣化した像担持体保護剤と共に、周辺の両親媒性の有機化合物(B)が逆ミセルに類する形態をとるには、そのHLB値の設定が重要であり、この値を1.0〜6.5の範囲とすることにより、湿度に対してより良好な安定状態にすることができるため好ましい。
本発明の像担持体中の、両親媒性の有機化合物(B)は、非イオン界面活性剤であることが好ましい。
両親媒性の有機化合物は、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤やこれらの複合物等に類別されるが、本発明の像担持体保護剤は、上述のように像担持体上に保護剤層を形成し、像形成工程を経るため、像担持体の電気的な特性に対して悪影響を与えないようにする必要がある。
両親媒性の有機化合物として非イオン系界面活性剤を用いることにより、界面活性剤自身がイオン解離することがなくなるため、使用環境、特に湿度が、大幅に変動した場合にも、気中放電などによる電荷のリークを抑制することができ、画像品質を高度に維持することができる。また、該非イオン系界面活性剤は、化学式(1)のアルキルカルボン酸と多価アルコール類とのエステル化物であることが好ましい。
Figure 2008112156
ただし、式中のnは15〜35の整数を示す
化学式(1)のアルキルカルボン酸として直鎖アルキルカルボン酸を用いることにより、両親媒性の有機化合物が吸着した像担持体表面で、両親媒性の有機化合物の疎水性部分が配列しやすくなり、担持体表面への吸着密度が特に高くなるため、好ましい様態である。
1分子中のアルキルカルボン酸エステルは疎水性を示し、その数が多い方が気中放電により発生した解離性物質が像担持体表面に吸着するのを防ぎ、かつ帯電領域での像担持体表面への電気的ストレスを小さくするためには有効である。しかしながら、アルキルカルボン酸エステルの占める割合が多くなりすぎると、親水性を示す多価アルコール類の部分が覆い隠されてしまい、像担持体の表面状態によっては十分な吸着性能が発現しないことがある。
よって、両親媒性の有機化合物の1分子当りの平均エステル結合数は、1から3個であることが好ましい。
これら両親媒性の有機化合物の1分子当りの平均エステル結合数は、異なるエステル結合数を持つ複数の両親媒性の有機化合物から1種以上を選択し、混合して調整することもできる。
両親媒性の有機化合物としては、前述のように陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン系界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、硫酸アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、リン酸アルキル塩、長鎖脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩等の、疎水性部位の末端に陰イオン(アニオン)を有し、これと、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属イオン、アルミニウム、亜鉛等の金属イオン、アンモニウムイオン等が結合した化合物が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の、疎水性部位の末端に陽イオン(カチオン)を有し、これと、塩素、フッ素、臭素等や、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、チオ硫酸イオン、炭酸イオン、水酸イオン等が結合した化合物が挙げられる。
両イオン系界面活性剤の例としては、ジメチルアルキルアミンオキシド、N−アルキルベタイン、イミダゾリン誘導体、アルキルアミノ酸等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤の例としては、長鎖アルキルアルコール、アルキルポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルポリグルコキシド、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の、アルコール化合物、エーテル化合物、アミド化合物等が挙げられる。また、ラウリン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の長鎖アルキルカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エリスリトール、ヘキシトール等の多価アルコールやこれらの部分無水物とのエステル化合物も好ましい形態として挙げられる。
エステル化合物のより具体的な例としては、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノパルチミン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、ジパルチミン酸グリセリル、トリパルチミン酸グリセリル、ジミリスチン酸グリセリル、トリミスチン酸グリセリル、パルチミン酸ステアリン酸グリセリル、モノアラキジン酸グリセリル、ジアラキジン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、ステアリン酸ベヘン酸グリセリル、セロチン酸ステアリン酸グリセリル、モノモンタン酸グリセリル、モノメリシン酸グリセリル等のアルキルカルボン酸グリセリルやこの置換物、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノパルチミン酸ソルビタン、ジパルチミン酸ソルビタン、トリパルチミン酸ソルビタン、ジミリスチン酸ソルビタン、トリミスチン酸ソルビタン、パルチミン酸ステアリン酸ソルビタン、モノアラキジン酸ソルビタン、ジアラキジン酸ソルビタン、モノベヘン酸ソルビタン、ステアリン酸ベヘン酸ソルビタン、セロチン酸ステアリン酸ソルビタン、モノモンタン酸ソルビタン、モノメリシン酸ソルビタン等のアルキルカルボン酸ソルビタンやこの置換物等が挙げられるが、これに限るものではない。
また、これらの両親媒性有機化合物は単一の種類を用いても良いし、複数種類を併用しても良い。
本発明の画像形成装置に用いる保護剤には、両親媒性有機化合物の他に、疎水性有機物を混合していることが好ましい。疎水性有機物を混合することにより、保護剤バーにしなやかさが付与さるとともに、両親媒性有機物が像担持体表面全体に付着しやすくなるような役目を担う。また、疎水性有機物は、一般に柔らかいため、保護剤バーは鉛筆硬度で5Bよりも柔らかい状態を維持できるようになるため、保護剤バーにブラシを擦り付けても、保護剤の粒子はほとんど発生せず、ブラシの先端に保護剤が移行しやすくなり好ましい。
本発明の画像形成装置に用いる保護剤バーとしては、疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)との重量比が10/90〜97/3、好ましくは、20/80〜90/10である。
疎水性有機物の含有量が10重量%以下では、保護剤バーがもろくなり、保護剤バーにブラシを擦り付けると保護剤の粒子が多数発生しやすく、また感光体全面に保護剤が膜状に付着し難く好ましくない。両親媒性の有機物の含有量が3重量%以下では、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力が大きくなり好ましくない。特に、疎水性有機物は帯電のエネルギーにより酸化分解して、イオン導電性物質となり潜像がボケてしまうことが多いが、両親媒性有機物が3重量%以上含有していれば、疎水性有機物が酸化分解してイオン導電性物質となったとしても、そのイオン導電性物質を両親媒性有機物が包み、導電性を付与できなくするため、ボケの発生は非常に少なくなる。
本願発明の画像形成装置に用いる保護剤中の疎水性有機物としては、重量平均分子量Mw基準で、350〜850であることが好ましく、400〜800であることが更に好ましい。
具体的には、疎水性有機化合物の例としては、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素類の他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリパーフルオロアルキルエーテル(PFA)、パーフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂やフッ素系ワックス類、ポリメチルシリコーン、ポリメチルフェニルシリコーン等のシリコーン樹脂やシリコーン系ワックス類等が挙げられるが、これに限るものではないが、特に脂肪族飽和炭化水素が、両親媒性の有機化合物との相溶性が高く、両親媒性の有機化合物を感光体全面に膜状に付着させることができ、経済的にも安価であるため、非常に好ましい。
従来、脂肪族飽和炭化水素はトナー中に含まれており、脂肪族飽和炭化水素が感光体上に付着することは、所謂ワックスフィルミングと呼ばれ、異常画像を発生させるものとして、脂肪族飽和炭化水素が感光体に付着しないような、工夫を講じていた。
しかし、両親媒性の有機化合物と混合して用いることで、両親媒性の有機化合物の延展し難い欠点を補いながら、感光体に付着しても異常画像を発生しないことは、新しい発見である。
脂肪族飽和炭化水素としては、分子内の結合が、反応性が低く安定した飽和結合のみからなる、脂肪族飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素が好ましく、中でもノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびシクロパラフィンが、付加反応が生じ難く化学的に安定であり、実使用の大気中で酸化反応を生じにくいため、経時安定性の面で好ましく用いられる。
更にまた、疎水性有機化合物がノルマルパラフィンを含むことにより、両親媒性の有機化合物(B)中の親油性部位と緩やかな相互作用が行われ、像担持体保面に形成した保護剤層を常にリフレッシュしつつ使用することができ、保護層内に逆ミセルの状態で存在する劣化物の除去性が確実なものとなるため、より好ましい。
また、前述のように像担持体表面に形成された保護剤層は電気的ストレスに曝され、劣化するため、疎水性有機化合物(A)の分子量が小さすぎると、十分な保護効果が発現しなくなることがある。
また一方で、疎水性有機化合物(A)の分子量が大きすぎると、保護層形成時に十分な延展性が得られず、像担持体上に保護剤成分が粉粒体となって付着し被覆層を形成しないことがある。このような状態では、疎水性有機化合物(A)の像担持体保護への寄与は小さく、像担持体の保護は、表面に吸着した両親媒性の有機化合物(B)負うところとなる。
疎水性有機化合物(A)の分子量としては、重量平均分子量Mw基準で、350〜850であることが好ましく、400〜800であることが更に好ましい。
また、前記像担持体保護剤中で、疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機化合物(B)が完全固溶状態になっていると、保護剤の劣化成分が両親媒性の有機化合物(B)中へ、取り込まれ難くなることあるため、疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機化合物(B)は、一方が他方に分散した状態または部分固溶した状態であることが好ましい。このような状態は、疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機化合物(B)の吸熱ピーク温度の差を大きく取り、固化する温度に差を設けることにより、制御性良く実現することができるため、前記像担持体保護剤は、40〜70℃の範囲および80℃〜130℃の範囲に、少なくとも1ずつの吸熱ピーク温度を有することが好ましいものである。
また、保護剤分子の末端部分の結合が切断されて劣化した場合には、末端部分は低分子量となるため、帯電領域のエネルギー等によって気化し、その大部分は気流によって画像形成系外に排出される。気化した劣化保護剤成分のうち、比較的分子量が大きめで、周辺部材の温度で凝縮するものは、帯電部材等へ付着または吸着することがあるが、これらの低分子量成分は、引き続き行われる帯電過程で容易に分解され、他の低分子量成分と同様に、画像形成系外へ排出されるため、周辺部材への経時的な蓄積は、ほとんど発生しない。
従って、例えば、金属元素を含む潤滑剤成分等が分解、酸化して、金属酸化物となり、帯電部材に蓄積して汚染し、高抵抗化するような不具合は、本発明の像担持体保護剤の使用により、解消することができる。
劣化した像担持体保護剤は、通常のクリーニング機構により、像担持体に残存したトナー等の他成分と共にクリーニング機構により除去される。クリーニング機構は、上述の保護層形成機構と兼用にしても良いが、像担持体表面残存物を除去する機能と、保護層を形成する機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがあるため、機能を分離し、図1のように像担持体保護剤供給部より上流側に、クリーニング部材41、クリーニング押圧機構42などにより成るクリーニング機構4を設けることが好ましい。
保護層形成機構に用いるブレードの材料は、特に制限されるものではなく、例えばクリーニングブレード用材料として一般に公知の、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体を、単独またはブレンドして使用することができる。また、これらのゴムブレードは、像担持体との接点部部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理しても良い。また、弾性体の硬度を調整するために、他の有機フィラーや無機フィラーに代表される充填材を分散しても良い。
これらのブレードは、ブレード支持体に、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。ブレード厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく使用でき、1〜3mm程度であれば更に好ましく使用できる。
また、支持体から突き出し、たわみを持たせることができるクリーニングブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく使用でき、2〜10mm程度であれば更に好ましく使用できる。
保護層形成用ブレード部材の他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要によりカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施して用いても良い。
弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることができるが、これに限定されるものではない。
保護層形成機構で像担持体を押圧する力は、像担持体保護剤が延展し保護層や保護膜の状態になる力で十分であり、線圧として5gf/cm以上80gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以上60gf/cm以下であることがより好ましい。
また、ブラシ状の部材は保護剤供給部材として好ましく用いられるが、この場合、像担持体表面への機械的ストレスを抑制するためにはブラシ繊維は可撓性を持つことが好ましい。
可撓性のブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用する事ができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などの内、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
保護剤供給部材の支持体には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状の供給部材としては、例えばブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシとしたものがある。ブラシ繊維は繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり1.5×107〜4.5×108本)のものが好ましく用いられる。
保護剤供給部材は、供給の均一性やその安定性の面から、極カブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
また、ブラシ表面には必要に応じてブラシの表面形状や環境安定性などを安定化することなどを目的として、被覆層を設けても良い。被覆層を構成する成分としては、ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分を用いることが好ましく、これらは、可撓性を保持し得る材料であれば、何ら限定される事無く使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル,ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂や、これらの複合樹脂等が挙げられる。
図2は本発明の保護層形成装置を用いたプロセスカートリッジ構成例の概略を説明するための断面図である。
図2において像担持体である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、像担持体保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与機構23、保護層形成機構24等から主に構成される。
また、感光体ドラム1は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材41により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
図2では、クリーニング部材は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
クリーニング機構により、表面の残留トナーや劣化した像担持体保護剤が取り除かれた像担持体表面へは、保護剤供給部材22から、像担持体保護剤21が供給され、保護層形成機構24により皮膜状の保護層が形成される。この際、像担持体表面のうち電気的ストレスにより親水性が高くなっている部分に対して、本発明で使用する像担持体保護剤は、より良好な吸着性を持つため、一時的に大きな電気的ストレスが掛かり、像担持体表面が部分的に劣化をし始めても、保護剤の吸着により像担持体自身の劣化の進行を防ぐことができる。
保護層が形成された感光体ドラム1は、帯電後、レーザーなどの露光によって静電線像が形成され、現像装置5により現像されて可視像化され、プロセスカートリッジ外の転写ローラ6などにより、転写媒体7へ転写される。
図3は、本発明の保護層形成装置を具備する画像形成装置100の一例を示す断面図である。
図3において、ドラム状の像担持体1の周囲に、保護層形成装置2、帯電装置3、潜像形成装置8、現像装置5、転写装置6、およびクリーニング装置4が配置され、以下の動作で画像形成が行なわれる。
画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置3による像担持体1の帯電が行なわれる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、像担持体1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1は、レーザー光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1の表面を、像担持体1の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した像担持体1上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写媒体60上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの転写媒体上に、トナー像が転写される。
このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写媒体60は、像担持体1から分離され、転写像が得られる。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材41によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
画像形成装置としては、上述の現像装置が複数配置されたものを用い、複数の現像装置によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次転写材上へ転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を順次一旦中間転写媒体上に順次転写した後、これを一括して紙のような転写媒体に転写後に、同様に定着する装置であっても良い。
また、上述の帯電装置3は、像担持体表面に接触または近接して配設された帯電装置であることが好ましく、これにより、放電ワイヤを用いた、いわゆるコロトロンやスコロトロンと言われるコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することが可能となる。
しかしながら、帯電部材を像担持体表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が像担持体表面近傍の領域で行われるため、像担持体への電気的ストレスが大きくなりがちである。本発明の像担持体保護剤を用いた保護層形成装置を用いることにより、長期間に渡り像担持体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
次に、本発明において好適に用いられる感光体について説明する。
本発明の画像形成装置に用いる感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
感光体の導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mm、好ましくは、24〜100mm、さらに好ましくは28〜70mmのものを用いることができる。ドラム状の支持体の直径が20mm以下では、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの
各工程を配置することが物理的に難しく、ドラム状の支持体の直径が150mm以上では画像形成装置が大きくなってしまい好ましくない。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下、好ましくは60mm以下であることが好ましい。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
本発明の画像形成装置に用いる感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示することができる。
本発明の画像形成装置に用いる感光体の電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生物質は一種あるいは多種混合して使用することができる。下引層は、一層であっても、複数の層で構成しても良い。
本発明の画像形成装置に用いる感光体の電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは多種を混合して使用することができる。
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは多種と結着樹脂の混合物を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。
酸化防止剤としては、例えば以下のものが使用される。
モノフェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
ビスフェノール系化合物 2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
表面層は前述のように、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため設けられる。
表面層としては、感光層よりも機械的強度の高い高分子、高分子に無機フィラーを分散させたものが例示できる。表面層に用いる高分子は、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子、何れの高分子であっても良いが、熱硬化性高分子は機械的強度が高く、クリーニングブレードとの摩擦による磨耗を抑える能力が極めて高いためたいへん好ましい。表面層は薄い膜厚であれば、電荷輸送能力を有していなくても支障はないが、電荷輸送能力を有しない表面層を厚く形成すると、感光体の感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇を引き起こしやすいため、表面層中に前述の電荷輸送物質を含有させたり、保護層に用いる高分子を電荷輸送能力を有するものを用いることが好ましい。感光層と表面層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により保護層が磨耗し、消失すると、すぐに感光層は磨耗していってしまうため、表面層を設ける場合には、表面層は十分な膜厚とすることが重要であり、0.01〜12μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜8μmとすることが好ましい。表面層の膜厚が0.1μm以下では、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の磨耗が進んでしまうため好ましくない。表面層の膜厚が12μm以上では、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうため好ましくない。
表面層に用いる高分子としては、画像形成時の書き込み光に対して透明で、絶縁性、機械的強度、接着性に優れた物が望ましく、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの高分子は熱可塑性高分子であっても良いが、高分子の機械的強度を高めるため、多官能のアクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等を持つ架橋剤により架橋し、熱硬化性高分子とすることで、表面層の機械的強度は増大し、クリーニングブレードとの摩擦による磨耗を大幅に減少させることができる。
前述のように、表面層には電荷輸送能力を有していることが好ましく、表面層に電荷輸送能力を持たせるためには、表面層に用いる高分子と前述の電荷輸送物質を混合して用いる方法、電荷輸送能力を有する高分子を表面層に用いる方法が考えられ、後者の方法が、高感度で露光後電位上昇、残留電位上昇が少ない感光体を得ることができ好ましい。
電荷輸送層能力を有する高分子としては、高分子中に電荷輸送能力を有する基;化学式(2)を例示することができる。
Figure 2008112156
(Ar1は置換もしくは未置換のアリーレン基を表わす。Ar2、Ar3は置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。)
この電荷輸送能力を有する基は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の機械的強度の高い高分子の側鎖に付加することが好ましく、モノマーの製造が容易で、塗工性、硬化性にも優れるアクリル樹脂を用いることが好ましい。
電荷輸送能力を有するアクリル樹脂は、化学式(2)の基を有する不飽和カルボン酸を重合させることにより機械的強度が高く、透明性にも優れ、電荷輸送能力も高い表面層を形成することができ、単官能の化学式(2)の基を有する不飽和カルボン酸に多官能の不飽和カルボン酸、好ましくは3官能以上の不飽和カルボン酸を混合することで、アクリル樹脂は架橋構造を形成し、熱硬化性高分子となり、表面層の機械的強度は極めて高いものとなる。多官能の不飽和カルボン酸に、化学式(2)の基を付加しても良いが、モノマーの製造コストが高くなってしまうため、多官能の不飽和カルボン酸には、化学式(2)の基を付加せず、通常光硬化性多官能モノマーを用いることが好ましい。
化学式(2)の基を有する単官能不飽和カルボン酸をしては、化学式(3)、化学式(4)を例示することができる。
Figure 2008112156
Figure 2008112156
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。
Ar3、Ar4は置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
多官能の不飽和カルボン酸の割合は表面層全体の、5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは、20〜60重量%である。多官能不飽和カルボン酸の割合が5重量%以下では、表面層の機械的強度が不十分であり、75%以上では、表面層に強い力が加わったときにクラックが発生しやすく、感度劣化も生じやすいため好ましくない。
表面層にアクリル樹脂を用いる場合には、上記不飽和カルボン酸を感光体に塗工後、電子線照射あるいは、紫外線等の活性光線を照射してラジカル重合を生じさせ、表面層を形成することができる。活性光線によるラジカル重合を行う場合には、不飽和カルボン酸に光重合開始剤を溶解したものを用いる。光重合開始剤は通常、光硬化性塗料に用いられる材料を用いることができる。
表面層中には表面層の機械的強度を高めるために金属、又は金属酸化物の微粒子を分散させることができる。金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
本発明の像担持体は、感光体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に転写媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写媒体であってもよい。
中間転写媒体としては、体積抵抗105〜1011Ω・cm の導電性を示すものが好ましい。表面抵抗が105Ω/□を下回る場合には、感光体から中間転写媒体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1011Ω/□を上回る場合には、中間転写媒体から紙などの転写媒体へトナー像を転写した後に、中間転写媒体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
中間転写媒体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独または併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写媒体を得ることもできる。
中間転写媒体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料のうち、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
次に、本発明において好適に用いられるトナーについて説明する。
まず、本発明のトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、次の式1により得られた値を円形度と定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度=粒子投影面積と同じ円の周囲長/粒子投影像の周囲長・・・(式1)
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。
トナー粒子に角がないため、現像装置内での 現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。
ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。
トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
次に、円形度の測定方法について説明する。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
また本発明では、トナーの重量平均径D4が3〜10μmであることが好ましい。
この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。
重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また本発明のトナーは、重量平均径D4と個数平均径D1の比(D4/D1)が1.00〜1.40であることが好ましい。(D4/D1)の値が1に近づくほど、そのトナーの粒度分布がシャープであることを意味する。
よって、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。
トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。
トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密に、かつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均径D4、個数平均径D1を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
また、このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーが好ましい。この反応で製造されたトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセットの少なくすることができ、定着装置の汚れとなって、それが画像上に表れるのを抑えることができる。
トナー作成に使用できる変性ポリエステル系樹脂から成るプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられ、また、該プレポリマーと伸長または架橋する化合物としては、アミン類(B)が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
これらの反応により、本発明のトナーに用いられる変性ポリエステル、中でもウレア変性ポリエステル(i)が作成できる。これらウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
また、本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本発明において、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの高温保管時のブロッキングが悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。結着樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。結着樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温
定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
結着樹脂は以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
また、本発明に用いるトナーは概ね以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分
散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温な方が、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモニウムべタインなどの両性界面
活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3ー[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕ー1ーアルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3ー[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)一Nーエチルアミノ]ー1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、NープロピルーN一(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)ーNーエチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンSー111、S−112、Sー113(旭硝子社製)、フロラードFCー93、FCー95、FCー98、FCーl29(住友3M社製)、ユニダインDS一101、DSーl02、(タイキン工莱社製)、メガファックFーll0、Fーl20、F一113、Fー191、Fー812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF一102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6一C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンSーl21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDSー202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF一300(ネオス社製)などが挙げられる。
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、αーシアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β一ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシプロビル、メタクリル酸β一ヒドロキシプロピル、アクリル酸γーヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ一ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3ークロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル
酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、中でもトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除く
ことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
また、該トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独あるいは混合して用いることができる。
更に、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併用することもできる。
また、本発明で用いられるトナー中の着色剤の個数平均径は0.5μm以下であることが望ましく、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下が望ましい。
トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。
0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び彩かさが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起
こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下である事が好ましく、5個数%以下である事が、より好ましい。
また、着色剤を結着樹脂の一部もしくは全部と共に、予め湿潤液を加えた上で混練しておく事により、初期的に結着樹脂と着色剤が十分に付着した状態となって、その後のトナー製造工程でのトナー粒子中における着色剤分散がより効果的に行なわれ、着色剤の分散粒径が小さくなり、一層良好な透明性を得る事ができる。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤や水が、着色剤の分散性の面から好ましい。
中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から、一層好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。
この他、本発明の構成をとる限り、トナー中に結着樹脂や着色剤とともにワックスに代表される離型剤を含有させることもできる。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。これら離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
また、トナー帯電量及びその立ち上がりを早くするために、トナー中に、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。ここで、電荷制御剤として有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色、白色に近い材料が好ましい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR
、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
また、トナー製造過程で水系媒体中にトナー組成物を分散させるに際して、主に分散安定化のための樹脂微粒子を添加してもよい。
使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
更に、トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
これらのトナーを用いることにより、上述の如く、現像の安定性に優れる、高画質なトナー像を形成することができる。しかしながら、転写装置にて転写媒体もしくは中間転写媒体に転写されず、像担持体上に残存してしまったトナーは、その微細さや転動性の良さのために、クリーニング装置による除去が困難で通過してしまうことがある。トナーを像担持体から完全に除去するには、例えばクリーニングブレードのようなトナー除去部材を像担持体に対して強力に押しつける必要がある。この様な負荷は、像担持体やクリーニング装置の寿命を短くするだけでなく、余計なエネルギーを使用してしまうことになる。
像担持体に対する負荷を軽減した場合には、像担持体上のトナーや小径のキャリアの除去が不十分となり、これらはクリーニング装置を通過する際に、像担持体表面を傷つけ、画像形成装置の性能を変動させる要因となる。
本発明の画像形成装置は、前述の如く、像担持体表面状態の変動、特に低抵抗部位の存在に対しての許容範囲に優れ、像担持体への帯電性能変動等を、高度に抑制した構成であるため、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を、長期にわたって安定して得ることができるものである。
また、本発明の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成のトナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、装置寿命を大幅に延ばすことは言うまでもない。
このような、粉砕法のトナーを構成する材料としては、通常、電子写真用トナーとして使用されるものが、特に制限なく、適用可能である。
該トナーに使用される一般的な結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
また、上述の事由により、帯電部材の被覆層に含まれる前記トナーの結着樹脂を構成する樹脂成分と同じものは、線状ポリエステル樹脂組成物、線状ポリオール樹脂組成物、線状スチレンアクリル樹脂組成物、またはこれらの架橋物の内、少なくとも一種を好ましく用いることができる。
粉砕法のトナーでは、これらの樹脂成分と共に、前述のような着色剤成分、ワックス成分、電荷制御成分等を、必要により前混合後、樹脂成分の溶融温度近傍以下で混練して、これを冷却後、粉砕分級工程を経て、トナーを作成すれば良く、また、必要により前述の外添成分を、適宜、添加混合すれば良い。
これより、実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例においては図1において符号21で示した保護剤バーを対象としているが、製造内容が異なることを考慮して、以下には符号21をつけずに類別の符号を付けることを前置きしておく。
(保護剤バー1の製造方法)
ノルマルパラフィン(平均分子量640)を69重量部、モノステアリン酸ソルビタン
(HLB:5.9)を31重量部を蓋付きのガラス製容器に入れ、120℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した。
予め83℃に加熱した内寸法12mm×8mm×350mmのアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した保護剤処方1組成物を流し込み、50℃まで室温雰囲気で放冷後、温度設定をした恒温槽にて60℃まで再加熱して、その温度で20分間保持し、その後、室温まで放冷した。
冷却後、固形物を型から外し、長手方向の両端を切断し、底面を切削して7mm×8mm×310mmの保護剤バーを作成した。保護剤バーの底面に両面テープを貼り付け金属製支持体に固定した。
この保護剤バー表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーは、6Bよりも柔らかいことが分かった。
この保護剤バー10mg採取し、吸熱ピークを示差熱分析計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定したところ、53℃と88℃に吸熱ピークが得られた。
(保護剤バー2の製造方法)
保護剤バーの製造方法1において、FT115(日本精蝋製 合成ワックス)を39重量部、トリステアリン酸ソルビタン(HLB:15)を61重量部を用いる以外は、保護剤バーの製造方法1と同様に保護剤バーを作製した。
この保護剤バー表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーは、6Bよりも柔らかいことが分かった。
この保護剤バー10mg採取し、吸熱ピークを示差熱分析計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定したところ、56℃と95℃に吸熱ピークが得られた。
(保護剤バー3の製造方法)
保護剤バーの製造方法1において、ノルマルパラフィン(平均分子量640)を75重量部、モノステアリン酸グリセリル(HLB:3.5)を25重量部を用いる以外は、保護剤バーの製造方法1と同様に保護剤バーを作製した。
この保護剤バー表面を6Bの鉛筆で引っかいたところ、スジが生じたため、この保護剤バーは、6Bよりも柔らかいことが分かった。
この保護剤バー10mg採取し、吸熱ピークを示差熱分析計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定したところ、53℃と88℃に吸熱ピークが得られた。
(保護剤バー4の製造方法)
保護剤バー1の製造方法において、保護剤にステアリン酸亜鉛のみを用い、蓋付きのガラス製容器にステアリン酸亜鉛を入れ、165℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融する以外は同様にして保護剤バーを作製した。この保護剤バーを4Bの鉛筆で引っかいたところ、保護剤バーにはスジが起こらなかったが、2Bの鉛筆で引っかくとスジが生じた。即ち、この保護剤バー表面の硬さは鉛筆硬度4B〜2Bの間であることが分かった。
(実施例1、2、3、比較例4)
直径30mmのアルミニウムドラム(導電性支持体)上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を、その順に塗布して後、乾燥し、3.6μmの下引き層、約0.14μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層、約3.5μmの保護層からなる感光体を作製した。このとき、保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。保護層には、電荷輸送層に、平均粒径0.18μmのアルミナを23.8質量%添加した処方のものを用いた。
imagio Neo C385(タンデム型カラー画像形成装置、リコー製)の図4に示すような構成のブラック用感光体ユニットに作製した感光体及び保護剤バー1、2、3、4をそれぞれセットし、4種類の感光体ユニットを用意した。次に、感光体ユニットを画像形成装置に組み込まず、帯電も行わない状態で、感光体を130rpmで10分回転させて保護剤の塗布のみをおこなった。
保護剤バー1の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、1.5μm以上の保護剤の粒は1mm2当たり5個であった。
保護剤バー2の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、1.5μm以上の保護剤の粒は1mm2当たり12個であった。
保護剤バー2の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、1.5μm以上の保護剤の粒は1mm2当たり7個であった。
保護剤バー4の保護剤塗布後の帯電手段直下における感光体の表面を電子顕微鏡を用いて観察したところ、1.5μm以上の保護剤の粒は1mm2当たり589個であった。
保護剤バー1の保護剤塗布後の保護剤を供給するブラシ直下における感光体の表面を電
子顕微鏡を用いて観察したところ、1.5μm以上の保護剤の粒は7個であった。
保護剤バー1の保護剤塗布後の感光体について、感光体表面の付着物をKBrで掻き取り、KBr法により、FT−IRで分析したところ、ノルマルパラフィンおよびモノステアリン酸ソルビタン由来のピークが検出されたことから、保護剤バー1の保護剤が感光体上に存在することが確認された。
以上の観察および分析の後、感光体ユニットを画像形成装置に組み込まず、図4の構成のまま、帯電ローラに直流電圧−600V、交流電圧Peak−to−Peakで1250V、周波数900Hzを印加しながら、感光体を130rpmで2時間回転させた。
それぞれの感光体ユニットをimagio Neo C385のブラックステーションにセットし、順にブラックのハーフトーン画像を出力した。保護剤バー1〜3を用いたユニットから出力した画像は高画質な画像であった。保護剤バー4を用いた感光体ユニットから出力した画像はスジ状の異常画像であった。
(実施例4、比較例2)
imagio Neo C385のすべてのステーションを図1の構成になるように改
造し、ブラックステーションに保護剤バー1をセットした。シアンのステーションには、保護剤バー4をセットして、画像面積が5%のカラーチャートを、5枚ずつ、計50000枚画像形成した。
ブラックのハーフトーン画像を出力したところ、高画質の画像が得られた。
シアンのハーフトーン画像を出力したところ、スジ状の異常画像が見られた。
(実施例5、6)
実施例4において、ブラックステーションに保護剤バー2をセットし、シアンステーションに保護剤バー3をセットし、画像面積が5%のカラーチャートを、5枚ずつ、計50000枚画像形成した。
ブラックおよびシアンのハーフトーン画像を出力したところ、いずれも高画質の画像が得られた。
本発明による保護剤バーによる保護層形成に用いられる構成を示す図である。 図1に示した画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを説明するための図である。 図1に示した保護層形成装置が適用される画像形成装置の一例を示す図である。 本発明実施例における保護剤バーの作用を説明するための図である。 潤滑剤として、粒径や円形度などの指標を用いることができる状態が得られる特定形状を用いた場合を示す図である。 潤滑剤として、図5に示した特定形状とは異なり、指標を用いることができない特定形状を有しないものを用いた場合を示す図である。
符号の説明
1 潜像担持体
2 保護層形成装置
3 帯電装置
21 保護剤バーに相当する像担持体保護剤
22 ブラシ

Claims (13)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電可能な帯電手段を備え、一様帯電された潜像担持体に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理した後、可視像とされたトナー像を被転写体に転写した後、前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニング装置により除去する手段と、前記潜像担持体にブラシを用いて保護剤を供給する手段を具備した画像形成装置であって、
    前記保護剤バーおよび前記潜像担持体の両方に該ブラシは接触しており、
    前記保護剤バーとの接触によりブラシ先端に不定形で付着した保護剤を、ブラシの回転により前記潜像担持体に接触させ供給し、保護剤が基本的に潜像担持体に不定形で供給されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記潜像担持体の周面で前記帯電手段直下での前記保護剤は、1.5μm以上の保護剤を含む場合にはその保護剤の個数が、1mm当たり50個以下であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    前記帯電手段は、前記潜像担持体に当接もしくは近接対向する帯電ローラを備え、該帯電ローラに対して直流電圧と交流電圧とを重畳して印加することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記潜像担持体には、予め画像形成に先立ち、保護剤が塗布されることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記保護剤は、前記潜像担持体に対する画像形成処理に用いられる帯電手段をはじめとして接触対向する装置が非接触な状態で塗布されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる保護剤バーであって、
    表面の鉛筆硬度が5Bより柔らかい硬度に設定されていることを特徴とする保護剤バー。
  7. 請求項6記載の保護剤バーであって、
    50〜130℃に少なくとも一つの吸熱ピークを有する材料が用いられることを特徴とする保護剤バー。
  8. 請求項6または7に記載の保護剤バーであって、
    該バー内の保護剤中に両親媒性(親水性と疎水性)の有機物を含有することを特徴とする保護剤バー。
  9. 請求項8に記載の保護剤バーであって、
    両親媒性の有機物のHLB値(界面活性剤の水と油の親和性を示す値:Hydrophile−Lipophile・Balance)が1.0〜6.5に設定されていることを特徴とする保護剤バー。
  10. 請求項8または9に記載の保護バーであって、
    両親媒性の有機物が非イオン系界面活性剤であることを特徴とする保護剤バー。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載の保護剤バーであって、
    両親媒性の有機物および疎水性の有機物を含有することを特徴とする保護剤バー。
  12. 請求項11に記載の保護剤バーにおいて、
    疎水性の有機物としてパラフィンを含むことを特徴とする保護剤バー。
  13. 請求項8乃至12のいずれかに記載の保護剤バーにおいて、
    疎水性有機化合物(A)と両親媒性の有機物(B)との重量比が10/90〜97/3とされていることを特徴とする保護剤バー。
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