JP2008111031A - ビニル重合性乳化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られるエマルジョンの被膜の耐水性に優れたビニル重合性乳化剤を提供する。
【課題を解決するための手段】 一般式(1)で表されるビニル重合性乳化剤である。
【化5】
Figure 2008111031

式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基;R2は炭素数1〜8のアルキレン基;R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;nは1〜200の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明はビニル重合性乳化剤に関する。詳しくは(ポリ)オキシアルキレン鎖およびカチオン性基を有するビニル重合性乳化剤に関する。
従来から、各種のビニル重合性乳化剤が提案され使用されてきている。
例えば、アニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基のうちの1種または2種以上を有するビニル重合性乳化剤としては、スルホコハク酸エステル型界面活性剤(特許文献−1)、アリル基又はプロペニル基を有する炭化水素置換フェノールのアルコキシレート(特許文献−2)、炭化水素基又はアシル基を有するグリセリン誘導体のアルコキシレート(特許文献−3)、およびホルムアルデヒドで架橋した(置換)フェノールの誘導体(特許文献−4)などが挙げられる。しかし、これらはいずれもビニル重合性乳化剤として乳化重合に使用して得られるエマルジョンの耐水性が不十分であった。
特公昭49−46291号公報 特開昭62−100502号公報 特開昭62−104802号公報 特開昭62−11534号公報
本発明の課題は、得られるエマルジョンの被膜の耐水性に優れたビニル重合性乳化剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるビニル重合性乳化剤;該ビニル重合性乳化剤と酸との塩からなる3級アミン塩型のビニル重合性乳化剤;該ビニル重合性乳化剤と4級化剤との反応で得られる第4級アンモニウム塩型のビニル重合性乳化剤;並びに、該ビニル重合性乳化剤およびこれと共重合可能なビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体;である。
Figure 2008111031
式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基;R2は炭素数1〜8のアルキレン基;R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;nは1〜200の整数を表す。
本発明のビニル重合性乳化剤は以下の効果を奏する。
(1)得られるエマルジョンの起泡性が低い。
(2)得られるエマルジョンの乾燥被膜の耐水性が優れている。
本発明のビニル重合性乳化剤は、ビニルモノマーの乳化重合において、乳化剤としての機能と、共重合性を有するために重合中もしくは重合後に系内に残存しにくく乾燥被膜の諸物性に悪影響を及ぼさないという効果を発揮するものである。
一般式(1)において、R1は炭素数1〜24の炭化水素基であり、炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシルおよびエイコシル基など)、アルケニル基(ビニル、アリル、メタリル、オクテニルおよびドデセニル基など)、アリール基(フェニルおよびナフチル基など)、アラルキル基(ベンジルおよびフェニルエチル基など)およびアルキルアリール基(メチルフェニル、エチルフェニルおよびノニルフェニル基など)が挙げられる。R1のうち好ましいのは炭素数1〜18のアルキル基、特に10〜18のアルキル基が好ましい。
2は炭素数1〜8のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,2−ブチレン基、1,6−へキシレン基および1,8−オクチレン基などが挙げられる。これらのうち製造のしやすさの観点から好ましいのはエチレン基である。
3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基およびn−ブチル基などが挙げられる。R3とR4は同一でも異なっていてもよい。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基であって、例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基および1,2−ブチレン基などが挙げられる。Aのうち、製造しやすさの観点等から、エチレン基および1,2−プロピレン基が好ましい。Aは1種類でも2種類以上の併用でもよい。2種類以上の併用のとき、n個の(AO)の結合様式はブロック、ランダム及びこれらの組合せのいずれでもよい。
nは、1〜200、好ましくは1〜100、さらに好ましくは1〜20の整数である。
なお、R1が炭素数1〜9の炭化水素基であって、疎水性基としてその疎水性が十分発揮できない場合のAとしては、比較的疎水性の炭素数3〜4のアルキレン基であることが好ましい。
本発明のビニル重合性乳化剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
α−(デシルオキシエチルオキシメチル)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
α−{メトキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、およびα−{ドデシルオキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステルなど。
本発明のビニル重合性乳化剤は、以下の公知の製造方法を組み合わせて得ることができる。
(1)α−ヒドロキシメチル化反応;
アクリル酸アルキルエステルとホルムアルデヒドとを三級アミンの存在下に反応させることにより、α−ヒドロキシメチルアクリル酸アルキルエステルを得る(たとえば、特開昭61−134353号公報、米国特許第4654432号明細書、特開平5−70408号公報)。
(2)ヒドロキシル基のハロゲン置換反応;
上記の(1)で得られたα−ヒドロキシメチルアクリル酸アルキルエステルを溶媒(テトラヒドロフランなど)に溶解し、三臭化リンを低温(例えば10℃以下)で滴下しα−臭化メチルアクリル酸アルキルエステルを得る。
(3)アルコールのアルキレンオキサイド付加物の合成;
一般式(1)におけるR1を残基とする炭素数1〜24のアルコールに、公知のアルカリまたは酸触媒を用いて、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを開環付加反応させる。
(4)エーテル化反応;
上記の(2)で得られたα−臭化メチルアクリル酸アルキルエステルと、上記の(3)で得られたアルコールのアルキレンオキサイド付加物を、アルカリ(NaOH、KOHなど)の存在下にエーテル反応させて、α−アルコキシ{(ポリ)オキシアルキレン}オキシメチルアクリル酸アルキルエステルを得る。
(5)カチオン化反応;
上記の(4)で得られたα−アルコキシ{(ポリ)オキシアルキレン}オキシメチルアクリル酸アルキルエステルと、ジアルキルアルカノールアミン(例えば、ジメチルエタノールアミンなど)を、アルカリ触媒の存在下にエステル交換反応して、α−{アルコキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステルを得る。
本発明のビニル重合性乳化剤の製造は、必要により、各工程の反応生成物を精留、抽出及び再結晶等の精製方法により精製してもよい。
本発明の3級アミン塩型ビニル重合性乳化剤は、一般式(1)で表されるビニル重合性乳化剤と酸との塩からなり、一般式(2)表される化合物が好ましい。
Figure 2008111031
式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基;R2は炭素数1〜8のアルキレン基;R3、R4およびR5は炭素数1〜4のアルキル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;nは1〜200の整数;X-は対アニオンを表す。
酸としては、無機酸(塩酸、硫酸など)および有機酸(炭素数1〜12のカルボン酸、p−トルエンスルホン酸など)が挙げられる。
本発明の3級アミン塩型ビニル重合性乳化剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
α−(デシルオキシエチルオキシメチル)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル塩酸塩、α−{メトキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル塩酸塩、α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル硫酸塩およびα−{ドデシルオキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル塩酸塩など。
本発明の第4級アンモニウム塩型ビニル重合性乳化剤は、一般式(1)で表されるビニル重合性乳化剤と4級化剤との反応で得られ、一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2008111031
式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基;R2は炭素数1〜8のアルキレン基;R3
4およびR5は炭素数1〜4のアルキル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;nは1〜200の整数を表す。
4級化剤としては、アルキル基の炭素数が1〜4のハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸エステルまたはジアルキルカーボネートが使用できる。
反応条件は特に限定されないが、通常、温度は室温〜150℃、圧力は常圧〜0.5MPa程度の加圧下、反応温度は1〜10時間程度である。
本発明の第4級アンモニウム塩型ビニル重合性乳化剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
α−(デシルオキシエチルオキシメチル)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステルのメチルクロライドによる4級化物、α−{メトキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステルのメチルクロライドによる4級化物、α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステルのメチルクロライドによる4級化物、およびα−{ドデシルオキシ(ポリオキシプロピレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルエステルのジメチル硫酸による4級化物など。
本発明のビニル重合性乳化剤を用いて乳化重合できるビニルモノマーとしては、通常の乳化重合に使用されているモノマー(m)が挙げられる。
モノマー(m)としては以下のアニオン性モノマー(m1)、カチオン性モノマー(m2)および非イオン性モノマー(m3)が挙げられる。
(m1)アニオン性モノマー
(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステルなどの不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル;ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびアルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステルなどのスルホン酸基含有モノマー;(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートの硫酸化物などの硫酸エステル基含有ビニルモノマー;並びに、これらの塩[アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)塩、アンモニウム塩、アミン(アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアミン等)塩、第4級アンモニウム塩等]が挙げられる。
(m2)カチオン性モノマー
アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、およびこれらのモノアルキル(炭素数1〜6)置換体並びにモノ(メタ)アリルアミンなどの1級もしくは2級アミノ基含有モノマー;
ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど]、並びにモルホリノエチル(メタ)アクリレートなどの3級アミノ基含有モノマー;
塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび塩化ジメチルジアリルなどの3級アミノ基含有モノマーの第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(m3)非イオン性モノマー;
(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリルアミドなど;N,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、ジイソブチレン、ブタジエンおよびイソプレンなどの脂肪族炭化水素系モノマー;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルなどのアルキルアルケニルエーテル;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル;スチレンおよび置換スチレンなどの芳香族ビニル系炭化水素;
(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有モノマー;
本発明のビニル重合性乳化剤の使用方法において、ビニル重合性乳化剤と他のビニルモノマー(m)の仕込みモル%の比、ビニル重合性乳化剤/他のビニルモノマー(m)は、好ましくは0.1〜15%/85〜99.9%、好ましくは0.2〜10%/90〜99.8%である。
ビニル重合性乳化剤が0.1%以上であれは乳化重合時に乳化状態が不安定になりにくく、凝集物が少ない。また、15%以下であればエマルジョンから生成するフィルムの耐水性が比較的良好である。
ビニル重合性乳化剤の使用時期は、
(1)乳化重合反応の際の乳化剤として添加する方法、あるいは(2)生成したエマルジョンに後から添加する方法のいづれでもよい。
(1)の方法は、従来から行われている乳化重合の方法で行えばよい。すなわち、本発明のビニル重合性乳化剤単独、または必要により他の公知の乳化重合用乳化剤を併用して、水性媒体中で撹拌下に所定温度で他のビニルモノマー(m)および重合開始剤を一括で、または分割して、あるいは連続的に供給することにより行われる。
(m)はそのままで、あるいは水と他の乳化剤により(m)のエマルジョンの状態で供給される。
乳化重合時の系内におけるビニル重合性乳化剤+(m)の濃度としては仕込原料の全量に基づいて通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。重合開始剤および促進剤としては公知のものを使用すればよく、たとえば重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル等が挙げられ、また促進剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウムおよび硫酸銅等などが挙げられる。
必要により併用される他の乳化重合用乳化剤としては、ノニオン性乳化重合用乳化剤、アニオン性乳化重合用乳化剤、カチオン性乳化重合用乳化剤、両性乳化重合用乳化剤、および本発明のビニル重合性乳化剤以外のビニル重合性乳化剤が挙げられる。
本発明のビニル重合性乳化剤以外のビニル重合性乳化剤としては、例えば、特公昭49−46291号公報に記載のスルホコハク酸エステル型界面活性剤;特開昭62−100502号公報、特開昭63−23725号公報、特開平4−50202号公報、及び特開平4−50204号公報等に記載のアリル基又はプロペニル基を有する炭化水素置換フェノールのアルコキシレート;特開昭62−104802号公報等に記載の炭化水素基又はアシル基を有するグリセリン誘導体のアルコキシレート;特開昭62−11534号公報に記載のホルムアルデヒドで架橋した(置換)フェノールの誘導体;特開昭63−319035号公報、特開平4−50204号公報等に記載のα−オレフィンオキシド由来のアルキル基を含むもの等が挙げられる。
本発明の共重合体は、本発明のビニル重合性乳化剤およびこれと共重合可能なビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体である。
共重合可能なビニルモノマーとしては前述の(m)と同様のモノマーが挙げられる。
本発明の共重合体は、上記の乳化重合で得られるエマルジョンの形態以外に、溶融液状、塊状または溶液状で得られるビニル重合体を包含するものである。
これらの共重合体の製造方法は、公知の重合方法を適用でき、たとえば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合または逆相懸濁重合のいずれでもよい。これらの重合方法のうち
好ましくは溶液重合および逆相懸濁重合、特に好ましくは溶液重合である。これらの重合には、公知の、重合開始剤、連鎖移動剤又は溶媒等が使用できる。
本発明のビニル重合性乳化剤およびこれと共重合可能なビニルモノマーとの共重合におけるモル比は特に限定されないが、耐水性の観点から、好ましくは、ビニル重合性乳化剤/共重合可能なビニルモノマーは、好ましくは0.1〜15/85〜99.9、さらに好ましくは0.2〜10/90〜99.8である。また、本発明のビニル重合性乳化剤かは、放射線硬化型組成物の構成成分とすることもできる。
本発明の共重合体の数平均分子量は、共重合体の用途によって異なるが、好ましくは2,000〜5,000,000、さらに好ましくは8,000〜1,000,000である。
本発明の共重合体は、例えば樹脂成型品(繊維、板状品、ブロック状品など)であってもよい。これらの樹脂成形品は、樹脂の重合時に上記のビニル重合性乳化剤を共重合することによって得られ、その成型品は顔料分散性、調色性、染色性、帯電防止性、表面塗装性または防曇性等を改良することができる。
このような樹脂成型品の改質剤として使用される場合の、仕込みモル比、ビニル重合性乳化剤/共重合可能なビニルモノマーは、好ましくは0.1〜50/50〜99.9、さらに好ましくは0.2〜30/70〜99.8である。
[実施例]
以下の実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
部および%は特記しない限り重量部および重量%を意味する。
<製造例1>
[α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチルの製造]
加熱撹拌装置および冷却器を備えたガラス製反応容器に、アクリル酸メチル86部(1モル部)、37%ホルムアルデヒド水溶液(メタノール含有量7%)122部(1.5モル部)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)7部(63ミリモル部)、メトキシハイドロキノン0.03部及びアセトニトリル100部を仕込み、均一混合した後、80〜82℃で1時間反応させた。この反応液を40℃に冷却し、濃塩酸でpH5.0に調整した後、トルエン200部で抽出した。ついで、抽出物からトルエンを留去して、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル(HMMA)の粗生成体を得た。
HMMAの粗生成体130部を水150部に溶解した後、石油エーテル60部を用いて不純物を3回抽出除去した。ついで、HMMA水溶液に食塩を飽和になるまで溶解させた後、トルエン抽出し、HMMAを精製した(純度98.5%)。
<製造例2>
[α−ブロモメチルアクリル酸メチルの製造]
製造例1で得たMHMA116部(1モル部)及びTHF200部を混合し、5℃に調整した後、5℃で三臭化リン135部(0.5モル部)を滴下して反応させることにより、α−ブロモメチルアクリル酸メチル(BMMA)を得た。
<製造例3>
[α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸メチルの製造]
ドデシルアルコールのエチレンオキシド8モル付加物562部(1モル部)及び水酸化カリウム112部(2モル部)を混合し、100℃に調整した後、上記で得たBMMAを滴下して反応させて、反応生成物を得た。その後、反応生成物を塩酸で中和し、析出した塩化カリウムを濾別することにより、α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸メチル(DPMA)を得た。
<実施例1>
[α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルの製造]
製造例3で得られたDPMA664部(1モル部)及びジメチルアミノエタノール89.1部(1モル部)、トリフェニルスズヒドロキシド3.7部(0.01モル部)およびフェノチアジン2部を仕込み、攪拌しながら加熱した。留出してくるメタノールを系外に除去しながら67〜110℃で4時間反応を行い、α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチル(DPMAN)685部(0.95モル部)を得た。
<実施例2>
[α−{ドデシルオキシ(ポリオキシエチレン)オキシメチル)}アクリル酸ジメチルアミノエチルのメチルクロライドによる4級化物の製造]
実施例1で得られたDPMAN721部(1モル部)をイソプロピルアルコール500部に溶解させ、系内を60〜70℃に保ちながら、ジメチル硫酸エステル126部(1モル部)を1時間かけて滴下した。さらに3時間熟成したのち、残存するジメチル硫酸エステルを水0.3部を加えて分解し、60〜70℃で減圧下にイソプロピルアルコールを
除去し、4級化物(DPMAQ)788部を得た。
上記の実施例1および2で得られたビニル重合性乳化剤DPMANおよびDPMAQを用いて乳化重合し、以下のようにビニル重合体エマルジョンを製造した。
比較のビニル重合性乳化剤としては、以下の市販品を使用した。
比較品A:「アデカリアソープSE−10N」旭電化(株)製のアルキルフェニル基およびアリル基を有するグリセリン誘導体のアルキレンオキシド付加物の硫酸化物
比較品B:「アクアロンHS−10」第一工業製薬(株)製のプロペニル置換アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物の硫酸化物
実施例3〜4、比較例1〜2
攪拌機、滴下ロート、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水360部、ビニル重合性乳化剤を7.2部、重炭酸ナトリウム0.48部、過硫酸アンモニウム1.2部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に75℃でメタクリル酸メチル130部、アクリル酸ブチル106部、メタクリル酸4部の混合モノマーを滴下ロートより3時間にわたって滴下し、さらに80℃で2時間熟成して乳化重合を行った。40℃に冷却後、28%のアンモニア水でPHを8〜9に調整した。得られたビニル重合体エマルジョンはモノマー転化率98%以上の乳白色のエマルジョンであった。
実施例5〜6および比較例3〜4
ガラスビーカーにイオン交換水172.8部、ビニル重合性乳化剤を7.2部、過硫酸アンモニウム0.72部、メタクリル酸メチル85.5部、アクリル酸ブチル85.5部を入れてホモミキサー「TKロボミックス」(特殊機化工業(株)製)で3,000rpmで2分間撹拌、乳化し、モノマーエマルジョンを作成した。別に、実施例1と同様の反応容器にイオン交換水79.2部、炭酸水素ナトリウム0.36部、過硫酸アンモニウム0.18部、およびモノマーエマルジョン10.0部を仕込み、窒素置換の後、75℃に昇温し、さらに75℃で15分間撹拌した後、80℃に昇温した。その後、残りのモノマーエマルジョンにメタクリル酸9.0部を加えて、ビーカー内をスターラーで撹拌しながら滴下ポンプを用いて全量を反応容器中に2時間かけて滴下した。その後、過硫酸アンモニウム0.18部をイオン交換水18.0部に溶解させた水溶液を10分間で滴下し、温度を85℃に上げて2時間熟成した。40℃に冷却後、28%のアンモニア水でPHを8〜9に調整した。得られたビニル重合体エマルジョンはモノマー転化率98%以上の乳白色のエマルジョンであった。
実施例3〜6および比較例1〜4で得られたエマルジョンの乳化重合安定性、即ち、乳化重合中に出来た凝塊物の量、および生成したエマルジョンの起泡性、機械的安定性、さらにエマルジョンから作成した乾燥皮膜の耐水性を以下のようにして評価した。
結果を表1に示す。
(凝塊物)
生成したエマルジョンを150メッシュの金網で濾過し、残渣を水で洗浄後130℃で1.5時間乾燥して得た凝固物重量を、仕込みモノマー重量に対する%で表した。
(エマルジョンの起泡性)
100mlの共栓付メスシリンダーに、生成したエマルジョンをイオン交換水で4倍に希釈した希釈液30部を入れて、30回強く振套した直後の泡の体積を測定し、mlで表した。
(エマルジョンの機械的安定性)
生成したエマルジョン50gをマロン法安定度試験器にて10kg/cm2、1,000rpmで5分間回転し、生成した凝固物を150メッシュの金網で濾別し、水で洗浄後130℃で1。5時間乾燥した。この乾燥重量を採取エマルジョン中の固形分重量に対する%で表した。
(乾燥被膜の耐水性)
試料をガラス板上で70℃にて8時間乾燥して作成した被膜(厚さ0.2mm)の耐水白化性をJIS K-6828に準じて測定した。240時間後被膜の状態を以下の基準で判定した。浸せき後の塗膜が透明なほど耐水性が良好であることを示す。
◎:完全透明、○:わずかに白化、△:○〜×の中間、×:大部分白化
Figure 2008111031
表1の結果より、本発明のビニル重合性乳化剤は、比較例と比べると、重合安定性が良く、エマルジョンの起泡性が少なく、さらに機械的安定性が良好で、乾燥被膜の耐水性も優れていることがわかる。
本発明のビニル重合性乳化剤は、各種ビニルポリマーの構成モノマーとして使用できる。また、乳化重合用のビニル重合性乳化剤として利用できる。
そして、得られたビニルポリマーは、塗料バインダー、粘着剤、接着剤、分散剤、セメント組成物用添加剤(減水剤)、スケール防止剤、増粘剤及び凝集剤等に応用できる。
さらに、本発明のビニル重合性乳化剤は、放射線硬化型組成物の構成成分とすることができる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるビニル重合性乳化剤。
    Figure 2008111031
    (式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基;R2は炭素数1〜8のアルキレン基;R3およびR4は炭素数1〜4のアルキル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;nは1〜200の整数を表す。)
  2. 一般式(1)において、R1が炭素数10〜18のアルキル基、R2がエチレン基、R3およびR4がメチル基、nが1〜50である請求項1記載のビニル重合性乳化剤。
  3. 請求項1記載のビニル重合性乳化剤と酸との塩からなる3級アミン塩型のビニル重合性乳化剤。
  4. 請求項1記載のビニル重合性乳化剤と4級化剤との反応で得られる第4級アンモニウム塩型のビニル重合性乳化剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のビニル重合性乳化剤およびこれと共重合可能なビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014176844A (ja) * 2013-02-15 2014-09-25 Kobe Univ 反応性界面活性剤

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