JP2008107886A - 情報表示システム、及び、ポインティング制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポインティングデバイスのポインティング位置のキャリブレーション操作を容易とし、なおかつ、簡単な構成でポインティングデバイスが指し示す位置とポインティングマークの表示位置とをキャリブレーションする。
【解決手段】スクリーン4に画像を投写して投写像を表示するプロジェクタ3と、前記スクリーン4上の箇所を指し示すためのポインティングデバイス5とを有し、前記ポインティングデバイス5の角度変化量に基づいて、前記ポインティングデバイス5が指し示す位置にポインタ6を表示するプレゼンテーションシステム1であって、前記スクリーン4上に少なくとも3点P1、P2、P3を表示すると共に、前記ポインティングデバイス5によって前記3点P1、P2、P3を撮像し、撮像された3点の各々の座標値に基づいて、前記ポインティングデバイス5の角度変化量と前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行う。
【選択図】図12
【解決手段】スクリーン4に画像を投写して投写像を表示するプロジェクタ3と、前記スクリーン4上の箇所を指し示すためのポインティングデバイス5とを有し、前記ポインティングデバイス5の角度変化量に基づいて、前記ポインティングデバイス5が指し示す位置にポインタ6を表示するプレゼンテーションシステム1であって、前記スクリーン4上に少なくとも3点P1、P2、P3を表示すると共に、前記ポインティングデバイス5によって前記3点P1、P2、P3を撮像し、撮像された3点の各々の座標値に基づいて、前記ポインティングデバイス5の角度変化量と前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行う。
【選択図】図12
Description
本発明は、スクリーンに画像を投写すると共に、ポインティングデバイスが指し示す箇所にポインティングマークを表示する情報表示システム、及び、ポインティングマークの表示位置を制御するポインティング制御方法に関する。
一般に、プレゼンテーション等では、プロジェクタがスクリーンに投写した投写像上の任意の箇所を指し示すために、レーザポインタや指示棒が用いられている。近年では、レーザポインタや指示棒の代わりに、投写像を指し示す位置(以下、「ポインティング位置」と言う)を検出するためのセンサを内蔵したポインティングデバイスを用い、このポインティングデバイスの検出値に基づいて、プロジェクタがポインティング位置にポインティングマークを表示するプレゼンテーションシステムが知られている。
この種のプレゼンテーションシステムでは、ポインティングデバイスのポインティング位置と、ポインティングマークが表示される位置との間にズレが生じることがある。そこで、スクリーンに投写された投写像の4隅位置を順次ポインティングデバイスで指し示し、そのときのセンサの検出値を登録してポインティングデバイスのポインティング位置をキャリブレーションする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、テレビ画面に表示された多数の操作ボタンをリモコンで選択・操作可能にした技術が知られており、この技術においては、角度及び位置を検出する磁気センサをリモコンに設け、この磁気センサからの検出角度及び検出位置に基づいて、テレビ画面上におけるリモコンのポインティング位置を2次元座標値として算出している(例えば、特許文献2参照)。
また、リモコンに撮像手段を内蔵し、スクリーンを撮像して、リモコンが指し示した画面上の位置を算出する技術も知られており、スクリーンの4隅を用いてキャリブレーションを行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−310527号公報
特開2000−270237号公報
特開2003−208260号公報
また、テレビ画面に表示された多数の操作ボタンをリモコンで選択・操作可能にした技術が知られており、この技術においては、角度及び位置を検出する磁気センサをリモコンに設け、この磁気センサからの検出角度及び検出位置に基づいて、テレビ画面上におけるリモコンのポインティング位置を2次元座標値として算出している(例えば、特許文献2参照)。
また、リモコンに撮像手段を内蔵し、スクリーンを撮像して、リモコンが指し示した画面上の位置を算出する技術も知られており、スクリーンの4隅を用いてキャリブレーションを行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、従来のプレゼンテーションシステムにおいては、ポインティング位置のキャリブレーションの際に、少なくとも投写像の4隅位置の全てを登録するため、少なくとも4回の登録操作が必要となりキャリブレーション操作が面倒である。さらに、各隅位置を登録する際にはポインティングデバイスの角度移動量が大きくなるためキャリブレーション操作がやり難い。
一方、テレビ画面上の操作ボタンをリモコンで操作可能にした技術においては、リモコンが指し示すテレビ画面上の2次元座標を算出する際に、リモコンの角度だけでなく位置を検出する必要があるためセンサの構成が複雑になり、さらに、テレビ画面を指し示す技術であるため、プロジェクタのような比較的大画面のスクリーンに対して斜め横方向から指し示すといった使い方が想定されておらず使い勝手が悪い。
また、撮像手段を常時用いると、消費電力が多く、リモコンの電池がすぐに消耗するという問題と、プロジェクタのような大画面の場合、スクリーンの4隅を撮像するためには広角のレンズを使用するため、キャリブレーションの精度が悪いという問題がある。
また、撮像手段を常時用いると、消費電力が多く、リモコンの電池がすぐに消耗するという問題と、プロジェクタのような大画面の場合、スクリーンの4隅を撮像するためには広角のレンズを使用するため、キャリブレーションの精度が悪いという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ポインティングデバイスのポインティング位置のキャリブレーション操作を容易とし、なおかつ、簡単な構成でポインティングデバイスが指し示す位置とポインティングマークの表示位置とをキャリブレーションすることのできる情報表示システム、及び、ポインティング制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、スクリーンに画像を投写して投写像を表示する投写装置と、前記スクリーン上の箇所を指し示すためのポインティングデバイスとを有し、角度変化量を検出する角度変化量検出手段を前記ポインティングデバイスに設け、前記スクリーン上の前記角度変化量に応じた位置にポインティングマークを表示すると共に、前記ポインティングデバイスに撮像手段を更に設け、前記スクリーン上に少なくとも3点を表示し、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって撮像された前記3点の各々の座標値に基づいて、前記角度変化量検出手段により検出される角度変化量と前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行うことを特徴とする情報表示システムを提供する。
また上記目的を達成するために、本発明は、スクリーンに画像を投写して投写像を表示する投写装置と、前記スクリーン上の箇所を指し示すためのポインティングデバイスとを有し、前記ポインティングデバイスの角度変化量に基づいて、前記ポインティングデバイスが指し示す位置にポインティングマークを表示する情報表示システムの前記ポインティングマークの表示する位置を制御するポインティング制御方法であって、前記スクリーン上に少なくとも3点を表示すると共に、前記ポインティングデバイスによって前記3点を撮像し、撮像された3点の各々の座標値に基づいて、前記ポインティングデバイスを移動させたときの角度変化量と、前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行うことを特徴とする。
なお、本発明に係るポインティング制御方法をプログラムとして構成し電子機器に当該方法を実施させることが可能であり、また、このようなプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録して実施することも可能である。
なお、本発明に係るポインティング制御方法をプログラムとして構成し電子機器に当該方法を実施させることが可能であり、また、このようなプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録して実施することも可能である。
本発明によれば、スクリーン上に表示される少なくとも3点をポインティングデバイスで撮像するだけで、キャリブレーション操作が完了するため、投写像の4隅の各点を指し示す必要のある従来のキャリブレーション操作に比べて操作回数が減り、キャリブレーション操作が容易となる。
また、ポインティングデバイスが備える撮像手段が使用されるのはキャリブレーションの期間中だけであり、また、通常使用時は、ポインティングデバイスの角度変化量を検出するための角度変化量検出手段だけを使用するため、常時、撮像手段によりスクリーンを撮像する方法に比べて、ポインティングデバイスの消費電力を大幅に減らすことができる。
また、ポインティングデバイスが備える撮像手段が使用されるのはキャリブレーションの期間中だけであり、また、通常使用時は、ポインティングデバイスの角度変化量を検出するための角度変化量検出手段だけを使用するため、常時、撮像手段によりスクリーンを撮像する方法に比べて、ポインティングデバイスの消費電力を大幅に減らすことができる。
ここで、上記発明において、前記ポインティングデバイスが指し示す方向を1つの軸とした第1の直交3次元座標系の各軸周りの回転角度を前記角度変化量として検出するように前記角度変化量検出手段を構成し、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって得られる撮像画像の座標系を前記ポインティングデバイスが指し示す方向に垂直な面と一致するように前記ポインティングデバイスの撮像手段を構成すると共に、前記キャリブレーション時には、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって撮像された前記3点の各々の座標値に基づいて、前記スクリーンをXY平面としたときの第2の直交3次元座標系と、前記第1の直交3次元座標系との相対的な位置関係を規定するパラメータを特定する構成としても良い。
この構成によれば、スクリーン上に表示された3点を撮像し、この撮像により得られた3点のぞれぞれの座標値により、第2の直交3次元座標系と、前記第1の直交3次元座標系との相対的な位置関係を規定するパラメータ、すなわち、スクリーンに対するポインティングデバイスの姿勢を示すパラメータ(例えば、以下に説明する実施形態の距離d、角度θ及び角度φ)が特定される。これにより、スクリーンに対する斜め横方向のポインティングデバイスの姿勢も特定されるため、スクリーンの正面のみならず、スクリーンの斜め横方向からのポインティング動作に対しても正確にポインティング位置にポインティングマークを表示することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るプレゼンテーションシステム1の構成を模式的に示す図である。このプレゼンテーションシステム1は、コンピュータ2と、投写装置としてのプロジェクタ3と、スクリーン4と、ポインティングデバイス5とを備え、スクリーン4に表示すべき映像データをコンピュータ2がプロジェクタ3に出力し、その映像データをプロジェクタ3がスクリーン4に投写して表示するものである。
ポインティングデバイス5は、プレゼンター等のユーザ10が把持し、スクリーン4に投写された投写像の領域である投写像領域R内の任意の箇所を指し示すために用いられるものである。ポインティングデバイス5が指し示すポインティング位置9には、プロジェクタ3が例えば丸印や星印等のポインティングマーク(以下、「ポインタ」と言う)6を表示することで、ユーザ10がポインティングデバイス5で指し示している箇所を明示するように構成されている。
図1は本実施形態に係るプレゼンテーションシステム1の構成を模式的に示す図である。このプレゼンテーションシステム1は、コンピュータ2と、投写装置としてのプロジェクタ3と、スクリーン4と、ポインティングデバイス5とを備え、スクリーン4に表示すべき映像データをコンピュータ2がプロジェクタ3に出力し、その映像データをプロジェクタ3がスクリーン4に投写して表示するものである。
ポインティングデバイス5は、プレゼンター等のユーザ10が把持し、スクリーン4に投写された投写像の領域である投写像領域R内の任意の箇所を指し示すために用いられるものである。ポインティングデバイス5が指し示すポインティング位置9には、プロジェクタ3が例えば丸印や星印等のポインティングマーク(以下、「ポインタ」と言う)6を表示することで、ユーザ10がポインティングデバイス5で指し示している箇所を明示するように構成されている。
図2はポインティングデバイス5の構成図であり、図3はポインティングデバイス5の機能的構成を示すブロック図である。
ポインティングデバイス5は、図2に示すように、棒形状の本体ケース11を有し、本体ケース11の上面11Aにはキー入力部12が配設され、上端部11Bにはスクリーン4を撮像するための撮像部20が配置されている。撮像部20は、例えばCCDカメラやCMOSカメラを備えて構成されている。さらに、上端部11Bにはプロジェクタ3に対して無線信号を送信するための送信窓13が形成されている。本体ケース11内には、その送信窓13に対応した位置に、例えばBluetooth(登録商標)やIrDA、802.11a/b/g等の通信規格に沿った近距離通信によりプロジェクタ3に対して信号を送信する送信部14が設けられている。なお、送信部14がコンピュータ2とも通信しても良いことは勿論であり、また、通信手段は無線に限らず有線であっても良い。
ポインティングデバイス5は、図2に示すように、棒形状の本体ケース11を有し、本体ケース11の上面11Aにはキー入力部12が配設され、上端部11Bにはスクリーン4を撮像するための撮像部20が配置されている。撮像部20は、例えばCCDカメラやCMOSカメラを備えて構成されている。さらに、上端部11Bにはプロジェクタ3に対して無線信号を送信するための送信窓13が形成されている。本体ケース11内には、その送信窓13に対応した位置に、例えばBluetooth(登録商標)やIrDA、802.11a/b/g等の通信規格に沿った近距離通信によりプロジェクタ3に対して信号を送信する送信部14が設けられている。なお、送信部14がコンピュータ2とも通信しても良いことは勿論であり、また、通信手段は無線に限らず有線であっても良い。
キー入力部12は、図2に示すように、プロジェクタ3に対して各種操作コマンドを送信するための右クリックキー15及び左クリックキー16を有する。右クリックキー15が操作された場合には、メニュー画面等のGUI(Graphical User Interface)の表示を指示するコマンドがプロジェクタ3に対して送信され、左クリックキー16が操作された場合には、スクリーン4に投写された投写像上における各種ボタンやアイコン等の選択決定コマンドがプロジェクタ3に対して送信される。さらに、キー入力部12は、キャリブレーションキー17を有し、このキャリブレーションキー17が操作された場合には、ポインティングデバイス5のポインティング位置9のキャリブレーションを指示するコマンドがプロジェクタ3に対して送信される。
ポインティングデバイス5は、図3に示すように、例えばジャイロセンサ等のポインティングデバイス5の角速度を検出する角速度センサ18と、角速度センサ18が検出する角速度を回転角度に変換し送信部14に出力する角度変換部19と、撮像部20と、画像検出部21とを更に有している。
詳述すると、角速度センサ18は、図4に示すように、3次元直交座標系のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの軸ごとに垂直に設けられたX軸センサ18A、Y軸センサ18B及びZ軸センサ18Cの3つの軸センサ18A〜18Cを有し、軸センサ18A〜18Cのそれぞれが各軸周りの角速度を検出し上記角度変換部19に出力する。このとき、ポインティングデバイス5が指し示す方向(ポインティング方向K)にX軸、Y軸及びZ軸のいずれか(本実施形態ではZ軸)が配置されている。
詳述すると、角速度センサ18は、図4に示すように、3次元直交座標系のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの軸ごとに垂直に設けられたX軸センサ18A、Y軸センサ18B及びZ軸センサ18Cの3つの軸センサ18A〜18Cを有し、軸センサ18A〜18Cのそれぞれが各軸周りの角速度を検出し上記角度変換部19に出力する。このとき、ポインティングデバイス5が指し示す方向(ポインティング方向K)にX軸、Y軸及びZ軸のいずれか(本実施形態ではZ軸)が配置されている。
角度変換部19は各軸周りの角速度を時間積分して、その積分時間における軸ごとの回転角度に変換し、それぞれの回転角度を送信部14に出力する。これらの回転角度によりポインティングデバイス5の姿勢の変化に伴うポインティング方向Kの変移が示され、これらの回転角度がプロジェクタ3に送信されることで、プロジェクタ3は、ポインティングデバイス5のポインティング方向Kがスクリーン4と交差する箇所にポインタ6を表示する。
撮像部20は、ポインティングデバイス5が指し示す方向の像を撮像して撮像画像を画像検出部21に出力するものであり、画像検出部21は、当該撮像画像に写った多角形の頂点を画像処理により検出し、当該頂点の座標値を特定して、角度変換部19及び送信部14を介してプロジェクタ3に送信する。また、撮像部20は、図13に示すように、その撮像画像は、長辺、短辺に平行な軸をCx、Cyとし、中心点をCoとすると、Cx、Cy軸の向きは角速度センサ18のX,Y軸の向きと一致し、Coの向きがZ軸の向きと一致するように配置されている。
撮像部20は、ポインティングデバイス5が指し示す方向の像を撮像して撮像画像を画像検出部21に出力するものであり、画像検出部21は、当該撮像画像に写った多角形の頂点を画像処理により検出し、当該頂点の座標値を特定して、角度変換部19及び送信部14を介してプロジェクタ3に送信する。また、撮像部20は、図13に示すように、その撮像画像は、長辺、短辺に平行な軸をCx、Cyとし、中心点をCoとすると、Cx、Cy軸の向きは角速度センサ18のX,Y軸の向きと一致し、Coの向きがZ軸の向きと一致するように配置されている。
ここで、スクリーン4上のポインティング位置9にポインタ6を表示するためには、ポインティングデバイス5が指し示す位置をスクリーン4をXY平面としたときのXY座標値として特定する必要がある。しかしながら、ポインティングデバイス5が送信する回転角度は、あくまでも角速度センサ18の各軸センサ18A〜18Cの配置によって規定される直交座標系を基準としたものである。したがって、プロジェクタ3がスクリーン4上のポインティング位置9(ポインティング方向Kとスクリーン4との交差点)を回転角度から算出するには、角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との位置関係を予め特定しておく必要がある。この特定は、上記画像検出部21により生成された所定マークの座標値に基づくキャリブレーションによって行われるが、これについては後に詳述する。
なお、角速度センサ18に代えて、X軸、Y軸及びZ軸ごとに加速度や角加速度等を検出するセンサを用いても良く、この場合であっても、検出加速度や検出角速度を時間積分することで、回転角度が求められる。
なお、角速度センサ18に代えて、X軸、Y軸及びZ軸ごとに加速度や角加速度等を検出するセンサを用いても良く、この場合であっても、検出加速度や検出角速度を時間積分することで、回転角度が求められる。
図5はプロジェクタ3の機能的構成を示すブロック図である。この図において、映像入力部30はコンピュータ2から出力された映像データを受け取り、映像処理部31に出力する。映像処理部31は、映像入力部30から入力された映像データに基づいて投写像データを生成し、この投写像データに基づいて映像投写部32に投写像をスクリーン4に投写させるものである。映像投写部32は、赤、緑、青の3枚の液晶パネルと、これらの液晶パネルに光を照射する光源と、各液晶パネルを透過したそれぞれの光を1方向の光にまとめるプリズムと、その光をスクリーン4に投写する投射レンズ系とを有し、各液晶パネルの画素ごとの透過率や投射レンズ系のズーム倍率、焦点距離等が投写像データに基づいて制御される。
OSD制御部33は、プロジェクタ3の各部を制御すると共に、コンピュータ2からの映像データの他に、スクリーン4に投写すべき映像データ、及び、投写像に重ねて表示すべきポインタ6等の映像データを生成して映像処理部31に出力するものである。
OSD制御部33は、プロジェクタ3の各部を制御すると共に、コンピュータ2からの映像データの他に、スクリーン4に投写すべき映像データ、及び、投写像に重ねて表示すべきポインタ6等の映像データを生成して映像処理部31に出力するものである。
受信部34は、ポインティングデバイス5から送信された信号(各種コマンドや回転角度)を受信しコマンド解析部35に出力するものである。コマンド解析部35は、受信部34から入力された信号を解析してOSD制御部33に出力する。
OSD制御部33は、コマンド解析部35からコマンドが入力された場合には、そのコマンドに応じた画面の映像データ(例えば、メニュー表示コマンドであればメニュー画面の映像データ)を生成して映像処理部31に出力し、また、ポインティングデバイス5の回転角度が入力された場合には、ポインタ6を表示すべきスクリーン4上のXY座標値を回転角度に基づいて算出し、そのXY座標値に表示するポインタ6の映像データを生成して映像処理部31に出力する。なお、回転角度に基づくXY座標値の算出については後に詳述する。
OSD制御部33は、コマンド解析部35からコマンドが入力された場合には、そのコマンドに応じた画面の映像データ(例えば、メニュー表示コマンドであればメニュー画面の映像データ)を生成して映像処理部31に出力し、また、ポインティングデバイス5の回転角度が入力された場合には、ポインタ6を表示すべきスクリーン4上のXY座標値を回転角度に基づいて算出し、そのXY座標値に表示するポインタ6の映像データを生成して映像処理部31に出力する。なお、回転角度に基づくXY座標値の算出については後に詳述する。
送信部36は、コンピュータ2に対して各種信号を送信するものである。具体的には、コマンド解析部35にて解析されたコマンドが、コンピュータ2の操作に関するコマンドである場合、コマンド解析部35は、そのコマンドを送信部36からコンピュータ2に送信する。これにより、ポインティングデバイス5からコンピュータ2をリモートで操作可能になる。また、本実施形態では、上記ポインタ6の映像データの生成をプロジェクタ3に代えてコンピュータ2が行うか否かを予めメニュー画面等で設定可能になされており、ポインタ6の映像データの生成をコンピュータ2が行うように設定されている場合には、OSD制御部33が算出したXY座標値を送信部36からコンピュータ2に送信し、そのXY座標値に基づいてコンピュータ2がポインタ6の映像データを生成することとなる。
次いで、本実施形態の動作について説明する。
図6は、ポインティングデバイス5の動作を示すフローチャートである。
ポインティングデバイス5は、キー入力部12が操作された場合、操作されたキーがキャリブレーションキー17であるときには(ステップSa1:YES)、ポインティング位置9のキャリブレーション処理(後に詳述)を開始するためのキャリブレーションコマンドをプロジェクタ3に送信する(ステップSa2)。また、操作されたキーが右クリックキー15又は左クリックキー16であるときには(ステップSa1:NO、ステップSa3:YES)、ポインティングデバイス5は、そのキー操作に対応するコマンドをプロジェクタ3に送信する(ステップSa4)。
図6は、ポインティングデバイス5の動作を示すフローチャートである。
ポインティングデバイス5は、キー入力部12が操作された場合、操作されたキーがキャリブレーションキー17であるときには(ステップSa1:YES)、ポインティング位置9のキャリブレーション処理(後に詳述)を開始するためのキャリブレーションコマンドをプロジェクタ3に送信する(ステップSa2)。また、操作されたキーが右クリックキー15又は左クリックキー16であるときには(ステップSa1:NO、ステップSa3:YES)、ポインティングデバイス5は、そのキー操作に対応するコマンドをプロジェクタ3に送信する(ステップSa4)。
キー入力部12が操作されていない場合(ステップSa1、Sa3が共にNO)、ポインティングデバイス5は、ポインティング方向Kの変移をプロジェクタ3に送信すべく次の処理を行う。すなわち、ポインティングデバイス5は、X軸、Y軸、Z軸の角速度を検出して(ステップSa5)、各角速度の検出値を回転角度に変換し(ステップSa6)、それらの回転角度をプロジェクタ3に送信する(ステップSa7)。
これらステップSa5〜Sa7にける角速度の検出から回転角度の送信までの一連の処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されて、ポインティング方向Kの変移がプロジェクタ3に間欠的に順次送信される。なお、ポインティングデバイス5の送信動作回数を減らすべく、ステップSa5及びステップSa6における角速度の検出及び回転角度の算出だけを一定時間に行い、回転角度が所定の閾値をこえた場合にだけ、ステップSa7における回転角度の送信を行うようにしても良い。
これらステップSa5〜Sa7にける角速度の検出から回転角度の送信までの一連の処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されて、ポインティング方向Kの変移がプロジェクタ3に間欠的に順次送信される。なお、ポインティングデバイス5の送信動作回数を減らすべく、ステップSa5及びステップSa6における角速度の検出及び回転角度の算出だけを一定時間に行い、回転角度が所定の閾値をこえた場合にだけ、ステップSa7における回転角度の送信を行うようにしても良い。
図7は、プロジェクタ3の動作を示すフローチャートである。
プロジェクタ3は、コンピュータ2からの映像データに基づいてスクリーン4に投写像を投写すると共に、ポインティングデバイス5からコマンド又は回転角度を受信した場合には、その受信に応じた処理を実行する。
すなわち、図7に示すように、プロジェクタ3は、ポインティングデバイス5から信号を受信した場合、その信号がキャリブレーションコマンドである場合(ステップSb1:YES)、後述するキャリブレーション処理を実行する(ステップSb2)。
また、受信された信号が右クリックキー15又は左クリックキー16の操作によるコマンドである場合には(ステップSb1:NO、ステップSb3:YES)、例えばメニュー画面を投写するといった、そのコマンドに応じた処理を実行する(ステップSb4)。
プロジェクタ3は、コンピュータ2からの映像データに基づいてスクリーン4に投写像を投写すると共に、ポインティングデバイス5からコマンド又は回転角度を受信した場合には、その受信に応じた処理を実行する。
すなわち、図7に示すように、プロジェクタ3は、ポインティングデバイス5から信号を受信した場合、その信号がキャリブレーションコマンドである場合(ステップSb1:YES)、後述するキャリブレーション処理を実行する(ステップSb2)。
また、受信された信号が右クリックキー15又は左クリックキー16の操作によるコマンドである場合には(ステップSb1:NO、ステップSb3:YES)、例えばメニュー画面を投写するといった、そのコマンドに応じた処理を実行する(ステップSb4)。
受信された信号がキャリブレーションコマンド等のコマンドでない場合(ステップSb1、ステップSb2が共にNO)、その信号はポインティングデバイス5の回転角度を示すことになり、プロジェクタ3は、回転角度を受信すると(ステップSb5)、その回転角度に応じた位置にポインタ6を表示すべく次の処理を行う。すなわち、プロジェクタ3は、投写像領域Rにおけるポインティングデバイス5のポインティング位置9のXY座標値を回転角度に基づいて算出して回転角度からXY座標値に変換する(ステップSb6)。
次いで、プロジェクタ3は、ポインタ6の映像データの生成処理をコンピュータ2が行う設定になっている場合には(ステップSb7:YES)、XY座標値をコンピュータ2に送信し(ステップSb8)、コンピュータ2がポインタ6を表示する設定となっていない場合には(ステップSb7:NO)、XY座標値に基づいてポインタ6の映像データを生成して、そのXY座標値にポインタ6を表示することになる(ステップSb9)。
次いで、プロジェクタ3は、ポインタ6の映像データの生成処理をコンピュータ2が行う設定になっている場合には(ステップSb7:YES)、XY座標値をコンピュータ2に送信し(ステップSb8)、コンピュータ2がポインタ6を表示する設定となっていない場合には(ステップSb7:NO)、XY座標値に基づいてポインタ6の映像データを生成して、そのXY座標値にポインタ6を表示することになる(ステップSb9)。
次いで、キャリブレーションについて詳述する。
このキャリブレーションにおいては、上述のように、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との位置関係が特定される。
詳述すると、本実施形態では、図8に示すように、スクリーン4上に、このスクリーン4をXY平面としたときのXY座標値が既知の4点の点P1、P2、P3、P4を頂点とするキャリブレーション用図形である長方形40を投写し、ユーザ10がポインティングデバイス5をスクリーン4に向けることにより、撮像部20がスクリーン4上の上記4つの点P1、P2、P3、P4を撮像することでキャリブレーションが行われる。そして、このときの撮像部20が撮像した撮像画像に写っている4つの点P1、P2、P3、P4の各々の座標値が画像検出部21により特定され、これらの座標値に基づいて、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との位置関係が特定される。
このキャリブレーションにおいては、上述のように、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との位置関係が特定される。
詳述すると、本実施形態では、図8に示すように、スクリーン4上に、このスクリーン4をXY平面としたときのXY座標値が既知の4点の点P1、P2、P3、P4を頂点とするキャリブレーション用図形である長方形40を投写し、ユーザ10がポインティングデバイス5をスクリーン4に向けることにより、撮像部20がスクリーン4上の上記4つの点P1、P2、P3、P4を撮像することでキャリブレーションが行われる。そして、このときの撮像部20が撮像した撮像画像に写っている4つの点P1、P2、P3、P4の各々の座標値が画像検出部21により特定され、これらの座標値に基づいて、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との位置関係が特定される。
図9は、スクリーン4とポインティングデバイス5との位置関係を示す図である。この図ではポインティングデバイス5の位置をGとして示し、ユーザ10がスクリーン4に対して斜め前方からポインティングする場合を例として説明する。
なお、以下の説明において、スクリーン4の中心を原点Oとし、このスクリーン4をXY平面とする3次元直交座標系を規定する。このとき、プロジェクタ3は、その光軸がZ軸上になるように配置されているものとし、スクリーン4上に点P1、P2、P3、P4を頂点とする長方形40を投写しているものとする。また、ポインティングデバイス5は、スクリーン4の中心Oまでの直線距離がdだけ離れた位置に、X軸から角度θ、Y軸から角度φだけ傾いた姿勢で位置しているものとする。ポインティングデバイス5の傾きとは、このポインティングデバイス5の角速度センサ18の検出軸との傾きを指すものであり、角速度センサ18の各軸センサ18A〜18Cが検出対象とする軸と、図9に示す上記3次元直交座標系の各軸とがなす角度によって規定される。
なお、以下の説明において、スクリーン4の中心を原点Oとし、このスクリーン4をXY平面とする3次元直交座標系を規定する。このとき、プロジェクタ3は、その光軸がZ軸上になるように配置されているものとし、スクリーン4上に点P1、P2、P3、P4を頂点とする長方形40を投写しているものとする。また、ポインティングデバイス5は、スクリーン4の中心Oまでの直線距離がdだけ離れた位置に、X軸から角度θ、Y軸から角度φだけ傾いた姿勢で位置しているものとする。ポインティングデバイス5の傾きとは、このポインティングデバイス5の角速度センサ18の検出軸との傾きを指すものであり、角速度センサ18の各軸センサ18A〜18Cが検出対象とする軸と、図9に示す上記3次元直交座標系の各軸とがなす角度によって規定される。
図9において、ポインティングデバイス5を視点として3次元直交座標系を規定した場合、すなわち、角速度センサ18が検出する各軸により3次元直交座標系を規定した場合、X軸をGx軸、Y軸をGy軸、ポインティング方向KであるZ軸をGz軸とした3次元直交座標が図示のように規定される。そして、Gz軸に対して垂直な平面に仮想スクリーンQを規定することができ、この仮想スクリーンQに射影された像をポインティングデバイス5を操作しているユーザ10が見ていることになる。したがって、スクリーン4に投写された点P1、P2、P3、P4は、ユーザ10から見ると、点Q1、Q2、Q3、Q4に見えていることになる。ポインティングデバイス5の角速度センサ18が検出する回転角度、および、ポインティングデバイス5の撮像部20が撮像した撮像画像に写った点Q1、Q2、Q3、Q4の座標値は、この仮想スクリーンQに射影された像に対するものである。
図10は、ポインティングデバイス5を視点とした3次元直交座標系によりポインティングデバイス5と仮想スクリーンQとの位置関係を示した図である。
以下では説明を簡単にするために、Gz軸周りの回転が無いものと仮定して、図10を参照しながらポインティングデバイス5が検出する回転角度と、スクリーン4上のポインティング位置9との関係について説明する。
ユーザ10がポインティングデバイス5にて仮想スクリーンQ上の任意の点、例としてQ1を指し示した場合、ポインティングデバイス5の姿勢が原点O(初期位置)を指し示す姿勢から点Q1を指し示す姿勢に変化し、そのときのGy軸周りの角速度α’と、Gx軸周りの角速度β’とが角速度センサ18により検出される。そして、これらの角速度α’、β’を角度変換部19が時間積分することで、原点Oから任意の点を指し示す位置を変える動作に伴うGy軸周りの回転角度α、及び、Gx軸周りの回転角度βが求められる。
以下では説明を簡単にするために、Gz軸周りの回転が無いものと仮定して、図10を参照しながらポインティングデバイス5が検出する回転角度と、スクリーン4上のポインティング位置9との関係について説明する。
ユーザ10がポインティングデバイス5にて仮想スクリーンQ上の任意の点、例としてQ1を指し示した場合、ポインティングデバイス5の姿勢が原点O(初期位置)を指し示す姿勢から点Q1を指し示す姿勢に変化し、そのときのGy軸周りの角速度α’と、Gx軸周りの角速度β’とが角速度センサ18により検出される。そして、これらの角速度α’、β’を角度変換部19が時間積分することで、原点Oから任意の点を指し示す位置を変える動作に伴うGy軸周りの回転角度α、及び、Gx軸周りの回転角度βが求められる。
ここで、図9に示した3次元直交座標系における距離d、角度θ、角度φ及びスクリーン4上のポインティング位置9のXY座標値(x、y)と、ポインティングデバイス5が検出するGy軸周りの回転角度α、及び、Gx軸周りの回転角度βとの間には、次式(1)、(2)に示す関係がある。
tanα=cosθ・x/(−cosφ・sinθ・x+sinφ・y+d) (1)
tanβ=(sinφ・sinθ・x+cosφ・y)/(-cosφ・sinθ・x+sinφ・y+d)(2)
また、ポインティングデバイス5の撮像部20が撮像する任意の点の座標値(Qx、Qy)と、ポインティングデバイス5が検出するGy軸周りの回転角度α、及び、Gx軸周りの回転角度βとの間には、次式(3)、(4)に示す関係がある。
Qx/s=tanα (3)
Qy/s=tanβ (4)
ここで、Qx、Qyは原点Oからの相対座標であり、また、撮像部20のレンズの収差、およびx、y方向のピクセル比などの撮像部20に固有のパラメータは既知であるとして補正済みの値である。sはGから仮想スクリーンまでの距離(図9ではs=d)である。
tanα=cosθ・x/(−cosφ・sinθ・x+sinφ・y+d) (1)
tanβ=(sinφ・sinθ・x+cosφ・y)/(-cosφ・sinθ・x+sinφ・y+d)(2)
また、ポインティングデバイス5の撮像部20が撮像する任意の点の座標値(Qx、Qy)と、ポインティングデバイス5が検出するGy軸周りの回転角度α、及び、Gx軸周りの回転角度βとの間には、次式(3)、(4)に示す関係がある。
Qx/s=tanα (3)
Qy/s=tanβ (4)
ここで、Qx、Qyは原点Oからの相対座標であり、また、撮像部20のレンズの収差、およびx、y方向のピクセル比などの撮像部20に固有のパラメータは既知であるとして補正済みの値である。sはGから仮想スクリーンまでの距離(図9ではs=d)である。
また、上記式(1)、(2)によれば、スクリーン4上のポインティング位置9のXY座標値(x、y)は、次式(5)、(6)により示される。
x=d・tanα・cosφ/(tanα・sinθ−tanβ・sinφ・cosθ+cosφ・cosθ) (5)
y=d・(-tanα・sinφ・sinθ+tanβ・cosθ)/(tanα・sinθ−tanβ・sinφ・cosθ+cosφ・cosθ) (6)
x=d・tanα・cosφ/(tanα・sinθ−tanβ・sinφ・cosθ+cosφ・cosθ) (5)
y=d・(-tanα・sinφ・sinθ+tanβ・cosθ)/(tanα・sinθ−tanβ・sinφ・cosθ+cosφ・cosθ) (6)
上記式(3)、(4)に基づいて、撮像した座標値(Qx、Qy)と回転角度α、βの関連より、ポインティングデバイス5が撮像した座標値を原点Oからの回転角度α、βに変換することができる。上記式(1)、(2)によって、距離d、角度θ及び角度φを求めた以降は、ポインティングデバイス5の回転角度α、βの検出値に基づいて、上記式(5)及び(6)により、ポインティングデバイス5が指し示している任意のポインティング位置9のXY座標値が算出されるのである。
さらに角速度センサ18のGz軸周りの回転を考慮すると、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が検出するGx軸、Gy軸、Gz軸周りの回転角度をα、β、γとすると、ポインティングデバイス5を視点とした3次元直交座標系は図11のようになる。上記直交座標系における、X軸、Y軸のそれぞれの軸周りの回転角度α'、β'は、Gx軸、Gy軸、Gz軸周りの回転角度α、β、γより、それぞれ次の式(7)及び式(8)により求められる。
tanα'=tanα・cosγ+tanβ・sinγ (7)
tanβ'=tanβ・cosγ−tanα・sinγ (8)
したがって、この式(7)及び式(8)によりZ軸周りの回転角度γを考慮した回転角度α'、β'が求められ、この回転角度α'、β'を上記式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のα、βに適用することにより、ポインティングデバイス5が指し示している任意のポインティング位置9のXY座標値が特定される。
tanα'=tanα・cosγ+tanβ・sinγ (7)
tanβ'=tanβ・cosγ−tanα・sinγ (8)
したがって、この式(7)及び式(8)によりZ軸周りの回転角度γを考慮した回転角度α'、β'が求められ、この回転角度α'、β'を上記式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のα、βに適用することにより、ポインティングデバイス5が指し示している任意のポインティング位置9のXY座標値が特定される。
距離d、角度θ及び角度φを求める方法としては、XY座標値(x、y)が既知の2点P1、P2を撮像したときの原点Oからの相対座標値(Qx1、Qy1)、(Qx2、Qy2)を求めれば、上記式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて求められる。すなわち、点P3を原点とすると、当該点P3から2点P1、P2の各々までの相対座標値を求めれば良い。
また、原点Oが未知の場合であっても、3点P1、P2、P3を撮像したときの相対座標値(Qx1、Qy1)、(Qx2、Qy2)を求めることにより、上記式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて原点Oの位置を近似的に求めることができ、距離d、角度θ及び角度φを求めることができる。
さらに、4点P1、P2、P3、P4を撮像したときの相対座標値(Qx1、Qy1)、(Qx2、Qy2)、(Qx3、Qy3)を求めることにより、上記式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて原点Oの位置を精度良く、さらに、少ない演算量によって求めることができ、距離d、角度θ及び角度φを求めることができる。以下の説明は、4点を撮像する場合を例に説明する。
また、原点Oが未知の場合であっても、3点P1、P2、P3を撮像したときの相対座標値(Qx1、Qy1)、(Qx2、Qy2)を求めることにより、上記式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて原点Oの位置を近似的に求めることができ、距離d、角度θ及び角度φを求めることができる。
さらに、4点P1、P2、P3、P4を撮像したときの相対座標値(Qx1、Qy1)、(Qx2、Qy2)、(Qx3、Qy3)を求めることにより、上記式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて原点Oの位置を精度良く、さらに、少ない演算量によって求めることができ、距離d、角度θ及び角度φを求めることができる。以下の説明は、4点を撮像する場合を例に説明する。
次いで、上記キャリブレーション時のポインティングデバイス5及びプロジェクタ3の動作を図12を参照して説明する。
この図に示すように、ポインティングデバイス5は、キャリブレーションキー17が操作されてキャリブレーションコマンドをプロジェクタ3に送信すると(ステップSc1)、プロジェクタ3がキャリブレーション用図形である長方形40を投写する(ステップSd1)。また、ポインティングデバイス5は、撮像部20のCCDカメラの電源をONする(ステップSc2)。
この図に示すように、ポインティングデバイス5は、キャリブレーションキー17が操作されてキャリブレーションコマンドをプロジェクタ3に送信すると(ステップSc1)、プロジェクタ3がキャリブレーション用図形である長方形40を投写する(ステップSd1)。また、ポインティングデバイス5は、撮像部20のCCDカメラの電源をONする(ステップSc2)。
そして、ユーザ10は、長方形40を指し示すようにポインティングデバイス5を構え、ポインティングデバイス5は、撮像部20を用いて長方形40を撮像し(ステップSc3)、4点が撮像されているかチェック(ステップSc4)する。4点が撮像されていない場合には、ステップSc3に戻って長方形40の撮像を繰り返し、4点が撮像された場合には、撮像画像に写った長方形の4点P1、P2、P3、P4の各々の座標値を測定し(ステップSc5)、これらの座標値をプロジェクタ3に送信する(ステップSc6)。図13は撮像部20が撮像した撮像画像の例である。Cx、Cy、Coは撮像画像のX軸、Y軸、および原点(撮像画像の中心点)を示し、4点P1、P2、P3、P4は、この座標系に対しての座標値である。また、Cx、Cyは角度検出部の検出軸に一致し、Coはポインティングデバイス5のGz軸が向いている方向を示している。
プロジェクタ3は4点の座標値を受信した後(ステップSd2)、式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて、仮想スクリーン上のX軸、Y軸、および原点Oの位置を計算し、原点Oの方向とポインティングデバイス5のGz軸が向いている方向Coの回転角度の差α、βを計算(ステップSd3)する。図14は、図13に仮想スクリーン上のX軸、Y軸、および原点Oを重ねて示したものである。Coの位置、すなわち回転角度α、βは、ポインティングデバイス5の初期位置を示している。さらに、ポインティングデバイス5の位置(距離d、角度θ、角度φ)を計算する(ステップSd4)。ポインティングデバイス5は、撮像部20のCCDカメラの電源をOFFし(ステップSc7)、プロジェクタ3は、長方形40を消去し、Coの位置にポインタを表示して(ステップSd5)、キャリブレーションを終了する。なお、ステップSc3で長方形40の4点を同時に撮像できなくても、ユーザ10がポインティングデバイス5を上下左右に動かすことにより、撮像時刻のことなる撮像画像を合成することにより、4点P1、P2、P3、P4の位置関係を求め、これら4点P1、P2、P3、P4の座標値を算出することができる。
プロジェクタ3は4点の座標値を受信した後(ステップSd2)、式(1)、(2)、(3)、(4)に基づいて、仮想スクリーン上のX軸、Y軸、および原点Oの位置を計算し、原点Oの方向とポインティングデバイス5のGz軸が向いている方向Coの回転角度の差α、βを計算(ステップSd3)する。図14は、図13に仮想スクリーン上のX軸、Y軸、および原点Oを重ねて示したものである。Coの位置、すなわち回転角度α、βは、ポインティングデバイス5の初期位置を示している。さらに、ポインティングデバイス5の位置(距離d、角度θ、角度φ)を計算する(ステップSd4)。ポインティングデバイス5は、撮像部20のCCDカメラの電源をOFFし(ステップSc7)、プロジェクタ3は、長方形40を消去し、Coの位置にポインタを表示して(ステップSd5)、キャリブレーションを終了する。なお、ステップSc3で長方形40の4点を同時に撮像できなくても、ユーザ10がポインティングデバイス5を上下左右に動かすことにより、撮像時刻のことなる撮像画像を合成することにより、4点P1、P2、P3、P4の位置関係を求め、これら4点P1、P2、P3、P4の座標値を算出することができる。
以上の処理により、ポインティングデバイス5の角速度センサ18が規定する座標系と、スクリーン4をXY平面としたときの座標系との相関関係がキャリブレーションによって特定され、それ以降、角速度センサ18が検出する座標系の回転角度に基づいて、スクリーン4上のXY平面における任意のポインティング位置9を式(5)及び(6)を用いて算出できるようになる。
このように、本実施形態によれば、スクリーン4上に当該スクリーン4上での座標値が既知の4点P1、P2、P3、P4を表示すると共に、これらをポインティングデバイス5が指し示したときに撮像し、この撮像画像に写っている上記4点の各々の座標値と、スクリーン4上での各々の座標値とに基づいて、当該スクリーン4上の原点O、およびX、Y軸を特定すると共に、スクリーン4に対するポインティングデバイス5の姿勢を規定するパラメータ(距離d、角度θ、角度φ)を算出してキャリブレーションが行われる。
したがって、ユーザは、ポインティングデバイス5にて上記4点P1、P2、P3、P4を指し示して撮像するだけでキャリブレーション操作が完了するため、投写像の4隅を登録する従来のキャリブレーション操作に比べて操作回数が減り、また、正確に対象とする点に向ける必要もなく、キャリブレーション操作が容易となる。
また、ポインティングデバイス5が撮像部20を使用するのはキャリブレーションの期間中だけであり、通常使用時は角度変化量を検出する角速度センサ18だけを使用するため、常時、撮像手段によりスクリーン4を撮像する方法に比べて、ポインティングデバイス5の消費電力を大幅に減らすことができる。
したがって、ユーザは、ポインティングデバイス5にて上記4点P1、P2、P3、P4を指し示して撮像するだけでキャリブレーション操作が完了するため、投写像の4隅を登録する従来のキャリブレーション操作に比べて操作回数が減り、また、正確に対象とする点に向ける必要もなく、キャリブレーション操作が容易となる。
また、ポインティングデバイス5が撮像部20を使用するのはキャリブレーションの期間中だけであり、通常使用時は角度変化量を検出する角速度センサ18だけを使用するため、常時、撮像手段によりスクリーン4を撮像する方法に比べて、ポインティングデバイス5の消費電力を大幅に減らすことができる。
さらに、本実施形態によれば、スクリーン4上に表示された4点P1、P2、P3、P4を撮像し、この撮像画像に写された4点P1、P2、P3、P4の座標値(相対座標値)により、スクリーン4に対するポインティングデバイス5の姿勢を示すパラメータ(距離d、角度θ及び角度φ)が特定される。これにより、スクリーン4に対する斜め横方向のポインティングデバイス5の姿勢も特定されるため、スクリーン4の正面のみならず、スクリーン4の斜め横方向からのポインティング動作に対しても正確にポインティング位置9にポインタ6を表示することができる。
また、本実施形態によれば、プロジェクタ3がポインティングデバイス5から送信された4点P1、P2、P3、P4の座標値に基づいてキャリブレーションを実行すると共に、このキャリブレーションの実行結果に基づいて、ポインタ6の表示位置(ポインティング位置9)を算出する構成としたため、ポインティングデバイス5がポインティング位置9の算出及びキャリブレーションを実行する必要が無い。したがって、ポインティングデバイス5が各種演算のための回路を備える必要が無いため装置構成を簡略できると共に、ポインティングデバイス5の消費電力を抑えることができる。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、プロジェクタ3がポインティング位置9を算出する構成としたが、これに限らず、プロジェクタ3に接続されたコンピュータ2が算出する構成としても良い。
また例えば、上述した実施形態では、4つの点P1、P2、P3、P4を頂点とする長方形40をキャリブレーション用の図形として表示する構成としたが、これに限らず、スクリーン4上の原点Oを1つの点に含む少なくとも3点を頂点とする三角形をキャリブレーション用の図形として表示しても良い。また、多角形に限らず、画像処理により識別可能な所定マークを各頂点に表示し、点のみを表示する構成としても良い。
例えば、上述した実施形態では、プロジェクタ3がポインティング位置9を算出する構成としたが、これに限らず、プロジェクタ3に接続されたコンピュータ2が算出する構成としても良い。
また例えば、上述した実施形態では、4つの点P1、P2、P3、P4を頂点とする長方形40をキャリブレーション用の図形として表示する構成としたが、これに限らず、スクリーン4上の原点Oを1つの点に含む少なくとも3点を頂点とする三角形をキャリブレーション用の図形として表示しても良い。また、多角形に限らず、画像処理により識別可能な所定マークを各頂点に表示し、点のみを表示する構成としても良い。
1…プレゼンテーションシステム、2…コンピュータ、3…プロジェクタ、4…スクリーン、5…ポインティングデバイス、6…ポインタ(ポインティングマーク)、18…角度センサ、18A〜18C…軸センサ、19…座標変換部、20…撮像部、21…画像検出部、40…長方形、P1、P2、P3、P4…頂点。
Claims (3)
- スクリーンに画像を投写して投写像を表示する投写装置と、前記スクリーン上の箇所を指し示すためのポインティングデバイスとを有し、
角度変化量を検出する角度変化量検出手段を前記ポインティングデバイスに設け、前記スクリーン上の前記角度変化量に応じた位置にポインティングマークを表示すると共に、
前記ポインティングデバイスに撮像手段を更に設け、
前記スクリーン上に少なくとも3点を表示し、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって撮像された前記3点の各々の座標値に基づいて、前記角度変化量検出手段により検出される角度変化量と前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行うことを特徴とする情報表示システム。 - 請求項1に記載の情報表示システムにおいて、
前記ポインティングデバイスが指し示す方向を1つの軸とした第1の直交3次元座標系の各軸周りの回転角度を前記角度変化量として検出するように前記角度変化量検出手段を構成し、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって得られる撮像画像の座標系を前記ポインティングデバイスが指し示す方向に垂直な面と一致するように前記ポインティングデバイスの撮像手段を構成すると共に、
前記キャリブレーション時には、前記ポインティングデバイスの撮像手段によって撮像された前記3点の各々の座標値に基づいて、前記スクリーンをXY平面としたときの第2の直交3次元座標系と、前記第1の直交3次元座標系との相対的な位置関係を規定するパラメータを特定することを特徴とする情報表示システム。 - スクリーンに画像を投写して投写像を表示する投写装置と、前記スクリーン上の箇所を指し示すためのポインティングデバイスとを有し、前記ポインティングデバイスの角度変化量に基づいて、前記ポインティングデバイスが指し示す位置にポインティングマークを表示する情報表示システムの前記ポインティングマークの表示する位置を制御するポインティング制御方法であって、
前記スクリーン上に少なくとも3点を表示すると共に、前記ポインティングデバイスによって前記3点を撮像し、撮像された3点の各々の座標値に基づいて、前記ポインティングデバイスを移動させたときの角度変化量と、前記ポインティングマークを表示する位置とのキャリブレーションを行うことを特徴とするポインティング制御方法。
Priority Applications (1)
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WO2011043415A1 (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-14 | 日本電気株式会社 | デジタルペンシステム及びペン入力方法 |
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-
2006
- 2006-10-23 JP JP2006287422A patent/JP2008107886A/ja active Pending
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