JP2008111311A - 電気式扉施解錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不正解錠の防犯対策を施しても扉の組付性を確保することができ、しかも扉の開き方向にかかわらず電気錠の部品種類を少なく抑えることができる電気式扉施解錠装置を提供する。
【解決手段】扉1がハンズフリーシステムやリモートコントロールキーシステムで施解錠が行われる場合、この種の扉1には電動サムターン19が設けられる。電動サムターン19の電気駆動モータとしては、ステッピングモータ21等の制御モータを用いる。この種の制御モータは回転位置制御機能を持つことから、電動サムターン19にステッピングモータ21を用いれば、ツマミ20の回転位置制御が可能である。よって、電動サムターン19はそのツマミ20が解錠位置を基準として軸心回りに沿って左右両側に回動する構造をとり、左開き式扉と右開き式扉の両方で共用される。
【選択図】図3
【解決手段】扉1がハンズフリーシステムやリモートコントロールキーシステムで施解錠が行われる場合、この種の扉1には電動サムターン19が設けられる。電動サムターン19の電気駆動モータとしては、ステッピングモータ21等の制御モータを用いる。この種の制御モータは回転位置制御機能を持つことから、電動サムターン19にステッピングモータ21を用いれば、ツマミ20の回転位置制御が可能である。よって、電動サムターン19はそのツマミ20が解錠位置を基準として軸心回りに沿って左右両側に回動する構造をとり、左開き式扉と右開き式扉の両方で共用される。
【選択図】図3
Description
本発明は、電気式に扉錠の施解錠を行うことが可能な電気式扉施解錠装置に関する。
近年、住宅等の扉においては、メカニカルキーを扉の鍵穴に挿し込んで回す操作により施解錠を行うシリンダ錠ではなく、施解錠作業の利便性を高めることを目的として、扉施解錠要求を無線発信する電子キーを用いた無線通信で扉施解錠が可能なものが普及してきている。この種の電気式扉施解錠装置では、デッドボルトの押し出しや引き込みに電動サムターンが使用されている。電子キーからキーIDコードを含む施解錠要求が発信されると、このキーIDコードが住宅側に登録されたコードであれば、電動サムターンが自身のモータによりデッドボルトを押し出したり引き戻したりすることで、デッドボルトを扉枠に係止又は非係止とすることを以て扉の施解錠を切り換える。
ところで、扉施解錠作業の利便性向上もさることながら、第三者による扉の不正解錠を防ぐために、その防犯性についても確保する必要がある。ここで、扉施解錠の防犯について考えた場合、この種の電気式扉開閉装置においては、例えば扉を破壊して電動サムターンの端子を外部に露出させ、そこに通電を直接行うことにより、電動サムターンのモータを回して不正に扉が解錠されてしまうことも考えられる。そこで、例えば特許文献1等では、扉の内部を鉄板等で強固に覆うことにより、簡単に扉が破壊されないような対策をとることで、電動サムターンへの勝手な電源直結を防ぐ対処方法がとられている。また、この電動サムターンを駆動制御する制御コントローラと電動サムターンとを接続する配線部分も、同様の理由から鉄板で強固に覆う必要がある。
特開2005−188083号公報
しかし、防犯対策として扉内部に鉄板を設ける構造を用いた場合、扉が電動サムターンや制御コントローラの取り付け部位で鉄板の板厚分だけ幅厚になり、しかも鉄板の分だけ扉の総重量も重くなることから、扉を住宅の壁などに組み付ける際の設置作業やその組み付け位置に制限が多くなり、総じて扉の組付性がよくない問題があった。特に、扉が薄型の場合には、防犯対策として鉄板を使おうとしても、この種の薄型扉においては鉄板を含む扉厚を許容できないことから、薄型扉では鉄板を用いた防犯対策を講じることができない現状もある。
また、制御コントローラの取り付け位置は、その配線保護のために電動サムターンの近くを配置位置とする必要がある。即ち、電動サムターンを鉄板で覆ったとき、電動サムターンと制御コントローラとを繋ぐ配線もこの鉄板に隠れるようにするために、制御コントローラを電動サムターンの近くに配置する配置関係がとられることになる。しかし、防犯対策として扉に鉄板を設けると、この鉄板により制御コントローラの配置スペースに影響が出ることもあり、制御コントローラを電動サムターンの近くに配置しようとしても、これができない可能性もあった。
ところで、電動サムターンには、室内側から手動で施解錠操作ができるように手動操作用のツマミが設けられ、このツマミを解錠位置から施錠位置に回すとデッドボルトが押し出されて扉が解錠状態となり、ツマミを施錠位置から解錠位置に回すとデッドボルトが引き込まれて扉が解錠状態となる。電動サムターンが電子キーとの間の無線通信で施解錠が切り換わるとき、電動サムターンのツマミはこの時のモータの回転に伴って連れ回りする動作をとる。また、モータの種類の中には直流モータがあり、この種の直流モータは回転位置制御機能を持っていないことから、直流モータで部品を動かす場合においてはその可動部品の位置制御は行えない特性を持つ。
ここで、電動サムターンのモータとしてはコスト等の面から直流モータを用いることが多いが、このように電動サムターンに直流モータを用いたとすると、直流モータには位置制御ができる特性はないことから、モータの回転に連れ回りするツマミは、施錠位置と解錠位置との2位置間のみ回動可能であって、それ以上は回らない構造をとらざるを得ない。このため、右開き扉と左開き扉とではツマミの回転方向が異なることから、電動サムターンは右扉用と左扉用とで各々用意する必要が生じ、部品点数及び部品コストの増加や、部品管理の手間などの問題も生じていた。
本発明の目的は、不正解錠の防犯対策を施しても扉の組付性を確保することができ、しかも扉の開き方向にかかわらず電気錠の部品種類を少なく抑えることができる電気式扉施解錠装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、手動操作で摘み部を施錠位置に回動操作すると扉と扉枠との間に設けた係止部材が引き出されて扉が施錠状態となり、前記摘み部を手動操作で解錠位置に回動操作すると前記係止部材が引き込まれて前記扉が解錠状態となり、前記手動操作以外の操作として電気駆動手段の駆動力で前記係止部材の出し引きを行うことにより前記扉の施解錠が可能な電気式扉施解錠装置において、パルス信号で駆動される制御モータを前記電気駆動手段として用い、前記摘み部を1つの解錠位置に対して2つの施錠位置若しくは1つの施錠位置に対して2つの解錠位置を取り得るように形成したことを要旨とする。
この構成によれば、扉錠を電気錠とする本構成のような場合において、係止部材の出し引きを行う際の電気錠の電気駆動源に、パルス信号で駆動される制御モータを使用している。ところで、この種の制御モータはパルス信号を供給しないと回転しないことから、ただ単に商用電源や電池等で電源直結しただけでは制御モータは回らないことになる。このため、例えば第三者が不正な扉解錠を目的に制御モータに電源直結を行っても、これでは制御モータが回転しないことから、施錠状態の扉が解錠状態にならずに済み、扉不正解錠に対する防犯性が確保される。
ところで、電源直結による扉不正解錠の対策として、電気駆動手段の近傍を鉄板で覆うことも考えられるが、この方法を用いると、扉の板厚が増えたり或いは扉重量が重くなったりして、扉を扉枠に組み付ける際にその作業が行い難い問題が生じる。しかし、本構成のように電気錠の電気駆動手段として制御モータを用いれば、電気駆動手段付近を鉄板で強固に覆うなどの方法を用いなくても、第三者による扉不正解錠に対する防犯性を確保することが可能となる。よって、防犯対策として鉄板を用いていた際に生じていた扉厚増や扉重量増に起因する扉の組付性悪化の問題は生じず、扉不正解錠に対する防犯性を確保しつつ、その時の扉の組付性についても確保することが可能となる。
また、この種の制御モータには、入力したパルス信号のパルス数に応じたステップ量だけ回転する特性があることから、制御モータを電気錠の駆動源として用いた場合、制御モータへの出力パルス数を管理すれば、摘み部の正確な回転位置制御が可能である。このため、本構成においては、係止部材が解錠状態から施錠状態になり得る、或いは施錠状態から解錠状態になり得るだけのパルス数のパルス信号を制御モータに送って扉の施解錠を切り換える動作をとれば、扉施解錠時において摘み部が施錠位置や解錠位置にほぼ正確に停止するように制御することが可能となる。
ところで、今まで一般的に使用されてきた位置制御機能のない直流モータ等を駆動源とした場合、この種の直流モータでは正確な位置制御ができないことから、直流モータで摘み部が回った際に施錠位置や解錠位置から更に奥側へ回動してしまうことを規制する回り止めを摘み部に施す必要がある。また、扉には右開き式や左開き式があるが、これら扉においては、摘み部を回して手動操作で扉施解錠を行う際の摘み部の回動方向が各々異なる。よって、仮に摘み部に回り止めが必要となると、右開き式扉と左開き式扉の各々で専用の電気錠を用意する必要が生じる。
しかし、本構成のように正確な位置制御ができる制御モータを電気錠の駆動源として用いれば、摘み部を所望位置でほぼ正確に停止させることが可能となることから、摘み部に回り止めを有しない電気錠を用いても、扉施解錠時において摘み部を施錠位置や解錠位置でほぼ正確に停止させることが可能となる。よって、扉が右開き式や左開き式に拘わらず、これらの間で電気錠を共用することが可能となり、扉製造に際して用意する電気錠の部品種類が少なく済む。以上により、扉不正解錠の防犯対策を講じても扉の組付性を確保することが可能で、しかも扉の開き方向に拘わらず電気錠の部品種類を少なく抑えることが可能となる。
本発明では、前記係止部材の移動位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からの検出信号を基に、前記係止部材が前記扉を施錠状態や解錠状態にし得る位置まで移動が完了したか否かを判定する判定手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、電気式扉施解錠装置が電気駆動手段で扉施解錠操作を行う際、扉施錠時においては係止部材が電気駆動手段の駆動力により収納位置から突出位置に飛び出して扉が施錠状態となり、一方で扉解錠時においては係止部材が電気駆動手段の駆動力により突出位置から収納位置に引き込んで扉が解錠状態になるが、このときに係止部材が確実に突出位置や収納位置に到達しているか否かを確認することが可能となる。よって、電気式扉施解錠装置が電気駆動手段で作動する際に、その時の作動信頼性を確保することが可能となる。
本発明では、前記制御モータは、ロータ回転時においてスイッチ素子で巻線に流れる電流向きを切り換えるブラシレスモータであることを要旨とする。
この構成によれば、ブラシレスモータにはモータ回転位置を見るための素子が組み込まれているので、モータ回転位置を検出するに際しては、モータとは別部品のセンサ部品を設けてそれによってモータ回転位置を見るようなことをせずに済む。従って、例えば係止部材が確実に突出位置や収納位置に到達したことを見る場合であっても、モータ以外の他部品を用意する必要がないことから、部品点数が増加を招くことなくモータ回転位置を検出することが可能となる。
この構成によれば、ブラシレスモータにはモータ回転位置を見るための素子が組み込まれているので、モータ回転位置を検出するに際しては、モータとは別部品のセンサ部品を設けてそれによってモータ回転位置を見るようなことをせずに済む。従って、例えば係止部材が確実に突出位置や収納位置に到達したことを見る場合であっても、モータ以外の他部品を用意する必要がないことから、部品点数が増加を招くことなくモータ回転位置を検出することが可能となる。
本発明では、前記判定手段の判定結果を基に、前記制御モータに対して施錠動作や解錠動作を行い得るパルス数の前記パルス信号が前記制御モータに出力されても、前記係止部材が前記位置まで移動せずに、前記施錠状態や前記解錠状態が完了していない際は、その状況を回避し得る対処動作を行う実行手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、制御モータを駆動源に係止部材の出し引きを行った際、係止部材が正常に突出位置や収納位置に位置しないと判定された際には、その状況を回避し得る対処動作が行われる。このため、例えば電気式扉施解錠装置に作動不良が生じたり、或いは係止部材が周囲部品に引っ掛かったりした際には、その状態が解消されることになり、電気式扉施解錠装置の作動時において更なる高い信頼性を確保することが可能となる。
本発明によれば、不正解錠の防犯対策を施しても扉の組付性を確保することができ、しかも扉の開き方向にかかわらず電気錠の部品種類を少なく抑えることができる。
以下、本発明を具体化した電気式扉施解錠装置の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、住宅の玄関等の扉1には、扉施解錠を電気的に行うシステム機種の場合、モータ等の電気駆動源を動力源として作動することにより扉1の施解錠を行う電気式扉施解錠システム2が設けられている。この電気式扉施解錠システム2は、電子キー3からキー固有のキーIDコードがRF帯のキーID信号Sidとして発信された際、そのキーIDコードと住宅に登録された登録IDコードとを照らし合わせ、電子キー3のキーIDコードと住宅の登録IDコードが合致してID照合が成立すれば、扉1の施解錠動作を許可又は実行するシステムである。
図1に示すように、住宅の玄関等の扉1には、扉施解錠を電気的に行うシステム機種の場合、モータ等の電気駆動源を動力源として作動することにより扉1の施解錠を行う電気式扉施解錠システム2が設けられている。この電気式扉施解錠システム2は、電子キー3からキー固有のキーIDコードがRF帯のキーID信号Sidとして発信された際、そのキーIDコードと住宅に登録された登録IDコードとを照らし合わせ、電子キー3のキーIDコードと住宅の登録IDコードが合致してID照合が成立すれば、扉1の施解錠動作を許可又は実行するシステムである。
本例の電気式扉施解錠システム2は、電子キー3を持って扉1に近づくと扉1と電子キー3とが自動でIDコードの照合を行うハンズフリーシステムとして説明するが、これは電子キー3のボタン操作で施解錠を行うリモートコントロールキーシステムでもよい。扉1の内部には、電気式扉施解錠システムの制御コントロールユニットとして制御コントローラ4が設けられている。制御コントローラ4は、1つのユニット部品として製造されるとともに、扉1の上部寄りの位置に配置されている。なお、制御コントローラ4が、電気式扉施解錠装置、判定手段及び実行手段を構成する。
扉1の屋内側には、ハンズフリーシステムのアンテナ系部品として屋内ユニット5が設けられている。屋内ユニット5の屋内ユニットケース6の内部には、アンテナ部品がユニット化された屋内アンテナユニット7が内蔵されている。屋内アンテナユニット7は、LF帯の信号を発信可能な屋内LF発信機8(図3参照)と、RF帯の信号を受信可能な屋内RF受信機9(図3参照)とを備え、これらがケーブルを介して制御コントローラ4に接続されている。また、扉1の屋外側には、屋外用のアンテナ系部品として屋外ユニット10が設けられている。屋外ユニット10は、屋内ユニット5と同様の構造をとり、屋外ユニットケース11の内部に屋外アンテナユニット12を有するとともに屋外アンテナユニット12が屋外LF発信機13及び屋外RF受信機14(共に図3参照)から成る。
ハンズフリーシステムは、電子キー3を持って扉1に近づくと扉1の解錠を自動で行うが、施錠についてはそれを自動で行う自動モードと、手動で行う手動モードのどちらかに設定可能となっている。ハンズフリーシステムは、施錠が自動モードの時、扉1から離れると自動的に扉1を施錠し、施錠が手動モードの時、屋内ユニット5の屋外施錠ボタン15や屋外ユニット10の屋内施錠ボタン16が操作されると扉1を施錠する。
扉1には、扉1の開閉を規制する部位としてデッドボルト(かんぬき)17が設けられている。デッドボルト17は、扉1の側部でその内側に入り込んで扉1を解錠状態にする収納位置と、扉1の側部から外部に飛び出て扉1を施錠状態にする突出位置との2位置をとり得るように動く。扉1の屋外側には、メカニカルキーを挿し込んでそれを回動操作することにより、デッドボルト17の引き込み及び引き出し操作を可能とする鍵穴18が設けられている。なお、デッドボルト17が係止部材に相当する。
扉1の屋内側には、メカニカルキーを鍵穴18に挿し込んで回す操作を用いなくともデッドボルト17の引き出し及び引き込み操作を可能とする電動サムターン19が設けられている。電動サムターン19は、自身のツマミ20による手動回動操作だけでなく、自身に内蔵したステッピングモータ21(図3参照)によりデッドボルト17を出し入れ操作することが可能である。電動サムターン19をツマミ20で操作する場合、ツマミ20が縦向きの時を解錠状態とすると、その縦向きになっているツマミ20をツマミ20の軸心回り(図1の矢印A方向)に回動操作して横向きとしたとき、デッドボルト17が扉外方に飛び出て扉1が施錠状態となり、横向きになったツマミ20を元の縦向きに戻すと、デッドボルト17が扉内部に引き込まれて扉1が解錠状態となる。なお、電動サムターン19が電気式扉施解錠装置及び電気錠を構成し、ツマミ20が摘み部に相当し、ステッピングモータ21が制御モータ(電気駆動手段)を構成する。
図3に示すように、制御コントローラ4には、この制御コントローラ4を統括制御する制御ユニット22と、制御ユニット22からの指令に基づきステッピングモータ21を駆動する駆動回路23とが設けられている。制御ユニット22は、入力側が屋内ユニット5及び屋外ユニット10に接続され、出力側が駆動回路23を介して電動サムターン19のステッピングモータ21に接続されている。制御ユニット22は、扉1の施解錠を電気的に行う際、駆動回路23を介してパルス信号Spaをステッピングモータ21に供給することにより、ステッピングモータ21を駆動制御することで扉施解錠動作を行う。
ステッピングモータ21には、図4に示すようなステータ24に巻き付けられた複数相(図4は4相)から成る巻線25,25…と、ロータ26に取着された磁石27とが設けられている。ステッピングモータ21は、外部からパルス信号Spaが供給されると、決められたステップ単位でそのパルス数に応じた回転量で回転し、例えば巻線がAa相→Ba相→Ab相→Bb相の順に励磁されると正回転し、これとは逆にBb相→Ab相→Ba相→Aa相の順に励磁されると逆回転する。なお、ステッピングモータ21は、各相を1つずつ順に励磁することで回転する1相励磁や、励磁する相を2つずつにすることで高いモータトルクを得る2相励磁や、1相励磁及び2相励磁を掛け合わせた励磁パターンを用いる1−2相励磁の何れを用いてもよい。
制御コントローラ4は、電子キー3との間で無線通信(ハンズフリー又はリモートコントロールキーによる通信)により施解錠要求を受け付けた際、この無線通信においてID照合が成立すれば、ステッピングモータ21にパルス信号Spaを供給してステッピングモータ21を回転させることにより、扉1の施解錠を行う。また、制御コントローラ4は、ハンズフリーシステムの施錠が手動モードの時、各ユニット5,10の施錠ボタン15,16が操作されたことを検出すると、ステッピングモータ21にパルス信号Spaを供給してステッピングモータ21を回転させ、解錠状態の扉1を施錠状態にする。
図5〜7に示すように、電動サムターン19の外枠ケース28は、樹脂製で屋外側が開口した箱形状を成し、開口側が金属製で平板形状をなす金属体29により保護されている。外枠ケース28の内部には、電動サムターン19の駆動系各種部品が収納された駆動ユニット30が収納されている。駆動ユニット30の駆動ユニットケース31は、対を成した上蓋31a及び下蓋31bとから成り、これら上蓋31a及び下蓋31bとを組み付けることでできる内部空間に駆動系各種部品が収納されている。
ツマミ20の同一軸心位置には、略円柱形状のサムターン軸32が一体に突出形成されている。ツマミ20は、サムターン軸32が外枠ケース28、金属体29及び駆動ユニットケース31に対して挿通するとともにそれらに回動可能に支持された状態で組み付けられ、この組み付け状態においてはサムターン軸32が外枠ケース28の厚さ方向に沿う状態をとっている。ツマミ20は、金属体29側から外部に飛び出たサムターン軸32の先端にある連結ピース33を介してデッドボルト17に連結されている。
駆動ユニットケース31の内部においてサムターン軸32には、略円板形状の駆動ギア34が、サムターン軸32と同軸に、且つ一体回動可能に連結固定されている。駆動ギア34は、その外周面全域に平歯車35を有するとともに、中央部に挿通孔36が貫設されている。駆動ギア34は、挿通孔36の内周面に形成された複数の突部34aを、サムターン軸32の外周に形成された複数の凹部32aに各々係止することにより、サムターン軸32に固定されている。
駆動ギア34の平歯車35には、複数の平歯車から成る減速歯車列37を介してステッピングモータ21が連結されている。ステッピングモータ21は、回転駆動した際においてその回転力を減速歯車列37及び駆動ギア34を介してサムターン軸32(即ち、デッドボルト17)に伝達することにより、モータ回転時において出し入れされるデッドボルト17の移動トルクを確保する。ステッピングモータ21は、サムターン軸32の軸心方向に対して横になった向きで配置されている。サムターン軸32には駆動ギア34が一体回動可能に固定されているが、この種のステッピングモータ21は非通電の時はトルクフリーであるので、ツマミ20を手動操作して扉1の施解錠を行うときでも、手動操作によるツマミ20の回動とともにステッピングモータ21も回る動きをとることから、ツマミ20の回動操作が許容されることになる。
サムターン軸32には、略円板形状を成す従動体38がサムターン軸32と同軸で、且つ自身の突部38aをサムターン軸32の凹部32aに係止することにより、サムターン軸32と連れ回り可能に連結固定されている。この従動体38には、周囲に磁界を発生する例えば焼結磁石等から成る磁石38bが取り付けられている。駆動ユニットケース31の上蓋31aの内面には、ツマミ20の回転位置検出系用の基板39が取り付け固定されている。基板39には、ツマミ20の回動方向に沿って並ぶ2つの磁気センサ40,41が、磁石27から発生する磁界を検出可能な状態で取り付けられている。これら磁気センサ40,41は、例えば磁気抵抗センサやホール素子等から成り、制御コントローラ4内に設けた信号復調や増幅を行う入力回路4a(図3参照)を介して制御ユニット22に接続されている。磁気センサ40,41は、磁石38bから受ける磁界の特性値(磁界方向、磁界強度)を検出し、その値に応じた検出信号を制御ユニット22に出力する。
制御ユニット22は、扉施解錠時にステッピングモータ21を駆動する際、施錠動作や解錠動作の実施に必要なパルス数分のパルス信号Spaをステッピングモータ21に送って扉1の施解錠を行うが、ステッピングモータ21に出力するパルス信号Spaのパルス数から現在のツマミ20の回動位置、いわゆるデッドボルト17の現在位置を把握することが可能である。但し、電動サムターン19に故障が発生したり、或いはデッドボルト17が周囲部品に引っ掛かったりすることは検出できないので、本例の制御ユニット22は、ステッピングモータ21にパルス信号Spaを出力して扉施解錠動作を行う時、磁気センサ40,41が出力する検出信号を用いて扉1の施解錠動作の完了確認を行う。なお、磁気センサ40,41が位置検出手段を構成する。
外枠ケース28の内部において駆動ユニットケース31に隣接する位置には、電動サムターン19の電気系部品の配線接続先としてサムターン側コネクタ42が設けられている。ステッピングモータ21が2相ユニポーラ型の場合、この種のサムターン側コネクタ42には、ステッピングモータ21の各相に電気配線を介して各々繋がるAa相端子42a、Ab相端子42b、Ba相端子42c、Bb相端子42d、電源端子42eの5端子が設けられる。また、磁気センサ40,41のセンサ系端子とモータ系端子とを同一コネクタとする場合、このサムターン側コネクタ42には、磁気センサ40に電気配線で繋がる第1センサ端子42f、磁気センサ41に電気配線で繋がる42g、これら両センサ40,41の両方に配線接続されたセンサGND端子42hの計3端子が設けられる。
制御コントローラ4は、自身から電気配線を通じて延びるコントローラ側コネクタ43をサムターン側コネクタ42に接続すると、電動サムターン19に電気接続された状態となる。このとき、制御ユニット22は、駆動回路23から延びる各々の電気配線端子(図示略)がサムターン側コネクタ42の端子42a〜42fに各々接続されることにより、ステッピングモータ21と電気接続した状態となり、入力回路4aから延びる各々の電気配線端子(図示略)がサムターン側コネクタ42の端子42f〜42hに各々接続されることにより、磁気センサ40,41と電気接続した状態となる。
次に、本例の電気式扉施解錠装置の動作を説明する。
まず、電動サムターン19を手動操作で施解錠する場合を考えるが、電動サムターン19が解錠状態にある場合、ツマミ20は図1や図2に示すように水平方向に対して真っ直ぐに立った向きをとる。解錠状態の扉1を手動操作で施錠するには、屋内側からであれば、電動サムターン19のツマミ20を施錠位置から例えば第1回動方向(図5及び図6の矢印R1方向)に回すことにより、ツマミ20を水平方向に向かせて施錠位置に位置させ、屋外側からであれば、鍵穴18にメカニカルキーを挿し込んでこれを例えば第1回動方向R1に回すことにより、メカニカルキーを水平方向に向かせて施錠位置に位置させる。このように、サムターン軸32が第1回動方向R1に回転すると、それに伴ってデッドボルト17が収納位置から突出位置に飛び出すことから、扉1が解錠状態から施錠状態となる。
まず、電動サムターン19を手動操作で施解錠する場合を考えるが、電動サムターン19が解錠状態にある場合、ツマミ20は図1や図2に示すように水平方向に対して真っ直ぐに立った向きをとる。解錠状態の扉1を手動操作で施錠するには、屋内側からであれば、電動サムターン19のツマミ20を施錠位置から例えば第1回動方向(図5及び図6の矢印R1方向)に回すことにより、ツマミ20を水平方向に向かせて施錠位置に位置させ、屋外側からであれば、鍵穴18にメカニカルキーを挿し込んでこれを例えば第1回動方向R1に回すことにより、メカニカルキーを水平方向に向かせて施錠位置に位置させる。このように、サムターン軸32が第1回動方向R1に回転すると、それに伴ってデッドボルト17が収納位置から突出位置に飛び出すことから、扉1が解錠状態から施錠状態となる。
ここで、サムターン軸32が第1回動方向R1に回転すると、それに伴って駆動ギア34も第1回動方向R1に回転することから、サムターン軸32の回転力がギア列を介してステッピングモータ21側に伝達されることになるが、この種のステッピングモータ21は非通電時においてトルクフリーであるので、サムターン軸32の回転がステッピングモータ21の影響に依らないことになる。よって、サムターン軸32に駆動ギア34が一体連結固定されていても、手動操作時のサムターン軸32の回転が許容され、ツマミ20を解錠位置から施錠位置へ回すことが可能である。なお、施錠状態の扉1を手動操作によって解錠状態にする場合は、施錠位置にあるツマミ20や、鍵穴18に挿し込んだメカニカルキーを第2回動方向(図5及び図6の矢印R2方向)に回す回動操作方向が異なるだけで、動きについては施錠操作の場合と同様であるので、扉解錠時の詳細は省略する。
一方、電動サムターン19を電気式に施解錠する場合を考えるが、扉施錠時において制御コントローラ4が電子キー3から施錠要求を受け付ける無線通信や、ハンズフリーシステムの施錠が手動モードにおいてユニット5,10の各施錠ボタン15,16が操作されると、解錠状態の扉1を電気的に施錠する動作が開始される。この時の動作として、制御コントローラ4がこのような施錠要求操作を検出すると、それに応答する形でステッピングモータ21の巻線25,25…を、例えばAa相→Ba相→Ab相→Bb相の順に繰り返し励磁し、ステッピングモータ21を例えば正回転させる。
これにより、ステッピングモータ21の正回転方向の回転力が減速歯車列37を介して駆動ギア34に伝達され、駆動ギア34が第1回動方向R1に回転を開始する。ステッピングモータ21が回転する際、その回転力は減速歯車列37によってトルク力が増大される経緯を経てサムターン軸32に伝達される。そして、ステッピングモータ21の正回転方向への回転に伴ってサムターン軸32が第1回動方向R1へ回転し、この回転に伴いデッドボルト17が収納位置から突出位置に飛び出すことになり、ステッピングモータ21の正方向回転力でサムターン軸32が回って解錠状態の扉1が施錠状態になる。また、このときのツマミ20は施錠位置から第1回動方向R1に回って施錠位置に位置することは明らかである。
また、ハンズフリーシステムやリモートコントロールキーシステムにおいて制御コントローラ4が電子キー3から解錠要求を受け付ける無線通信が行われると、扉1が施錠状態であれば、その施錠状態の扉1を電気的に解錠する動作が開始される。この時の動作として、制御コントローラ4がこのような解錠要求操作を検出すると、それに応答する形でステッピングモータ21の巻線25,25…を、例えばBb相→Ab相→Ba相→Aa相の順に繰り返し励磁し、ステッピングモータ21を例えば逆回転させる。これにより、ステッピングモータ21の逆回転方向への回転力が減速歯車列37を介して駆動ギア34に伝達され、駆動ギア34が第2回動方向R2に回転を開始する。よって、ステッピングモータ21が逆方向回転した際はサムターン軸32が第2回動方向R2に回転し、この回転に伴いデッドボルト17が突出位置から収納位置に引き込まれることになり、施錠状態の扉1が解錠状態になる。
制御コントローラ4は、扉1を施解錠する際、施錠動作時においてはサムターン軸32のツマミ20を解錠位置から施錠位置まで、解錠動作時においてはツマミ20を施錠位置から解錠位置にまで各々回動させ得る分だけのパルス数のパルス信号Spaをステッピングモータ21に各々供給して扉施解錠動作を行う。このように、ステッピングモータ21には、加えたパルス数のステップ分だけ回転する特性があることから、本例の制御コントローラ4は、サムターン軸32の回動位置を見る位置センサで軸回動位置を見ながら駆動源モータへの電流通電オンオフを切り換え操作する処理を用いずに、サムターン軸32(即ち、ツマミ20)を施錠位置や解錠位置に回動操作する。
制御コントローラ4は、扉施解錠動作時において、扉1の施錠或いは解錠を成し得るパルス数のパルス信号Spaをステッピングモータ21に供給したにも拘わらず、磁気センサ40,41の検出信号から、規定時間以内にサムターン軸32が施錠位置或いは解錠位置まで回った事を検出しないと、電動サムターン19に動作エラーが発生したと判断し、対動作エラーの対処動作を実行する。この時の対処動作例としては、例えばエラーコールの発生、ステッピングモータ21をその時とは逆回転させることによる元の位置への復帰、デッドボルト17の出し入れのリトライなどがある。
さて、電動サムターン19の電気駆動源として仮に一般的な直流モータ等を用いたとすると、この種の直流モータには位置制御機能がないことから、モータ駆動時の位置制御方法としては、ツマミ20が解錠位置や施錠位置に到達したことをセンサで検出し、これによってモータ駆動を停止する方法をとることになる。よって、回動時におけるツマミ20の若干量の回動オーバーランを加味する意味で、ツマミ20には解錠位置や施錠位置からそれ以上回らないように回動位置を規制する回り止めを施す必要がある。このため、この種の電動サムターンを用いた場合、扉1が左開き式と右開き式の各々では施解錠操作時におけるツマミ20の回転方向が異なることから、開き方向の異なる各々扉において専用の電動サムターンを用意する必要がある。
しかし、本例においては、電動サムターン19の電気駆動源としてステッピングモータ21を用いている。この種のステッピングモータ21は回転位置制御機能を持つので、ツマミ20の回転駆動源にステッピングモータ21を用いれば、ツマミ20の回転位置制御を正確に行うことが可能となることから、ツマミ20(即ち、サムターン軸32)の回動位置を確実に施錠位置や解錠位置に位置させることが可能となる。このため、ツマミ20に回り止めを施す必要がなくなり、解錠位置を基準にツマミ20をその軸心回りに沿って左右両方向に回動可能な構造とすることが可能となる。よって、ツマミ20の施錠位置や解錠位置を適宜設定することが可能となり、右開き式扉と左開き式扉との両方で電動サムターン19を共用することが可能となって、電動サムターン19の共用化に伴う部品点数削減や部品コスト削減等の効果が得られる。
右開き式扉と左開き式扉とで電動サムターン19を共用する場合、本例のような屋内側から見て左開きの扉は、ツマミ20を解錠位置から施錠位置に操作するに際しては、垂直方向に向いたツマミ20を反時計方向(矢印R1方向)に回して横向きとすることにより施錠操作を行うことになるが、屋内側から見て右開き扉の際は、垂直方向に向いたツマミ20を時計方向(矢印R2方向)に回して横向きにすることにより行うことになる。なお、これはツマミ20が1つの解錠位置に対して2つの施錠位置を取ることに限定されず、例えば1つの施錠位置を開き方向の異なる扉間で同じとすることにより、1つの施錠位置に対して2つの解錠位置を取る構造でもよい。
また、防犯性の面を考えた場合、電動サムターン19が施錠状態の際に、仮に第三者が扉1を破壊して電動サムターン19のサムターン側コネクタ42を外部に露出させ、このサムターン側コネクタ42に電源を直結して不正に電動サムターン19を解錠しようとする事も考えられる。しかし、この種のステッピングモータ21は、巻線25,25…の各相に順にパルス信号を供給しないと回らないので、ただ単にサムターン側コネクタ42に電源を直結しただけではステッピングモータ21は回動しないことから、不正な電源直結による解錠操作も生じ難くなる。このため、第三者による扉1の不正解錠も生じ難くなり、セキュリティ性確保の面においても効果が高い。
特に、電動サムターン19の電気駆動源として一般的な直流モータを用いた場合、モータ端子の直結を防ぐ対策例として、扉1のモータ付近を鉄板で覆うことも考えられる。しかし、この方法を用いると、扉1が厚くなったり或いは扉1が重くなったりすることから、扉1を扉枠に組み付ける際の組付性を考えると、この方法を用いるのは難がある。しかし、本例のように電動サムターン19の電気駆動源としてステッピングモータ21を用いれば、モータ種類を変更するだけで不正解錠に対する防犯対策が講じられることになり、扉1への鉄板組み込みによる扉厚増や扉重量増等の問題は生じず、扉1の組付性が悪化することもない。
扉1の施解錠動作時においては、制御コントローラ4がデッドボルト17を施錠位置或いは解錠位置に位置させるパルス数のパルス信号Spaをステッピングモータ21に供給したにも拘わらず、磁気センサ40,41でサムターン軸32の回動位置を見た際にサムターン軸32が施錠位置或いは解錠位置に到達していなければ、これを以て電動サムターン19に作動エラーが生じたと判断してその対処動作を講じている。従って、電動サムターン19(ステッピングモータ21)が故障した際や、デッドボルト17が周囲部品に引っ掛かった際には、このエラー状態を解消し得る対処動作が行われることから、電動サムターン19の作動に関してその信頼性も確保することが可能となる。
また、デッドボルト17を出し入れする際の電気駆動源は、ステッピングモータ21に限定されず、図8に示すようにブラシレスモータ44を採用してもよい。ブラシレスモータ44は、ブラシを用いずに半導体スイッチ等のスイッチ素子でモータ巻線に流れる電流の向きを変えることによりロータを回転するモータであって、モータ自体にモータ回転位置検出センサとしてホール素子45が予め内蔵されていることから、モータ別部品でモータ回転位置を見るためのセンサは不要である。制御コントローラ4には、ブラシレスモータ44への電流Iの供給とともに、ブラシレスモータ44のホール素子45から出力されるロータ位置検出信号Srtを基に電流向きの切り換えを行う電流切換回路46が設けられている。制御ユニット22は、電流切換回路46を介してブラシレスモータ44の駆動制御を行う。
このように、電動サムターン19の電気駆動源としてブラシレスモータ44を使用すれば、この種のブラシレスモータ44はステッピングモータ21と同様に、回転位置制御を行うことが可能なモータであるので、扉1の開き方向に関係なく電動サムターン19の共用化を図ることが可能である。また、この種のブラシレスモータ44にはモータ回転位置を見るホール素子45が内蔵されていることから、ロータ回転位置つまりサムターン軸32の回転位置を見るための専用の磁気センサ40,41を設ける必要がなくなり、更なる部品点数削減や部品コスト削減に効果がある。なお、ブラシレスモータ44が制御モータ(電気駆動手段)を構成し、ホール素子45が位置検出手段を構成する。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)ステッピングモータ21等の制御モータは電源直結で回動させることは困難であるので、本例のように電動サムターン19の駆動モータとしてステッピングモータ21を用いれば、扉1に鉄板等を組み込むなどの方法を用いずに、電源直結による扉不正解錠に対して防犯性を確保することができる。また、この種のステッピングモータ21は正確な回転位置制御機能を有しているので、ステッピングモータ21に出力するパルス信号Spaを管理することにより、サムターン軸32(ツマミ20)の正確な回動位置制御を行うことが可能である。よって、サムターン軸32をステッピングモータ21で回した際に、それを施錠位置や解錠位置で正確に停止させることが可能となり、電動サムターン19にツマミ20の回り止めが不要になる。このため、右開き扉と左開き扉では電動サムターン19のツマミ20の操作回動方向は異なるが、ステッピングモータ21を用いた場合はツマミ20のどの位置を施錠位置又は解錠位置にするのかを自由に設定することが可能となるので、これら扉の間で電動サムターン19を共用することができる。以上により、不正解錠の防犯対策を施しても扉1の組付性を確保することができ、しかも開き方向の異なる扉間での電動サムターン19の共用化により電動サムターン19の部品種類も少なく抑えることができる。
(1)ステッピングモータ21等の制御モータは電源直結で回動させることは困難であるので、本例のように電動サムターン19の駆動モータとしてステッピングモータ21を用いれば、扉1に鉄板等を組み込むなどの方法を用いずに、電源直結による扉不正解錠に対して防犯性を確保することができる。また、この種のステッピングモータ21は正確な回転位置制御機能を有しているので、ステッピングモータ21に出力するパルス信号Spaを管理することにより、サムターン軸32(ツマミ20)の正確な回動位置制御を行うことが可能である。よって、サムターン軸32をステッピングモータ21で回した際に、それを施錠位置や解錠位置で正確に停止させることが可能となり、電動サムターン19にツマミ20の回り止めが不要になる。このため、右開き扉と左開き扉では電動サムターン19のツマミ20の操作回動方向は異なるが、ステッピングモータ21を用いた場合はツマミ20のどの位置を施錠位置又は解錠位置にするのかを自由に設定することが可能となるので、これら扉の間で電動サムターン19を共用することができる。以上により、不正解錠の防犯対策を施しても扉1の組付性を確保することができ、しかも開き方向の異なる扉間での電動サムターン19の共用化により電動サムターン19の部品種類も少なく抑えることができる。
(2)制御コントローラ4がステッピングモータ21にパルス信号Spaを出力して扉1の施解錠動作を行う際、サムターン軸32が正規の回動位置まで到達してツマミ20が施錠位置や解錠位置に到達しているか否かを、磁気センサ40,41の検出信号を用いて監視する。従って、電動サムターン19が電気的に扉1を施解錠する際に、扉1が作動不良なく施錠状態や解錠状態になったか否かを監視することができ、電動サムターン19の作動時におけるエラー状態の有無を判断することができる。
(3)電動サムターン19が電気的に扉1を施解錠する際、ステッピングモータ21への駆動指令に対して規定時間以内にツマミ20が施錠位置や解錠位置へ到達しない場合は、制御コントローラ4が作動エラーと判定し、この状況下においてはエラー状態を解消し得る対処動作が行われる。従って、電動サムターン19をより確実に施錠状態や解錠状態にすることができ、電動サムターン19の高い信頼性を確保することができる。
(4)制御モータとしてブラシレスモータ44を用いた場合、ブラシレスモータ44にはモータ回転位置を見るためのホール素子45が予め組み込まれているので、モータ回転位置つまりサムターン軸32の回転位置を検出するに際しては、モータとは別部品のセンサ部品を用意せずに済む。従って、電動サムターン19に必要となる部品点数を削減でき、電動サムターン19の構成を簡素化することができる。
(5)電動サムターン19の電気駆動源として直流モータを用いた場合、この種の直流モータはトルクフリーではないので、直流モータでデッドボルト17を出し引きする際はその駆動力伝達を許容するものの手動でツマミ20を回してデッドボルト17を出し引きする際はこの回動力をモータ側に伝えないようにするクラッチ機構が必要になる。この場合、クラッチ機構は複雑な機構であることから、電動サムターン19にクラッチ機構が必要になると、電動サムターン19の構造の複雑化や部品点数増加等の問題に繋がるが、本例のようなステッピングモータ21等の制御モータを使用すれば、これはトルクフリーであることからクラッチ機構は不要となり、クラッチ機構を採用した際に起こり得る問題は考えずに済む。
なお、本実施形態はこれまでの構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ 制御モータは、ステッピングモータ21やブラシレスモータ44に限らず、回転位置制御が可能な制御モータであれば、この種類は特に限定されない。
・ 制御モータは、ステッピングモータ21やブラシレスモータ44に限らず、回転位置制御が可能な制御モータであれば、この種類は特に限定されない。
・ 電動サムターン19がモータ駆動する際にサムターン軸32(ツマミ20)が施錠位置或いは解錠位置に位置したことを検出する位置検出手段は、これを磁界変化により検出する磁気センサ40,41に限らず、例えば光センサ等の他の位置センサを採用してもよい。
・ 電動サムターン19がモータ駆動する際、ステッピングモータ21に駆動指令が出されたにも拘わらずサムターン軸32が目的位置まで回動していない際は、このエラー状態を回避し得る対処動作をとるが、この対処動作はエラーコール、モータ逆回転、リトライ等の各種処理に限定されない。例えば、電動サムターン19への電源供給を停止して電動サムターン19の作動を強制的に止める処理など、種々の対処動作を採用してもよい。
・ 電動サムターン19は、必ずしも扉1側に設けることに限定されず、例えばこれは扉枠側に取り付けてもよい。
・ 電動サムターン19がモータ駆動する際は、磁気センサ40,41でサムターン軸32が施錠位置や解錠位置に到達したことを検出しているが、この機能は必ずしも設ける必要はない。
・ 電動サムターン19がモータ駆動する際は、磁気センサ40,41でサムターン軸32が施錠位置や解錠位置に到達したことを検出しているが、この機能は必ずしも設ける必要はない。
・ 扉1は、必ずしも開き式のものに限らず、これは引き戸式でもよい。
・ 電動サムターン19は、ツマミ20に回り止めを無くしてサムターン軸32をその軸心に沿って自由に回動可能とすることにより、右開き扉と左開き扉の両方で共用化する構造に限定されない。即ち、ツマミ20に回り止めを設けることにより、電動サムターン19は右開き扉と左開きで各々専用部品となる構造でもよい。
・ 電動サムターン19は、ツマミ20に回り止めを無くしてサムターン軸32をその軸心に沿って自由に回動可能とすることにより、右開き扉と左開き扉の両方で共用化する構造に限定されない。即ち、ツマミ20に回り止めを設けることにより、電動サムターン19は右開き扉と左開きで各々専用部品となる構造でもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)手動操作で摘み部を施錠位置に回動操作すると扉と扉枠との間に設けた係止部材が引き出されて扉が施錠状態となり、前記摘み部を手動操作で解錠位置に回動操作すると前記係止部材が引き込まれて前記扉が解錠状態となり、前記手動操作以外の操作として電気駆動手段の駆動力で前記係止部材の出し引きを行うことにより前記扉の施解錠が可能な電気式扉施解錠装置において、パルス信号で駆動される制御モータを前記電気駆動手段として用いたことを特徴とする電気式扉施解錠装置。ところで、この種の制御モータはパルス信号で駆動されることから、例えばただ単に電気駆動手段に電流を流すだけでは電気駆動手段は駆動しないことから、第三者が不正な扉解錠を目的に電源直結を行っても、これでは扉が施錠状態とならない。このため、電気駆動手段として制御モータを用いれば、電気駆動手段付近を鉄板で強固に覆うなどの方法を用いなくとも、扉不正解錠に対する高い防犯性が確保される。よって、防犯性対策として鉄板を用いていた際に生じていた扉厚増や扉重量増に起因する扉の組付性悪化の問題は生じず、扉不正解錠に対する高い防犯性と、扉の高い組付性との両方を確保することが可能となる。
(1)手動操作で摘み部を施錠位置に回動操作すると扉と扉枠との間に設けた係止部材が引き出されて扉が施錠状態となり、前記摘み部を手動操作で解錠位置に回動操作すると前記係止部材が引き込まれて前記扉が解錠状態となり、前記手動操作以外の操作として電気駆動手段の駆動力で前記係止部材の出し引きを行うことにより前記扉の施解錠が可能な電気式扉施解錠装置において、パルス信号で駆動される制御モータを前記電気駆動手段として用いたことを特徴とする電気式扉施解錠装置。ところで、この種の制御モータはパルス信号で駆動されることから、例えばただ単に電気駆動手段に電流を流すだけでは電気駆動手段は駆動しないことから、第三者が不正な扉解錠を目的に電源直結を行っても、これでは扉が施錠状態とならない。このため、電気駆動手段として制御モータを用いれば、電気駆動手段付近を鉄板で強固に覆うなどの方法を用いなくとも、扉不正解錠に対する高い防犯性が確保される。よって、防犯性対策として鉄板を用いていた際に生じていた扉厚増や扉重量増に起因する扉の組付性悪化の問題は生じず、扉不正解錠に対する高い防犯性と、扉の高い組付性との両方を確保することが可能となる。
(2)前記技術的思想(1)において、請求項2〜4のうちいずれか一項の構成要件を備えた。
1…扉、4…電気式扉施解錠装置、判定手段及び実行手段を構成する制御コントローラ、17…係止部材としてのデッドボルト、19…電気式扉施解錠装置及び電気錠を構成する電動サムターン、20…摘み部としてのツマミ、21…制御モータ(電気駆動手段)を構成するステッピングモータ、25…巻線26…ロータ40,41…位置検出手段を構成する磁気センサ、44…制御モータ(電気駆動手段)を構成するブラシレスモータ、45…位置検出手段を構成するホール素子、Spa…パルス信号、I…電流。
Claims (4)
- 手動操作で摘み部を施錠位置に回動操作すると扉と扉枠との間に設けた係止部材が引き出されて扉が施錠状態となり、前記摘み部を手動操作で解錠位置に回動操作すると前記係止部材が引き込まれて前記扉が解錠状態となり、前記手動操作以外の操作として電気駆動手段の駆動力で前記係止部材の出し引きを行うことにより前記扉の施解錠が可能な電気式扉施解錠装置において、
パルス信号で駆動される制御モータを前記電気駆動手段として用い、前記摘み部を1つの解錠位置に対して2つの施錠位置若しくは1つの施錠位置に対して2つの解錠位置を取り得るように形成したことを特徴とする電気式扉施解錠装置。 - 前記係止部材の移動位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段からの検出信号を基に、前記係止部材が前記扉を施錠状態や解錠状態にし得る位置まで移動が完了したか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気式扉施解錠装置。 - 前記制御モータは、ロータ回転時においてスイッチ素子で巻線に流れる電流向きを切り換えるブラシレスモータであることを特徴とする請求項2に記載の電気式扉施解錠装置。
- 前記判定手段の判定結果を基に、前記制御モータに対して施錠動作や解錠動作を行い得るパルス数の前記パルス信号が前記制御モータに出力されても、前記係止部材が前記位置まで移動せずに、前記施錠状態や前記解錠状態が完了していない際は、その状況を回避し得る対処動作を行う実行手段と
を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気式扉施解錠装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006296127A JP2008111311A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 電気式扉施解錠装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006296127A JP2008111311A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 電気式扉施解錠装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=39443973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006296127A Withdrawn JP2008111311A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 電気式扉施解錠装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008111311A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011256544A (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-22 | Nidec Servo Corp | ロータリーアクチュエータ及びこれを用いた電子施解錠装置 |
CN105197701A (zh) * | 2014-06-13 | 2015-12-30 | 通力股份公司 | 用于电梯的控制面板 |
KR101860925B1 (ko) | 2016-10-31 | 2018-05-24 | (주)서울전업공사 | Nfc 모듈을 구비한 아두이노 기반 도어락 장치, 이를 이용한 nfc 기반 도어락 제어 시스템 및 방법 |
-
2006
- 2006-10-31 JP JP2006296127A patent/JP2008111311A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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